2020年12月31日木曜日

真と善の相対論とその応用

日本でも米国でも、そして恐らく世界中で、人々は真実を失いつつ在る。それは同時に多くの不正でこの世界が満たされつつ在ることを意味する。そこで今回は「真実」とは何か、どこにあるのかについて書いてみようと思う。

 

1)真実とは、共同体で共有する命題(の集合)である(補足1)

 

先ず、「真実とは何だろうか」を考えてみる。デカルトは「我考える故に我あり」(補足2)が唯一の真実であるとした。換言すれば、「我」が自覚する真実は、「我」という意識が存在することのみだとデカルトは言ったのである。

 

しかし、「我」という言葉のなかに、対立概念「他」が存在するので、「我」が存在すれば、「他」も存在することになる。これは矛盾である。更に、「在る」の議論は、ウィキペディアにもあるが、言葉の限界を感じさせる人間にとって不毛な行為である。近代合理主義哲学の祖であるデカルトのこの言葉は、合理的というより宗教的である。(補足3)

 

誰であれ、言葉で語る時点で、他の存在を意識している。一人で考えるときでも、言葉を用いる時は、必ずそれを聴く人物を想定している。もちろん、自分を二つに分けて、喋る自分と聴く自分を心に想定して言葉を用いる場合もある。そうすると、デカルトが言う「我」は二つに分裂している。

 

このデカルトの思想に対する私の否定的な考え方の基礎にあるのは、言葉は共同体の共有物であるという思想である。つまり、言葉(言語)は、共同体と宗教を含めた三つを必須要素として発生し、一体となって進化したと私は考えている。(補足4)つまり、デカルトが言葉を用いた段階で、共同体としての真実を探していることになる。我を一人と言葉を用いて考える段階で、既に矛盾を内包している。

 

何が言いたいかというと、「真実とは、共同体のメンバーで共有する命題(の集合)である」ということである。 完全に一人だけなら、命題を持ち出す必要はない。真も偽もない。「これが真である」とは、我々(共同体)はこれを真として選択すべき「良き命題」つまり自分たちと周囲の世界の理解に役立ち、共同体の永続と発展のためになるという意味である。

 

それは善も同様で、「善」とは我々(共同体)がその維持と発展のために選択すべき「良き行為」に付けられるラベル或いは「物差し」である。つまり、共同体から完全に落ちこぼれた人に善は無意味である。親鸞の「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人おや」は

この善の相対性を語った名言である。(補足5)

 

従って、共同体が異なれば、何が真で何が善であるかも異なっても別におどろくべきことではない。「Xが真である」や「Yが善である」を絶対的普遍的な命題群として把握している人が多い。補足3の繰り返しになるが、それらを絶対的な命題とするのは、宗教的であり科学的ではない。
 

2)真と偽の相対化

日本人には、人類全体としての共同体意識が残存する。笹川良一の「人類皆兄弟」という言葉が日本で一定の存在感があることからも分かる。その考え方は西欧にも存在した。国連などもその意識の具体化だろう。この人類が共同で豊かな社会を維持しようと考える根底には、人類が科学や技術を用いて、豊かな近代文明を多くの地域で共有している事実がある。

 

この人類が共通して享受している文明に関する部分(部分空間での共同体)には、それに対応する「真理の集合」が存在する。一方、国家と国家或いは集団と集団で対立する場合、その対立関係の基礎に、「真理の集合」が二つの集団で異なるということになる。
 

この考え方では、異なった集団の間でも「真理は一つだ」という考えは、宗教的であり科学的ではない。この情況を別表現すると、二つの集団の間で“ある争い”があったとすると、その争いに関して、真偽の判定が可能な一つの命題として、それら集団の二つの言葉で表現することは非常に困難だということである。

 

それは言葉が、歴史的に一つの共同体内で一つの宗教とともに出来上がったのであり、他の言葉への厳密な意味での翻訳は不可能だということでもある。

 

前々回の記事に書いたことだが、今年米国を中心舞台にして明らかになった世界の変化の根底には、人間関係が相手を思う関係(共同体の感覚)から、損得の関係に変化したことがある。そして、世界の人々は地理的にどれだけ狭く限定しても、共同体的感覚を失っていることになる。(補足6)

 

更に、共通の利益を持つ人々の集合は、経済の“発展”のなかで米国内や世界で斑に分布し、建国以来存在してきた共同体の感覚が破壊されているということである。それが人間関係の、「人類愛の人間関係」から「金銭愛の人間関係」への変質の結果である。共同体が失われた場合、真も善も共有できなくなる。現在の米国の混乱を見て、それを強く感じる。

 

3)トランプ政権について

 

トランプは、大統領選挙が多くの不正により間違った人物を選んだと主張している。しかし、何に照らして不正かといえば、昔の建国の精神が生きている米国の憲法とその精神に照らして不正だと言っている筈である。

 

しかし、その憲法の精神が、米国全土で崩壊しているのなら、トランプの主張は古い物差しで新しい米国を測っていることになる。BLM運動が、シアトルで治外法権の地区をつくっても、市長は「別に!」と言って放置し、連邦軍を派遣しようとしても、エスパー国防長官が「断る!」と言ったのも、民主主義精神が希薄になっている現在の米国なら自然である。

 

テキサス州が、激戦4州を「選挙制度を州議会による法改正を経ないで変更し、大統領選挙を行ったのは合衆国違憲に違反する」と言って提訴したが、最高裁が門前払いをした。50州が憲法の下に団結して連合国を作るという精神が風化していれば、最高裁判事らが敢えて火中の栗を拾うのは止めようという態度は、自然なことだろう。

 

つまり、古い衣は着ているものの、その中は今や全く別のアメリカなら、トランプが逆転するのは、古いアメリカに戻るという革命に相当する。それを行うなら、戒厳令を出して、軍政を布くしか無い。自分が先頭に立って戦わなければ、革命は成功しないだろう。

 

1月6日の両院合同会議において、ペンス副大統領が激戦州から出された選挙人名簿を拒否する権限があるのだから、トランプ逆転勝利のためにそうすべきだという考えには、無理がある。副大統領に、米国群衆を背景にして先頭に立って戦って呉れと大統領が言うのでは、敗戦は必至だろう。https://www.youtube.com/watch?v=PPigZYtQhkg&t

 

トランプの現在の姿勢では、最終的にはマイケルフリンも、シドニーパウエルも、リンウッドも、そしてトランプの多くの支援者も、正常な行政プロセスを妨害したとして逮捕される可能性が高い。(https://www.youtube.com/watch?v=kpxEKMcWeRc&t

 

反トランプ陣営も、自分たちの真と善に基づいて、統一する時期である。古い衣を脱ぎ捨てた中に、しっかりと共同体としての新しい社会主義国アメリカが存在するのなら、トランプの応援団として活躍してきた人たちを訴えるのは自然である。しかし、反トランプは呉越同舟、国共合作状態のような氣がする。トランプが勝っても負けても、米国は混乱するように思う。


 

補足:

 

1)命題 (proposition)とは、判断を言語で表したもので、真または偽という性質(真理値)をもつものである。この「もの」という言葉に何時も引っかかる。この“もの”は物でも者でもない。英語では、多分That is what I mentioned a few seconds ago. That is it. (又はThat’s it.) のような文章のwhat itを、日本語で「もの」というのだろう。別の表現では「命題とは、数学で、真偽の判断の対象となる文章または式である」。

 

2)デカルトのこの言葉(Cogito, ergo sum)は、英語では"I think, therefore I am"と翻訳される。この「think」を「思う」と翻訳するのは間違いだろう。https://en.wikipedia.org/wiki/Cogito,_ergo_sum

 

3)ほとんどの人が科学について誤解していることは、「科学は真実を明らかにする」という命題を「真」だとすることである。科学は真実を想定しない。科学の世界に在るのは、仮説のみである。科学の大きな成功つまり進歩は、真実を決定しなかったことによる。

 

4)この言語の発生と進化に関する理解は、「宗教と言語は、共同体社会とともに発生し、外敵からの防御のために“善悪”の創造とそれによる地域共同体の団結を可能とした」と表現することができる。このモデルを前回記事で引用したが、元は昨年6月に書いた「言語の進化論」における、「言語、宗教、共同体」の発生と進化に対する私の理解(モデル)である。

この件に関して私が何時も注目するのは、聖書のヨハネによる福音書の冒頭にある有名な言葉である。「はじめに言葉があった。言葉は神とともにあった。言葉は神であった。全てはこの方により創造された。」は、「言葉が共同体と宗教とで三重らせんを形成して、進化した」というモデルを否定している。

 

5)この善の相対性により、ある共同体(国)が戦争で敵兵を殺すことや犯罪者を死刑にすることが、「人殺しは悪である」という命題から自由になる。その一方、犯罪者が死刑になったとき、その犯罪者に悪のラベルを貼り付けるのは、その特定の共同体の独善に過ぎなくなる。阿弥陀如来は、特定の共同体の所有でないのだから、そのような人を極楽往生させる筈である。

 

6)世界の独裁的な国々では、自国民向け洗脳政策で国家を愛する意識を植え付けている。しかし、それらの国々では、人と人の間の自然な愛情は破壊されており、本当は共同体としての国家は成立していない。以下の中国での話は、それを証明している。その話とは、ビルから飛び降り自殺をしようとベランダに立った人が、なかなか飛び降りないので、見物に集まった人たちが「飛び降りるなら、早く飛び降りろ」と声をかけたという、寒々とする話である。https://business.nikkei.com/atcl/report/15/258513/070500081/

2020年12月30日水曜日

米国に民主主義に戻るチャンスの発生:トランプ勝利の筋書き

何か重要なことが生じなければ、米国大統領選についてはもう書かないだろうと一週間程度前(12月21日)の記事に書きました。しかし昨日、非常に重要な公式発表がペンシルバニアから出されたとの「カナダ人のニュース」さんの情報に接し、一言書くことにしました。(追捕あり、2020/12/30/21:30)

 

(この記事はYouTubeで検索しても出てこない。4:30からの部分をご覧ください)

 

 

ペンシルバニア州議会が、大統領選挙の集計による投票数が実際の投票数よりも17万票多かったと発表した。トランプとバイデンの票差は8万票あまりなので、これでペンシルバニアの公式の結果は意味のないものとなった。

 

これは重大な結果である。何故なら州議会が報告した数字であり、ペンシルバニア州でインチキ選挙が大規模に行われた事を公式に確認した結果だからである。これは①トランプに最強手段を採る根拠或いはきっかけとなるし、②16日の上下両院の会議で、113日の選挙に基づいて選ばれた選挙人による、1214日の各州の選挙結果を16日に開票するのだが、その結果に対して、無効だと主張する根拠ともなるからである。

 

①では、今回の大統領選挙の不正は大規模であり、他国の影響も見られるというトランプの観測結果を米国民の多数が共有するという確信、及び、その一つの証拠としてのペンシルバニア議会の上記結論から、国家反逆罪の疑いでバイデンなど民主党の人物などを軍事法廷で裁く可能性である。

 

上記選挙不正は、シドニーパウエル弁護士の報告や、ピーター・ナヴァロ大統領顧問の報告で述べられているので、トランプの夢想だとして退けることはCNNやニューヨーク・タイムズと言えども困難である。前者パウエル氏の報告では、中国によるドミニヨンの投票システムへの介入により、バイデン票が相当数上積みされた疑惑を述べている。

 

この中国の関与は極めて濃厚な疑惑だが、テキサス司法長官の訴えを最高裁が門前払いしたことで、一旦は、それを根拠に強硬手段の可能性が薄れたと考えられた。しかし、ペンシルバニアで明らかになった今回の不正の証拠により、トランプが2018年に出した大統領令に基づいて、軍事法廷を開く可能性が再び出てきた。

 

その時、シドニーパウエルが検察官になるだろう。そして、その首謀者として民主党の何人かが逮捕される。その一人として、バイデンが含まれるだろうから、来月6日の両院総会の意味もなくなる。

https://www.agenticglobal.com/dictionary/election-counting-5/

 

②のケースでは、両院合同会議で上下両院から1名づつ前に出て、1214日の選挙人の投票結果を受け入れないと主張すれば、議長であるペンス副大統領がその採決を行うだろう。そして、1214日の選挙結果が幾つかの州で無効だと決定されれば、だれも選挙人の過半数を得られなくなり、下院の各州代表で大統領が、上院で副大統領が選出される。(合衆国憲法修正第12条)

 

この場合、恐らくバイデンが当選するだろうとWashington Postは予想している。それは、共和党内にバイデンと書く人がかなり現れるからである。既に上院では、マコーネル院内総務がバイデンの勝利を確認している。その背後に中国人妻とか、その中国との太いパイプなどがあるが、そのような関係にある議員は多いだろう。その結果、共和党は深刻な分裂を経験することになる。https://www.agenticglobal.com/dictionary/election-counting-5/

 

このシナリオについて、既に2年ほど前に論文に書いた人がいる。 Edward B. Foleyという民主党系の学者である。エドワード・フォーリーは、所謂ブルーシフト(時間が立てばバイデン票が増え続けるという理論)を提唱した人である。その論文で、激戦州で113日の結果を認める州知事と、それに反対する州議会が異なる選挙人名簿をワシントンに送るということを予言し、論文に書いている。(pdfで取得できる。)https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3446021

 

そのエドワード・フォーリーがワシントン・ポストに、トランプが16日を待たずに敗北宣言をしたほうが賢明だという記事を書いている。どうせ、下院の投票になってもバイデンが当選するというのである。https://www.washingtonpost.com/opinions/2020/12/22/its-time-mike-pence-choose-trump-or-truth/

 

恐らくそのとおりだろう。米国が民主主義なのは外套一枚であり、その中はマスコミから政治経済まで、中国とあまりにも関係が深くなってしまっている。合法非合法に関わらず、中国女性と深い関係があり中国に取り込まれている議員は、中国の女性スパイと肉体関係を持っていたことが発覚した(128日)エリック・スウォルウェル(補足1)や中国共産党幹部と親しい中国人(人種の意味)を女房に持つ共和党重鎮のマコーネルだけではないだろう。

 

つまり、トランプが勝つには、今や軍事法廷の利用が唯一の手法だろう。その結果は、深刻な米国全体の混乱だろう。米国は上記外套を脱いだ現在、「米国は民主主義の国」という嘘に戻ることは出来ないからである。もし、16日の上記プロセスを経て、バイデンが大統領になっても、米国は深刻な分裂をする可能性がある。テキサスは独立する意思を見せているし、それに同調する赤い州も多いだろう。

 

兎に角、2021年は世界史的に大混乱の年になるだろう。もちろん、一番静かな年にするのなら、できるだけ早期にトランプが敗北宣言することだろう。その場合、トランプ、パウエル、リンウッド、フリンなどは刑務所行きだろう。自分と仲間を犠牲にして、静かなインチキのアメリカを採るのは難しいだろう。私も、何方が日本にとって得か、わからなくなった。

 

日本にとって一番大事なのは、日本のマスコミが外国支配から脱却すること、そして、日本人が原点から、つまり国際社会は野生の世界であるということを学び、憲法改正と積極的な政治への参加の覚悟を持つことである。(補足2)そして、現在永田町と霞が関にいる愚劣な政治家をできるだけ早期に一掃しなければ、日本に将来はない。

 

尚、何方かが刑務所に行くモデルは、1121日の記事「刑務所に行くのはトランプなのかバイデンなのか? 米国の独裁化と歴史改竄の可能性」に書いた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12639316194.html

 

追捕: 上記カナダ人ニュースさんの動画中で、大統領選挙でトランプとバイデンの投票数合計が、約17万票実際の投票数より大きかったと言う報告がペンシルバニアの州議会から発表されということでしたが、実際は17名の共和党議員団の発表のようです。バイデン、トランプ、もうひとりの候補者の票数の合計が、集計システムが示している投票数合計より20万票多いという矛盾があるのは事実のようで、システムそのものに不正があったのだと思います。この発表されている投票数と有権者の推計(11月19日の記事に掲載)から計算すると、投票率が77%以上と異常に高くなり、これも不自然です。

 

 

 

補足:

 

1)エリック・スウォルウェルは、ロシア疑惑を吹聴して一躍注目され、大統領選に出馬したカリフォルニア州選出民主党下院議員で下院情報委員会メンバー。情報委員会のメンバーだというから呆れる。推薦者は、あのナンシーペロスである。

 

2)これには米国占領軍が日本に植え付けた戦争犯罪史観(War Guilt Information Program)の払拭も大事だが、古くから日本にある平和信仰(17条憲法)を捨てることである。日本文化の改造であり、一朝一夕にできることではない。場合によっては、日本の皇室の意味も再考する必要があるだろう。

 

 

 

2020年12月27日日曜日

金融独裁や共産党独裁からの人間の解放について

1)人間関係の金銭関係への変質

 

米国を始め多くの国では、社会は金融資本が支配する構造に変質している。ミクロに見れば、人の間の親和力に基づく関係が希薄になり、対人関係で残るのは、売買関係と仕事上の関係のみとなりつつある。資本主義の進展が、ローカルな共同体を破壊し、対人関係を金銭関係に切り替えたのである。

 

この社会の変化をもう少し微細に整理してみる。人材教育、その配置と移動は、資本主義の原則に支配される。その発展に伴い、①2060代の人の行動半径が、地域コミュニティから全国規模に、更に地球規模へと拡大した。それは、家族や親族との関係、地域コミュニティとの関係などを物理的に希薄化した。

 

同時に、②隣近所での力の貸し借りや、家族の養育や介護、料理や洗濯までもが金銭関係、つまり、金銭的契約行為となり、GDPの成長の中身となった。その結果、上記人間関係を、希薄化及び金銭関係に変質させる。

 

人間関係の分断は、当然、社会における様々な係争を増加させる。米国では、日本では裁判にならない類のことまで、多額の費用を費やして裁判し、GDPを増やしている。(補足1)増加した銃器等による殺人も米国のGDP増加に貢献している。多分、米国の軍産共同体の国外での20世紀以降の行為は、この国内の個人や法人間の係争関係をモデル化し、国家間に適用した結果だろう。(補足2)

 

契約社会と言えば知的に聞こえるが、商品に対する詳細な説明書き、それに対応した詳細な法令、より安全な通信や暗号システム導入など、人間社会は普通の人間にとって住みにくくなる一方である。

 

衣食住以外のGDP算定項目が増える一方なのは、果たして人類に好ましい社会のあり方なのか? 法と契約を意識した人間関係は、人類にとって幸福な関係なのか?その疑問が本稿を書く動機である。

 

2)善悪の消滅と不正の蔓延

 

中世の独裁政治は、論理無視で人を弾圧した。宗教は、その政治の権威付けに利用された。中世の人間復興は、硬直化した宗教からの解放だったと教えられたように記憶するが、その背後に独裁政治が有ったと思う。

 

宗教により決められた善悪は、人々を縛るが論理とは関係が薄い。近代とは、個人が論理的に動くことにより、独裁から解放された時代だとすれば、その論理は宗教的規範にも向けられる。その結果、善悪という行動規範は、論理の産物である合法・非合法に置換されたと思う。そして善悪の感覚は、人々の心の中でも薄くなったと思う。

 

近代の科学&技術の発展は、その近代合理思想によってもたらされた。その合理主義が基礎に置くのは、善悪ではなく事実と論理である。善悪は人間のこころの中にあるが、事実はある場所に観測結果として存在し、論理は個人の頭の中にある。

 

人々が論理を用いて、公空間に於いて対面するのは法や契約書であり、“善悪”に基づく判断は、人間関係が法的関係(契約の関係)や損得の関係に置き換わることで、価値を失ったのである。本来宗教を基礎に出来た“善悪”は、2021世紀に宗教とともに幻となって消失することになる。(勿論、違法=悪という関係で悪は残るが、悪の宗教的感覚は希薄化する)

 

上記①により、視野と行動半径が地球規模となれば、ローカルに存在する事実は人々から遠ざかることになる。事実或いは真実を重視する姿勢は、損得感覚と相性が悪い。そして20~21世紀には事実の現場が遠くなり、欺瞞や詐欺が横行する時代となった。善悪という抗菌剤を失った社会に詐欺や欺瞞という細菌が蔓延りだしたのである。

 

 

 

3)共同体、宗教、言語は、同一起源である

 

宗教と言語は、共同体社会とともに発生した。その主目的は“善悪”の創造による地域共同体の団結と外敵からの防御である。これは先人の著作にあるかもしれないが、私のオリジナルな仮説である。(補足3)そして、多くのトラブルを乗り越えて生き残った民族は、地政学的な因子を除けば、高いレベルの言語と宗教を持ったからだろう。

 

宗教は極めて優れた指導者の言葉を最高の知恵として信じることで、思考のエネルギーを少なくできる。それが記述する行動基準は、善悪という座標軸とともに人々に示される。宗教(つまり、その偉人の知恵)が優れていれば、行動の効率が格段に上がり、他民族や他グループとの生存競争に有利である。

 

行動の前後に多くの言葉を用いる必要がなく、多くのルールや多段階の論理で考察する必要がない。人は単に善をなし、悪を懲罰するだけで良い。善悪は共同体のメンバーに記憶され、文化の中に明確に存在する。(補足4)

 

キリスト教文化でも、およそ1000頁ほどの文章を読むだけで良い。例えば、米国政府が今回出した予算書は5500ページあるというから、この宗教的生活の高い効率が理解できるだろう。(トランプが拒否権を行使した予算書:https://www.youtube.com/watch?v=RD8emQ8GqAA

 

資本主義が進み社会が法と論理の支配になれば、合法は宗教の善と対立するケースも発生する。宗教の善悪は、人と間の濃い関係の中でこそ力となり、重要である。従って、人と人の関係が、金銭と契約の関係に置き換わったとき、上に述べた様に、善悪は地位を失い事実と論理が社会の基本的価値となる。(しかし、事実は社会の複雑化と強大化で、だれでも確認可能でなくなる。)

 

 

4)新しいタイプの束縛と新バージョンの人間解放

 

I ) 新バージョンの人間解放の必要性

 

宗教及び善悪により過度に縛られた人を、古代ギリシャのようなもっと自由な世界に解放しようと言うのがルネサンス(人間解放)なら、その原動力になったのは、経済の発展、特に資本主義経済の発展だろう。(ルネサンスは数世紀後の市民革命につながる。)

 

 

 

その後、経済システムが資本主義、金融資本主義、ネオリベラリズム(新自由主義経済)と変質発展したことと同期して、コミュニティや家族における基本的人間関係まで希薄化が進み、社会における人間性軽視が進行する。コミュニティや家族などの基本的人間関係は、善悪の関係(宗教的関係)だからである。

 

つまり、人間は経済発展により、法と論理の社会に生きることになり、暗い束縛された地下室から解放されたと思った。しかし外の広い空間で、精神的な豊かさを育む善悪の関係を失うことになったと考えるべきだろう。

 

近年のグローバリズムで地球規模となった経済の世界では、人はその経済システムの要求に従って、全国から主として大都市に集められ、団地に住み働くことになる。更に、経済システムは法と論理により、必要に応じて個人の職種変更や配置転換などに命じることになる。

 

希薄化された人間関係の中で、新しいタイプの束縛、資本主義の進んだ国家などでの、人間関係の希薄化と法と契約による束縛が現れることになった。その束縛は事実を隠して、善悪を無視した形で、巨大資本の利益最大化を目指す中で、形成された。

 

II米国における新束縛からの解放の試み

 

経済主体の地位は、個人から法人に、そして現代では更に、法人から巨大資本へと移った。それが世界の主人公となり、世界の政治を支配している。民主主義というのは、個人を最高の権力源とする制度であり、従って巨大資本の国米国では、幻影でしかない。

 

中国では、民主主義の歴史を持たないので、直線的に新貴族(米国ではエスタブリッシュメント)と国民(人によっては家畜あるいは奴隷と形容するだろう)の身分制度を採用することになった。何方にしても、両国は本質的に同じである。米国は衣が体を現していないだけである。(補足5)

 

また、中国の農村部の安価な労働力を利用して、グローバリズムと称する経済システムで資本の成長を目指した米国新貴族の政治に対決して、その経済構造を修正し、両身分での貧富の差の縮小を目指したのが米国トランプ政権だろう。

 

トランプの政治を、新しい人間復興運動と見る事ができる。ただ、トランプ初期の「グローバリズムが人間的でないから、ナショナリズムに戻る」という考えは、時計の針を逆回転させるような企みであり上手くいかない。トランプが、「国民重視」の政治経済の復活に向うのなら、各国はそれを支持すべきである。(補足6)

 

嘘とプロパガンダを武器にして、ネオリベラリズム的に資本の増大と軍事力の増強、それらを用いて世界支配を目指す、米国内外の善悪を意識しない勢力(米国のDeep Stateと中国のCCP政権)の世界支配を阻止すべきである。トランプは、今回敗北するだろうが、その後米国民が立ち上がることに期待したい。

 

勿論、その結果日本は本当の意味での独立を求められるので、日本国民はしっかりと、国家と個人の関係を習得すべきである。

(編集:16:45;18:00,18:50今ひとつ整理し切れていませんが、今後少しつづ編集します。)

 

補足:

 

1)先日のテレビ番組での話。ハワイでイカガワシイ映画を撮影していた人が逮捕され、懲役300年位になるとどこかから聞かされた。危機感の末に非常に優秀な弁護士に弁護を依頼した結果、罰金刑で済んだという。その弁護士費用は、数億円に上りこれ迄の映画で稼いだ金の大半を失ったという。米国では裁判も弁護士次第だという話である。GDP成長率やランキングを作っても、中身を精査しないと、何の役にもたたない。

 

2)後述するが、9.11のテロとアラブへの米国の介入は、おそらく米国により計画されたことだろう。つまり、基軸通貨としての地位を失う可能性が高い米ドルを護るために、アラブでの存在感を増す必要があった。米国は世界のGDPの中での米国の比率が下がるに従って、米ドルの地位が下がり、ユーロなど他国通貨がその代わりをすることが考えられる。特に近代産業の血液とも言える石油取引を、米ドルに限るという大目的と、これらアラブの内戦との関連が疑われる。因みに、ビンラディンはサウジアラビアの人間であり、事件後米国からソット出国させたという。

 

3)言語の進化論として、2019618から3回に分けて書いた。その後、書き足すつもりだったが、そのままになっている。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12482800585.html

 

4)宗教は極めて知的な人が導き出した知恵の結晶だとしても、所詮一人の人の思想である。しかし、無限の人によるオープンな議論により、連続的に修正を加え導き出した知恵は、一人の神がかりの思想を質的に超えるし、時代の変化に即応できる。西欧の近代とは、将にこのオープンな社会での無限の人による対等な議論を動員するという、「科学の方法論」により導かれた。

 

5)現在、このようなネオリベラリズムと言われる政治経済体制から離れて、独自の方式を採っていると思われるのが北欧諸国である。それについては、伊藤貫氏の講演を用いてレビューした。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12549364718.html

 

6)12月に米国上下両院が提出した予算案は、5500頁以上あり、その内容は米国民の生活を豊かにするという視点のものはごく一部で、その他は利権集団が税金を蚕が桑の葉を食い荒らすような構成になっていたようだ。(及川幸久氏のyoutube動画)トランプ大統領は即座に拒否権を行使したのだが、それと同時にオバマ時代のツイートをリツイートしたという。その文章が面白い。「私達が他の惑星で生命体を見つけないことを私は願っている。何故なら、米国政府は間違いなく彼らにお金を送るだろうからである。」 各国への軍事支援金などは、両院議員たち新貴族の既得権益と絡んでいると言っている。

2020年12月24日木曜日

近代史の延長上での今回の米国大統領選挙(ミニレビュー)

米国大統領選挙に関する具体的話は、22日の記事で終わると書きました。今回は、何方が大統領になるかではなく、今回の選挙の歴史的な意味について簡単に書いて見ようと思います。誤り等指摘いただければと思います。

 

1)米国大統領選挙その後の政争


米国の大統領選挙は大規模な不正と中国共産党等の介入があり(補足1)、トランプ大統領の再選が非常に厳しくなってきている。11月3日の選挙結果として、不正があったにしても、バイデンがトランプを上回る票を得た事になっていることは事実である。それをひっくり返して、トランプ勝利に導くには、民主国の制度を用いれば、裁判所の不正認定以外に方法はない。

 

しかし、それらを幾ら提訴しても、州の最高裁や連邦最高裁は拒絶や門前払いを続けている。証拠として、投票率の異常なたかさ(カウンティ(郡)によれば100%をこえる)、深夜に選挙監視員を水道管破裂とか言って追い出し、その後数人が違法なバイデン票を積み増したこと(カメラ映像が提出されている)など、明らかな不正を指摘しても、全体として11月3日の選挙に影響するレベルではないとして跳ねられる。自己保身の塊のような判事で構成される裁判所では、如何なる選挙結果でも、当局が出した結果は正当とされる。(補足2)

 

このような広範で大規模な不正と腐敗は、「表の皮一枚の民主国家米国としてトランプ政権が存在するが、米国の実態は別のところにあること」を示している。その場合、国家非常事態宣言を出して、戒厳令を布く以外に、もともとの米国(憲法が成立した当初の米国)を取り戻すことは不可能である。そこで、逆に軍が寝返れば、トランプは犯罪人となり、実態通りの国家が完全に表に出る。

何れにしても、国家の実態つまり内部が表の皮一枚と180度異なる状態は、革命(トランプ側)あるいは反革命(民主党側)を経て安定化されなければならない。米国は今、その歴史的瞬間にある。これが私の米国の今現在に対する理解である。

2)歴史のレビュー

米国はこの150年ほどの間にすっかり変質した。その大筋の説明としては、ユダヤ資本の「金融による米国支配」という記述が最も適当だろう。何故なら、アジア進出を狙っていた頃、つまり日本にロシアを撃たせモスクワで共産革命を画策したころから、既に金融は英国などから来たロスチャイルド家が握っていた。第一次大戦の頃、選挙に介入してタフトを落選させ、ウイルソンを当選させた。(補足3)そのウイルソンは、FRBを設立させ、ユダヤ金融資本に米国通貨発行権を与えた。(追捕1 12/26/5:30)


中国を大きくしたのはニクソンとキッシンジャー以来の金融改革とグローバリズムである。WTOへの加盟を許しながら、資本の自由化を渋る中国を許した。そのせいで、中国への資本進出には、共産党員との合弁企業設立が条件となった。その結果、格安の労働力を使って興した製造業の利益は、共産党政権、共産党幹部、米国等海外資本家に分配された。そして、中国共産党は、人民解放軍を巨大化し、世界経済を掌握して(一帯一路とAIIB)世界覇権に向けて進みだした。

 

その中国経済の急成長は、米国一般労働者の犠牲の下に進められ、貧富の格差は拡大した。多くの中流は没落し、ラストベルトが出現しても放置された。トランプは、この中国農村戸籍の安い労働力を、中国共産党と米国等巨大資本の合弁会社で安く使い、先進国から製造業を移転する方式(グローバリズム)に反対して立候補した。


この長い地球規模の歴史の進行を、トランプの4年間でひっくり返すのは、如何にトランプが善戦したとしても、平常時の手段では無理だろう。ここで、最後の力を振りしぼり、戒厳令下で再選挙をし、11月3日の不正を完全な形で証明すれば、現在の真の支配者は破れ、米国は大混乱となり、その余波は世界中をめぐるだろう。(補足4)バイデンだけでなく、オバマやヒラリー、更にあのBLMなどを煽った爺さんらは逮捕されるだろう。(補足5)

ただ、首席補佐官や側近の中に、平常時の憲法などで認められた方法で、トランプ勝利の道を探るべきだという意見がある。例えば、現在各州から出ている選挙人投票を無効にすべく、①各州の州議会が不正を根拠に新たに選挙人名簿を提出する方法や、②12月23日までに、不正な選挙人投票結果を副大統領が拒否できるとか、③1月6日に副大統領が、両議院会議に提出された、不正に決定された選挙人票を拒否する、などの方法である。

youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=B8Qf3fVlBWA&tで、及川幸久氏はこれらの方法を解説している。しかし、最高裁判所の判決がなければバイデンが過半数を得た激戦6州などの結果を上記①〜③の方法で、上院議長は拒絶できないだろう。何故なら、三権分立の制度内では、上院議長といえども、司法権は持たないからである。以上の理由から、そこにコメントを書いた。
 





「不正に選ばれた選挙人票を受け取ってはならない」の規定は、全くトランプ側の助力にならないと思う。既に、7州の共和党員による提出された選挙人は、ペンス副大統領により拒否されるだろう。(補足6)更に、不正の認定を州裁判所が行わない限り、または州議会が11月3日の結果と異なった選挙人を選ばない限り、1月6日のペンスのオブジェクションは成立しない可能性がたかい。ペンスに不正を判定する権限は、三権分立の原理から、無いと思うのですが。」

一旦本性を現した怪物(トランプ側からみた姿;バイデン側から見れば逆かもしれない)は、元には戻らないだろう。米国は中国に飲み込まれるまで、現在の路線を走るだろう。その間に米国内からプロテストがあっても、独裁国のように潰すだろう。もう民主国的な法律や正義に配慮する必要はないからである。(11:50編集あり)


補足:

1)ドミニヨンの投票集計機は、トランプ票をバイデン票に読み替えたり、バイデン票を何回も数えたりし(ここに中国の介入があっただろう)。また、郵便投票では、住民でない人が投票したことにして、バイデン票が不正に積まれた(組織的な影の政府、つまりディープステートによる)ことなどである。

2)裁判所は高度に政治的な判断は避ける。裁判官は行政府の後追いをするのは、日本でも同じである。法律家という狭い見識しか持たない専門家に政治判断を求めるのは、八百屋で大工道具(魚という場合が多い)を求めるようなものである。

3)日露戦争で日本に多額の借金を許したのは、ロスチャイルド系のシフである。そして、頃合いを見計らって、調停に乗り出し、日本勝利の形で戦争を終わらせたのは米国大統領セオドア・ルーズベルトである。その背後に、日本と共同で満州開拓をするという鉄道王ハリマンが居た。日米戦争とその敗戦の原因は、米国の戦略の中で日露戦争に勝ち、朝鮮併合(満州進出)をしながら、その米国との協定(桂ハリマン協定、桂タフト協定)などを無視したことにある。そして、その背後には、米国以外の外国の影と大日本帝国憲法の欠陥(つまり、日本の政治体制の欠陥)があるだろう。その近代史を未だ十分研究していない日本に将来はない。(12/26/5:00、編集

4)安定した米国を望むなら、バイデンを新大統領として認めるのが一番だろう。その後、カマラハリスが大統領になるまでに、かなりの混乱はあるが、それはトランプ二期政権よりも遥かに小さいだろう。

5)選挙における多くの不正は、大きな危機感で身振り構わずトランプ崩しに走った結果である。そこまで追い詰めたことは、トランプが非常に優秀な政治家であったかということを示している。

6)激戦7州の共和党議員は、州議会を開催して、そこで選挙人を選ぶのなら、それは有効だろう。しかし、共和党議員だけで選挙人を選んでも、それは次回の選挙に当選するための運動の意味しかない。米国人はあくまでも自分本位である。

 

追捕1)馬渕睦夫元ウクライナ大使の動画を推薦します。(特に31分以降のジャクソン大統領に関する解説)

 

 

2020年12月21日月曜日

煽動者としての能力を欠いては大改革は出来ないのだろう

1)トランプの考えの通りには動かない政権幹部

 

19日のHarano Timesの動画によると、米国の官僚機構の中にSES (Senior Executive Service;上級執行官)というランクがあり、連邦一般公務員200万人の上で働く。人数は約8000人。ウイキペディアによると年俸は13.1万ドルから19.73万ドルである。その位階は、軍で言えば将官レベルで、大統領が任命する長官や次官の直ぐ下の各省幹部を構成する。(補足1)

 

 

SESのメンバーの大半がオバマ大統領の時代に入れ替えられ、その後身分の安定化がなされたという。その結果、まるで日本の上級官僚のように影の政府(DS)の実働部隊として働いているようだ。

 

例えば、ラトクリフ国家情報長官が18日までに提出する筈だった、「今回の大統領選挙に外国勢力の影響が有ったかどうかの報告書(2018年の大統領令に基づく)」が来年1月まで遅れるのも、オバマ時代のSES の反対が原因のようだ。(以上SESの給与以外は、Harano Timesの動画からの引用)

 

しかし、本当にそうだろうか? 私は、ラトクリフ氏は、報告書の内容は既にメディアで喋っているのだから、正式に提出することなど物理的には簡単な筈であると思う。ラトクリフ氏は、その提出をためらっているのだと思う。

 

その理由は、トランプ大統領が非主流の権力者であり、あと一ヶ月で退任予定だからである。今後トランプ政権が4年続くと考えているのなら、締め切り数日前にでも提出できただろう。Pナバロさんは、個人で30頁ほどの報告書を出したのだから。更に言えば、最高裁判決も、逆の結果になった可能性もあると思う(追捕1)。全ての官吏は、衣を脱げば生身の人間である。


追捕1)大統領が戒厳令を出すには、客観性のある根拠が必要だろう。それが“大規模違法選挙”の最高裁判決であり、国家情報長官の”大統領選挙への外国の介入”が有ったとする正式なレポートだろう。戒厳令の制限に関しては、南北戦争以来判例が積み重なっており、法的根拠を明確にする必要があるだろう。(追捕は12/21/17:40に追加)

 

現在、大統領も少数の大統領任命官(長官や次官)以外でスムースに動く上級幹部はほとんどいないのではないのか? 及川幸久氏やHarano Timesなど日本語を喋る保守系の多くは、筆者を含め、トランプ支持の池にどっぷり浸かっている(居た)だけではないのか?

 

政権移行期に入ったと米国民及び官僚たちの多くが感じる場合、現職大統領の影は時間とともに薄くなる。今となれば、戒厳令を宣言しても、陸軍も動かない可能性がたかい。それがトランプにフィードバックされて、戒厳令を出す勇気が削がれたのではないのか?(補足2)

 

1212日に出した最初の記事の後半で、マーク・ミリー統合参謀本部議長の、「我々が従うのは米国憲法であり、王や君主ではない」と話す動画を掲載した。トランプ大統領が戒厳令を出しても、暴君のようだとマーク・ミリーが判断すれば、軍は動かない可能性が高い。つまり、エスパーを解雇しても、その下の統合参謀本部など軍上層もDSに抑えられている可能性が高い。 

 

1217日、マイケル・フリン退役中将は、不正選挙の問題を解決するために、戒厳令及び軍事力を使う可能性があるとテレビで発言した。

 

この発言を受けて、陸軍長官及び陸軍参謀総長は、「アメリカの選挙結果を決定する手続きにおいて、米軍の果たす役割はない」と言った。https://www.washingtontimes.com/news/2020/dec/19/army-brass-rejects-calls-for-martial-law-no-role-f/ 

 

これは、「他国が米国の選挙の一部を乗っ取り、国民が選んだのとは異なる人物を当選させた。現職大統領がその外国の影響を取り除き、その上で正当な選挙を再度実施するため、戒厳令を布告し軍政を部分的に布く」というトランプ支持派の図が「真実」に基づいて居るのであれば、軍は動くことを否定したわけではない。

 

しかし、その真実を含め、9.11以降の米国には「真実」が存在しないように思う。その論理を曲りなりにも完成するには、助力が必要で、それが最高裁の判決や国家情報長官のレポートである。それらが無い限り、そして、上官や社会の津波のような危機感とそれに対する熱情が伝搬しないのなら、軍が動く動機とはならないだろう。(補足3)

 

2)トランプは煽動者としての能力に欠けるのか?

 

トランプ大統領が次期政権につくかどうかは、世界史から民主主義が消滅するかどうかの分水嶺となると言っても、その危機感は、深い洞察と何段階もの論理で組み上げた末の危機感(虚の危機感)であり、動物が肌で感じる危機感(実の危機感)には転化していない。虚から実を生み出すべきは、煽動者としての国家のトップである。

 

米国では、この数十年間に民主主義がやせ細り、表の皮一枚だけになっている。(補足4)過去4年間のトランプ政権下で、その実態が明らかになり、進む方向が変わった。しかし、国の内部が変質するほど体質改善が進んだ訳ではない。

 

FBIなどは、ジョー・バイデンの選挙にマイナスだからという理由で、バイデン家の違法蓄財の捜査には動かなかった。トランプ支持派から続々と長官などが起用されても、彼らが、もう一ヶ月ほどの任期の大統領の正義に付き合って、今後4年続く新政権の犯罪を暴くのは、個人としては自殺的行為だと考えるのは無理もない。

 

トランプ大統領が4年間に米国の実態を明らかにしたことは、大きな業績だと思う。しかしそれが正史となるのは、巨大資本(例えばあのオープン・ソサエティ財団の主)や共産主義者らの支配の米国から、本物の民主主義国として再生したときだろう。その時が来るかどうかはわからない。

 

民主党も中国の国共合作に似ているので、内部の争いに発展したとき、再び米国は混乱すると思う。しかもそれは、非常に近い未来だと思う。その後、相当の混乱期を経て、米国は分裂瓦解する可能性すら存在するだろう。民主主義のリーダーの米国は、現在の政権が見納めかもしれない。

 

今回を最後に、米国の大統領選挙の件でブログ記事を書くのは終わりにしようと思う。戒厳令が出されたとか、大きなことがなければ、書くことがないだろう。

 

補足:

 

1)連邦政府職員の平均年収は7万7414ドルで、大統領40万ドル、副大統領23万ドル。

 

2)リンウッド弁護士やトーマス・マキナニー空軍中将はトランプに、反乱法を発令し大規模な逮捕を開始するよう提言した。それは、12月2日にバー司法長官が大統領選挙結果に影響する程の大規模な不正が無かったとの発言を受けての提言だった。それ以降できるだけ早期に、国家緊急事態宣言を出し、戒厳令を布くべきだった。ここで躊躇ったことで、トランプの勝利はなくなったと思う。

 

3)Harano Timesの方はYoutubeで、「軍はトランプ大統領の命令で動く筈だ」と話されている。組織図上はそうだが、その組織図通りに動かないトランプ政権下の米国の近況を嫌というほど見てきた筈。Harano Timesの方は、統制の利いた軍では、命令は絶対であるという考えだろうが、文民統制の国では上層の文官はその統制の中に無いと思う。

 

4)馬渕睦夫氏によれば、ウィルソン大統領誕生の時、既にDSは米国を支配していた。絶対勝利するだろうと思われた共和党タフト大統領の二期目を目指す選挙に、セオドア・ルーズベルトに立候補させ、共和党を二分する戦術でタフトを落選させたのである。この件は既に書いた。そしてウィルソンは、ユダヤ資本家支配のFRBの設立に協力した。DSの建設には、左派の思想を利用し少数派の権利を主張する方法で、WSAPから支配権を取り上げた。(ブレジンスキーが講演で喋っている)昨今のBLM運動などは、その枝葉の現象である。

 

(最終編集12/23/6:40; Hirano=> Harano; 点の位置、2−3箇所のマイナーな日本語の修正)

2020年12月18日金曜日

トランプが戒厳令を布く瞬間が近づいている?

1)連邦上院のヒヤリング:

 

昨日、米国上院で公聴会が開かれた。CNBCの動画がyoutubeで公開されている。この冒頭で司会のRon Johnson議員が、国民の大半が今回の大統領選挙が合法的に行われたとは信じていないと話している。そして、この制度を両党が協力する形で議論し改良しなければならないと話す。

https://www.youtube.com/watch?v=xHtobbugTJU

 

この公聴会の簡単なレヴューはHarano Times でなされている。https://www.youtube.com/watch?v=vF4-HzZNYfY

 

 

それによると、民主党側は時間稼ぎや従来の主張を繰り返すのみだった。先月解任されたサイバーセキュリティ長の(Director of the Cybersecurity and Infrastructure Security Agency) Chris Krebs氏は、今回の大統領選挙は史上最も安全な選挙だったと言い、ミシガン州アントリウム群での22台のドミニオンの投票機を調査して結論された報告を全く認めなかった。

 

Ron Johnson議長の「次回以降の議会において超党派で議論し、透明で信頼性のある選挙方法に修正する必要がある」という意見も否定されたことになる。つまり、これ以上の議論は無駄であるということである。それでもこのヒヤリングは国民に現状を知らせる上で幾ばくかの効果はあっただろう。

 

2)Lin Wood 弁護士のTWEET

 

Lin Wood 弁護士が以下のようなTweetをしたと言う。「トランプ大統領は、ジョージア州の州知事と州務長官に良い人になるチャンスを与えたが、彼らは拒否した。彼らは近い内に牢屋に行きます」と。これをトランプ大統領は反対の文言を付けずにRetweetした。それは伝家の宝刀を抜く時が近づいたことを意味する。(上記HIRAHO TIMES 9:50 )

 

3)報告書を期限内に提出できないラトクリフ国家情報長官

 

昨日のブログで、ラトクリフ国家情報長官が、今回の大統領選挙に中国等外国の介入はなかったかどうかの報告書を提出する期限が1218日だということを書いた。しかし、どうも遅れそうだという話が漏れ出ているという。

 

及川幸久氏の動画によると、国家情報長官はあまりテレビなどに出ないのが、仕事柄から当然だと考えられるが、最近ラトクリフ氏はやたらとテレビに出ているという。そして、FOX TVの番組で今回の大統領選挙に中国の介入があったのは事実だと明言しているという。

 

それにも拘らず、内部でどの程度の介入があったのか等の議論が割れていて、提出が遅れそうだというのである。https://www.youtube.com/watch?v=R2ZCr9jju_g

 

4)FOX キャスターのMaria Bartiromoさんのスクープ発言「トランプは勝っていた」

 

更に、上記及川氏の動画で、Foxの人気キャスターMaria Bartiromoさんが、国家情報長官の周辺からの取材結果として、今回の選挙で実はトランプは勝っていたという情報を手に入れたと番組で話したという。この部分は実際にリツイートされている。https://twitter.com/rexchapman/status/1338975026444447749

 

5)テキサス州が激戦四州を憲法違反で訴えた件、門前払いの前の最高裁長官の怒号:

 

もう一つの興味ある情報が「カナダ人ニュース」から配信された。それによると、テキサス州司法長官が激戦4州を連邦最高裁に訴えた件、9人の判事の怒号を含む激しいやり取りがリークされたようだ。内容については責任は負いかねるという前提で、紙を見せながら紹介された。

https://www.youtube.com/watch?v=DVHPnRtaHEM (動画の5:20以降)

 

最高裁長官は、以下のように怒鳴ったというのである。

これを取り上げたら、あなた達は暴動の責任をとれるのか?」「ニール(Neil Gorsuch)、君は君の役割をわすれている。ガキ判事(junior judge)二人からの話はもう聞きたくない。」「どのように投票するのか教えてやる」

それを聞いたトーマス判事の言葉:「民主主義は終わりです、長官。」

 

このやり取りの真偽の程はわからない。しかし、この最高裁長官の態度は、1212日の本ブログで推理した通りである。最高裁には、国を割るような政治的決断は出来ないのである。

 

結論:

以上1)−5)のニュースというか情報(或いは偽情報)が如実に語るのは、決断は、その切っ掛けを含めて、大統領一人でしなければならないということである。連邦情報長官は、3)−4)で分かるように、巧みにそして精一杯、その現実をトランプ大統領に送っている。

 

トランプ大統領は自分が刑務所に行くか、バイデンを刑務所に送るかの決断を迫られることになった。Harano Timesさんの考え方と違って、私は早ければ早い方が良い結果を得るだろうと思う。最高裁判所や国家情報局長に、せめて切っ掛けでも作って欲しい気持ちは分からないわけではない。しかし、かれらにその判断を委ねることは、自分が刑務所に行くことになるだろう。(おわり)(改題、18日午後9:00)

2020年12月17日木曜日

ジョーバイデンの国民による低評価と今後の米国政府の動きについて

1)米国国民はジョーバイデンを新大統領として歓迎しない:

 

テキサス州司法長官が、激戦4州を議会の審議を経ずに選挙ルールを換えたのは憲法違反であると訴えた件、連邦最高裁により門前払いされた。この件について紹介した際、恐らくこれでバイデンが新大統領になるだろうと悲観的に書いた。

 

ただ、米国民のインターネットを見る層は、新大統領としてバイデンを歓迎しているとは思えない。その証拠として、14日の選挙人選挙後に過半数を獲得したとして、youtube上でスピーチしているジョウバイデンの動画に対する閲覧数やサムアップの少なさと、サムダウンの割合の大きさがある。

 

 

 

上記サイト(CNBCのマーク入)での今朝午前9時でのサムアップ(いいね)は1759、サムダウンは2696だが(17/10:20)、2日ほど前のHarano Times に掲載された同じ画面(FOXのマーク入)ではそれぞれ2131766であった。閲覧数は、これほどの重大な動画にしては非常に少ない。

 

これらの数字から、インターネットにアクセスでき、政治に一定の関心を持つ米国民は、バイデンを新大統領として歓迎していないと考えてよい。それは、大統領選挙においてバイデンが8000万票以上を獲得したことと矛盾する。

 

ただ、反トランプの人たちは、バイデン支持は消極的支持であって、積極的支持では無かったと言うだろう。更に、「ハンターバイデンの税務調査が開始されるなど、バイデン一族に対する不信感が最近広まった結果だ」という言訳もあるだろう。

 

しかし、ネットにアクセスできる者は、ハンターバイデンの行状の悪さは既に知っていただろう。何故、今頃になってハンターの税務調査なのかとさえ思うだろう。それは、数年前から疑われて来たことだからである。(補足1)

 

2)バイデン一家を保護するFBICIA等々

 

ハンターバイデンは、父である副大統領とウクライナを訪れ、そこのブリズマという企業から大金を得ている。この捜査をウクライナ大統領にサジェストしたトランプを、大手マスコミと民主党は難癖を付け逆襲する始末。(ウクライナ疑惑)この件、以下の昨年の記事に書いた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12533192410.html

 

更に、ハンターバイデンのパソコンが修理に出され、修理後引取に現れなかったので、一応そのその中をチェックした電気屋が、不審な情報に満ちていることを発見した。そのHD(ハードディスク)をFBIが手に入れていたが、一年以上たっても何の捜査もしなかった。https://www.youtube.com/watch?v=7HElBmTabt0

 

つまり、バイデン一族の醜聞が一年後の大統領選挙に影響するので、バイデンを応援する巨大資本、その支配下の大手マスコミ、その意向を組むFBICIA、司法省は、簡単に立証可能な犯罪すら見て見ぬ振りをしてきたのである。それは昨日の記事の通りである。

 

大都市の一区画を占拠して警察も追い出したBLM運動というテロに、トランプ大統領は連邦軍を派遣しようとしたが、国防長官が動かなかった。そのエスパー氏を解雇したのが1110日であった。現在、国防長官代行はクリストファー・ミラーという国家テロ対策センター所長の方が務めている。

 

軍人たちが反トランプかと言えば、そんなことはない。軍士官学校のアメフトの試合を恒例として訪れたトランプに対する大きな声援は、如実にトランプの軍での高い人気を暗示している。

https://www.youtube.com/watch?v=P9aiLlBoAP4

 

それは兎も角、エスパー解任直後、フランクフルトのCIAの建物内にあったドミニオン社の投票マシーンが軍の特殊部隊に押収されるという事件があった。この事は、米国政府の深奥まで“癌”に冒されている状況を示している。(追捕1)

 

次の解任候補はFBI長官だろうと言われたが、未だ在任中のようだ。ただ、FBIやCIAを統括する国家情報長官にジョン・ラトクリフ氏が就任しており、CIA長官やFBI長官の頭越しに、この件は進められたのだろう。

 

この18日(日本では19日か)ラトクリフにより、今回の大統領選挙に外国の介入が有ったかどうかの調査報告がなされ、それを受けてトランプが何らかの行動を採る可能性がある。

 

3)司法長官Barrの解雇、共和党重鎮McConellのバイデン祝福

 

今回の大統領選挙に大きな不正が確認されていないと語った司法長官Barrは、14日の退任発表(実際は23日)となったが、多くの共和党の方も驚いたようだ。新司法長官として副長官Jeffrey A. Rosenが司法長官代行に昇任する。

 

前のセクションに書いたように、①人気など全く無いバイデンが8000万票という途轍もない票を(カウンティによっては100%を超える得票率で)獲得したことや、②ウィスコンシンやミシガンで、バイデン得票数のみが階段を登るように垂直に増加し、トランプ得票数を追い抜く二人の得票数の時系列、しかも③バイデンの選挙前後の不人気などを、統一的に理解するには、11月3日の選挙で「不正」或いは「何らかの機関の介入」が無ければ不可能だろう。

 

それにも拘らず、証拠が詰まっている可能性のある机上の物ですら、積極的には捜査させないし、しないというBarr司法長官の態度は、どう考えてもおかしい。

 

また、14日の選挙人の投票後、共和党上院重鎮のMcConnell (Addison Mitchell McConnell, Jr) がバイデンに祝意を述べたようだ。これも変である。どうもその背後にいる、マコーネル上院議員の妻のElaine Chao(共和党)の存在が気になる。彼女は現在の運輸大臣で、台北生まれの上海系の方だが、どうも中国とズブズブの関係にあるようだ。

 

在る方の動画で詳しく解説されている。https://www.youtube.com/watch?v=hA5rZKRR1yw この動画サイトは、近代史の茂木誠先生が推奨する動画サイトの一つである。因みに、マコーネル上院議員は離婚後50歳を超えた年齢で、中国系のChao氏と結婚した。(補足2)

 

「トランプが、政権幹部を次々と入れ替えるのは、独裁者だからだ」という人も多いが、所謂“ディープステート”(深奥政府) の手先として、これらの人々が米国政府中枢に入っていたと仮定するなら、それは当然のことだろう。

 

及川幸久氏の動画では、バイデン父子を守ってきたBarr長官が退任すれば、最終的にはB父子の逮捕まで進む可能性があると発言している。国家情報局長ラトクリフ氏が、今回の大統領選挙に外国勢力の介入があったかどうかに関するレポート発表した後、トランプがどう行動するかが注目される。

 

上に述べたが、これまでバイデン問題には触れなかった大手マスコミCNNも、ウクライナや中国でのハンターバイデンの行為などについて、報道し始めたようだと及川氏は言及している。この大手の変化は何を意味しているのか分かりにくい。大統領として、バイデンよりハリスがほしいのかもしれない。

 

4)おわりに;

 

トランプが戒厳令を敷かなければ、今回の大統領選挙で米国は国内に分裂を抱えたままで、あと数年跛行的に続くだろう。国家に反逆している組織をがん組織とすれば、米国は国家、議会、諜報機関、司法など全てに亘って癌が進行している。

 

癌は正常組織を巧みに癌化させる。その手法には、超限戦を構成する一部分と考えられ、金とセックスが多用される。その一つが最近暴露されたオバマ時代のハニートラップ事件である。C. Fangという女性が何人もの将来の大物を相手に活躍したという話である。https://www.youtube.com/watch?v=cNCRDJM8os8

 

18日のラトクリフ国家情報局長の発表を受けて、戒厳令を布いたなら、下院議長(補足3)を始めとする要人、FBI長官や新大統領になる筈だと思っている人など、無事ではすまないかもしれない。その恐怖のシナリオをシミュレーションできるのは、地獄を見たフリン元中将など軍関係者だろう。

 

因みに、日本の場合、「国家」が存在するのかどうかも怪しい。霞が関、永田町、千代田区(皇居)の三箇所を中心にゆるく結合し、表面だけで嘘か真か分からない相互作用をしながら、沈黙の民衆を治めている。これらは、日本列島が全宇宙のように感じているのだろうか、滅びるまで。

 

午後0時45分、編集(追捕1の追加、語句修正)

 

補足:

 

1)大統領選挙後にハンターの捜査が始まったことにはいろんな解釈がある。その一つは、今回大規模で組織的な選挙詐欺を働いた連中が目指すのは、バイデン大統領ではなくハリス大統領であり、バイデンを大統領の座から追い出す準備を始めたという考えである。

 

2)共和党の重鎮マッコーネル氏はかなりの年齢で離婚後、中国系女性Elaine Chao氏と結婚した。この件とは遠いかもしれないが、F.ルーズベルトの政治に深く関わった宋美齢を思い出す人がいるだろう。米国の政治に重大な影響を及ぼした中国人女性は多いだろう。

更に発想を飛ばすと、女性を武器に用いるのは中世では世界共通だが、近現代にまで続くのは中国の特徴だろう。その背景に、纏足などでも分かるように、女性を物と考える文化も中国で特に長く続いた。毛沢東も「中国には女性が余っている。1000万人ぐらいなら差し上げる」とキッシンジャーに話したことが在る。キッシンジャーが何人かもらったかどうかは解らない。https://www.afpbb.com/articles/-/2350553

 

3)中国嫌いを装っていたようだ。(ウィキペディア、嫌中参照)しかし、肝心なところで、正体を見せるのは、日本に来たカリフォルニアの弁護士と同じタイプかもしれない。

 

追捕1)この事件で1名CIAの準兵士と特殊部隊の兵士5名が死亡したと報じられている。しかし、特殊部隊の方が多く死亡したというのは、何か変である。バイデンが大統領になれば、この件は有耶無耶になるだろう。

 

 

2020年12月13日日曜日

(再)崩壊する米国と道に迷う世界

姉妹サイトで閲覧のあった一年程前の記事を再録します。私も元の伊藤貫さんの講義を復習する意味で読み直しました。

米国の大資本が団結してトランプの排斥を目指す基本的理由が、米国を共産党の支配下に置くことではなく、資本の独裁下に置くことであることがよく分かる。現在のトランプ支持派は、民主主義或いは政治における個人の自由の確保、換言すれば反中国共産党のために支持しているのですが、やはりもう少し視野を広げるべきだということがわかります。

 

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以下は伊藤貫さんの2,017年に慶応大学で行った講演のデータを中心にして、米国の抱える矛盾とそれに翻弄される日本を含む国際社会について考察したものです。コメントや誤りの指摘など歓迎します。

 

1)米国の危機とトランプの利己主義:

 

米国社会にはいつ頃からかはわからないが、金儲け最優先主義が寄生している風に見える。その思想は今や全世界に拡散している。(補足1)それによる目に見える社会の症状は、第一に貧富の差の拡大であり、第二に社会の政治的混乱である。

 

先進国において貧富の差が一番大きいのは、当然米国自身であり、その結果米国社会は深刻な崩壊の危機を今後20年程の間に迎えるだろう。その主原因は、上記二つの症状だが、加えて特有の要因として、デモグラフィック(人口構成的)な要素がある。米国在住の伊藤貫氏はそのように語っている。https://www.youtube.com/watch?v=Y_oD0ZWfWz4&t=4225s

 

もう少し詳しく言うと、米国には貧富の差の拡大に加えて、人種構成に大きな変化が予想され、その両者には強い相関がある。2025年には、白人の人口よりも非白人の人口が多くなり、リタイヤした年金世代の比較的裕福な白人が、もともとそれほど裕福でなかった非白人の若者からの所得移転(年金)に頼るという構図である。

 

更に、米国は世界一の債務残高の国であるという特殊要因も存在する。そこで、トランプ大統領はその米国の危機を、世界各国に押し付ける政策を考えている。それが“America First”であり“Make America great again”の中身である。

 

つまり、その不可避に見える米国の衰退と分裂の危機を、トランプは本質的な解決で乗り越えるのではなく、コングリマット企業の不採算部門の切り捨てによる経営改善をモデルにして、乗り越えようと考えているようだ。その不採算部門とは、諸外国との安全保障関係であり、米国経済の足かせとなるパリ条約などの国際条約であり、紛争国家への介入などである。これら全てにおいて、米国に共同責任があることを完全に無視するという利己的態度を取っている。

 

上記のような切捨は、必然的に米国のユニポーラーな世界覇権を不可能にする。トランプの世界の二極化或いは多極化は、積極的理念に裏付けられているのではなく、後付の政策である。米国を世界のユニポーラーな覇権国から、地域覇権国に後退させると米国のドルは崩壊するだろう。世界の基軸通貨である現在の米ドルの地位など、トランプの念頭にはないように思う。それは、利下げをFRBに強く要求したことでもわかる。

 

ドル基軸体制の崩壊と米ドルの紙くず化は、世界経済に大混乱を持ち込む。それをできるだけ連続的な長期プロセスで成し遂げるには、際限なきドル安への誘導ではないだろうか。その途中で、国債の紙くず化が起こる可能性があるので、米国は他国が持つ米国債を高利率の永久国債に切り替える強い要請をする可能性があると思う。

 

世界覇権と米ドルを基軸通貨とする体制は不可分だからである。なお、ニクソンショックのとき、米ドルが世界の基軸通貨としての地位を守れたのは、サウジアラビアの国防保障とともに、原油取引を米ドルに限るという約束があったからだと言われている。(補足2)

 

諸外国にとってこの問題が厄介なのは、FRBの崩壊の部分を除けば、おそらく米国の大半が合意することだと言う事である。そこまで強引にトランプが利己的にやってくれるなら、それは都合良い。悪いのは米国じゃない。宇宙人のトランプが悪いのだと世界から一定の納得が得られれば、なお良い。紳士的な米国はその後登場すればよいのだと。

 

2)米国の病気

 

伊藤貫氏の講演によると、1960年の白人人口は全人口の85%であった。それが、2017年には、60%に減少して居る。そして、出生率の差などから2025年頃には50%以下になるという。また別の資料によると、2015年の白人、ヒスパニック、そして黒人の年間給与の中央値は、其々63000$、41000$、37000$だそうである。この所得格差はこの20年間広がって来て居る。https://zuuonline.com/archives/121819

 

この低所得層の有色人種が主になって、定年退職した白人の年金のために多額の出費をするようになったとき、そして、黒人などが受けていた積極的優遇策(逆差別策、Affirmative action)の廃止されたとき、上記人種間の分断は加速されるだろうと、伊藤氏は話している。

 

この貧富の差だが、20世紀後半からのグローバリズムの影響で大きく広がった。MITの研究者の論文によると、1947〜1973年の間、労働生産性が97%上昇し、労働者給与も95%上昇した。 しかし、1973年〜2013年には、労働生産性が80%上昇したにも関わらず、労働者給与は4%しか増加しなかった。(補足3)

 

別の角度から見ると、米国を代表する企業500社(S&P500)の場合、1980年代では上げた利益の50%が株主還元に、45%が設備投資や賃金上昇に用いられたが、2000年になると利益の90%が株主還元に向かうようになった。

 

伊藤氏によると、これらの数値はMITの研究者による論文からの引用である。この論文と思われる論文のアブストラクトには、「戦後初期(米国の黄金期)には、諸制度は富の広範囲への分配をデトロイト協約(累進税、高い最低賃金など)により重視したが、1980年以降にはその諸制度がワシントン・コンセンサスとして逆転した」と書かれている。ワシントン・コンセンサスとは、現在の米国主導のグローバル化経済の諸政策である。(補足4)

 

伊藤氏の講演は、米国に於けるこの富の分配における不公平に関して、そのメカニズムの出来た経緯についても解説している。それは、ニューヨークのウオール街の金融業者による企業経営の支配が進んだこと、そして、金の力で国政への影響力を強め、税制変更を実現した結果である。最終的に、株主としての金融業者(ヘッジファンド、投資銀行、private equity fundなど)が、企業があげた利益のほとんどを彼らのキャピタルゲインとして吸収するシステムが出来上がった。

 

その一例として、資本による収益(キャピタル・ゲイン)に対する税率の変化が紹介されている。ニクソン&カーター時代には35%だった税率が、パパブッシュの時代には31%、クリントンの時代に20%、息子ブッシュの時代に15%になったが、オバマの時代に20%に戻った。このクリントン時代に大幅に税率を下げた主役が、財務長官だったロバート・ルービンやローレンス・サマーズだという。両者とも金融業と関係が深い。(補足5)

 

更に、様々な税の抜け穴を利用して、ヘッジファンドなどが実際におさめている税金は、伊藤氏によると、せいぜいキャピタルゲインの10%程度だという。そのことと関連して、米国の税制に関する法律は75000頁という膨大な文章であり、他の先進国の10倍ほどにもなっているということなどが紹介されている。

 

2007〜2008に経済学者のサイモン・ジョンソン(Simon Johnson)は、「IMFを経験して(chief economist、2007年3月〜2008年8月)分かったことは、米国もロシアと同様に寡頭政治(Oligarchy)だということだ」と言ったという。それは、ウオール街の金融業者が、巨大な金融資産で、政治をコントロールしているという意味である。米国の政治は世界の政治である。その結果が、現在のグローバル化政治経済であり、最初のセクションで書いた米国と世界の病状である。

 

3)政治資金の問題

 

1970年代には、議員経験者の2-3%だけがロビーストになったが、現在では下院議員を辞めた人の5割、上院議員を辞めた人の9割がロビーストになる。その理由は、米国の両議院の議員年収が22万ドル程度と低く、トップ1%の年収の5分の1程度しかない。ロビーストになれば、多額の政治資金を議会に流す仲介をすることで、桁違いの年収を得る事ができるからである。

 

ワシントンのロビーストを通じて議会に流れる金は、毎年40億ドル程であり、例えば重要な委員会の委員長を経験したロビーストは、年収200-300万ドルが期待できる。従って、自分たちが議員のとき、その職につくことを考えている人(つまり現在では議員の大半)は、ロビー事務所に逆らうことはやらないで、彼らの意向を汲むようになる。

 

そのような情況を、元AFL CIO(American Federation of Labor and Congress of Industrial Organizations)のプレジデントだったRichard Trumka が、テレビ局によるインタビューにおいて、「民主党も共和党も関係ない。年収トップ0.1%の連中が、我々の選挙を買い取っている。」と言ったという。

 

伊藤貫さんの講演は、ヒラリー・クリントンが大統領選に負けた理由として、「元国務省の方が聴衆の中に居られるので気を悪くされるかもしれないが」と前置きして(追補1)、多額の政治資金を米国内外から集めたヒラリーの金集めと、国務長官時代に国務省のメイルシステムを一度も使わず、自宅のサーバー経由で電子メイルをやり取りしていたことなどに言及している。

 

この中で驚くべきことを言っている。ヒラリー・クリントンは、21世紀の初頭にクリントン基金という慈善基金を創設した。国務長官(2009〜2013)になった途端に、そこへの献金が急上昇した。そのクリントン基金に500万ドル以上献金のケースの半分以上は、外国政府または外国企業からであった。しかもマスコミ報道によると(2016年)、それまでに集めた24~25億ドルのうち、本来の慈善行為に使われたのは6%だけだった。その具体例は、ロシアに盗まれたポデスタ(John Podesta選挙運動責任者)の電子メイルから明らかになった。(補足6)

 

4)米国の政治資金規制

 

米国の政治資金規正法では、毎年一人あたり寄付できる上限は2700ドルである。一方、全国規模の政治団体への個人献金は年間1人5000ドルに制限されていた。しかし、2010年の裁判で、支持する候補者や政党と直接協力関係にない政治活動であれば、表現の自由の観点から、献金額に限度を設けてはならないとの判断がなされた。

 

Wikipediaは以下のように記述している。

 

このような候補者から独立した政治団体は、企業献金個人献金を大量に集め影響力が大きくなるにつれ、特別政治活動委員会(スーパーPAC)と呼ばれるようになった。スーパーPACは無制限に資金を集めることが許されており、テレビのCMなどを利用して様々なキャンペーンを行なっている。特徴的なのは、支持候補に対する支援ではなく対立候補へのネガティブ・キャンペーンが多い。スーパーPACへの献金者は公表が義務付けられているが、多くの団体は法的な技術を用いて選挙後まで公表を引き延ばしている。

 

その結果、政治資金の流れがおかしくなり、ニューヨーク・タイムズの報道によれば、2016年に民主党と共和党に流れた政治資金の少なくとも半分は、アメリカの130家族から来ているという。更に、別の報道によると、2016年政治資金の40%は米国の50人から来ているという。皮肉を込めて言えば、これぞ正にアメリカン・デモクラシーである。

 

また、去年ニューヨーク大学の法科大学院の2016年の調査報告では、2006年のローカル選挙での選挙資金として使われた金の25%は誰が出した資金か不明であった。つまり、ニューヨークの金融業者がチャリティやソーシャルウエルフェアファンドなどに寄付をし、大部分がそこからスーパーPACへ流れることがわかった。

 

このような政治資金の情況と関連しているかもしれない政治的判断の例を挙げる。

オバマ政権になって、2007年-2008年にジャンク抵当証券にトリプルAの格付けをしたことなどが、リーマンショックという金融危機を招いたが、オバマ政権は誰も上記犯罪的行為を裁かなかった。当時FRB議長だったバーナンキさえも、USA Todayのインタビューで、誰も告発されなかったのは遺憾であると発言している。

 

その件で金融機関には多額の支援金(約70兆円)を出しながら、900数十万の家を失った家庭には20兆円も支援をしなかった。民主党がこのように労働者階級に冷たいのと、最近25年間の金融機関からの政治献金が共和党よりも民主党へ流れていたこと(ヘッジファンドの政治資金の約7割が民主党に向かっていたこと)とは相関がありそうである。つまり、民主党は労働者の味方であったのは、もはや過去の話となったのである。

 

5)米国の病気の世界への伝染:

 

米国は、世界覇権を金融と軍事の両面から握っているので、国際的なルールも国際機関の決定という形で、一定の時間を要するが、米国(つまりウオール街)の考える通りに定着する。

 

各国の一流企業の経営も、株主である金融業者の意向に沿って進められる。株主の意向の実現のために、株主は経営者には当然非常に高い給与を得る様に勧める。その一方で、利益の多くは株主配当に向けられ、そのかなりの部分は、ニューヨークに送られる。最近その比率は低下しつつあるが、日本の大企業の株主のおよそ30%は外国人(法人を含む)の所有であり、2018には3年ぶりに30%を切った。日本人は、その意味するところ(最近低下していることについても)を、深刻に考えるべきである。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46583930W9A620C1MM0000/

 https://www.stockboard.jp/flash/sel/?sel=sel533

 

米国発祥のグローバル化の結果、先進国の製造業は人件費の安い国に移動し、そこから諸外国に売ることで多くの利益を得る様になった。その際、自国の労働者のことや購買力低下のことなどを考えない。全世界の購買力が上がれば、それで良いからである。周知のことだが、それが資本移動の自由化(規制緩和)の効果である。

 

それが長期的に見て、その企業のプラスになるとは限らない場合でも、その企業に投資する金融業者は構わない。何故なら、その企業が落ち目になる場合、頃合いを見計らって株を売払い、投資対象を替えるだけで良いからである。また、その国の政治がいびつになっても、構わない。何故なら、その場合は国を移れば良いからである。それがディアスポラの民の考えることである。因みに二大ディアスポラは、ユダヤ人と華僑である。

 

米国を代表する投資家の一人であるジム・ロジャーズは語っている。「1807年にロンドンに移住するのは素晴らしいことだった。1907年にニューヨークに移住するのは素晴らしいことだった。そして、2007年にはアジアに移住することが次のすばらしい戦略となるだろう。」彼は、家族とともに2007年、ニューヨークからシンガポールに移住した。

 

 

補足:

 

1)米国のニューヨーク金融界の一派が、近代社会の知恵である法規制を、大衆の洗脳工作により「自由を束縛する悪」として取り除き、金儲け最優先主義を正当化した。そして、その富は力であり、力は正義であるという中世への逆戻りなのか、ポストモダン的な価値の分散なのか分からない社会にして、自分たち民族的マイノリティーのビリオネアたちが、マイノリティーの権利拡大の思想で自身の経済活動を正当化するとともに、政治そのものの支配を企んだ。

 

2)各国へのドル札の分配は、輸出品に対して支払う形で分配される。米国は世界中から自国通貨で買い物(輸入)ができるので、制限をあまり感じないで買い物を続けた。各国に余った米ドルは、米国債と引き換えに米国により回収された。一度着いた浪費癖が簡単には無くならないので、米国は多額の借金をすることになった。その米国債などで世界一の債務国となったが、その合計は20兆ドルを超える。

 

3)2000年代初頭の株主還元の内訳は、40%が配当に60%が自社株買いなどの使われたという。なお、最近起業されたアップル、アマゾン、グーグル、マイクロソフトなどはNASDAQ上場銘柄であり、S&P500には含まれない。

 

4)上記MITの研究者の論文だが、聞き取りにくい名前なのだが、グーグル検索するとそれらしい著者と論文が出てくる。それは:“Inequality and Institutions in 20th Century America”と題する論文である。著者は、Frank S. Levy & Peter Temin という人たちである。この論文は2007年に書かれて居るので、伊藤氏は2003年というべきところを2013年と言ったのかもしれない。https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=984330

 

論文の要約の中の一部を以下に抜粋し、伊藤氏が引用した論文かどうかの判断材料として提供する。本文に内容は書いているので、訳は省略する。

The early post war years were dominated by unions, a negotiating framework set in the Treaty of Detroit, progressive taxes, and a high minimum wage – all parts of a general government effort to broadly distribute the gains from growth. More recent years have been characterized by reversals in all these dimensions in an institutional pattern known as the Washington Consensus.

 

5)ルービンは元ゴールドマン・サックスの共同会長、サマーズはハーバードの学長の時にヘッジファンドから年に26ミリオン$の顧問料をもらっていたという。つまり、両者とも金融業者であった。

 

6)この件が明らかになったことの経緯を、伊藤氏はかなり詳しく述べている。そして、2016年の大統領選挙でヒラリーが負けたのは、この件で民主党のサンダースを支持した人たちが米国の政治或いは民主党に嫌気が差して投票に行かなかったからと思うと述べている。

 

追補1:この言葉は、深く考えると、元国務省の人と出席者および将来のyoutube視聴者に「国務省の方の存在を認識しています」と知らせているとも考えられる。この追補を書く動機は、伊藤さんが故中川昭一さんと「お互い殺されないように気をつけよう」と話したと何かで明かしていたからである。

(編集:2019/11/15早朝)

 

 

2020年12月12日土曜日

4州の大統領選無効を訴えたテキサスの提訴は連邦最高裁で門前払

今朝、トランプの大統領選逆転の可能性がかなり出てきたという記事を書きながら、舌の根が乾かない内にこのようじゃ文章を書くのは非常に残念である。ただ、この結論は最近の殆どの記事で予想してきたことである。それは裁判所に高度な政治判断を求めるのは無理だということである

 

ニューヨーク・タイムズなどの報道によると、テキサス州司法長官が4つの州を訴えた件、連邦最高裁で却下された。理由は原告にそれを提訴する資格がないということで、署名のない短い声明文が公表されたようだ。全くの門前払いである。

https://www.nytimes.com/2020/12/11/us/politics/supreme-court-election-texas.html

 

 

火曜日のペンシルベニア州の共和党員からの同様の提訴も、既に連邦最高裁は却下した。つまり、裁判所はこのような重大な政治的な意味のある判決を避けるのである。https://www.npr.org/2020/12/08/944230517/supreme-court-rejects-gop-bid-to-reverse-pennsylvania-election-results

 

例えば、日本の最高裁は1959年の砂川事件裁判で自衛隊の違憲判決を避けた。憲法9条は明確に武力の保持を禁止している。しかし、そのような高度な政治判断は、政治家がするべきであるとして、違憲判決を避けた。その論理は、統治行為論という言葉で語られている。(ウィキペディア参照)

 

この米国の大統領戦でも、トランプが早期に敗北宣言をすれば、大きな不満が渦巻くだろうが、内戦にはならなかっただろう。或いは、早期に戒厳令を布いて、人身保護法を停止し、インチキ裁判を徹底的に捜査しておれば、米国は騒然となるだろうが、FBICIAがもっている多くの証拠により、如何にひどい選挙であったかが明らかになったかもしれない。

 

すでに何回か書いたように、裁判官は法律家であり政治家ではない。高度な政治判断は、国家元首が本来すべきである。トランプ氏は、最高裁の判断を錦の御旗にして、選挙結果をひっくり返そうとしたが、それは元々筋の悪い作戦だと思う。

 

何故なら、何度も同じことを言って恐縮だが、それは裁判官という専門家に、国を割るかもしれない高度に政治的な判断を強制することになる。それは畑違いの要求である。政治は大衆と様々な力の総合として動く。論理ではないと思う。

 

これでバイデンが正式に大統領につくだろう。

 

ただ、バイデンは望まれて大統領になるのではない。しかも中国やウクライナなどでの多くの犯罪に絡んでいる可能性がたかい。恐らく、短期間の内にバイデンは大統領の座から引きずり降ろされることになると思う。

 

それが今回のトランプ支持派の怒りを多少とも鎮めることに使われるのではないだろうか。既に、ハンターバイデンの税務調査が始まっているのは、それを暗示している。まだまだ米国には嵐が吹き荒むだろう。(おわり)

トランプに勝利の可能性が出てきたのか?(II)

テキサス州の司法長官Ken Paxtonによる最高裁への4州の提訴は、トランプ大統領の訴訟参加と、Ken Paxtonの訴状の主旨に賛同する20州を含めて、大きな規模になった。方や民主党側も22州を反対側に集めて、全米を二分するソフトな内戦になった。このように合衆国分裂が予想される場合、少し考え方が変わってくる。

 

テキサス側の20州とテキサスに反対する側22州の資格は、当事者ではなく法廷助言人(amicus curiaeアミカス・キュリエ)であり、裁判所の要請などがあれば意見書の提出などをすることができる。この裁判を最高裁が取り上げて、判決を出すかどうかは未だわからないが、恐らく判断を逃げることはないだろう。米国の憲法は、50州を束ねる根拠であり、その判断次第では、米国の分裂は実際に起こるだろうと予想されるからである。

 

1210日の午後3時の期限で、4州(ペンシルバニア州、ウイスコンシン州、ジョージア州、ミシガン州)は最高裁の要請に従って、テキサス州司法長官の訴状に対する反論を出している筈である。

 

https://www.youtube.com/watch?v=CM45JLHh-wE

 

 

 

この訴状がテキサスから出されたことには深い理由があると、解説するのがHarano Timesの動画である。テキサスは1836年にメキシコから独立し、テキサス共和国となり、その後合衆国に併合された。Harano Timesは、このテキサスの行動は、メキシコの憲法ではなく、合衆国憲法を選択したということであると解説する。

 

これら4州は、立法機関である州議会ではなく、行政と裁判所で大統領選挙の投票形式を大幅に変更したことを、合衆国憲法違反だと告発したのである。それは当選する大統領が誰になるかに影響する可能性があり、当然テキサスの利益にも大きく影響する。

 

4州の反論が吟味されて、週明けには、正式に訴状の受理が決まるだろう。判決の結果がどちらにしても、このまま米国が元の鞘に納まるとは思えない。米国という法治国家の見本だった国で、連邦最高裁判所はその存在意義が問われている。米国が既にソフトにではあるが二分された現状では、日本の最高裁のように、屁理屈(統治行為論)で判断を避けることはないだろう。

 

テキサス司法長官の訴えには説得力がある。立法は議会の仕事であり、選挙の方法の改訂は法に定めるべきことだからである。(補足1)

 

民主主義の成立には、単に有権者が選挙に参加することだけでなく、有権者が政治を真剣に考えて投票するという暗黙の義務の遂行が要求される。大統領職の重要性を個人の能力の範囲でしっかり考えて、一票を投じる努力が要求される。

 

伝染病が流行っていても、その論理には変化がない。郵便投票でも、有権者が積極的に投票するという意思が確認される方法が確立されていれば問題はないが、例えば、113日以降に到着したものも有効とするというのは、上記民主主義の考え方に反する。

 

もし最高裁の判断が、テキサス司法長官の勝訴となっても、敗訴となっても、暴動などが発生する可能性がたかい。その結果、最終的にはトランプ大統領は戒厳令を布くだろう。今回のテキサス司法長官の裁判が行われたとして、彼が勝訴した場合、戒厳令下で軍の完全な協力がえられるだろう。

 

 

 

 

テキサス州務長官の提訴が、棄却された場合、合衆国憲法に従うという統合参謀本部議長の言葉から考えて、一抹の不安がある。勿論、現職の大統領が戒厳令を出せば、それに軍が従うのは、憲法の規定だろう。

 

しかし、最後の憲法無視が、米軍によりなされる可能性も皆無ではない。それは、既にバイデンが書類上次期大統領に決定しているとの屁理屈的な解釈も、国民を欺く理由として可能だからである。

 

補足:

 

1)ペンシルベニア州共和党が、郵便投票の利用拡大を認めた制度が州法に違反すると主張し、最大約250万票を無効にすべきだと訴えた。その郵便投票は、バイデン氏支持者が多く利用した。ペンシルベニア州は、11月下旬にバイデン氏の勝利を認定したが、共和党の訴えが認められれば一転してトランプ氏が勝利する可能性もあった。しかし、米連邦最高裁判所は8日、大統領選をめぐり東部ペンシルベニア州の郵便投票の一部を無効にすべきだとの共和党の訴えを退ける判断を下した。

 

この最高裁判決の根拠は、大統領選の選挙人選定は、州の自治権の範囲内だということだろう。つまり、州法に違反するとして提訴しても、それは州の裁判所の案件である。

今回の裁判は、全くことなる論点からテキサス州は提訴している。

2020年12月10日木曜日

トランプに勝利の可能性が出てきたのか?:テキサス州司法長官による4州の起訴

思いがけないニュースが飛び込んできた。それはテキサス州の司法長官が、ペンシルバニア州、ウイスコンシン州、ジョージア州、ミシガン州を、「新型コロナ肺炎の流行を理由に州議会の法改訂を経ずに選挙制度を変更したこと」が合衆国憲法に違反するという訴訟である。

 

 

 

合衆国憲法には、疫病を理由に選挙制度を変えても良いという規定はないと、Harano Times で語られている。そして、その選挙制度が理由で当選する人物が変化し得るので、それがテキサス州民の利益を損ね得る。そのことは、原告となる資格をテキサス州に与えると言う論理である。(補足1)

 

このテキサス州の提訴に同意する声明が17の他の州から続々とだされたことを、ダラスの新聞「The Dallas Morning News」だけでなく世界的な米国の経済誌Forbesも報じている。

 

 

後者によれば、

 

Texas Attorney General Ken Paxton filed a lawsuit Tuesday in the Supreme Court against Michigan, Pennsylvania, Georgia and Wisconsin, alleging that the states’ election results should be invalidated because of fraud and irregularities that occurred as a result of the states expanding their voting rules amid the Covid-19 pandemic.

 

上記英語文の要約:テキサス州司法長官のKen Paxtonは火曜日、連邦最高裁に4州を相手にする訴状を提出した。その訴えの主旨は、コロナの流行を理由に投票ルールを拡大したため、インチキなどでそれらの州の選挙結果の有効性が損なわれたことである。

(尚、上記4州の司法長官らから、訴状に関して激しい批判がなされている。しかしそれらは、かなり感情的なものであるので、ここでは省略する。)

 

憲法上は、州を代表する選挙人は州の法令に従って選ぶことになっているのだから、上記訴状の論理が最高裁に通じるだろうか。各州で選ばれた選挙人が同じ一票を持つという点までしか、連邦裁判所は関与しない可能性がたかいと思う。しかも、その選挙制度を州の裁判所で合憲だと判断した場合、それを覆す判断を連邦最高裁がするだろうか?

 

この件、何時も引用する及川さんの動画でも取り上げている。

 

 

そこで紹介されている訴状紹介の本質的な部分は、Harano Timesのものと同様で、テキサス州が提訴する根拠として紹介されているのは、やはり、「合衆国国民の権利の平等に反する」ということである。

 

ここで注意したいのは、新型コロナ肺炎のような特殊な疫病の流行を合衆国憲法制定時に想定していないだろうという点である。合衆国憲法は、選挙人の選任を州の自治権の範囲としているのなら、特殊事情を背景に選挙の方法を改めることを禁止してはいないだろう。

 

一般的に、憲法が想定しない事態に対処する場合、リーダーシップを発揮するのは国家元首の役割だろう。それ故、選挙の例えば数ヶ月前に、この非常事態を理由に選挙制度を変えてはならないという内容の大統領令が、合衆国憲法に違反しない形で出せなかったのだろうか? 選挙が終わった段階では、上記論理で最高裁に提訴するのは、受理を勝ち取るための十分な理由にならない可能性が高いと思う。

 

また、「合衆国の国民は平等の権利を持つ」という規定が合衆国憲法にあるとしても、それはどこまで及ぶ国民の権利なのか? 

 

例えば最終的に下院が大統領を選ぶケースでは、カリフォルニアの人口が非常に多いにも拘らず州として一票として数えられる。従って、大統領を選ぶ権利の国民一人あたりの平等は、憲法の原則にはないだろう。つまり、憲法に書かれている国民間の平等は、国家と社会のシステムに関する部分には及ばないだろう。

 

このテキサス州の訴えに同調する州が17出ているが、その州の数が過半数近くなるのなら別だが、そうでない場合にその訴えを最高裁が受理しないと予想する。それは、前回書いたように、“国を割ることになるかも知れないという政治的な判断”は国家元首がすべきであり、最高裁の仕事ではないと判断される可能性が高いからである。

 

この件、日本の最高裁が自衛隊違憲の判決が出せない理由を考えれば参考になるかもしれない。つまり、行政の最高レベルの判断に最高裁は関与できないという統治行為論(補足3)なる考え方である。憲法は国家元首の下に位置する。国家元首が戒厳令を布告することで、憲法に記載の基本的人権すら一時停止できるからである。従って、国家元首がどちらになるかの遷移状態において、その方向に関して決定的となる判断を最高裁に求めるのは無理がある。

 

追捕:私個人としては、トランプを応援している。ただ、法廷での闘争には限界がある。元海軍と陸軍の中将二人が進めるように、戒厳令を布いて、選挙をやり直すしか、トランプが勝利する筋書きはないだろう。それはこの10日ほど書いてきたことである。

 

(15時30分、編集)

 

補足:

 

1)Hirano Timesが、連邦最高裁が似た判断を嘗て行ったとして言及したのが、ブッシュ・ジュニアとアル・ゴアの選挙戦での訴訟である。フロリダ州の県の間で選挙の制度が違うことが争われ、結局ブッシュが勝ったという。しかし、この場合、どちらが大統領になっても、米国の屋台骨に影響する効果はなかっただろう。この違いについては、下の統治行為論に関する記述を読んでほしい。

 

2)統治行為論は日本独自の理由かもしれないが、最高裁側の「国家元首或いは主権者がするべき判断を押し付けられてはかなわない」という考えは万国共通だろう。

 

 

 

2020年12月8日火曜日

トランプは史上最愚大統領と米国史に書かれるかも知れない

トランプ大統領は、高い能力を持った米国の民主主義が生んだ大統領だと思う。しかし、大統領選挙の不正を告発しながら、トーマス・マキナ二ーやマイケル・フリンという軍の元中将やリン・ウッド弁護士の進言を採用せず、伝家の宝刀である戒厳令を布いて最後まで戦わなければ、トランプ大統領は史上最愚大統領と米国史に書かれる可能性が高い。

 

就任直後のトランプの「米国ファースト」は、これまでの国際秩序を破壊するものだった。その後、ベールを脱いで正体を現し、剣を抜いた相手に屈服するのなら、表題は正しい記述なのだろう。何故なら、相手を意識することなく、戦いを挑んだことになるからである。イラク戦争の不正やリビアでの不正など、米国の不正の集大成が今回の不正選挙である。それに挑む予定ではなかったのか?

 

今年9月、米国の著名評論家のファリード・ザカリア氏が、下院によって大統領選挙が行われるというシナリオを、「トランプ勝利への道」としてCNNで紹介したという。(補足1)そのシナリオを引用して、下院が大統領を選ぶ筋書きになっても、トランプは敗れるだろうと以前に予測した:

 

「トランプ再任の可能性は消えた:下院の選挙になっても共和党票は割れるだろう」 https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12641161782.html (11/30)。

 

そこに明確に理由を書いたが、何の反響もなかった。別表現でその理由を書くと、人間は群れる動物であり、大きい強い方について自分の身を守る本能を持っているからである。論理的にはトランプ側が圧倒的に有利だろう。しかし、トランプ側は、現状では小さいグループでしかない。軍を巻き込むことで漸く相手と同程度の大きさになれる。しかし、民意に頼って軍を動かす手法では、軍も動かない可能性が高い。

 

鬼気迫る国家元首が先頭にたって動くから、軍も動くと思う。大衆はその後を津波のように動くような絵画を想像する。それが歴史的な戦いの姿であったと思う。(ドラクロアの絵など)

 

 

昨日の及川幸久氏のyoutube動画で、米国のトランプ支持者のつぶやきが紹介された。そこに、「今回の大統領選における不正を告発しても、最高裁は取り上げてくれるだろうか?」という心配の声があった。トランプは民意を盛り上げて、最高裁が取り上げるように圧力をかけているようだが、それは失敗するだろうと私は思う。

 

上記動画にコメントを書いた:

 

連邦最高裁判事を保守とかリベラルとか言う点で区別しても無駄だ。彼らは政治家ではない、単に法律の専門家である。国を割る責任を取り得るのは、政治家トップの国家元首のみである。従って、トランプはその責任をとって、できるだけ早く戒厳令を布くか、バイデンに籍を譲るかしかない。

 

及川氏もトランプを追い出そうとする側は巨大であると言っている。補足すれば、その相手は、米国の政治中枢を握るNY金融街(昨日紹介の中国から漏れた動画参照)、多くの大企業とマスコミ、更にそれらグローバリストと協力する外国勢力であり、彼らは暗黙の了解を実行するかのように組織的にトランプ排除に動いている。

 

上述のように、世界に知られた米国による世界史的不正はいくつもあった。それを知っている人は大勢おり、米国の政治とはこんなもんだという考えの人が殆どかもしれない。国家の(そして世界政治の)中心課題に深く関わる判断を、判事という専門家にもとめても無理だ。日本の最高裁を見てもわかる。自衛隊違憲の判決さえ出せないのだ。

 

トランプは伝家の宝刀である戒厳令を使う事なく敗れるだろう。昨日HarunoTimesが紹介した動画の、中国共産党政権の中枢に在る人達は、改めて民主主義の愚かさを笑うだろう。

 

 

 

 

補足:

 

1)大統領を下院が選ぶケースは、以下のような筋書きで進む。共和党が過半数を占める激戦州の州議会で、選挙無効を決議する。しかし、予想される州の知事が民主党に所属するケースが多いので、州知事が選挙結果を承認する。州知事と州議会の意見が割れて、それらの州で大統領選挙人が決まらず、50州全体の集計で、トランプもバイデンも過半数の選挙人を獲得できない。そこで、憲法の規定により下院が大統領を、上院が副大統領を選ぶのである。