2020年4月26日日曜日

新型コロナ:ロックダウン方式とスウェーデンの緩やかな規制の比較

新型コロナ肺炎などのパンデミックが起こった場合、街をロックダウンして、早期に感染を終結させた場合の方が、人的被害が少ない。(下図の上)しかし、ロックダウンによる経済の停滞から、再スタートがかなり困難になるだろう。

 

そこで、スウェーデンでは重症化しやすい老人を隔離するが、それ以外は全体的にマイルドな規制で、感染ピークを右に移して医療崩壊を防ぐが、老人は感染させないという方針以外は、感染そのものを避けることはしない。都市の一定が免疫を獲得すれば、自然に流行が治まるだろう。https://www.jiji.com/jc/article?k=2020042300702&g=int

 

スウェーデンでは25日の時点、人口100万当たりの感染者が約1730人なのに対し、死者は同210人程になる。厳格な外出規制を実施している隣国フィンランド(808、32)やデンマーク(1417、70)などと比べ高い致死率で、封鎖しないことによるリスク増に対する懸念も強い。(補足1)

 

上記JIJICOMの報道では、「スウェーデン保健当局の疫学者、アンダース・テグネル博士は最近、地元メディアに「首都人口の多くが免疫を獲得し、感染抑止に効力を発揮し始めた。数理モデルは5月中(の集団免疫達成)を示している」と解説。」

 

集団免疫が出来れば、その後外国から感染者が入国しても、第二波の大流行はおこらない。従って、その後の経済活動も再開が容易である。その一方、厳格な規制で多くの人が感染しないで、抑え込んだ場合、外国からウイルスが持ち込まれた場合、第二波の大流行が起こる可能性が高い。(補足2)

 

つまり、スウェーデン方式では、第一波で死者数がかなり多く出るが、第二波や第三波の流行を考えた場合、全体の死者数が厳格な規制を行った国の人口当たり死者数も、同程度になる可能性もある。

 

緩やかな規制と老人の隔離というスウェーデン方式では、経済的影響は非常に少ないという大きな利点がある。その結果、社会不安による死者などの被害を大きく減少させられる可能性が高い

 

補足:

 

1)ただ、オランダ、英国、フランスなどよりも人口当たりの死者が少ない。国家間の比較は簡単ではない。

ロックダウンの間の休業補償が為されないと、復興に非常に長時間を要する。この場合、独裁的な権力による政治では、その間の賃貸料や延滞金など請求権を放棄させるなどして、まるで時間が飛んだような状態で経済活動の再開が、自由主義圏よりは簡単だと思われる。

 

2)基本再生産数が2.5の伝染では、人口の6割が感染すれば、徐々に流行は治まる。そのときに出来た免疫が持続すれば、第二波はおこらない。しかし、厳格なロックダウンで、人口の大部分が未感染のままで、流行が治まった場合、結局人口の6割が感染し免疫を得るまで、何度も流行の波が生じる可能性が高い。

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