2024年4月13日土曜日

第三次世界大戦誘発を目指す米国バイデン政権と米議会で協力を約束した岸田首相

 

共同通信によると、バイデン米大統領は12日、イランによるイスラエル攻撃が「すぐにでもあり得る」と述べた。「やめろ」とイランに警告し「米国はイスラエルの防衛を支援する」と強調した。https://nordot.app/1151607117246021857

 

2年前の2月のこれと似た情況を記憶している人が多いだろう。その時のロシアとウクライナが、今回はイランとイスラエルに替ったのである。米国のネオコン民主党政権とその手先は、相手方を追い詰め、この延長上には戦争しかないと思いこませた段階で、口先だけは「戦争は止めた方が良い」というのである。そのやり方は、真珠湾攻撃の時から同じである。

 

米国バイデン政権を牛耳るのは、ユダヤ系金融資本家を中心としたグローバリストたちであり、彼らは第三次世界大戦を世界帝国の建設の始まりとして期待している。ウクライナ戦争で始まった戦争を、中東に拡大させ、第三次世界大戦に格上げする心算なのだろう。

 

また彼らは、グローバル帝国の完成のための中心地である米国を、トランプなどの一派に渡さず今後も彼らの支配下に置くためには、第三次世界大戦が今や必須であると考えているのだろう。もし何も起こらなかったなら、次期米国大統領にはトランプがなり、彼らの長年の計画は幻となって消える可能性が大きいからである。

 

彼らの世界大戦の中東における基地がイスラエルだろう。イスラエルの人たちも利用されて居ると考え、ネタニヤフ政権に反対運動をするべきだと思う。世界大戦が起こり、東アジアにも広がった時、日本と韓国が米国の基地国或いは戦争代理国にならないか心配している。

 

 

2)イスラエルは米国ネオコンに牛耳られている:

 

ヨルダン川西岸の地を、イスラエルとパレスチナとの二つの国として安定させるというのが、1947年の国連の調停案だった。中東戦争が何度も起こったが、イスラエルの最大の支援国であり20世紀後半から世界覇権を握っていた米国なら、二つの国の共存を安定化出来た可能性がある。

 

しかし、米国はそうはしなかった。そして事態は逆の方向に進んだ。米国のネオコン政権は、所謂two-state solution が不可能なようにこの地域を不安定化させたのではないだろうか? 伊藤貫氏はこの50年間で、イスラエルは右派が大勢を占めるように変貌し、今やイスラエル人1人が犠牲になれば、パレスチナ人100を殺しても良いという右派が大きくなっているという。https://www.youtube.com/watch?v=Ms_RV2IK-40

 

 

一年ちょっと前、中国の仲介でイランとサウジアラビアが国交を樹立した。その結果スン二派とシーア派の間の対立は消え、イエメン内戦もなくなり、中東の紛争はイスラエル近辺のみとなった。あとはユダヤ人とアラブ人が19世紀までのように平和に共存するようになれば、平和が戻る。

 

勿論、アラブにはこれまでの経緯を考えれば不満が大きいだろうが、米国の力をもってすれば押させられる可能性があった筈。岸田首相が米国議会で演説したように、米国が世界の平和を守るリーダーなら、そのように努力しただろう。

 

米国バイデン政権は、逆に紛争状態を取り戻す作戦に出た。サウジアラビアとイランとの間に楔を打ち込むために、サウジアラビアには核開発に協力するという餌をぶら下げ、イスラエルとの国交樹立を画策したのである。(補足1)

 

この餌ならムハンマド皇太子は乗るかもしれないと不安を感じたのが、もしそうなれば完全に孤立するパレスチナの人たちであり、ガザ地区のハマスだろう。その米国の画策がハマスのテロの一つの要因と考えられている。攻撃を許すかのようなネタニヤフ政権の緩い警戒網を超えて、ハマスはテロ攻撃を仕掛けることが出来た。

 

強力なイスラエル軍による反撃は、完全に報復の意味を超えている。現在では、パレスチナ人をガザから完全に追い出すことの他に、イランをイスラエルとの戦争に誘い込むことも目的としているように見える。4月11日の記事に書いたように、この姿勢からネタニヤフ政権は、西欧諸国や日本と同様に米国ネオコン政権に操縦されていると見てもよいのではないだろうか。

 

イスラエルのユダヤ人たちも戦争を欲してはいないだろう。それに超正統派のユダヤ教徒たちは、元々人為的にイスラエル国を建設するシオニズム運動は間違いだと考えている位である。(補足2)

 

イスラエルとイランの間で戦争が勃発した場合、戦争は長引くだろう。米国が本腰を入れてイスラエル支援を開始すると、大統領選挙が実施できなくなり、米国は一層混乱するだろう。それがバイデン政権の一つの狙いだという分析は今や常識的である。

 

イスラエルの後ろには米国があり、対イラン戦争になった時の支援は、ウクライナへの支援とは比較にはならないだろう。しかし、イランにもロシアが付いている。イランはロシアと包括的同盟関係樹立の直前にあるからである。https://www.youtube.com/watch?v=eITn3fkuVGU

 

 

 

3)岸田政権の米国に対する約束は日本人にとって悲劇の始まりである

 

イランとイスラエルが戦争になれば、ロシアはイランに味方するだろう。そうなれば、バイデン政権はロシアの力を分散させることを考えるだろう。つまり、極東での紛争にロシアを巻き込むことをバイデンは考えるだろう。朝鮮半島がきな臭くなるかもしれない。その時には、日本も巻き込まれる可能性がある。勿論、台湾有事の可能性もある。

 

その時に備えて、バイデン政権は日本の岸田首相を国賓待遇で米国によび、米国国会で演説させたのだろう。その期待に副う様に、岸田首相は精一杯の表現で第二次大戦後の米国を「自由と民主主義の旗手」と言う風に持ち上げた。そんな古い表現が未だに使えるのかという疑問が湧かないのが、岸田首相の凄いところである。


岸田首相の米国議会での演説の中に、以下の文章がある。

 

「世界は米国のリーダーシップを当てにしていますが、米国は、助けもなく、たった一人で、国際秩序を守ることを強いられる理由はありません。」

 

「日本国民は、自由の存続を確かなものにするために米国と共にあります。それは、日米両国の国民にとどまらず、全ての人々のためにであります。」

 

これらは、日本もバイデン政権の戦略に100%賛成し、その下で働きますという宣言である。自由と民主主義を守る世界のリーダー米国という今や完全に崩壊したモデルで米国を表現しているので、下院議長(共和党)は呆れて拍手もしなかったようだ。 日経新聞が報じた岸田首相の演説全文

 

岸田政権がこれ以上続くのなら、日本は21世紀も悲劇の主人公になるだろう。

 

以上は一素人の考察ですので、解釈とそれによる行動は自己責任でお願いします。

 

補足:

 

1)中国の仲介でイランとサウジアラビアは国交樹立したが、サウジアラビアにはイランの核兵器は依然脅威である。それを熟知する米国は、サウジアラビアに核武装させると見せかけて、イランとサウジの間に楔を打ち込みたいのである。

 

2)シオニズムは世俗化したユダヤ人の金融資本家たちの考えだろう。ただ、ユダヤ教徒達が自分たちの国が出来たのならそこに住みたいと思うのは当然だろう。このある種矛盾した気持ちを持ちながら、多くのユダヤ人たちはイスラエルに住んでいるのではないだろうか。

(翌日早朝本文最後の一文を追加;加えて編集あり)

 

 

 

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