1)安倍総理が解散総選挙をする理由は一つだけである。総理はこれからの北朝鮮危機に向かって、従来の安倍路線で良いのかと国民に問うているのである。それを安倍総理は遠慮がちに解散の動機の二番目に言っている。それを正しく指摘しているのは、9月28日公開された以下の動画での木村太郎氏である。https://www.youtube.com/watch?v=J5iOr9EnhzQ
この動画の中で、安藤優子というキャスターは何もわかっていないことを暴露している。また、政治評論家の伊藤惇夫氏も(3:13頃)「北朝鮮の脅威を選挙に利用するのはおかしい」と言っている。この伊藤惇夫という人は旧社会党系の人物なのかもしれない。
現在、野党がこの解散総選挙を批判しているセリフ「解散の動機は加計隠しだ」というのも、全くおかしい。そのようなことを言う野党の議員が、国会議員であり続けることを許すべきではない。
安倍さんの考え方はすでに国会でも(当然テレビ等でも)何度も出ている。憲法を改正して、米国と協力していざとなれば戦うということである。このアメリカに追従する路線をとる場合、日本にも最悪の場合であるが数十万人の死者がでるかもしれない。日本はその覚悟を問われているのである。
それと全くことなる対応もある。それは、中距離核を保持したままの北朝鮮と講和することを、日本が主張する道である。その場合は、更に二つのケースが考えられる。米国がそれでも北朝鮮制裁の軍事行動をとる場合と、日本の主張通りに最終的に核保持の北朝鮮と講和する場合である。先の場合、日本が米国の軍事行動に協力しなければ、日米同盟は崩れる。また、戦闘での死者は出ないかもしれないが、北朝鮮の崩壊と難民の流入や日本国内でのテロなどで、相当の被害がでるだろう。
後のケース、つまり、北朝鮮と現状での講和を主張する勢力の力(スーザン・ライスなど)が増し、ホワイトハウスもそれに同意した場合である。それでも、日米同盟は長期的に崩れる可能性が大きいと思う。
朝鮮半島は短期間のうちに一国二制度の連合国のような形になるだろうし、最終的には核兵器を持った統一朝鮮ができるだろう。その結果、日本は核兵器を持つ朝鮮に、捏造した慰安婦問題などでゆすられ続ける運命を背負うことになる。更に、中国が絡んでくれば、日本はチベットのような存在になる可能性が大きい。
それを防ぐには、最低でも日本は核の共有という形を米国に要請するしかない。より良いシナリオは、日本も核保持国となる道である。それは、中川昭一氏が目指した道であるが、米国は信頼できない国という烙印を日本に押して、拒否するだろう。(補足1)
それら大きく分けて二つの間の選択問題について(補足2)、国民は前回選挙では考慮していないはずだ。つまり、それが解散の動機であり、その本音がストレートに言えないところが、日本の病気(戦後、マッカーサーと彼に協力した吉田茂らの所為だろう)である。解散の動機をストレートに言えば選挙に負けると安倍総理は考えたのである。
解散総選挙の動機について、木村太郎氏と同じ趣旨の話をやはり動画で経済評論家の高橋洋一氏が言っている。https://www.youtube.com/watch?v=RV1tKFqEprY 桜SOTVを運営する水島総氏がキャストとして放送している何時ものネット放送である。
そこでは安倍総理の消費税の使い道の話は取ってつけたものであり、消費税などあげる必要もないと明確に言っている。その主張は、三橋貴明氏も独自講座を開いて啓蒙活動をしている内容と同じである。
2)小池氏は元防衛大臣であり、北朝鮮問題に関しては安倍総理とそれほど違った考え方を持っていないと思う。今回の選挙で希望の党が勝って過半数を取る様になれば、彼女が総理になるべきだろう。そのためには都知事を辞任して、衆議院選挙に立候補しなければならない。(補足3)
しかし、小池氏が立候補すれば、都政を投げ出したという批判により、「希望の党」は選挙に負けて50議席もとれないだろう。つまり、「希望の党」は現時点では、小池氏がこだわる憲法と安全保障の問題において、日本に希望を与えられない。
「希望の党」には「日本維新の会」などとともに日本の第二党を創るべく、政党としての核をしっかりと保ってもらいたい。今回の選挙で民進党のいい加減な連中を多数抱え込んでは、第二の民進党になるだけである。
補足:
1)米中国交回復の際、ニクソン(キッシンジャー)と周恩来の間で日本には核を持たせないとする密約がなされたという。
2)第3の選択として、社民党系の人が主張する現憲法を守る道がある。それは、自らの選択で中国をトップとする東アジアのヒエラルキーにおいて、統一朝鮮の下でひたすら両国に奉仕する国になる道である。
3)これまで、小池新党には否定的なことを書いてきたが、無視できない情況になってきたので、これからはより良い方向を目指して欲しいという姿勢でブログに書く。現在公表している考え方は、これまで支持してきた橋下徹氏の作った「日本維新の会」と都合で取り込んだ反原発を除いては同じである。反原発は小池氏の本音ではない可能性が大きいと思う。特に、核戦略上重要だという環境になれば、姿勢は変わるだろう。加計問題などで安倍総理を批判してきたが、小池氏の豊洲問題も同じ類と考えられないこともない。
2017年9月30日土曜日
2017年9月29日金曜日
視野の狭い独裁者的人物は、停滞期に入った国家のリーダーに相応しくない
1)国家の老齢期或いは停滞期に再興を果たすには強いリーダーシップが必要だろう。しかし、その場合でも周囲の人たちが進んで味方をするレベルの知性と美しさを持つリーダーが必要だろう。他人を排除することのみに優れた能力を発揮するタイプでは、リーダーシップが獲得できても、国家の再興には役立たないだろう。(補足1)
2)最近、日本の将来が非常に心配になってきた。中国、ロシア、米国という強国に挟まれながら、平和ボケの国民は大昔の理想論に縛られている。更に、近くに反日感情を遺伝子レベルで持つ統一朝鮮ができるかもしれないのに、一向に目覚める様子がない。この数日の政治関係のTV番組には、くだらない政治ゲームに興じる人たちの姿が見える。国家の最後の序章を演出しているような気がする。
優秀な政治グループが協力して国を興し、それを引き継いだ者が成熟させ、停滞期に入ってしばらくして、一人の独裁者が国を滅ぼす。それが国家の一生なのだろうか?政治は元々自分の分野ではないが、そのようなことを想像する。
小池百合子氏のやり方を見ていると、都民ファーストとか国民ファーストとか言いながら、結局自分ファーストの様に見える。“しがらみのない政治”を目指すと言っておられるが、その「しがらみ」を“過去の因習や制度に対するしがらみ”と善意に解釈する人が多いだろうが、私には“人間関係におけるしがらみ”という風に見える。
それは観客席からみれば、チャンバラが巧みで頼り甲斐のある親分に見えるが、近づいて内部の様子をみえれば、方々で愚痴とか独り言が聞こえてきそうな風景である。そのような景色は、過去の独裁国におおくあったのではないだろうか。例えば、大躍進運動や文化大革命で疲弊した中国の中心人物が上げられる。https://www.photo-yatra.tokyo/blog/archives/219 また、現在世界を騒がせている北の方の国の指導者もそうである。
今回の希望の党の立ち上げの時、更には、民進党との事実上の合流を決定した際、先に努力していた若狭氏と細野氏への配慮は全く見えなかった。「携帯電話が壊れたとか」言いながらグループ内部への詮索を防ぐ姿が、私には痛々しく見えた。
また、「民進党出身者でも元三権の長の様な方は受け入れられない」と発言した細野氏は、今回の“希望の党ブーム”の火付け役を果たした一人である。しかし翌日には、小池氏は(元総理も受け入れの可否は)総合的に考えて決めるとか言って、細野氏に権力の1%も渡すことを拒否した。
リーダーの目は完全に組織の外に向いており、組織の内への配慮を考える姿勢に乏しい。上に書いたように、危機的状況にある国にはふさわしいかもしれないが、長期的戦略が必要な成熟した或いは老齢期にある国家のリーダーにはふさわしくないと思う。(補足2)
安倍総理にあって小池百合子氏にないと見えるのは、自分には協力者が必要であると考える“自分を客観視できる能力”や(補足3)、協力者となるべき人物を大事にしてチームで戦うというリーダーシップである。小池氏は、大事な場面で側近から裏切られるタイプに見える。それをこれまで多くの党を渡り歩いてきたことが証明していると思う。国難の時にこのような人が国家のトップになる可能性があると考えると非常におそろしい。
補足:
1)今の日本がそのような岐路にあるかどうかは、わからない。以下の人物評も独断と偏見に満ちたものかもしれない。その点は承知しているが、このような文章を書いてアップロードしたいと思う気持ちを抑えることはできなかった。
2)老齢期の国家には複雑なシステムが存在し、それがどのように絡み合って国家の停滞を招いているのかを突き止め、その対策を立てなければならない。仮に優秀な人であったとしても、その作業は一人の能力を超えるだろう。
3)人間には主体としての自己と客体としての自己があると、以前ブログに書いた。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43168099.html 独裁者タイプであまり成功しない人には、自分を外から眺める視点に欠ける人が多いと思う。
2)最近、日本の将来が非常に心配になってきた。中国、ロシア、米国という強国に挟まれながら、平和ボケの国民は大昔の理想論に縛られている。更に、近くに反日感情を遺伝子レベルで持つ統一朝鮮ができるかもしれないのに、一向に目覚める様子がない。この数日の政治関係のTV番組には、くだらない政治ゲームに興じる人たちの姿が見える。国家の最後の序章を演出しているような気がする。
優秀な政治グループが協力して国を興し、それを引き継いだ者が成熟させ、停滞期に入ってしばらくして、一人の独裁者が国を滅ぼす。それが国家の一生なのだろうか?政治は元々自分の分野ではないが、そのようなことを想像する。
小池百合子氏のやり方を見ていると、都民ファーストとか国民ファーストとか言いながら、結局自分ファーストの様に見える。“しがらみのない政治”を目指すと言っておられるが、その「しがらみ」を“過去の因習や制度に対するしがらみ”と善意に解釈する人が多いだろうが、私には“人間関係におけるしがらみ”という風に見える。
それは観客席からみれば、チャンバラが巧みで頼り甲斐のある親分に見えるが、近づいて内部の様子をみえれば、方々で愚痴とか独り言が聞こえてきそうな風景である。そのような景色は、過去の独裁国におおくあったのではないだろうか。例えば、大躍進運動や文化大革命で疲弊した中国の中心人物が上げられる。https://www.photo-yatra.tokyo/blog/archives/219 また、現在世界を騒がせている北の方の国の指導者もそうである。
今回の希望の党の立ち上げの時、更には、民進党との事実上の合流を決定した際、先に努力していた若狭氏と細野氏への配慮は全く見えなかった。「携帯電話が壊れたとか」言いながらグループ内部への詮索を防ぐ姿が、私には痛々しく見えた。
また、「民進党出身者でも元三権の長の様な方は受け入れられない」と発言した細野氏は、今回の“希望の党ブーム”の火付け役を果たした一人である。しかし翌日には、小池氏は(元総理も受け入れの可否は)総合的に考えて決めるとか言って、細野氏に権力の1%も渡すことを拒否した。
リーダーの目は完全に組織の外に向いており、組織の内への配慮を考える姿勢に乏しい。上に書いたように、危機的状況にある国にはふさわしいかもしれないが、長期的戦略が必要な成熟した或いは老齢期にある国家のリーダーにはふさわしくないと思う。(補足2)
安倍総理にあって小池百合子氏にないと見えるのは、自分には協力者が必要であると考える“自分を客観視できる能力”や(補足3)、協力者となるべき人物を大事にしてチームで戦うというリーダーシップである。小池氏は、大事な場面で側近から裏切られるタイプに見える。それをこれまで多くの党を渡り歩いてきたことが証明していると思う。国難の時にこのような人が国家のトップになる可能性があると考えると非常におそろしい。
補足:
1)今の日本がそのような岐路にあるかどうかは、わからない。以下の人物評も独断と偏見に満ちたものかもしれない。その点は承知しているが、このような文章を書いてアップロードしたいと思う気持ちを抑えることはできなかった。
2)老齢期の国家には複雑なシステムが存在し、それがどのように絡み合って国家の停滞を招いているのかを突き止め、その対策を立てなければならない。仮に優秀な人であったとしても、その作業は一人の能力を超えるだろう。
3)人間には主体としての自己と客体としての自己があると、以前ブログに書いた。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43168099.html 独裁者タイプであまり成功しない人には、自分を外から眺める視点に欠ける人が多いと思う。
日銀とFRBのバランスシート
(表題だけ変更した。2019年11月9日)
先ず、日銀のバランスシート(BS)を以下に示す。これは今年発表されたもので、昨年度と一昨年度のBSを示している。資産の部で国際が68.5兆円増加して、417.7兆円になっているのが最も大きな変化である。国債の半分近くを日銀が持っているということは、日銀を政府の機関とみればそれだけ国家の借金が減少したことを意味する。
ただし、それに対応して負債の部に、日銀への市中銀行からの預金(ほとんどは当座預金)が増加している。
以前は当座預金にも付利と称して、0.1%の金利が支払われていたが、現在では一部にマイナス0.1%の金利となり、預金する側の市中銀行が金利を支払うことになる。キャッシュを持てないのなら、それでも金利を支払うことになるが、マイナス金利の対象はそれほど大きくないのだろう。
現在長期の割引国債は発行されていないので、日本政府が消費税を上げて借金返済に充て負債軽減を目指すのは、国債の信用低下から借り換えができない危険性を考えるからだろう。しかし、その懸念は無いと言えると思う。何故なら、これだけの国債を抱えても円の信用は高く、国債の金利も上がっていないからである。 上の図は新規発行10年もの国債の設定金利である。低下傾向がようやくゼロ金利近辺で止まったところである。
日本の経済が回っていくためには、日本人の貯蓄性向が高いために、政府はその分を使わなければならない。もちろん、外国が代わりに使ってくれても良いのだが、その場合は日本の経常収支がプラスになり、円高になってしまう。円高は、日本人が自分で稼いだ分を使わないためである。
世界の物価を比較する指標として、ビッグマックの値段を用いるのが簡単である。ビッグマックの値段は、製造やサービスなど多くの要素を含み、その種の比較に便利だからである。例えば、日本と同じ工業立国のドイツでは、ビッグマック一個が日本円で500円であるが、日本では380円(2017年のデータ;http://ecodb.net/ranking/bigmac_index.html)である。ノルウェーやスウェーデンでは660円ほどと非常に高い。つまり、安倍政権の円安政策実施後でもなお円高である。(実際には購買力平価で比較すべきである)
消費税を上げて、国民から消費意欲を失わせるのは非常にまずい政策であることは、以上の考察から明らかである。安倍総理は結局、消費税を上げることはしないだろう。
日銀のバランスシートでは、資産は日本国債が主であり、実際の信用は高い。それは米国のFRBの資産と比較しても明らかである。米国FRBの資産の大きな部分として、住宅ローン絡みの債券(かなり信用の低いものも含まれる)が半分くらいある。 上の図の赤の部分である。バーナンキ議長の時の金融緩和策の結果、実際にはそれほど信用の高くない債券溜め込むことになったので、現在FRBはその緩やかな売却を考えている。つまり、日本は国家(財務省)や中央銀行の状況は米国よりもかなり健全だと言っても良いと思う。
日本の弱点は政治である。例えば、高い「円」の信用も、日本からの資産逃避が始まれば、極めて短い時間で落ちてしまうだろう。日本政府は財政悪化を懸念して消費税の増税を考えるよりも、国家としての安定性を考えるべきである。それは、防衛であり、独自のしっかりした外交である。
長期的には政治家の質の向上が何よりも大事である。現在の自民党政治家の大半は(つまり、一部を除いて)はっきり言って、官僚の作文を読む能力しかない。もちろん、野党の政治家はそれ以下だと思う。従って、中途半端な知恵しかない大衆迎合的な野党の政治家が政権をとると、日本にとって致命的である。なぜなら、野党の政治家は、現在くだらない名前の政党を立ち上げた者たちを筆頭に、自分の無能さを自覚していないからである。
ただし、それに対応して負債の部に、日銀への市中銀行からの預金(ほとんどは当座預金)が増加している。
以前は当座預金にも付利と称して、0.1%の金利が支払われていたが、現在では一部にマイナス0.1%の金利となり、預金する側の市中銀行が金利を支払うことになる。キャッシュを持てないのなら、それでも金利を支払うことになるが、マイナス金利の対象はそれほど大きくないのだろう。
現在長期の割引国債は発行されていないので、日本政府が消費税を上げて借金返済に充て負債軽減を目指すのは、国債の信用低下から借り換えができない危険性を考えるからだろう。しかし、その懸念は無いと言えると思う。何故なら、これだけの国債を抱えても円の信用は高く、国債の金利も上がっていないからである。 上の図は新規発行10年もの国債の設定金利である。低下傾向がようやくゼロ金利近辺で止まったところである。
日本の経済が回っていくためには、日本人の貯蓄性向が高いために、政府はその分を使わなければならない。もちろん、外国が代わりに使ってくれても良いのだが、その場合は日本の経常収支がプラスになり、円高になってしまう。円高は、日本人が自分で稼いだ分を使わないためである。
世界の物価を比較する指標として、ビッグマックの値段を用いるのが簡単である。ビッグマックの値段は、製造やサービスなど多くの要素を含み、その種の比較に便利だからである。例えば、日本と同じ工業立国のドイツでは、ビッグマック一個が日本円で500円であるが、日本では380円(2017年のデータ;http://ecodb.net/ranking/bigmac_index.html)である。ノルウェーやスウェーデンでは660円ほどと非常に高い。つまり、安倍政権の円安政策実施後でもなお円高である。(実際には購買力平価で比較すべきである)
消費税を上げて、国民から消費意欲を失わせるのは非常にまずい政策であることは、以上の考察から明らかである。安倍総理は結局、消費税を上げることはしないだろう。
日銀のバランスシートでは、資産は日本国債が主であり、実際の信用は高い。それは米国のFRBの資産と比較しても明らかである。米国FRBの資産の大きな部分として、住宅ローン絡みの債券(かなり信用の低いものも含まれる)が半分くらいある。 上の図の赤の部分である。バーナンキ議長の時の金融緩和策の結果、実際にはそれほど信用の高くない債券溜め込むことになったので、現在FRBはその緩やかな売却を考えている。つまり、日本は国家(財務省)や中央銀行の状況は米国よりもかなり健全だと言っても良いと思う。
日本の弱点は政治である。例えば、高い「円」の信用も、日本からの資産逃避が始まれば、極めて短い時間で落ちてしまうだろう。日本政府は財政悪化を懸念して消費税の増税を考えるよりも、国家としての安定性を考えるべきである。それは、防衛であり、独自のしっかりした外交である。
長期的には政治家の質の向上が何よりも大事である。現在の自民党政治家の大半は(つまり、一部を除いて)はっきり言って、官僚の作文を読む能力しかない。もちろん、野党の政治家はそれ以下だと思う。従って、中途半端な知恵しかない大衆迎合的な野党の政治家が政権をとると、日本にとって致命的である。なぜなら、野党の政治家は、現在くだらない名前の政党を立ち上げた者たちを筆頭に、自分の無能さを自覚していないからである。
2017年9月28日木曜日
韓国による国際的な歴史捏造の試み:戦時売春婦強制連行説の捏造
設置されたのは、自らの体験を初めて公表した韓国の「慰安婦」金学順氏をモデルとする像と、中国・韓国・フィリピンの3人の「慰安婦」少女が手を繋ぐ像で、いずれも等身大。サンフランシスコには慰安婦正義連合(CWJC)という社団法人が建立した。除幕式には中国の羅林泉在サンフランシスコ総領事も出席し、「慰安婦強制連行は第二次大戦時に日本軍国主義者が中韓など多くの日外国の人々に対して犯した人道的犯罪だ」「サンフランシスコの慰安婦像は米国や世界各地に広く存在するホロコースト記念館、記念碑と同様、歴史を忘れないよう人々に注意を促し、侵略戦争の残酷さを世界の人々に十分に認識させることが目的だ」と述べた。
しかし、少女を日本の官憲が強制連行して慰安婦にしたという説は、完全な捏造であることは、すでに何度も書いた。その証拠資料の一つが、戦後すぐに米軍により行われた韓国人捕虜の人質からの聞き取り調査である。その一部原資料が上のコピーである。
この正確な書き下し文とその和訳(独自)を下に掲載する。 WIKISOURCEにその際の調査の全体が公開されている。https://en.wikisource.org/wiki/Composite_report_on_three_Korean_navy_civilians,_List_no.78 それによると、米国当局が韓国人捕虜から特に信頼のおける三人について聞き取り調査した結果だとの記述がある。 この資料には、鉱山などでの徴用工(conscripted worker)などについても、聞き取り調査の結果が記載されている。
この慰安婦強制連行説とそれを世界に宣伝して嘘の歴史を作ろうとしている勢力が三つ存在している。一つは恨の文化に支配された朝鮮民族(韓国)である。どうしようもないほど屈折した精神は、他人や他国を恨むことでようやく民族のアイデンティティーを獲得し、生きるエネルギーを得ているのだろう。こんな民族の国家を隣国に持つ国や民族も哀れだ。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43422836.html
二つ目は中国がこの運動に相乗りをして、外交的な武器としていくという方針だろう。そして、三つ目はアメリカの協力である。それは、慰安婦の強制連行説をデッチ上げ、ナチスのホロコーストと同様の人道的犯罪に作り上げることが目的である。つまり、あの戦争は極悪の人類の敵を殲滅するため戦争であり、広島長崎への原爆投下もその戦争に勝利するためやむを得なかったという物語で、大衆をごまかすのである。
今回の像は、韓国、中国、フィリピンの少女の像であり、この件で日本包囲網をつくろうとしていることがわかる。日本国は、この像がサンフランシスコという米国の大都市に作られたことを深刻に受け取るべきである。米国の日本に対する姿勢の検出器となるかもしれないのである。なお、大阪市はこの件で、サンフランシスコとの姉妹都市の関係を解消すると米国総領事に通告したと、中央日報日本語版は伝えている。http://japanese.joins.com/photo/788/1/178788.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jplarticlelpicture(18:20後半部分を加筆編集)
しかし、少女を日本の官憲が強制連行して慰安婦にしたという説は、完全な捏造であることは、すでに何度も書いた。その証拠資料の一つが、戦後すぐに米軍により行われた韓国人捕虜の人質からの聞き取り調査である。その一部原資料が上のコピーである。
この正確な書き下し文とその和訳(独自)を下に掲載する。 WIKISOURCEにその際の調査の全体が公開されている。https://en.wikisource.org/wiki/Composite_report_on_three_Korean_navy_civilians,_List_no.78 それによると、米国当局が韓国人捕虜から特に信頼のおける三人について聞き取り調査した結果だとの記述がある。 この資料には、鉱山などでの徴用工(conscripted worker)などについても、聞き取り調査の結果が記載されている。
この慰安婦強制連行説とそれを世界に宣伝して嘘の歴史を作ろうとしている勢力が三つ存在している。一つは恨の文化に支配された朝鮮民族(韓国)である。どうしようもないほど屈折した精神は、他人や他国を恨むことでようやく民族のアイデンティティーを獲得し、生きるエネルギーを得ているのだろう。こんな民族の国家を隣国に持つ国や民族も哀れだ。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43422836.html
二つ目は中国がこの運動に相乗りをして、外交的な武器としていくという方針だろう。そして、三つ目はアメリカの協力である。それは、慰安婦の強制連行説をデッチ上げ、ナチスのホロコーストと同様の人道的犯罪に作り上げることが目的である。つまり、あの戦争は極悪の人類の敵を殲滅するため戦争であり、広島長崎への原爆投下もその戦争に勝利するためやむを得なかったという物語で、大衆をごまかすのである。
今回の像は、韓国、中国、フィリピンの少女の像であり、この件で日本包囲網をつくろうとしていることがわかる。日本国は、この像がサンフランシスコという米国の大都市に作られたことを深刻に受け取るべきである。米国の日本に対する姿勢の検出器となるかもしれないのである。なお、大阪市はこの件で、サンフランシスコとの姉妹都市の関係を解消すると米国総領事に通告したと、中央日報日本語版は伝えている。http://japanese.joins.com/photo/788/1/178788.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jplarticlelpicture(18:20後半部分を加筆編集)
2017年9月27日水曜日
韓国の現在と李氏朝鮮の歴史:日本の今を考える
1)朴槿恵大統領の退陣の頃放映された桜SoTVの番組だと思うが、韓国の近代と現状が紹介されていた。歴代大統領とその近親者が、任期後に罪人として裁かれない例は少なく、韓国の近代史は大統領の任期後は本人或いは近親者は刑務所行きという、異常な歴史である。また、法治国家とは思えないような反日の法律や裁判(補足1)、安定しない政権と低迷する経済などについて議論されている。
その背景として色濃く存在するのは、李朝500年を含む歴史である。現在の政治体制は、そこから自力でたどり着いた訳ではないというのが、跛行的政治状況の原因と言える。https://www.youtube.com/watch?v=WX1lZVkDR10
加瀬英明氏が韓国の人から聞いた話を紹介している。それは、韓国の文化の中心にあるのは恨(ハン)であり、その恨みの対象は究極のところ、自分(自国)であるという。李朝500年の過酷な統治に対する鬱憤などが、子々孫々に渡って蓄積したものである。その結果、韓国人に愛国心がなく、富裕層であれ貧困層であれ、国民のほとんどは一族ができれば外国に移住したいと考えているという指摘があった。
朴槿恵元大統領が言った、「日本に対する1000年の恨み」があるというのも、同じ恨の文化で説明可能である。それは、朝鮮侵略を企てた日本に対する恨みと同時に、それを許した自国に対する恨みなのだろう。韓国人女性の70%が美容整形しているという事実も、自分に対する否定的心理が影響しているように思う。(補足2)何という屈折した文化なのだろうか。
李氏朝鮮(李朝)は、1392年に高麗の李成桂が明から朝鮮王を下賜された時から1910年の日韓併合までの朝鮮王朝である。豊臣秀吉の朝鮮出兵時は明の支援を得てようやく属国化を逃れたが、それも秀吉の死が朝鮮には幸いした様である。19世紀末には、ロシアの南下に対抗すべく日本軍が出兵したときも、独自防衛の力はなく、清が支援のために朝鮮に兵を出し、日清戦争となった。清は日本に敗れて、朝鮮は日本に併合された。
何故李氏朝鮮は独自の防衛をしなかったのだろうか? 朝鮮半島は、北にロシア、西に中国、東に日本に隣接している。三方に独自の軍事力で対抗することが困難なために、中国にその防衛を依存することになった。その宗主国・中国(つまり、明や清)に対して、逆らう意思を否定するためには、強力な独自の軍事力が持てなかったのだろう。そしてそれが、日本の侵略を可能にしてしまったのである。つまり、朝鮮半島という地政学的に特徴的な位置に、比較的小さい民族が定着したことが、厳しい歴史の原因なのである。
2)その李氏朝鮮の国際状況が、現在の日本の置かれた状況に似ている。日本を取り巻く3つの強国は、ロシア、米国、中国である。朝鮮と中国の同盟関係(冊封体制)に相当するのが、日米同盟である。日本は19世紀の朝鮮と同様、大国の保護国のような立場にあることを否定する人は居ないだろう。(補足3)
更に、日本は第二次大戦で大敗し、その後の米国統治で日本人の洗脳が行われた。所謂WGIP(War Guilt Information Program)である。http://www.sankei.com/life/news/150408/lif1504080003-n1.html それは、日本が戦争時に非常に罪深いことを行ったと日本国民に思い込ませ、日本から軍隊に対する忌避反応を植え付けた。日米安保条約は、日本の軍備に蓋をするという米国の戦略の結果であった。所謂「瓶の蓋論」である。
経緯は異るだろうが、その結果は同じである。李氏朝鮮のように防衛は専ら外国に依存することになってしまった。清は日本の侵略から朝鮮を守れなかったが、同様に中国から侵略があれば米国は日本を守れない可能性が高い。その場合は、米国と中国の直接交渉により日本の帰趨は決定されるだろう。
更に、現在の日本をはじめ多くの国では、グローバル経済の所為で貧富の差が広がりはじめた。一般にジニ係数が0.4を超えると暴動などが起こる危険性が増加すると言われているが、日本の値(0.379)はそれに相当近づいて居る。昨年2月、働きに出るべく保育園に子供をあずけようと応募した女性が話題になった。その女性が「保育園落ちた、日本死ね」という言葉をネットにアップロードしたからである。そこには愛国心の欠片も感じられない。
つまり、近未来の日本は、現在の韓国の置かれた状況の様に思われ、非常に心配である。ポピュリズムと外国の諜報活動に混ぜ返され、独自防衛が出来ない国である。
補足:
1)反日法は日本統治に協力した人の当時の財産を没収する法である。法の不遡及の原則に反し、韓国は法治国家とは言えない。
2)あるテレビ番組で、整形前後の女学生の家庭の様子が報道されていたのを鮮明に覚えている。整形前には、家に来客があると、その子の容姿が優れないために客の前に現れることを、親に禁じられていた。整形後、親は子供を自慢に思う様になったのである。
3)日本が国連の常任理事国にふさわしく無い理由として、米国の票が二票になるだけだからだという人もいる。
その背景として色濃く存在するのは、李朝500年を含む歴史である。現在の政治体制は、そこから自力でたどり着いた訳ではないというのが、跛行的政治状況の原因と言える。https://www.youtube.com/watch?v=WX1lZVkDR10
加瀬英明氏が韓国の人から聞いた話を紹介している。それは、韓国の文化の中心にあるのは恨(ハン)であり、その恨みの対象は究極のところ、自分(自国)であるという。李朝500年の過酷な統治に対する鬱憤などが、子々孫々に渡って蓄積したものである。その結果、韓国人に愛国心がなく、富裕層であれ貧困層であれ、国民のほとんどは一族ができれば外国に移住したいと考えているという指摘があった。
朴槿恵元大統領が言った、「日本に対する1000年の恨み」があるというのも、同じ恨の文化で説明可能である。それは、朝鮮侵略を企てた日本に対する恨みと同時に、それを許した自国に対する恨みなのだろう。韓国人女性の70%が美容整形しているという事実も、自分に対する否定的心理が影響しているように思う。(補足2)何という屈折した文化なのだろうか。
李氏朝鮮(李朝)は、1392年に高麗の李成桂が明から朝鮮王を下賜された時から1910年の日韓併合までの朝鮮王朝である。豊臣秀吉の朝鮮出兵時は明の支援を得てようやく属国化を逃れたが、それも秀吉の死が朝鮮には幸いした様である。19世紀末には、ロシアの南下に対抗すべく日本軍が出兵したときも、独自防衛の力はなく、清が支援のために朝鮮に兵を出し、日清戦争となった。清は日本に敗れて、朝鮮は日本に併合された。
何故李氏朝鮮は独自の防衛をしなかったのだろうか? 朝鮮半島は、北にロシア、西に中国、東に日本に隣接している。三方に独自の軍事力で対抗することが困難なために、中国にその防衛を依存することになった。その宗主国・中国(つまり、明や清)に対して、逆らう意思を否定するためには、強力な独自の軍事力が持てなかったのだろう。そしてそれが、日本の侵略を可能にしてしまったのである。つまり、朝鮮半島という地政学的に特徴的な位置に、比較的小さい民族が定着したことが、厳しい歴史の原因なのである。
2)その李氏朝鮮の国際状況が、現在の日本の置かれた状況に似ている。日本を取り巻く3つの強国は、ロシア、米国、中国である。朝鮮と中国の同盟関係(冊封体制)に相当するのが、日米同盟である。日本は19世紀の朝鮮と同様、大国の保護国のような立場にあることを否定する人は居ないだろう。(補足3)
更に、日本は第二次大戦で大敗し、その後の米国統治で日本人の洗脳が行われた。所謂WGIP(War Guilt Information Program)である。http://www.sankei.com/life/news/150408/lif1504080003-n1.html それは、日本が戦争時に非常に罪深いことを行ったと日本国民に思い込ませ、日本から軍隊に対する忌避反応を植え付けた。日米安保条約は、日本の軍備に蓋をするという米国の戦略の結果であった。所謂「瓶の蓋論」である。
経緯は異るだろうが、その結果は同じである。李氏朝鮮のように防衛は専ら外国に依存することになってしまった。清は日本の侵略から朝鮮を守れなかったが、同様に中国から侵略があれば米国は日本を守れない可能性が高い。その場合は、米国と中国の直接交渉により日本の帰趨は決定されるだろう。
更に、現在の日本をはじめ多くの国では、グローバル経済の所為で貧富の差が広がりはじめた。一般にジニ係数が0.4を超えると暴動などが起こる危険性が増加すると言われているが、日本の値(0.379)はそれに相当近づいて居る。昨年2月、働きに出るべく保育園に子供をあずけようと応募した女性が話題になった。その女性が「保育園落ちた、日本死ね」という言葉をネットにアップロードしたからである。そこには愛国心の欠片も感じられない。
つまり、近未来の日本は、現在の韓国の置かれた状況の様に思われ、非常に心配である。ポピュリズムと外国の諜報活動に混ぜ返され、独自防衛が出来ない国である。
補足:
1)反日法は日本統治に協力した人の当時の財産を没収する法である。法の不遡及の原則に反し、韓国は法治国家とは言えない。
2)あるテレビ番組で、整形前後の女学生の家庭の様子が報道されていたのを鮮明に覚えている。整形前には、家に来客があると、その子の容姿が優れないために客の前に現れることを、親に禁じられていた。整形後、親は子供を自慢に思う様になったのである。
3)日本が国連の常任理事国にふさわしく無い理由として、米国の票が二票になるだけだからだという人もいる。
2017年9月26日火曜日
希望という名のあなたを訪ねて、北から吹く風に乗り宛てなき旅にでる
若狭と細野は、バカにされても小池に付いていくだろう。旗揚げの時に備えて新党の綱領を必死に考えても、そしてその草稿を見た瞬間に所詮この程度の文章しか書けない無能の輩と言われても、小池には逆らえない。無能であることは、小池がリセットという荒技を使うことが読めなかったことで、完璧に証明された。若狭や細野を選んだ選挙民も一緒にバカにされたことになるのだが、それには気がつかないだろう。
その「希望の党」に、松原も、柿沢も合流するという。小池を政治家として選ぶことが危険な賭けであることは、探偵気取りで豊洲移転問題を掘り返したことで明らかだ。しかし小池には、ヤクザの女親分の風格はある。惚れ込む男どもの気持ちも、全くわからない訳ではない。しかし、若狭と細野の醜態を見た後に馳せ参じる二人には、いったい小池のどこを見ているのか聞いて見たいものだ。
「風がない時には、自分が崖から飛び降りて風を起こせ」という小沢親分の言葉だったということだが、所詮「風まかせ」の政治屋の発想だ。風に乗ることばかり考える政治では、国家を破滅させる。「希望の党」という名前は面白い。希望とは実現しそうにないほどの希な望みだから、国が滅んでも「新生日本は、今後の国際的な風向次第ですね」という言葉が、彼らには残されているのだろう。
明治から昭和初期の日本も同じ様な風まかせで進み、70年前に国を潰したのではないだろうか。西洋が起こした植民地主義の大きな風の最後のひと吹きにのり、朝鮮、満州、中国へと進んで行ったのだが、地道に自分が育てた力、つまり実力で進んだのではなかったのだ。
逆風に乗るのが高く揚がるコツだという人もいるが、北風がきつい昨今の嵐の中で母屋が倒れるかもしれない時に、自分の凧揚げに悦にいる姿は醜い。無役の国会議員、地方の首長、市会議員と雖も、今は国家の存続を必死に考える時ではないのか。今度潰れれば、日本民族はディアスポラの哀歌を歌うことになる。
希望という名のあなたを訪ねて、遠い国へとまた汽車にのる。あなたは昔の私の思い出。。。私の旅は終わりのない旅。。。。
https://www.youtube.com/watch?v=mzHqDtcPBvw
その「希望の党」に、松原も、柿沢も合流するという。小池を政治家として選ぶことが危険な賭けであることは、探偵気取りで豊洲移転問題を掘り返したことで明らかだ。しかし小池には、ヤクザの女親分の風格はある。惚れ込む男どもの気持ちも、全くわからない訳ではない。しかし、若狭と細野の醜態を見た後に馳せ参じる二人には、いったい小池のどこを見ているのか聞いて見たいものだ。
「風がない時には、自分が崖から飛び降りて風を起こせ」という小沢親分の言葉だったということだが、所詮「風まかせ」の政治屋の発想だ。風に乗ることばかり考える政治では、国家を破滅させる。「希望の党」という名前は面白い。希望とは実現しそうにないほどの希な望みだから、国が滅んでも「新生日本は、今後の国際的な風向次第ですね」という言葉が、彼らには残されているのだろう。
明治から昭和初期の日本も同じ様な風まかせで進み、70年前に国を潰したのではないだろうか。西洋が起こした植民地主義の大きな風の最後のひと吹きにのり、朝鮮、満州、中国へと進んで行ったのだが、地道に自分が育てた力、つまり実力で進んだのではなかったのだ。
逆風に乗るのが高く揚がるコツだという人もいるが、北風がきつい昨今の嵐の中で母屋が倒れるかもしれない時に、自分の凧揚げに悦にいる姿は醜い。無役の国会議員、地方の首長、市会議員と雖も、今は国家の存続を必死に考える時ではないのか。今度潰れれば、日本民族はディアスポラの哀歌を歌うことになる。
希望という名のあなたを訪ねて、遠い国へとまた汽車にのる。あなたは昔の私の思い出。。。私の旅は終わりのない旅。。。。
https://www.youtube.com/watch?v=mzHqDtcPBvw
2017年9月25日月曜日
小池都知事は次の仕事の前に、今の抱えている市場問題などを片付けてほしいものだ
先ほど、若狭氏と細野氏が共同で新党を立ち上げ、その代表に小池都知事を担ぎ上げようとしているという土曜日の新聞記事についてコメント(直前の記事)を書いたら、その直後に小池氏の記者会見の模様がテレビに出た。小池氏は代表に担ぎあげられるのではなく、その新党を乗っ取り(補足1)、それに「希望の党」という名前をつけたということである。
今までの準備は一旦白紙に戻して、綱領つくりから自分が中心になってやると言って居る。小池氏らしいやり方だが、若狭と細野のアホ面が見てみたいものだ。散々都政をかき混ぜた小池氏だが、あまり面白くない結果になったので、今度は国政に重点的に関わることにしたということだろう。
豊洲問題とかどうするのだろうか。片手間にやれるということなのか。次の仕事の前に、今の仕事を片付けて欲しいものだ。この手のやり方に付き合う国民がいるのなら、その分の議席はしょうがないが、この緊急事態の時に国政もかき混ぜるつもりなら、迷惑な話だ。
記者会見では、荒い現状認識が書かれたプレートを出して、なにやら説明していたが、要は希望が持てる政治にするということらしい。憲法の議論も避けてはいけないと書かれていたが、9条だけで話を絞るのはよくないと言っていた。防衛問題についても、憲法との関連では何も語っていない。
憲法改正に関して話すのなら、9条第二項をどうするかを言わなければ意味がない。大事なことはなにも言わない。言えないから言わないのだが、それを誤魔化そうとしている。夢や希望を語るだけなら、一人か二人の間だけにしてほしいものだ。
兎に角、東京都政を軌道にのせ、豊洲移転も損害ができるだけ小さくなるような形で片付けてもらいたい。あんな調子で国政に参加されたら危なっかしくてしょうがない。まあマスコミは、日本の政治を混乱させるのが目的のものが多いから、小池新党を宣伝するだろうが、賢明な方なら(政治家も有権者も)こんな政党には参加しないだろう。
補足: 1)乗っ取るというのは穏やかな表現ではない。しかし、細野と若狭の両氏が準備した綱領などもリセットして一から自分が関わるというのだから、乗っ取るという表現が妥当だろう。
今までの準備は一旦白紙に戻して、綱領つくりから自分が中心になってやると言って居る。小池氏らしいやり方だが、若狭と細野のアホ面が見てみたいものだ。散々都政をかき混ぜた小池氏だが、あまり面白くない結果になったので、今度は国政に重点的に関わることにしたということだろう。
豊洲問題とかどうするのだろうか。片手間にやれるということなのか。次の仕事の前に、今の仕事を片付けて欲しいものだ。この手のやり方に付き合う国民がいるのなら、その分の議席はしょうがないが、この緊急事態の時に国政もかき混ぜるつもりなら、迷惑な話だ。
記者会見では、荒い現状認識が書かれたプレートを出して、なにやら説明していたが、要は希望が持てる政治にするということらしい。憲法の議論も避けてはいけないと書かれていたが、9条だけで話を絞るのはよくないと言っていた。防衛問題についても、憲法との関連では何も語っていない。
憲法改正に関して話すのなら、9条第二項をどうするかを言わなければ意味がない。大事なことはなにも言わない。言えないから言わないのだが、それを誤魔化そうとしている。夢や希望を語るだけなら、一人か二人の間だけにしてほしいものだ。
兎に角、東京都政を軌道にのせ、豊洲移転も損害ができるだけ小さくなるような形で片付けてもらいたい。あんな調子で国政に参加されたら危なっかしくてしょうがない。まあマスコミは、日本の政治を混乱させるのが目的のものが多いから、小池新党を宣伝するだろうが、賢明な方なら(政治家も有権者も)こんな政党には参加しないだろう。
補足: 1)乗っ取るというのは穏やかな表現ではない。しかし、細野と若狭の両氏が準備した綱領などもリセットして一から自分が関わるというのだから、乗っ取るという表現が妥当だろう。
日本政治の現状と対策:新党「希望」に希望はあるのか
1)新党「希望」
土曜日の読売新聞(13版)一面記事によると、若狭・細野氏が結成を考えている政党名を「希望」とすることで調整しているという。党首に打診している小池百合子氏の意向が反映されたということである。(補足1) そして、新しい党の綱領には「現実的な外交安全保障」や「情報公開」をあげるつもりであるという。現実的な外交安全保障とはなにか。現実的の反対語は希望的、原理的或いは理想的などである。政党名と矛盾するではないか。これら綱領の予定とする事柄と政党名の矛盾は、新党旗揚げの背景に、何の政治的要請や哲学的理由もないことを示している。
だいたい、小池氏の都政のどこを評価して、彼らが小池氏の下に馳せ参じるのか? 彼女は、歴代の都の行政が準備して来た築地から豊洲への中央卸売市場への移転を、非科学的な屁理屈を並べて中止し、当事者と都に多大な損害を出しただけではないのか?https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42953114.html
彼らは、衆愚政治のトップランナーの下に入り、水面に浮かぶ多量の軽い票を掬い取ろうあつまった人間たちの様に見えてしまう。浅知恵が、衆愚に受けそうな政党名と、それに矛盾する党綱領(予定)における目標設定に現れている。現実的な外交安全保障というのなら、先ず明確に現在の北朝鮮の核装備にどう対応するのかについて発言すべきである。
情報公開というのが、森友問題とか加計問題とかに関する情報を指すのでは、あまりにも国民をバカにしている。そのような小さい問題ではなく、「重大な情報が隠されている可能性があり、それは何と何だ」と明確に言ってもらいたい。それらの目標が過去に所属した政党では何故果たせないのか、その理由も名言すべきである。何も言えないだろう。
私はこれを見て、下らないこれまでのレベルの政党が一つまたできるだけだと思った。「希望」と言う政党名しか思い浮かばなかったのは、要するに、彼らにとっての明確な目標は、国会議員としての椅子だけだからだろう。
現在の政治の欠陥や、その欠陥の根元にある原因が明確に見えているのなら、それを党名に入れたくなる筈である。希望の反対は絶望なのだから、他の政党が日本国民にとって絶望的な場合のみ、その名称は(日本国民が支持すべき)新党にふさわしい。
もしそうなら、今まで所属していた政党が、日本国民にとって絶望的である理由を明確且つ具体的に言うべきである。それが、今後新党が目指す「希望」の方向を示すことになるだろう。
2)現在日本の政治は誰の利益を代表しているのか?
常に問題になるのは、「現在の政治は、一体誰の利益を代表しているのか?」という点である。それは日本国民一般なのか、それとも一部の人間なのか、それとも政治家自身なのか?
江崎鉄磨議員が「官僚の作った作文をしっかり読む」と発言示したように(http://singleprincess-vacation.com/ezaki-tetsuma/)、現在の政治は 官僚主導であり、政治家は舞台で脚本をもらって演じている役者或いは人形劇の人形に過ぎない。これまでの私の知識を総合すると、現在の官僚主導の政治とは、GHQ支配下の政治の延長である。
つまり、重要なことは、日本国の最高権力者は、日本国民がその構成員を選ぶ国会ではなく、米国であるということである。米国からの要望(或いは、誘導とか命令)で、外交や行政の方向が90%決定される。その中身(表紙は別にして)を先ず官僚が最初に知り理解し、残りの10%はそれを政治家が“国会で読む”(=裁可する)ことである。
例えば、経済的な面では、毎年年次改革要望書という文書が日本と米国の間で作られる。日本はそれに沿う形で、経済運営或いは改革を行う。外交や軍事などに関しても、随時日米協議が行われているだろう。
しかし、日本が国家の生存を米国に完全依存する体制下にある以上、日本の政治的外交的方向を米国が主に決定することは、多くの知的な人間には苛立つ現実だとしても、自然なことである。あの様な憲法を持つということは、つまり、日本の政治をGHQとその延長上にあるワシントンの担当官が決めることと同義だと思うのである。
新党を結成するのなら、そして以上の様な事柄が理解できているのなら、それらをどう打破するのか、そのような日本を継承するのかを先ず明らかにすべきである。そして、それを打破するというのなら、その目標設定と方法論を具体的な形で政治綱領に盛らなければならないし、それにふさわしい党名であるべきだ。
つまり、新党を結成するというのなら、先ず憲法をどうすべきかそれを明らかにすべきである。それができないのなら、国会議員などを目指さずに下野すべきである。
3)無能な政治家を生む歴史的背景について:
日本には、何故無能な政治家しか出てこないのか、それには一つ根本的原因があると思う。
政治を行うということに対する重みを理解する人間には、政治家になることは人生における大きな賭けとなる。その逆に、政治を行うことで得られる利益を大きく感じる人間には、その仕事の重みを理解できない愚かな人間が多い。従って、愛国心や民族意識が正常でない国家の代表である日本国には、政治の重みを理解しながら、自分の大事な一生をそれにかける覚悟を持つ人間が多く現れないのである。(補足2)
日本の政治における根本的欠陥は、国民全体が日本国民であるという民族意識を喪失していることに起因すると思う。その結果、現在政治家の家系、芸能やスポーツ界の人気者、それに元官僚(補足3)が国会議員になるが、彼らが優秀な政治家になる確率の期待値は小さい。
その根本的問題が生じそれが解消しないのは、第二次世界大戦での敗戦とその後の国土や国民の疲弊は、日本人としての誇りや自覚を喪失させるものであっただろうし、その泥沼から日本民族を救う気持ちなど毛頭ない政治家が戦争直後の政治を担ったからだと思う。(補足4)それも一概に非難できないのは、それほど過去の戦争とそこに至る日本の政治が酷かったからだと思う。
そのように芋づる式に原因を探れば、現在の政治の根本的欠陥は、更に遡って明治維新以降の日本は近代化路線の企画も外国が行ったからだということになる。(補足5)
この泥沼的状況から抜け出すには、即効薬的な方法はないだろう。長期的視野での対策としては、歴史教育においては、近代史を重点とすべきことである。短期的視野で思い当たる改革としては、これまでの政治家製造システム(補足6)を完全に破潰し、一票の格差を限りなくゼロに近づけること、及び国会議員定数の大幅縮減である。政治家は国家全体を視野に入れる人間を広く1億人のなかから選び、地方の小さい利益を代表するような政治家を無くするべきである。
最後に、先に述べた歴史教育以外にも、日本の教育に対する考え方も大幅に変えるべきだと思う。現在、日本の教育は国家の方針として理系に重点が置かれているが、それは間違いだと思う。
人は、社会をつくる高等生物である。従って、人は自分自身と社会に本来最も関心がある筈である。それにも関わらず、国家の優遇策や経済的理由からだと思うが、高校生が希望するのは理系や医系の学科である。
現在世界は、自然科学の成果としてできあがた現代の科学技術文明を消化できないでいる。それを消化できる可能性があるのは、人と人のつくる社会に対する理解とそれによる社会の未来像の構築であると思う。是非それらに貢献する社会科学者や哲学者が日本から出て欲しいと思う。
補足:
1)「党首に要請している人の意向を反映して、政党の名称を調整する」という文章を、読売新聞の記者或いは編集者は平気で紙面に掲載している。若狭氏と細野氏はアホであると、言っているに等しいのだが、それには気付いていないだろう。
2)あまり詳しく政界のことを知らないのだが、数少ないリスクを取って政治にたずさわって居る人の中に、現総理をはじめ何人かの人が(二世ではあるが)入るように思う。
3)官僚は、政治家的メンタリティーを最も持たない人種である。戦後の官僚的自民党政治家は、宮澤喜一や福田赳夫などであり、官僚的でない自民党政治家は田中角栄、小泉純一郎などである。岸信介や中曽根康弘は元官僚だが、官僚的な感じが少ない様に見えるものの、其々両岸とか風見鶏と言われた。
4)その代表が、戦後マッカーサーの良き協力者であった吉田茂であり、その補佐として実力を誇った白洲次郎などであると思う。中曽根康弘氏の回想録でも、吉田茂についてはあまり良い印象が語られていない。
5)原田伊織著、「明治維新という過ち」などにも、英国の強い影響が書かれている。ほかに、半藤一利著「幕末史」や井上勝生著「幕末・維新」などにも同様の記述がある。2年前のブログにそれに関するブログ記事を書いている。
6)政治家を田舎から過重に選ぶシステムがある。それは政治を家業にして、無能な政治家を多量に政界に送り込んでいる。また、彼らが勢力を維持するために、芸能界とスポーツ界を利用して、人気者を政治家としている。更に、政治家的メンタリティーを最も持たない人種である官僚の世界から、政治家を供給している。
土曜日の読売新聞(13版)一面記事によると、若狭・細野氏が結成を考えている政党名を「希望」とすることで調整しているという。党首に打診している小池百合子氏の意向が反映されたということである。(補足1) そして、新しい党の綱領には「現実的な外交安全保障」や「情報公開」をあげるつもりであるという。現実的な外交安全保障とはなにか。現実的の反対語は希望的、原理的或いは理想的などである。政党名と矛盾するではないか。これら綱領の予定とする事柄と政党名の矛盾は、新党旗揚げの背景に、何の政治的要請や哲学的理由もないことを示している。
だいたい、小池氏の都政のどこを評価して、彼らが小池氏の下に馳せ参じるのか? 彼女は、歴代の都の行政が準備して来た築地から豊洲への中央卸売市場への移転を、非科学的な屁理屈を並べて中止し、当事者と都に多大な損害を出しただけではないのか?https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42953114.html
彼らは、衆愚政治のトップランナーの下に入り、水面に浮かぶ多量の軽い票を掬い取ろうあつまった人間たちの様に見えてしまう。浅知恵が、衆愚に受けそうな政党名と、それに矛盾する党綱領(予定)における目標設定に現れている。現実的な外交安全保障というのなら、先ず明確に現在の北朝鮮の核装備にどう対応するのかについて発言すべきである。
情報公開というのが、森友問題とか加計問題とかに関する情報を指すのでは、あまりにも国民をバカにしている。そのような小さい問題ではなく、「重大な情報が隠されている可能性があり、それは何と何だ」と明確に言ってもらいたい。それらの目標が過去に所属した政党では何故果たせないのか、その理由も名言すべきである。何も言えないだろう。
私はこれを見て、下らないこれまでのレベルの政党が一つまたできるだけだと思った。「希望」と言う政党名しか思い浮かばなかったのは、要するに、彼らにとっての明確な目標は、国会議員としての椅子だけだからだろう。
現在の政治の欠陥や、その欠陥の根元にある原因が明確に見えているのなら、それを党名に入れたくなる筈である。希望の反対は絶望なのだから、他の政党が日本国民にとって絶望的な場合のみ、その名称は(日本国民が支持すべき)新党にふさわしい。
もしそうなら、今まで所属していた政党が、日本国民にとって絶望的である理由を明確且つ具体的に言うべきである。それが、今後新党が目指す「希望」の方向を示すことになるだろう。
2)現在日本の政治は誰の利益を代表しているのか?
常に問題になるのは、「現在の政治は、一体誰の利益を代表しているのか?」という点である。それは日本国民一般なのか、それとも一部の人間なのか、それとも政治家自身なのか?
江崎鉄磨議員が「官僚の作った作文をしっかり読む」と発言示したように(http://singleprincess-vacation.com/ezaki-tetsuma/)、現在の政治は 官僚主導であり、政治家は舞台で脚本をもらって演じている役者或いは人形劇の人形に過ぎない。これまでの私の知識を総合すると、現在の官僚主導の政治とは、GHQ支配下の政治の延長である。
つまり、重要なことは、日本国の最高権力者は、日本国民がその構成員を選ぶ国会ではなく、米国であるということである。米国からの要望(或いは、誘導とか命令)で、外交や行政の方向が90%決定される。その中身(表紙は別にして)を先ず官僚が最初に知り理解し、残りの10%はそれを政治家が“国会で読む”(=裁可する)ことである。
例えば、経済的な面では、毎年年次改革要望書という文書が日本と米国の間で作られる。日本はそれに沿う形で、経済運営或いは改革を行う。外交や軍事などに関しても、随時日米協議が行われているだろう。
しかし、日本が国家の生存を米国に完全依存する体制下にある以上、日本の政治的外交的方向を米国が主に決定することは、多くの知的な人間には苛立つ現実だとしても、自然なことである。あの様な憲法を持つということは、つまり、日本の政治をGHQとその延長上にあるワシントンの担当官が決めることと同義だと思うのである。
新党を結成するのなら、そして以上の様な事柄が理解できているのなら、それらをどう打破するのか、そのような日本を継承するのかを先ず明らかにすべきである。そして、それを打破するというのなら、その目標設定と方法論を具体的な形で政治綱領に盛らなければならないし、それにふさわしい党名であるべきだ。
つまり、新党を結成するというのなら、先ず憲法をどうすべきかそれを明らかにすべきである。それができないのなら、国会議員などを目指さずに下野すべきである。
3)無能な政治家を生む歴史的背景について:
日本には、何故無能な政治家しか出てこないのか、それには一つ根本的原因があると思う。
政治を行うということに対する重みを理解する人間には、政治家になることは人生における大きな賭けとなる。その逆に、政治を行うことで得られる利益を大きく感じる人間には、その仕事の重みを理解できない愚かな人間が多い。従って、愛国心や民族意識が正常でない国家の代表である日本国には、政治の重みを理解しながら、自分の大事な一生をそれにかける覚悟を持つ人間が多く現れないのである。(補足2)
日本の政治における根本的欠陥は、国民全体が日本国民であるという民族意識を喪失していることに起因すると思う。その結果、現在政治家の家系、芸能やスポーツ界の人気者、それに元官僚(補足3)が国会議員になるが、彼らが優秀な政治家になる確率の期待値は小さい。
その根本的問題が生じそれが解消しないのは、第二次世界大戦での敗戦とその後の国土や国民の疲弊は、日本人としての誇りや自覚を喪失させるものであっただろうし、その泥沼から日本民族を救う気持ちなど毛頭ない政治家が戦争直後の政治を担ったからだと思う。(補足4)それも一概に非難できないのは、それほど過去の戦争とそこに至る日本の政治が酷かったからだと思う。
そのように芋づる式に原因を探れば、現在の政治の根本的欠陥は、更に遡って明治維新以降の日本は近代化路線の企画も外国が行ったからだということになる。(補足5)
この泥沼的状況から抜け出すには、即効薬的な方法はないだろう。長期的視野での対策としては、歴史教育においては、近代史を重点とすべきことである。短期的視野で思い当たる改革としては、これまでの政治家製造システム(補足6)を完全に破潰し、一票の格差を限りなくゼロに近づけること、及び国会議員定数の大幅縮減である。政治家は国家全体を視野に入れる人間を広く1億人のなかから選び、地方の小さい利益を代表するような政治家を無くするべきである。
最後に、先に述べた歴史教育以外にも、日本の教育に対する考え方も大幅に変えるべきだと思う。現在、日本の教育は国家の方針として理系に重点が置かれているが、それは間違いだと思う。
人は、社会をつくる高等生物である。従って、人は自分自身と社会に本来最も関心がある筈である。それにも関わらず、国家の優遇策や経済的理由からだと思うが、高校生が希望するのは理系や医系の学科である。
現在世界は、自然科学の成果としてできあがた現代の科学技術文明を消化できないでいる。それを消化できる可能性があるのは、人と人のつくる社会に対する理解とそれによる社会の未来像の構築であると思う。是非それらに貢献する社会科学者や哲学者が日本から出て欲しいと思う。
補足:
1)「党首に要請している人の意向を反映して、政党の名称を調整する」という文章を、読売新聞の記者或いは編集者は平気で紙面に掲載している。若狭氏と細野氏はアホであると、言っているに等しいのだが、それには気付いていないだろう。
2)あまり詳しく政界のことを知らないのだが、数少ないリスクを取って政治にたずさわって居る人の中に、現総理をはじめ何人かの人が(二世ではあるが)入るように思う。
3)官僚は、政治家的メンタリティーを最も持たない人種である。戦後の官僚的自民党政治家は、宮澤喜一や福田赳夫などであり、官僚的でない自民党政治家は田中角栄、小泉純一郎などである。岸信介や中曽根康弘は元官僚だが、官僚的な感じが少ない様に見えるものの、其々両岸とか風見鶏と言われた。
4)その代表が、戦後マッカーサーの良き協力者であった吉田茂であり、その補佐として実力を誇った白洲次郎などであると思う。中曽根康弘氏の回想録でも、吉田茂についてはあまり良い印象が語られていない。
5)原田伊織著、「明治維新という過ち」などにも、英国の強い影響が書かれている。ほかに、半藤一利著「幕末史」や井上勝生著「幕末・維新」などにも同様の記述がある。2年前のブログにそれに関するブログ記事を書いている。
6)政治家を田舎から過重に選ぶシステムがある。それは政治を家業にして、無能な政治家を多量に政界に送り込んでいる。また、彼らが勢力を維持するために、芸能界とスポーツ界を利用して、人気者を政治家としている。更に、政治家的メンタリティーを最も持たない人種である官僚の世界から、政治家を供給している。
2017年9月22日金曜日
日本&米国両政府の貸借対照表
自民党政権は消費税を10%に上げ、デフレの苦しみを再度繰り返そうとしていると三橋貴明氏が批判している。https://www.youtube.com/watch?v=4UH4rNe61W8
その背後に居るのが財務省であり、財務省の目指すのはプライマリーバランスであり、消費税はその一環であるという。つまり、日本の経済環境下で、政府は借金を増やさないで経済を発展させるのが良いし、それが可能であると考えているらしい。
三橋氏は、与野党を問わず政治家達が心配している政府の大きな借金について、差し当たり国債の暴落などの心配などなく、現在はデフレの克服のために増税などしない方が良いと言っている。その理由は、国債の殆どを国内で持っているからである。そこで、そのあたりを我流で考えてみた。もっとも手取り早いのは、米国と日本の貸借対照表を比較してみることだと思う。
1)日本と外国の財務環境を比較する際、世界の基軸通貨発行国との比較では当てにならないという考えもある。しかし、米国のデータは比較的簡単に入手できるので、比較対象とした。
ちょっと周り道だが、米国の債務を表すグラフが見つかったので上に示す。全体で20兆ドルを超えており、日本同様に批判がある。税金を支払う人一人当たり、100万ドルを超えるという批判がわかりやすい。 http://www.marketwatch.com/story/heres-how-the-us-got-to-20-trillion-in-debt-2017-03-30
日本円では2500兆円位だろう。しかし、全債務とは要するに貸借対照表片方のトータル額であり、健全性の判断はできない。そこで、米国の貸借対照表(BS)を見てみる。
上記のBS表では、資産と負債の差額が、17兆ドルであり、資産の6倍近い。その中で、国債(Federal debt securities)は12.8兆ドル位であり、またその下にある6.6兆ドルあまりは、職員の退職引当金などであろうが、相当多額である。日本と違って軍人が160万人近くいるので、その年金引当金などが大きいのだろう。国家の純粋な借金としては、上記17兆ドルと考えて良いだろう。
国債の約半額の6兆2000億ドルは外国が持っている。そのうち、多額の米国国債保持国は日本と中国であり、その金額はそれぞれ1.1〜1.2兆ドル位である。詳しくは米国財務省のページなどにある。(補足1)この状態でも米国債の格付けがAAAであるのは、驚きであるが、世界の覇権を握っているということの意味だろう。アメリカファーストと言って、もし覇権を放棄するなら直ちに破産だろう。その場合、外国の持つ債権は紙くずになり、米国軍人などの年金はゼロになるだろう。そんな事できる訳がない。こらからも自転車操業を続けるしかないのである。
また、米国の中央銀行であるFRBが持つ米国債は、2.5兆ドル位である。中央銀行のバランスシートに関して、一言言及すると、住宅ローン債権などが多額含まれており、これも健全かどうか心配である。一番下の青い部分が財務省債権、赤い部分がmortgage-backed securities、つまりほとんど各種住宅ローン担保証券だと思う。FRBの資産圧縮が始まるが、この赤い部分を民間に売り渡すことだろうが、信用が十分あるのだろうか。 2)次に日本の貸借対照表を見てみる。
上が日本財務省の貸借対照表である。 資産と負債の差額(つまり債務超過額)は、平成25年度で490兆円である。その資産に対する割合は、0.75倍であり米国の5.7倍と単純に比較すると、遥かにましである。納税者一人当たりの純借金という言い方では、正味7万ドル位だろうか。同じ数字で言えば、米国の場合は70万ドル位なので、相当その深刻さには差があると思う。
また、日本の国債のほとんど全部は、日本人の金融資産として国内で保有されている。このように考えると、我が国の財政は米国と比較して相当健全と言えるのではないだろうか。国債の金利の急上昇という言葉がよく出る。それは、北朝鮮などの核の脅威がたかまり、日本脱出を富裕層が考える時だろう。外交が非常に大事だと思う。
3)稼いだ金を貯蓄するのは、稼ぐ時と使う時のズレがある限り仕方がない。しかし、稼いだだけのお金を使い切るのが、経済システム全体の回転を考えれば必要なことである。何故なら、稼いだ金のトータルは供給した商品やサービスのトータルであり、サービスや商品は長期には貯められない。(経済学における三面等価の原則)
つまり、稼いだだけで使わなければ、その部分はデフレ要因になる。現在まで世界経済が回っているのは、米国が稼いだ以上に使ってきたからだと思う。消費税を上げるなどして、国民に将来不安を喚起し、国内の消費意欲を減少させるのは、ますますデフレ傾向を加速することに繋がると思う。
日本の政府も、稼いだ額(GNP)の全ては本来使い切らなければならないが、多額の対外債権を持っている。その結果、購買力平価に比べて円高になる傾向が強い。為替操作国との非難が聞こえる中で、日銀の異次元緩和でノーマルな為替相場を実現してきたのだと思う。
財務健全化は必要だが、それを増税でやるのは非常に非効率であると三橋氏は言っているのである。政治は、企業が投資を積極的に行い、国民は無理に消費を控えないような、明るい未来を感じさせるものでなくてはならないのである。
国債の金利の急上昇という言葉がよく出る。昨日の日銀総裁の言葉の中にもあった。それは、北朝鮮などの核の脅威がたかまり、日本脱出を富裕層が考える時に懸念されるのではないだろうか。つまり、国債の信用には、外交が非常に大事だと思う。
「円」は現在高い信用を得ている。その円を守るのに、国家がすべきことは主婦感覚の節約ではなく、外交と明るい内政で守るのが正道だと言うことだと思う。逆に言えば、増税をそのまま実行することは、財務省の財政健全化=節約という頼りない親父の家庭の主婦感覚をそのまま受け入れて、下手なことはせずに自分の政治家という職業を守ろうとする無能な国会議員が、政府や国会を占めていることを証明しているのだろう。
理系の素人なので、特に3)の部分について、間違いがあれば指摘してほしい。 (編集:9月22日午前8時)
補足:
1)中国や日本も夫々1兆1000億ドル前後持っており、米国以外の国全体で6兆2500億ドル前後である。http://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt
米国の中央銀行であるFRBも数兆ドル(2.5兆ドル)持っている。http://www.investopedia.com/articles/economics/10/understanding-the-fed-balance-sheet.asp
その背後に居るのが財務省であり、財務省の目指すのはプライマリーバランスであり、消費税はその一環であるという。つまり、日本の経済環境下で、政府は借金を増やさないで経済を発展させるのが良いし、それが可能であると考えているらしい。
三橋氏は、与野党を問わず政治家達が心配している政府の大きな借金について、差し当たり国債の暴落などの心配などなく、現在はデフレの克服のために増税などしない方が良いと言っている。その理由は、国債の殆どを国内で持っているからである。そこで、そのあたりを我流で考えてみた。もっとも手取り早いのは、米国と日本の貸借対照表を比較してみることだと思う。
1)日本と外国の財務環境を比較する際、世界の基軸通貨発行国との比較では当てにならないという考えもある。しかし、米国のデータは比較的簡単に入手できるので、比較対象とした。
ちょっと周り道だが、米国の債務を表すグラフが見つかったので上に示す。全体で20兆ドルを超えており、日本同様に批判がある。税金を支払う人一人当たり、100万ドルを超えるという批判がわかりやすい。 http://www.marketwatch.com/story/heres-how-the-us-got-to-20-trillion-in-debt-2017-03-30
日本円では2500兆円位だろう。しかし、全債務とは要するに貸借対照表片方のトータル額であり、健全性の判断はできない。そこで、米国の貸借対照表(BS)を見てみる。
上記のBS表では、資産と負債の差額が、17兆ドルであり、資産の6倍近い。その中で、国債(Federal debt securities)は12.8兆ドル位であり、またその下にある6.6兆ドルあまりは、職員の退職引当金などであろうが、相当多額である。日本と違って軍人が160万人近くいるので、その年金引当金などが大きいのだろう。国家の純粋な借金としては、上記17兆ドルと考えて良いだろう。
国債の約半額の6兆2000億ドルは外国が持っている。そのうち、多額の米国国債保持国は日本と中国であり、その金額はそれぞれ1.1〜1.2兆ドル位である。詳しくは米国財務省のページなどにある。(補足1)この状態でも米国債の格付けがAAAであるのは、驚きであるが、世界の覇権を握っているということの意味だろう。アメリカファーストと言って、もし覇権を放棄するなら直ちに破産だろう。その場合、外国の持つ債権は紙くずになり、米国軍人などの年金はゼロになるだろう。そんな事できる訳がない。こらからも自転車操業を続けるしかないのである。
また、米国の中央銀行であるFRBが持つ米国債は、2.5兆ドル位である。中央銀行のバランスシートに関して、一言言及すると、住宅ローン債権などが多額含まれており、これも健全かどうか心配である。一番下の青い部分が財務省債権、赤い部分がmortgage-backed securities、つまりほとんど各種住宅ローン担保証券だと思う。FRBの資産圧縮が始まるが、この赤い部分を民間に売り渡すことだろうが、信用が十分あるのだろうか。 2)次に日本の貸借対照表を見てみる。
上が日本財務省の貸借対照表である。 資産と負債の差額(つまり債務超過額)は、平成25年度で490兆円である。その資産に対する割合は、0.75倍であり米国の5.7倍と単純に比較すると、遥かにましである。納税者一人当たりの純借金という言い方では、正味7万ドル位だろうか。
また、日本の国債のほとんど全部は、日本人の金融資産として国内で保有されている。このように考えると、我が国の財政は米国と比較して相当健全と言えるのではないだろうか。国債の金利の急上昇という言葉がよく出る。それは、北朝鮮などの核の脅威がたかまり、日本脱出を富裕層が考える時だろう。外交が非常に大事だと思う。
3)稼いだ金を貯蓄するのは、稼ぐ時と使う時のズレがある限り仕方がない。しかし、稼いだだけのお金を使い切るのが、経済システム全体の回転を考えれば必要なことである。何故なら、稼いだ金のトータルは供給した商品やサービスのトータルであり、サービスや商品は長期には貯められない。(経済学における三面等価の原則)
つまり、稼いだだけで使わなければ、その部分はデフレ要因になる。現在まで世界経済が回っているのは、米国が稼いだ以上に使ってきたからだと思う。消費税を上げるなどして、国民に将来不安を喚起し、国内の消費意欲を減少させるのは、ますますデフレ傾向を加速することに繋がると思う。
日本の政府も、稼いだ額(GNP)の全ては本来使い切らなければならないが、多額の対外債権を持っている。その結果、購買力平価に比べて円高になる傾向が強い。為替操作国との非難が聞こえる中で、日銀の異次元緩和でノーマルな為替相場を実現してきたのだと思う。
財務健全化は必要だが、それを増税でやるのは非常に非効率であると三橋氏は言っているのである。政治は、企業が投資を積極的に行い、国民は無理に消費を控えないような、明るい未来を感じさせるものでなくてはならないのである。
国債の金利の急上昇という言葉がよく出る。昨日の日銀総裁の言葉の中にもあった。それは、北朝鮮などの核の脅威がたかまり、日本脱出を富裕層が考える時に懸念されるのではないだろうか。つまり、国債の信用には、外交が非常に大事だと思う。
「円」は現在高い信用を得ている。その円を守るのに、国家がすべきことは主婦感覚の節約ではなく、外交と明るい内政で守るのが正道だと言うことだと思う。逆に言えば、増税をそのまま実行することは、財務省の財政健全化=節約という頼りない親父の家庭の主婦感覚をそのまま受け入れて、下手なことはせずに自分の政治家という職業を守ろうとする無能な国会議員が、政府や国会を占めていることを証明しているのだろう。
理系の素人なので、特に3)の部分について、間違いがあれば指摘してほしい。 (編集:9月22日午前8時)
補足:
1)中国や日本も夫々1兆1000億ドル前後持っており、米国以外の国全体で6兆2500億ドル前後である。http://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt
米国の中央銀行であるFRBも数兆ドル(2.5兆ドル)持っている。http://www.investopedia.com/articles/economics/10/understanding-the-fed-balance-sheet.asp
2017年9月21日木曜日
安倍総理の国連演説は極めて愚かなものだったと思う
安倍総理の「世界は歩調を合わせて北朝鮮に圧力を掛けるべき」との国連演説は、北朝鮮の核の標的に名乗り出るようなものである。しかし、それでも玄人筋の評価は高い。例えば、クレムリンメソッドという本をかいた北野幸伯氏は今朝のブログで、安倍演説を高く評価している。
https://jp.mg5.mail.yahoo.co.jp/neo/launch?.rand=66e9jedpmse1j#tb=qljv0rs6
その圧力が重要だとする主張の根拠として、1994年10月の米朝合意で、核兵器開発をやめるという約束で軽水炉支援をしたが、その約束を破ったこと;2002年に北朝鮮がウラン濃縮をしていることが明らかになり、6カ国協議をつくって対応を話し合い、2005年に6者は一度合意に達し、声明を出すに至った。
北朝鮮は、全ての核兵器、既存の核計画を放棄することと、核拡散防止条約(NPT)と、IAEAの保障措置に復帰することを約束した。その一方、同年「我々は既に、核保持である」を宣言した。さらに2006年の10月第1回の核実験、2009年に2度目の核実験行い、その年北朝鮮は6カ国協議からの脱退を表明した。そのような経緯から、安倍総理は「対話とは、北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」と結論した。
その演説の中で、安倍総理が北朝鮮の核兵器開発はNPTへの挑戦であり、それは世界平和体制への挑戦であるというロジックで、世界を味方につけようとした点を高く評価している。
しかし、そのロジックは双刃の剣である。つまり、日本は自らNPTからの脱退のチャンスを逃すことになるからである。それは、1971年に中国を訪問したキッシンジャーと周恩来の間で約束したと言われる、日本に決して核武装はさせないという米国の一貫した戦略である。
その戦略を逆手にとって、北朝鮮から核兵器開発を早期にやめさせる手段があった。それは日本の核武装の検討である。周辺国であり国交のない北朝鮮が核武装すれば、日本に取って危機的状況であり、NPTにあるように脱退の権利を得る。
日本に核武装させることには、中国もロシアも大反対するだろう。そして、米中露は歩調を合わせて、北朝鮮の核開発を潰すだろう。その最も有効な手段と、日本の核保有の潜在的権利をわざわざ放棄して、米国の尖兵となって北朝鮮と対決するのは非常に愚かな外交である。
また、佐藤勝氏が言及している核の共有は、ある意味で核の拡散である。NPTに高い価値をおいた演説は、その案も放棄するということなのか? もしそうだとすれば、全く最悪の演説と言わざるを得ない。
北野幸伯氏はそれが全くわかっていない。
その圧力が重要だとする主張の根拠として、1994年10月の米朝合意で、核兵器開発をやめるという約束で軽水炉支援をしたが、その約束を破ったこと;2002年に北朝鮮がウラン濃縮をしていることが明らかになり、6カ国協議をつくって対応を話し合い、2005年に6者は一度合意に達し、声明を出すに至った。
北朝鮮は、全ての核兵器、既存の核計画を放棄することと、核拡散防止条約(NPT)と、IAEAの保障措置に復帰することを約束した。その一方、同年「我々は既に、核保持である」を宣言した。さらに2006年の10月第1回の核実験、2009年に2度目の核実験行い、その年北朝鮮は6カ国協議からの脱退を表明した。そのような経緯から、安倍総理は「対話とは、北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」と結論した。
その演説の中で、安倍総理が北朝鮮の核兵器開発はNPTへの挑戦であり、それは世界平和体制への挑戦であるというロジックで、世界を味方につけようとした点を高く評価している。
しかし、そのロジックは双刃の剣である。つまり、日本は自らNPTからの脱退のチャンスを逃すことになるからである。それは、1971年に中国を訪問したキッシンジャーと周恩来の間で約束したと言われる、日本に決して核武装はさせないという米国の一貫した戦略である。
その戦略を逆手にとって、北朝鮮から核兵器開発を早期にやめさせる手段があった。それは日本の核武装の検討である。周辺国であり国交のない北朝鮮が核武装すれば、日本に取って危機的状況であり、NPTにあるように脱退の権利を得る。
日本に核武装させることには、中国もロシアも大反対するだろう。そして、米中露は歩調を合わせて、北朝鮮の核開発を潰すだろう。その最も有効な手段と、日本の核保有の潜在的権利をわざわざ放棄して、米国の尖兵となって北朝鮮と対決するのは非常に愚かな外交である。
また、佐藤勝氏が言及している核の共有は、ある意味で核の拡散である。NPTに高い価値をおいた演説は、その案も放棄するということなのか? もしそうだとすれば、全く最悪の演説と言わざるを得ない。
北野幸伯氏はそれが全くわかっていない。
13歳の日本人少女(横田めぐみさん)拉致に言及したトランプ大統領の国連演説
拉致被害者に言及したトランプ大統領の国連演説トランプ大統領が国連総会で、北朝鮮による横田めぐみさんの拉致に言及した。これを評価し喜んでいる日本の方が多いが、それが本当に横田めぐみさんの救出に役立つだろうか? 確かに、北朝鮮を非難する格好の話だが、良い結果には繋がらないと思う。
すでに北朝鮮は、横田めぐみさんは死去していると日本に報告している。その上で、この問題は解決済みとの態度を表明している。
そのような状況下で、もし北朝鮮が米国と戦争になり日本も戦線に加わるとなれば、北朝鮮に存命中の日本人の命が無くなる確率の方が、無事帰還する確率より大きくなるのではないだろうか?
私が拉致被害者の家族なら、中距離核を持ったままでも良いから米国と講和し、そして日本も北朝鮮と国交を回復する方向を期待する。私には、拉致被害者の家族の方々の考えが、北朝鮮憎しの方向で政治化しているような気がする。
もう一つ:佐藤勝氏が、トランプ大統領の横田めぐみさんへの言及は、外務省と米国との交渉の結果だろうと言っている。佐藤氏は、日本国政府はそれに対する交換条件を飲んだ上で、米国にこの件を要求したのだろうと言っている。
もしそうなら、結果としては日本は踏んだり蹴ったりではないのか。(補足1)その交換条件の一つの可能性は、集団的自衛権の具体的運用における確認である。つまり、「米国の北朝鮮攻撃の第一撃は米国がやるとしても、その後の後始末で先頭に立つのは自衛隊である」ということの確認をされた可能性があると思う。
先に書いたように、「拉致問題の最大の責任者は、自国民を自国の領土内で他国に拉致された日本国政府である」との指摘について、拉致被害者家族などを含め評論家諸氏は、十分考えてほしいものだ。
補足:
1)この日本語は、「踏まれたり蹴られたり」が正しいと思う。日本語は言語としての出来が悪い一つの証明だろう。
すでに北朝鮮は、横田めぐみさんは死去していると日本に報告している。その上で、この問題は解決済みとの態度を表明している。
そのような状況下で、もし北朝鮮が米国と戦争になり日本も戦線に加わるとなれば、北朝鮮に存命中の日本人の命が無くなる確率の方が、無事帰還する確率より大きくなるのではないだろうか?
私が拉致被害者の家族なら、中距離核を持ったままでも良いから米国と講和し、そして日本も北朝鮮と国交を回復する方向を期待する。私には、拉致被害者の家族の方々の考えが、北朝鮮憎しの方向で政治化しているような気がする。
もう一つ:佐藤勝氏が、トランプ大統領の横田めぐみさんへの言及は、外務省と米国との交渉の結果だろうと言っている。佐藤氏は、日本国政府はそれに対する交換条件を飲んだ上で、米国にこの件を要求したのだろうと言っている。
もしそうなら、結果としては日本は踏んだり蹴ったりではないのか。(補足1)その交換条件の一つの可能性は、集団的自衛権の具体的運用における確認である。つまり、「米国の北朝鮮攻撃の第一撃は米国がやるとしても、その後の後始末で先頭に立つのは自衛隊である」ということの確認をされた可能性があると思う。
先に書いたように、「拉致問題の最大の責任者は、自国民を自国の領土内で他国に拉致された日本国政府である」との指摘について、拉致被害者家族などを含め評論家諸氏は、十分考えてほしいものだ。
補足:
1)この日本語は、「踏まれたり蹴られたり」が正しいと思う。日本語は言語としての出来が悪い一つの証明だろう。
2017年9月19日火曜日
北朝鮮のICBM抜き核保持と日本と米国の核共有:佐藤優氏の北朝鮮問題解決法の影
1)佐藤優氏は北朝鮮問題に関して面白い考え方を紹介している。
米国と北朝鮮との交渉は、北朝鮮にICBMは許さないが、中距離ミサイルと核兵器までは認めるという条件で、決着するだろう。その代わり、日本は米国と核兵器の共有(補足1)をする形に、同盟関係を深化してそれに対する抑止力を持つしかない。https://www.youtube.com/watch?v=lzlkDxbExLQ
10分ほどの動画なので、先ずは是非上記サイトにアクセスしてもらいたい。
この核兵器の米国との共有は本ブログで何度も主張したことである(補足2)が、私は北朝鮮と米国が上記のような合意をする前で無いと、核の共有すら実現しない可能性があると思う。その当たりを明確に言わないところに、上記佐藤氏の考えは不自然な粗雑さがある。
日本との核の共有の発表前に北朝鮮と合意すると仮定すると、その時米国は中国とロシアの強い反対を押し切ろうと努力するが、結局その反対に屈するだろう。そして日本には、「核共有が無くとも日本への核の傘は非常に強靭である」と強調することで、話を済まそうとするだろう。上記前後関係がどうなるか分からないが、全て予めシナリオを作りその通りに進めるだろう。(この2文、18:00修正)
次の段階として、佐藤氏は北朝鮮への積極的な経済進出を議論している。
北朝鮮の人たちが、日系企業やその他の外国企業で働き、経済的に自立した場合、国民の心はキム王朝から離れるだろう。その経済的な繋がりは、戦争の動機を消滅させる。その後、核兵器の廃棄に向かわせる。
この考え方も、佐藤優という知の巨人の考えにしては、不自然なレベルで粗雑だと思う。先ず、佐藤優氏は北朝鮮の国民の気持ちはキム王朝を支持していると前提しているが、その根拠が示されていない。テレビ討論などで良く聞く意見は逆であり、国民の気持ちは今でも殆どキム王朝から離れているというものである。
もし、佐藤氏の言うように金正恩が国民の心を掌握しているのなら、米国の脅威がなくなれば政権は安定に継続できる筈であり、命を賭けたチキンレースなどせずに、核兵器抜きの平和条約締結と国家承認を得る道を選ぶ筈だと思う。自動的に日本や韓国も、北朝鮮との平和条約締結をする筈である。半島の統一は、その後経済力が付けば自然に進むだろう。西側の国をしっかりと見ている金正恩が、今更、社会主義に拘る筈はない。拘っているのは、自分と家族の命であり、それと不可分な自分の独裁体制である。
北朝鮮のGDPは日本の茨城県くらいであり、田園部では年により餓死者がでるという状況である。それにも拘らず、核ミサイルの開発など軍事力強化の道をひた走る金正恩体制が、国民の心を掌握している筈がない。
2)次に、日本などの経済協力による北朝鮮の軟化政策であるが、これも欠陥だらけの議論である。勿論、日朝間で国交を樹立し、日本が支払う経済協力金とそれを足場した経済振興は、関係を良くするように見えるだろう。しかし両国の関係は、中国との国交回復後と似たプロセスで進むだろう。つまり、独裁体制には敵国が必要であるから、そのうち経済力がつくと、徐々に日本に対する牙が現れる筈である。現在中国に見せているらしい敵対心は、成長期の子供が親に見せる類のものだと思う。
米国の核付き国家承認と、日本との国交樹立と経済協力という佐藤氏の考えは、日本にとっては中国のケースと較べものに成らない位に悪い結果を招くだろう。それは日本国にとって致命的と言える位だろう。(補足3)
その第一の理由は、北朝鮮にとって中国的な共産党支配の資本主義経済体制を実現することは難しいからである。中国では毛沢東が皇位を子孫に継承したわけではないので、共産党独裁という集団指導体制ができた。しかし北朝鮮の体制は、共産主義国家を標榜しながら経済的には後進国であり、その国家権力がキム一族で相続される、キム絶対王制である。
絶対主義体制は、経済が発展し貿易や人の出入りなどで国際交流が盛んになれば、潰れることになる。それがあの国が信奉する共産主義の教えるところである。(補足4)その場合、体制維持のために必要なのは、外国との緊張関係と力の内政である。力の内政が国家や国民の経済力がつくと、用い難くなり、前者に一層頼る。それが現在の中国であり、未来の北朝鮮である。
その対立関係の維持のために格好の対象となるのは日本である。その際の強力な手段は核兵器と、韓国と共同で歴史問題を捏ち上げて脅すことである。現在韓国が利用している従軍慰安婦問題という日本イジメの道具は、挺対協という北朝鮮のオルグ機関製であることを、佐藤氏は知らない筈はないだろう。つまり、今となっては核兵器は体制の柱であり、廃棄することはキム絶対王政の崩壊と同義であり、あり得ない。
もし、そこでキム王朝から共和制への革命ということになれば、その中で日本に核兵器の2-3発は落とされ、千万人レベルの死者が出る可能性が高いと思う。
3)拉致問題の解決と日本と北朝鮮との関係正常化は、米国の邪魔が入らなければ、小泉政権の時の交渉で成功していただろう。それは、北朝鮮経済の発展を促進し、その結果中国のような集団指導体制の国にまで進んだ可能性がある。その際少なくとも、対立関係の方向を、韓国に向けることが出来ただろう。(補足5)
その時に要する米国の決断は、今回佐藤氏が予言するようなレベル以下のもっと軽いものだっただろう。その結果は、日本と半島の関係も今ほどギスギスしたものでは無いだろう。小泉総理が米国の相談抜きに話を進めたのは、最初から米国と話をした場合には、その段階で話が潰されると読んだからだろう。
現在のような情況下で、北朝鮮が核付き軟着陸を果たし、韓国との関係も穏やかなものになれば(連邦制が実現する可能性もある)、両国は一緒になって日本を敵対視する筈である。その練習は、ミサイル発射まえの脅しでも分かるように、今回十分した筈である。北朝鮮が現在非難しているのは、米国と日本である。文在寅韓国大統領は賢明にも、北朝鮮への人道支援を口にしている。
この北朝鮮問題の本質は、米国が北朝鮮を作ったということを理解しなければ分からない。つまり、前回のブログで書いたように米国が北朝鮮と朝鮮戦争を必要としていたのである。例えば、下に引用した馬渕睦夫氏の話を聞いて欲しい。https://www.youtube.com/watch?v=cEyuDPPVK-4&t=320s
兎に角、佐藤優氏の上記動画での意見はまともではない。佐藤氏は智者である。私は佐藤氏の近くに米国の影を見る。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42023202.html
補足:
1)核兵器の共有は、米国とNATO諸国との間で行われている。米国から核兵器の提供を受け、それを米国と共同管理する方式である。そこで核兵器のボタンを押す権利は、米国と核共有する国にも存在する。しかし、NATO諸国と違って日本の場合は、独自核保有しか安心できる防衛手段はないと考えるべきである。米国は人種の違いと文化の違いなど、更には、過去の歴史的経緯から、日本を本当の意味での友邦とは考えていないだろうからである。
2)佐藤氏は、核兵器の共有が米国との交渉で可能になるように言っているが、それは中国やロシアの強烈な反対を招くだろう。その前に、日本国内で強烈な反対運動が、中国等によりオルグされるだろう。
3)この危機的情況から日本を救うのは、日本に核のボタンが存在することと、巧みな自立外交である。特に国際社会へ正しい歴史認識を提供すること、そしてそれを上手に宣伝することなどは不可欠である。
4)マルクス思想の基本である唯物史観では、国家の上部構造である政治構造は、下部構造つまり経済構想に依存するということである。それで絶対王政から市民革命を経て資本主義国家ができ、その後、経済の高度な発展が進めば、資本家も力を失い、共産革命が起こる。
5)キム絶対王政は、金正恩への世襲譲位により完成した。2代だけなら、絶対王政と共産党独裁の中間状態である。もし、金正日の時に北朝鮮が軟着陸したとすれば、差し当たり韓国と敵対するだろう。しかし、現在のような韓国の政権ができれば、他国に大きな影響を及ぼさずに、連合国のような体制に移れるだろう。(補足5は、19時修正)
米国と北朝鮮との交渉は、北朝鮮にICBMは許さないが、中距離ミサイルと核兵器までは認めるという条件で、決着するだろう。その代わり、日本は米国と核兵器の共有(補足1)をする形に、同盟関係を深化してそれに対する抑止力を持つしかない。https://www.youtube.com/watch?v=lzlkDxbExLQ
10分ほどの動画なので、先ずは是非上記サイトにアクセスしてもらいたい。
この核兵器の米国との共有は本ブログで何度も主張したことである(補足2)が、私は北朝鮮と米国が上記のような合意をする前で無いと、核の共有すら実現しない可能性があると思う。その当たりを明確に言わないところに、上記佐藤氏の考えは不自然な粗雑さがある。
日本との核の共有の発表前に北朝鮮と合意すると仮定すると、その時米国は中国とロシアの強い反対を押し切ろうと努力するが、結局その反対に屈するだろう。そして日本には、「核共有が無くとも日本への核の傘は非常に強靭である」と強調することで、話を済まそうとするだろう。上記前後関係がどうなるか分からないが、全て予めシナリオを作りその通りに進めるだろう。(この2文、18:00修正)
次の段階として、佐藤氏は北朝鮮への積極的な経済進出を議論している。
北朝鮮の人たちが、日系企業やその他の外国企業で働き、経済的に自立した場合、国民の心はキム王朝から離れるだろう。その経済的な繋がりは、戦争の動機を消滅させる。その後、核兵器の廃棄に向かわせる。
この考え方も、佐藤優という知の巨人の考えにしては、不自然なレベルで粗雑だと思う。先ず、佐藤優氏は北朝鮮の国民の気持ちはキム王朝を支持していると前提しているが、その根拠が示されていない。テレビ討論などで良く聞く意見は逆であり、国民の気持ちは今でも殆どキム王朝から離れているというものである。
もし、佐藤氏の言うように金正恩が国民の心を掌握しているのなら、米国の脅威がなくなれば政権は安定に継続できる筈であり、命を賭けたチキンレースなどせずに、核兵器抜きの平和条約締結と国家承認を得る道を選ぶ筈だと思う。自動的に日本や韓国も、北朝鮮との平和条約締結をする筈である。半島の統一は、その後経済力が付けば自然に進むだろう。西側の国をしっかりと見ている金正恩が、今更、社会主義に拘る筈はない。拘っているのは、自分と家族の命であり、それと不可分な自分の独裁体制である。
北朝鮮のGDPは日本の茨城県くらいであり、田園部では年により餓死者がでるという状況である。それにも拘らず、核ミサイルの開発など軍事力強化の道をひた走る金正恩体制が、国民の心を掌握している筈がない。
2)次に、日本などの経済協力による北朝鮮の軟化政策であるが、これも欠陥だらけの議論である。勿論、日朝間で国交を樹立し、日本が支払う経済協力金とそれを足場した経済振興は、関係を良くするように見えるだろう。しかし両国の関係は、中国との国交回復後と似たプロセスで進むだろう。つまり、独裁体制には敵国が必要であるから、そのうち経済力がつくと、徐々に日本に対する牙が現れる筈である。現在中国に見せているらしい敵対心は、成長期の子供が親に見せる類のものだと思う。
米国の核付き国家承認と、日本との国交樹立と経済協力という佐藤氏の考えは、日本にとっては中国のケースと較べものに成らない位に悪い結果を招くだろう。それは日本国にとって致命的と言える位だろう。(補足3)
その第一の理由は、北朝鮮にとって中国的な共産党支配の資本主義経済体制を実現することは難しいからである。中国では毛沢東が皇位を子孫に継承したわけではないので、共産党独裁という集団指導体制ができた。しかし北朝鮮の体制は、共産主義国家を標榜しながら経済的には後進国であり、その国家権力がキム一族で相続される、キム絶対王制である。
絶対主義体制は、経済が発展し貿易や人の出入りなどで国際交流が盛んになれば、潰れることになる。それがあの国が信奉する共産主義の教えるところである。(補足4)その場合、体制維持のために必要なのは、外国との緊張関係と力の内政である。力の内政が国家や国民の経済力がつくと、用い難くなり、前者に一層頼る。それが現在の中国であり、未来の北朝鮮である。
その対立関係の維持のために格好の対象となるのは日本である。その際の強力な手段は核兵器と、韓国と共同で歴史問題を捏ち上げて脅すことである。現在韓国が利用している従軍慰安婦問題という日本イジメの道具は、挺対協という北朝鮮のオルグ機関製であることを、佐藤氏は知らない筈はないだろう。つまり、今となっては核兵器は体制の柱であり、廃棄することはキム絶対王政の崩壊と同義であり、あり得ない。
もし、そこでキム王朝から共和制への革命ということになれば、その中で日本に核兵器の2-3発は落とされ、千万人レベルの死者が出る可能性が高いと思う。
3)拉致問題の解決と日本と北朝鮮との関係正常化は、米国の邪魔が入らなければ、小泉政権の時の交渉で成功していただろう。それは、北朝鮮経済の発展を促進し、その結果中国のような集団指導体制の国にまで進んだ可能性がある。その際少なくとも、対立関係の方向を、韓国に向けることが出来ただろう。(補足5)
その時に要する米国の決断は、今回佐藤氏が予言するようなレベル以下のもっと軽いものだっただろう。その結果は、日本と半島の関係も今ほどギスギスしたものでは無いだろう。小泉総理が米国の相談抜きに話を進めたのは、最初から米国と話をした場合には、その段階で話が潰されると読んだからだろう。
現在のような情況下で、北朝鮮が核付き軟着陸を果たし、韓国との関係も穏やかなものになれば(連邦制が実現する可能性もある)、両国は一緒になって日本を敵対視する筈である。その練習は、ミサイル発射まえの脅しでも分かるように、今回十分した筈である。北朝鮮が現在非難しているのは、米国と日本である。文在寅韓国大統領は賢明にも、北朝鮮への人道支援を口にしている。
この北朝鮮問題の本質は、米国が北朝鮮を作ったということを理解しなければ分からない。つまり、前回のブログで書いたように米国が北朝鮮と朝鮮戦争を必要としていたのである。例えば、下に引用した馬渕睦夫氏の話を聞いて欲しい。https://www.youtube.com/watch?v=cEyuDPPVK-4&t=320s
兎に角、佐藤優氏の上記動画での意見はまともではない。佐藤氏は智者である。私は佐藤氏の近くに米国の影を見る。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42023202.html
補足:
1)核兵器の共有は、米国とNATO諸国との間で行われている。米国から核兵器の提供を受け、それを米国と共同管理する方式である。そこで核兵器のボタンを押す権利は、米国と核共有する国にも存在する。しかし、NATO諸国と違って日本の場合は、独自核保有しか安心できる防衛手段はないと考えるべきである。米国は人種の違いと文化の違いなど、更には、過去の歴史的経緯から、日本を本当の意味での友邦とは考えていないだろうからである。
2)佐藤氏は、核兵器の共有が米国との交渉で可能になるように言っているが、それは中国やロシアの強烈な反対を招くだろう。その前に、日本国内で強烈な反対運動が、中国等によりオルグされるだろう。
3)この危機的情況から日本を救うのは、日本に核のボタンが存在することと、巧みな自立外交である。特に国際社会へ正しい歴史認識を提供すること、そしてそれを上手に宣伝することなどは不可欠である。
4)マルクス思想の基本である唯物史観では、国家の上部構造である政治構造は、下部構造つまり経済構想に依存するということである。それで絶対王政から市民革命を経て資本主義国家ができ、その後、経済の高度な発展が進めば、資本家も力を失い、共産革命が起こる。
5)キム絶対王政は、金正恩への世襲譲位により完成した。2代だけなら、絶対王政と共産党独裁の中間状態である。もし、金正日の時に北朝鮮が軟着陸したとすれば、差し当たり韓国と敵対するだろう。しかし、現在のような韓国の政権ができれば、他国に大きな影響を及ぼさずに、連合国のような体制に移れるだろう。(補足5は、19時修正)
2017年9月17日日曜日
日本封じ込めがこれ迄の米国の戦略だった:元米国高官の二、三の発言
昨日試聴版として配信された、危機管理が専門で日本戦略研究フォーラムの政策担当委員(http://www.jfss.gr.jp/home/index/yakuin)の丸谷元人氏の動画を参考にして、ネット検索などで調べた日本の周囲に関する情報を紹介したい。もちろん、話は既に一度は聞いたことだが、より具体的であり、説得力がある。
先ず、北朝鮮は米国が作ったという話が紹介された。北朝鮮及び朝鮮戦争は米国が東アジアの戦略の一環として存在するらしいことは、馬渕睦夫氏の本「国難の正体」などで述べられている。丸谷氏は新たな”裏付け”を紹介している。
それは、ブッシュ(父)大統領時代の駐中国大使のジェームズ・リリー(補足1)の発言である。CIA高官の時代からブッシュ大統領と親交のあったリリーは、「もし冷戦終了時に北朝鮮が無ければ、米国は新しく北朝鮮を作ったであろう。北朝鮮は、米国第七艦隊の常駐のために必要だったからである」と語ったという。
この発言は、ウィキペディアなどネットを探しても見つからなかったが、リリーは回顧録を出版しているので、そこに書いてあるだろう。因みに、リリーは天安門事件に関して中国政府に批判的であったが、中国高官には尊敬されていたという。中国の青島生まれであり、幼少時から中国社会に親しみを抱いていたのがその理由の一つだろう。(補足2)
次に、日本人の多くは、李承晩が強引に竹島を占領した(1952)と考えているが、丸谷氏によればそれはアメリカが承認したことだという。李承晩は日本の敗戦まで米国に逃げていた。その後米国により最初の韓国大統領に指名されたが、側近には元CIAの人間がいたという。そのような身分で、米国の管理下にある島を独断で奪い取ることなどできそうにないからである。
更に、1971年の周恩来とキッシンジャーの会談で、キッシンジャーは「日本に様々な領土問題を残したのはCIAのアレン・ダレス(補足3)であり、それは日本と周辺諸国の間にトラブルを残すためだ」と漏らしたという。その際、キッシンジャーは日本が再度暴走したら、中国と米国の古い友人関係で封じ込めれば良いとも発言したという。
このように裏の世界で重要で激しい外交が展開されている国際社会に関して、日本人要人の多くの理解は、冷戦時のまま止まっていると指摘する。昔、鉄の壁で隔てられていた間柄でも、時間が経った現在ではその壁跡を超えて交流が進んでいると指摘する。例えば、フランスとロシア、ドイツと中国、英国と北朝鮮などは、親密な関係を構築しているという。
日本では、米国と北朝鮮との交易などないと思われているが、米国は裏で英国やタックスヘイブンを利用して、武器などを北朝鮮に売っている。例えば、「北朝鮮の沿岸警備艇には自衛隊も持っていないかもしれないGE製の高性能12.7 mm砲が搭載されている。これは北朝鮮に英国などを経由して輸出された筈である」という。
その一方、日本の政治家や外交官のナイーブさを指摘する。元大使のある方と話をした際、「君、ワシントンでアメリカの要人と付き合ったが、彼らは皆紳士だよ。いい加減なことを言う筈はないじゃないか」と言ったという。これではダメだと思ったという話を丸谷氏は紹介している。
日本の政治家には、北朝鮮の核の脅威に対する対策として、米国との安保体制の強化や、米国から提供されるミサイル防衛システムの拡充で対策するしかないと考える人は多い。しかし、米国と関係を強化することのみに日本国の安全を掛けることは、上記例を考えれば、全く不十分且つ危険であることがわかる。 自民党政治家の多くの国際的認識も、上記大使のものと対して変わらないのではないかと思う。
補足:
1)James Lilley氏は、30年間CIA勤務のあと、韓国大使(1986-1989)、中国大使(1989/4/20-1991/5/10)を務めた。なお、天安門事件の期間は(1989年4/15-6/4)。
2)このように親中的な人は相当多い。中国生まれの人などの他、例えばパール・バックの小説などで親しみを持つ人が多いと聞いたことがある。
3)アレン・ダレスは、元CIA要員からCIA長官になった。在位は1953-1961。アレン・ダレスの 兄は、ジョン・フォスター・ダレスであり、アイゼンハワー時代の国務長官(在位、1953-1959)であった。
先ず、北朝鮮は米国が作ったという話が紹介された。北朝鮮及び朝鮮戦争は米国が東アジアの戦略の一環として存在するらしいことは、馬渕睦夫氏の本「国難の正体」などで述べられている。丸谷氏は新たな”裏付け”を紹介している。
それは、ブッシュ(父)大統領時代の駐中国大使のジェームズ・リリー(補足1)の発言である。CIA高官の時代からブッシュ大統領と親交のあったリリーは、「もし冷戦終了時に北朝鮮が無ければ、米国は新しく北朝鮮を作ったであろう。北朝鮮は、米国第七艦隊の常駐のために必要だったからである」と語ったという。
この発言は、ウィキペディアなどネットを探しても見つからなかったが、リリーは回顧録を出版しているので、そこに書いてあるだろう。因みに、リリーは天安門事件に関して中国政府に批判的であったが、中国高官には尊敬されていたという。中国の青島生まれであり、幼少時から中国社会に親しみを抱いていたのがその理由の一つだろう。(補足2)
次に、日本人の多くは、李承晩が強引に竹島を占領した(1952)と考えているが、丸谷氏によればそれはアメリカが承認したことだという。李承晩は日本の敗戦まで米国に逃げていた。その後米国により最初の韓国大統領に指名されたが、側近には元CIAの人間がいたという。そのような身分で、米国の管理下にある島を独断で奪い取ることなどできそうにないからである。
更に、1971年の周恩来とキッシンジャーの会談で、キッシンジャーは「日本に様々な領土問題を残したのはCIAのアレン・ダレス(補足3)であり、それは日本と周辺諸国の間にトラブルを残すためだ」と漏らしたという。その際、キッシンジャーは日本が再度暴走したら、中国と米国の古い友人関係で封じ込めれば良いとも発言したという。
このように裏の世界で重要で激しい外交が展開されている国際社会に関して、日本人要人の多くの理解は、冷戦時のまま止まっていると指摘する。昔、鉄の壁で隔てられていた間柄でも、時間が経った現在ではその壁跡を超えて交流が進んでいると指摘する。例えば、フランスとロシア、ドイツと中国、英国と北朝鮮などは、親密な関係を構築しているという。
日本では、米国と北朝鮮との交易などないと思われているが、米国は裏で英国やタックスヘイブンを利用して、武器などを北朝鮮に売っている。例えば、「北朝鮮の沿岸警備艇には自衛隊も持っていないかもしれないGE製の高性能12.7 mm砲が搭載されている。これは北朝鮮に英国などを経由して輸出された筈である」という。
その一方、日本の政治家や外交官のナイーブさを指摘する。元大使のある方と話をした際、「君、ワシントンでアメリカの要人と付き合ったが、彼らは皆紳士だよ。いい加減なことを言う筈はないじゃないか」と言ったという。これではダメだと思ったという話を丸谷氏は紹介している。
日本の政治家には、北朝鮮の核の脅威に対する対策として、米国との安保体制の強化や、米国から提供されるミサイル防衛システムの拡充で対策するしかないと考える人は多い。しかし、米国と関係を強化することのみに日本国の安全を掛けることは、上記例を考えれば、全く不十分且つ危険であることがわかる。 自民党政治家の多くの国際的認識も、上記大使のものと対して変わらないのではないかと思う。
補足:
1)James Lilley氏は、30年間CIA勤務のあと、韓国大使(1986-1989)、中国大使(1989/4/20-1991/5/10)を務めた。なお、天安門事件の期間は(1989年4/15-6/4)。
2)このように親中的な人は相当多い。中国生まれの人などの他、例えばパール・バックの小説などで親しみを持つ人が多いと聞いたことがある。
3)アレン・ダレスは、元CIA要員からCIA長官になった。在位は1953-1961。アレン・ダレスの 兄は、ジョン・フォスター・ダレスであり、アイゼンハワー時代の国務長官(在位、1953-1959)であった。
2017年9月14日木曜日
日本の北朝鮮核装備への対応は根本的に間違っている
安倍総理はインドで、北朝鮮への制裁を強めるべきだという共同声明を発表した。私は、何故日本が対北朝鮮制裁の先頭に立つのかさっぱりわからない。強大な軍事力を持つ米国の前にたって、十分な報復能力もない日本が北朝鮮の矢面に立つのは愚かなことである。
北朝鮮の当面の敵は、朝鮮戦争の当事者である米国及び韓国である。従って、米国が攻撃された場合、集団的自衛権の規定により日本も参戦する必要があるが、最初の一発が撃たれない限り、日本は当事者ではない。もちろん、国連加盟国として、国連の制裁決議があったと言う点では、制裁の当事者である。その場合は、英国やフィリピンなどと同程度に制裁を主張すればよいことである。
日本が今後取るべき方向は二つある。一つは、現在の憲法に従って平和主義を完徹する方向である。日本では核保持はおろか、国際紛争を解決する手段としての軍事力さえ持たないと言う憲法を、未だに堅持している。もし、そのような憲法を持つ平和主義をとるのなら、集団的自衛権の行使は明らかに憲法違反である。
日本国民の総意がそのような平和主義なら、安倍総理の国連で制裁決議を出したり、各国を回っての制裁強化をすべきとの声明は、非難されるべきである。野党は不信任決議案の提出を直ちにすべきである。集団的自衛権行使を可能にした法は廃止すべきである。日米安保条約も、日本が米国の戦争に巻き込まれるだけであるから、解消すべきである。
二つ目は、憲法を改正して自衛軍を持ち、歴史的経緯と一国だけの軍事力の限界も考えて、米国との軍事同盟を対等な形に強化する方向である。その場合、核兵器とそのボタンの両方を完全に米国に依存するのは、対等ではないので、自国で核軍備をするか、核兵器を米国にシェアさせてもらい、核のボタンを我が国が持つべきである。
これらのうち、最初の方向は非現実的であるのは言うまでもない。国際政治においては、軍事力があってこそ、対等な立場でのの交渉外交が可能となるからである。もし、そのような状態であれば、中国に沖縄までの領土領海は、2-3年で奪い取られるだろう。数10年すれば、日本民族はかつてのユダヤの民の様に世界に散らばり虐待の対象になるだろう。
結局後者の方向しか、日本には残されていない。その方向を明確にとり、日本の独立性を確保すれば、米国の操り人形のように、各国を回って北朝鮮の制裁決議を宣伝する必要がなくなるのである。その方向に米国の同意がただちに得られないのなら、交渉すべきは米国であり、インドなどの国ではない。(補足1)
上記の様な二つの道を敢えて書いたのは、現在の日本は論理的には本来あり得ない二つの道の混合状態をゾンビ国家のように歩んでいる。それは言葉を話す人間を構成員とするまともな国家の採る方針ではない。そのいい加減な状態が、現在単に敵対する可能性しかない国(北朝鮮)から訳もなく脅されたり、現在一応同盟国となっている国から軽蔑され信用されない原因となっている。そのことに何故、政治家たちは、そして彼らを選ぶ国民は気づかないのか。
兎に角、憲法9条二項を完全に自衛軍を持つと言うふうに変更する議論を、国会だけでなく国民とともに始めるべきである(補足2)。そして、米国とも核のシェアリングについて話し合うべきである。論理的で信用のある国家としての再出発を演出すべきであると思う。
もちろん、いろんな方向で国将来を考えることは、米国の姿勢が内向きになる場合などを想定すれば、非常に大切であると思う。そのためには、ロシアとの関係や中国との関係なども考えるべきだろう。しかし、その際、両国の歴史や文化、考え方の日本との違いなど、両国を十分研究して戦略をたてるべきである。
第二次大戦で大敗を喫したのは、相手の研究や多くの知性を持つ個人の考えを集積して戦略を立てるという普通の方法が、日本では取れなかったからである。その状態は今も変わっていない様に思える。
(加筆修正:9/15 am) 補足:
1)もちろん、インドから核兵器をこっそりと調達するために訪問したのなら、そしてそのための日印同盟の雰囲気作りのためなら、評価できるのだが、おそらくそのようなことではないだろう。
2)下らないJーアラートを鳴らして、国民を脅すよりも、国民に憲法を考えさせるCーアラートを鳴らすべきである。Cが憲法(英語)のCである。
北朝鮮の当面の敵は、朝鮮戦争の当事者である米国及び韓国である。従って、米国が攻撃された場合、集団的自衛権の規定により日本も参戦する必要があるが、最初の一発が撃たれない限り、日本は当事者ではない。もちろん、国連加盟国として、国連の制裁決議があったと言う点では、制裁の当事者である。その場合は、英国やフィリピンなどと同程度に制裁を主張すればよいことである。
日本が今後取るべき方向は二つある。一つは、現在の憲法に従って平和主義を完徹する方向である。日本では核保持はおろか、国際紛争を解決する手段としての軍事力さえ持たないと言う憲法を、未だに堅持している。もし、そのような憲法を持つ平和主義をとるのなら、集団的自衛権の行使は明らかに憲法違反である。
日本国民の総意がそのような平和主義なら、安倍総理の国連で制裁決議を出したり、各国を回っての制裁強化をすべきとの声明は、非難されるべきである。野党は不信任決議案の提出を直ちにすべきである。集団的自衛権行使を可能にした法は廃止すべきである。日米安保条約も、日本が米国の戦争に巻き込まれるだけであるから、解消すべきである。
二つ目は、憲法を改正して自衛軍を持ち、歴史的経緯と一国だけの軍事力の限界も考えて、米国との軍事同盟を対等な形に強化する方向である。その場合、核兵器とそのボタンの両方を完全に米国に依存するのは、対等ではないので、自国で核軍備をするか、核兵器を米国にシェアさせてもらい、核のボタンを我が国が持つべきである。
これらのうち、最初の方向は非現実的であるのは言うまでもない。国際政治においては、軍事力があってこそ、対等な立場でのの交渉外交が可能となるからである。もし、そのような状態であれば、中国に沖縄までの領土領海は、2-3年で奪い取られるだろう。数10年すれば、日本民族はかつてのユダヤの民の様に世界に散らばり虐待の対象になるだろう。
結局後者の方向しか、日本には残されていない。その方向を明確にとり、日本の独立性を確保すれば、米国の操り人形のように、各国を回って北朝鮮の制裁決議を宣伝する必要がなくなるのである。その方向に米国の同意がただちに得られないのなら、交渉すべきは米国であり、インドなどの国ではない。(補足1)
上記の様な二つの道を敢えて書いたのは、現在の日本は論理的には本来あり得ない二つの道の混合状態をゾンビ国家のように歩んでいる。それは言葉を話す人間を構成員とするまともな国家の採る方針ではない。そのいい加減な状態が、現在単に敵対する可能性しかない国(北朝鮮)から訳もなく脅されたり、現在一応同盟国となっている国から軽蔑され信用されない原因となっている。そのことに何故、政治家たちは、そして彼らを選ぶ国民は気づかないのか。
兎に角、憲法9条二項を完全に自衛軍を持つと言うふうに変更する議論を、国会だけでなく国民とともに始めるべきである(補足2)。そして、米国とも核のシェアリングについて話し合うべきである。論理的で信用のある国家としての再出発を演出すべきであると思う。
もちろん、いろんな方向で国将来を考えることは、米国の姿勢が内向きになる場合などを想定すれば、非常に大切であると思う。そのためには、ロシアとの関係や中国との関係なども考えるべきだろう。しかし、その際、両国の歴史や文化、考え方の日本との違いなど、両国を十分研究して戦略をたてるべきである。
第二次大戦で大敗を喫したのは、相手の研究や多くの知性を持つ個人の考えを集積して戦略を立てるという普通の方法が、日本では取れなかったからである。その状態は今も変わっていない様に思える。
(加筆修正:9/15 am) 補足:
1)もちろん、インドから核兵器をこっそりと調達するために訪問したのなら、そしてそのための日印同盟の雰囲気作りのためなら、評価できるのだが、おそらくそのようなことではないだろう。
2)下らないJーアラートを鳴らして、国民を脅すよりも、国民に憲法を考えさせるCーアラートを鳴らすべきである。Cが憲法(英語)のCである。
ユダヤ人の反日感情の原因か? 満州でのユダヤ人移住者への対応
1)日本人のほとんどは、ユダヤ人が親日的感情を持っていると考えている。それはリトアニアで日本通過ビザを多量に発行した杉原千畝(1940年頃)や、上海等においてシベリア経由で逃げてきたユダヤ人を多数救ったという話(1938-41)があるからである。更に、日露戦争の際に日本に巨額の融資をした米国のヤコブ・シフも思い出す人が多いかもしれない。戦費の4割を公債購入という形で貸し付けてくれたのである。
しかし、ユダヤ人資本家たちやそのエージェント達は、日本に強い反日感情を持っていると考えている人がいる。この文章を書くきっかけは、その一人スタンフォード大の西鋭夫氏の無料動画(試聴用)であった。実際、キッシンジャーやブレジンスキーなどの米国支配層のユダヤ系の人をみると、その様な見方が正しい様な気がする。
その理由は、“日本のシンドラー”などがユダヤ人救出に貢献する数年前に、満州の日本軍はユダヤ人に対して酷い扱いをしたからである。つまり、杉原千畝や樋口李一郎や安江仙江(ユダヤのゴールデンブックに記載されている)などの話が始まる前、1930年代の始めからユダヤ人と日本人の関係を見なければならない。
日本人は自分たちに都合の良い話ばかり語り、全体像を伝えないのである。例えばネットには、ユダヤ人を救った日本人の話が満載だが、虐待したとかロシア人を使って、身代金誘拐を働いたというような話はほとんどない。http://blog.goo.ne.jp/ss007_2007/e/3e641909f291165c7fd4a434db5b193d
以前、渡部昇一さんが東条英機も”シンドラー”だったと言う様な話をされていたが、それも多分に誤解だろう。http://jjtaro.cocolog-nifty.com/nippon/2012/02/post-d3d7.html
2)1930年のハルビンには一万数千人のユダヤ人が住んでいた。ロシアでの計画性をおびたユダヤ人虐殺である“ポグロム”(補足1)から逃れて来た人たちが住み着いたのである。ハルビンには革命で追われたロシア人貴族や反革命軍の所謂白系ロシア人も住み着いていたが、満州事変で占領される1932年2月までは、ハルビンは極東アジアにおけるユダヤ人社会の中心として栄えていた。
日本が占領すると、外国人の経済活動を封じるだけでなく、彼らにたいするテロ行為も行った。多くの例があるが、最も衝撃的だったのは、ユダヤ人ピアニストであったシモン・カスペの誘拐殺人事件であった。シモンの父である富豪ヨセフ・カスペ(国籍フランス)は、日本の警察が解決するから身代金は支払わないようにというフランス領事の勧めを聞いて、その支払いをためらっている内に、ピアニストとして大事な指の爪が剥がされ、両耳が切り取られ、ガリガリになった傷だらけの死体となって発見される。
犯人の白系ロシア人はフランス副領事の努力もあって逮捕され、最終的に日本人による裁判に掛けられるが、有罪の判決の後保釈されてしまった。背後には、日本軍がいたからである。
この事件などで、ユダヤ人はハルビンから上海などへ逃げて出ることになった。以上は、九州大学の阿部吉雄氏の論文「戦前の日本における対ユダヤ人政策の転回点」に記載してあったことである。http://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac/repository/100000/handle/2324/5463/slc016p001.pdf この事件の概要は、後述の「フグ計画」について書いた英書にも詳細に書かれている。 所謂“河豚計画”は、日本は欧州で差別されているユダヤ人を勧誘して、満州に移住してもらい、ユダヤ人の資本と強い(と日本人が考える)政治的影響力を利用する計画を進めようとする作戦である。それは、満州三介の一人鮎川義介の発案によるとされ、1938年に五相会議で承認された正真正銘日本国政府の政策である。日本の関東軍が中心になって、満州にユダヤの国を作るという計画であり、実際にそれを進めたのは、陸軍大佐安江仙弘である。
これにより、アメリカのユダヤ資本とアメリカ政府に対するユダヤ人の影響力を利用して、アメリカの対日政策を日本にとって有利な方向に導こうと考えたのである。(上記論文、p10)しかし、それはユダヤ人に対する基本的知識を欠いたまま立案され、当然の帰結として失敗に終わった。
ざっと眺めただけであるが、英語の本「The Fugu Plan」に(補足2)はそのプロセスを1930年代の初めから詳細に記述している。ユダヤ人に対する、担当した安江や樋口を含めて日本人の誤解は、現在は偽作だと考えられている「シオン賢者の議定書」を信じてしまったことによる。更に、ユダヤ人の経済力や西欧における政治への影響力に対する過大視(更に、米国への忠誠心を軽視してしまったこと)である。
1937年からユダヤ人保護政策をとるが、それがハルビンでの残虐行為の後のことであるから(その償いだとしても)、現在日本人が考えるほど、ユダヤ人の日本への好感は期待できないのではないだろうか。
3) 蛇足:
昨今のテレビ番組では、日本が国際的に良い印象を持たれていると感じさせて、自己満足を提供する番組がおおい。日本の技術を学びに来る様に、外国人をテレビ局が招待してその様子を取る番組、あるいは日本を旅する外国人を取材する番組(Youは何しに日本へ?)などである。
テレビ局の動機が、日本人の自尊心を満足させようという浅はかなものであり、非常に醜い作りの番組である。
補足:
1)ポグロムとはロシア語で「破滅・破壊」を意味する言葉である。17世紀からロシア等で行われたユダヤ人の虐殺行為を指す。1543年にマルティン・ルターがユダヤ人の迫害を理論化して提唱する本「ユダヤ人と彼らの嘘について」を出版したという。
2)Marvin Tokayer and Mary Swartz, “The Fugu Plan”, Weatherhill, NewTork, 1979.
しかし、ユダヤ人資本家たちやそのエージェント達は、日本に強い反日感情を持っていると考えている人がいる。この文章を書くきっかけは、その一人スタンフォード大の西鋭夫氏の無料動画(試聴用)であった。実際、キッシンジャーやブレジンスキーなどの米国支配層のユダヤ系の人をみると、その様な見方が正しい様な気がする。
その理由は、“日本のシンドラー”などがユダヤ人救出に貢献する数年前に、満州の日本軍はユダヤ人に対して酷い扱いをしたからである。つまり、杉原千畝や樋口李一郎や安江仙江(ユダヤのゴールデンブックに記載されている)などの話が始まる前、1930年代の始めからユダヤ人と日本人の関係を見なければならない。
日本人は自分たちに都合の良い話ばかり語り、全体像を伝えないのである。例えばネットには、ユダヤ人を救った日本人の話が満載だが、虐待したとかロシア人を使って、身代金誘拐を働いたというような話はほとんどない。http://blog.goo.ne.jp/ss007_2007/e/3e641909f291165c7fd4a434db5b193d
以前、渡部昇一さんが東条英機も”シンドラー”だったと言う様な話をされていたが、それも多分に誤解だろう。http://jjtaro.cocolog-nifty.com/nippon/2012/02/post-d3d7.html
2)1930年のハルビンには一万数千人のユダヤ人が住んでいた。ロシアでの計画性をおびたユダヤ人虐殺である“ポグロム”(補足1)から逃れて来た人たちが住み着いたのである。ハルビンには革命で追われたロシア人貴族や反革命軍の所謂白系ロシア人も住み着いていたが、満州事変で占領される1932年2月までは、ハルビンは極東アジアにおけるユダヤ人社会の中心として栄えていた。
日本が占領すると、外国人の経済活動を封じるだけでなく、彼らにたいするテロ行為も行った。多くの例があるが、最も衝撃的だったのは、ユダヤ人ピアニストであったシモン・カスペの誘拐殺人事件であった。シモンの父である富豪ヨセフ・カスペ(国籍フランス)は、日本の警察が解決するから身代金は支払わないようにというフランス領事の勧めを聞いて、その支払いをためらっている内に、ピアニストとして大事な指の爪が剥がされ、両耳が切り取られ、ガリガリになった傷だらけの死体となって発見される。
犯人の白系ロシア人はフランス副領事の努力もあって逮捕され、最終的に日本人による裁判に掛けられるが、有罪の判決の後保釈されてしまった。背後には、日本軍がいたからである。
この事件などで、ユダヤ人はハルビンから上海などへ逃げて出ることになった。以上は、九州大学の阿部吉雄氏の論文「戦前の日本における対ユダヤ人政策の転回点」に記載してあったことである。http://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac/repository/100000/handle/2324/5463/slc016p001.pdf この事件の概要は、後述の「フグ計画」について書いた英書にも詳細に書かれている。 所謂“河豚計画”は、日本は欧州で差別されているユダヤ人を勧誘して、満州に移住してもらい、ユダヤ人の資本と強い(と日本人が考える)政治的影響力を利用する計画を進めようとする作戦である。それは、満州三介の一人鮎川義介の発案によるとされ、1938年に五相会議で承認された正真正銘日本国政府の政策である。日本の関東軍が中心になって、満州にユダヤの国を作るという計画であり、実際にそれを進めたのは、陸軍大佐安江仙弘である。
これにより、アメリカのユダヤ資本とアメリカ政府に対するユダヤ人の影響力を利用して、アメリカの対日政策を日本にとって有利な方向に導こうと考えたのである。(上記論文、p10)しかし、それはユダヤ人に対する基本的知識を欠いたまま立案され、当然の帰結として失敗に終わった。
ざっと眺めただけであるが、英語の本「The Fugu Plan」に(補足2)はそのプロセスを1930年代の初めから詳細に記述している。ユダヤ人に対する、担当した安江や樋口を含めて日本人の誤解は、現在は偽作だと考えられている「シオン賢者の議定書」を信じてしまったことによる。更に、ユダヤ人の経済力や西欧における政治への影響力に対する過大視(更に、米国への忠誠心を軽視してしまったこと)である。
1937年からユダヤ人保護政策をとるが、それがハルビンでの残虐行為の後のことであるから(その償いだとしても)、現在日本人が考えるほど、ユダヤ人の日本への好感は期待できないのではないだろうか。
3) 蛇足:
昨今のテレビ番組では、日本が国際的に良い印象を持たれていると感じさせて、自己満足を提供する番組がおおい。日本の技術を学びに来る様に、外国人をテレビ局が招待してその様子を取る番組、あるいは日本を旅する外国人を取材する番組(Youは何しに日本へ?)などである。
テレビ局の動機が、日本人の自尊心を満足させようという浅はかなものであり、非常に醜い作りの番組である。
補足:
1)ポグロムとはロシア語で「破滅・破壊」を意味する言葉である。17世紀からロシア等で行われたユダヤ人の虐殺行為を指す。1543年にマルティン・ルターがユダヤ人の迫害を理論化して提唱する本「ユダヤ人と彼らの嘘について」を出版したという。
2)Marvin Tokayer and Mary Swartz, “The Fugu Plan”, Weatherhill, NewTork, 1979.
2017年9月13日水曜日
政治を大衆に任せて良いのか?
1)現在多くの先進国は、民主主義政治を採用していると言われている。民主主義とは英語のdemocracyの翻訳であり、普通の人々が国を統治するシステムのことである。(補足1)
“複雑で高度な社会構造をもつ現在の国家を、どうして民主主義という大衆に最終権力を置く統治方法で運営できるのか?”と言う疑問に対する答えを見つけようと考えても、あまり優秀でない頭の所為か、どうしても見つからないのである。半年前にニーチェの“アンチクリスト”を読み、その感想をブログに書いた。その中での議論を少し繰り返すところからスタートする。
人間は自然と三つの異なるタイプに分かれる。精神が優れた少数の人、筋肉や気性が特別に強い人、それ以外の大多数は凡人である。ごく少数の選ばれた精神に優れた人には「幸福」、「美」、「善意」などを地上に実現させたり味わったりする義務と特権がある。一方凡人には、社会が定めたルールに従う義務と、自分たちの生命に基づく醜さを鋭く捉える眼、社会に対して不満をいう“特権”がある。
もっとも精神的な人間は、自分の立場に対する自覚を持っている。所謂ノブレスオブリージュ(noblesse oblige)である。彼らは、担う重い課題を、自分たちの特権と見なす。彼らは人々(社会)を支配するが、彼らがそうしたいからではなく、彼らの存在がそもそもそういうものなのである。その下に、支配を行う時のゴタゴタした問題を引き受ける人(専門家)が存在する。
このように人間が区別され、其々に義務と特権があるのは自然である。何故なら、人は社会を作って生きる遺伝子を持って生まれ、高度な社会は必然的にピラミッドの様な構成を持つからである。これら全ての人は、社会の歯車になって働くのは自然であり、何かをする能力があると感じる幸福感がそれを支えている。その共通した特性は、社会を作って生きるヒトの遺伝子に由来する。ニーチェの批判の対象は、その健全なる社会に、悪しき平等の原理を多数の下層の人間に教え込み、この自然な社会を破壊する宗教であった。
ところで、全く同様の記述を別の著者の本にみた。オルテガ・イ・ガセットの「大衆の叛逆」である。そこにはこう書かれている。“ある少数者たちが、全ての人間は生まれたと言うだけの事実によって、ある種の基本的な政治的権利、つまり、いわゆる基本的人権と市民権をもっているものであり、その為には何ら特殊な資質を備える必要がないこと、しかも、それら万人に共通した権利こそが存在しうる唯一の権利であることを発見した。
かくして、特殊才能に関連した他の一切の権利は、特権として非難されることになった。”(大衆の反逆、P28)前節の語尾“発見した”は、オルテガがその少数者とは別種の人間であると主張しつつ、批判的に述べていることを示している。(補足2)
2)文明が飛躍的に発展した18-19世紀において、人類は新しい社会を探すための旅を開始した。しかし、目的地が明確でないため、古い社会の否定の反跳とする他なかったのだろう。ニーチェは、共通の時間座標に於いてキリスト教を批判するのではなく、過去においてキリスト教の果たした役割を認め、その退役すべき時が訪れたと書くべきだったのだろうと私は思う。
オルテガの本に戻るが、そこには以下のような記述(要約)がある。“我々人間の生とは、あらゆる瞬間において自分の可能性を意識することである。そして、そのあらゆる生の可能性を集積したものが、世界である。つまり、世界とは我々の生の外周である。”(同PP54-55)
文明の飛躍的発展(19世紀)以前の民衆にとって生とは(経済的にも肉体的にも)重苦しい運命だったのである。生まれながらにして、生きるということを耐え忍ぶ以外方法のない障害の堆積という風に感じ、それら障害に適応する以外に解決を見いだせないままに、自分たちに残された狭小な空間に住み着く以外に仕方がないと感じていたのである。(同P77)
これらオルテガの人間の生に関する思想を受け入れ、その上で上記一神教を考えると、それは大昔に「選ばれし智者により考え出された大衆のための物語である」との結論を得る。つまり、それには重苦しい運命を耐え忍ぶ大衆のために壮大な物語を提供して、生きる勇気を与える役割があったと私は考える。
科学技術文明の飛躍的発展は、人の生を飛躍的に増大させた。つまり、上記選択肢としての世界の拡大である。自分たちの生の外周を十分意識するまでに至っていない人間は、“今日の人間が古い伝統をもった文明の真只中に突然飛び出した原始人といった感じを与える”ことになったのである。
換言すれば、科学技術文明は大衆に近代生活の技術しか教えず、大衆を敎育することはついにできなかったのである。大衆はより強力に生きる道具は与えられたが、偉大なる歴史的使命にたいする感受性は授けられなかった。(同、P70)
つまり、精神的少数者により考え出された至上の特権である、人権と市民権を持ちながら、その行使の方法をしらないままで大衆は主権者の位置に座っているのが、現在の民主政治の形だと思う。20世紀にその不安定な社会の政治制度は、大衆に悲劇をもたらした。共産主義やファシズムの誕生と戦争による社会の破壊である。
その失敗と並行して作りだされたのが、世渡りに長けた人たちによる、慎重で欺瞞的な国家支配の方法である。現代という時代は、それら支配者が大衆に主権者という幻の椅子を提供し、大衆にマスコミを用いて民主主義の劇を見せることで、大衆の怒りと不安を最小にすべく統治のシステムを改良するという保守主義の時代なのだろう。
労働時間の短縮と高等教育の浸透が行き渡った現在あるいは近い将来、上記“歴史的使命に対する感受性”を獲得することはありえないだろう。何故なら、人(つまり大衆)は益々傲慢になり、与えられた人権と市民権に酔っているように見えるからである。最近も話題になった、「保育園落ちた、日本死ね」の言葉はそれを暗示している。
その中で新しい政治システムの実験が中国で行われている。一部エリート層が政党をつくり、そのなかで支配者を選ぶというシステムである。このシステムは共産主義から鬼子的に誕生したため、その経験から脱却できる期間が必要である。現在は、大衆を支配する大きな力が必要だが、それが暴力的なものから法や規則によるものに変化して、成功をおさめるような気がする。
(正直言って、大衆の反逆は読了していない。読み終わった時に必要を感じたなら、再び書いてみたいと思っている。)
補足:
1)democracyは語源としてdemos(普通の人々)とkratos(ルール、力)を持つ。普通の人々が国家権力を構成し、統治する意味になる。
2)微妙なレトリックであるが、同種の用法として「コロンブスはアメリカ大陸を発見した」がある。つまり、ネイティヴ・インディアンはアメリカ大陸を当然知っているのだが、文章を書いた主は彼らを別種の人間と認識しているからである。つまり、オルテガは精神的に優れた人として、この本を書いていると言う意味である。
“複雑で高度な社会構造をもつ現在の国家を、どうして民主主義という大衆に最終権力を置く統治方法で運営できるのか?”と言う疑問に対する答えを見つけようと考えても、あまり優秀でない頭の所為か、どうしても見つからないのである。半年前にニーチェの“アンチクリスト”を読み、その感想をブログに書いた。その中での議論を少し繰り返すところからスタートする。
人間は自然と三つの異なるタイプに分かれる。精神が優れた少数の人、筋肉や気性が特別に強い人、それ以外の大多数は凡人である。ごく少数の選ばれた精神に優れた人には「幸福」、「美」、「善意」などを地上に実現させたり味わったりする義務と特権がある。一方凡人には、社会が定めたルールに従う義務と、自分たちの生命に基づく醜さを鋭く捉える眼、社会に対して不満をいう“特権”がある。
もっとも精神的な人間は、自分の立場に対する自覚を持っている。所謂ノブレスオブリージュ(noblesse oblige)である。彼らは、担う重い課題を、自分たちの特権と見なす。彼らは人々(社会)を支配するが、彼らがそうしたいからではなく、彼らの存在がそもそもそういうものなのである。その下に、支配を行う時のゴタゴタした問題を引き受ける人(専門家)が存在する。
このように人間が区別され、其々に義務と特権があるのは自然である。何故なら、人は社会を作って生きる遺伝子を持って生まれ、高度な社会は必然的にピラミッドの様な構成を持つからである。これら全ての人は、社会の歯車になって働くのは自然であり、何かをする能力があると感じる幸福感がそれを支えている。その共通した特性は、社会を作って生きるヒトの遺伝子に由来する。ニーチェの批判の対象は、その健全なる社会に、悪しき平等の原理を多数の下層の人間に教え込み、この自然な社会を破壊する宗教であった。
ところで、全く同様の記述を別の著者の本にみた。オルテガ・イ・ガセットの「大衆の叛逆」である。そこにはこう書かれている。“ある少数者たちが、全ての人間は生まれたと言うだけの事実によって、ある種の基本的な政治的権利、つまり、いわゆる基本的人権と市民権をもっているものであり、その為には何ら特殊な資質を備える必要がないこと、しかも、それら万人に共通した権利こそが存在しうる唯一の権利であることを発見した。
かくして、特殊才能に関連した他の一切の権利は、特権として非難されることになった。”(大衆の反逆、P28)前節の語尾“発見した”は、オルテガがその少数者とは別種の人間であると主張しつつ、批判的に述べていることを示している。(補足2)
2)文明が飛躍的に発展した18-19世紀において、人類は新しい社会を探すための旅を開始した。しかし、目的地が明確でないため、古い社会の否定の反跳とする他なかったのだろう。ニーチェは、共通の時間座標に於いてキリスト教を批判するのではなく、過去においてキリスト教の果たした役割を認め、その退役すべき時が訪れたと書くべきだったのだろうと私は思う。
オルテガの本に戻るが、そこには以下のような記述(要約)がある。“我々人間の生とは、あらゆる瞬間において自分の可能性を意識することである。そして、そのあらゆる生の可能性を集積したものが、世界である。つまり、世界とは我々の生の外周である。”(同PP54-55)
文明の飛躍的発展(19世紀)以前の民衆にとって生とは(経済的にも肉体的にも)重苦しい運命だったのである。生まれながらにして、生きるということを耐え忍ぶ以外方法のない障害の堆積という風に感じ、それら障害に適応する以外に解決を見いだせないままに、自分たちに残された狭小な空間に住み着く以外に仕方がないと感じていたのである。(同P77)
これらオルテガの人間の生に関する思想を受け入れ、その上で上記一神教を考えると、それは大昔に「選ばれし智者により考え出された大衆のための物語である」との結論を得る。つまり、それには重苦しい運命を耐え忍ぶ大衆のために壮大な物語を提供して、生きる勇気を与える役割があったと私は考える。
科学技術文明の飛躍的発展は、人の生を飛躍的に増大させた。つまり、上記選択肢としての世界の拡大である。自分たちの生の外周を十分意識するまでに至っていない人間は、“今日の人間が古い伝統をもった文明の真只中に突然飛び出した原始人といった感じを与える”ことになったのである。
換言すれば、科学技術文明は大衆に近代生活の技術しか教えず、大衆を敎育することはついにできなかったのである。大衆はより強力に生きる道具は与えられたが、偉大なる歴史的使命にたいする感受性は授けられなかった。(同、P70)
つまり、精神的少数者により考え出された至上の特権である、人権と市民権を持ちながら、その行使の方法をしらないままで大衆は主権者の位置に座っているのが、現在の民主政治の形だと思う。20世紀にその不安定な社会の政治制度は、大衆に悲劇をもたらした。共産主義やファシズムの誕生と戦争による社会の破壊である。
その失敗と並行して作りだされたのが、世渡りに長けた人たちによる、慎重で欺瞞的な国家支配の方法である。現代という時代は、それら支配者が大衆に主権者という幻の椅子を提供し、大衆にマスコミを用いて民主主義の劇を見せることで、大衆の怒りと不安を最小にすべく統治のシステムを改良するという保守主義の時代なのだろう。
労働時間の短縮と高等教育の浸透が行き渡った現在あるいは近い将来、上記“歴史的使命に対する感受性”を獲得することはありえないだろう。何故なら、人(つまり大衆)は益々傲慢になり、与えられた人権と市民権に酔っているように見えるからである。最近も話題になった、「保育園落ちた、日本死ね」の言葉はそれを暗示している。
その中で新しい政治システムの実験が中国で行われている。一部エリート層が政党をつくり、そのなかで支配者を選ぶというシステムである。このシステムは共産主義から鬼子的に誕生したため、その経験から脱却できる期間が必要である。現在は、大衆を支配する大きな力が必要だが、それが暴力的なものから法や規則によるものに変化して、成功をおさめるような気がする。
(正直言って、大衆の反逆は読了していない。読み終わった時に必要を感じたなら、再び書いてみたいと思っている。)
補足:
1)democracyは語源としてdemos(普通の人々)とkratos(ルール、力)を持つ。普通の人々が国家権力を構成し、統治する意味になる。
2)微妙なレトリックであるが、同種の用法として「コロンブスはアメリカ大陸を発見した」がある。つまり、ネイティヴ・インディアンはアメリカ大陸を当然知っているのだが、文章を書いた主は彼らを別種の人間と認識しているからである。つまり、オルテガは精神的に優れた人として、この本を書いていると言う意味である。
2017年9月12日火曜日
北朝鮮問題に関する昨日のBSプライムニュースでの不毛な議論(9月11日、ゲストは外務省元高官と櫻井よしこ氏)
1)昨夜のBSプライムニュースでの北朝鮮問題に関する議論を聴いた(ネット配信版)。ゲスト出席者は櫻井よしこ氏、田中均氏、武藤正敏氏(元駐韓大使)であった。88分間の議論前半の55分間は視聴したが、本質的な話が出来ていないように思ったため、その後は見ることが出来なかった。
ゲスト達の議論の前提には、幾つもの欠陥がある。その前提でいくら議論しても正しい、つまり日本国民にとって有益な、結論には到達しない。従って、私にとって非常に退屈な話でしかなかった。
田中氏が後半部分で、六者協議での2005年9月の合意として以下のようなことを紹介した。それは「北朝鮮との米国等との平和条約締結、国交正常化及び経済協力は、検証できる形での核兵器放棄を条件に行う」ということであった。しかし、この紹介にはいろんな歪曲がある(補足1)。この重要な話を、歪曲して紹介するようでは話にならない。
彼らは、緊急的課題となった北朝鮮の核兵器による威嚇に関して、もっと踏み込んだ話をしなければならない時に、上記田中氏が六者協議の合意事項として紹介した話を周って堂々巡り的議論をしていたのである。
それは、不可能だと分かったことについて、それをどう可能にするかと議論するようなものである。つまり、最初に書いたように、狭い枠内に問題を閉じ込めて議論しているから堂々巡りになるのは当然なのである。
2)以下にゲスト達の議論の不十分な点をあげる。
①オバマ政権のときの米国大統領補佐官であった、スーザン・ライスの「現状の核装備は認めるということでしか、解決できないのではないか」という話を誰か紹介していたが、「それでは、日本はどうしようもない」と話すだけであった。現在、北朝鮮問題を議論する場合、それが一つのメインな話題である筈のことを、いとも簡単に捨て去っているのである。
②北朝鮮の核武装&威嚇問題についての中国の責任については重要だとして議論されているが、ロシアについては単に付け足しとして、言及されているだけであった。現在、北朝鮮問題解決の鍵はロシアが持っていると思うのだが、それを全く無視しては話にならない。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43398865.html
③中国を単一の人格的に扱っているが、北朝鮮に近い北部戦区では江沢民派が力をもち、そこの軍は習近平の意思では自由に動かないという話など、無視している。
④米国は朝鮮戦争を何故今まで引きずって来たのか、休戦協定に平和条約の締結についての話が書かれているにも拘らず、何故いままで講和しなかったのか等についての議論を避けている。つまり、体制保障のための米朝直接会談が、金日成と金正日時代の北朝鮮の要求だったのだが、それについては殆ど何も言及していない。
3)この番組の評価:
つまり、このような議論をテレビで放送するのなら、ゲストの人選をもう少し慎重にすべきである。何故、馬淵睦夫氏や孫崎亨氏など米国の政治の裏を議論している人たち、そして東アジアの近代史に詳しい人達、中国やロシアの国情に詳しい人などを加え、全角度から問題を眺め議論する番組を作らないのか。
米国大好き人間ばかり集めて、しかも日本の核装備の可能性を排除して、現在の北朝鮮危機を議論しても何も出てこないだろう。つまり、米国は今まで東アジアで覇権を確保するために、朝鮮戦争を終結しなかったことが、北朝鮮を威嚇してきたのである。それが北朝鮮が核兵器開発に国家の命運を賭ける理由である。それを全く無視して、まともな話など出来る訳がない。
昨日配信された田中宇氏の国際ニュースでは、現時点では日本と韓国の核武装を議論する段階であるとの話が、米国の外交専門家の間で次々と出ているという。しかし、日本でこの議論を避けるのは、対米従属による権力維持の永続を望む官僚機構が、日本独自の核武装に反対しているからだと書いている。対米従属型の官僚独裁を主導してきた日本外務省とその傀儡「専門家」たちは、核武装論になると、急に平和主義者として振る舞い、核武装に強く反対する。http://tanakanews.com/170910japan.htm
実際、自民党次期総理かと噂されている石破茂氏が、日本への核持ち込みを議論している。そんな時に、米国大好き人間の元外務官僚と櫻井よしこ氏のみを招いて、北朝鮮問題を「北朝鮮に核兵器を放棄させるにはどうするか」という視点からのみ議論する意図は何なのか。
補足:
1)合意事項を要約すると、①北朝鮮は、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、米国と韓国は韓国内に核兵器を持たない、米国は北朝鮮を攻撃したり侵略したりしない。②北朝鮮と米国は国交を正常化するための措置をとる。北朝鮮と日本は平壌宣言に従って、国交正常化の為の措置をとる。③6者は二国間、多国間で経済協力を推進することを約した。④六者は、北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力を約束した。直接の当事者は、適当な話合いの場で、朝鮮半島における恒久的な平和体制について協議する。ただ、時期については明確な合意はなされていない。
また、それらの間の前後関係や相互関連は書かれていない。ただ、5番目の項目に、“「約束対約束、行動対行動」の原則に従い、前記の意見が一致した事項についてこれらを段階的に実施していくために、調整された措置をとることに合意した”と非常に分かりにくい書き方で関連性が無いわけではないと記しているだけである。http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/ks_050919.html
(21:15分に編集:本文最後の節の一部修正、補足の文献引用の位置を変更)
ゲスト達の議論の前提には、幾つもの欠陥がある。その前提でいくら議論しても正しい、つまり日本国民にとって有益な、結論には到達しない。従って、私にとって非常に退屈な話でしかなかった。
田中氏が後半部分で、六者協議での2005年9月の合意として以下のようなことを紹介した。それは「北朝鮮との米国等との平和条約締結、国交正常化及び経済協力は、検証できる形での核兵器放棄を条件に行う」ということであった。しかし、この紹介にはいろんな歪曲がある(補足1)。この重要な話を、歪曲して紹介するようでは話にならない。
彼らは、緊急的課題となった北朝鮮の核兵器による威嚇に関して、もっと踏み込んだ話をしなければならない時に、上記田中氏が六者協議の合意事項として紹介した話を周って堂々巡り的議論をしていたのである。
それは、不可能だと分かったことについて、それをどう可能にするかと議論するようなものである。つまり、最初に書いたように、狭い枠内に問題を閉じ込めて議論しているから堂々巡りになるのは当然なのである。
2)以下にゲスト達の議論の不十分な点をあげる。
①オバマ政権のときの米国大統領補佐官であった、スーザン・ライスの「現状の核装備は認めるということでしか、解決できないのではないか」という話を誰か紹介していたが、「それでは、日本はどうしようもない」と話すだけであった。現在、北朝鮮問題を議論する場合、それが一つのメインな話題である筈のことを、いとも簡単に捨て去っているのである。
②北朝鮮の核武装&威嚇問題についての中国の責任については重要だとして議論されているが、ロシアについては単に付け足しとして、言及されているだけであった。現在、北朝鮮問題解決の鍵はロシアが持っていると思うのだが、それを全く無視しては話にならない。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43398865.html
③中国を単一の人格的に扱っているが、北朝鮮に近い北部戦区では江沢民派が力をもち、そこの軍は習近平の意思では自由に動かないという話など、無視している。
④米国は朝鮮戦争を何故今まで引きずって来たのか、休戦協定に平和条約の締結についての話が書かれているにも拘らず、何故いままで講和しなかったのか等についての議論を避けている。つまり、体制保障のための米朝直接会談が、金日成と金正日時代の北朝鮮の要求だったのだが、それについては殆ど何も言及していない。
3)この番組の評価:
つまり、このような議論をテレビで放送するのなら、ゲストの人選をもう少し慎重にすべきである。何故、馬淵睦夫氏や孫崎亨氏など米国の政治の裏を議論している人たち、そして東アジアの近代史に詳しい人達、中国やロシアの国情に詳しい人などを加え、全角度から問題を眺め議論する番組を作らないのか。
米国大好き人間ばかり集めて、しかも日本の核装備の可能性を排除して、現在の北朝鮮危機を議論しても何も出てこないだろう。つまり、米国は今まで東アジアで覇権を確保するために、朝鮮戦争を終結しなかったことが、北朝鮮を威嚇してきたのである。それが北朝鮮が核兵器開発に国家の命運を賭ける理由である。それを全く無視して、まともな話など出来る訳がない。
昨日配信された田中宇氏の国際ニュースでは、現時点では日本と韓国の核武装を議論する段階であるとの話が、米国の外交専門家の間で次々と出ているという。しかし、日本でこの議論を避けるのは、対米従属による権力維持の永続を望む官僚機構が、日本独自の核武装に反対しているからだと書いている。対米従属型の官僚独裁を主導してきた日本外務省とその傀儡「専門家」たちは、核武装論になると、急に平和主義者として振る舞い、核武装に強く反対する。http://tanakanews.com/170910japan.htm
実際、自民党次期総理かと噂されている石破茂氏が、日本への核持ち込みを議論している。そんな時に、米国大好き人間の元外務官僚と櫻井よしこ氏のみを招いて、北朝鮮問題を「北朝鮮に核兵器を放棄させるにはどうするか」という視点からのみ議論する意図は何なのか。
補足:
1)合意事項を要約すると、①北朝鮮は、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、米国と韓国は韓国内に核兵器を持たない、米国は北朝鮮を攻撃したり侵略したりしない。②北朝鮮と米国は国交を正常化するための措置をとる。北朝鮮と日本は平壌宣言に従って、国交正常化の為の措置をとる。③6者は二国間、多国間で経済協力を推進することを約した。④六者は、北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力を約束した。直接の当事者は、適当な話合いの場で、朝鮮半島における恒久的な平和体制について協議する。ただ、時期については明確な合意はなされていない。
また、それらの間の前後関係や相互関連は書かれていない。ただ、5番目の項目に、“「約束対約束、行動対行動」の原則に従い、前記の意見が一致した事項についてこれらを段階的に実施していくために、調整された措置をとることに合意した”と非常に分かりにくい書き方で関連性が無いわけではないと記しているだけである。http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/ks_050919.html
(21:15分に編集:本文最後の節の一部修正、補足の文献引用の位置を変更)
2017年9月9日土曜日
政治大国は民主政治を採用しない :民主主義はモルヒネである
1)「政治大国」は、人口、経済力、軍事力、政治力(外交力)、国富(土地、資源、インフラなど)などにおいて大きく、且つ、国際的に影響力のある国とでも定義できるだろう。そう考えると、現在政治大国のトップスリーは米国、中国、ロシアとなるだろう。これらの国は全て、民主政治を採用していないと思う。
中国が独裁国であることに異論はないだろう。しかし、米国が民主主義の国家でないことは、素人には最近まで明確ではなかった。しかし、完全に民主主義的手法で選ばれた大統領を主要メディアが一致団結して引き摺り下ろそうと画策しているところを見て、別に支配層が存在することに気づいた人は多いだろう。これら二つの国の中間にあるのが、ロシアである。
民主政治は、リンカーンの有名な言葉がその定義となるだろう。「Government of the people, by the people, for the people(人民の政府、人民によるその運営、人民のための政府)」である。この言葉が実現しておれば、民主政治がまともに機能しているということになるだろう。しかし、人民の運営による政府が人民のために働かず、人民を苦しめ多数殺してきたのが、近代史である。つまり、民主政治は本質的欠陥を持つ政治制度である。(補足1)
上記言葉で「人民のための政治」が最重要であり、その他の「人民の政府」や「人民による政府」など、どうでも良いと多くの「人民」は考えるのではないだろうか。つまり、人民(あるいは大衆)の望みはリンカーンの民主政治などではなく、自分たちは政治に無関心でも政府がしっかり自分たちのためになる政治をしてくれることだと思う。そのために納税などの最小限の義務は果たすのである。
このタイプの政治は、要するに、「人民が政治の結果に対して不平不満を言う権利が保障され、政府の運営は選ばれた一人または少数の人が行う」政治(by the peopleの否定)である。政府は人民の所有ではないので、政治の詳細を調査する権限も放棄し、情報も人民の不平不満と関係する部分(として要求すること)のみについて明らかにするのである(of the peopleの否定)。
大国は概ね以上のような政治形態を持っている。国益とは長期的にみた人民の安全や福祉を含む利益であり、国益追求が政治のもっとも大事な目標である。民主政治は人民が非常に賢明でなければ、そして、社会という広場において政治参加をしなければ、まともな政治家は選ばれない。それは通常不可能な要求である。更に悪いことに、不足の時代には大衆は集団発狂する可能性が極めて高いのである。
既に、民主政治とキリスト教との関連についてのニーチェの考えは、ブログに書いた。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2017/03/blog-post_31.html
2)米国の現在の政治は、当に上記のような政治である。伝統的な支配層とそれをバックアップする戦略家やシンクタンクに非公開の組織などを駆使して、最高の知性で国を操縦している。政府は多くの極秘情報を持ち、選挙などもマスコミなどをつかって人心を誘導することで、「by the people」や 「of the people」を否定している。
そのような米国だから、2,3日前に書いたと思うが、民主主義は知恵に乏しい人類の「絵に描いた理想論」として、飾り棚に置くだけが丁度良いことを知っている。それは他国に宣伝し売るための、モルヒネの様なものである。それを使えば、大衆迎合主義となって国を荒廃に導くことを熟知している。昔、アジアや新大陸を植民地化する時にイエズス会をまず派遣したことと相似的である。
具体的には、マッカーサーがフィリピンで痛い面合わされた日本への復讐として、戦後の統治で華麗に民主主義を投与し、廃人的な国家にしたのが良い例である。また最近では、「アラブの春」が良い例である。そして、一昨日も書いたが、自国で民主主義が間違って本来の機能を回復し、トランプ大統領が選ばれたので、なんとか排除しようと全てのマスコミをつかって潰しにかかっているのである。
中国とロシアは、命を賭けた厳しい競争に打ち勝つことで、その優秀さが証明されている人物が政治を担っている。賄賂等の問題はあるが、それは程度の差はあっても何処の国にもある。それを浄化するメカニズムを持つことが必要だが、無くすることは不可能である。それは日常生活の殺菌作業と同じだと思う。
中国人評論家の柯隆氏(富士通総研)はこの問題をあるテレビ番組で、”文化的なものであり、経済活動が滞るような腐敗防止活動は中国にとり却ってマイナスである”と議論していたのが非常に印象に残っている。(西欧のチップや日本の心付けの類かもしれない)
3)日本の政治は、上記のように腑抜け状態である。人民の船であるべき国家さえ、まともなものではない。海賊がきても話し合いを行って平和的に帰ってもらうべきだと本気で考えている人がほとんどである。一旦民主政治が植え付けられると、モルヒネと同じで依存症から抜け出ることが単独では無理であることを見事に証明している。
その日本の本質を見抜いていた中国の首相李鵬は、1993年訪中したオーストラリア首相に「日本は取るに足るほどの国ではない。30年もしたら日本は大体潰れるだろう」と言ったとされる。李鵬の予言によれば日本が潰れるまでに、あと6年しかない。
昨日のBSフジのプライムニュースでは、内閣参与の飯田勲氏が「北朝鮮問題は年内に解決するだろう。安倍総理は北朝鮮を訪問し、拉致問題を解決するだろう」と述べた。(補足2)現在の北朝鮮問題は一歩間違えば数百万人が日本や韓国で犠牲になる可能性がある。それと数十人程度の拉致問題を並列に話す飯田氏の態度にはがっかりである。そのように大衆に気を使うのが民主政治という愚かな政治制度である。
拉致問題は非常に大事な問題(補足3)だが、現在の“北朝鮮危機”に比べれば、取るに足らない問題である。100人の命は1億人の命の1.0ppmに過ぎないからである。政治家は1億3000万人の命の行方を考えなければならない。その大きなスケールを持たねばならない公人の立場で話している時に、私人のスケールを持ち出して話すのは、馬鹿と阿呆の典型でないとしたら、民主主義の欠陥の所為である。
40年前にも日本国の民主政治に毒された本質を世界に知らしめた人がいる。福田赳夫内閣総理大臣である。1977年の日航機ハイジャック事件(ダッカ)で、日本政府は10月1日に「一人の生命は地球より重い」と述べて、身代金の支払いおよび超法規的措置として、収監メンバーなどの引き渡しを決断した。そうしなければ、自分の内閣だけでなく、自由民主党そのものが日本の大衆により潰されることを恐れたのである。
この民主主義中毒症状からの脱却は非常に難しいが、北朝鮮の脅威を全国民が感じる今がチャンスかもしれない。しかし、脅威を国民が感じなければ、李鵬の予告が当たるだろう。
補足:
1)チャーチルの「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」という言葉が有名である。これを民主主義が最良の政治形態であることを逆説的に言った言葉だと取る向きが多いが、それは違うだろう。この言葉は、「自分が民主主義的手法で選ばれ、自分の考えがベストであるにもかかわらず、自分の思った通りにはなかなか政治が動かない」という本音というか愚痴を言っただけだろう。
2)この番組の感想は、昨日番組終了後に姉妹サイトに投稿した。https://blogs.yahoo.co.jp/hetanonanpin/64751923.html
3)この問題は5年前にヤフー知恵ノードに投稿した。多くの人に閲覧されている。https://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n62832 (知恵ノートは11月に閲覧できなくなるので、その時までに別のサイトを用意する予定。)
中国が独裁国であることに異論はないだろう。しかし、米国が民主主義の国家でないことは、素人には最近まで明確ではなかった。しかし、完全に民主主義的手法で選ばれた大統領を主要メディアが一致団結して引き摺り下ろそうと画策しているところを見て、別に支配層が存在することに気づいた人は多いだろう。これら二つの国の中間にあるのが、ロシアである。
民主政治は、リンカーンの有名な言葉がその定義となるだろう。「Government of the people, by the people, for the people(人民の政府、人民によるその運営、人民のための政府)」である。この言葉が実現しておれば、民主政治がまともに機能しているということになるだろう。しかし、人民の運営による政府が人民のために働かず、人民を苦しめ多数殺してきたのが、近代史である。つまり、民主政治は本質的欠陥を持つ政治制度である。(補足1)
上記言葉で「人民のための政治」が最重要であり、その他の「人民の政府」や「人民による政府」など、どうでも良いと多くの「人民」は考えるのではないだろうか。つまり、人民(あるいは大衆)の望みはリンカーンの民主政治などではなく、自分たちは政治に無関心でも政府がしっかり自分たちのためになる政治をしてくれることだと思う。そのために納税などの最小限の義務は果たすのである。
このタイプの政治は、要するに、「人民が政治の結果に対して不平不満を言う権利が保障され、政府の運営は選ばれた一人または少数の人が行う」政治(by the peopleの否定)である。政府は人民の所有ではないので、政治の詳細を調査する権限も放棄し、情報も人民の不平不満と関係する部分(として要求すること)のみについて明らかにするのである(of the peopleの否定)。
大国は概ね以上のような政治形態を持っている。国益とは長期的にみた人民の安全や福祉を含む利益であり、国益追求が政治のもっとも大事な目標である。民主政治は人民が非常に賢明でなければ、そして、社会という広場において政治参加をしなければ、まともな政治家は選ばれない。それは通常不可能な要求である。更に悪いことに、不足の時代には大衆は集団発狂する可能性が極めて高いのである。
既に、民主政治とキリスト教との関連についてのニーチェの考えは、ブログに書いた。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2017/03/blog-post_31.html
2)米国の現在の政治は、当に上記のような政治である。伝統的な支配層とそれをバックアップする戦略家やシンクタンクに非公開の組織などを駆使して、最高の知性で国を操縦している。政府は多くの極秘情報を持ち、選挙などもマスコミなどをつかって人心を誘導することで、「by the people」や 「of the people」を否定している。
そのような米国だから、2,3日前に書いたと思うが、民主主義は知恵に乏しい人類の「絵に描いた理想論」として、飾り棚に置くだけが丁度良いことを知っている。それは他国に宣伝し売るための、モルヒネの様なものである。それを使えば、大衆迎合主義となって国を荒廃に導くことを熟知している。昔、アジアや新大陸を植民地化する時にイエズス会をまず派遣したことと相似的である。
具体的には、マッカーサーがフィリピンで痛い面合わされた日本への復讐として、戦後の統治で華麗に民主主義を投与し、廃人的な国家にしたのが良い例である。また最近では、「アラブの春」が良い例である。そして、一昨日も書いたが、自国で民主主義が間違って本来の機能を回復し、トランプ大統領が選ばれたので、なんとか排除しようと全てのマスコミをつかって潰しにかかっているのである。
中国とロシアは、命を賭けた厳しい競争に打ち勝つことで、その優秀さが証明されている人物が政治を担っている。賄賂等の問題はあるが、それは程度の差はあっても何処の国にもある。それを浄化するメカニズムを持つことが必要だが、無くすることは不可能である。それは日常生活の殺菌作業と同じだと思う。
中国人評論家の柯隆氏(富士通総研)はこの問題をあるテレビ番組で、”文化的なものであり、経済活動が滞るような腐敗防止活動は中国にとり却ってマイナスである”と議論していたのが非常に印象に残っている。(西欧のチップや日本の心付けの類かもしれない)
3)日本の政治は、上記のように腑抜け状態である。人民の船であるべき国家さえ、まともなものではない。海賊がきても話し合いを行って平和的に帰ってもらうべきだと本気で考えている人がほとんどである。一旦民主政治が植え付けられると、モルヒネと同じで依存症から抜け出ることが単独では無理であることを見事に証明している。
その日本の本質を見抜いていた中国の首相李鵬は、1993年訪中したオーストラリア首相に「日本は取るに足るほどの国ではない。30年もしたら日本は大体潰れるだろう」と言ったとされる。李鵬の予言によれば日本が潰れるまでに、あと6年しかない。
昨日のBSフジのプライムニュースでは、内閣参与の飯田勲氏が「北朝鮮問題は年内に解決するだろう。安倍総理は北朝鮮を訪問し、拉致問題を解決するだろう」と述べた。(補足2)現在の北朝鮮問題は一歩間違えば数百万人が日本や韓国で犠牲になる可能性がある。それと数十人程度の拉致問題を並列に話す飯田氏の態度にはがっかりである。そのように大衆に気を使うのが民主政治という愚かな政治制度である。
拉致問題は非常に大事な問題(補足3)だが、現在の“北朝鮮危機”に比べれば、取るに足らない問題である。100人の命は1億人の命の1.0ppmに過ぎないからである。政治家は1億3000万人の命の行方を考えなければならない。その大きなスケールを持たねばならない公人の立場で話している時に、私人のスケールを持ち出して話すのは、馬鹿と阿呆の典型でないとしたら、民主主義の欠陥の所為である。
40年前にも日本国の民主政治に毒された本質を世界に知らしめた人がいる。福田赳夫内閣総理大臣である。1977年の日航機ハイジャック事件(ダッカ)で、日本政府は10月1日に「一人の生命は地球より重い」と述べて、身代金の支払いおよび超法規的措置として、収監メンバーなどの引き渡しを決断した。そうしなければ、自分の内閣だけでなく、自由民主党そのものが日本の大衆により潰されることを恐れたのである。
この民主主義中毒症状からの脱却は非常に難しいが、北朝鮮の脅威を全国民が感じる今がチャンスかもしれない。しかし、脅威を国民が感じなければ、李鵬の予告が当たるだろう。
補足:
1)チャーチルの「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」という言葉が有名である。これを民主主義が最良の政治形態であることを逆説的に言った言葉だと取る向きが多いが、それは違うだろう。この言葉は、「自分が民主主義的手法で選ばれ、自分の考えがベストであるにもかかわらず、自分の思った通りにはなかなか政治が動かない」という本音というか愚痴を言っただけだろう。
2)この番組の感想は、昨日番組終了後に姉妹サイトに投稿した。https://blogs.yahoo.co.jp/hetanonanpin/64751923.html
3)この問題は5年前にヤフー知恵ノードに投稿した。多くの人に閲覧されている。https://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n62832 (知恵ノートは11月に閲覧できなくなるので、その時までに別のサイトを用意する予定。)
2017年9月7日木曜日
朝鮮半島の統一は当分無くなったのでは?
馬渕睦夫先生の動画を見ながら、以下のようなことを考えた。この考えは、先日のロシアの寄与についての考えと異なりますが、それは並列思考ということで御考えください。批判など歓迎しますが、自分の意見に採用される場合は自己責任でお願いします。
1)北朝鮮の核の脅威が高まる中、韓国にTHAAD(高高度迎撃システム)を急ぎ追加配備することになった。中露は猛反対しているが、その反対も国際世論を動かすまでには高まらない。例え、北朝鮮から韓国へ発射されたミサイルの迎撃には高高度迎撃システムはいらないと言ってみても、民主主義の所為で低脳化している国際世論には説得力はない。
これで、文在寅と雖も北朝鮮との宥和姿勢をこれ以上採ることができなくなった。米国の戦略の通りである。
文在寅氏が大統領選で有利だという情報が出て以来、これで韓国は終わりだとか、北朝鮮主導で統一朝鮮ができるという話が方々でなされた。しかし、その企みを破壊すべく米国が戦略を立てるのは当然だろう。そのために採った手段は、北朝鮮の核軍備を急がせることではないだろうか。
つまり、北朝鮮は元々米国が作ったという馬渕睦夫氏の説を元に考えるのが最もわかりやすい。朝鮮半島を南北に分けたのは第二次大戦後の戦勝国だが、朝鮮戦争を起こしたのは明らかに米国であり、それは当時の国務長官アチソンの演説が、金日成に南進のチャンスを与えたことでわかる。陰謀論だとしてその考えを排斥する人たちは、あの演説はアチソンのミスだというが、日本の大臣ならともかく米国の国務長官がそのようなミスをする筈がない。https://www.youtube.com/watch?v=h72Gh0DWpoY
朝鮮戦争は、米国に韓国や日本に軍隊を置く口実となり、今日に至っている。米国が北朝鮮を国家承認しないのは、その口実がなくなるからである。評論家の人たちは、それ以外のモデルがあるのなら、北朝鮮問題を論じる時最初に言うべきである。しかし、まともな理由など言えないだろうし、言ってこなかった。
今年の韓国大統領選挙でその口実がなくなる可能性が出てきた。それが文在寅氏の当選である。その結果とは無関係に、過去から一貫して、米国は北朝鮮に核開発を許して来たのだろう。上記馬渕氏の説明の通りである。
北朝鮮の核兵器は、日本や韓国を操縦する上で非常に強力な道具になるからである。また、上述のように中国とロシアを監視するステーションとして、THAADの設置もできるようになった。ICBMまでは行き過ぎなので、金正恩は諦めるだろう。それを条件に、朝鮮問題は方がつくだろうが、北朝鮮の米国による国家承認はされず、合意形成の段階でストップするだろう。
日本でも時々、北朝鮮は核兵器とミサイル開発のお金をどのように捻出しているのかが話題になる。迎撃ミサイル一発撃つだけで数十億円必要だといって財布の中をみる日本と違って、随分と金持ちのようだ。外国で働く北朝鮮人からの仕送りだとかなんとか言っているが、そんな金であれだけのことができるとは思えない。
このあたりの深い考察がマスコミ等にあらわれないのは、日本の軍事評論家や外交評論家のほとんどは米国の支配下に置かれているからだろう。米国の潜在敵国はやはりロシアであり中国である。そのためには、韓国と朝鮮戦争は必要な道具なのだろう。
更に、極東に駐留して北朝鮮の核から守ってやるという口実で日本の軍備増強に蓋(瓶の蓋論)をすることができる。そうすれば、恐ろしい核兵器を持った日本が地球上に現れない。(ピーター・ナバロの本など)
2)米国は民主主義の国ではない。民主主義は単に理想論として、飾り棚に置いておくだけが丁度良いことを知っているからである。それは他国に宣伝し、売るためのものである。飾り棚から降ろして使えば、大衆迎合主義として国を荒廃に導くことを熟知している。自国は伝統的な支配層が、それをバックアップする戦略家やシンクタンクに非公開の組織など、最高の知性を動員して操縦している。
そして、民主主義が選んだトランプ大統領はなんとか排除すべきだと、全てのマスコミをつかって潰しにかかっている。日本でも、デイブスペクターや宮家邦彦氏などテレビに現れる評論家は、口を極めてトランプ批判をやっている。
1)北朝鮮の核の脅威が高まる中、韓国にTHAAD(高高度迎撃システム)を急ぎ追加配備することになった。中露は猛反対しているが、その反対も国際世論を動かすまでには高まらない。例え、北朝鮮から韓国へ発射されたミサイルの迎撃には高高度迎撃システムはいらないと言ってみても、民主主義の所為で低脳化している国際世論には説得力はない。
これで、文在寅と雖も北朝鮮との宥和姿勢をこれ以上採ることができなくなった。米国の戦略の通りである。
文在寅氏が大統領選で有利だという情報が出て以来、これで韓国は終わりだとか、北朝鮮主導で統一朝鮮ができるという話が方々でなされた。しかし、その企みを破壊すべく米国が戦略を立てるのは当然だろう。そのために採った手段は、北朝鮮の核軍備を急がせることではないだろうか。
つまり、北朝鮮は元々米国が作ったという馬渕睦夫氏の説を元に考えるのが最もわかりやすい。朝鮮半島を南北に分けたのは第二次大戦後の戦勝国だが、朝鮮戦争を起こしたのは明らかに米国であり、それは当時の国務長官アチソンの演説が、金日成に南進のチャンスを与えたことでわかる。陰謀論だとしてその考えを排斥する人たちは、あの演説はアチソンのミスだというが、日本の大臣ならともかく米国の国務長官がそのようなミスをする筈がない。https://www.youtube.com/watch?v=h72Gh0DWpoY
朝鮮戦争は、米国に韓国や日本に軍隊を置く口実となり、今日に至っている。米国が北朝鮮を国家承認しないのは、その口実がなくなるからである。評論家の人たちは、それ以外のモデルがあるのなら、北朝鮮問題を論じる時最初に言うべきである。しかし、まともな理由など言えないだろうし、言ってこなかった。
今年の韓国大統領選挙でその口実がなくなる可能性が出てきた。それが文在寅氏の当選である。その結果とは無関係に、過去から一貫して、米国は北朝鮮に核開発を許して来たのだろう。上記馬渕氏の説明の通りである。
北朝鮮の核兵器は、日本や韓国を操縦する上で非常に強力な道具になるからである。また、上述のように中国とロシアを監視するステーションとして、THAADの設置もできるようになった。ICBMまでは行き過ぎなので、金正恩は諦めるだろう。それを条件に、朝鮮問題は方がつくだろうが、北朝鮮の米国による国家承認はされず、合意形成の段階でストップするだろう。
日本でも時々、北朝鮮は核兵器とミサイル開発のお金をどのように捻出しているのかが話題になる。迎撃ミサイル一発撃つだけで数十億円必要だといって財布の中をみる日本と違って、随分と金持ちのようだ。外国で働く北朝鮮人からの仕送りだとかなんとか言っているが、そんな金であれだけのことができるとは思えない。
このあたりの深い考察がマスコミ等にあらわれないのは、日本の軍事評論家や外交評論家のほとんどは米国の支配下に置かれているからだろう。米国の潜在敵国はやはりロシアであり中国である。そのためには、韓国と朝鮮戦争は必要な道具なのだろう。
更に、極東に駐留して北朝鮮の核から守ってやるという口実で日本の軍備増強に蓋(瓶の蓋論)をすることができる。そうすれば、恐ろしい核兵器を持った日本が地球上に現れない。(ピーター・ナバロの本など)
2)米国は民主主義の国ではない。民主主義は単に理想論として、飾り棚に置いておくだけが丁度良いことを知っているからである。それは他国に宣伝し、売るためのものである。飾り棚から降ろして使えば、大衆迎合主義として国を荒廃に導くことを熟知している。自国は伝統的な支配層が、それをバックアップする戦略家やシンクタンクに非公開の組織など、最高の知性を動員して操縦している。
そして、民主主義が選んだトランプ大統領はなんとか排除すべきだと、全てのマスコミをつかって潰しにかかっている。日本でも、デイブスペクターや宮家邦彦氏などテレビに現れる評論家は、口を極めてトランプ批判をやっている。
2017年9月5日火曜日
北朝鮮を訪問するアントニオ猪木氏を応援します
1)アントニオ猪木氏が明日北朝鮮を訪問されるようである。30何回目かの北朝鮮訪問だということで、北朝鮮政府関係者と直接話ができる数少ない国会議員である。官房長官は自粛するようにと言ったらしいが、敢えてそれを無視する形の訪門となる。
アントニオ猪木氏はイラクでの人質救出に私費で飛行機を準備するなど、国会議員として国民の為に努力する姿は、他の議員達も見習うべきだと思う。http://president.jp/articles/-/11960?page=4 今回の猪木氏の北朝鮮訪問は、細くとも対話のルートを持つという意味で大変意味深いと思う。立場上反対する官房長官も、その意味は理解されている筈である。
北朝鮮問題では、米国が攻撃されたときにのみ集団的自衛権の行使という形で当事者になるが、現時点では日本は当事者ではないので、調停役が出来る立場にある。ロケットが上空500kmを通過したことで騒ぐ人はいるが、そのような人は無視すれば良い。彼らは、人工衛星が通過したときも騒ぐべきである。
今回のケースは米国と北朝鮮の講和を長期間怠った米国に本来非がある。今からでも北朝鮮がギリギリ歩み寄れる部分を確かめて、調停役が出来れば良いと思う。北朝鮮には同胞の拉致被害者が大勢居ると考えられ、彼らの救出も考えるべきである。
日本が対米戦争になる一年ほど前に、米国から宣教師が調停に現れ、それを切っ掛けに野村大使とハル国務長官の間で長い間話し合いが持たれた。この時、近衛首相の側近に尾崎秀実が居なければ、その調停が成功していた可能性もある。その時と似たような情況に思う。
2)核兵器の放棄は恐らく現状では無理であり、差し当たりICBMは開発しないということと、核兵器製造は現在までのところで中止するという条件で講和出来れば良いと思う。互いに信頼感ができる中で、核兵器の廃棄なども可能性としては考えられる。過去に、南アフリカやウクライナが核兵器を国内から全て運び出したので、全くあり得ない話ではない。
ただ、ロシア、中国、米国の巨大な国家の中で、独立国としての体裁を保つのは容易ではない。従って、核兵器の保持は北朝鮮だけでなく、日本や韓国も行う権利を有すると思う。
もし、核保持を小国だからということで禁止するのなら、小国の連合体が共同で核兵器を保持するなどの代替案が無ければならない。兎に角、上記条件程度で講和し、その後平和な時代が続けば、北朝鮮もロシアと同じような、選挙で政治家を選ぶ体制に移るだろう。経済の自由化は既に始まっていると、今日のゴゴスマで訪問した方が言っていたので、独裁からの脱却は特権階級が現れない内に行えば、不可能ではないと思う。金正恩氏にもそのように伝えることを期待する。
朝鮮民族の統一も、中国と米国、或いは中国とロシアなどの対立が無くなる中で、時が来た時に考えれば良いと思う。その時には是非、法治国家としての体裁や、時代を遡って裁かないなどの国際標準を身に着けれもらえば、日本国とも対立する理由は無くなるだろう。
兎に角、大勢の犠牲者を出す戦争による解決は出来るだけ避けるべきである。そのためには三方一両損を実行すべきだと思う。この三方一両損という考え方を是非、猪木氏から金正恩に伝えて欲しいものだ。三方一両損は、戦争を避ける鍵となる非常に有効な考え方である。米国にそれを教えるのは、非常に困難かもしれないが、総理に頼めるだろう。三方の一つには日本が成らなければならない。
日本が損をする理由などないと怒るひとも居るだろうが、戦争になれば日本人も何万人と死ぬことになるだろう。それを考え、そして、北朝鮮と講和する時にはいずれ経済協力金を用意する立場にあるのだから、その際に精算することも可能である。
兎に角、和平に向かって努力される猪木議員を、私は応援します。
アントニオ猪木氏はイラクでの人質救出に私費で飛行機を準備するなど、国会議員として国民の為に努力する姿は、他の議員達も見習うべきだと思う。http://president.jp/articles/-/11960?page=4 今回の猪木氏の北朝鮮訪問は、細くとも対話のルートを持つという意味で大変意味深いと思う。立場上反対する官房長官も、その意味は理解されている筈である。
北朝鮮問題では、米国が攻撃されたときにのみ集団的自衛権の行使という形で当事者になるが、現時点では日本は当事者ではないので、調停役が出来る立場にある。ロケットが上空500kmを通過したことで騒ぐ人はいるが、そのような人は無視すれば良い。彼らは、人工衛星が通過したときも騒ぐべきである。
今回のケースは米国と北朝鮮の講和を長期間怠った米国に本来非がある。今からでも北朝鮮がギリギリ歩み寄れる部分を確かめて、調停役が出来れば良いと思う。北朝鮮には同胞の拉致被害者が大勢居ると考えられ、彼らの救出も考えるべきである。
日本が対米戦争になる一年ほど前に、米国から宣教師が調停に現れ、それを切っ掛けに野村大使とハル国務長官の間で長い間話し合いが持たれた。この時、近衛首相の側近に尾崎秀実が居なければ、その調停が成功していた可能性もある。その時と似たような情況に思う。
2)核兵器の放棄は恐らく現状では無理であり、差し当たりICBMは開発しないということと、核兵器製造は現在までのところで中止するという条件で講和出来れば良いと思う。互いに信頼感ができる中で、核兵器の廃棄なども可能性としては考えられる。過去に、南アフリカやウクライナが核兵器を国内から全て運び出したので、全くあり得ない話ではない。
ただ、ロシア、中国、米国の巨大な国家の中で、独立国としての体裁を保つのは容易ではない。従って、核兵器の保持は北朝鮮だけでなく、日本や韓国も行う権利を有すると思う。
もし、核保持を小国だからということで禁止するのなら、小国の連合体が共同で核兵器を保持するなどの代替案が無ければならない。兎に角、上記条件程度で講和し、その後平和な時代が続けば、北朝鮮もロシアと同じような、選挙で政治家を選ぶ体制に移るだろう。経済の自由化は既に始まっていると、今日のゴゴスマで訪問した方が言っていたので、独裁からの脱却は特権階級が現れない内に行えば、不可能ではないと思う。金正恩氏にもそのように伝えることを期待する。
朝鮮民族の統一も、中国と米国、或いは中国とロシアなどの対立が無くなる中で、時が来た時に考えれば良いと思う。その時には是非、法治国家としての体裁や、時代を遡って裁かないなどの国際標準を身に着けれもらえば、日本国とも対立する理由は無くなるだろう。
兎に角、大勢の犠牲者を出す戦争による解決は出来るだけ避けるべきである。そのためには三方一両損を実行すべきだと思う。この三方一両損という考え方を是非、猪木氏から金正恩に伝えて欲しいものだ。三方一両損は、戦争を避ける鍵となる非常に有効な考え方である。米国にそれを教えるのは、非常に困難かもしれないが、総理に頼めるだろう。三方の一つには日本が成らなければならない。
日本が損をする理由などないと怒るひとも居るだろうが、戦争になれば日本人も何万人と死ぬことになるだろう。それを考え、そして、北朝鮮と講和する時にはいずれ経済協力金を用意する立場にあるのだから、その際に精算することも可能である。
兎に角、和平に向かって努力される猪木議員を、私は応援します。
北朝鮮の核とロシアの関係は?(北朝鮮問題を考える際にはもっと広い視野を持つべきである)
以下はふと思ったことである。根拠もあまりないのだが、北朝鮮の核開発があまりにも早すぎると思ったのである。
ーーーーーー
北朝鮮の核軍備は長足の進歩を遂げている。その背後にひょっとしてロシアがいるかもしれない。我々日本人は北朝鮮の背後に中国が居ると常に考えてきた。それは朝鮮戦争のときに人民解放軍が北朝鮮軍と一緒に戦った中であり、且つ、これまで経済的に強い繋がりがあったからである。
しかし、最近の核技術での速い進歩は、何処かが本質的な協力をしていると考えた方が分かりやすいのではないのか。核の小型化や水爆開発まで済ませるのは、独力では考えにくいのではないのか。また、最近の金正恩に反習近平の姿勢がかなり鮮明に見える様に思う(補足1)。習近平の大事な時期に核実験やミサイル実験を繰り返している。
ロシアは中国と長い国境線を持ち、その周囲での人口や経済力を見ると相当中国に有利である。もし、極東との間を切られると、ロシアはポーランド二個分位の国でしかないと、どこかに書いてあった。最近は習近平とプーチンの関係はかなり親密なように見えるが、それはプーチンの戦略ではないのかと思う。その間に北朝鮮を親露の核保有国に育て上げるのである。(補足2)
もし、米国も北朝鮮の力を認めて、朝鮮戦争の終結と講和を実現すれば、東アジアから米国の力が徐々に消える。そこでの覇権を中国ではなくロシアが北朝鮮を配下にして獲得すれば、日本は自然と北朝鮮の開発とロシアの極東開発に協力せざるをえない。
そして、将来の中国との力の差も縮小或いは逆転出来る可能性が高くなる。丁度米国が日本と中国との間に楔を打ち込んだように、21世紀後半からはロシアが日本と中国との間に楔を打ち込むのである。
その為には、朝鮮半島を先ず手に入れなければならない。韓国は北朝鮮といずれは統一する筈なので、そこをロシア圏とするか中国圏とするかは大きな差が生じる。朝鮮半島を抑えた側が日本も勢力圏に抑える事ができるのである。
2)安倍総理が9月上旬にウラジオストクでの東方経済フォーラムに参加する。そこでプーチン氏に会って北朝鮮の件について話し合う可能性もある。その足でインドに向かうと以前のネット記事に書いてあった。
そこで、プーチン大統領に北朝鮮の経済制裁を厳しくするように要求するだろうし、プーチン氏は同意するだろう。しかし、海千山千のプーチン氏はドイツのメルケル首相に異邦人と言わしめた多重舌の持ち主であることを安倍総理は肝に命じて置くべきであると思う。以前、そのように指摘したのは、北大名誉教授の木村汎氏である。 http://www.sankei.com/column/news/170904/clm1709040006-n1.html
安倍総理が何回目かにプーチン大統領に会った時の顔を見ていると、ウラジミールとは友達だという風に見えた。安倍総理も日本人の一人であり、「日本人の弱点は一旦信用すると、最後まで信用してしまう」可能性がある。日本人の弱点をそう指摘するのは、日中両国を良く知る柯隆氏であるし、私もそう思う。(補足3) 尾崎秀実を最後まで信用した近衛文麿の失敗が、日本を第2次大戦に導き日本を殆ど破壊してしまった歴史に学ぶべきだと思う。
プーチン大統領を責めているのではなく、プーチン氏は近現代世界史の“二枚舌が常識”の風潮に合った、ロシアの国益を第一に考えている優秀な政治家であると言っているのである。しかし、日本人は公職にあっても、私的な感情が抜け切らないというのが、上記柯隆氏の指摘である。そして、政治に命を懸けていると我々国民に思わせる久々の安倍総理も、その傾向を加計問題などで一度暴露している。
事ここに至っては、日本が為すべき事は米国の信頼を大事にすることである。それはトランプ大統領だけでなく、伝統的な米国の支配層を含めての話である。米国とロシアとは長年のライバルであり、日本の総理がロシアの大統領と何やら秘密めいた話をするのは、避けた方が良いと思う。良い結果など期待できない。
対核の脅威を考える場合、日本の核武装か東アジア条約機構(NATOの東アジア版)を作り、米国の提供による核シェアリングが第一である。その対象国は、中国、ロシア、北朝鮮である(一応米国は除外)。中国やロシアはそれなりに大国の風格があり、歴史的にも大国として振る舞ってきたので、核兵器を道具として使うだろう。それも日本が敵対する場合は非常に厄介である。
しかし、朝鮮半島の複雑な歴史と“混乱した論理”を考えると、韓国や北朝鮮にとって核兵器は最も危険な“玩具”である。それは日本の息の根を止める可能性すらあると思うのである。如何に北朝鮮の核の脅威に備えるかは、日本の今後の死活問題である。
補足:
1)金正男をトップとする北朝鮮の亡命政府を中国内につくる話があったと聞いたことがある。張成沢が処刑された原因の一つだと何処かにあった。
2)ロシアが中国に対して恐怖に似た感情をもっていると、ピーターナバロの書いた「米中もし戦わば」に書いてあった。例えば中国は満州の北をロシアに獲られた記憶があるはずであるし、ロシアもそれを覚えている。
3)「爆買いと反日」柯隆著、時事通信社(2016)209頁。 柯隆氏はこのなかで、「日本の政治家は戦い(政治闘争)と言っても(中国と違って)死活問題ではないためか、真剣さが見られない。日本の政治家と直接接しても軽さが目立つことが多い」と書いている。安倍総理は、真剣に政治に向かっている殆ど数人しか居ない日本の政治家の中の一人である。何とか、尾崎秀実を最後まで信用した近衛文麿のような失敗をしてほしくない。
北朝鮮の核軍備は長足の進歩を遂げている。その背後にひょっとしてロシアがいるかもしれない。我々日本人は北朝鮮の背後に中国が居ると常に考えてきた。それは朝鮮戦争のときに人民解放軍が北朝鮮軍と一緒に戦った中であり、且つ、これまで経済的に強い繋がりがあったからである。
しかし、最近の核技術での速い進歩は、何処かが本質的な協力をしていると考えた方が分かりやすいのではないのか。核の小型化や水爆開発まで済ませるのは、独力では考えにくいのではないのか。また、最近の金正恩に反習近平の姿勢がかなり鮮明に見える様に思う(補足1)。習近平の大事な時期に核実験やミサイル実験を繰り返している。
ロシアは中国と長い国境線を持ち、その周囲での人口や経済力を見ると相当中国に有利である。もし、極東との間を切られると、ロシアはポーランド二個分位の国でしかないと、どこかに書いてあった。最近は習近平とプーチンの関係はかなり親密なように見えるが、それはプーチンの戦略ではないのかと思う。その間に北朝鮮を親露の核保有国に育て上げるのである。(補足2)
もし、米国も北朝鮮の力を認めて、朝鮮戦争の終結と講和を実現すれば、東アジアから米国の力が徐々に消える。そこでの覇権を中国ではなくロシアが北朝鮮を配下にして獲得すれば、日本は自然と北朝鮮の開発とロシアの極東開発に協力せざるをえない。
そして、将来の中国との力の差も縮小或いは逆転出来る可能性が高くなる。丁度米国が日本と中国との間に楔を打ち込んだように、21世紀後半からはロシアが日本と中国との間に楔を打ち込むのである。
その為には、朝鮮半島を先ず手に入れなければならない。韓国は北朝鮮といずれは統一する筈なので、そこをロシア圏とするか中国圏とするかは大きな差が生じる。朝鮮半島を抑えた側が日本も勢力圏に抑える事ができるのである。
再びこの絵を挿入する。中国と朝鮮半島を取り合いしているのは、日本ではなく今度はロシアかもしれない。日本は橋の上で心配そうに丸腰で様子をみているか、或いはKoreaという魚がKorea and Japanなのかもしれない。
2)安倍総理が9月上旬にウラジオストクでの東方経済フォーラムに参加する。そこでプーチン氏に会って北朝鮮の件について話し合う可能性もある。その足でインドに向かうと以前のネット記事に書いてあった。
そこで、プーチン大統領に北朝鮮の経済制裁を厳しくするように要求するだろうし、プーチン氏は同意するだろう。しかし、海千山千のプーチン氏はドイツのメルケル首相に異邦人と言わしめた多重舌の持ち主であることを安倍総理は肝に命じて置くべきであると思う。以前、そのように指摘したのは、北大名誉教授の木村汎氏である。 http://www.sankei.com/column/news/170904/clm1709040006-n1.html
安倍総理が何回目かにプーチン大統領に会った時の顔を見ていると、ウラジミールとは友達だという風に見えた。安倍総理も日本人の一人であり、「日本人の弱点は一旦信用すると、最後まで信用してしまう」可能性がある。日本人の弱点をそう指摘するのは、日中両国を良く知る柯隆氏であるし、私もそう思う。(補足3) 尾崎秀実を最後まで信用した近衛文麿の失敗が、日本を第2次大戦に導き日本を殆ど破壊してしまった歴史に学ぶべきだと思う。
プーチン大統領を責めているのではなく、プーチン氏は近現代世界史の“二枚舌が常識”の風潮に合った、ロシアの国益を第一に考えている優秀な政治家であると言っているのである。しかし、日本人は公職にあっても、私的な感情が抜け切らないというのが、上記柯隆氏の指摘である。そして、政治に命を懸けていると我々国民に思わせる久々の安倍総理も、その傾向を加計問題などで一度暴露している。
事ここに至っては、日本が為すべき事は米国の信頼を大事にすることである。それはトランプ大統領だけでなく、伝統的な米国の支配層を含めての話である。米国とロシアとは長年のライバルであり、日本の総理がロシアの大統領と何やら秘密めいた話をするのは、避けた方が良いと思う。良い結果など期待できない。
対核の脅威を考える場合、日本の核武装か東アジア条約機構(NATOの東アジア版)を作り、米国の提供による核シェアリングが第一である。その対象国は、中国、ロシア、北朝鮮である(一応米国は除外)。中国やロシアはそれなりに大国の風格があり、歴史的にも大国として振る舞ってきたので、核兵器を道具として使うだろう。それも日本が敵対する場合は非常に厄介である。
しかし、朝鮮半島の複雑な歴史と“混乱した論理”を考えると、韓国や北朝鮮にとって核兵器は最も危険な“玩具”である。それは日本の息の根を止める可能性すらあると思うのである。如何に北朝鮮の核の脅威に備えるかは、日本の今後の死活問題である。
補足:
1)金正男をトップとする北朝鮮の亡命政府を中国内につくる話があったと聞いたことがある。張成沢が処刑された原因の一つだと何処かにあった。
2)ロシアが中国に対して恐怖に似た感情をもっていると、ピーターナバロの書いた「米中もし戦わば」に書いてあった。例えば中国は満州の北をロシアに獲られた記憶があるはずであるし、ロシアもそれを覚えている。
3)「爆買いと反日」柯隆著、時事通信社(2016)209頁。 柯隆氏はこのなかで、「日本の政治家は戦い(政治闘争)と言っても(中国と違って)死活問題ではないためか、真剣さが見られない。日本の政治家と直接接しても軽さが目立つことが多い」と書いている。安倍総理は、真剣に政治に向かっている殆ど数人しか居ない日本の政治家の中の一人である。何とか、尾崎秀実を最後まで信用した近衛文麿のような失敗をしてほしくない。
2017年9月4日月曜日
北朝鮮が行った核実験:核爆弾の大きさ
1)今回の北朝鮮の核実験による地震の大きさに関して、BBCニュースではマグニチュード6.3と発表し、小野寺防衛大臣はマグニチュード5.7と発表している。防衛大臣は同時に、核爆弾の大きさとしてTNT火薬換算で約70 ktonと発表している。広島での原爆のエネルギーはTNT換算で15ktonと言われており、防衛大臣の発表では広島型の約5個分、BBCの発表の値だと約45個分という大きな核爆弾だったことになる。
地震の大きさから核爆弾の大きさを推定するのだが、先ず地震のマグニチュードとエネルギーの関係を知る必要がある。マグニチュード(M)と地震エネルギーE(ジュール)には、Log E=4.8+1.5xM の関係式がある。単位ジュールは、約1/4.2カロリーである。この式を用いれば、マグニチュードが0.2上がると、エネルギーは約2倍になる。
地震の大きさから地下核実験の核爆発の大きさ(核爆弾の威力)を正確に計算する方法はない。何故なら、核爆発の大きさと地震の大きさは、核実験空間の大きさやその場所及び近辺の岩盤の機械的性質に大きく依存するからである。(下図参照) 例えば、地盤が緩ければ、発生する地震は小さくなる筈である。従って、類似の実験場での二回の核爆発の大きさの相対的比較は、地震の観測結果からかなり正確に出来るだろうが、地震のマグニチュードから核爆弾の規模を予測するのはそれほど容易ではない。つまり、地震のマグニチュードが幾らだから、核爆弾の規模は何キロトン位だろうというのはかなり荒い予測である。
ウィキペディアには、米国の実験では、5000ktonの核爆弾でマグニチュード7.0の地震が観測されている。ロシアの実験では、4200ktonの核爆弾でマグニチュード6.97の地震が観測されたと記載されている。20%程度の差しかないのは、不思議なほど良い一致である。その点は議論せずに米国の実験結果を用いる。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E5%9C%B0%E9%9C%87
マグニチュード7が5000kトンの核爆弾での地震だとすると、マグニチュード6.3(6.1)なら、446kton(223kton)規模の核爆弾だったということになる。マグニチュード5.7でも、56ktonというかなり大きな爆弾の実験だったということになる。
比較すべきは広島と長崎の原爆である。それらの大きさは、夫々TNT火薬換算で、約15kton 及び22ktonと言われている。今朝のNHKニュースによると、核融合を利用したブースト型原爆と呼ばれるものだった可能性があるとしている。つまり、金正恩の発表通り水爆の可能性があるということだ。(補足1)
2)防衛大臣が記者に向かって言ったTNT火薬70ktonというのは、どの程度のエネルギーなのだろうか。ウィキペディアによると、TNT火薬1トンによる発生エネルギーは、42億ジュールである。或いは、TNT火薬1グラムで1000カロリー(4200ジュール)のエネルギーが発生すると言う方が分かりやすいかもしれない。70ktonは700億グラムだから、そのエネルギーは約3000億kJ(キロジュール)になる。
この数値がどの程度のものなのか。太陽が地球上に降り注ぐエネルギーと比較してみる。太陽が真上から地球上に放射するエネルギーは、1分間1平方センチメートル当たり約2カロリーである。これは小学校でも教育されていると思う。
広島大学のサイト:http://home.hiroshima-u.ac.jp/mfukuok/er/ES_KK.htmlの図中に記載された数値を用いると、1.37kW/m2 (殆ど同じで、2cal/cm2より少し小さい)という数値になる。この値を用いれば、一秒間だけ10km四方(100平方km)で太陽が1100倍明るくなる程度のエネルギー放射となる。
もう少し分かり易く3000億キロジュールがどの程度なのか説明する。私の使う1.2kWのトースターは、25cm x 20cmの金網の上でパンを加熱する。上記核爆発のエネルギーの半分は上空に向かって放出されると考えると、そのトースターと同じ加熱を10km四方で10分間行うことに相当する。外にいる人間はほとんど焼け死ぬことになる。
核爆発のエネルギーは当然、爆心地で非常に強くなると考えられる。上記エネルギーが1km四方に注がれたと考えると、爆心地の大凡の様子が想像できる。つまり、厚さ数cmで水が存在しても、それが瞬時に蒸発してしまう位の熱が発生するだろう。
補足:
1)ブースト型原爆と言うのは、原爆と同時に核融合を起こすことで威力をました爆弾という意味である。つまり、原爆を起爆装置に用いた水爆ではなく、水爆も補助的に追加して威力を増した原爆という意味である。
地震の大きさから核爆弾の大きさを推定するのだが、先ず地震のマグニチュードとエネルギーの関係を知る必要がある。マグニチュード(M)と地震エネルギーE(ジュール)には、Log E=4.8+1.5xM の関係式がある。単位ジュールは、約1/4.2カロリーである。この式を用いれば、マグニチュードが0.2上がると、エネルギーは約2倍になる。
地震の大きさから地下核実験の核爆発の大きさ(核爆弾の威力)を正確に計算する方法はない。何故なら、核爆発の大きさと地震の大きさは、核実験空間の大きさやその場所及び近辺の岩盤の機械的性質に大きく依存するからである。(下図参照) 例えば、地盤が緩ければ、発生する地震は小さくなる筈である。従って、類似の実験場での二回の核爆発の大きさの相対的比較は、地震の観測結果からかなり正確に出来るだろうが、地震のマグニチュードから核爆弾の規模を予測するのはそれほど容易ではない。つまり、地震のマグニチュードが幾らだから、核爆弾の規模は何キロトン位だろうというのはかなり荒い予測である。
ウィキペディアには、米国の実験では、5000ktonの核爆弾でマグニチュード7.0の地震が観測されている。ロシアの実験では、4200ktonの核爆弾でマグニチュード6.97の地震が観測されたと記載されている。20%程度の差しかないのは、不思議なほど良い一致である。その点は議論せずに米国の実験結果を用いる。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E5%9C%B0%E9%9C%87
マグニチュード7が5000kトンの核爆弾での地震だとすると、マグニチュード6.3(6.1)なら、446kton(223kton)規模の核爆弾だったということになる。マグニチュード5.7でも、56ktonというかなり大きな爆弾の実験だったということになる。
比較すべきは広島と長崎の原爆である。それらの大きさは、夫々TNT火薬換算で、約15kton 及び22ktonと言われている。今朝のNHKニュースによると、核融合を利用したブースト型原爆と呼ばれるものだった可能性があるとしている。つまり、金正恩の発表通り水爆の可能性があるということだ。(補足1)
2)防衛大臣が記者に向かって言ったTNT火薬70ktonというのは、どの程度のエネルギーなのだろうか。ウィキペディアによると、TNT火薬1トンによる発生エネルギーは、42億ジュールである。或いは、TNT火薬1グラムで1000カロリー(4200ジュール)のエネルギーが発生すると言う方が分かりやすいかもしれない。70ktonは700億グラムだから、そのエネルギーは約3000億kJ(キロジュール)になる。
この数値がどの程度のものなのか。太陽が地球上に降り注ぐエネルギーと比較してみる。太陽が真上から地球上に放射するエネルギーは、1分間1平方センチメートル当たり約2カロリーである。これは小学校でも教育されていると思う。
広島大学のサイト:http://home.hiroshima-u.ac.jp/mfukuok/er/ES_KK.htmlの図中に記載された数値を用いると、1.37kW/m2 (殆ど同じで、2cal/cm2より少し小さい)という数値になる。この値を用いれば、一秒間だけ10km四方(100平方km)で太陽が1100倍明るくなる程度のエネルギー放射となる。
もう少し分かり易く3000億キロジュールがどの程度なのか説明する。私の使う1.2kWのトースターは、25cm x 20cmの金網の上でパンを加熱する。上記核爆発のエネルギーの半分は上空に向かって放出されると考えると、そのトースターと同じ加熱を10km四方で10分間行うことに相当する。外にいる人間はほとんど焼け死ぬことになる。
核爆発のエネルギーは当然、爆心地で非常に強くなると考えられる。上記エネルギーが1km四方に注がれたと考えると、爆心地の大凡の様子が想像できる。つまり、厚さ数cmで水が存在しても、それが瞬時に蒸発してしまう位の熱が発生するだろう。
補足:
1)ブースト型原爆と言うのは、原爆と同時に核融合を起こすことで威力をました爆弾という意味である。つまり、原爆を起爆装置に用いた水爆ではなく、水爆も補助的に追加して威力を増した原爆という意味である。
2017年9月3日日曜日
北朝鮮は核の小型化を完成した模様である
北朝鮮による核実験が今日だけで2回行われた様である。この際に放出されたエネルギーは前回の核実験より相当(30倍程度)多い様である。これは専門家の分析を待たなければならないが、核兵器の小型化を目指すものなのか、大型の核兵器の開発の為なのかわからない。
しかし、北朝鮮が開発したいのはICBMに搭載できる小型の核爆弾の筈である。水爆などは差し当たり特に必要な兵器ではない。前回の核実験のエネルギーが核兵器にすればどの程度の大きさになるかによって、今回の実験の意味が異なる。つまり、同じ大きさの核兵器でも核爆発が完全に起こる場合と、不完全な場合とではエネルギーが異なるからである。
今回の地震エネルギーがミサイル搭載型の核爆弾のエネルギーの最大値より小さいのなら、今回の核爆発は完全に核分裂が起こったことになり、これで核の小型化が完成した可能性が高い。この成果が今までの中距離ミサイルに搭載されると、日本全土が核兵器の射程内に入ったことになる。PAC-3やイージス艦などでの迎撃は実戦的な証明はされておらず、限界がある。迎撃は鉄砲玉で鉄砲玉を落とす技術であり、直感的に役にたたないだろう。
これで、米国が何もしなければ、日本はなんとか核武装の道を取らなければならない。NHKが中国は北朝鮮の核実験に反対しており、今回の核実験は中国の顔に泥をぬることになると放送している。しかし、それは全くのデタラメである。中国は北朝鮮に核実験を止めさせる予定はないだろう。
つまり、北朝鮮と関係の深い中国の北部戦区は江沢民派が抑えているという、川添恵子氏の説を取り入れると、習近平政権にはその力が無い可能性が高い。顔に泥を塗られたジェスチャーは、単に国際社会への協調の姿勢を見せる為だけのものである。
河野外務大臣は安保理を開催して、国際社会と協力し、更に厳しい制裁を取ると言っている。しかし、国連の安保理は何の役にも立たないのは明らかである。全ては米国の単独行動に掛かっている。米国が単独で、ロシア及び中国に通告を行うだけで軍事行動をとるべきだろう。
これで、米国が軍事的対応を取らなければ、全ての手段がテーブルの上にあるというのは米国の嘘であることの証明となる。そして、米国との同盟は、日本の防衛には役立たない可能性がたかい。中国はそれを見て、近いうちに尖閣諸島の占領をするだろう。
追加: 今日の核実験は一度だけで、2度目は岩盤の崩落か何かだという。北朝鮮は今日午後3時半の放送で、ICBM搭載型の水爆実験に成功したというが、真偽のほどは明らかではない。
しかし、北朝鮮が開発したいのはICBMに搭載できる小型の核爆弾の筈である。水爆などは差し当たり特に必要な兵器ではない。前回の核実験のエネルギーが核兵器にすればどの程度の大きさになるかによって、今回の実験の意味が異なる。つまり、同じ大きさの核兵器でも核爆発が完全に起こる場合と、不完全な場合とではエネルギーが異なるからである。
今回の地震エネルギーがミサイル搭載型の核爆弾のエネルギーの最大値より小さいのなら、今回の核爆発は完全に核分裂が起こったことになり、これで核の小型化が完成した可能性が高い。この成果が今までの中距離ミサイルに搭載されると、日本全土が核兵器の射程内に入ったことになる。PAC-3やイージス艦などでの迎撃は実戦的な証明はされておらず、限界がある。迎撃は鉄砲玉で鉄砲玉を落とす技術であり、直感的に役にたたないだろう。
これで、米国が何もしなければ、日本はなんとか核武装の道を取らなければならない。NHKが中国は北朝鮮の核実験に反対しており、今回の核実験は中国の顔に泥をぬることになると放送している。しかし、それは全くのデタラメである。中国は北朝鮮に核実験を止めさせる予定はないだろう。
つまり、北朝鮮と関係の深い中国の北部戦区は江沢民派が抑えているという、川添恵子氏の説を取り入れると、習近平政権にはその力が無い可能性が高い。顔に泥を塗られたジェスチャーは、単に国際社会への協調の姿勢を見せる為だけのものである。
河野外務大臣は安保理を開催して、国際社会と協力し、更に厳しい制裁を取ると言っている。しかし、国連の安保理は何の役にも立たないのは明らかである。全ては米国の単独行動に掛かっている。米国が単独で、ロシア及び中国に通告を行うだけで軍事行動をとるべきだろう。
これで、米国が軍事的対応を取らなければ、全ての手段がテーブルの上にあるというのは米国の嘘であることの証明となる。そして、米国との同盟は、日本の防衛には役立たない可能性がたかい。中国はそれを見て、近いうちに尖閣諸島の占領をするだろう。
追加: 今日の核実験は一度だけで、2度目は岩盤の崩落か何かだという。北朝鮮は今日午後3時半の放送で、ICBM搭載型の水爆実験に成功したというが、真偽のほどは明らかではない。
米国の為に日本のマスコミを利用して活躍する人たち
佐藤優氏と宮家邦彦氏の政治解説には、何時も米国の利益を代表しているような違和感を感じる。それについては既に書いた。
https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42023202.html
昨日配信の動画でも、佐藤優氏の北朝鮮問題に関する解説は、従来の米国支配層の利益を代表しているように思える。題目は「正恩はアメリカの恐ろしさを理解していない! 国連が最上級の制裁を検討⁉︎日本はどうなる! 佐藤優徹底解説!」である。 https://www.youtube.com/watch?v=Jj8-YMRCYnU
この動画での、最初の地政学的な話は説得力があり大変有用であると思う。流石にプロの政治評論家だと思う。そのほかの話や著書をみても、佐藤優氏は凄い人であることは間違いない。
ただ、上記のような疑いを持つ。つまり、佐藤優氏は従来の米国支配層の利益のために、それに従順だったオバマ政権を持ち上げ、トランプ政権を批判している。出来るだけ早期に、トランプ政権を潰したいのだろう。デーブ・スペクター氏なども同様の活動をしている。
話のなかで、北朝鮮の生存を保障できるのは米国だけだと言うが、そこに朝鮮戦争との関連に言及すべきだが、それをしていない。国連軍を名乗る米国軍と未だ戦争状態にあるから、北朝鮮は国家の生存を米国に要求しているのである。この大事なポイントをわざと避けているのは、非常に不自然である。
朝鮮戦争を温存して、東アジアに居残るというのが米国の戦略であった。それをストレートに言う馬渕睦夫氏を、宮家邦彦氏と一緒に「陰謀論」という黒い衣を着せて批判した。その件について紹介したのが、最初に紹介したブログである。
米国は、日本にも北朝鮮との講和をしないように圧力や工作をしてきた。そのことについても、佐藤氏はここでもだんまりを決め込んでいる。三年ほど前に、ソニーピクチャーエンターテインメントが金正恩の暗殺映画を作った。http://jp.wsj.com/articles/SB11780535754685564831004580358272810214314
ソニーという日本を代表する企業の子会社に、そのような映画を作らせたのは米国国務省の差し金だという話がある。それを、評論家の田中宇氏は日本と北朝鮮を近づけ無いための工作の可能性があると言っている。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/41924555.html
また、小泉政権のときの拉致被害者の奪還の際、講和の話が進んでいた筈で、それを潰したのは米国だろう。そのあたりを日本政府は明らかにしていない。トランプ大統領が自分の考えをストレートに出せるなら、北朝鮮と直ぐに講和するだろう。
2006年以前にトランプ政権ができていたら、北朝鮮と講和し、北朝鮮は核開発を止めさせることは現在よりもはるかに簡単だっただろう。日本も北朝鮮との講和を進めて、拉致被害者が全て帰国できただろう。北朝鮮の人たちも、日本からの経済援助を利用して途上国的経済から脱却していただろう。
北朝鮮の核保持について、「オバマなら、北朝鮮が中距離弾道ミサイルに核を搭載して、日本が攻撃させるのは構わないという様なことにはしないが、トランプはやりかね無い」と佐藤氏はオバマを持ち上げて、トランプを否定的にいう。
しかし、トランプの本音は日本も核を持ちたければ、持てば良いという考えである。その場合、日本は米国から自立でき、日本の将来を日本独自に決められる。一方、オバマは日本には絶対に核を持たせ無い。それは北朝鮮の最初の核実験後に、ライス国務長官が直ちに日本に飛んできて、「米国が日本を核攻撃から守る」と言ったことでもわかる。その場合、日本は永久に米国の属国のままである。しかも、核の傘など、中国の核に対してはなんの保障もない。
「トランプは儲かる戦争をする」といかにも日本人請けの悪口だが、それは伝統的な米国の姿勢だった。 佐藤優氏が、ここまで言っても正体がバレ無いと思ったのなら、視聴者を馬鹿にしているのだろう。
===以上は政治の素人の私的メモです。適当に読み飛ばして下さい===
昨日配信の動画でも、佐藤優氏の北朝鮮問題に関する解説は、従来の米国支配層の利益を代表しているように思える。題目は「正恩はアメリカの恐ろしさを理解していない! 国連が最上級の制裁を検討⁉︎日本はどうなる! 佐藤優徹底解説!」である。 https://www.youtube.com/watch?v=Jj8-YMRCYnU
この動画での、最初の地政学的な話は説得力があり大変有用であると思う。流石にプロの政治評論家だと思う。そのほかの話や著書をみても、佐藤優氏は凄い人であることは間違いない。
ただ、上記のような疑いを持つ。つまり、佐藤優氏は従来の米国支配層の利益のために、それに従順だったオバマ政権を持ち上げ、トランプ政権を批判している。出来るだけ早期に、トランプ政権を潰したいのだろう。デーブ・スペクター氏なども同様の活動をしている。
話のなかで、北朝鮮の生存を保障できるのは米国だけだと言うが、そこに朝鮮戦争との関連に言及すべきだが、それをしていない。国連軍を名乗る米国軍と未だ戦争状態にあるから、北朝鮮は国家の生存を米国に要求しているのである。この大事なポイントをわざと避けているのは、非常に不自然である。
朝鮮戦争を温存して、東アジアに居残るというのが米国の戦略であった。それをストレートに言う馬渕睦夫氏を、宮家邦彦氏と一緒に「陰謀論」という黒い衣を着せて批判した。その件について紹介したのが、最初に紹介したブログである。
米国は、日本にも北朝鮮との講和をしないように圧力や工作をしてきた。そのことについても、佐藤氏はここでもだんまりを決め込んでいる。三年ほど前に、ソニーピクチャーエンターテインメントが金正恩の暗殺映画を作った。http://jp.wsj.com/articles/SB11780535754685564831004580358272810214314
ソニーという日本を代表する企業の子会社に、そのような映画を作らせたのは米国国務省の差し金だという話がある。それを、評論家の田中宇氏は日本と北朝鮮を近づけ無いための工作の可能性があると言っている。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/41924555.html
また、小泉政権のときの拉致被害者の奪還の際、講和の話が進んでいた筈で、それを潰したのは米国だろう。そのあたりを日本政府は明らかにしていない。トランプ大統領が自分の考えをストレートに出せるなら、北朝鮮と直ぐに講和するだろう。
2006年以前にトランプ政権ができていたら、北朝鮮と講和し、北朝鮮は核開発を止めさせることは現在よりもはるかに簡単だっただろう。日本も北朝鮮との講和を進めて、拉致被害者が全て帰国できただろう。北朝鮮の人たちも、日本からの経済援助を利用して途上国的経済から脱却していただろう。
北朝鮮の核保持について、「オバマなら、北朝鮮が中距離弾道ミサイルに核を搭載して、日本が攻撃させるのは構わないという様なことにはしないが、トランプはやりかね無い」と佐藤氏はオバマを持ち上げて、トランプを否定的にいう。
しかし、トランプの本音は日本も核を持ちたければ、持てば良いという考えである。その場合、日本は米国から自立でき、日本の将来を日本独自に決められる。一方、オバマは日本には絶対に核を持たせ無い。それは北朝鮮の最初の核実験後に、ライス国務長官が直ちに日本に飛んできて、「米国が日本を核攻撃から守る」と言ったことでもわかる。その場合、日本は永久に米国の属国のままである。しかも、核の傘など、中国の核に対してはなんの保障もない。
「トランプは儲かる戦争をする」といかにも日本人請けの悪口だが、それは伝統的な米国の姿勢だった。 佐藤優氏が、ここまで言っても正体がバレ無いと思ったのなら、視聴者を馬鹿にしているのだろう。
===以上は政治の素人の私的メモです。適当に読み飛ばして下さい===
2017年9月2日土曜日
北朝鮮は核兵器の小型化を本当に実現しているのか?
北朝鮮は核兵器の小型化に成功しており、ミサイルに搭載済みであると、北朝鮮および米国は言っている。しかし、それは本当か?
日経新聞の8月9日配信の記事では、米国ワシントンポスト紙の記事を引用して、アメリカ国防情報局の発表によれば、北朝鮮は既に弾道ミサイルに搭載可能な核兵器開発に成功していると報じた。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGN09H13_Z00C17A8000000/ また、北朝鮮も既に米国を核兵器で攻撃するという脅しを用いている。
この二つの情報から、純情な日本人は北朝鮮が核兵器の小型化に成功して、既に実戦配備していると信じるのは無理がない。しかし、私はこの情報を疑っている。つまり、北朝鮮が更に核実験がしたいのは、この小型化のためであり、従ってまだそれに成功していないと思う。
米国ワシントンポストが上記報道をしたのは、いざとなった場合の北朝鮮爆撃の口実を準備するためであり(補足1)、北朝鮮の発表は空のポケットに手を突っ込んで、ピストルを握っているフリをしていると考えるべきだろう。つまり、必死に時間稼ぎをしていると見る。場合によっては、馬渕睦夫さんがいうように、両者が連んでいる可能性すらある。
8月末の根室沖へのミサイル発射が、どうも失敗だった模様である。多弾頭ミサイル実験かと思ったが、予定よりも飛行距離が短いという話を信じれば、大気圏に突入の際に分解した可能性がある。断熱圧縮された空気による弾頭の加熱を克服できなかったのかもしれない。
そう考えると、核兵器をミサイルに搭載するには、未だ二つの障壁が残っている可能性もある。核の小型化と大気圏突入の際に弾頭部分を守る技術である。
マティス氏やティラーソン氏が対話を重視する発言をしているのは、伝統的な米国支配層の考えで、それはトランプ大統領の強硬解決の考えとことなる。両者が役割分担をしていると見る向きもあるが、そうではなく政権内の綱引の可能性がある。
もし、北朝鮮がミサイルに核兵器を搭載する技術を完成していないのなら、トランプ大統領の強硬策の方が問題を大きくしないうちの解決につながる。日本は独自に、もっとも大事なその情報を得る努力をしているのだろうか?
補足:
1)イラクが大量破壊兵器を保有していることを理由に、戦争を始めた米国を思い出すべきである。http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Iraq/duelfer_report.htm
日経新聞の8月9日配信の記事では、米国ワシントンポスト紙の記事を引用して、アメリカ国防情報局の発表によれば、北朝鮮は既に弾道ミサイルに搭載可能な核兵器開発に成功していると報じた。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGN09H13_Z00C17A8000000/ また、北朝鮮も既に米国を核兵器で攻撃するという脅しを用いている。
この二つの情報から、純情な日本人は北朝鮮が核兵器の小型化に成功して、既に実戦配備していると信じるのは無理がない。しかし、私はこの情報を疑っている。つまり、北朝鮮が更に核実験がしたいのは、この小型化のためであり、従ってまだそれに成功していないと思う。
米国ワシントンポストが上記報道をしたのは、いざとなった場合の北朝鮮爆撃の口実を準備するためであり(補足1)、北朝鮮の発表は空のポケットに手を突っ込んで、ピストルを握っているフリをしていると考えるべきだろう。つまり、必死に時間稼ぎをしていると見る。場合によっては、馬渕睦夫さんがいうように、両者が連んでいる可能性すらある。
8月末の根室沖へのミサイル発射が、どうも失敗だった模様である。多弾頭ミサイル実験かと思ったが、予定よりも飛行距離が短いという話を信じれば、大気圏に突入の際に分解した可能性がある。断熱圧縮された空気による弾頭の加熱を克服できなかったのかもしれない。
そう考えると、核兵器をミサイルに搭載するには、未だ二つの障壁が残っている可能性もある。核の小型化と大気圏突入の際に弾頭部分を守る技術である。
マティス氏やティラーソン氏が対話を重視する発言をしているのは、伝統的な米国支配層の考えで、それはトランプ大統領の強硬解決の考えとことなる。両者が役割分担をしていると見る向きもあるが、そうではなく政権内の綱引の可能性がある。
もし、北朝鮮がミサイルに核兵器を搭載する技術を完成していないのなら、トランプ大統領の強硬策の方が問題を大きくしないうちの解決につながる。日本は独自に、もっとも大事なその情報を得る努力をしているのだろうか?
補足:
1)イラクが大量破壊兵器を保有していることを理由に、戦争を始めた米国を思い出すべきである。http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Iraq/duelfer_report.htm