2022年5月3日火曜日

岸田首相の憲法改正に対する姿勢を批判する

産経新聞の記事によると、自身の党総裁任期中の改憲実現を目指す岸田首相は「改憲は党是だ。憲法は施行から75年が経過し、時代にそぐわず、不足している内容もある。ぜひ改憲したい」と改めて決意を表明したと言う。

 

https://www.youtube.com/watch?v=4T5seT1Y1Aw 

 

憲法改正の内容だが、自民党内では改憲4項目(9条への自衛隊明記・緊急事態条項・参院選「合区」解消・教育の充実)として決定されているようだ。https://www.jimin.jp/kenpou/proposal/

 

先ず私は、改憲が党是と言いながら75年間改憲論議を国会でしてこなかったのだから、自民党は解散すべきであると言いたい。そして、そのような政党に過半数の議席を与えている日本人に不幸が襲うのは当然の帰結であるし、まさにその方向で世界の政治は動きつつあることを非常に心配する。

 

ここでは、日本にも未だ失地回復の余地があると仮定して、以下、自民党と岸田氏の憲法改正に関する姿勢を批判する。先ず、上記4項目だが、国家の根幹をなす防衛軍と緊急事態の二つの条項は必須である。ただ、何故参議院選挙の制度と教育問題という各論的な項目を一緒に取り上げているのか?

 

自民党は、最初からやる気がないのか、二つの各論的なところで賛成票を稼ぎたいという不純な動機によるのかどちらかだろう。何方にしても、これらの問題を75年間放置した政党の本性を表している。

 

兎に角、以下の動画を見てもらいたい。

 

 

岸田首相は、この中で「国会での議論をしっかりとバックアップしてもらう。これが大事だと思いますが、あわせて国民のみなさんに働きかけてもらい憲法改正に対する機運を盛り上げていく」と昨年11月(多分首相になった直後)に話した。

 

この日本語では、何が国会での議論をバックアップするのか、国民が何に働きかけて、憲法改正の機運を盛り上げるのか分からない。また、そもそも憲法改正或いはその議論は、雰囲気を盛り上げて行うことだという岸田首相の理解には驚く。

 

自民党の憲法9条の改正案(上に引用の自民党サイト参照)は、第一項と第二項をそのままにして、自衛隊の存在を第三項に書き込むのだそうだ。しかし、「国際紛争を解決する手段として武力の行使を放棄する」のなら、何故自衛隊が必要なのか?

 

憲法9条は、これまでの近代の政治文化である「主権国家体制」を完全否定するもので、政治のグローバル化が達成されたのちの世界統一国家における、各自治州(ここでは日本州)の基本法にふさわしい。ただ、それでもその前提に世界国家の警察機構がある筈。

 

ウクライナ対ロシアという主権国家間の戦争を見ながら、このような愚かな憲法論議はない。

 

補足:

 

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

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