2023年11月25日土曜日

参政党の内紛(IV): 神谷氏の参政党は日本文化という政治砂漠に根付くことが出来るだろうか?

前回記事で引用した参政党神谷代表の動画で、今回の参政党の内紛の殆どが明らかにされ、参政党は再出発できることになった。先ずは一安心である。しかし、今回の参政党の内乱を見ての感想だが、日本人は政党などの組織を作り運営する能力に劣っているように見える。

 

私は神谷氏の内紛のレビューの真意が党全体には行きわたらず、将来再度このような深刻な内紛があるような気がする。以下、前回に引き続いて、この件を考察する。

 

先ず、参政党を応援する一人が投稿した動画を引用する。その前半は、今回の内紛の経緯を「武田の乱」と名付け、正しく整理している。https://www.youtube.com/watch?v=9t21rwzd1AM

 

 

しかし、その原因は他者による干渉であると結論されており、本質的な誤りがあると思う。それは、韓国が自国の弱点を日本の悪業の所為とすることで解決したように錯覚するのと同じで、結果として言論空間の風通しを悪くし、外部との関係を徒に悪くするのみである。(補足1)

 

このyoutuberが知的でない結果だと考えるのなら、或いは問題は無いだろう。しかし、同じような総括を党内で求心力を増したと思われる松田学氏も行なっており、しかも上の動画がより要領よく纏めているのである。

 

仮に内紛の原因が本質的に外部の工作によるとしても、そのような隙を与えたのは内部の責任であり、その隙の議論による解消が無ければならなかった。「一難去って、皆互いに許し合い、より強く結束しました」だけでは、以前批判した桜井よしこさんによる靖国参拝の論理と同じである。(補足2)

 

内部での不正や歪をあやふやにして丸く収める日本型解決は良くない。内部の和を最重要だとしてそれらを看過し、外部からの良からぬ干渉を招くのは良くないし、その結果を確認しても単に外部批判に終始するのは、愚かだと思う。

 

安易に外部を攻撃するのは、参政党の今後の外部との協力の幅を無くすだけであり、やるべきではないと思う。現在、参政党第二の実力者かもしれない松田学氏の動画を以下に引用する。 https://www.youtube.com/watch?v=yyLiz9Z48lk

 

 

2)松田氏の誤解

 

松田氏は街頭インタビューで、「武田氏と神谷氏は党の理念では一致しており、今回は党の運営の仕方における対立であった。そして外部からその対立を増幅する働きかけがあり、亀裂が広がってしまった」と話している。つまり、外部の悪しき働きかけが、武田氏をあらぬ方向に動かしてしまったという分析である。

 

武田氏を慕って入党したた党員に対する政治的発言と考えれば、配慮ある総括とも考えられる。ただ「今回の経験を元に、外部からの侵略に強い政党になろう」と言うが、内部での原因をうやむやにしてどの様にして外部の侵略に強くなれるのか。

 

そして、「昔の石原慎太郎をリーダーとする集まりの様に、一人の政治家について行くという政治は現在の政治スタイルではない。今は、みんなでやりましょうという時代である」「皆でやろうという象徴が5人に中心人物(ゴレンジャーと言う様だ)だった」と話す。(補足3)

 

このセリフは、「主役はあくまでも党員であり、ゴレンジャーは単にシンボルに過ぎない」という発言と整合的であり、武田氏の「党員が主役であるから、民主的な党運営をすべきである」という意見と重なる。 

 

松田氏の発言は、みんな参政党の理念を受け入れて一致しているのだから、自分たち二人(ゴレンジャーで党に残った二人)をシンボルにして、今後も一緒に力を合わせようと言っているのである。しかし、このシリーズの最初で言ったように、民主的運営は政党という機能体に相応しくない。衆愚政治の堕落に終わるだけである。

 

「外部の邪な奴らが悪いのだ」という結論は、ある意味で心地よいし、それなりに党員を団結させる力ともなる。既に述べたように、意味のない団結はむしろ組織の今後にとって有害である。

 

この話の結論を言えば、今後参政党は現在の3-4倍の勢力となるだろうが、そこで再び大きな内乱を経験する可能性がある。それは今回の内乱から党員は何も学んでいないからである。言ってよいものかどうか迷うが、その中心にM氏がいる可能性もゼロではないと思う。

 

 

3)今回の”武田の乱”の原因

 

今回の武田の乱の原因は、神谷代表が考える党の目指す方向が執行部周辺でも十分には理解されていないこと、及び幹部の中に非常に名誉欲と自己顕示欲が強い人が混じっていたことである。

 

一般に、人を性善説で見るのも性悪説で見るのも間違いである。ある場所ある瞬間においての悪人と善人が、場所と時間が変れば、入れ替わったりするのが人間社会である。メンバーが善人として活躍できる様、配置するのが人事である。人事は一般に非民主的になされる。

 

政党は政権を目指し、政権を執り、国政を担当して、国民のための政治をするのが本来の目標である。参政党は党員のためのものだという言葉は聞こえが良いが、そこに上記のような人事の考えがなければならない。

 

そして、「安易な党員への過剰な配慮」は、党を潰すことになる。「民主」という言霊に幻惑されるのは愚かである。https://www.youtube.com/watch?v=3xP_delEkcs

 

 

上の動画を視聴してもらいたい。この素晴らしい演説を聞いても、その内容が理解できない人が多いのが現実である。「日本が滅びて(海外に居る人も含めて)日本人が幸せになることは絶対にありえない」という言葉も、海外在住の経験が無ければ難しいかもしれない。フランス在住で談論風発のひろゆきさんにも聞かせてあげたい。(補足4)

 

神谷氏は、自分自身をプチ権力者と位置付けている。ゴレンジャーの多くも、この動画が分からなかったのだろう。この小さな芽が、日本文化と日本人という政治砂漠の中で育つかどうかは、やはり微妙である。

 

そのような事を全て熟知しているのは、企業で言えば創業者である神谷氏一人である。勿論、成長した後には新しいリーダーに相応しい人が複数現れ、次の目標設定などで議論になるかもしれない。今回の内紛は、そのようなレベルの高い内紛ではなかったと思う。

 

「人をさばくことには抑制的でありながら、行為としての悪は厳重に罰する」ことで、人は集団で生きられる。(補足5)そのことが、参政党の一部でも、日本文化の中と同様に、殆ど理解されていない様だ。何とか、気づいてほしいものだ。

 

 

補足:

 

1)欧米の知恵のかなりの部分は聖書によりもたらされていると思う。このような内紛関連に対する言葉としては、「人をさばくな、自分がさばかれないためである。」(マタイ、7章)があるが、これは人を正しく罰するのは困難なことだという戒めである。それは、7章ー5まで読めばわかる。一方、「すべて外から人の中に入って、人をけがしうるものはない。かえって、人の中から出てくるものが、人を汚すのである。」(マルコ7章‐15)外に原因をもとめる気持ちは分からないわけではないが、外部の人を裁き自分の内部の穢れを免罪するのは正しくない。

 

2)桜井さんの論理は、A級戦犯を裁いた①東京裁判の結果を受け入れるという条件で連合国と講和を結びながら、「あれは②事後法による裁きであり間違いであるから、東条英機以下は許されて靖国に合祀されることは当然であり、そこに首相や閣僚が参拝することも正しい」として、③自国の為に命を犠牲にした人たちに尊崇の念を表明するのは独立国として当然であるとして、首相の靖国参拝を正当化している。 桜井さんは、外交上約束①を、国内の論理である法理論②を基準に無視している。更に、戦争に至った近代日本の歴史のレビュー無しに、③の一般論を引き出して、日本国民に敗戦という行政上の大失敗の責任まで消し去っているのである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12704328039.html

 

3)この発言は、参政党の中心である神谷氏の独走にブレーキを掛け、党の運営は今後ゴレンジャーとして残った自分と神谷氏との合議制とすべきだという主張にも聞こえる。

 

4)唐突にひろゆきさんを出すのは、彼はネット社会で活躍する若い世代を代表する数少ない日本の知性の一人で、フランスに逃げてしまったからである。少し年長の似たような感じの人に橋本徹氏が居る。彼は、日本に恩恵を感じていないのか、国政に関与したくないと神谷氏の申し入れを断った。日本維新の会が、人事で新陳代謝を正しく行って、神谷氏と橋本氏がコンビを組んでいたなら、日本維新の会は今のような体たらくした存在ではなくなっていただろう。

 

5)人を裁くことは人の尊厳を破壊することである。人の行為を裁く(罰する)こととは次元が異なる。「人をさばくことには抑制的でありながら、行為としての悪は厳重に罰する」ことは、人が社会をつくり協力して生きていく上での知恵であり、ルールである。日本人が安易に行う「人にラベルを貼って評価すること」は、人を裁くことであり、それはその人を汚すことになる。

 

(10:30、12:00;18:30、かなり大幅な編集;申し訳ありませんでした。)

 

 

2023年11月23日木曜日

参政党の内紛(III): 神谷氏による時系列で示された説明

今回の記事は、私個人のモデルを含んでおり、全てが客観的事実に一対一で対応するものではありません。その点だけ注意してお読みください。

 

参政党の内紛の詳細は、神谷宗幣氏による時系列での詳細な説明で明らかになった。それを先ず要約し、§3で神谷氏が行なった詳しい解説の10月末までの部分を整理して示す。それ以降、武田氏は百田さんの動画に出演するなどして参政党潰しに動いておられるので、内紛とは言えずここでは言及しません。https://www.youtube.com/watch?v=WFmYS2-1Ue4

 

 

1)武田邦彦氏を中心とした参政党の内紛の要点

 

今回の内紛は要するに、武田邦彦氏が自分が中心になって参政党を支配し、新しい保守政党として大きく育てたかったのだと解釈できる。その為に先ず、河村たかし現名古屋市長を参政党の代表にして、河村氏を国政に復帰させる。

 

武田氏は、それに続いて、百田尚樹氏と有本香氏が立ち上げた日本保守党との合併まで考えていたと思う。そうすれば武田氏は、日本の政治の大きな動きの中心になれる。今回の内紛は、武田氏の参政党に対する無理解とエゴイズムが原因であり、6月頃に始まった神谷氏の危惧したことでもある。

 

上記ストリーの通りに事を進めるには、参政党創業者の神谷氏の堅苦しいビジョンが邪魔なので、先ず最初に神谷氏を参政党から切り離すことを考えたのだと思う。それが河村たかし氏を抱き込む戦略だろう。§3の今年77日と711日の項を参照してもらいたい。

 

つまり、武田氏には参政党のビジョンの重要性が分かっていなかった。単に自民党の世襲議員たちによる“日本をアメリカ民主党の属国にする政治”を破壊するという百田氏のビジョンと大差ないと思っていたのだろう。恐らく、吉野敏明氏や赤尾由美氏も、同じだったのではないかと思う。

 

私が理解した参政党のビジョンとは、今月14日の記事に書いている。つまり:①国民が日本の歴史を正しく学び、日本の現状と将来への方向を自分で考えること、および、②国民が政治に参加して、独立した日本国を回復することである。そして、その流れをより太く確かなものにする為、③教育改革が行なわれること、以上3項目だろう。(補足1)

 

ただ、百田氏らの日本保守党は、この武田氏らの動きを今年8月まで殆ど知らなかったというのは本当だろう。この件、外部からの参政党切り崩しというより、少なくとも8月末までは、専ら参政党内の内紛だったと思う。

 

 

2)2021年に起こった参政党の内紛との比較

 

因みに、参政党にはこのようなトラブルは以前にもあった。そのことについて少し解説する。

 

参政党設立の歴史は、神谷氏による2013年のインターネットチャンネルCGSを開設に始まるだろう。そこで、歴史、政治、経済関係の動画を配信している。2019年「政党DIY」を立ち上げ、20203月に政治団体の届け出、411日に結党している。

 

当初メンバーは、神谷氏の他、松田学氏、KAZUYA(京本 和也)氏、渡瀬裕哉氏、篠原常一郎氏である。20211月に、KAZUYA氏が執行部から離れ、4月に離党している。その理由は、「党(つまり神谷氏)がディープ・ステートが米国を牛耳っているという陰謀論に傾斜してしまったから」と言うのである。

 

同じ理由で渡辺裕哉氏も「参政党」を離党している。評論家の倉山満もこのように指摘しているとウィキペディアには書かれている。つまり、かれらはトランプ前大統領が言うディープ・ステートを都市伝説(陰謀論と言う人も多い)のように受け取っているのである。

 

近代史研究家の林千勝氏や元ウクライナ大使の馬淵睦夫氏らの解説する米国ネオコンの政治を、彼らは理解せず、米国ネオコンとその背後に居るユダヤ系ロビイストらの言い分をそのまま信じ、米国の実体を知らなかったことが原因だろう。

 

今回の武田氏らの企みも、日本国に何が欠けているかについての十分な考察もなく、日本の政界における新しい波を野合的に作ろうとする企みだったと思う。中心メンバーでありながら、参政党を創設した神谷宗幣氏のビジョンとこれまでの努力が感覚的にも論理的にも十分には分かっていなかったのだろう。それが私の今回の内紛の総括である。

 

なお、記者会見の時の動画は:https://www.youtube.com/watch?v=1Ngo6q-IXgY

 

 

3)今回の参政党内紛に関する神谷氏の時系列での説明:

 

武田氏が減税日本(以下G党)との連携を考え、G党の代表(河村たかし氏だろう)と会ってほしいとの話を神谷さんにしたのが5月6日であった。

 

5月11にG党代表と一回目の話をして、選挙協力や政策協力なら可能であるが、G党との人事交流は出来ないと伝えた。

 

520に神谷氏は話合いの結果について話すために武田氏と面談をした。武田氏のG党との連携の話について、警戒心をもった。

 

525に再度G党代表と話をし、比例区で名簿を貸すことは可能だが、選挙資金は出せない; 参政党人事についてはG党の意見を反映する訳にはいかないと話す。その後、G党との連携の話は、立ち消えになった。

 

6月中旬、百田新党の立ち上げの話があった後、武田氏は東海地方の参政党役員を自宅に呼び、「G党との協力は決定事項である」と言った。2日後には、地元新聞を呼んで、G党との懇談の場を作ろうとしているとの情報が神谷氏の耳に入った。

 

6235人の役員メンバーの神谷、松田、武田、吉野敏明、赤尾由美の5氏(ゴレンジャーと呼ぶ様だ)が会議をひらく。その場で、武田氏が「党運営を事務局が独裁的に行なっている。金の使い方が悪い」と他を叱責し、党運営をゴレンジャー中心に行なうべきと発言。

 

その時、「金の使い方が悪いと言うことはない。それならボードに参加してもらえばよい」と言ったのは事実だが、あとで”ボードメンバー交代はボード会議で行なわなければならない”という規定を思い出し、直ちに訂正の連絡をした。

 

628、ゴレンジャーとボードメンバーで会議。武田氏は事務局の部長らを叱責する。ボードメンバーの交代(武田氏の加入)は否決された。

 

この後、ある秘書の方(吉野氏の秘書)が、この会議の内容に偽情報を乗せて、支部党員にメールや電話で伝えるなどの不審な動きが見られ始めた。

 

73日;77、武田氏が衆議院選挙(東海比例区)には出ないと発言し、小選挙区なら出ると言ったが、その後小選挙区での立候補も止めると連絡してきた。

 

その本心を支部役員が聞きただしたところ、「G党のK氏(河村氏)を共同代表にした方が良い」「神谷は言行不一致なので、それを正すまでは立候補しない」と言った。

 

711日には、党員から「河村氏を参政党代表にして、一期終わった時に神谷代表に戻せばよい」と言ったと聞く。

 

ここで神谷氏は、5月以来の杞憂が現実のものと知る。そして、武田氏が河村氏を党の代表にして、その後、日本保守党との合流まで考えているのではないかと疑うに至った。

 

8月に吉野氏の秘書が、武田氏の823の講演会の録音を多数の党員に送付した。その講演で、武田氏は「参政党の金を狙っている奴がいる。そういう人物を一人づつこれから排除する作戦を練って、支部の方々と協力してやっていこうと思う」という主旨の発言をしていた。

 

818、武田氏秘書から、アドバイザー辞任の話が連絡される。武田氏は本部以外のメンバーにも辞任の連絡をしていた。武田氏と吉野氏が以前も参加していたのだが、830日のボード会議には、不参加と連絡してきた。この時点で、参政党の切り崩しの危険を察知し、代表の交代をしてもらう。

 

9月1日、日本保守党がSNSX, 旧ツイッター)の立ち上げをする。

98日、武田氏に話合いを申し込むが拒否される。105日なら会うということで一旦約束したが、101にやはり会わないとの連絡を受ける。

 

108、愛知県での政治系の集会で、武田氏は神谷が4億円使いこんでいると話す。

1017、保守党結党集会が開かれ、河村氏の共同代表就任が発表される。

 

1023、臨時支部長会議を開催し、不正確な情報が意図的に流し込まれている。今の事態は、どこかから仕掛けられている情報戦のような情況であると話す。

 

そして、今後我々が採らなければならないのは、これから始まる法的対応に支障のない範囲で、武田氏や吉野氏某秘書(吉野氏秘書)の行なってきたことについて話す。この会議の内容は部外秘だっがが、翌日には参加しなかった吉野氏がSNSで自分の秘書がスパイ呼ばわりされているとの言及した。

 

これまで某秘書としてのみ話していたことが、吉野氏自身から自分の秘書だと言ったことから、会議の内容を歪めて吉野氏に伝えている人物が居る事を示している。吉野氏には会ってほしいと話をしたが、その後アドバイザーを止めるという連絡を受けた。

 

1029、武田氏は参政党の執行部に裏切られたという短い動画を配信。

 

113以降の話(動画の22分以降)、共産党に似た体制が望ましいと神谷氏が言った云々についてはそれ程重要でないと思うので、省略します。

 

4)私の若干の補足:

 

以上の解説で、武田邦彦氏と吉野敏明氏と参政党内紛との関係はほぼ明らかになった。ただ、吉野敏明氏及び吉野氏秘書の役割が十分に区分けされていない。吉野敏明の最近のツイートから、吉野氏は自分の秘書がスパイ的な行為をしていないと信じると言っている。

 

恐らく、参政党本部に吉野氏秘書に情報を流す人がいるのだろう。ただ、823日の武田氏講演の音声データを方々に送った件は、送付元アドレスから吉野氏秘書が行なったことは明白である。やはり吉野氏も武田氏の考え方に、消極的であっても同調していたのだろうと思う。

 

武田氏の人となりであるが、私のこれまでのブログ記事では、全く信用の置けない人物として言及している。例えば、福島第一原発から出る汚染水の海中投棄の件では、よく調べもしないで、専門家面をしていいかげんな発言をしている。この件について、私の発信は以下の記事にある。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12818393115.html (武田氏の動画:https://www.youtube.com/watch?v=rowgdws_iD8

 

このほか、名指しで武田氏を批判したブログも書いている。以下の武田氏の発言をみて、各自ご判断ください。 武田邦彦氏:世の中には困った人もいたものだhttps://ameblo.jp/polymorph86/entry-12562440677.html

 

石油はいくらでもあるとか、(地球)温暖化など全然しない、タバコ吸っても肺がんにならないなどと言って憚らない。(130まで)低価格(現在の価格)の石油でも、現在のペースで消費して10万年持つといっている。無茶苦茶である。

 

「地球は誕生のとき、大気の95%は二酸化炭素だった」「地球の生命は皆炭素ですから、炭素がなくなった時生命は絶滅する」「現在、大気中のCO2濃度は0.04%だが、恐竜時代の1%位にまで戻したほうが良い」など。(340

 

このような発言は、武田氏の動画を見てきた方にはなじみ深いものだと思う。この時の動画(https://www.youtube.com/watch?v=xu3iZRPURds)は既に削除されている。私の体験では、武田氏の動画をブログで引用すると、後で削除されていることに気づくことが非常に多い。

 

 

補足:

 

1)参政党のHPに綱領が書かれている。それらは以下の3項である。

① 先人の叡智を活かし、天皇中心に一つにまとまる平和な国をつくる。 ② 日本国の自立と繁栄を追求し、人類の発展に寄与する。 ③ 日本の精神と伝統を活かし、調和社会のモデルをつくる。

また、参政党の理念として、「日本の国益を守り、世界に台調和を生む」と書かれている。

ただ、これらは概念的であり、具体的ではない。それに、この理念は政治としてはアマチュア的である。つまり、この若い政党は、今後何度も理念を練り直し、綱領も書き直すことで日本の国政を担当するまでにならなくてはならない。神谷氏の活動と演説から、彼の思いを抽出してみれば、その中心にあるのは日本が自国の歴史を再構築し、それに基づいて歴史教育すること。そして、その歴史により日本国民全てが日本国を本当に理解することであり、それにより日本人に愛国心を育てる。その結果、日本が真の独立国となることが出来るのである。それが分からない人たちは、いかにマスコミの寵児であってもボードメンバーには相応しくない。

 

(12:00、編集、KAZUYA氏の本名を追加;21:00、助詞等の軽微な修正)

2023年11月22日水曜日

参政党の内紛について(II):参政党は発展の第二フェーズに入った

 

参政党の内紛(I)は、11月4日に書いた記事である。その記事で最初に紹介した動画に、参政党の神谷代表に対する凄まじい人格批判が語られている。ボードメンバー、吉野敏明氏や武田邦彦氏による神谷氏を中傷する言葉が引用されている。

 

その内の一人吉野氏は、最近参政党を離党し、外部から参政党を応援することになったようだ。吉野氏は「これからも、参政党の益々の発展を祈念します。私を参院選や府知事選に推してくれた神谷さんには一生感謝します」とツイートすることで、それを表明している。https://twitter.com/yoshirin100/status/1726136463782531558

 

このツイートの中で、「私の秘書は参政党を騒乱することなど天地天明神に誓って一切しておりません、とても誠実な人間です」とも語っているが、この部分の詳細はよくわからない。参政党の内紛(I)で引用した動画の冒頭で、吉野氏の写真と供に「ある人格障害者が世間を跋扈しているので要注意だ」という言葉で神谷氏を中傷することと、上記ツイートの言葉は整合的ではないからである。あの動画は、何者か別人によるというのだろうか?

 

吉野敏明氏も、参政党の神谷氏同様、現在世界を支配しつつあるグローバリストたちに反対する立場(一応“反グローバリズム”と言う:補足1)の活動家である。そして現在二人は、立憲民主党の原口一博氏らとともに、世界政府を創る企みの一部と考えられるパンデミック条約締結や国際保健規則(IHR)の改訂に反対する運動(補足2)を展開している。

 

吉野氏がその篤い思いを抱きながら神谷氏批判を展開したのなら、それなりの理由があるのだろう。兎に角、当事者たちが今回の内紛を振り返り、今後の参政党成長の糧としてもらいたいと思う。

 

この吉野氏のツイートを引用して参政党の内紛に言及したのが、今朝の及川幸久氏の動画である。この動画で及川氏は、この参政党の内紛が結果的にグローバリスト全体主義者たちによる分断工作と見ることもできると話している。

 

そして、今回のケースは、米国プロジェクトヴェリタスの内紛とよく似ていると話す。これは非常に適格な指摘だと思う。米国のケースでは、参政党の内紛とは違って、創設者ジェームズ・オキーフが追い出されることになった。https://www.youtube.com/watch?v=dPrsnnQ5kXs

 

 

及川氏は上記動画で、敵を弱体化する「分断と統治」(divide and rule policy) という古くからの戦略を解説し、今回の参政党の内紛もその戦略が背後にあると話す。グローバリストたちによる参政党分断化工作を具体的に証明すること(補足2)は困難かもしれないが、結果的にはそれが成功しているように見えるというのである。

 

私も及川氏の「幅広く連携してグローバリストたちの企みに反対しよう」という考えに賛成である。そこで、以下のようなコメントをアップした。

 

参政党の騒動とプロジェクトヴェリタスとオキーフさんとの分裂との同質性を指摘されたのは、さすがに及川さんです。この参政党の内紛を利用して、分断と統治の手法で参政党を潰そうとする企みが外部からなされたと考えられます。武田さんのその後の発言も、かれらグローバリストたちは喜んで利用するでしょう。(補足3)

 

ただ内紛の出発点には、やはり路線或いはポストをめぐる議論があったのでしょう。私はここで、内紛が治められなかったのは、日本人の組織を組みそれを運営する能力の低さが大きな原因だと思います。全く個人的な問題で、大きな組織としての目標が一旦視野から消えてしまうのです。

 

それにいち早く気付いたのが松田学前代表であり、時間を要したが、吉野敏明氏もついにそれに気づいたと思う。吉野氏は、時間を要したので、今後は外部から参政党を応援することになると思う。及川さんが紹介された吉野氏のツイートがそれを示している。

 

上記コメントの中段で書いたこと「日本人の組織を組みそれを運営する能力の低さ」が、特に言いたかったことである。この日本人としての弱点を自覚すれば、このような内紛の頻度が抑えられるのではないだろうか

 

尚、この多段階組織を組んで運営することに苦手な日本人の性質が、日本経済低迷の30年などとも関連するので、別セクションを立てて、少し考えてみる。

 

 

2)多段階組織を組み運営する訓練を受けていない日本人

 

日本人は大きな組織を組み運営する能力が低い。その場合、多段階組織の中間で活動することが特に難しいからである。一段だけの組織はリーダーとその他大勢で構成され、人間以外の多くの動物でもそのような組織(=群れ)を作って生きている。

 

しかし、多段階の組織の創設と運営は、人間以外では見られない。中間管理層は、組織全体の目標を意識しつつ、自分の下の組織をまとめ運営していかなくてはならない。

 

その為には、自分の組織の効率最大化という中間組織の長としての役割を、一段上の組織の長からの指令に従い、且つ、一段上の組織の構成員として、更に、組織全体の運営に対してポジティブな寄与をするという多くの条件下で果たさなくてはならない

 

つまり、個として活動においては、個の利益の最大化を目標にして活動するだけであり容易である。しかし、中間のチーフの立場では、自分の組織の下に向けては最終決定権を持ちながら、自分が所属する一段上の組織では決定権を上部に委ねるという柔軟な対応が求められる。

 

西欧では、この時に受ける精神的ストレスを解消するために、会社等の組織内の自分と組織から離れた自分を、一日2回意識して切り替えていると思う。それは、プライベートとパブリックの立場の切り替えに似ている。多分西欧では、隣家に部長が住んでいても、課長は対等に付き合えるだろう。

 

日本人の多くは人にラベルを付けて、24時間365日、そのラベルで他人を見ることに慣れている。この日本文化特有の問題が、日本の様々な問題の原点に存在する。私が屡々持ち出す機能体を作り運営することが下手な日本人の病根は、その日本文化にあると思う。

 

例えば、大学時代から何十年たったか分からない芸能人の多くが、卒業した大学のブランドでクイズ番組で活躍し、それを日本の家庭ではテレビで見て”楽しん”でいる。また、明治維新の時の貴族の末裔たち(薩長の方々)が未だにそのブランドで、政界や経済界の上層に居るのである。

 

両親に睡眠薬を飲ませ、眠ったころに頭からビニール袋か何かをかぶせて死に至らしめた歌舞伎の名門の方の裁判が即日結審し、その判決が2,3日前に出され、執行猶予付きだった。このことも、同じ力学が働いたからではないのか? 日本の伝統文化の一つである歌舞伎ブランドの力である。 https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12827556110.html

 

日本のこの遺伝病に、日本人はそろそろ気付くべきだ。

 

 

補足:

 

1)グローバリズムという言葉の本来の意味は、地球規模化である。最初に現れたのは、レーニンとトロツキーらユダヤ人共産主義者による国際共産主義革命の活動であり、その後現れたのが、世界経済のグローバル化である。その二つの活動は、最終的に結びついて現在の政治経済全体のグローバル化の活動となっている。それを担うのが、現代版トロツキストの米国ネオコン、経済のグローバル化に成功した米国巨大資本、そして欧州のユダヤ資本とその末裔と取り巻きの金融資本家たちだろう。後者の手先が、ダボス会議の主催者であるクラウス・シュワブ氏の世界経済フォーラムだろう。環境問題を武器に政治のグローバル化を目指しているグレタ・トゥーンベリさんも、グローバリストの代表的人物であり、英国ロスチャイルドの末裔だと言われている。

http://blog.livedoor.jp/omb2012/archives/59717253.html 

 

2)私もこの見方に賛成である。グローバリスト側からのこの内紛を利用した動きの具体例としては、以下の動画にある黒川敦彦を名乗る人物による神谷批判である。参政党を批判する人物としては他に元NHK党の立花孝志氏がいるが、彼らは自分がトップに立たなければ何もできないという小ボスであり、自民党などの勢力とどの程度結びついているか分からない。https://www.youtube.com/watch?v=jE_WxHPgBF0

 

3)武田氏は元企業の物理化学系の研究者であり、その後大学の先生となられた方である。この基礎理科学の研究は、仕事の性質としてもっとも政治からは遠い。武田氏が基礎科学系の学者なら、失礼かもしれないが、政治家には向かない。その学者としての感覚が、多分今回の内紛の原因の一つだろうと推測する。

 

(12:30編集、補足3の追加)

2023年11月20日月曜日

激動の21世紀に予想される危機を日本は回避できるか?

世界の大混乱を想定したシミュレーションの必要性

 

21世紀は大混乱或いは変革の100年かもしれない。現在進行形のウクライナ戦争やハマス対イスラエルの戦争は、単にその序曲のようなものだろう。次に起るのは米国の混乱と衰退、世界覇権のどこかへの移動なのだろう。その前に、第三次世界大戦になるかもしれない。

 

その混乱の中で日本国は存立の危機に陥るかもしれない。その危機とは、中国や北朝鮮など隣接する他国による侵略である。(補足1)

 

日本の政治が今すべきはその危機から日本が生き残る政治・外交のシミュレーションだろう。先ずは、ウクライナとイスラエルの戦争に学ぶべきである。その正しい理解無くしては日本の未来は無いと思う。

 

その問題意識をもって、ウクライナの悲惨な情況やガザ地区での凄惨な様子を観察・分析し、それを参考にして混乱の世紀を乗り越えるよう準備しなければならない。日本の国会では現在そのような議論は皆無だと思う。現在の政治家の総入れ替えが無ければ、日本の将来は危うい。

 

・ウクライナ

 

ウクライナでは、18歳~60歳までの男性は出国禁止で、今はそのかなりが戦死していると考えられている。例えば: https://www.yomiuri.co.jp/world/20231110-OYT1T50075/

 

ウクライナの450万人の難民(主に女性と子ども)は西に逃れているが、その四分の一がポーランドにとどまり、残りは他のEU諸国に入る。概ね暖かく迎えられているというが、そのかなりの人たちは、性的なサービスや家事などの労働を強いられていると、米国メディアが報じている。https://www.youtube.com/watch?v=iROjQXc7e60(体験者の発言は6分10秒ころ)

 

 

ゼレンスキ―の言う防衛戦争は、ウクライナの何を、何から防衛する戦争なのか? 国民の殆どを不幸のどん底に陥れて、何が国防か! ゼレンスキーの国会演説に立ちあがって拍手する永田町の住人や霞が関の日本人達、日本のマスコミと日本の一般民は、その様な原点思考をしないのか?

 

確かにウクライナの地政学的位置とソ連崩壊後の政治情勢は、アイデンティティを持った国家として団結することが困難だったかもしれない。しかし、ドネツクを自治州にするミンスク2合意を実行することで、国家の統合がむしろ容易になった筈である。何故それをしなかったのか?

 

国民全てが正しい政治的認識を持ち、大国(つまり米国とNATO)の干渉を退けられたなら、現在のような境遇にならずに済んだだろう。このウクライナの情況から、日本国民は多くを学ぶことが出来ると思う。兎に角、一旦戦争になれば、このような悲惨な境遇に落ちる。

ウクライナ戦争は米国の代理としてロシアと戦っている:私のブログ記事

 

・パレスチナ

 

ガザ地区の死亡者数は13日までに11240人に達し、うち4630人が子どもだったと、地元の担当者が発表した。昨日もイスラエルは、ガザ地区北部の難民キャンプにある国連機関が運営する学校を爆撃し、50人以上を殺害したと報道されている。https://www.youtube.com/watch?v=9uHmFwqD1e4

 

学校や病院などの爆撃を禁止する国際法の規定など、前世紀の遺物のように取り扱われている。ネタニヤフらがハマスが「人間の盾」戦術を使っていると非難するが、このような空爆をするイスラエルにその戦術をを非難する資格など最初からない。それは民間人を殺さない国家に限定された資格だ。

 

日本が学ぶべきことはたくさんある:

 

これらの情況は、10000km西方の国々での出来事であり、我々はまるでエンターテインメントのようにテレビで見ているだけだ。それらは近い将来、日本にも発生する可能性についてテレビの評論家も国会も一切議論しないのは非常に愚かだ。

 

日本が学ぶべきことは、混乱の時代には近代の西欧が作り上げた国際法は意味がなくなり、残るのは野生の原理のみとなるということである。その原点から日本の国防を考えなければならない。これからの世界は、古代には普通だった民族間の凄惨な生存競争となることも覚悟しなければならない。

 

このような世界情勢は、20世紀の政治では想像の世界だけだったが、21世紀の今では東欧と中東での現実である。そして近い将来、我々の現実となるかもしれないと覚悟し、それに備えるべきである。

 

別のトラブルのシナリオ:

 

ここまでは日本の将来に、ウクライナやパレスチナの現在を投影して考えた。しかし、全く別のシナリオも存在する。それは日本への大量難民或いは便衣兵(民間人の服装をしているが、正体は軍人)の流入である。

 

例えば、中国や北朝鮮で内戦が始まる可能性は、かなりの確率で存在する。何といっても、内戦やクーデターなどの原因は経済の大不況である。例えば中国の場合、コロナ不況から不動産不況となり、大学を卒業しても就職率は20%に満たない。https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/74704 

 

最近まで元気だった元首相の李克強の死も、実は暗殺ではなかったかと噂されている。また、国防相が今年7月に解任され、政権幹部も今や粛清の危険性を感じているだろう。もし、内戦などに発展したら、日本には何十万という「見掛け難民船」が来るかもしれない。

 

もし大挙して来るなら、日本の島嶼部を占領して内戦のための基地とすること、或いは日本占領の先駆けの可能性など考えられる。その時、難民船に見せ掛けた船と判断すれば、侵略者として撃退するか撃沈しなければならない。

 

嘗て自衛隊の最高指揮官である首相で、「人命は地球より重い」と言ってテロリストを解放した人がいたことを考えると、果たして日本にそのような毅然とした対応が出来るのだろうか? 島民はそのような作戦の背後で自分と家族を守り、そこを無事退避できるだろうか? (補足2)

 

そのような事態に対応するには、国民それぞれが平和ボケの頭を洗い直し、予想される事態をシミュレーションして、自分の為の対応マニュアルを頭に入れておく必要がある。

 

現在、日本国中の自治体や町内会などでは、地震が来た時の防災訓練や消火訓練ばかりしている。今はそんなことよりもっと大事なことがある筈だ。愚かに見えて仕方ない。

 

自分自身の対応マニュアルを作るには、先ず日本国民全てが国家と自分の関係を原点から考えることが必要である。日本の政党で唯一それを提唱しているのが参政党であり、この出来たばかりの小政党に期待するしかない。神谷宗幣氏には頑張ってもらいたい。

 

西鋭夫フーバー研究所教授の講演:

 

この文章を書く気にになったのは、米国スタンフォード大所属のシンクタンクであるフーバー研究所の西鋭夫教授の講演の動画を視聴したからである。2019年、西氏が米国から一時帰国した時行った講演動画である。

 

西氏の講演のスタイルは、日本のもの静かな学者のものではなく、現実的な米国仕込みのスタイルである。平和ボケの人たちは、その雰囲気にさえ、拒否反応をするかもしれない。

https://www.youtube.com/watch?v=RKr7BJwACIY

 

 

 

補足:

 

1)テレビ朝日の玉川徹氏は、日本が敵基地攻撃能力を持たなければ、中国も日本を攻撃する動機が無くなると言ったという。

 

 

2)現在の政界にも数人は、まともな感覚を持った人もいる。北方領土を取り返すには戦争しかないではないかと言った丸山穂高議員、

 

 

そして、北朝鮮有事に関して「警察で対応できるか。自衛隊、防衛出動か。じゃあ射殺か。真剣に考えた方がいい」と発言した麻生太郎議員等である。

 

 

彼らの言葉は、問題点を指摘したものであり、その意味で正しい。

これらの発言そのものを問題視するマスコミと日本の平和ボケの方が問題なのだ。この平和ボケという病気は、日本社会党から民進党などが重症であるのは周知。言葉を口にしてもいけないというのは、日本文化にある病的な点で、戦後の占領政策のためだけではない。それは葬式や法事で、坊主も理解していない訳のわからないお経をおとなしく聞く文化である。

 

(15:00、16:45 編集、補足1追加、タイトル変更;20時再度編集して最終稿とします。)

2023年11月14日火曜日

参政党について: 武田邦彦氏の誤解とその根本的な間違等

 

参政党が新しい保守系の政党として生まれ、大きく成長している。ただ、この段階になって、党の運営について初期メンバーからも不満が出て内紛となり、追い出された彼らによる逆襲が行われている様である。

 

内紛の理由についての私の分析は、端的に言えば、本文最後に示した武田邦彦氏の参政党批判の動画に投じたコメント(茶色の活字)の通りである。以下、参政党の特徴などから初めて、内紛とその理由とについて、私の理解したところを書く。

 

 

1)参政党の特徴と神谷宗幣氏の特別な地位について

 

日本の政治に新風を吹き込んでいる政党に参政党がある。現在の日本の政治情況に危機感を感じ、日本がこのまま米国の属国の位置に甘んじれば、国家の崩壊と国民の悲劇が近い将来必ずやってくることを知り、短期間に政権与党になり得る政党として創られた。

 

独立国家としてのインテグリティ(完結性)を獲得するまでの道のりは遠いだろう。しかし、何とか急いでその方向に国全体を導かねばならない。そのような悲痛ともいえる思いと覚悟を、参政党を作り上げた神谷宗幣氏の演説から感じる。

 

私が理解した参政党の目指す日本は、①国民が日本の歴史を正しく学び、日本の現状と将来への方向を自分で考えること、および、②国民が政治に参加して、独立した日本国を回復することである。そして、その流れをより太く確かなものにする為、③教育改革が行なわれること、以上3項目だと思う。(補足1)https://www.youtube.com/watch?v=jVojeOBgyr8

 

 

 

参政党代表の神谷氏の歴史を見る姿勢は、上の動画に良く表されている。日本の歴史教育が如何に歪められているか、この動画が紹介している通りである。現在、日本人が愛国心を持てないのは、受けて来た近代史の教育及び社会に関する初期教育に問題があるからである。

 

 

神谷宗幣氏の政治家としてのキャリアは、2007年に元吹田市議会議員からスタートした。2013年には、インターネットチャンネルCGSを開設し、歴史、政治、経済関係の動画を配信している。2019年「政党DIY」を立ち上げ、その後2020年に松田学氏らと「参政党」を設立した。(補足2)

 

昨年7月の参議院選挙で神谷氏が当選し、国政政党となり、地方選でも既に140人以上の議会議員を輩出しており、今や新党として日本の将来を担う可能性が出てきた。尚、現在のメンバーは以下のサイトに掲載されている。https://www.sanseito.jp/member/

 

参政党がこれまでの政党と異なる点は、神谷氏という確固とした中心を持つということである。ただ、彼だけでは全国政党に羽化させるには無理があるので、協力者を必要とした。そこで、様々なルートで協力者を揃えたのだが、政治家としての能力を持つ人物は松田学氏しか居なかった。このことが現在の参政党の混乱の源である。

 

この混乱は、ゼロから急成長する組織に良くあることなので、神谷氏には、焦らずに問題を解決され、参政党を国政政党として今後の日本を担う大政党に育ててもらいたい。

 

重要なのは人材である。地方の政治家を大勢育てるのは賢明だが、同時に参政党の中心を担う良き協力者を慎重に選んでもらいたい。神谷氏が見て一流と思える経歴を持つ人の中から、全方位に配慮する調整能力を持った人を時間を取って選ぶべきであると思う。(補足3)

 

参政党が成し遂げようとしていることは、現在日本人の多くが持つ「最近150年間の日本の近代史の嘘」の暴露であり、その嘘に基づく既得権益者としての日本の支配層への挑戦し勝利することである。この大事業を成し遂げるには、相当優秀な人たちとチームを組み、大きな努力を要する仕事になる筈である。

 

参政党の周りに集まる人たちには、神谷氏の考え方を中途半端に理解して、成長する参政党に参加して、自分の小さい野望を成し遂げようと思う人も多いだろう。しかし、参政党の目標を理解し、自分を抑えつつ今後の重荷を共に担おうという考えに至る人は少数だろう。

 

多くの人材の入れ替わりがあるだろうが、去る人のなかに自尊心の強い人も相当多いと思われる。しかしそれは、大政党に成長するとすれば、新陳代謝のようなものだと思う。ただ、混乱は少ないのに越したことは無いので、人材の登用には注意が必要だと思う。

 

 

2)参政党のトラブルの具体的姿1:リークを利用した外部からの攻撃

 

初期メンバーの多くも参政党を離れ、その後は内外から、間接的或いは直接的に「神谷氏は平気で嘘をつく」とか、「アスベルガ―」だとかなど人格的攻撃をして、参政党の成長を妨害する人が出てきている。https://www.youtube.com/watch?v=Bkg5IglzfQo

 

上記サイトにある非難動画なども、その内容をみれば、その人物もトラブルの概略もわかる。彼らは、自分ひとりの力で、一定の社会的地位に上り詰めた人が多い。自分の役割を自覚して、党としての大きな目標を見るという姿勢が取れない人なのだろう。

 

「先生」と呼ばれれ続けて、人生の壮年期を迎えた人、老年期に達した人などには特に注意が必要である。その中には、テレビ等への出演でたまたま一定の地位を得た人もいるだろう。ただ、彼らの殆どはごく普通の人たちであり、高い志など持ち合わせていないことを考え、もっと警戒・注意すべきだと思う。

 

神谷氏の行動力や才能と感覚に、これまでにない新しく並外れたものを見、彼と同じように日本の危機を感じ、且つ、彼を支える役に回って参政党を大きく国の政治を担う政党に育てようという高い志を持つ者は、極めて少数だろう。

 

もう一つ例をあげる。小さな政治団体を主催するある人物が、動画で「神谷はもはや頭のおかしい独裁者」と言って、フリップを用いて語っている。https://www.youtube.com/watch?v=jE_WxHPgBF0

 

その中に、内輪での神谷氏の発言がリークされ、紹介されている。「僕だけに見えている未来がある。参政党だけが日本を救える。邪魔するな」など神谷氏のことばである。内部向けであり、若干激しい言葉であるが、この言葉は本質的に正しいと思う。(補足4)

 

 

その神谷氏は独裁者だと非難する人に言いたい。戦場において民主的決定を部下が要求する様では、全員が討ち死にするしかないと。この発言をリークした人も、現在の日本の情況を知り一時は政治に参加したいと思ったのでは無かったのだろうか。https://news.yahoo.co.jp/articles/37c462f6e0ed66cfde96ebae0ef8ff34ce31da9f

 

参政党が不満なら、参政党を出て自分の政党を作ればよい。参政党を応援しなくても、自分で考え自分で政治的に動いて呉れれば、それでよいと神谷氏は街頭演説で語っている。それをしないで、発展しようとしている政党のトップの人格攻撃をするのは醜い。

 

私は参政党の人間ではないが、参政党には是非大きく成長してもらいたいとおもうので、また、外から見る方がよくわかることもあると思うので、このように書くことにした。

 

 

)参政党のトラブルの具体的姿2: 武田邦彦氏の落胆

 

武田邦彦氏は参政党のアドバイザーとして活躍されてきた。その功績は多分大きいだろう。ただ、参議院選での自身の落選とその原因を考えて、党の方針として割り当てられたご自身の選挙活動の方針に不満があったようだ。

 

武田さんは、参政党の事務局が党の活動を指揮し、全く独裁的であると主張する。そして、党員が政党の主人公であり、党員の声の総和で党の運営がなされるべきであると主張している。この間違った主張に対して、私は以下のコメントを書いた。

 

これも理解できる人は極めて少数のようだ。

 

 

私は、参政党が日本の国政政党で初めて民主政治を実現するための政党であると思って期待している一人です。武田さんのお話を伺って、気が着いたことがあります。それは、参政党の運営が合議制ではなくトップダウン的であり、武田さんを含めて国政政党として育てた重要メンバーの方々に不満があるというような話でした。ただ、武田さんのその部分の話を聞きながら、党運営の重要な点に関して武田さんのお考えに誤解があると思いました。

 

参政党の組織は、他の政党も同様ですが、機能体的性格を持っているということです。つまり、決して民主主義的組織では無いということです。「赤尾さんが神谷さんを批判したから、首になった」という話ですが、参政党創業の神谷さんが基本的な点で考え方が違うことが判明したとお考えなら、そのポストから外されるのは当然のことでしょう。

 

つまり政党の組織は、どちらかと言うと会社の組織に似ているのではないでしょうか。社員が民主的に会社の経営に参加するようでは、その会社は危ういです。機能体組織では、組織内での情報交換は上下でも完全に双方向であるべきですが、決断はトップがおこないます。実質的トップは創業者的な神谷宗幣氏であり、代がかわるまでは彼が他のメンバーの意見を参考に参政党の決断を行うのがその組織として自然だと思います。

 

機能体の中で生きる場合、その構成員の行動パターンは、研究者や学者の行動パターンとは相当異なります。私も、元自然科学の研究者ですが、大学助手から非常に権威主義的な国立研究所に移動し、両方の生き方を強制されましたので、武田先生の抱かれた感覚がよくわかります。

 

なお、共産党的組織とは、そういう機能重視の組織という意味で、参政党が共産党の政治思想を持つと言う意味でないと思います。そのあたりの誤解をされた点で、一部から失礼な「愚痴」が漏れて武田先生の耳に入ったのではないでしょうか。

 

 

補足:

 

1)この特徴は参政党のHPにある理念や綱領(下にコピー)とは若干異なるかもしれない。ただ大急ぎで作った綱領などに捕らわれず、新しい有力メンバーも加えて、立派な内容に多少時間をかけて磨き上げてもらいたい。

理念: 日本の国益を守り、世界に大調和を生む
綱領:・先人の叡智を活かし、天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくる。・日本国の自立と繁栄を追求し、人類の発展に寄与する。・日本の精神と伝統を活かし、調和社会のモデルをつくる。

 

2)ゴレンジャーと呼ばれた初期メンバーは、松田学・神谷宗幣・赤尾由美・武田邦彦・吉野敏明氏の5名だったようだ。https://www.youtube.com/watch?v=kU7pLt9BkTw

 

3)私の考えでは、現在次回選挙で立候補を表明している山中泉氏や既にアドバイザーになっている我那覇真子氏が今後重要な役割をなされるものと期待する。その他本人の意思は分らないが、女性では河添恵子氏、深田萌絵氏、男性では林千勝氏、渡辺聡樹氏などに入党されるよう声を掛ければ良いと思う。

 

4)帯広で党員向けに神谷氏が話した内容がリークされ、黒川氏に渡ったようだ。パネルの赤字部分には以下の様に書かれている。

 日本を救うにはもう時間が無いから僕が独裁で突っ走る

 意見なんか聞いてる余裕はない。党内での虐め 争い リーダーの資質不足など難題が  

 あっても対応しない 文句を言うな 命令には絶対服従 ついて来られる人だけついて 

 来い。 そうでない人は離れろ。

 僕だけに見えてる未来がある。参政党だけが日本を救える。邪魔するな。

 

(19:50 編集;翌朝5:20、再度編集して最終稿とする)

2023年11月12日日曜日

日本人はガザ地区の人たちを殺害する共犯者になるべきではない

 

1)国際法を用いてイスラエルとパレスチナ紛争を論じるのは愚かである

 

ガザ地区では、パレスチナ人の追い出し戦略が実行されている。ガザ地区での死亡者が一万人を越えて、その三割以上が子どもであることからも分るが、イスラエルが行なっているのはジェノサイド(Genocide)によるパレスチナ地域の民族浄化(ethnic cleansing;補足1)である。

 

Youtubeなどで見られるこの戦いの様相は、まるで旧約聖書の中の出来事のようであり、その後2000年間に人間が築き上げた文明の論理など、あの土地では全く無力である。彼らの上記作戦は、その2000年前の国を追われたことの延長線上にあり、およそ西欧近代文明の中の出来事ではない。

日本政府は、そのパレスチナの民族浄化をイスラエルの防衛戦争と呼び支持している。日本が議長を務める11月8日のG7外相会議でも、ハマス等のテロ攻撃を断固として非難するという声明を出している。それはハマス側の攻撃にのみ国際法を適用するという誤魔化しに基づいている。

国際法は西欧近代文明の所産であり、国際的秩序と人道を重視する国や地域の枠内でのみ、つまりそれらの価値観を当事者が共に持っている場合にのみ有効である。パレスチナとイスラエルの間のこの100年間の争いは、古代或いは前近代の枠内(framework)で戦っているのであり、国際法など入り込む余地など最初からない。(補足2)

 

それにも拘わらず、米国は国際法をハマス側にのみ適用し批判するというトリックを用いて、イスラエル側を応援するように、日本や西欧諸国に強要しているのである。(補足3)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/g7tm/page1_001899.html

 

この問題の本質を、米国在住の国際政治評論家である伊藤貫氏が、CGSチャンネルの動画で明快に解説している。その中で、1948年の国連によるパレスチナ分割案の出された経緯が、分かりやすく解説されている:

 

1948年の国連のパレスチナ分割案は、イスラエルに圧倒的有利で不公平な内容だったが、米国のトルーマン大統領が次期大統領選挙でユダヤ系資本を味方にする為に賛成したという。国務省も国防相もCIAも反対だったというのだから、1948年のこの案がその後の中東紛争を決定つけたのだ。

 

前半8分でも是非見てもらいたい。

 

 

今回のハマスとイスラエルの戦争も、そもそもの始まりはバイデンが次期大統領選挙を意識し、サウジとイスラエルの間の和平を工作したことが原因であった。米国大統領選にユダヤ系金融資本(補足5)が資金的に介入できる現在のスーパーPACなどの制度は、世界にとって厄介だ。

 

 

 

2)日本の経済安保危機のシナリオ:

 

中東の混乱は世界大戦に発展しないと仮定しても、日本には大きな政治的にも経済的にも負の影響を及ぼす。それについて少しだけ以下に議論する。

 

シナリオ1: ハマス・イスラエル戦争において、今後レバノンのヒズボラやその背後にいるイランの革命防衛隊が参加する可能性が大きい。その時、ペルシャ湾地域が戦場に含まれる可能性がある。その結果、イラン沖のホルムズ海峡の封鎖が考えられる。

 

そうでなくても、イスラエルを支持するG7諸国に対する報復として、ロシアなどを含めた拡大版のOPECが石油輸出量の大幅減を言い出す可能性がある。それらの場合、日本を含めヨーロッパの国々の経済は破綻する可能性すら存在する。

 

責任は全て、米国のバイデン政権にある。そして、それに何の対策も講じられない米国に隷属するG7の残り六各国の政府が共同でその責任を負う。

 

シナリオ2: もう一つは、マラッカ海峡、南シナ海、台湾海峡において中国が軍事行動に出た場合、日本には石油が来なくなる。そのシナリオも、起点はハマス・イスラエル戦争である。既に述べたように、この戦争が拡大して中東全域が戦争状態になると、米国はそれに参加せざるを得ない。

 

それは、ユダヤ人が深層から支配する米国が、イスラエルと一心同体だからである。その事情はトランプ政権でもバイデン政権でも同じである。その結果、ウクライナと中東の二つの戦場で米国が手一杯となり、中国の習近平政権には台湾進攻の千載一遇のチャンスとなる。

 

習近平は、中国経済が不動産不況等(補足4)で構造的な危機に瀕する今、独裁政権の安定化には歴史的な功績をあげる必要がある。その切り札が台湾併合である。台湾を叩く際に、日本に核兵器の恫喝を加えて、与那国島を占拠し、台湾攻撃の基地とするシナリオがあり得る。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC021QD0S2A201C2000000/

 

日本はウクライナ戦争に於ける理不尽なロシア制裁を行ない、ロシアの敵対国としての名乗りをあげた。その結果、ロシアを中国の味方に導き日本の安全保障環境を非常に悪化させ、且つ、中国の台湾進攻を容易にした。更に、ロシアからの石油等の輸入をできなくした。

 

おまけに、ウクライナの戦後復興に兆を越える多額の資金を提供する予定だそうな。この岸田政権の自ら首を締めるような外交により、日本は危機に瀕している。https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/323383 

 

その為に増税する予定だが、それを年末に少しばかり減税することで誤魔化すのが、岸田政権の今後の政策だと聞く。そんな岸田政権に反対して、パレスチナでの残虐行為に反対すべきなのだが、そのような主旨のデモなど発生していない。日本人は屠殺を待つ羊のような人たちなのだろう。

 

 

終わりに 

 

日本の岸田首相は、まるでマッカーサーの様な態度のエマヌエル米国大使の従順な僕のように見える。岸田政権は指示通りに、ウクライナ戦争ではウクライナを支持し、今回のパレスチナ戦争ではイスラエルを支持している。その結末が、ホルムズ海峡のイランによる封鎖と、それによる石油枯渇という重大事となる可能性がある。

 

アラブ諸国にも、この岸田首相の姿勢を見て、日本は米国の植民地とみている様だ。西アジアのニュースを報じる「The Cradle」が10 18 日、国連安保理でロシアが提出したガザ地区停戦の提案を、米国、英国、フランスとそれらの新植民地の日本が否決票を投じたと記している。

https://new.thecradle.co/articles/russias-neutrality-ballet-on-israel-palestine

 

上記記事の中のUS, UK and France, plus their neo-colony Japan という侮蔑的な呼び方を日本国民は噛みしめるべきだ。岸田内閣の対米姿勢は、これまでのアラブ諸国の親日的姿勢の急激な変化をもたらす可能性が高い。

 

 

補足:

 

1)民族浄化(ethnic cleansing)とは、ある地域からある特定の民族以外の民族を取り除くことである。

2)世界政府が無い現在の情況では、国際法があっても所謂国内法のようには機能しない。従って、対峙する両者ともに国際法など意識していない情況下では、周辺が国際法で議論することには殆ど意味がない。


3)米国は、自国よりも軍事的に弱いと判断した国や団体を、自国への国際法違反の一撃に誘導し、その後国際法違反の10倍返し的な攻撃で撃破する。この国際法を武器に用いる方法は、米国の常套手段である。日本の真珠湾攻撃と広島長崎の原爆投下、都市部攻撃もそのタイプである。今回のハマスの一撃も、イスラエルの人は真珠湾攻撃と呼んだ人もいた。同じ発想で、10~100倍返しの国際法違反の反撃が続いている。

 

4)中国の経済成長は、不動産開発に依存してきた。政府が国土全域を所有しているので、地方政府官僚たちがその利用権の販売で予算の財源とする一方、自分たちの私腹を肥やす手段とした。最初から政府紙幣に信用がなく、国民は貯金ではなく不動産を資産として所有する方法で、富を築いた。そして絶えず不動産価格が上昇し、国民が必要とする住宅マンションの2倍の戸数になったところで、バブル崩壊となった。日本のバブル崩壊とはレベルが違うと言われている。

 

5)日本の明治維新も香港に進出した同資本の対日工作の結果とも言える。日本の近代史の背後には、常にユダヤ系金融資本の動きがあった。日露戦争も英国と米国の資本で国家予算の何年分というような資金をユダヤ系資本から借り受けていた。その勝利で入手した南満州鉄道の経営に米国鉄道王のハリマンを参加させなかったことが、対米戦争の情況の起点に存在することは良く言及される。

また、昨今の世界の混乱の背後に、ジョージソロス(ユダヤ資本)の財団があると、X(旧ツイッター)のイーロンマスクは明確に指摘している。

https://www.theguardian.com/technology/2023/sep/18/elon-musk-accuses-george-soros-foundation-of-wanting-to-destroy-western-civilisation

2023年11月6日月曜日

市川猿之助の両親が死亡した事件の即日結審について

元検察官の若狭勝氏が、この裁判の不審点についてyoutube動画で話している。二人が死亡している事件でありながら、しかも様々な疑いを残しながらの即日結審に対し、今後に悪しき前例として残るなどの疑問が呈されている。冒頭陳述の要点も若狭氏により、疑問点を沿えつつ与えられている。

https://www.youtube.com/watch?v=naK7OnK4x6U

 

 

猿之助氏は、―週刊誌(女性セブン)で指摘されたパワハラ、セクハラを否定しながら、それが原因での自殺未遂と自殺ほう助事件であると認めている。そして、「記事を見てそのように不満を抱いている人がいることを知った。弟子には申し訳ないと思った」と答えている。

https://hochi.news/articles/20231020-OHT1T51274.html?page=1

https://news.yahoo.co.jp/articles/ebb55598473a0e8c5c14558c432b74c4186d31fb

 

この件、自殺ほう助の罪で逮捕されたという話に、私は最初から不審に思っていた。猿之助氏本人は兎も角、両親と話合って三人が共に自殺を決断したとする供述に説得性がないし、情況とも整合性がない。本当は殺人事件ではないのか?と改めて思った。

 

この強引な結審から、木原氏妻の元夫不審死事件と同様、日本の司法も行政も、権威主義に支配されており、まともな裁判などないと思う。日本では、支配者層が適当に司法も警察も利用して、自分たちの権益を守る政治を行なって来たし、現在も行なっている。昨今、それを非常に強く感じる。

終わりにを先にお読みください

 

 

1)猿之助事件の概略

 

文春オンラインによると、2023518日10時頃マネージャーが自宅を訪れ、猿之助氏が半地下の自室クローゼットのドアで首を吊っていた補足1)ところを発見された。一方、両親は2階のリビングでパジャマを着たまま倒れており、首から下に布団がかけられていた。

 

猿之助氏は、自殺の恐れありとして、精神科病院に強制入院させられていたが、警視庁による複数回の任意聴取を受けており、それによると「女性セブン」が猿之助容疑者のセクハラやパワハラを報じたこと等を意識したのが、自殺未遂と両親の死去の原因のようだ。

https://bunshun.jp/articles/-/63954

 

女性セブンの記事の内容はネットでは以下のサイトにある。

https://www.news-postseven.com/archives/20230518_1870283.html?DETAIL

 

猿之助氏は、「週刊誌報道があり、みんなでさよならすることにした」「3人で死んで生まれ変わろうと話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」などと当時の状況を説明しているようだ。両親の死因は、睡眠導入剤による “向精神薬中毒”の疑いが強い、というものだった。(補足2

 

この催眠剤服用が死因だったかどうかには疑問がある。また、父親の段四郎さんは認知症を患っていて、自殺の意思を明確に示したかどうかも分らない。そのような事情から、警察は当初殺人罪の疑いも持っていた。https://bunshun.jp/articles/-/63954?page=2 

 

猿之助氏は、睡眠導入剤は「自分が処方されていた睡眠薬を両親に渡した」と供述。更に「楽に死ねるよう、両親にビニール袋をかぶせた」と発言していたという。そのビニール袋や睡眠薬の包装紙は、家のゴミ箱に捨てるのではなく、わざわざゴミ捨て場まで持って行っているのは、自殺を試みた人にしては不思議である。

 

更に、本人は睡眠薬も最初から死ぬ気がなかったのではないかとも思えるほどの量しか飲んでいなかったようだと上記記事に書かれている。627日、警視庁は自殺ほう助の疑いで猿之助を逮捕した。猿之助容疑者も、「両親が自殺する手助けをしたのに間違いありません」「両親の後を追って、自殺するつもりでした」と供述しているという。

 

両親には遺書はなかった。猿之助氏は喜熨斗孝彦という本名で書いた遺書を残している。そこには、M氏(男性)を養子にして遺産を相続させる、と書かれていたことも話題になった。(https://bunshun.jp/articles/-/63954

 

 

 

2)事件の原因とされる女性セブンの記事

 

関係者たちは当日発売された『女性セブン』の記事が事件の原因だと指摘している。猿之助さんが“師匠と弟子、座長と役者・裏方という絶対的立場を利用して、普段から濃厚なセクハラ、パワハラが横行していた”という記事である。

 

37日に『BBC』が放映したドキュメンタリーをきっかけに騒動となった、ジャニーズ事務所の件に続くタイミングで、その記事は出された。『女性セブン』の証言者たちが正しければ、弱者の“黙って我慢するしかない”という現状がまたひとつあったことになる。

 

MAG2NEWSは、このように報じている。

 

なお、この記事には518日に迎えに行ったマネージャーは上記濃厚な付き合いがあったM氏を含む二人だったようだ。 https://www.mag2.com/p/news/576378 及び、https://www.yumerohashi.com/ennosuke-masataka-kankei/

 

また、元文芸春秋の編集長だった木俣正剛という方が、Diamond Onlineに以下のように書いている。

 

歌舞伎界や沢瀉屋(歌舞伎役者の屋号;初代猿之助に由来)を取り巻くモヤモヤを、一気に解決できるチャンスがジャニーズ問題によって招来し、それによって得をしたい誰かがニュースソースを焚きつけて、歌舞伎ファン(主に高齢女性)がよく読む女性セブンを選んだ。

 

この狡猾な人物は誰なのか。それが私の疑問であり、知りたいことです。それこそが、事件の実相だからです。そのためにはセブンのニュースソースを突き止め、その真意を問い質すしか道はありません。

 

この元編集長は、この事件の背景となるこの世界のセクハラ・パワハラの日常を単なる日本に固有の文化のように捉え、そのイザコザで損得が生じる利権をめぐる争いごとの様に記述している。日本が、基本的人権と法治国家であることを忘れているのかもしれない。

 

それが日本の報道の深刻な病状だと思うが、この元編集長は気付いていない。

 

ただ、この報道は事件の真相について重要なこと:「猿之助氏の両親は20錠程度の睡眠薬で亡くなって、飲んだのはサイレースとレンドルミンの2つの薬だったということです。ただし、サイレース20錠で死に至るという見方は否定する精神科医が多く、猿之助氏がビニール袋を両親の顔にかぶせたことが直接の死因となったというのが、大半の医師たちの意見です」と記している。

 

この精神科医の見方が正しくそして重要である。私は、この精神科医の意見を記した文章のような詳細かつ科学的な記述に至るまでに多くのネット記事を読むことになった。しかも、それは事件報道の記事ではなく、その背景にある歌舞伎界の古い体質を語る記事で見つけたのだ。(補足3

 

このような雰囲気の中で、硬骨漢に見える若狭勝元検察官が、上のような動画を公表した。これは専ら日本の司法を真面なものにしたいという若狭氏の正義感によるものだと思う。

 

この文章を書く気になったのは、その動画のコメント文を読むと国民の多くが本事件を猿之助の自殺未遂と両親の自殺をほう助とは考えていないようだし、その考えの方が日本の警察や司法の判断よりも正しいと思うからである。多分、皆殺人事件と思っているのだろう。

 

終わりに:

 

日本のあちこちに、西欧から輸入した近代文明の基準では犯罪となる慣習が、社会のウジ虫のように多数存在する。その一角に、警察も司法も政治も含まれているように思う。残念だが、大掃除で奇麗になるような社会ではないように思える。

 

また、今回の事件を例にした場合、上記元編集長だけでなく、下のネット記事にもあるように、一般民の多くははその社会に慣れきっている。

 

 

「一部では、セクハラ・パワハラについてのスキャンダルがきっかけで、自殺を試みたのではないかと言われています。スキャンダル報道は『女性セブン』が発表しましたが、出版社の小学館に批判が集まっています。」と書いている。

 

一部不明な動機があったとしても、女性セブンの記事は真実を追求する記事である。その記事は、上記元編集長の言葉にあるように歌舞伎界の前近代的情況の告発とも考えられる。その視点が、司法から報道に至るまで、日本の社会には欠けている。

 

女性セブンの記事が批判されるのは、有名人或いは上級国民にはセクハラ・パワハラが許されると考えているのだろうか。それが日本文化の常識なら、そんな文化など滅びるべきだとさえ思う。

 

この事件もジャニーズ事件も、この警察や司法の姿勢が問題の本質部分に存在する。個人が自身の尊厳を守るべく毅然たる態度をとっても、権威主義的な日本の警察や司法は、被害者の見方になってくれない。卑怯なJ.喜多川氏や猿之助氏に逆らえば、自分だけが損をして一生を台無しにする。

 

それなら、一瞬の枕営業も仕方がないと泣き寝入りするのだろう。事件の本質が、日本の部分社会に残る前近代性、そして今回は、日本の警察と司法とその背後の政治(補足4)にあることを毅然と指摘するマスコミは皆無である。日本のこの現状に迎合的な上記元編集長などが、報道の前線にあり、その行政と司法を告発しないでむしろ協力しているのである。

 

 

補足:

 

1)この記事には首を吊っていたと書かれているが、別の記事には首を吊りかけた様子だったと書かれている。首を吊って生き残るひとはいない。今回調べた報道記事で、死因についての推測等を正確な論理で記述した文章は殆ど無かった。

 

2)検出された向神経薬は、サイレース及びレンドルミン(微量)という睡眠導入薬である。サイレースは効果が強く、レイプドラッグとして米国などでは規制されてようだが、何方もベンゾジアゼピン系のもので、致死量は非常に多量(例えば数百錠とか)であることで知られており、よほどのことが無い限り、死因とならないようだ。https://bunshun.jp/articles/-/62968 

 

3)この事件の多くの報道記事で感じるのは、警察や司法の動きについての表面的記述は含まれるが、論理に厳密性がなく、真実に迫ろうとする感じもしない。これ以外の紹介の記事には、事件の真相を追う姿勢ながら、この重要な点:「睡眠導入剤で人は簡単に死ぬのか」の考察をしていない。

 

4)部分社会には前近代的な風習などが残っていることは、相撲界や芸能界、学校など教育界など、あらゆる組織で頻繁に指摘される。それをごまかすために、これら部分社会における慣習的な犯罪行為は、ハラ―スメントや虐めという言葉が多用される。今回の猿之助氏のケースでは、政治が日本の伝統文化を守るという誤った考えで、司法をゆがめようとしているのかもしれないと思う。

(16:00;16:45;翌日早朝編集で最終稿)

2023年11月3日金曜日

ある著名医院医師の旧約聖書の記述に対する感想について

高須クリニックの高須幹弥氏がyoutubeで様々なことについて話されている。10日ほど前だったと思うが、彼は宗教の話をしようと思うと言って、聖書の創世記と出エジプト記の物語に対する感想或いは疑問について配信している。(補足1)

 

高須さんの疑問は、現在の日本人が旧約聖書を読めば先ず浮かぶ疑問だと思う。

https://www.youtube.com/watch?v=fHDtUjeW8AQ

 

 

例えば、アダムとイブが食べることを禁じられていた「善悪を知る木の実」(補足2)を食べて、神から出産の苦しみや食物を得るための労働などの罰を与えられたなどの話に対して、「神は何故そのような意地悪なことをされたのか?」という感想を話している。

 

また、出エジプト記のところで、エジプトに棲むようになったユダヤの民をエジプト人は奴隷のように酷使する。そのユダヤ人を救うプロセスの中で、神はエジプト人の全ての年端もいかない長子を皆殺しにしたという。その神の残酷さに気持ちが悪くなると話している。(補足3)

 

全能の神なのだから、神はそのようなことが起こらないように人を創造し、地球に住まわせることが出来た筈だと思うのも日本人としては自然である。その結果、我々日本人の殆どはこのような神を信じることは出来ないということになるだろう。

 

そして、そのような疑問が普通であるにも拘らず、何故このような物語が出来、そのような神をユダヤの民は信じるようになったのか? 高須さんが提出していないこの疑問・問題の解釈について、私自身が納得している考え方を以下に書きます。参考になれば幸いです。

 

一言で言えば、ユダヤの民は非常に厳しい生存競争の中で、その神を創造することで生き延びたということです。その神を我々日本人が信じられないのは当たり前です。それは、我々日本人はユダヤ人でなく、ユダヤ人の様には生きてこなかったからです。

 

我々日本人がユダヤの神(ヤハウェと言う)に似た神を持たないのは、あのような土地であのような情況下で生き延びてきた訳ではないからです。

 

つまり、ユダヤ教はユダヤ人の歴史の産物です。この考え方は、ユダヤ教信者には失礼にはならないと思う。何故なら、これはある異教徒の考えだからである。

 

2)勝手な物語(断定的に書きます。すべてに「ーーと思う」を補ってください。)

 

太古の時代、大陸の棲みやすい土地では、比較的小さな民族が生き残りを懸けて戦う時代が長く続いた。この時代に生き残った民族は、「(自分たちの)神」に守られている」と信じることで、強い団結力を築き上げ勇敢に戦うことで生き延びた。

 

ユダヤ民族もその様な過酷な歴史を生きた。代表的な出来事は、およそ旧約聖書の中に書かれている通りである。彼らは祈りの中で預言者が得た”神の指示”と、必死に絞った知恵と戦略で奇跡的に生き残った。過酷な歴史を生き残ることで、彼らの神は彼らの民族の中で全能の神となった。

 

特に知的に優れた人物が「預言者」(神の言葉を預かる者)となり、宇宙の創造から人類の誕生、そしてユダヤ民族の生き残りを組み合わせた物語を、神の言葉、啓示として”聞いた”のだろう。恐らく、妄想的或いは陶酔的な状態にまで高めた精神状態(祈りの中の神がかり)の中の産物である。

 

その物語は、世代を重ねるうちに磨かれ精巧な物語となっていった。

 

つまり、この世界は神が創造したのではなく、この民族の集団が長い時間を他民族と戦う中で、その神と物語を創造したのである。

 

聖書にある残忍な異教徒(他民族)の殺害は、その時代の現実だっただろう。民族と民族の戦いが残忍な光景を為すのは、兵士と民間人の区別なく戦うからである。そして、殺し殺される人たち全て、自分の民族・共同体の中では無垢で善良なひとたちである。

 

つまり、善と悪、美と醜、義と奸のもの差しは、本来、民族の境界を、そして日常と戦時の壁を越えては使えないのである。

 

近代になり兵士は全て職業的兵士になり、しかも戦争は日常から遠い出来事となったので、あたかも善と悪や義と奸の物差しは、すべての時間と全ての場所地域で共通だと信じる人は多い。しかし、それは根本的な間違いであり、政治に携わる人間はそれに気づかなければならない。(補足4)

 

つまり、文明の発展により、戦争は非日常の職業軍人だけの世界に封じ込まれ、個人主義或いは民主主義の時代となり、一般市民は常に温和で善良なる人として暮らせる。その結果、先進国では市民は一般に善良であり且つひ弱になる。

 

因みに、ハマスとイスラエルの戦争において、ある記者と何方側の兵士か忘れたが戦場の一人にインタビューした音声がyoutubeで流されていた。

 

記者が「防衛戦争だというのは、世界のかなりの人たちに理解されるかもしれない。しかし、何故年端もいかない子どもたちまで殺すのか」と聞いた。その兵士は、「かれらは将来の敵兵なのだ」と答えた。

 

つまり、パレスチナでの戦争を、近代文明の中の論理では測れないのだ。(追補1)

 

彼らはこの戦争の時期になって、古代に生きていると言えるのかもしれない。聖書が出来た時代の民族と民族の生き残りをかけた戦争の中で作られた聖書の記述が、そのまま現代のわれわれの感覚を、素通りする筈が無いと思う。

 

追補1)しかしこの戦争を放置しても良いとは言わない。パレスチナとイスラエルを出来れば近代の法治と民主主義と世界に強引に連れ戻すべきである。国連の人権高等弁務官事務所のニューヨーク事務所所長が、そのような手紙を高等弁務官に送っている。

 

補足:

 

1)宗教には2種類ある。その一つは個人が生きる上での苦しみを受け持つ仏教のような宗教とここで述べる集団が戦うための一神教の二つである。それについては、過去の記事をみていただきたい。

”二つの宗教:自分が生きる為の宗教と他人を支配する為の宗教”

 

2)神の命令に従うのが善であり、従わないのが悪である。敵である異教徒に囲まれ、戦えという神の命令が預言者により伝達されれば、それに従って戦う。そのことで、神の存在とその民族の生き残りの間の整合性が確保される。従って、神が示す善悪は、異なる民族には適用されない。

 

3)高須氏はこのほかにカインとアベルの物語、アブラハムとイサクの物語についての感想をかたっている。

 

4)日本の左翼の人に、善と悪及び義と奸の物差しの限界が分かっていない人が多い。平和主義を語る人は、現実から離れて議論する知的夢遊病者のような人が多い。

(11月3日早朝、編集、表題の変更;9:20に編集と追補を入れて最終稿)

2023年11月1日水曜日

Robert Kennedy Jr. による新しい独立宣言

 

昨日、作家で国際政治アナリストの河添恵子氏が新しい動画(ダイジェスト版)をyoutubeで公開した。世界を統一して彼らの帝国を作ろうとしている所謂グローバリストを告発したもので、この悪巧みを告発する数人の偉人の言葉を紹介した非常に優れた動画である。

https://www.youtube.com/watch?v=Pt4WhiMqXkM 

 

その動画の最初に、静止画として昨年まで言論統制が酷かったツイッターを買収し、その規制を外したイーロンマスクに対するグローバリスト当局からの警告の様子を映しだしている。ダボス会議のメンバーらしき国連の女性がインタビューに答えている様子である。

 

「私たちに従わず、言論を規制しないと、国連は制裁を発動する」、更に「私たちには守らなければならないルールがある。そして高いレベルの信頼を得ており、それは高いレベルの人間の集まりだから。それを壊そうとしているのがイーロンマスクだ。」とその女性は語っているようだ。

https://twitter.com/EndWokeness/status/1617296416392495106

 

なんと傲慢な言葉だろう!

 

この短い動画のなかで紹介された偉人の言葉の中から、一つだけフルに新聞記事から取り出して次のセクションに紹介したい。Robert Kennedy Jrが民主・共和の両党から独立して立候補の宣言をした時の言葉である。

 

河添さんの動画で紹介された部分で十分かもしれないが、R. F. ケネディJr. の考えを知る上でスピーチ全体を見ることが重要だと考えたからである。以下は、その速報版の動画である。

 

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=727hTYE6nC0 その宣言後に受けたインタビューの様子は以下のyoutube動画に公表されている。https://www.youtube.com/watch?v=OX8I9b5fFr8

 

河添恵子氏の動画についての話に戻る。川添氏が紹介したその他の人物は、元米FOXテレビの人気コメンテーターのTucker Carlson氏、マハティール元マレーシア首相、リビアの元指導者のカダフィ大佐、ロシアのプーチン大統領、ドイツのクリスティーン・アンダーソン議員である。

 

動画の最後の部分で、ドストエフスキーの言葉として「賢く行動するには、知性以上の何かが必要です」を紹介したのち、多極化の世界を目指すロシアの方針を紹介している。因みに「何か」とは恐らく勇気と感性だろうと私は思う。

 

そして、最後に日本の情けない主権を放棄した姿勢を批判し、「悪に立ち向かう道徳的な不屈の精神を持たない社会を恐れた」と、ドストエフスキーの姿勢を紹介している。「現在、世界はグローバリストたちの悪巧みに対する不服従の活動を進めている」という言葉で動画と閉じている。

 

 

2)ロバートケネディJr.の独立宣言

 

民主党を離れて独立候補として大統領選挙に立候補を宣言したRobert F. Kennedy Jr.の宣言を今月9日のNewsweekに掲載された原文を翻訳して以下に示す。

https://www.newsweek.com/today-i-declared-myself-independent-candidate-president-opinion-1833099 

 

今日、私はアメリカ合衆国大統領の独立候補者であると宣言しました。そしてそれに加え、私はうんざりしているすべての人々と希望を持っているすべての人々と声を合わせて、国民全体のために新たな独立宣言を作成しました。

今日、私は私たちの政府を乗っ取り私たちから利益を搾り取る企業からの独立を宣言しました。
私はウォール街、ビッグテック、大手製薬会社、大手農業会社、軍事請負業者、そして現在議員の数を20対1で上回っている彼らのロビイストからの独立を宣言しました。

私は、私たちに永遠に隣人を憎み友人を恐れるよう誘導する、金で動くメディアからの独立を宣言しました。 私は、私たちの希望を裏切り、私たちの分裂を増幅させる皮肉なエリートたちからの独立を宣言しました。

そして最後に、私は二つの政党とそれらを支配する腐敗した利権団体、そして政府職員を企業の年季奉公人に仕立て上げた怨恨と怒りそして腐敗と嘘に満ちた制度全体からの独立を宣言しました。

 

このまま放っておけば、彼らは私たちの空気、水、食料、労働力、子供たちを商品のように扱い、アメリカン・ドリームを絶望とゴミに変えることになるでしょう。

私がこれらの腐敗した権力からの独立を宣言したのは、これらの権力が、1776 年の私たちのオリジナルな独立宣言で発動された、生命、自由、幸福追求の不可侵の権利と両立しないからです。

私たちを守ってくれるはずの公的機関が営利企業に占領されているとき、どうやって命を守ることができるのでしょうか?  監視国家が権力を維持するために真実を隠し、反対意見を鎮圧しようとするとき、私たちはどうやって自由を享受できるのでしょうか?

 

そして、私たちの国の家族が借金と飢え、そして決してそれらを解消できない仕事に囚われているとき、私たちはどうやって幸福を追求できるのでしょうか?


そこで私は今日、普通の生活、未来への信念、そしてお互いの尊重を奪う腐敗の圧制からの独立を宣言しました。 そのためには、民主党からの独立とすべての政党からの独立を宣言する必要がありました。

私はこの決断を軽々しく下したわけではありません。 叔父たち、父、祖父、そして両曾祖父たち――ボストン初のアイルランド系カトリック市長John "Honey Fitz" Fitzgerald とボストン区区長Patrick Kennedy らの政党から離れるのは、私にとってつらいことです。 二人は共に私たちの名誉ある政治家系の始まりでした。

しかし、私が払う犠牲など、建国の父たちが247年前に丁度あの場所で(指さしただろう)独立宣言に署名したときに負ったリスクに比べれば取るに足らないものです。 彼らは、革命が失敗すれば最後の一人まで絞首刑に処されることを知っていた。 彼らはすべてを危険にさらすことを選択しました。

ジョン・アダムズは宣言に署名を加えた後ペンを置くと、出席者に向かってこう言った、「沈むか泳ぐか、生きるか死ぬか、生き残るか滅ぶか、今日からは私は祖国とともにある。」

 

私も今日同じ誓いを立てます。それは、すべての指導者がそうすべきであるように、党派的な忠誠や裏での駆け引きや取り引きから解放され、私の良心、私の創造主、そしてあなたたちだけに奉仕する者として、あなたたちの前に立つためです。
 

今日、私たちはアメリカ政治に新たなページをめくろうとしています。 これまでも無所属の立候補者はいた。 しかし、今回は違います。 今回は独立派が勝つのだ。
 

二大政党はほとんどのアメリカ人が立候補すら望まない候補者を擁立している。 衝撃的なことに、アメリカ人の4分の3は、バイデン大統領は効果的に統治するには高齢すぎると考えている。 トランプ大統領は複数の民事裁判と刑事裁判に直面している。 どちらも好感度は大幅にマイナス圏にある。

それが二大政党政治の現状であり、だからこそ私たちは二党の締め付けを打破する必要があるのです。 だからこそ、私たちはワシントン D.C. を支配する腐敗した権力のハンマーロック(注釈1)をこじ開ける必要があるのです。私たちはこの国を再び私たちのものにするつもりです。
 Oct 09, 2023

 

注釈1. hammerlockはレスリングで相手の片腕をその背中へねじ上げる技

 

<以下 オリジナル バージョン>

 

Today, I declared myself an independent candidate for President of the United States of America.

And more than that, I joined my voice with all the people who are fed up and all the people who are hopeful, to make a new Declaration of Independence for our entire nation.

 

Today, I declared my independence from the corporations that have hijacked our government to milk us for profit.

 

I declared independence from Wall Street, Big Tech, Big Pharma, Big Ag, the military contractors, and their lobbyists who now outnumber members of Congress 20 to 1.

 

I declared independence from the mercenary media that forever urges us to hate our neighbors and fear our friends. I declared independence from the cynical elites who betray our hope and amplify our divisions.

 

And finally, I declared independence from the two political parties and the corrupt interests that dominate them, and the entire rigged system of rancor and rage, corruption and lies, that has turned government officials into indentured servants of their corporate bosses.

 

If left unchecked, they will commoditize our air, water, food, labor, and children, and turn the American Dream into desperation and dust.

 

I declared my independence from these corrupting powers because they are incompatible with the inalienable rights that our original Declaration of Independence invoked in 1776: life, liberty, and the pursuit of happiness.

 

How can we guard life when for-profit corporations have captured the public agencies that are supposed to protect us?  How can we enjoy liberty when a surveillance state seeks to hide the truth and quash dissent to preserve its power?

 

And how can we pursue happiness when our nation's families are imprisoned by debt and hunger and jobs that will never pay the bills?

 

And so today, I declared my independence from the tyranny of corruption which robs us of affordable lives, belief in our future, and respect for one another. And to do that, I had to declare my independence from the Democratic Party and independence from all parties.

 

I haven't made this decision lightly. It is painful for me to let go of the party of my uncles, my father, of my grandfather and of both of my great-grandfathers—John "Honey Fitz" Fitzgerald, Boston's first Irish Catholic mayor, and Patrick Kennedy, a Boston ward boss, who together, launched my family's political dynasty.

 

But my sacrifice is nothing compared to the risk our founding fathers took when they signed the Declaration of Independence 247 years ago right over there. They knew that if their revolution failed, every last one of them would be hanged. They chose to place everything on the line.

 

When John Adams put his pen down after adding his signature to the Declaration, he turned to those present and said, "Sink or swim, live or die, survive or perish, from this day on, I'm with my country." I make that same pledge today, so that I may stand before you as every leader should, free of partisan allegiance and backroom wheeling and dealing, a servant only to my conscience, to my Creator, and to you.

 

Today, we are turning a new page in American politics. There have been independent candidates before. But this time is different. This time, the Independent is going to win.

 

The two major parties are fielding candidates that most Americans do not want even to run. A shocking three-fourths of Americans believe President Biden is too old to govern effectively. President Trump faces multiple civil and criminal trials. Both have favorability ratings deep in negative territory.

 

That is what two-party politics has come to, and that is why we need to break the stranglehold of the two parties. And that's why we need to pry loose the hammerlock of corrupt power over Washington D.C. We are going to make this nation ours again. Oct 09, 2023

 

補足: 河添さんの動画からのRobert Kennedy Jr.の宣言のコピーは以下の通りです。

 

私は米国大統領の独立した候補者として自分自身を宣言するためにここにいます。そして、それだけではありません。私は、私たちの国全体のため、新しい独立宣言を行なうために皆さん全てに加わってもらいたくてここにいます。私たちは、政府を乗っ取った企業からの独立を宣言します。

 

私たちは、ウォール街、ビッグテック、ビッグファーマ、ビッグアグリ、軍事請負業者、そして彼らのロビイストからの独立を宣言します。 私たちは、企業の正統性を強化する傭兵メディアからの独立を宣言します。(中略)私たちの希望を裏切り、私たちの分裂を増幅させる冷笑的エリートからの独立を宣言します。

 

私の犠牲は、建国の父が247年前に独立宣言に署名したときに取ったリスクと比較して何もありません。彼らは、彼らの革命が失敗した場合、彼らの最後の一人まで絞首刑にされることを知っていました。

 

ジョン・アダムズ が宣言に署名し、ペンを置くと、彼は出席者の方を向いて「沈むか泳ぐか、生きるか死ぬか、生き残るか滅びるか、この日から私は私の国と一緒にいます」と述べました。私は今日、同じ近いを立てます。それは全ての指導者がそうであるように、貴方たちの前に立つことが出来るようにするためです。

=== 以上===