2014年10月22日水曜日

100年間に巨大噴火が1%の確率で起こる?NHKは、科学成果の放送に関する常識がない 

 NHK夜7時のトップニュースとして、今後100年間に日本で起こる巨大噴火の確率がおよそ1%であるとの研究結果が放送された。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141022/k10015614021000.html
神戸大学大学院の巽好幸教授らの研究グループが発表したもので、日本の広い範囲が火山灰で覆われ、火砕流が100キロ余り先まで達するような巨大噴火が、今後100年間に起きる確率はおよそ1%だとする研究結果である。その結果を踏まえ、その研究グループでは「地下のマグマの動きを捉える観測方法の開発や人材の育成などに長期的に取り組む必要がある」と指摘しているという。

 その経緯の詳細を、“大量の火山灰が日本の広い範囲に及び、火砕流が周囲100キロ余りに達するような巨大噴火は、噴火後に直径が数十キロに及ぶ「カルデラ」と呼ばれる陥没した地形を作ることが知られ、日本では地形や地質の調査から過去12万年の間に九州や北海道などで少なくとも10回起きていたことが分かっています。
神戸大学大学院の巽好幸教授らの研究グループは、国内の地下の岩石の性質や過去の噴火の時期などを基に、火口の直径が数十キロにも及ぶ巨大噴火が日本で起きる確率を推計し、22日、その結果を公表しました。”と記している。

 ただ、公表をどのような形でしたのか、明らかにしていない。論文なのか、放送局等への持ち込みなのか、学会発表なのか解らない。このことだけで、NHKに科学的研究結果を報道する資格がないと言える。

 本来、科学者の研究結果は、学会(発表会)での報告或いは学会誌への論文投稿という形を経て発表される。そして、学会での批判を受け、科学的研究成果として一定の評価を得て初めて、一般社会へ公表できる。それが、科学者の世界の常識である。更に、それが研究成果として認められても、それは仮説に過ぎない。NHKだけでなく、日本のマスコミ一般もこの常識がない。西洋から輸入した科学文明を、未だに日本は十分消化吸収していない。日本の後進性の一つである。

 ましてや、研究成果として学会に定着していない自分達の研究結果から、「地下のマグマの動きを捉える観測方法の開発や人材の育成などに長期的に取り組む必要がある」と行政への提言までするのは、科学者として下品であり、常識に欠ける。また、それをそのまま日本を代表する放送局が放送するとは!!。

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