2024年11月21日木曜日

トランプは反グローバリストの英雄ではないだろう

トランプをグローバリストと対決する英雄と考えている人が日本に多い。大統領選挙でトランプが大勝したので、今後の世界政治の明るい展開を信じていたと思う。そして、早速発表されたイーロン・マスクやロバートケネディJr.に対する人事に喝采を送っていただろう。

 

しかし、最近トランプが発表する人事には、戸惑っている人が多いのではないだろうか。その点について少し考えてみる。(以下は、素人の夢想を含みます。そのつもりでお読みいただきたい)


 

)トランプによる次期政権国務長官人事などの怪


5日前のyoutube動画で及川幸久氏は、トランプがネオコンと見做されていたマルコ・ルビオを国務長官に指名したことに批判が集まっていると話す。マルコ・ルビオは対中国及び対イラン強硬派であ

 

 

 

及川氏は上記動画で、ランド・ポール上院議員の「外交においては、マルコ・ルビオとヒラリー・クリントンは同一人物だ」という言葉を引用している。https://theweek.com/speedreads/587721/rand-paul-thinks-marco-rubio-hillary-clinton-are-same-person-foreign-policy

 

確かに、マルコ・ルビオはロシアによるウクライナ侵攻直後は、ウクライナへの支持を熱烈に呼びかけていた。しかし、徐々に意見を修正し、現在ではウクライナ支援に消極的である。それでも、ランド・ポールの言う通り、グローバリストに違いないだろう。https://www.aljazeera.com/news/2024/11/12/how-marco-rubio-has-shapeshifted-to-embrace-trumps-foreign-policy

 

彼は2016年の大統領候補として立候補し、トランプに負けて以来トランプと仲良くなったと言われるが、ウクライナ支援に消極的になったのはトランプの影響なのだろうか?独自の思想変化なのか?それとも何らかの力が外部から働いたのか? 

 

119日の本ブログサイトでトランプが非常に早い時期から次期政権の人事を決めている理由として、米国民の注目を維持するためと書いた。しかしもう一つの可能性として、今回の国務長官人事のようなグローバリストが歓迎する人事を妥協のために見せつけるためかも知れない。

 

トランプを反グローバリストの英雄などと言うのは、現在の民主党グローバリストの展開する世界政治に反対の人たちがトランプ本人の考えを無視して作り上げた話なのかも知れない。

 

イーロンマスクとロバートケネディJrが本物の反グローバリストだとしても、彼らが十分な働きが出来るかどうかは分からない。彼らが重用されるのは、大統領選挙において功績があったからであり、思想的にトランプと共鳴した結果ではないのかも知れない


 

2)トランプは反グローバリストの騎手ではない

 

トランプは、世界各国に出向いて金を使う米国の覇権主義外交が米国民の生活にプラスになっていないとし、その金を国民の方に回すべきだと主張して大衆の賛同を得、大統領に当選した。キャッチフレイズのMake America Great Again(MAGA;アメリカを再び偉大な国に)は、アメリカは覇権を狙って世界に干渉するよりも、一主権国家として自国の利益を追求すべきだという主張である。

 

ただ、世界覇権よりもMAGAだと言ってみても、米国が世界覇権を失ったらGreat(偉大)な国ではなくなるだろう。多民族国家である米国の各民族が、タガの外れた桶のようにバラバラとなり、国家が崩壊する可能性すら存在するだろう。トランプは、もし米国が世界覇権を失ったらどうなるかなどは、そもそも考えていないのではないのか。

 

つまり、米国のエリートたちは、主権国家体制の国際社会(ウエストファリア体制)を破壊し世界帝国を作らなければ自分たちは何れ世界覇権を失う(補足1)と考えているのだろう。しかしトランプは、それに対し反論を展開することなく、単に一般国民の不満を吸い上げることで大統領に当選したのではないだろうか。

 

トランプに大口寄付をする人物に、カジノ王アデルソンなどユダヤ系が多いという。イスラエルロビーの人たちや親イスラエルのアデルソンのようなユダヤ人たちは、元々イスラエルと緊密な関係にあるトランプ(補足2)を応援し、パレスチナ問題をイスラエルに有利に治めるためにトランプ政権を利用したいのだろう。 https://toyokeizai.net/articles/-/775835

 

トランプは、国際金融を支配するディアスポラのユダヤ人とイスラエルを支援するユダヤ人(イスラエルロビーなど)の間にあって、後者の側に立って前者の目指す政治を批判して当選した。マルコ・ルビオが国務長官に指名されたのは、トランプのこの賢明さに共鳴したからだろう。

 

トランプもマルコ・ルビオもユダヤ系の資本力と政治力の中にどっぷりとつかって、背後から支援を受けて米国を運営しようと考えているのだと思う。トランプとグローバリストの総本山と考えられる国際金融資本とは、供にイスラエルを大切にするという姿勢を共有しているのである。

 

したがって、トランプを反グローバリズムの騎手とみるのは間違いだろう。単にグローバリズムの提唱者とは仲のあまり良くない兄弟のような存在だと考えるべきだろう。ブルームバーグは、それを示唆する以下のような文章を記事の中に書いている:

 

トランプは億万長者のユダヤ系米国人ミリアム・アデルソン(Miriam Adelson)氏が主催する会合(大統領選前)で、自分がイスラエルを支持していることを根拠に、ユダヤ系米国人からもっと政治的な支援を受けても良いはずだという主旨の発言を繰り返し、ユダヤ系米国人とイスラエルという国家を混同しているhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-09-20/SK4J6YT0G1KW00

 

411日の本ブログサイトに「イスラエルはトランプを次期大統領として支持する可能性が大きい」という記事を書いた。その中に「325日に行われたイスラエルの新聞イスラエル・ハヨムが トランプに対するインタビューを、インタビューと言うよりも面接試験ではないかと思ってしまう」と書いている。トランプはシオニストと言うべきだろう。 https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12847903412.html

 

以上をまとめると、トランプには反グローバリズムという政治思想など持っていない。彼は単にユダヤ系資本家たちとイスラエル系米国人の間に陣取って、大統領という地位を手にいれたのだろう。トランプをイスラエルロビーに雇われた大統領と考えれば、今後の米国政治が分かりやすくなるのではないだろうか。

 

 

補足:

 

1)GDPの世界ランキングでは米国は一位だが、そのシェアは年々下がっている。経済産業省の計算では、米国のGDP世界シェアは2020年には24.7%だが、2050年には14.7%に落ちる。従って、米国は今後、国際的地位を低下させる一方だろう。経済的シェアが小さくなれば、米国は何れ世界覇権を失う。米国に取って代るのはおそらく中国だろう。ユダヤの資本家たちは、英国から米国に移ったように中国に入り込めないのなら、彼らは世界の金融を支配する地位を失い、世界史も何れ書き換えられるだろう。何故なら、歴史は覇権を握る者たちを正統化するために書かれるからである。その時、アヘン戦争をはじめ植民地戦争などが過去の悪行とされ、ユダヤ系欧米人はその時点で主導的地位を失うだろう。

 

2)トランプの娘は、ユダヤ教に改宗してホロコーストから逃れ米国に来たユダヤ人ジャレッド・クシュナーと結婚した。娘夫婦はイスラエルの首相ネタニヤフとは家族ぐるみの付き合いだという。

--- 15時 編集 ---

2024年11月15日金曜日

石破政権の経済政策について: 企業への直接支援よりも減税と規制緩和を行うべき

石破茂首相は、11日夜の記者会見で半導体や人工知能(AI)分野に複数年度で10兆円以上の公的支援をする方針を明らかにした。自民党政治家の典型的な積極財政政策であり、人気取りと幾らかの実質的キックバックを狙ったものだろう。

 

このことについて少し独自の考えを書いてみたい。素人こそが自由に述べることができると思う。コメントを期待します。

 

 

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA115JH0R11C24A1000000/ 

 

先ず指摘したいのは、日本がAI分野への進出が遅れ、且つ半導体分野でのシェアが小さいからと言って、政府が大規模にそれらの分野に資金援助するというのは、社会主義経済の国が行うことである。

 

日本は自由主義経済の国であるから、私企業の競争力は本来は独自に付けるべきであり、政府が直接支援することではない。石破首相ら自民党の政治屋たちは、社会主義国の経済が自由主義国のそれに太刀打ちできなかったという歴史をどのように考えているのだろうか?(補足1)

 

AI分野は、今後成長が期待される分野であることは確かだろうが、世界には既にトップも二番手もおり、それらの中で追いついて勝ち残るのは非常に困難だろう。それらと互角に勝負するには、資金力だけでなく人(技術)と組織(情報の上下双方向の流れ)と伝統(知的技術的蓄積)など本当の意味での実力が必要である。政府による資金支援は、それら「実力の充当」にはならないと思う。

 

そもそも半導体王国だった日本が、経済低迷の30年とともに没落したのは、それら企業が国際競争力を失ってきたからではないのか?政府が何か貢献するのなら、その原因を分析しその結果を企業の活動環境の整備に活かすことである。それは一分野ではなく、もっと多くの分野にプラスになる筈。 

 

政治は、人や法人への直接投資は出来るだけ避けるべきだ。つまり、日本社会の中からオリジナルな技術や産業が生まれるような土壌(補足2)を作るのが政府の役割であると思う。経済低迷の30年は政府が経済発展のステップアップ(補足3)に応じて、経済環境の整備をこの30年間やらなかったということである。

 

既存分野に政府が多額の金を支援するには、例えばその技術が安全保障に強く関わるなどの別の説明が必要である。


 

2)古い日本の人事文化と解雇規制の緩和について

 

人も企業も生き物である。生き物には生命力がなければならない。半導体やAIの分野に限らず、生命力ある法人を創るにはどうすればよいのかを、全体的視点に立って考えるべきだ。 
 

西欧型の企業では、個人の専門家的能力がその法人でのポジションおよび報酬を決めるだろう。専門家的能力は、専門的知識を有する上にそれを法人組織の中で活かす能力である。西欧の経済的文化は、法人がそのような人事で成り立ち、それを機能させる伝統である。

 

日本型の企業では、従業員には共同体の一員としての意思が要求される。その結果、報酬は労働の対価の他、共同体の一員としての支給(給与)の意味が強い。つまり法人組織が、封建領主と旗本や御家人との関係に近い。このような組織の場合、上下間の意思と情報の伝達は上意下達が自然であり、従って双方向には円滑ではない。(再度補足3を読んでもらいたい)

 

何年も前から書いてきたことだが、この組織における差が、日本の労働の流動性を小さくし、企業内での適材適所の実現を阻害し、最終的に日本が先端分野において遅れを取る主要な原因の一つだろう。(補足4)
 

したがって政府がやるべきは、この労働市場に封建文化を醸成している法的根拠を取り除く工夫ではないだろうか。例えば、解雇規制の緩和は労働の流動性を否が応でも高めるだろうし、日本の封建的な人事関係を破壊することになるだろう。
 

くどいようだが繰り返す。近代的法人における上司と部下の関係は、役割分担でありそれ以上の関係はない筈である。(補足5)それにも拘わらず、日本の場合は封建社会のような上下関係となっている。それが法人における上下の情報の流れにおいて抵抗となっている。西欧型の経済をまねるなら、人間関係もある程度江戸時代の形から脱却する必要があると思う。

 

小泉進次郎が10月の自民党総裁選の時に解雇規制の緩和或いは撤廃を言い出した時、小泉氏をバカにしながらその副作用ばかりを強調する人物が多かった。それが過ぎ去っても、相変わらず労働の流動性確保が大事だと平気でいうのが日本の評論家と自民党議員たちである。

 

日本の政界にはお経文化が存在する。労働市場に関しては、労働の流動化を「色即是空」のようにお経として唱えるのである。北朝鮮との関係においては、「拉致被害者救出」というお経を唱えて青いバッジを胸につけるだけである。具体性も科学性も何もない。それで政治の世界は通用するのだ。


 

3)日本の低い輸出依存度について

 

日本の経済界は、未だ世界経済の発展に取り残されていない立派な企業がたくさん存在している。しかし、それら企業は外国に工場を建てて、そこから第三国へ輸出することで利益を得ているようだ。それが日本経済の輸出依存度が小さい主要原因である。下に各国の輸出依存度を示す。

ここで東南アジア諸国の輸出依存度が大きいのは、それらの国のGDPにおいて、比較的安い労働賃金を目指して進出した外国企業が生産物を海外に輸出することで稼ぎだした分の割合が大きいからである。一方オランダの大きい輸出依存度は、農業国としてヨーロッパ圏への食糧輸出が大きいからだろう。

 

オランダに限らずヨーロッパでの高い輸出依存度は、国際的分業体制が進んでいることによる。一方、日本の輸出依存度が小さいのは、一つにはほとんどの工業生産物を自国で賄う体制が出来ているからと考えられる。この点は米国と似ている。

 

この日本の何でも国内で調達できるというのは便利だろうが、前のセクションで見てきたような全体として国際競争力の低下と無関係ではないだろう。得意なところに人材とエネルギーを集中して、21世紀に生き残る製造業とすべきではないのか? https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je10/pdf/10p03032_1.pdf 

 

もう一つの原因としては、最初に少し書いたように、日本の優良企業は海外での収益を海外に投資する傾向が強い。優良企業にとって日本が活動しにくい国なら、その原因を前セクションにおいて書いたことを含めて明らかにし、企業が活動しやすいように環境を整えるべきである。それが政府の仕事だと思う。

 

日本は米国やロシアなどの覇権国家と違って食料とエネルギーの輸入が必須である。それらの確保のために、外交での国際協調関係に気を配るだけでなく、国際競争力のある産業(担当する企業)を育て維持することが大切である。しかし最近ではそれが怪しくなってきている。

 

それは円安の進行し、それが海外からの旅行者への恩恵となり、京都などの観光地は外国人観光客であふれている。それは日本の製造業が世界との競争力をなくしつつある証拠である。

 

貿易赤字の状況は常態化し、そして経常赤字になれば、日本経済は先進国としては末期となり、途上国型に転落することになる。政府はほとんど意味のない積極財政という麻薬を止めて、この状況を重く考えるべきである。

 

政府の積極財政は、政府の財政収支を悪化させて国債金利の上昇を招き、それが物価高と円安につながる。それは既に経験していることである。政府は庶民の数少ない頼りとしている僅かばかりの金融資産が紙くず同然となるまで、日銀に国債の市中からの買い上げを強要するだろう。

 

何故、このような外国の言うことばかり聞く政権を維持させるのか? 日本人はバカなのか? せめて新ニーサは国内株のみとするという改革(円安防止に役立つ)を政府にさせたらどうか? 国民民主や民主党は本当に野党なのか?
 

終わりに:

 

個別の事業に多額の援助を考えるのは、社会主義的政策に堕する可能性が高いので、注意が必要である。積極財政を考えるのなら、消費税の廃止或いは軽減を第一に考えるべきだろう。

 


補足:

 

1)子供が一流大学に入る実力がないのなら、親が札束を持って米国のアイビーリーグと直接交渉するというのは日本の与党政治家なら考える事かもしれない。それは政治家を実力よりも氏素性と学歴で選ぶ社会なら投資になるかもしれないが、まともな民主国家では結局金の無駄遣いになるだだけだ。特定分野の企業に多額の支援をすることは、それと同じ愚に見える。

 

2)このオリジナルな技術や産業が生まれるような土壌として重要なのが教育改革である。これまでの記憶重視の教育から思考力をつける教育、社会や自然にたいする探求心を持つような教育をすべきである。

 

3)日本経済は最初安い人件費を武器に途上国型の発展を遂げた。そこから成熟型の経済に移行するにあたって、労働時間の短縮や労働環境の改善などの他に、企業の組織を軍隊型からCompany (仲間)型にステップアップするための環境整備が不可欠なのだろう。儒教的な人間関係から解放され紳士的関係に移行することで労働の流動化も進むのである。

 

4)何度も引用してしまうのだが、ここでもカルロス・ゴーンの言葉を引用したい。フランスでは社長が何かを決めれば部下の間で議論が生じるが、日本では同じ状況で部下は黙ると言った。上意下達では、大勢の意見を吸い上げて法人としての優れた決定など期待出来ないだろう。

 

5)人間の臓器である頭や胃腸や手足を考えた場合、頭が偉く胃腸や手足が卑しいわけではない。それぞれの役割を果たしてこそ、生命力が維持できるのである。会社の上司と部下の関係も同じでなくてはならない。日本のように儒教的上下関係を持ち込むことは、企業の活力を削ぐことになる。

2024年11月9日土曜日

トランプは未だ大統領選挙の戦いを継続している:彼の歩む道は非常に険しい

11月5日(米国時間)の大統領選挙でトランプが当選したと報じられているが、彼が大統領に就任するまでの道は未だ平坦ではない。 

 

追補 ジェイソン・モーガン氏は以下の動画の26分あたりから、トランプが1月の大統領就任まで生き残ることができるか心配だと言っている。トランプは、それほど巨大な敵と戦っているのである。https://www.youtube.com/watch?v=vBQyUbRU7KU


これからのスケジュールは以下のようになっている。11月5日に全米で538人選ばれた選挙人が、12月17日に開かれる各州の州議会で承認された場合、彼らにより投票が行われる。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12647034993.html

そして翌年1月6日に上院で大統領選挙結果の承認と選挙人による選挙の結果の集計が行われる。そこで次期大統領が決定される。次期大統領の選定作業はこの時点まで継続する。ここで再度指摘したいのは、今回の選挙で選ばれたのは大統領ではなく、大統領を選ぶ各党が登録した選挙人だということである。

今回、ペンシルバニアで共和党が19人の推薦人を獲得したのだが、原理的には彼らが19人ともトランプに投票するとは限らない。共和党の選挙人がハリスに投票することもあり得る。前回選挙では、最終的には全て承認されたものの、この州でも選挙に異議を申し立てる議員が出た。今回の大統領選挙が歴史的なものなら、選挙人による選挙でも歴史的なことが起こり得る。

繰り返しになるが、今回特に心配されるのは12月の州議会で不誠実な大統領選挙人、つまり自党以外に投票する選挙人が多数出る可能性である。過去不誠実な選挙人は散発的(2016年の選挙では7人)に出たのだが、今回もし組織的に出たならハリスの当選もあり得るのである。https://www.bbc.com/japanese/articles/cy0g8gyqzv2o 

日本のSNSでは、もうトランプ政権が始まったかのような動画配信が目立つ(例えば下の動画;補足1)。上述の不確実性を非現実的な話(つまりそんなことを考えるのは現実的でない)として軽視している。このように、原理に戻って考える文化が無いのが日本の弱点の一つである。(補足2)

 

https://www.youtube.com/watch?v=Yxo_llDrXjI

 

一方米国では当然ながら、前回の大統領選挙の時も選挙人による選挙が注目された。ブルー州として代表的なカリフォルニアで不誠実な選挙人が大量に出た可能性までも考えて、心配した人も居たようだ。https://wired.jp/series/super-election-returns/super-election-returns-31/

米国がこのような制度を採用したのは、国民の熱狂がそのまま大統領選挙に反映しないようにするためだろう。それは、国内の殆どが国民のためを考えることに疑いが無いなら賢明な制度だが、もし国家組織が異邦人に乗っ取られていた場合、国民の多数が冷静な判断として選挙に臨んでもその結果を捻じ曲げる装置となりうるのである。(補足3)

何故そんなことまで心配するのか? それはトランプは伝統的な共和党代表とはかなり異なるからである。共和党員のなかに大勢ネオコン(neo-conservative、新しい保守)が居る。ブッシュ政権は将にネオコン政権であった。選挙人として選ばれた人の多くがネオコンだとしたら、そのようなことが起こり得るのである。

 

ネオコンたちはグローバリストであり、地球上に唯一の権力組織として自分たちの体制建設を目指している。(補足4)トランプの敵は経済で世界を支配する人たちであり、彼は途轍もない強敵と戦っているのである。


トランプは早速次期政権のための人事を行っている。早すぎると考える人がほとんどだろうが、おそらく選挙人による12月中旬の選挙に対し無言の圧力をかける為だろう。つまり、国民の意識を選挙人選挙の日までつなぎ止め、できるなら自分たちの味方を更に増やしつつ選挙人がこっそりと裏切らないように監視するためである。

 

つまりトランプは未だ選挙戦を戦っているのである。新しい体制を発表して今後の政策を述べることは、これまでのグローバリストの支配が如何に米国民の為にはなっていなかったことを強調するためである。

その後様々な困難が予想される。最も心配されるのが、暗殺である。この選挙戦中に起こったことが1月20日の就任式までに起これば、大統領就任に至らない可能性もある。大統領就任後、実際にネオコンの手足を縛る政策を実行する段階になると、尚一層その危険性が高まるだろう。


 

補足:

 

1)トランプらは既に人事を進める一方、”Deep State”撲滅計画を発表しているようだ。まるで革命前夜のような話である。そのようになることに期待しているが、不安も大きい。その不安部分を示すのが、本稿である。

 

2)ここでも原点からの全プロセスを念頭に考える文化が日本に欠けている。それが本ブログで数年間書き続けたことである。日本には哲学がないので、原理的なところから思考するという文化或いは習慣がない。原理的思考の文化があれば、現在の自民党政権は50年前に潰れていたと考えられる。米国の傀儡政権として吉田茂とマッカーサーの間で作られたのだから。


3)日本も異なった形だが間接民主制の国である。この回りくどい政治制度も、国家を乗っ取った人たちに利用されているように思う。例えば何故、1票の格差が2倍以内なら合法なのか? そんな判断をする裁判所は日本国民のための裁判所ではない。1票の格差が可能な限り1.0に近づけることなど当然の筈だ。(これも補足2に書いたことの一例である)

 

4)ロシア革命でレーニンやトロツキーなどのボルシェビキが実権を握ったのだが、レーニンの死後の政争でトロツキー(世界同時革命を目指す派)がスターリン(国内で共産党体制を確立する派)に敗ける。その時、大勢のトロツキー派が米国に逃れた。彼らは、新自由主義を掲げるグローバリストとして、共和党内に進出して新しい保守(neo-conservative)を自称した。(ウイキベディアの新保守主義参照)

(2024/OCT10/20:30に冒頭に追補を入れた)

 


 

2024年11月3日日曜日

 米国は大統領選で混乱し内戦に向かう可能性がある

11月5日(米国時間)に米国大統領選の投票が行われる。日本人や日系人が発信するyoutube動画を見る限り、政治家としての実力はトランプがカマラ・ハリスを圧倒しているようだ。最近の世論調査でも、激戦州を含めてトランプ元大統領が有利だとメディアは報道している。https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/11/6a2b5890591ccceb.html

 

民主党&ネオコン勢力は、選挙に敗れても新大統領としてトランプを受け入れないだろう。(補足1)逆に、カマラ・ハリスが当選となった場合、大規模選挙不正が勝因だろう。その結果に、トランプとその支持者たちが激しく反発するだろう。4年前に比べて対立のエネルギーは何倍にもなっており、1-2ヶ月で平穏な米国に戻るとは思えない。

 

米国は選挙当日から大混乱になる可能性が高いと思う。そのように母国アメリカを心配する動画が元米海軍情報官のマックス・フォン・シューラーさんによりアップされている。

 

https://www.youtube.com/watch?v=NWtKXlgQB7

 

恐らく、4年前と同様、民主党&ネオコン側で不正選挙が行われるだろう。バイデンによるメキシコ国境に建設された国境の壁の破壊と不法移民を多数受け入れる政策が将来の民主党票の増加をねらったものなら、実際の寄与の有無に関らず大規模な不正選挙があったことの状況証拠だろう。

 

不法移民を大量に入国させる理由は他にあるか? あるとしたら、米国の治安悪化が目的だろう。(補足2)そんな政権を米国民は支持する筈がない。

 

 

2)選挙後に考えられること

 

4年前の12月、”選挙不正”でバイデンにトランプが敗けたことになった時、トランプ政権による戒厳令発布の可能性が一部で議論された。その時のブログ記事を引用しておく。トランプが戒厳令を布く瞬間が近づいている? 

 

選挙不正を示す報告書が国家情報長官より大統領に提出されれば、それを切っ掛けに戒厳令が出せたかもしれない。しかしCIAやFBI、そしてその上の情報長官等の協力が得られなかったようで、期日までにラトクリフ情報長官は報告をしなかった。

 

更に、戒厳令を布けば軍の協力が無ければならないが、マーク・ミリー統合参謀本部議長などの協力も得られそうになかった。


今回は4年前とは全く異なる。戒厳令発布は大統領バイデンの特権であり、米軍の協力も得られるだろう。もし民主党側が不正選挙を積み重ねてでもトランプ勝利と出たなら、バイデン政権は戒厳令を発布して一時軍政を布く可能性がある。

 

その時、トランプ側も黙ってはいない。あちこちで暴動が発生するだろう。バイデン政権はこの混乱に備えているように思う。9月24日に、2001年の9.11の後に出され2019年に修正された対テロ非常事態宣言が、この一年間継続されるという声明がだされた。

 

 

 

そして更に、国防総省が9月27日に配布した連邦軍に対する指示書の中に、テロ対策や調査に対し抵抗する市民に銃などの使用が許可されるとする文章がある。DOD DIRECTIVE 5240.01 DOD INTELLIGENCE AND INTELLIGENCE-RELATED ACTIVITIES AND DEFENSE INTELLIGENCE COMPONENT ASSISTANCE TO LAW ENFORCEMENT AGENCIES AND OTHER CIVIL AUTHORITIES


この大統領の告知(Notice)や国防総省の軍への指示は、選挙に絡んだ混乱を想定した準備だろう。少なくともそのように警戒感を持つ人がトランプ支持者に多い。

 

この異常なホワイトハウスの方針に対して不安を露わにする動画が、「警察官ゆりのアメリカ生活」というyoutubeチャンネルにアップロードされた。https://www.youtube.com/live/2N0OFuP1Nbc

 


 

ただ、政権側はその疑いを否定している。そして政権側に近いと思われるMilitary.comというウエブサイトは以下の題の記事を掲載している。
Far-Right Suggests Military Just Authorized Lethal Force Against Americans Ahead of the Election. It Didn’t. 

 

この表題を日本語に訳すと「極右は、選挙を前に軍が米国民に対する致死的な武力行使を承認したと主張している。しかし、それは事実ではない。」となる。繰り返すが、これはあくまでもバイデン政権側の記事である。トランプとその支持者に対する「極右」と言う表現は、強い反感を表わしており、客観的な報道ではないことを証明している。

 

何十年に亘って米国を支配下に置くことに成功した米国の支配層の多くはユダヤ系金融資本家が中心だろう。かれらは所謂グローバリストと呼ばれ、世界の単一覇権の完成を目標に活動してきたと考えられる。

 

彼らグローバリストたちは、有限の地球には有限の人間しか住めないので、地球環境問題や資源枯渇の問題を解決するには、世界を独裁下に置く以外に方法がないと考えていると思う。それが米国における非常に粗暴な戦略の中心的動機であると考えられる。近代の価値基準など彼らは持ち合わせていない。

 

 

補足:

 

1)トランプは当選した場合、国内では健全財政を目指すだろう。イーロン・マスクを政府の無駄な行政システムの整理を行う担当に据えると言っており、民主党幹部の人たちの多くは既得権益を失うだろう。更に、トランプはあのエプスタイン裁判関連の資料を公開すると言われている。ジェフリー・エプスタインと背徳の行為を行った人物に民主党を支持するエリートが多いと言われている。その他、グローバリスト政権が作った多くの秘密(ケネディ暗殺など)が暴かれるだろう。

対外政策では、グローバリストたちが企んだウクライナを傭兵にしてロシアを潰す作戦を中止し、ウクライナは東部を失うが平和が訪れるだろう。

 

2)大変革の時には治安を悪化させた上で、その喧噪状態の中で秘密作戦を実施する場合が多い。例として適当かどうかわからないが、明治維新(クーデター)の時には、薩摩は江戸で、長州は京都で夫々大規模なテロを行った。そのように考えると今月からの米国が本当に心配になる。もちろん、その混乱は日本にもおよぶ可能性が高い。

 

(翌日早朝誤字等の軽微な編集の後最終稿)