2021年7月23日金曜日

東京オリンピックの開会式は中止すべき

オリンピック関係者の人選が非常に杜撰だったことが、次々と明らかになっている。その最後の極めつけが、オリンピック開会式の演出を担当した元お笑いタレントの小林賢太郎である。敬称は今回用いない。小林賢太郎は、過去にユダヤ人大量虐殺を笑いのネタにしていたことが、ユダヤ人の団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)」からの抗議により判明した。

 

それを受け、組織委員会の橋本会長が小林の解任を発表した上で謝罪した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6cf28bd75ce9dbd09cab4b5d06a83c886f0ab66d?tokyo2020

 

そして、菅総理も記者会見で、この小林処分についての妥当性に言及したが、開会式は行うと明言した。菅総理は、この件の国際的重要性が全く分かっていない。小林を解任したのなら、彼が演出責任者として作り上げたオリンピック開会式は中止すべきである。

 

日本の人たちは(筆者も日本人の一人だが)、謝罪という言葉の意味がわかっていない。もし、その謝罪が、小林が開会式の演出を担当する資格がなかったという意味なら、開会式は中止すべきである。それは建築士の資格が無い人物が設計した建築物なら、その建設工事は中止させるべきであることと同じである。

 

SWC1995年、雑誌マルコポーロを廃刊に追い込んだことで知られている。その国際的影響力は非常に大きい。日本のオリンピック担当者や菅首相は、SWCによるこの抗議を深く考えていない。小林を解雇して、謝罪の言葉を口にすれば、それで良いと思っているフシがある。本当に謝罪する気持ちがあるのなら、開会式は中止すべきである。

 

SWCは何故21日になって、この抗議を発表したのか、菅総理らは考えるべきである。この抗議をタイミングを見て行うことが、おそらくずっと以前から決められていただろう。21日を選んだのは、担当者を替えて演出をやり直す時間的余裕が無くなったタイミングだからである。つまり、演出をやり直したという「言い訳」が不可能なように、21日に抗議してきたのである。

 

つまり、日本国民を代表する日本政府の、ナチスによるユダヤ人ホロコーストに対する姿勢を確認する作業として、今回の抗議が行われたのだ。この程度の企みの意味すら、菅総理とその周辺は読めていない。

 

ユダヤ人の人脈は、現在アメリカ及び世界の政治を支配している。表の世界では誰もそのことには触れないが、影では常識として語られている。その人達の広報機関的なところからの抗議であるから、それなりに慎重に対応すべきであった。

 

それに付け加えるべきことが二つある。

 

 日本の笑いの文化は下劣である。漫才でよく見られる、相手役の頭を叩く動作で笑いを取ることはその代表である。それを含めて、日本のテレビの中で放送される「お笑い」は、下品の羅列である。個人の尊厳を軽視することを笑いの種にすることは、イジメに通じる。

 

その流行をつくったのが、あの安倍元総理お気に入りの吉本興業である。そのひとりがダウンタウンの浜田雅功と松本人志のコンビであり、恐らく今回の小林もその一人だろう。

 

 刑事罰に相当しない場合、日本のほとんどの人は、加害者側の謝罪は、被害者側の許容とセットであると思っている。そして、許さない場合には、和を破壊する狭量な奴だと、非難の矛先が反転して被害者に向かう。

 

悪事を成した場合、謝罪と対を成すべきは、償である。それが個の尊厳が確立した国際社会の常識だと私は思う。

 

2)公益財団法人東京オリンピック委員会と公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック組織委員会(このセクションは、7月23日午前5:30追加した)

 

東京五輪・パラリンピック組織委は22日、23日の五輪開会式を予定通り実施するとの声明を発表した。組織委のコメント全文:

 

「本日、小林賢太郎氏を解任したことを踏まえ、改めて開会式の演出内容を精査しましたが、演出内容は様々な分野のクリエーターが検討を重ねて制作したものであり、小林氏が具体的に一人で演出を手掛けている個別の部分は無かったことを確認しました。開会式については、予定通り実施する方向で現在準備を進めています」

 

 

これが、日本という国のあり方である。小林を解任したことは、単に言葉だけのことであり、何もなかったかのように式典は行われる。解任というより、単に仕事を早く切り上げたか、現場からリモートに換えただけだろう。報酬も通常通り支払われるだろう。

 

ところで、ウィキペディアによると、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会のトップは、橋本聖子である。副会長は山下IOC会長ほか6名、そして実際上のトップはどうも専務理事、事務総長の武藤敏郎という元財務官僚のようだ。他に、常務理事1名と理事35名の名前がある。

 

同組織委員会のHPを見ると、全体が半分黒塗りでクリックしても組織の全容は見ることができない。事務総長とか書紀長のような人が組織の実質的トップであるのは、共産党支配の中国と同じなのだろう。

 

 

 

理事35名のうち、20名が開会式の中止か簡素化を要望しても、何の効果もないのも、中国共産党政権と同じである。勿論、ウイグルなどでの人権無視の国と同等の組織なのだから、SWCの抗議も届かないのだろう。

ーーー 終わり ーーー

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