2024年6月29日土曜日

円安の原因から日本文化の特徴を考える


おとといだったか、円ドルレートが160円を超えた。神田財務官が若干の口先介入をしても何の効果もなく、160円は単なる階段の踊り場かもしれないという予感を誘う。経済評論家の大井幸子氏がその原因について議論している。

 


その一つが日米の金利差であり、米連銀の高金利政策で各国通貨ともに対米ドルで安くなっている。ほとんどの国が政策金利を上げて対応しているが、日本はそれが軽々にできない状況下にあり、いまだゼロ金利のままである。(下のグラフで、日本円の価値は対ドルで今年12%減少している)


大井幸子氏は更にこの円安問題の根本的原因として、構造的に日本が赤字体質になっていることに言及している。大井さんが強調するのが、昨今のデジタル赤字である。米国の例えばGAFAMのデジタルサービスやコンテンツ利用に支払う金が年々増加している。2023年で5.6兆円、2030年には15兆円の赤字が予想されている。

これは、赤字体質の原因として日本に先端産業分野を牽引する企業が育ってこなかったこととも重なる。なぜ、日本にGAFAMやNvidiaが育たなかったのか? 大井さんは、日本の産業政策の失敗とそのような産業を育てる金融政策がなかったことなど、国家が行うマクロ政策の失敗を取り上げておられる。

この後半部分の考え方は間違いだと思うので、私は以下のコメントを書き込んだ。

日本の構造的赤字の原因として経済政策のまずさを取り上げておられるが、それは根本的に間違っています。日本に先端産業が育たない原因は日本文化にあります。日本の雇用文化、教育文化、美的感覚など。例えば和服と洋服の違いを見れば、その一端がわかる。和服にはボタンがない、服を上下に分ける工夫がないなど。陶磁器を見ても、自然に迎合し人工(アート)を排除する日本文化の特徴が現れている。(翌日削除; 6/30 再度コメントアップ)

その後失礼になると思い削除し、ここでこの文章の意味について記事を書くことにした。

これ以外に重要な点として、大井さんは食料品とエネルギーに関する日本の構造的貿易赤字について看過しておられる。それに言及しないでは画竜点晴を欠く議論になってしまう。あまりにも当然のこととして、言及されなかったのだろうが、一般向けの動画配信では一言だけでも言及すべきである。

この円安の問題は5月14日の記事にも書いているが、円安の原因は明らかである。日本は米ドルで買うものが多く、売るものが少ないのである。そんな状況下で、国民に米株買い入れを推奨するような新NISA制度を制定し実施するのでは、円安が益々進むのは当たり前である。

 
2)経済及び産業に対するマクロ政策について

日本の産業政策や金融政策が原因で日本にはGAFAM等が育たなかったという議論だが、一理あるものの、国家が行うマクロ政策に期待するのは本来間違いだと思う。

マクロ政策が大きなプラスの効果を出せるなら、共産党独裁の方が経済発展や産業振興には有利ということになる。それが間違いであることはソ連崩壊や中国経済の困難な状況が既に証明している。

自由主義経済の方が産業振興には良いのは、民間全体に経済主体が分散し其々が有利な方向を探す方が結局経済発展の効率が高いのである。従って、防衛・治安や厚生・保健など広い意味でのインフラ部分以外には、小さな政府で対応することが自由主義経済でも有利だと言うことになる。

 

経済産業省が支援金をばらまく場合でも、文科省が大学を一律に支援する場合でも、結局金の無駄使いに終わる可能性が圧倒的に大きい。

また、財政・金融政策だが、公式通りに進めることが必要だろう。アベノミクスの一本目の矢の異次元の金融緩和策は、病弱企業に一定の息継ぎを与えることになったものの、今日の円安の大きな原因となった。3本の矢のうちその他の2本を上手く放てなかったのは、上述のように政府による有効な産業振興策など元々無理な話であることを示している。

画期的アイデアは周辺の思わぬところから飛び出てくる。 米国のアップルやツイッターの創業物語などを読めば、国家の政策変更であのような企業が生まれるとは到底思えない。それら企業の成功は、創業者の人生を賭けた戦いや偶然の結果であり、米国の金融政策や産業政策の結果ではない。

スティーブ・ジョブズ(アップル創業者)もジャック・ドーシー(ツイッター創業者)も大学を中退し、様々な出会いと闘いの中で、あのような先端企業の種を生み出すことになった。そのような様々な人生と多彩な出会いが可能なことの背後に、日米の大きな文化の違いがあると思うのである。


3)日本文化の問題

近代の西欧は、産業革命を経て大きな産業技術の発展を遂げた。そして、近代工業が世界に広がり経済活動が活発化した結果、世界人口が急激に増加することになった。19世紀初頭には10億人に満たなかった人口が1950年には25億人になり、2023年には80億人を超えた。

この産業革命とその後の産業発展は金融の発展とともに西欧文化の中で進んだ。西欧では、人間は自然(人を養っている)と対峙し対立・克服する形で生活の改善を行っている。そして、自然と人工をNatureとArtという形で峻別する。(補足1) 一方日本では、人は自然と調和するのが良いとする文化である。

西欧における自然と人工の分立は、人工側(人間側)に連携を生み出す。人間側は自然の観察を集団で行い、対話と議論の文化を生み出す。西欧では、人の基本的な生き方は人(味方)の中で生きることであり、日本では人は基本的には自然の中で生きるのである。(補足2)

更に、西欧の神は民族のリーダーから生まれ、人の形をしている人格神(ヤハウェ)であるが、日本の神は自然(神道)である。日本人は外敵(野蛮人)よりも荒れる天候の方をより強く恐れたのだろう。

従って、日本人は自然に服従するが、西欧人は自然を克服する。人と人の連携なくして自然を克服することなどできないので、西欧は個人の人格を尊重すると同時に、人と人の間に“デフォルト”で味方である(補足2)という感覚を持つ文化を作り上げたのだろう。

その文化の違いによると思うのだが、日本人は自然に対しては受け身で対応する。例えば、日本の住宅は自然の空気を受け入れる形で造られ、冷暖房の工夫があまりない。日本の庭園は、自然を模倣する形が基本である。

その受け身の姿勢では、不足や不便が創意工夫と直結しない。不足や不便には先ずは我慢することが大事だと学校でも教える。それらの感覚が産業の種として育ちにくい。新しい次元の人工物にとっては、日本は砂漠である。

したがって、西欧の文化では人工的なデザインと工夫が重要だが、日本の工芸文化は自然の利用と模倣、つまり自分自身を自然に順応させるという部分が大きい。(補足3)

その結果の一つとして、日本の衣服には上下を分ける工夫がないし、ボタンで留めるという工夫もないことを思い出す。この日本文化の特徴は、ある意味深刻である。自分たちに馴染みのない環境が現れると、先ずはその環境を作り変えることを考えるべき時でも、そこへの順応を考えてしまう。それは、例えば戦後の日米関係のように、一歩間違えば卑屈な姿勢となってしまう。

上述のように日本では外の空間での人と人の心理的距離が遠い。(追補1)そのため会社などの機能体組織を屈託なく作ることができない。それでも組織を作らねばならないので、封建主義体制のような強い結合形式を会社は採用する。

それでは適材適所の原則が生かされず、労働の流動性も低くなる。9時〜17時は社会に出て機能体組織に参加して働き、それ以外の時は家庭でプライベートな時間を過ごすという西欧文化が日本に輸入できていないのである。

一事が万事、日本は隅々まで近代化されていない。明治以降、西欧文化を積極的に取り入れたが、どのようにして西欧文化が出来上がったかという歴史に学ぶことなく、その外形を模倣しそれに順応する方法で取り入れた。教育制度も学校や大学の制度を取り入れても、何故そのようなシステムを必要とするかについてはあまり学んでいない。

その根本原因を探すと、そこには言語文化の問題が横たわっている。言語の原点にある哲学が日本には育っていない。(追補2)そのため個人の思考や複数人の間の議論が深いレベルで出来ない。伊藤貫氏が言及していたのだが、日本では知識人でもパラダイム思考や哲学的思考(補足4)という思考の設定が不得意なのである。

追補:

 

1)他人の存在を無視するのではなく、むしろ重視し他人に遠慮することがその原因である。

 

2)日本では哲学を特別な学問のように考えられている。私は、何の前提も置かずに、単にそそぐ知的探求心を物や概念にそそぐ行為だと思う。自然科学が哲学の一分野として発展したことが、本来すんなりと理解されなければ、概念として「哲学」を理解できたことにならない。

 


補足:

1)artはnatureの対語である。artは普通芸術と訳されるが、人工と訳してもよいと思われる。それはartから派生したartificialという単語の意味を知ればわかるだろう。このように日本語と英語の間の壁は厚い。そのような注意は、schoolを学校、faceを顔と訳す場合にも必要である。

2)デフォルトは他に指定がなければという意味。ピッタリであり、既に日本語化していると感じたので用いた。

海外を旅した経験のある人は、ホテルから空港へのシャトルバスなどでも話かけられる経験をする人が多いだろう。私の乏しい経験からしても、日本での公空間における人と人との距離は外国でのそれよりもかなり遠いと感じる。日本語の赤の他人とか人ごみ(ゴミではなく混みだという人も多い)などの表現がこのことを暗示していると思う。

3)テレビ番組の「なんでも鑑定団」で、茶器等の鑑定を行う中島誠之助氏のセリフ「自然釉の作った景色が素晴らしい」などは、幾何学的模様と花鳥を描く西欧陶磁器の世界とはまるで美意識が異なる。この工芸品の世界でも、日本では自然を重視し、欧州では人工(アート)を重視する。

4)哲学的思考とは、原点から思考することである。そのことすらわかっていない人がほとんどである。物がなぜ下に落ちるか? その問題から地球が引っ張っているからであるという結論を出したのがニュートンである。日本人のほとんどは、「物が下におちるのはあたりまえだ」としてこの問題を思考できないだろう。そして上下の区別には定義が必要だと気づく筈。そこから人と人の間の上下とは何だろうという疑問がわき、社会学の視点を得るだろう。

 

(翌朝編集、追補を追加し最終稿とする; 6月30日、コメント再度アップ)

2024年6月24日月曜日

欧米のグローバリストの戦略の一環にネタニヤフ政権のハマス・イスラエル戦争があるのでは?

イスラエル・ハマス戦争は、現在の情況下ではガザ地区からパレスチナ人が居なくなるまで続くと考える人も多い。現在までの悲惨な情況をみれば、この戦争の本質が昨年10月7日のハマスによる対イスラエルテロの報復だけでは無いことは明らかである。今回、現在グローバルに進行中のグローバリスト対BRICS等保守勢力の争いの中でのこの戦争の意味について、以下に短い私の考察を示す。

 

現在ガザで進行中なのは、パレスチナ人に対するホロコーストであり、ヨルダン河西岸或いはネタニヤフらが考える大イスラエル地区の民族浄化(エスニック・クレンジング)の一環だと考えられる。この詳細についてyoutubeチャンネル「越境3.0」を主催する石田和靖氏が松田学氏のyoutubeチャンネルで話している。https://www.youtube.com/watch?v=YEZFZC-OhV8

 

 

石田氏はハマス・イスラエル戦争の経緯を202212月に発足した第6次ネタニヤフ政権の対イラン政策であるオクトパスドクトリン(補足1)から話し始める。その過激な対アラブ政策の中で、ヨルダン河西岸のパレスチナ地区への過激な入植活動が行われ、それがパレスチナ人に対する挑発行為となったのである。

 

石田氏は大イスラエルということばをその分析の中で用いなかったが、ハマス・イスラエル戦争の原因は、ネタニヤフ政権の“大イスラエル”を建設する戦略に存在すると解釈される。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12825669281.html

 

現在米国のネオコン勢力がネタニヤフ政権のこの戦争を支援する背景に、ネタニヤフ政権の大イスラエル構想はグローバリズムと調和的であるという事実があると思われる。つまり、グローバリスト達を指揮或いは支配する世界の大金融資本家たちの多くは、ネタニヤフ政権が目指すと思われる大イスラエルを地球全体に拡大する戦略を持っているのである。

 

2)米国の政治戦略との関連: 以下に今年312日の記事中に補足として書いた文章をモディファイし追加する。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12844098245.html

 

米国の政治は、軍産共同体が握っていると言う人が多い。軍需産業は軍事力を維持する為に必要だが、その軍事力の諸外国での行使は軍需産業とドルの国際的権威を守るためだけと考えるのは十分ではないと私は思う。

 

その究極の目的は、政治経済におけるグローバル化(補足2)の完成であると思う。グローバル化とは単に地球規模化ではない、シオニズム構想の拡大版であり、世界の全体主義支配を目指すことである。レーニンとトロツキー(共にユダヤ系)による国際共産主義革命はその最初の試みであった。

 

レーニンが死亡しトロツキーはスターリンとの政争に破れ、その生き残りが米国のユダヤ系と合流して作り上げたのがグローバリスト勢力(補足2)であり、民主共和両党の中核(補足3)を為した。彼らはオバマ政権の時、米国に彼らの目的達成の為の強力な政権を作り上げた。

 

その政治が米国民の福祉向上からはずれていることに気づき、米国を米国民のための米国に戻そうと訴えて大統領になったのがトランプである。もしトランプがもう一期政権の座についたなら、彼らグローバリストの戦略が崩壊する可能性があり、非常に焦り始めたのが昨今の激動する世界政治の背景だと思われる。

 

以上は、一理系素人の考えであることをご承知おきください。間違いなどの指摘があればコメントをお願いします。

 

補足:

 

1)イスラエルと戦うハマスやレバノンのヒズボラなどはタコの足に過ぎない。イスラエルの安定は、タコの頭であるイランを叩くことでのみ達成されるという考え方がオクトパスドクトリンである。

 

2)ここでの政治経済のグローバル化は、世界の全体主義的支配である。地球は80億人の地球人を永遠に養うことは不可能である。その文明崩壊が既に環境汚染や地球温暖化として始まっており、今後資源の枯渇も問題となるだろう。それらの問題を本質的に解決し、末永く人が地球上で地球と調和的に生き残るには、選ばれた人のみが地球人として世界を支配すべきであるという考え方だと思う。

 

 

3)彼らは民主党ウィルソン政権の時に大きく躍進した。その後、民主党は労働者の正統からグローバリストの政党となった。その後保守政党と見られていた共和党に移った人たちも多くなり、かれらはネオコンと呼ばれるようになったようだ。

 

(18:30 第一節最後に一文追加;翌早朝2,3箇所の文章修正し最終稿)

2024年6月22日土曜日

古代の価値の中で生きる中東の人たち

昨日のニュースによると、サウジアラビアの聖地メッカを訪問する人たちが熱波の中で倒れ1000人以上が死亡したようだ。毎年死者が出るのだが、今年は異常に多いということである。https://www.youtube.com/watch?v=GIsnuQwuGP4

 


この時期(イスラム歴第12の月)一生に一度聖地メッカを訪問し拝礼すること(大巡礼;ハッジ)は十分な財力と体力を持つイスラム教徒たちの義務だという。厳しい天候の中で大巡礼を続ける人たちのことを知った時、表題の言葉が頭に浮かんだ。彼らは宗教の中で人生を全うするのだろう。

西欧では、科学と工業そして経済的発展及びそれらと並行した文化的変化により、宗教的義務に於ける厳格さは徐々に弱まり、宗教改革とその後の歴史の中で形骸化した。個人の自立を前提とする民主主義などの近代政治システムは、その結果として産み出されたのだろう。

また、市民革命と国民国家の時代を経て、主権国家と国際法とによる国際政治文化が出来上がり、国家間や民族間の残酷な戦争を減少させる国際体制が一旦出来た。

 

その一方、一神教の強く残る中東では、これらの西欧が産み出した国内及び国際政治システムは導入されない。一神教は社会的宗教であり、個人は自立しないからだろう。(補足1)

一神教の世界では、宗教は民族間の競争における旗となる。その民族の父として神が存在し、民は子であり、預言者は民を束ねる。前回記事でゼレンスキー氏のイスラエルでの演説を引用して示した様に、民族構成員全員が姉妹兄弟である。勿論、イスラム教徒でも同じだろう。

かれら中東の人たちは、同じ宗教の下で民族単位で生きている。民族間の対立は主に宗教間の対立でもある。生存競争の中にあって、宗教の違い故に対立すると言うよりも、元々は対立のために宗教が存在すると言った方がより正しいと思う。(補足2)

例えばイスラム教のスンニ派とシーア派の対立と言うが、これも彼らの対立の為に出来上がった宗教の違いとも言える筈である。


2)西欧近代の脱宗教化

西欧では、科学と技術の発達から産業革命(18世紀半ば~19世紀)が起き、金融システムの改良なども寄与して、飛躍的に経済発展が進んだ。大航海時代、世界の植民地化、更に経済のグローバル化が進み、世界人口が爆発的に増加した。(下図、国連世界人口基金より)


経済的豊かさは人々から厳しい生存競争の必要性を少なくした。それが宗教改革の土壌を作り、人々はカソリックからプロテスタントに宗教を替え、そしてそれも近代化の中で色あせていき、学問の世界では無神論が認知されるに至った。

凄惨を極めた中世の生存競争(戦争等)から解放され、近代の西欧は戦争を外交の中に押し込めることに成功した。その中で出来たのがハーグ陸戦条約(1899年;補足3)やパリ不戦条約(1928年)であり、それを受け継いだ国連憲章などである。

経済の発展が続き人口が急増すると、やがて人々は地球が有限であることに気付く。そして聡明な人々は、人類の危機を予想した。「成長の限界」が出版されたのが1972年である。一旦薄くなっていた民族間(或いは国家間)の生存競争の空気が再び濃くなりだした。

この世の終わりが近いのではないかと言う人たちが増加し、その中で文明のリセットを不可避と考えて、自分たちと所属する民族こそ何とか次の時代に生き残るべきだとの考えが発生する。そして日本では永遠に”信仰”されるだろう世界平和などの思想は、海外では時代遅れとなった。

 

それが、世界の富裕層を中心とした所謂グローバリストたちのグレートリセットや新世界秩序などの壮大な戦略である。そこには民族間の平等や人道や世界平和などの価値観は表を飾るだけである。表の理想論と裏の現実主義の時代になった。

つまり、西欧が産み出した近代の政治文化は既に時代遅れになっている。しかし不幸なことに、日本の政治家や政治評論家は、国際法を未だに世界政治を考える基準にしている。原爆を二度投下されても、その世界の変化に気づかないのである。

このブログサイトでは何度も、サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC;米国ユダヤ系圧力団体)副館長のアブラハム・クーパーが「原爆投下を人道に反する罪だとは思わない」と明言したことを紹介している。

彼らは、上記新世界秩序の達成に向けて、主権国家体制だけでなく、ハーグ陸戦協定などの西欧の政治外交文化を全て無視しても良いと考えている筈である。彼らは、古代の価値基準を復活させているのである。

 

それをユダヤ人の性格だという風に差別思想を用いて議論を終わること間違いであり、知的怠慢である。それは、米国から世界に伝搬している「脱近代」(ポストモダン)の時代の必然である。

ポストモダンの時代は、生活の道具立ては全く異なるが、価値の尺度において原点(先祖返り)に戻る。人々は、原始時代の民族主義や大家族主義を持ち、近代の主権国家体制や民主主義国家の価値は徐々に消滅する。近代政治文化圏との共棲は、表で理想論として行い、現実論は持ちつつ表には出さない。つまり、多くの”先進国”(日本以外)は二枚舌になる。

民主国家として歴史を積み上げた中で、近代の終わりとともに利己的、派閥的、民族主義的に人々は分断される。その流れの中で、米国の一マイノリティであるユダヤ民族が米国の政治経済を牛耳る程になったのである。彼らはポストモダンの先頭を走る。

 

以上は、社会学の大学院教育を受けていない一理系素人の考えである。もし不十分な点や間違いがあると思われる社会学に詳しい人が居られれば、コメントや議論を書き込んでもらいたい。


補足:

1)宗教には二種類ある。社会的宗教と個人的宗教である。一神教は前者であり、仏教や神道などは後者である。神道に一神教的要素を加味したのが伊勢神道つまり天皇を中心とする神道であるが、日本人の心の中に深く根差しているのは元々の神道である。(これは自説であり、学会の説かどうかはチェックして居りません)
二つの宗教:自分が生きる為の宗教と他人を支配する為の宗教

2)古代、国家をまとめるために宗教を取り替えることがあったと聞く。ローマがキリスト教を国教としたのも政治的な決断だったようだ。イラン(ペルシャ)も最初拝火教だったが、イスラム教へ変更した。

 

3)ハーグ陸戦条約では:戦争は厳格に戦闘員の間だけで行われ、市民一般を攻撃してはならない; 捕虜は虐待してはならない; など人道的な取り決めが多くなされた。従って、第二次大戦末期の大都市空襲や原爆投下は、国際条約に反し明確な戦争犯罪である。

(6・22早朝、編集あり)

2024年6月17日月曜日

G7の首脳は、背後に存在する勢力に脅迫されロシアとの戦争(核戦争)に入る可能性が高くなってきた

 

今回の表題は、これまで書いて来たウクライナ戦争の本質を表現している。G7の背後の勢力が何かは、林千勝氏が明確にしているように、R家を中心にした世界屈指のディアスポラの民の金融資本家たち“大家族”である。(補足1)

 

この戦争が世界戦争に発展する可能性が高くなり、及川幸久氏は危機感をもってyoutubeに動画をアップしている。https://www.youtube.com/watch?v=4Jw0HH9I1EI

 

 

世界戦争を考え始めたにも拘わらず(補足2)、その取っ掛かりとなるウクライナの代理戦争にこれだけ手間取っているのは、G7各国は自らの意志で戦っているのではないからである。本当に戦っている勢力は、彼らのみになれば軍事的には何の力もないのである。

 

彼らは、言葉と金で人を雇い操縦して7つもの大国を動かし、ロシア、イラン、中国などの国家システムを破壊し、アジアとアフリカ等の経済膨張を止める計画を実施しているのである。そして最後には、この地球を彼らにとって永遠の楽園にすることを考えている筈である。

 

彼らは、中途半端な企みで終われば、感染症の再発のように無能で愚鈍な似非人たちに占領されたこの地球を取り戻すことは不可能であると考えている筈である。その徹底ぶりは、ハマス・イスラエルの戦争を指揮するネタニヤフ首相のやり方を見ればわかる。

 

国連、FRB、CIAのような機関は、彼らがウィルソンやF・ルーズベルトやトルーマンを操ることで作り上げた。それらの”何でもありのやり方”は、よく知られている通りである。

 

かれらはG7を含め多くの国家の纏まりを弱くするために、移民の流入を促進することで共有する文化の意味を弱め、社会を構成する人をマイノリティに分断し、個人をバラバラにした。 更に、国家という単位も、境界を緩くし無意味化する努力で、人々の国民意識を弱くした。そのために、人権尊重とか、民主主義とかいう概念を優先させる思想をつくりあげた。

 

個人は家族に比較して弱い。”大家族”と比較すれば塵のように軽い。ある個人が世界最大の国を率いていても、彼は彼自身の命とその世界最大の国の命運とを等価に置くであろう。それを実証しているのが、今の米国の政治である。そして米国に脅され指示されて動く、残りのG7のリーダーたちである。来年以降に期待されている米国の新指導者も同じかもしれない。

 

2010年代のウクライナや中国で、現在米国のトップである人物に山ほどの犯罪的外交と蓄財を許したのは、彼を今利用するためである。ウクライナを戦場に使う戦略において、G7の残りの首脳をバイデンと同じように犯罪的に抱き込んでいる筈である。岸田について用いた方法は既に書いている。

 

 

 

ウクライナ戦争で始まった世界戦争も、全て彼らを含めて10数名程の個人を奴隷化し使うことに過ぎない。英米を牛耳る人たちの覚悟の程を知れば、CIAなどを使ったこれまでの要人取り扱い法を知らされている彼ら10数名の要人たちは、自ら期待された方向に動くだろう。

 

神が存在し、その神の欲するままに行動し、神の国を創るかのような彼らの行動とその強い信念は、それ以外には”世の終わり”にはかれらの破滅があるのみだからだろう。

 

ここ数日の世界情勢の具体的な変化は、下のシェルリさんのブログが完璧である。現在の私には、このようなブログを短時間に仕上げる力はないので、非常に助かる。

 

以上(リブログ記事を除いて)一人の理系霊能者(?!)による推論でした。。。 大規模な陰謀が存在した時、陰謀論以外にそれを語り対処する方法があれば、ぜひお教えください。

 

 

補足:

 

1)彼らに大家族であるという感覚は、ゼレンスキーがイスラエル議会での演説の最後のところでの呼びかけで分る。「兄弟姉妹の皆さん」と呼びかけ、あなた方はアイアンドームを供与する必要があると訴えた。

One can keep asking why we can’t get weapons from you. Or why Israel has not imposed strong sanctions against Russia. Why it doesn’t put pressure on Russian business. But it is up to you, dear brothers and sisters, to choose the answer. And you will have to live with this answer, people of Israel.

https://www.timesofisrael.com/full-text-ukraine-president-zelenskys-speech-to-israeli-lawmakers/

 

2)そのことについては、二つ前の記事に伊藤貫さんのことばを引用して書いた。

 

2024年6月11日火曜日

順調に経済を拡大しているロシアとそれを隠す日本の報道

昨夜アップされた石田和靖氏のyoutubeチャンネル「越境3.0」は、ロシア訪問から帰った日本在住のアゼルバイジャン人(モスクワ生まれ)アリベイマムマドフ氏からモスクワ報告を聞く内容だった。

 

 

アリベイさんによれば、ロシアは急速に経済発展しており、安全で住みやすくなっているとの話だった。(補足1)何時も越境3.0を視聴している人にはすんなりと受け入れられる内容だったが、始めての方には相当意外だっただろう。殆どの人が菜園付き別荘(ダーチャ)を持っており、週末はそこでゆっくり過ごすというのがモスクワ住人の生活スタイルのようである。

 

日本では、一時期のマスコミ報道では、ロシアは米国から経済制裁を受けて経済破綻に陥る可能性が高いとの話がなされていたが、それらは全くの出鱈目であった。

 

この件との関係から、日本のマスコミは情けないとの議論に話は移っている。その中で印象にのこったのが、米国元CIAエドワード・スノーデン氏の以下の言葉である。


「権力に萎縮して忖度報道を続けるなら、それは報道とは言わない。癒着して権力に都合の良い報道を続けるなら、それは報道とは言わない」

 

スノーデンは、日本に警鐘を鳴らしていると石田氏は語る。この動画の中で、一瞬だけ何の解説もなく国谷裕子著の「スノーデン 監視大国日本を語る」という本の宣伝紙が表示された。

 

この動画ではその後、ロシアで高い支持率を誇っているプーチン大統領と比較して、日本の岸田首相は酷いという話になった。そして、石田氏は「今だけ金だけ自分だけ」と岸田首相を形容し、批判している。そこで、私は以下のコメント文を投稿した。

 

岸田首相は、外からは「今だけ金だけ自分だけ」の人なのだが、多分、彼は自分の命が狙われていると思っている筈。一年前の“襲撃事件”は模擬テストだった筈。もう直ぐ二年になる安倍さん襲撃事件を含め、マスコミは沈黙している。何故、国民は騒がないのか、もっと発信しないのか。

自分の命だけの姿勢では政治家失格なのだが、警察から国会議員、行政官の全てが利己主義になっている。それが吉田茂以降の戦後日本の全てである。一旦社会がこのphaseになると、勇気ある人が出れば、順番に殺されていくだけである。大衆運動のみが日本を救うことが出来るのだが。。。。

 

権力に萎縮するのは全ての日本人に共通である。現在の日本人が先ずなすべきことは、現状が何かおかしいと思うなら、「今だけ金だけ自分だけ」を乗り越えて、先ずは将来の自分を考えることだろう。将来の自分や金は、将来の日本に係わる。そして、嘘を垂れ流す現在のマスコミを拒否するべきである。

 

私も、金の無駄遣いを避けるという意味だけではなく、将来の日本を害する新聞を既に購読中止し、ブログ記事を書いている。国民の半分でも新聞購読を止めれば、そして自分の得た情報を井戸端会議ででも話す習慣を着ければ、それなりのインパクトがあるだろう。

 

補足: 

 

アリベイさんの話のこの部分の要約: ロシアが経済制裁を受けたため、国外に去ったマクドナルドやユニクロの代わりに、ロシア人がそれらの企業のコピーをつくり、それなりに繁盛している。ロシアは、国を閉鎖しても殆ど全てを国内でまかなうような経済を目指しているようだ。

その結果、モスクワなどでは建設ラッシュであり、市民の殆どは複数の家とダーチャを持つ情況となっている。 

 

ただ、日本はこのモデルはとり得ない。それは、食糧とエネルギーを殆ど海外に頼っているからである。この日本経済の特徴について最近議論している:

 

鎖国すれば、日本には江戸時代の人口である3000万人程度しか住めないだろう。

 

2024年6月9日日曜日

人類文明のグレート・リセットとロシアによる西側の核攻撃

NATOは、ウクライナがNATOからの援助で入手した武器でロシア領内を直接攻撃することを許可した。もし、そのような攻撃が本格的になれば、ウクライナ戦争は新しい局面に入ることになる。
 

何故なら、以前からプーチン・ロシア政権は、ウクライナからNATOから供与された武器でロシア本土が攻撃されたなら、それはNATOからの攻撃と見做すとし、そのような場合は核兵器でNATO諸国に反撃する可能性があると警告しているからである。https://jp.reuters.com/world/ukraine/DZBBVJAUZ5M5HBKXZZZXMMT6II-2024-01-11/

 

プーチン大統領は65日、第27回サンクトペテルベルグ国際経済フォーラムにおける記者団との懇談(補足1)において核戦争の脅威について問われた際、改めてこの考えを繰り返し伝達している:

「ロシアには核ドクトリンがある。ロシアの主権と領土の一体性が脅かされれば、(核兵器を含め)あらゆる手段を行使することが可能と考えている。これを軽々しく表面的に受け取るべきではない。」と答えている。

 

米国の著名な政治学者であるシカゴ大のミアシャイマー教授も、ロシア領内への攻撃が本格化すれば、ロシアはポーランドやバルト海の攻撃目標に攻撃を加え、国家存亡の危機と考えれば核兵器に頼る可能性が高くなると分析している。https://www.youtube.com/watch?v=H1yrf76qNqc

 

 

国際政治評論で最近著名となり、且つ反グローバリストとして積極的に行動している及川幸久氏も、最近、この件が核兵器の報復連鎖となり世界を破壊するのではないかと危惧し、youtubeで動画配信している。https://www.youtube.com/watch?v=o3Pepc5d1kM 

 

以下、この件の経緯と、実際にロシアから戦術核兵器による攻撃があった場合国際政治がどのように動くかについての予想を書く。理系一素人がネット記事と想像に基づいて書いた文章なので、そのつもりでお読みください。


 

1)人類文明リセットの企みの一環としてのウクライナ戦争

 

2014年に始まった米国によるウクライナを代理としたロシアとの戦争は、米国バイデン政権の背後にいるネオコン・グローバリストたちの大きな世界戦略の一環である。その想定した戦略の図式を、以下に引用した記事①~➄に記載した。(特に②)(補足2)

 

ロシアは、西側から際限なく支援を受けるウクライナと通常兵器のみで戦っては勝てないので、何れ核兵器を使用することになる。この事態は、当初から考えられていたことであり、私もウクライナ戦争が始まった2ヶ月後の20224月のブログ記事にそのことを書いている。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12740158516.html

 

その記事の第三節「人類史のリセットの可能性について」に、「プーチンに核兵器を使わせる」ことは、バイデン政権を操っている人たちの戦略の重要な目標の一つであると書いている。翌2023年の2月、同じテーマをより詳細に「制御された世界の崩壊を目指す人たち」と題して記した。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12787065995.html

 

後者の記事②(イスラエル・ハマス戦争の8か月前に書いた)では、国際政治評論家として著名な伊藤貫氏の以下の様な発言を引用している:

 

クリントン政権時代から米国は複数の戦場で戦う能力を無くしており、それをオバマ政権も認めている。米国は二正面では戦えない状況になっているにも拘わらず、愚かにも東欧、中東、東アジアで戦争に至る政策を行っている。
 

この「愚かにも」という伊藤貫さんの言葉は間違いで、彼らは意図してこのような(米国をも犠牲にする)作戦をとっていると考え、その記事②を書いた。その内容は、彼らの中心にいる人たちは神に代わって世界の最終戦争を引き起こし、彼らの地球を実現しようとしているということである。

 

現時点で、この戦略をとる具体的(世俗的)理由は資源枯渇と地球環境問題であり、彼らは80億人の人類を地球が養い続けることは不可能だと考えている。ただ同時に、彼らの父祖の信仰の書である聖書の中の終末論を意識していると思う。現在の世界の情況とエゼキエル書第38章が記述する週末戦争との関連を議論する人たちは大勢いる。
 

彼らの最終目的は、敵(異教徒或いは異郷の民)を排除すること(地球人口の削減)である。その目的のためにパンデミックも、現在のウイルス学を用いれば大きな武器となり得る。その為に彼らはWHOを改革するつもりだという人も多い。
 

ウイルス学が専門の京都大学准教授だった宮沢孝幸氏(ウイルス学)は、2020年に始まったCovid-19のウイルスは人工的に造られたことを明らにする論文を書き上げた。しかし、学術誌には受理・掲載されなかったようだ。
 

このウイルスは、米国の国立アレルギー感染症研究所(NIH)が中国武漢の研究所の石正麗博士等にを資金援助して作らせたものだと考えられている。最近NIH所長を退任したファウチ博士は、この疑惑を否定している。https://jp.reuters.com/world/us/GLUREUAU7JLTNIGCFAW73R2CZQ-2024-06-03/

 

宮沢孝幸博士は、結局京都大学医学部を追われるように今年5月に退職した。昨年12月の記事「グローバリズムと反グローバリズムの戦い: 第三次世界大戦」にこの情況をかなり詳細に書いている。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12830801894.html
 

昨年2月の段階ではイスラエルの対ハマス戦争は始まっていなかった。しかしその後、サウジアラビアに対し核技術供与と引き換えにイスラエルとの和平を提案するという方法で、アラブとペルシャの間にくさびを打ち込むとともに、パレスチナの人たちの生きる空間を奪おうとした。(補足3)

 

このハマスを孤立させる戦略による中東戦争の勃発は、上記伊藤貫氏が指摘したクリントン政権が計画を立てた3箇所での戦争の2つ目の戦争であり、恐らく最初から計画されたことだろう。つまり、この和平提案は、過激派ハマスをテロに導いく為のものだったと思われる。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12848221532.html
 

最後3つ目の戦争は、台湾或いは南シナ海付近での対中国戦争となるだろう。それが具体化しつつあるようだと書いたのが、今年一月の記事である:「台湾進攻の準備なのか? 中国農業改革と世界戦争との関連」。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12834950379.html

 

その記事において、昨年2月の上記記事②を引用している。最近数年の世界の動きは、最初に説明した同じモデルで解釈可能である。

 

2)米国ネオコン政権が戦争進行を急ぐ理由

 

世界の金融エリートとイスラエル右派は、人種的にも恐らく宗教的にも共通している。米国に存在するイスラエル・ロビーからの発注に従順な彼らの部下である米国ネオコンたち(補足4)は、恐らくかれらに地球全体を引き渡そうと考えているだろう。
 

それがグローバリゼーションの中身だろうが、その理解の程度はネオコン・グローバリストたちと雖も均一ではないだろう。バイデンがイスラエルへの武器搬送に難色を示したのは、その最終目標を十分には承知していないからだろう。

https://www.sankei.com/article/20240509-WN3JNIDMHBPWHAMQY6IFW3NLSI/
 

彼らグローバリストの本丸が、これほど急峻な坂道を急ぎ登る理由は、彼らの大戦略に対する障害が大きくなりつつあるからである。それらは、米国大統領としてトランプが現れ、彼らが独占してきた世界の情報網にインターネットという大きな風穴が空いたことの二つである。

 

トランプについては、最近重ねてイスラエルのハマス攻撃を容認する発言があって、米国ネオコンの背後のひとたちは、トランプという障害を一旦(今年いっぱい)はとり除いた様に見える。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12852889992.html

 

ただ、ネット社会の世界政治に与える効果は簡単には無くならない。(補足5)

 

このネット社会という障害とは、秘密裡に計画して実行し、その全てを隠し通すことが出来なくなることである。それは、彼らには強敵だろう。プロジェクトベリタスの報道やタッカーカールソンの政治解説は、従来のマスコミでは異端であっても、ネット社会では正統の位置を占め得る事態となっている。(補足6)

 

もしトランプが次期大統領になり、イスラエルの反ネタニヤフ側と連携をとり、プーチンやBRICSの大物たちなどとも協力して、グローバリストの世界大変革(グレート・リセット)に反対するようになると、彼らの計画は潰される可能性があるだろう。(補足7)

 

それを防止するために誘発しようとしているのが、プーチンによるウクライナ戦争での戦術核使用AND/OR 中国による台湾進攻だろう。その結果、米国ネオコン政権は非常事態宣言が可能となり、ウクライナ同様、当分の間大統領の椅子に現在の人物が居座ることが可能となる。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20240522-OYT1T50018/

 

プーチンのロシアの国益を重視する姿勢は正統であり、それ故プーチン支持の政権や世論は世界には多い。その支持を剥ぎ取るために残された方法の一つが、プーチンを核兵器使用に追い込むことだろう。プーチン政権は、核兵器を用いることにより世界の中で孤立する可能性が高くなると同時に国内での支持率も下がる可能性が高い。
 

例えばポーランドとウクライナの境界付近に、支援ルート壊滅を狙って核兵器が一発おとされるとどうなるだろうか。その周辺に発生した広島と長崎と同様の地獄絵に世界の人々は震撼するだろう。そして徐々に、対プーチン批判の大合唱が始まり、ロシアは孤立しプーチンは支持を失うと思う。

 

ただ、ウクライナ戦争は直ぐには終わらないし、米露間の本格的な核戦争にもならないだろう。新しい局面を迎えることになり、むしろ小休止となる可能性がある。世界の殆どは核兵器の本当の恐ろし未だ未だ知らないと思う。
 

NATOから離脱する国も出てくると思う。何故なら、「アメリカの敵になることは危険かもしれないが、友人になることは致命的である」(ヘンリー・キッシンジャー;南ベトナムの傀儡政府を見捨て撤退したときの発言)ことに気付くからである。
 

最初に紹介した昨夜の及川幸久氏のyoutube動画では、そこから一直線に米露の核戦争に進む可能性が高いような話であった。北大西洋条約(NATO)5条、「NATO加盟国の一つの国への戦争攻撃は、全NATO加盟国の集団的自衛権発動の理由となる」としても、直ちに全面核戦争にはならない可能性の方が高いと私は思う。

 

 

3)ロシアによる最初の核攻撃以降の推移について

 

これまで、プーチン政権は「核攻撃も選択の範囲だ」という姿勢だったので、それが嘘にならない様に一挙に核報復の連鎖が始まらない範囲に核攻撃の地点を考えると思う。ただ、米国側も直ちに核反撃をする可能性は低いと思う。

 

何故なら、核反撃の連鎖が起これば途中でなかなか止められないので、敵と味方は大きな損害を受けるが、南米やアフリカのような敵でも味方でもない人たちにこの地球をプレゼントするような愚かな結末を迎えるからである。

 

米国側は、プーチンを批判するための宣伝文句を得、その結果プーチン・ロシアは残虐非道な政権として世界から攻撃され、時間はプーチン・ロシアの敵となる筈である。更に、ロシア国内でプーチンが支持を失う可能性も出てくるだろう。
 

同時に、BRICSの連携は上手くとれなくなる可能性が高くなる。その効果を見定めなければ、次の戦略を練ることが出来ないだろう。

 

ネオコンの背後の勢力は、これまで何となく存在した核兵器への封印をロシアに解かせることになるので、それは大きな成功だと思うだろう。今後、世界人口を削減する為の戦争の際、その使用のための世論形成が容易となるからである。

 

世界中の多くは、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった時に持った「ロシアは失敗した」という感想を、再び抱くことになるだろう。
 

今回は一本道だから、そのようになる可能性が高い。その時、ウクライナの現政権は目的は達成されたのでウクライナを放棄する可能性があると思う。彼は、元々ウクライナの防衛なんか考えてはいなかったと思う。東アジアで中国が動くとしたらその時であると思う。

 

この一連の戦争は、単にロシアの勝ちという形では終わらない。この世界戦争は長く続くと想像している。ジョージアのガイドストーンにあったように、世界を彼らだけの5億人程度で支配することが彼らの目標だろう。

 

 

補足:
 

1)サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムは、ロシアのプーチン大統領が主催する国際経済フォーラムである。今年は第27回会議であり、65日から8日までの4日間、ロシアのサンクトベテルスブルグ(Saint Petersburg)で開かれた。この初日の5日には、世界16の報道機関の記者団とプーチン大統領との面談が行なわれ、日本からも共同通信社の方が参加している。日本の記者との興味ある質疑は、以下のyoutube動画(ニキータ伝)で紹介されている。

https://www.youtube.com/watch?v=c4IPjM4r-vc
 

2)このグローバリスト達の戦略モデルは、反グローバリスト達のyoutube等での発信内容を基にして、筆者がまとめたものである。主要メディアがこの類のモデルを陰謀論として片づけるのは、彼らがグローバリスト勢力のプロパガンダ機関だからである。
 

3)サウジアラビアとイランは互いに緊張関係にあった。しかし、中国の仲介で和平を樹立することになった。それでもサウジアラビアには、イランが核兵器を持てば大きな脅威である。そこで、核技術が得られるならと、バイデン政権の企みに前のめりになったのである。もしイスラエルとサウジアラビアが和平を樹立すれば、イスラエルは安心してヨルダン川西岸地区に入植し、パレスチナ人虐めが凄惨となる可能性が高い。ハマスなどパレスチナ人が孤立感を深めることは容易に想像できる。

 

4)ネオコン(新保守主義者)とは、レーニンの死後ソ連主流派を追い出されたトロツキー(ユダヤ人)一派の内、米国に逃れて民主党側に参加し、世界革命つまり政治のグローバル化を目指す中心戦力とになった人たち。尚、歴史家の茂木誠氏は、カーター政権後、米国民主党はソ連宥和路線をとることになったので、彼らは共和党側に寝返りネオコンを名乗るようになったと語っている。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12746100027.html 

 

5)日本では林千勝が現れ、日本の明治維新のからくりなどが、私のようなズブの素人にまで知られることになった。日露戦争が日本を使ったロシアとの代理戦争だった可能性が大きい。つまり、現在のウクライナ戦争のひな形が日露戦争である。
 

6)私は元々素人なので、この部分についてバランスの取れた記述は出来ません。コメントなどで教えていただければと思います。2022年の始めころのイスラエルでは、ネタニヤフの憲法改正に反対する勢力は、ウクライナに侵攻したロシアに対しても遠慮があったと記憶している。

 

7)グローバル化とは、20世紀初頭の表現ではレーニンとトロツキーが一度試みた世界帝国の建設であり、21世紀の表現ではクラウス・シュワブが主張するグレートリセットの後に新世界秩序を形成することであり、表現は異なるが同じである。反グローバリズムとは近代の主権国家体制を護る保守姿勢を意味する。

(6月10日早朝、軽編集を経て最終稿)

2024年6月6日木曜日

プーチン氏がいなかったらウクライナと同じ経済崩壊をたどっていたロシア”

 

今回は、この優れたレビュー記事を紹介します。米国のユダヤ系資本などは、ウクライナ対ロシアの戦争を、この土地の豊かな資源と土地を占有する為に緻密に戦略を立てて実行したと思われます。

 

聖書の時代からロシアはユダヤの天敵なので、それを完全に支配し富を奪い取ることは、ロシアの共産主義革命から始まる一連の戦略だろうと思います。それが失敗したのは、スターリンに実権を奪われたからでしょう。因みに、マルクス、レーニン、トロツキーらは全てユダヤ系です。

 

ここに詳細に書かれたことの概略は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まる10日ほど前に、ブログで書いていますので、リファーさせていただきます。以下のブログ記事のセクション4です。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12726626308.html

=== おわり ===

 

 

 

2024年6月3日月曜日

立憲民主党と外務省の政治ショー:韓国国会議員が竹島に渡ったことに怒る松原仁議員

 

韓国の野党「祖国革新党」の曺国代表らが513日、竹島に上陸し、対日関係を重視する尹錫悦政権を批判した。外務省は、曺氏らによる竹島上陸について、韓国政府に強く抗議したとしている。https://www.youtube.com/watch?v=oxkBmenKb00

 

 

この件について、立憲民主党の松原仁議員が衆議院外務委員会で、竹島は我が国固有の領土であるから、この不法入国に対して入管法上の処罰が可能な筈なのに、なぜそのような措置をとらないのか、刑の執行が出来なくても、判決は出せる筈だと質問している。

https://www.youtube.com/watch?v=yWv51KHpZzM

 

 

それに対して上川外務大臣は、竹島は韓国が1954年以来不法占拠し、現状日本の施政権下でなくなっており、従ってそのような対応がとれないと答弁した。つまり、我が国固有の領土であっても、現状施政権下に無い以上、そのような告発は不可能だというのである。

 

何という愚かな質疑だろうか? 松原氏と外務省がわざわざ政治ショーとしてやっているのである。この馬鹿げた質問で、松原仁氏は次回も国会議員に選んでもらえると期待しているのだろう。更に腹立たしいのは、日本のマスコミはその政治ショーに100%参加していることである。

 

松原仁議員が“竹島問題”に本気で立ち向かうなら、先ず最初に質問すべきは: ①竹島は日本固有の領土だというが、「固有の領土」とはどういう意味なのかと言う質問である。その上で、②日本の領有権を韓国が侵犯している現状を何故放置するのか、自衛隊を出動させないのは何故かと質問すべきである。

 

松原議員は、この問題の原点を確認しないで、また竹島には既に韓国の常備軍が駐留しているにも拘わらず、韓国の一国会議員が渡航したことに対して入国管理法上の措置をとらないのはおかしいのではないかと外相に質問しているのである。愚かである。そして、松原議員は国士であるとか何とか言って、誉めそやしている人たちも同様である。

 

外務省も外務省である。竹島は現在不法占拠されており、日本の施政権下にないので、そのような行政上の対応はとれないと答弁しているのである。松原議員と外務省の間で「韓国による領有権侵害そのものは問題としない」という暗黙の了解のもとで、政治ショーを共に演じているのである。

 

外務省は恐らく、竹島は敗戦時に米国に取り上げられた領土であり、日本の領土ではないと納得しているのだろう。この領有権の問題は、既に記事に書いているので、編集して再掲する。

 

 

2)日本は敗戦により竹島を失った

 

韓国による竹島占領は、李承晩ラインの設定により始まると言われている。しかし、本当はそうではない。それ以前の2本の連合国最高司令官司令(SCAPIN)において、日本領土から外されており、李承晩ラインはこのSCAPINの延長でしかない。

 

その一つは、「一部の地域を政治上及び行政上日本から暫定的に分離することに関する覚書」として19461月の連合国最高司令官司令677号(SCAPIN-677)である。その第3項は以下のようである。

 

SCAPIN-677の第3項: この指令の目的から日本と言ふ場合は次の定義による。

 

日本の範囲に含まれる地域: 日本の四主要島嶼(北海道、本州、四国、九州)と、対馬諸島、北緯30度以北の琉球(南西)諸島(口之島を除く)を含む約1千の隣接小島嶼;

日本の範囲から除かれる地域 (a)欝陵島、竹島、済州島。(b)北緯30度以南の琉球(南西)列島(口之島を含む)、伊豆、南方、小笠原、硫黄群島、及び大東群島、沖ノ鳥島、南鳥島、中ノ鳥島を含むその他の外廓太平洋全諸島。

(c)千島列島、歯舞群島(水晶、勇留、秋勇留、志発、多楽島を含む)、色丹島。

 

つまり、このSCAPIN-677により、日本から竹島、歯舞群島、色丹島などが除外されたのである。また、「日本の漁業及び捕鯨業に認可された区域に関する覚書」として、SCAPIN-1033が出され、所謂マッカーサーラインが引かれた。その第3項にリアンクル岩礁(つまり竹島)の12海里内に立ち入っては行けないと書かれているという。

 

 

そのマッカーサーラインがサンフランシスコ講和条約(1952/4/28)で消されるかもしれないと考えて、李承晩が独自に宣言したのが、李承晩ラインであり、それはマッカーサーラインと同じである。講和条約ではマッカーサーラインや竹島に関する言及は無かった。

 

日韓基本条約締結により李承晩ラインは廃止され、それに代わって日韓漁業協定が締結された。李承晩ラインの廃止までの13年間に、韓国による日本人抑留者は3,929人、拿捕された船舶数は328隻、死傷者は44人を数えた。ただ、日韓基本条約において竹島領有権には触れていない。

 

拓殖大学客員教授の濱口和久氏のニュース記事「韓国の仮想敵国は日本?」(20141128日)によると日本政府は、李承晩ラインの問題を解決するにあたり、日本人抑留者の返還と引き換えに、韓国政府の要求に応じて、常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として収監されていた在日韓国・朝鮮人472人を放免し、日本国内に自由に解放し在留特別許可を与えた。

https://web.archive.org/web/20141214163339/http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/11/24120/1128_hmg_1/

 

 

3)自民党政府の日本国民に対する二枚舌

 

先ず、以上を整理する。

 

竹島はGHQの指令(SCAPIN-677)により日本行政区域から除外された。そして、日本漁船の操業出来る区域の境界線として、マッカーサーラインを示した。(SCAPIN-1033) それらが、サンフランシスコ講和条約で廃止され、竹島が日本領土となることを恐れた李承晩は、マッカーサーラインをそのまま韓国の主権が及ぶ範囲として決定した。それが李承晩ラインである。

 

講和条約後も、日本は口先で竹島の領有権を主張したが、それにも関わらず、韓国に拿捕された漁民の日本側への引き渡しと引き換えに、日本の刑務所に服役中の重大犯や常習犯472人を釈放して、日本国内に住まわせた。

 

従って、以下のように筆者は結論する。

 

①日韓での拿捕された日本漁民と日本国内刑務所で服役中の朝鮮・韓国人犯罪者との引き渡し交渉での合意、②竹島区域に関して、SCAPIN-677の指令と異なった合意がサンフランシスコ講和条約でなされなかったこと、及び、③日韓基本条約において竹島が日本領であるとの合意がなされなかったこと、以上①—③により、実質的に日本政府は竹島を韓国領土として認めたことになる。

 

韓国の竹島領有を黙認した上で、日本が竹島領有権を主張することは、相手国の悪行(追補1)とする形で、日本に問題を解決する能力がないことを隠したいのである。サンフランシスコ講和条約後も、日本が憲法を改正して独立国にならなかったのは、米国と日本を統治している大日本帝国の生き残りがそれで良しと結託したからである。

 

同様のことが歯舞群島や色丹島の領有権の主張にも言える。SCAP-677でそれらの島々は、日本領から外された。それらの日本返還を明確に述べた日ソ共同宣言(1956/12/12)に署名し批准しながら平和条約締結を諦めたのは、米国で外交を司る国務省(米国ではどういう訳かそう呼ぶ)のトップであったダレスの恫喝によると言われている。つまり、SCAPINは未だに有効なのである。(追補2)

 

吉田茂はサンフランシスコ講和条約締結(1952/4/28)直後に、憲法改正すべきだった。それをしなかったのは、私の想像では、明治維新の際の薩長土肥政府の中で出世した自分たちとその一族、仲間たちの名誉を守るためだったのだろう。敗戦の総括がなされれば、彼らは国賊として裁かれることになるからである。(補足1)

 

政府の鳩山一郎は、1954年に総理大臣に就任している。憲法改正には、吉田茂の自由党や日本社会党の支持がなければ不可能である。日ソ共同宣言とその後の平和条約への道を創ったのは功績だったが、ダレスの恫喝を受けて、その後1223日総理大臣を辞任している。米国国務省による妨害が、日本とソ連(ロシア)との平和条約締結を妨げたとして、プーチンロシア大統領も明言している。つまり、日本は独立国としての外交が出来なかったのである。

https://www.huffingtonpost.jp/2016/12/18/putin-dulles_n_13703530.html

 

それにも関わらず、自民党日本政府が北方4島や竹島を日本領土として主張するのは、米国の属国としての日本の地位、それを選択した自分たちの売国的政策を隠すためである。そのために、悪役となったのが韓国でありロシアである。それが、世界各国が、日本は過去の戦争の結果を認めていないと言って攻撃する理由の一つだろう。

 

おわりに:

 

以上、多少皮肉な見方なのかもしれないが、日本国民は未だ自分達の国家をもっていないということになる。そして、米国政府の下で占領政治を続けているのは、薩長土肥の日本帝国の生き残りである。

 

その体制維持の為に、中央集権体制を維持している。国会議員は、実質的に中央政府からの御用聞き、或いは、地方からの陳情屋に過ぎない。その国会議員という職業を維持するために、一票の格差が2倍以上の小選挙区制という選挙制度を堅持している。

 

つまり、150年前に決定した小さな区割り(県という)から、その地方に国家から与えられる利益と直結した形で国会議員を置くのである。国家から与えられる利益が、自民党以外の人物が国会議員になれば無くなってしまう場合、その県から選ばれる議員は必然的に自民党所属議員となる。単なる御用聞きなので、知識も知性も不要であり、世襲制の方が中央政府支配層には有利である。

 

この所謂55年体制は、官僚が政治を立案し行うことで、一応体裁を整えてきた。従って、外務大臣は外務省の意見で動くのだが、外務省は米国の指示を第一に優先する。そのために、外務次官経験者が駐米大使に就くことが慣例となっていた。

 

追補:

 

1)ある国家が他国に占有されていない土地を占領し領有宣言することは正当な政治的行為である。それに異存がある国は、その旨の宣告をして外交的手段を講じるのも正当である。この外交的手段の範囲に戦争も含まれるのは、主権国家体制が始まって以降、近現代の常識である。

 

2)このことは安倍内閣の時、日露が平和条約締結にほぼ合意しながら、日本を統治するシステムの一環として存在する日米安全保障条約の規定故に断念したことがあった。歯舞色丹が日本領に戻った場合、そこにも米国が基地を設けることが可能となり、それを日本が拒絶できないからである。

 

補足:

 

1)吉田茂は、1878年高知県出身の竹内綱の5男として生まれ、1881年(明治14年)8月に、旧福井藩士で横浜の貿易商(元ジャーディン・マセソン商会・横浜支店長)・吉田健三の養子となる。養父・健三が40歳の若さで死去し、11歳の茂は莫大な遺産を相続した。(以上ウイキペディアより抜粋)

 

(18:30、20:45編集;翌早朝再編集、追補1,2を加えて最終稿とする)