2014年5月31日土曜日

金ナノ粒子の触媒能について=その発見は意外ではないと思うが?

 ちょっと、現在ネタ切れ故、自然科学系に戻って専門外ではあるがコメントを期待して一件書いてみる。東大の春田元教授の金ナノ触媒の研究がノーベル賞候補だという話をよく聞く。今日、中日新聞の中日春秋にも中日文化賞と関連して、その紹介がなされていた。金という安定な金属に注目したのは、意外性と言う点で素晴らしいと思う。しかし、ナノ粒子にすれば、反応にもよるが大抵の物質に触媒能が出るのではないだろうか。
 金は塩化物や酸化物をつくるので、当然、化学的に全く不活性というわけではない。また、金は通常の化学的環境では、化学結合を作る相手が少ないので、回収性に優れている。従って、金ナノ粒子がマイルドであるが回収性に優れた触媒能を持つことは十分考えられる。
 表題に書いた文意は以下の様な理由による。つまり、ナノ粒子にすれば全ての単体(単一元素のもの)のエネルギー(自由エネルギー)があがる。それはナノ粒子になると、結合する原子の平均数が減少するからである。一般に固体表面は、結合する原子は全て内側にあり、内部の原子より結合の数が減少する。つまり、表面では結合による安定化が減少し、原子は高エネルギー状態になる。(固体の表面張力は、この単位表面積当りの増加自由エネルギーで定義される)ナノ粒子では、この結合する方向が内側の180度でなく、もっと減少するのである。高エネルギー状態は、高結合性と殆ど同義である。分子が吸着すれば、その表面原子のエネルギーが低下するが、その分、吸着分子の立体構造などを変化させ、化学反応性を増すのである。

<どなたか、コメントを下されば幸いです。>

0 件のコメント:

コメントを投稿