2020年3月9日月曜日

緊急事態宣言を可能にするよりも、PCR検査を開業医の判断で完全に実施することを先ず実現すべき

安倍晋三首相が新型コロナウイルス感染症の対応として、新型インフルエンザ等対策特別措置法を「改正」し、「緊急事態宣言」による私権の制限などの条項を盛り込む見通しだという。今週中に国会提出の動きがあるという。

 

現在、新型コロナウイルス肺炎感染者は、クルーズ船でのケースを除けば、日本国内で500人ほどであり、死者数は10人以下である。この感染者数は、韓国の10分の1に満たず、世界でも8番目位である。死者数もイタリアの50分の1程度である。https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

 

もし、本当はもっと感染者が多いというのなら、それを明らかにするのが先である。つまり、PCR検査実施を開業医の自由判断に任せ、その病気の感染実態の把握が先である。(補足1)それをしないで、いきなり緊急事態宣言を出すというのは、安倍は、強権発動の喜びを味わいたいだけではないのか。(補足2)

 

この政府の動きに一般市民が賛同するのなら、それは上記新型コロナ肺炎の被害の数字を、正しく把握していないからだろう。例えば、日本で一年間に肺炎で死亡する人数は12万人以上である(下図参照)。それにも関わらず、肺炎球菌などから国民を救わなければならないと大騒ぎする政府の姿を、見たことも聞いたこともない。また、感染力が強いインフルエンザでも、3000人以上死亡している。新型コロナ肺炎の被害も、先ず実態を明らかにし、対策のレベルと程度はそれらとの比較で判断すべきである。

http://www.tokyo-eiken.go.jp/sage/sage2018/

 

勿論、未知の病気に関する恐怖はあり得る。しかし、感染力はインフルエンザより劣り、死亡率も2−3%以下である。水際無策の現政権の下でも、発表された数字通りの被害者数なら、大したことはない。ここで、緊急事態宣言とか非常事態宣言を言い出すのは、安倍内閣の政策に一貫性がない。実態がわからないままに、緊急事態宣言を出して、武漢のように私権の制限をし、わざわざ自分から経済破綻することなどない。

 

それに、緊急事態宣言を出すのは国民が直接選んだ国家元首が出すべきである。従って、憲法に国家元首を明記し、緊急事態条項を明記するように改正すべきである。その必要性を国民に熟知させるように、一般論として議論すべきである。その努力を、戦後75年間やらないで、何をうろたえた振りをしているのか?

 

現行憲法下では、国権の最高機関は国会であるから、もし緊急事態宣言を出すと法令を改正した場合、国会決議としてだすべきである。この件、国会で議論されているが、「いま必要なのは、緊急事態宣言のための法改正ではなく、国民が安心できるような思い切った予算措置だ。こっちの方がよほど急がれる」という、共産党の意見の方がよっぽど正しい。https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2020-03-07/2020030702_05_1.html 

 

(午前11時10分、最終編集、図とそのサイトを追加;補足追加)

 

補足:

 

1)クラスター感染というのもインチキ臭い。何故なら、検査をすでに感染した人と接触があった人に限っている。クラスター的に感染が広がったケースをワザと拡大して見せている。それは政府の陰謀なのか?

 

2)緊急事態宣言は私権を制限する。それなら、非常事態宣言という言葉を使うべきだ。緊急事態という言葉を使って、言葉上は非常事態宣言と区別しながら、私権を制限するというのは非常におかしい。米国やイタリアなどは、非常事態宣言という言葉を用いている。

 

 

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