1)貧しい国ほど貧富の差が大きい
一般に貧しい国ほど貧富の差が大きい。そして、多くの貧しい国では、実質的に独裁政権が国を制圧している。貧しい国では一般大衆は常に強い不満を持ち、政治的にエネルギーが高くなっている。その様な状況では、極端な場合、独裁恐怖政治のみが政治的に安定となる。そして、自由の無い国では、自国発の技術開発などによる経済発展は望めないのだ。
独裁政権では、政権に近い者は豊かであり、遠い者は貧しい。もし、政権に遠い者が豊かになれば、其の政権は転覆される可能性がたかくなる。経済力は政治力に変換されるからである。つまり、遠くのものは徹底的に差別し搾取することが、独裁政権の安定化には必要である。(補足1)
貧富の差を表す指数としてジニ係数がよく知られている。その説明を簡単に行うが、以前の記事の方がわかりやすいかもしれない。
https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2016/09/1_29.html
上の図がジニ係数の説明図である。先ず、収入の低い順にその国の人全員を並べたと想像してほしい。ジニ係数を計算するための曲線(上の図のAとBの境界)は、ある横軸座標の人数(X)までの収入の合計額が、その縦軸座標Yとなることを意味する。従って、最高年収者が横軸100%のところに来て、その縦軸の値が国民全体の収入となる。
更に、国民の収入の総和を1.0、総人口も1.0に規格化して、グラフを書き換えたのが、上の図である。45度の線と、上記曲線(Lorenz曲線)で囲まれた部分Aの面積とその下のBの面積から、A/(A+B)を計算し、その値の2倍をジニ係数という。それを100倍して%表示にした数値をここでは用いる。
45度の線は、全ての人の収入が等しい場合のLorenz曲線である。その時、Aの面積はゼロになり、従ってジニ係数はゼロである。一人を除いて、全ての人の収入が0で、最後の一人が全ての収入を得る時、ローレンツ曲線の最後の点以外はX軸に一致し、ジニ係数は100%となる。
つまり、完全に平等な収入ならジニ係数はゼロで、完全に不平等(独り占め)の場合が100%となる。その間の数値では、数値が大きいほど貧富の差が大きくなる。一般に40%では暴動が起こる可能性があり、50%では常時暴動の危険に晒されていると言われる。図の右にあげた各国のジニ係数を見て、その国の政治情況を知れば、その数値の大凡の意味がわかるだろう。
ここでは収入でジニ係数を計算したが、それを資産額で計算すると、ジニ係数は普通もっと大きくなる。
上の図は、世界各国の一人当たりGDP(横軸)とジニ係数(縦軸)の関係を著した散布図である。(補足2) おおよその傾向として、豊かな国ほどジニ係数が小さく、平等に近くなっていることがわかるだろう。以上が、「一般に貧しい国ほど貧富の差が大きい。」ことの証明である。勿論、「国が貧しいこと」と「国民が貧しいこと」は違うという方は、この節の題を替えて読んでほしい。(補足3)
因みに中国やインドのジニ係数が約50%だが、それはどの様な情況なのか。例えば全体の80%の人の収入が年間100万円で、残りの20%の人が1000万円のような場合、ジニ係数は51%である。或いは、国民数人或いは数十人程度の人間が全体収入の半分を取り、残りがその他に平等に分配された場合、ジニ係数は50%となる。何れにしても酷い貧富の差であり、ジニ係数50%は常時暴動発生のレベルと言われる。
北欧など豊かで非常に平等な国は、ジニ係数27%程度で、日本のジニ係数0.34は先進国では決して低い値ではない。(補足4)ドイツやカナダよりも高いジニ係数であること、つまりそれらの国よりも貧富の差が大きい国であることを知るべきである。
2)グローバル化によるジニ係数の増加と文明崩壊の危険(日本に関しては致命的問題)
人口の大きいインドと中国を始め、アフリカや南米の国々のジニ係数は大きく、一人あたりGDPは低い。中国とインドの人口は合わせて27億人である。欧米や日本、韓国、台湾などの国以外の殆どの国は、低い一人当たりGDPと高いジニ係数の国だろう。(最初の図内のデータ参照)何故このような事になったのか。
資本主義経済のグローバル化により、多くの貧しい国では、一部の国民が先進国の手先になることで経済発展の恩恵を受ける。また、先進国でも既存企業の海外流出が進み、貧富の二極化が起こる。その結果、恐らく、世界のジニ係数はグローバル化の進展とともに著しく大きくなり、世界中の国に暴動のエネルギーが蓄積しているだろう。
例えば、東亜日報の記事(2012・12月11日ネット上)は、改革開放路線に転向する前の中国のジニ係数は32%程度だったと書いている。その後ジニ係数は、2012年で恐らく60%に達しており、常時暴動レベルであると書いている。(補足5)
今後、このグローバル化路線で世界経済が拡大すれば、貧富の差の拡大による更なる政治の不安定化、地球資源の枯渇、地球の温暖化、プラスチックゴミなど環境問題の深刻化が進むだろう。この(エネルギー、資源、環境)の問題の相乗作用で、世界的紛争が頻発する時、文明が崩壊する危険性が高い。終末論が予言するような事態に近づいてきたと思う。
地球温暖化の問題を気象問題として捉える人がほとんどである。気象への影響など、このブログでも何回か書いたが大した問題ではない。この地球温暖化問題の発端は、ローマクラブがMITの研究者に委嘱してシミュレーションした、「有限の地球上で人類は“成長の限界”を迎える」という報告であった。つまり、地球は有限であり、其の中に豊かに暮らせる人間の数も有限である。そこで、化石エネルギーを縛ることで、途上国の経済発展を抑えようという考えが発端である。
この地球温暖化キャンペーンは、終わりの始まりに過ぎない。事態が更に緊迫して、新たなステージに入るだろう。世界的混乱の時代になると、大きな力を発揮するのが核兵器である。しかし最初に起こるのは、核戦争ではないだろう。核保有国による、威嚇と収奪による非核保有国の極貧化と人口減少が起こるだろう。難癖はいくらでも可能であることは、既に日本と隣国の間での紛争が証明している。
そのような段階から更に一段階情況が進むと、偶発的な必然として、野蛮国の将軍がもっと手っ取り早い方法を取るかもしれない。
例えば中国解放軍少将の朱成虎は、「世界の人口は無制限に迅速に増加している。地球上の資源は有限なのだから、核戦争こそ人口問題を解決するもっとも有効で速い方法である。」と、核戦争を支持する発言を行った。その先制核攻撃論に対して、中国は昇進で答えている。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B1%E6%88%90%E8%99%8E
従って、非核保有国に将来はない。現在、世界人口の4割近く27兆人の人口を抱える中国とインドはともに核保有国である。日本人の思考の幅は、核兵器を思考対象にすることができない位狭いのだが、日本の将来は、如何にして核抑止力を持つかにかかっている。
補足:
1)江戸末期、島津が豊かになるのを、江戸徳川が見過ごしたことが、幕府崩壊の大きな一因だろう。島津は、密貿易や琉球からの搾取(黒糖政策)で富を蓄えたのである。
2)ルクセンベルグの一人あたりGDPが多いのは、金融業で稼いでいるからである。
3)国の豊かさは、国民だけでなく、法人や団体、国家及び地方政府全てを含めた貸借対照表(BS)の実質的大きさで決まると言えるかもしれない。しかし、評価や計算には大きな任意性がある。例えば、国際的地位、政治的安定性などが計算に乗らないBSなど考えても意味がない。強力な軍事力は、その装備という動的資産以上の意味がある。米国のそれは、大きな純資産としての意味がある。
4)ジニ係数27%のモデルケースとしては、人口を5分割し、最初の20%の人が200万円、次の20%が400万円、そして20%の人口ごとに600万円、800万円、1000万円と分配された場合である。この程度の大きな格差でも、ジニ係数は26.667%である。人間の能力にも大きな差がある。そこで、なんとかこの程度の分配の差別で、社会を作れるとしたら、理想的かもしれない。
5)中国の経済データは闇の中にある。共産党政権は種々のデータを隠蔽する上、自分たちでも実態を掴んでいない可能性がたかい。特に地方のデータを中央は掴んでいないようだ。この60%という値は、東亜日報の独自の推定値である。
2019年9月29日日曜日
2019年9月26日木曜日
再)中曽根康弘という官僚あがりの政治家
これまでの記事で古くなり自分でも検索できない記事を再録している。再録前の題は、「”核兵器持ち込み”の日米密約と日本国民の沈黙」である。再録後は元の記事は特別のことがない限り削除する。
この記事で中曽根首相は、日本国内で核保持の準備が殆ど何もできていないので断ったという見方がある。佐藤首相が非核三原則という非常に愚かな言葉を言ってしまったことで、日本人の防衛意識が大きく後退したという見方もある。
日本には滅びの遺伝子が戦争の4年間と戦後の10年間ほどで完璧になってしまったという見方が正しいだろう。まともな国になるのなら、一度滅ぶしか無いだろう。
再録)”核兵器持ち込み”の日米密約と日本国民の沈黙
1)今朝7時のNHKニュースで、1970年の中曽根総理とレアート米国国務長官との会談に関する外交文書が公開されたとの報道があった。その中に、“場合によっては米国の核兵器の日本国内への持ち込みもあり得ることが両者により確認された”との文章があるという。またその会談で、”中曽根氏は、「米国の核の抑止力がある限り、日本は核武装を考えない」と発言した”との記述もあるという。
自民党政権は佐藤総理以来一貫して核兵器を“持たず、作らず、持ち込ませず”の三原則を公にし、国民に約束してきた。この“有事核兵器持ち込み”の密約は、沖縄返還時に佐藤総理=ニクソン大統領間での締結以来、継続して日本の総理と米国の然るべき地位の人との間で確認されてきたのだろう。つまり、自民党政権は一貫して、米軍による核兵器持ち込みを核戦略の中に組み込んでいたことになる。それはまた、自民党政権が一貫して国民に嘘をついていたことになる。
日本の軍事及び外交において、”核の傘の確保”は基本的な最重要項目である。それを密約で確保するという、危険且つ姑息な方法で自民党は誤摩化して来たのである。密約は、代々の総理大臣に引き継がれていくという前提では、事実上政権交代ができないことになる。民主党政権が短命に終わったのは、鳩山氏や菅氏の無能が原因の一つだろうが(注1)、霞ヶ関の官僚達が協力しなかった(或いは負の協力をした)ことが主原因だろう。その官僚達の非協力の裏には、このような事情もあったのではないだろうか。
この佐藤=ニクソンの密約は、過去に”ライシャワー元駐日大使によって明らかにされた”など、ウィキペディアに記述があるくらい良く知られたことである。また昨年、安倍総理は、この“核兵器の持ち込みに関する日米間の密約”について、「ずっと国民に示さずにきたのは間違いだった」と発言した。 http://news.yahoo.co.jp/pickup/6105657
西欧の人は非常に不思議なことと思うだろうが、このような国家の基本政策について嘘をついていても、自民党政権は安泰である。それは、昨年12月19日の記事の他何度も本ブログで書いた様に、日本国民一般は、昔から政治の主人公ではなかったし、今も主人公だと思っていないからではないだろうか。そして政治は、一部貴族階級が世襲で行なうことであり、多少の知識や能力があってもその舞台への参加資格は得られない。政治的或いは準政治的集団で高い地位を得るか、テレビなどで活躍することで“新貴族”にならなければ、新たにその椅子を得ることは無理だろう。そのような事情が、国民を政治的に無気力にしたのである。
その結果、一般国民は政治家の言葉を決して信じてこなかった。“政治家は嘘をつくものだ”という考えが、全く当然のこととして国民の頭に刻み込まれているため、あの様な安倍総理の発言があっても、今回のNHKニュースがあっても、沈黙がつづくのである。
2)日光東照宮に、「見ざる言わざる聞かざる」と呼ばれる3匹の猿の彫刻が門の上に飾られている。これは、目上の者が犯した悪事は見ても見ないことにし、聞いても聞かないことにし、更に知っても人に話さないのが、この世で生きるための大事な教訓であるという意味だろう。この考えは“避諱”という儒教の教えから来たと思う。避諱の諱は「いみな」つまり本名であるから、目上の人を本名で呼ぶのを避けるということになる。本名で呼べないということは、つまり、「目上の人のことには目をつむること」と言う意味になる(注2)。
日本政府は政治を考える習慣の殆どない国民によって選ばれている。つまり、票の大半は農漁協のような人的ネットワークが密に出来上がった所謂田舎に存在し、その共同体をまとめて票田とする自由民主党により内閣は組織されてきた(注3)。自由に政治を考える都市部の住民は、自民党政府によって作られた大きな一票の格差により、政治的に無気力な層と非現実的な左翼政党支持層の二つに分裂して、政治的機能を果たすことはなかった。自民党が一票の格差を是正しないのは、このような事情からである(注4)。
その結果、田舎には公共事業を、都市部の左翼支持層には非核三原則などの嘘を“道具”にして、自由民主党は政権を維持してきたのである。日本の儒教文化と論理展開に不向きな日本語環境(つまり、議論しないのが徳であり得であるという文化)が、そして長い国民不在の政治文化が、それを容易にしたのである。安倍総理は本音の政治家ではあるが、本格的な改革は無理であり、直線的な行動癖は外交などで大きな失敗をする可能性すらある。このような日本の政治を多少とも改良できるとしたら、差し当たり維新の会などが提唱する道州制しかないと思う。地方分権により、東京生まれ東京育ちの地方議員でなく、本当に地方で生まれて地方で育った人たちの政権が各地方に出来、それらが国内で競争するような環境を作れば、大衆にも政治参加の意欲が沸いてくるだろう。そしてその様な環境で、優秀な人材が育つだろう。
注釈:
1)無能さでは、現政権の中枢も大差ない。
2)儒(小人、つまらない人の意味)は、目上の人を本名(諱、いみな)で呼ぶべきでないというのが、儒教の本質である。更に、孔子のことば「由らしむべし知らしむべからず」とセットになって、「高貴な政府要人がお決めになることをとやかく言うべきでない」ということになる。つまり、歴代の総理大臣の密約は、儒教の教えに基づいた江戸時代的な感覚で米国と締結されたのだろう。
3)農漁業の収穫に影響する第一のファクターは天候である。また、これらの分野での需給関係は、常に供給不足である。それに加えて、票と引き換えに自民党政府からバラまかれる公共事業により、安定的な経済環境が現状維持で得られる。難解な国際政治は一定以上の知識層の関心事であっても、田舎の住民の関心事でなく、従ってこれらの地域の住民には自民党政治が継続するかぎり政治を考える必要は都市部の人間ほどない。本当の政治的問題は、地方でなく都市部に山積されているのだ。
4)「一票の格差が無ければ、都市部の人の都合が優先されて、地方(田園地方)が果たしている正常な役割が果たせなくなる。地方は、水や農作物などの食料安全保障の鍵を握る上に、緑の国土を護る役割をしている。地方と都市部のバランスを考えると、倍程度の一票の差は必要である。」このような詭弁を用いて、一票の格差を維持しているのである。しかも、地方の票田で当選する議員のかなりの人(二世、三世議員)が、都市部で生まれて都市部で育った人である。安倍晋三氏も山口県が地盤であるが、東京生まれ;小沢一郎も岩手が地盤だが、東京生まれである。「地方が都市部の人にとっても大切なのだから、都市部選出の議員も当然地方のことを考える筈である」という正論が詭弁になる、正邪ねじれの国が日本国である。
この記事で中曽根首相は、日本国内で核保持の準備が殆ど何もできていないので断ったという見方がある。佐藤首相が非核三原則という非常に愚かな言葉を言ってしまったことで、日本人の防衛意識が大きく後退したという見方もある。
日本には滅びの遺伝子が戦争の4年間と戦後の10年間ほどで完璧になってしまったという見方が正しいだろう。まともな国になるのなら、一度滅ぶしか無いだろう。
再録)”核兵器持ち込み”の日米密約と日本国民の沈黙
1)今朝7時のNHKニュースで、1970年の中曽根総理とレアート米国国務長官との会談に関する外交文書が公開されたとの報道があった。その中に、“場合によっては米国の核兵器の日本国内への持ち込みもあり得ることが両者により確認された”との文章があるという。またその会談で、”中曽根氏は、「米国の核の抑止力がある限り、日本は核武装を考えない」と発言した”との記述もあるという。
自民党政権は佐藤総理以来一貫して核兵器を“持たず、作らず、持ち込ませず”の三原則を公にし、国民に約束してきた。この“有事核兵器持ち込み”の密約は、沖縄返還時に佐藤総理=ニクソン大統領間での締結以来、継続して日本の総理と米国の然るべき地位の人との間で確認されてきたのだろう。つまり、自民党政権は一貫して、米軍による核兵器持ち込みを核戦略の中に組み込んでいたことになる。それはまた、自民党政権が一貫して国民に嘘をついていたことになる。
日本の軍事及び外交において、”核の傘の確保”は基本的な最重要項目である。それを密約で確保するという、危険且つ姑息な方法で自民党は誤摩化して来たのである。密約は、代々の総理大臣に引き継がれていくという前提では、事実上政権交代ができないことになる。民主党政権が短命に終わったのは、鳩山氏や菅氏の無能が原因の一つだろうが(注1)、霞ヶ関の官僚達が協力しなかった(或いは負の協力をした)ことが主原因だろう。その官僚達の非協力の裏には、このような事情もあったのではないだろうか。
この佐藤=ニクソンの密約は、過去に”ライシャワー元駐日大使によって明らかにされた”など、ウィキペディアに記述があるくらい良く知られたことである。また昨年、安倍総理は、この“核兵器の持ち込みに関する日米間の密約”について、「ずっと国民に示さずにきたのは間違いだった」と発言した。 http://news.yahoo.co.jp/pickup/6105657
西欧の人は非常に不思議なことと思うだろうが、このような国家の基本政策について嘘をついていても、自民党政権は安泰である。それは、昨年12月19日の記事の他何度も本ブログで書いた様に、日本国民一般は、昔から政治の主人公ではなかったし、今も主人公だと思っていないからではないだろうか。そして政治は、一部貴族階級が世襲で行なうことであり、多少の知識や能力があってもその舞台への参加資格は得られない。政治的或いは準政治的集団で高い地位を得るか、テレビなどで活躍することで“新貴族”にならなければ、新たにその椅子を得ることは無理だろう。そのような事情が、国民を政治的に無気力にしたのである。
その結果、一般国民は政治家の言葉を決して信じてこなかった。“政治家は嘘をつくものだ”という考えが、全く当然のこととして国民の頭に刻み込まれているため、あの様な安倍総理の発言があっても、今回のNHKニュースがあっても、沈黙がつづくのである。
2)日光東照宮に、「見ざる言わざる聞かざる」と呼ばれる3匹の猿の彫刻が門の上に飾られている。これは、目上の者が犯した悪事は見ても見ないことにし、聞いても聞かないことにし、更に知っても人に話さないのが、この世で生きるための大事な教訓であるという意味だろう。この考えは“避諱”という儒教の教えから来たと思う。避諱の諱は「いみな」つまり本名であるから、目上の人を本名で呼ぶのを避けるということになる。本名で呼べないということは、つまり、「目上の人のことには目をつむること」と言う意味になる(注2)。
日本政府は政治を考える習慣の殆どない国民によって選ばれている。つまり、票の大半は農漁協のような人的ネットワークが密に出来上がった所謂田舎に存在し、その共同体をまとめて票田とする自由民主党により内閣は組織されてきた(注3)。自由に政治を考える都市部の住民は、自民党政府によって作られた大きな一票の格差により、政治的に無気力な層と非現実的な左翼政党支持層の二つに分裂して、政治的機能を果たすことはなかった。自民党が一票の格差を是正しないのは、このような事情からである(注4)。
その結果、田舎には公共事業を、都市部の左翼支持層には非核三原則などの嘘を“道具”にして、自由民主党は政権を維持してきたのである。日本の儒教文化と論理展開に不向きな日本語環境(つまり、議論しないのが徳であり得であるという文化)が、そして長い国民不在の政治文化が、それを容易にしたのである。安倍総理は本音の政治家ではあるが、本格的な改革は無理であり、直線的な行動癖は外交などで大きな失敗をする可能性すらある。このような日本の政治を多少とも改良できるとしたら、差し当たり維新の会などが提唱する道州制しかないと思う。地方分権により、東京生まれ東京育ちの地方議員でなく、本当に地方で生まれて地方で育った人たちの政権が各地方に出来、それらが国内で競争するような環境を作れば、大衆にも政治参加の意欲が沸いてくるだろう。そしてその様な環境で、優秀な人材が育つだろう。
注釈:
1)無能さでは、現政権の中枢も大差ない。
2)儒(小人、つまらない人の意味)は、目上の人を本名(諱、いみな)で呼ぶべきでないというのが、儒教の本質である。更に、孔子のことば「由らしむべし知らしむべからず」とセットになって、「高貴な政府要人がお決めになることをとやかく言うべきでない」ということになる。つまり、歴代の総理大臣の密約は、儒教の教えに基づいた江戸時代的な感覚で米国と締結されたのだろう。
3)農漁業の収穫に影響する第一のファクターは天候である。また、これらの分野での需給関係は、常に供給不足である。それに加えて、票と引き換えに自民党政府からバラまかれる公共事業により、安定的な経済環境が現状維持で得られる。難解な国際政治は一定以上の知識層の関心事であっても、田舎の住民の関心事でなく、従ってこれらの地域の住民には自民党政治が継続するかぎり政治を考える必要は都市部の人間ほどない。本当の政治的問題は、地方でなく都市部に山積されているのだ。
4)「一票の格差が無ければ、都市部の人の都合が優先されて、地方(田園地方)が果たしている正常な役割が果たせなくなる。地方は、水や農作物などの食料安全保障の鍵を握る上に、緑の国土を護る役割をしている。地方と都市部のバランスを考えると、倍程度の一票の差は必要である。」このような詭弁を用いて、一票の格差を維持しているのである。しかも、地方の票田で当選する議員のかなりの人(二世、三世議員)が、都市部で生まれて都市部で育った人である。安倍晋三氏も山口県が地盤であるが、東京生まれ;小沢一郎も岩手が地盤だが、東京生まれである。「地方が都市部の人にとっても大切なのだから、都市部選出の議員も当然地方のことを考える筈である」という正論が詭弁になる、正邪ねじれの国が日本国である。
2019年9月24日火曜日
地球温暖化対策は、科学的にたてるべき: 子供はマイクを持つではなく、その研究に備えて勉強すべき
1)地球温暖化の再考:
地球温暖化をめぐる騒ぎが大きくなったのは、アル・ゴアの不都合な真実が発表されて以来である。その本のプロパガンダ的性格が、逆に地球温暖化捏造説の声も大きくした。そして、科学的思考や研究を置き去りにして、大衆の騒ぎばかりが報道されている。
今年もその動きが大きくなっている。以前も何処かで見たような、子供を使ったプロパガンダが始まった。何もわからない子供を騒がせて、何もわからない主婦層や大衆を扇動しようという戦略なのだろう。このプロパガンダも、何らかの政治目的のためにおこなわれている筈。それでは問題があっても、解決はできないだろう。https://www.youtube.com/watch?v=_y8JNG7S0bo
過去、この問題をある程度時間考えたことがある。そこでは、太陽エネルギー全体の地球上での分配や熱への変化、その赤外線としての地球外への放出とその平衡関係などについて、一定の理解を得た。
そして、二酸化炭素の温室効果は、15ミクロン付近の赤外線吸収が原因だが、太陽光の雲などによる反射、地表での反射、水蒸気の温室効果などに比べて、それほど大きくはないとの結論を得た。
https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2014/08/blog-post_26.html
https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2018/07/htppja.html(ダイジェスト版)
今回は、地球気温と二酸化炭素濃度の長期経年変化、及び、全世界の化石燃料使用による二酸化炭素産生量などのデータから、すこし考察を加えたい。
その結果を要約する。過去約100万年のCO2濃度と気温のデータ、及び過去100年間の気象庁などの気温のデータから、人工的に発生させたCO2 の多くは海水中に吸収される。もし二酸化炭素が温暖化の原因なら、今後更に1−2度程の温度上昇は考えられるが、それ以上の温度上昇はおこらないだろう。
何故なら、このCO2の効果には限度があり、既に、その効果がほぼ飽和している可能性もあるからである。従って、CO2 効果の飽和の有無を先ず明らかにすべきである。
その飽和の確認は、①衛星で観測した地球からの赤外線のスペクトルの観測、②地表で観測した上空からの赤外線のスペクトルの観測、それらの蓄積と分析が先ず大事である。
上は、下記サイトから撮った上記①と②のスペクトルである。これは一例であり、科学論文として受理されたかどうかもわからない。従って、この現象の確認とデータ蓄積から始めるべきであると思う。 https://wattsupwiththat.com/2011/03/10/visualizing-the-greenhouse-effect-emission-spectra/
兎に角、大衆運動や政治家の政争からこの問題を解放し、専門家の研究に任せるべきである。子供は、マイクを持つよりも、そのような分野の基礎を勉強すべきである。
2)British Petroleumのデータによると、全世界のCO2産生量は、年間33890Mton(Mtonは100万トン)である。
https://www.bp.com/content/dam/bp/business-sites/en/global/corporate/pdfs/energy-economics/statistical-review/bp-stats-review-2019-co2-emissions.pdf (補足1)
地球の全大気の量は、地球の表面積を平方センチメートル単位で出して、それにkgを付ければ良い。(1気圧は、1kg重/cm2を利用する)半径6.37千kmを使えば、地球の表面積は5.1x10の18乗平方センチメートルになる。従って、全大気量は、51億Mトンである。(水蒸気は無視している)
この数値を用いると、年間の化石燃料消費による二酸化炭素濃度増加は、6.6ppmとなる。
図(1)過去100年の二酸化炭素濃度
一方、CO2濃度の観測値だが、日本の気象庁のデータによると(上の図)この40年間程の間に、二酸化炭素濃度が350から410ppmに増加している。これから平均年間増加量を計算すると、1.5ppm/yearとなる。
これは大気中に放出される年間二酸化炭素量が全て空気中に留まったと考えた場合の数値、6.6 ppmの約1/4である。この大きな差は、二酸化炭素の75%程度は海中に吸収されることを意味している。
海中に溶けた二酸化炭素は、河川から流れ込むカルシウムや、ナトリウムなどと結合して、炭酸塩を海底に蓄積するだろう。その結果、海水の酸性化が進むだろう。この化学変化に使われる二酸化炭素の量の算出には、海水中や海底の炭酸塩の量、海水の平均pHや二酸化炭素を定量するなどしなければならない。
下図は、1898年以降観測を継続している気象観測所の中から、都市化による影響が小さく、特定の地域に偏らないように選定された15地点(補足2)の月平均気温データである。
図(2)気象庁による過去100年の気温変化の測定結果
これを見れば、この100年ほどの年平均気温の上昇は明らかである。もし、この温度上昇が全て空気中でのCO2濃度増加によると仮定すると、両グラフから、100ppmの二酸化炭素の増加による気温変化は、約1.5度となる。この調子で50年間、何の二酸化炭素削減対策もしなければ、更に1度程度の気温の上昇があるだろう。
ただ、過去20年ほどに気温変化は小さいようにも見える。これは前節で述べたCO2効果の飽和を示しているのかもしれない。繰り返すが、全セクションで言ったCO2 効果の飽和の有無は、急ぎ研究しなければならない。
3)過去数十万年間の間の気温とCO2濃度の強い相関は、図(3)に示した。この40万年の殆どの間、化石燃料の消費での二酸化炭素増はない。もしCO2が地球上にほぼ一定量あったとする。そうすると、高温でのCO2濃度増加は、海中からのCO2放出が原因だと考えられる。
図(3)過去40万年間の気温とCO2濃度の相関
https://skepticalscience.com/translation.php?a=7&l=11
上図では、二酸化炭素の100ppmの濃度変化に対して約10度の温度変化の比で、互いに相関関係にある。近年の1.5度の温度上昇の全てが、100ppmの濃度変化によるとしても、このグラフが示す過去40万年のCO2濃度変化と温度変化の因果関係を、CO2濃度変化が原因で温度変化が結果とするモデルでは説明できない。(補足3)
従って、温度変化が原因で、CO2濃度変化がその結果である。つまり、気温の変化により二酸化炭素の海水と大気中での分配比に変化が生じたのである。(CO2が上記温度変化の原因ではない。)
上図から今後寒冷期が予想されることも大事である。もし、地球科学的変動(地軸の変化や太陽黒点数の変化などの周期的変動)で今後寒冷期に入るのなら、寒冷化は依然として冷害などで多くの人の生存を脅かすだろう。もしその対策を考えるのなら、居住地域だけでなく、農業地域の暖房も視野に入れて研究を進める必要がある。その有力な手段は、原子力である。
最近の1−2度の気温変化でも、気象変動による災害は増加するだろう。しかし、人工的に発生する二酸化炭素の削減だけで、それを防止しようとするのは無理であり無駄である。過剰なCO2削減を要求することで、経済停滞を引き起こすよりも、電線の地中化などのインフラ投資、建造物の設計基準の改訂、などで災害軽減に備える経費の方が、有効な金の使いみちである。
子供まで動員して、ヒステリックにCO2削減要求を中国、アメリカ、インドなどに突きつけるのは、一部の政治的思惑の結果だろう。イラク戦争のときの駐米クウェート大使の娘ナイラの議会証言を思い出す。
先ずは地球気候の大きな時間スケールでの研究、二酸化炭素の気象効果の研究を進め、温暖化の真実を明らかにする。原子力発電の技術開発、地表面での太陽光の反射を増加させ、熱発生を抑える(補足4)などの対策を研究するなど、具体的且つ実効的な運動を展開すべきである。
以上、今回の主な主張は、二酸化炭素による温暖化防止運動を無駄だと言っているのではなく、先ず実態解明が第一であると主張しているのである。
補足:
1)国別産生量: ()内数値はメガトン単位の産生量で(2013年、2018年)の順。中国(9238、9429);米国(5260,5145); インド(1930、2479);ロシア(1528、1551);日本(1274、1148);ドイツ(795、726);韓国(646、698)など。
2)それら観測点は、網走,根室,寿都(すっつ),山形,石巻,伏木(高岡市),飯田,銚子,境,浜田,彦根,宮崎,多度津,名瀬,石垣島である。
3)二酸化炭素濃度が原因で、温度変化が結果なら、近年人工的に100ppmだけ増加させた二酸化炭素は、本来起こる筈の10度程の寒冷化を防いでくれたことになる。
4)都市部ビルの屋根を白くする。住宅の屋根での太陽光の熱化率を下げる。(屋根の色の工夫)砂漠部分の緑化を進める
地球温暖化をめぐる騒ぎが大きくなったのは、アル・ゴアの不都合な真実が発表されて以来である。その本のプロパガンダ的性格が、逆に地球温暖化捏造説の声も大きくした。そして、科学的思考や研究を置き去りにして、大衆の騒ぎばかりが報道されている。
今年もその動きが大きくなっている。以前も何処かで見たような、子供を使ったプロパガンダが始まった。何もわからない子供を騒がせて、何もわからない主婦層や大衆を扇動しようという戦略なのだろう。このプロパガンダも、何らかの政治目的のためにおこなわれている筈。それでは問題があっても、解決はできないだろう。https://www.youtube.com/watch?v=_y8JNG7S0bo
過去、この問題をある程度時間考えたことがある。そこでは、太陽エネルギー全体の地球上での分配や熱への変化、その赤外線としての地球外への放出とその平衡関係などについて、一定の理解を得た。
そして、二酸化炭素の温室効果は、15ミクロン付近の赤外線吸収が原因だが、太陽光の雲などによる反射、地表での反射、水蒸気の温室効果などに比べて、それほど大きくはないとの結論を得た。
https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2014/08/blog-post_26.html
https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2018/07/htppja.html(ダイジェスト版)
今回は、地球気温と二酸化炭素濃度の長期経年変化、及び、全世界の化石燃料使用による二酸化炭素産生量などのデータから、すこし考察を加えたい。
その結果を要約する。過去約100万年のCO2濃度と気温のデータ、及び過去100年間の気象庁などの気温のデータから、人工的に発生させたCO2 の多くは海水中に吸収される。もし二酸化炭素が温暖化の原因なら、今後更に1−2度程の温度上昇は考えられるが、それ以上の温度上昇はおこらないだろう。
何故なら、このCO2の効果には限度があり、既に、その効果がほぼ飽和している可能性もあるからである。従って、CO2 効果の飽和の有無を先ず明らかにすべきである。
その飽和の確認は、①衛星で観測した地球からの赤外線のスペクトルの観測、②地表で観測した上空からの赤外線のスペクトルの観測、それらの蓄積と分析が先ず大事である。
上は、下記サイトから撮った上記①と②のスペクトルである。これは一例であり、科学論文として受理されたかどうかもわからない。従って、この現象の確認とデータ蓄積から始めるべきであると思う。 https://wattsupwiththat.com/2011/03/10/visualizing-the-greenhouse-effect-emission-spectra/
兎に角、大衆運動や政治家の政争からこの問題を解放し、専門家の研究に任せるべきである。子供は、マイクを持つよりも、そのような分野の基礎を勉強すべきである。
2)British Petroleumのデータによると、全世界のCO2産生量は、年間33890Mton(Mtonは100万トン)である。
https://www.bp.com/content/dam/bp/business-sites/en/global/corporate/pdfs/energy-economics/statistical-review/bp-stats-review-2019-co2-emissions.pdf (補足1)
地球の全大気の量は、地球の表面積を平方センチメートル単位で出して、それにkgを付ければ良い。(1気圧は、1kg重/cm2を利用する)半径6.37千kmを使えば、地球の表面積は5.1x10の18乗平方センチメートルになる。従って、全大気量は、51億Mトンである。(水蒸気は無視している)
この数値を用いると、年間の化石燃料消費による二酸化炭素濃度増加は、6.6ppmとなる。
図(1)過去100年の二酸化炭素濃度
一方、CO2濃度の観測値だが、日本の気象庁のデータによると(上の図)この40年間程の間に、二酸化炭素濃度が350から410ppmに増加している。これから平均年間増加量を計算すると、1.5ppm/yearとなる。
これは大気中に放出される年間二酸化炭素量が全て空気中に留まったと考えた場合の数値、6.6 ppmの約1/4である。この大きな差は、二酸化炭素の75%程度は海中に吸収されることを意味している。
海中に溶けた二酸化炭素は、河川から流れ込むカルシウムや、ナトリウムなどと結合して、炭酸塩を海底に蓄積するだろう。その結果、海水の酸性化が進むだろう。この化学変化に使われる二酸化炭素の量の算出には、海水中や海底の炭酸塩の量、海水の平均pHや二酸化炭素を定量するなどしなければならない。
下図は、1898年以降観測を継続している気象観測所の中から、都市化による影響が小さく、特定の地域に偏らないように選定された15地点(補足2)の月平均気温データである。
図(2)気象庁による過去100年の気温変化の測定結果
これを見れば、この100年ほどの年平均気温の上昇は明らかである。もし、この温度上昇が全て空気中でのCO2濃度増加によると仮定すると、両グラフから、100ppmの二酸化炭素の増加による気温変化は、約1.5度となる。この調子で50年間、何の二酸化炭素削減対策もしなければ、更に1度程度の気温の上昇があるだろう。
ただ、過去20年ほどに気温変化は小さいようにも見える。これは前節で述べたCO2効果の飽和を示しているのかもしれない。繰り返すが、全セクションで言ったCO2 効果の飽和の有無は、急ぎ研究しなければならない。
3)過去数十万年間の間の気温とCO2濃度の強い相関は、図(3)に示した。この40万年の殆どの間、化石燃料の消費での二酸化炭素増はない。もしCO2が地球上にほぼ一定量あったとする。そうすると、高温でのCO2濃度増加は、海中からのCO2放出が原因だと考えられる。
図(3)過去40万年間の気温とCO2濃度の相関
https://skepticalscience.com/translation.php?a=7&l=11
上図では、二酸化炭素の100ppmの濃度変化に対して約10度の温度変化の比で、互いに相関関係にある。近年の1.5度の温度上昇の全てが、100ppmの濃度変化によるとしても、このグラフが示す過去40万年のCO2濃度変化と温度変化の因果関係を、CO2濃度変化が原因で温度変化が結果とするモデルでは説明できない。(補足3)
従って、温度変化が原因で、CO2濃度変化がその結果である。つまり、気温の変化により二酸化炭素の海水と大気中での分配比に変化が生じたのである。(CO2が上記温度変化の原因ではない。)
上図から今後寒冷期が予想されることも大事である。もし、地球科学的変動(地軸の変化や太陽黒点数の変化などの周期的変動)で今後寒冷期に入るのなら、寒冷化は依然として冷害などで多くの人の生存を脅かすだろう。もしその対策を考えるのなら、居住地域だけでなく、農業地域の暖房も視野に入れて研究を進める必要がある。その有力な手段は、原子力である。
最近の1−2度の気温変化でも、気象変動による災害は増加するだろう。しかし、人工的に発生する二酸化炭素の削減だけで、それを防止しようとするのは無理であり無駄である。過剰なCO2削減を要求することで、経済停滞を引き起こすよりも、電線の地中化などのインフラ投資、建造物の設計基準の改訂、などで災害軽減に備える経費の方が、有効な金の使いみちである。
子供まで動員して、ヒステリックにCO2削減要求を中国、アメリカ、インドなどに突きつけるのは、一部の政治的思惑の結果だろう。イラク戦争のときの駐米クウェート大使の娘ナイラの議会証言を思い出す。
先ずは地球気候の大きな時間スケールでの研究、二酸化炭素の気象効果の研究を進め、温暖化の真実を明らかにする。原子力発電の技術開発、地表面での太陽光の反射を増加させ、熱発生を抑える(補足4)などの対策を研究するなど、具体的且つ実効的な運動を展開すべきである。
以上、今回の主な主張は、二酸化炭素による温暖化防止運動を無駄だと言っているのではなく、先ず実態解明が第一であると主張しているのである。
補足:
1)国別産生量: ()内数値はメガトン単位の産生量で(2013年、2018年)の順。中国(9238、9429);米国(5260,5145); インド(1930、2479);ロシア(1528、1551);日本(1274、1148);ドイツ(795、726);韓国(646、698)など。
2)それら観測点は、網走,根室,寿都(すっつ),山形,石巻,伏木(高岡市),飯田,銚子,境,浜田,彦根,宮崎,多度津,名瀬,石垣島である。
3)二酸化炭素濃度が原因で、温度変化が結果なら、近年人工的に100ppmだけ増加させた二酸化炭素は、本来起こる筈の10度程の寒冷化を防いでくれたことになる。
4)都市部ビルの屋根を白くする。住宅の屋根での太陽光の熱化率を下げる。(屋根の色の工夫)砂漠部分の緑化を進める
2019年9月23日月曜日
徴用工問題再考と軍艦島の世界遺産登録の際の日本政府の二枚舌(2015/7/6)の再録
1)まえがき
比較的閲覧があり且つ重要だと思われる過去の記事を再録している。以下は、2015年7月6日に投稿した「二枚舌は身を滅ぼす:軍艦島を世界遺産にする為に韓国の言い分を100%認めた日本」という記事である。
このような経緯を経た後に、現在の徴用工問題がある。そのことを勘案すると、法的側面では、徴用工問題の70%は日本側に責任があると結論せざるを得ない。
この日本の責任の大部分は、1990年代の個人請求権を認めた日本政府の発表である。そして、その政府の考えは最高裁判所で判示された。http://justice.skr.jp/seikyuuken-top.html
更にご丁寧に、日本政府自身が、賠償の対象になるような韓国徴用工の酷使が軍艦島であったことを認めたのだ。個人賠償訴訟を韓国で起こす法的根拠も、その賠償対象となる酷使も日本政府が韓国側にプレゼントしているのである。
もし、上記文献の記述が正しいとすると(実際正しいと思う)、外交保護権を行使しての日本企業への賠償要求は、日韓請求権協定で無くなっているが、韓国での賠償要求は出来る。このあたりの議論は、法学が専門でない筆者の実力を多少超えるが、韓国徴用工が賠償の対象となることを訴えておれば、論理的には韓国の裁判所が日本側企業に賠償させるように判決することは可能である。
ただし提訴は、非常に肉体的精神的に辛い仕事につかされたという理由でし、且つ、その精神的な苦痛に、(朝鮮人なのに日本帝国政府の命令に従うという)韓国人としてのアイデンティティに抵触する部分は含まれてはならない。何故なら、法的に当時は日本人だったからである。
そして裁判に日本側が敗訴すれば、日本企業に賠償責任が生じる。たいへん厄介な事になっていると思う。全て、自民党政府のその場しのぎ的姿勢と、行政府に盲従する仕事をまともにやらない最高裁判所判事の所為である。彼ら最高裁判事は、法解釈よりも自己の利益を優先する下劣な連中である。日本が憲法9条を改訂できないのも、彼らが自衛隊は合憲という判断をだしたからである。
韓国が個人請求権を認める立場を取れば、逆に、日本人や日本法人が韓国の国や個人(法人を含む)への請求権も要求できることになる。ただその場合、韓国裁判所は極めて恣意的に韓国人(法人)の利益を考えた判決を出す可能性がたかくなる。そのような場合、日本は韓国と政治及び経済交流を停止すべきだということになる。
両国間に友好関係を保つべきだと思うのなら、韓国は個人請求権を認めない判断をすべきだった。そして、それは国際的常識だと思う。9月10日の記事で紹介したように、BBCのHARDtalkでキャスターが「あなたは植民地支配の時の悲劇的で恐ろしい出来事への補償要求を、2019年の今韓国市民に奨励することを本当に健康的だと考えるのですか? それをすべて蘇らせて掘り下げる価値があるのですか?」と言っている。法的解釈はともかく、真に日韓友好を大事だと考えるのなら、韓国はこの常識的な立ち位置に戻るべきである。 2)再録)二枚舌は身を滅ぼす:軍艦島を世界遺産にする為に韓国の言い分を100%認めた日本 2015年7月6日
昨日、軍艦島などの明治日本の産業革命遺産として世界遺産に申請した諸施設が、ユネスコの審査委員会で認められて、世界遺産に登録されることになった。この件、韓国が「戦時中に朝鮮半島からの数万人が強制労働に従事させられ、94人が死亡した」と主張し、その登録に反対していた。
その審査を有利にするため、ユネスコ日本代表部の大使が「多くの朝鮮半島出身者が意思に反し、厳しい環境で働かされた」と発言し、韓国の反対をそらせる事に成功し、登録が決定した。その後、外務大臣は日本国内に向けて「上記発言は、強制労働があったと言った訳ではない」と注釈している。このようなグレイ領域に話を持ち込んで誤摩化すのは、政治屋の常套手段である。
もっとも大切なポイントであり、且つ、ほとんど無知な西欧人(注釈1)が見落とすだろうこととして、当時韓国は日本国の一部であったことがある。つまり、ここでの朝鮮半島出身者は当時日本国民だったのである。そして、政府の命令で(つまり合法的に)半島から軍艦島のある九州へ移動させられたことを、意に反してと表現して良いのか?という点を日本政府は誤摩化しているのだ。
あの戦争の際、法令に従って徴兵され、南方の島で無惨な死をとげた多くの軍人に対して、“意に反して”兵役につかされたとは言わないのだ(注釈2)。上記ユネスコ大使の発言の“意に反して”とはどういう意味なのか、それに関与した日本政府は深く考えていないのか、誤摩化しているかのどちらかである。
つまり、“意に反して”は、私的な感情のレベルでの“意に反して”なのか、それとも“違法に”というレベルなのかという大きな幅がある言葉なのだ。あの発言を聞いた西欧諸国の人は、“異国の人間を違法に働かせた”つまり、シベリアで日本兵が経験したような”強制労働に従事させた”ととるだろう。それが韓国の狙いであり、その俎板の上にまざまざと乗ってしまったのである。俎板に乗った鯉が、そんな筈ではないと言っても、何の力にもならない。
また、特別に「朝鮮半島出身者」と限定して、「厳しい環境で働かされた」と発言したことで、同じ環境で働いていた日本人とは、労働環境も条件も全く異なるとの印象を強くあたえ、朝鮮半島出身者にだけ特別に厳しい差別的労働が与えられたと解される。軍艦島には普通の街中と同じように学校から種々の店があり、竹田恒泰さんの言葉によると、韓国人用の遊郭まであったということである。http://blog.livedoor.jp/doorkaz/archives/1030715518.html
あのような発言とは全く違うではないか? 世界に誤解を与えてまで、世界遺産指定が欲しいのか?本当に愚かな人々だ。
注釈:
1)ドイツのメルケル首相がドイツがナチスの罪を認めた様に、日本も韓国人に対して犯した従軍慰安婦などの罪を潔く認めて謝罪する方が良いと安倍総理に言ったと記憶している。その際、日本では相当批判が沸いた。
2)韓国もそのあたりは解っているので、徴兵された兵士の待遇に関しては何も言ってこなかった。
補足:
先ほど(2015/7/6)の「昼おび」という番組で、ユネスコ委員会での発言について、その部分についての正本である英語の文章が報道されていた。Koreans were forced to workとなっていて、forced laborという文言は無かったという。検索したときのネットの反応は違うだろうが、forced to workは”強制的に働かされた”であるから、強制労働と等価であると思う。何故、外務大臣は強制労働という意味ではないと言えるのだ。何故、そこまでして登録しなければならにのだ。何故、聞く耳など持たない韓国などと交渉しなければならないのだ。
比較的閲覧があり且つ重要だと思われる過去の記事を再録している。以下は、2015年7月6日に投稿した「二枚舌は身を滅ぼす:軍艦島を世界遺産にする為に韓国の言い分を100%認めた日本」という記事である。
このような経緯を経た後に、現在の徴用工問題がある。そのことを勘案すると、法的側面では、徴用工問題の70%は日本側に責任があると結論せざるを得ない。
この日本の責任の大部分は、1990年代の個人請求権を認めた日本政府の発表である。そして、その政府の考えは最高裁判所で判示された。http://justice.skr.jp/seikyuuken-top.html
更にご丁寧に、日本政府自身が、賠償の対象になるような韓国徴用工の酷使が軍艦島であったことを認めたのだ。個人賠償訴訟を韓国で起こす法的根拠も、その賠償対象となる酷使も日本政府が韓国側にプレゼントしているのである。
もし、上記文献の記述が正しいとすると(実際正しいと思う)、外交保護権を行使しての日本企業への賠償要求は、日韓請求権協定で無くなっているが、韓国での賠償要求は出来る。このあたりの議論は、法学が専門でない筆者の実力を多少超えるが、韓国徴用工が賠償の対象となることを訴えておれば、論理的には韓国の裁判所が日本側企業に賠償させるように判決することは可能である。
ただし提訴は、非常に肉体的精神的に辛い仕事につかされたという理由でし、且つ、その精神的な苦痛に、(朝鮮人なのに日本帝国政府の命令に従うという)韓国人としてのアイデンティティに抵触する部分は含まれてはならない。何故なら、法的に当時は日本人だったからである。
そして裁判に日本側が敗訴すれば、日本企業に賠償責任が生じる。たいへん厄介な事になっていると思う。全て、自民党政府のその場しのぎ的姿勢と、行政府に盲従する仕事をまともにやらない最高裁判所判事の所為である。彼ら最高裁判事は、法解釈よりも自己の利益を優先する下劣な連中である。日本が憲法9条を改訂できないのも、彼らが自衛隊は合憲という判断をだしたからである。
韓国が個人請求権を認める立場を取れば、逆に、日本人や日本法人が韓国の国や個人(法人を含む)への請求権も要求できることになる。ただその場合、韓国裁判所は極めて恣意的に韓国人(法人)の利益を考えた判決を出す可能性がたかくなる。そのような場合、日本は韓国と政治及び経済交流を停止すべきだということになる。
両国間に友好関係を保つべきだと思うのなら、韓国は個人請求権を認めない判断をすべきだった。そして、それは国際的常識だと思う。9月10日の記事で紹介したように、BBCのHARDtalkでキャスターが「あなたは植民地支配の時の悲劇的で恐ろしい出来事への補償要求を、2019年の今韓国市民に奨励することを本当に健康的だと考えるのですか? それをすべて蘇らせて掘り下げる価値があるのですか?」と言っている。法的解釈はともかく、真に日韓友好を大事だと考えるのなら、韓国はこの常識的な立ち位置に戻るべきである。 2)再録)二枚舌は身を滅ぼす:軍艦島を世界遺産にする為に韓国の言い分を100%認めた日本 2015年7月6日
昨日、軍艦島などの明治日本の産業革命遺産として世界遺産に申請した諸施設が、ユネスコの審査委員会で認められて、世界遺産に登録されることになった。この件、韓国が「戦時中に朝鮮半島からの数万人が強制労働に従事させられ、94人が死亡した」と主張し、その登録に反対していた。
その審査を有利にするため、ユネスコ日本代表部の大使が「多くの朝鮮半島出身者が意思に反し、厳しい環境で働かされた」と発言し、韓国の反対をそらせる事に成功し、登録が決定した。その後、外務大臣は日本国内に向けて「上記発言は、強制労働があったと言った訳ではない」と注釈している。このようなグレイ領域に話を持ち込んで誤摩化すのは、政治屋の常套手段である。
もっとも大切なポイントであり、且つ、ほとんど無知な西欧人(注釈1)が見落とすだろうこととして、当時韓国は日本国の一部であったことがある。つまり、ここでの朝鮮半島出身者は当時日本国民だったのである。そして、政府の命令で(つまり合法的に)半島から軍艦島のある九州へ移動させられたことを、意に反してと表現して良いのか?という点を日本政府は誤摩化しているのだ。
あの戦争の際、法令に従って徴兵され、南方の島で無惨な死をとげた多くの軍人に対して、“意に反して”兵役につかされたとは言わないのだ(注釈2)。上記ユネスコ大使の発言の“意に反して”とはどういう意味なのか、それに関与した日本政府は深く考えていないのか、誤摩化しているかのどちらかである。
つまり、“意に反して”は、私的な感情のレベルでの“意に反して”なのか、それとも“違法に”というレベルなのかという大きな幅がある言葉なのだ。あの発言を聞いた西欧諸国の人は、“異国の人間を違法に働かせた”つまり、シベリアで日本兵が経験したような”強制労働に従事させた”ととるだろう。それが韓国の狙いであり、その俎板の上にまざまざと乗ってしまったのである。俎板に乗った鯉が、そんな筈ではないと言っても、何の力にもならない。
また、特別に「朝鮮半島出身者」と限定して、「厳しい環境で働かされた」と発言したことで、同じ環境で働いていた日本人とは、労働環境も条件も全く異なるとの印象を強くあたえ、朝鮮半島出身者にだけ特別に厳しい差別的労働が与えられたと解される。軍艦島には普通の街中と同じように学校から種々の店があり、竹田恒泰さんの言葉によると、韓国人用の遊郭まであったということである。http://blog.livedoor.jp/doorkaz/archives/1030715518.html
あのような発言とは全く違うではないか? 世界に誤解を与えてまで、世界遺産指定が欲しいのか?本当に愚かな人々だ。
注釈:
1)ドイツのメルケル首相がドイツがナチスの罪を認めた様に、日本も韓国人に対して犯した従軍慰安婦などの罪を潔く認めて謝罪する方が良いと安倍総理に言ったと記憶している。その際、日本では相当批判が沸いた。
2)韓国もそのあたりは解っているので、徴兵された兵士の待遇に関しては何も言ってこなかった。
補足:
先ほど(2015/7/6)の「昼おび」という番組で、ユネスコ委員会での発言について、その部分についての正本である英語の文章が報道されていた。Koreans were forced to workとなっていて、forced laborという文言は無かったという。検索したときのネットの反応は違うだろうが、forced to workは”強制的に働かされた”であるから、強制労働と等価であると思う。何故、外務大臣は強制労働という意味ではないと言えるのだ。何故、そこまでして登録しなければならにのだ。何故、聞く耳など持たない韓国などと交渉しなければならないのだ。
BBCの歴史歪曲と日本語版における意図的誤訳:9月20日の記事のコメントに対する回答
BBCの英語版記事と日本語版記事の比較:慰安婦問題や徴用工問題に関して、韓国の言い分を代弁するBBC
9月20に書いた記事「歴史とは糊塗された嘘の別名:金と力と悪が国家を繁栄させるという法則を学んだ人たち」の中で、BBCの日韓の外交問題に関する間違った記述を紹介した。それに対して、Chukaのブログさんからコメントがあった。英語版と日本語版の間にニュアンスの違いがあるが、両方とも歴史的には間違っていないとの内容であった。そのままコメントを以下に記載させていただく。
BBC英語版も読みましたが、歴史的には間違っていない。ただし日本語とのニュアンスの違いがある。例は強制連行とforcible enlistment等々。慰安婦のパートもほぼ歴史にそっている。歴史には政治的史観は含まれるが、政治的史観は部分しか見ていない。見ている部分は自分に都合のよい事です。
このコメントは意外だったので、英語版アドレスを検索して、記事を読んでみた。その結果を以下に詳細に記述する。先ず赤字で、問題部分の英語版と日本語版の記述を再録する。
問題部分の英語記述;
When World War Two began, tens of thousands of women - some say as many as 200,000 - from across Asia were sent to military brothels to service Japanese soldiers. Many of these victims, known as "comfort women", were Korean. Millions of Korean men were also forcibly enlisted as wartime laborers.
その日本語翻訳:
第2次世界大戦では、アジア各地の数万人とも20万人ともいわれる女性が、日本軍向けの売春婦として連行された。「慰安婦」と呼ばれるこの女性たちの多くは朝鮮人だった。また日韓併合の後、多くの朝鮮人男性が日本軍に強制的に徴用された。
私が間違いと認識した部分は、英語版の方がより明確である。日本語版では日本人への刺激を考慮して、表現が若干弱められている。以下それを説明する。
①慰安婦の部分:
最初の英語の文章中のwere sent to military brothels to service Japanese soldiersを、日本語版では「日本軍向けの売春婦として連行された」と訳している。この翻訳だけでは、英語の文章全体を見て翻訳されたとは言えない。
それは、次の文章「Many of these victims, known as "comfort women", were Korean.」にvictimsという単語が使われてこと、更に、その次の文章で徴用工に関する記述の文中にある、「also forcibly enlisted」の「also」を最初の文の翻訳に際して無視しているからである。
これら全てを考慮すれば、「women were sent to military brothels」は、「女性たちは慰安婦予定者リストに載せられて、時期がくれば戦地の売春宿に送られた」という意味になる。この赤字下線部分は、次の文章と次の次の文章に分散させて記述されているのである。
つまり、慰安婦というのは、徴兵制と同様に相応しい女性は予定者リストに記載され、必要な時に集められ戦地に送られた「特別な売春婦」であったと書いているのである。英語を母国語としている人には、自然と文章全体が頭に入るが、単語を置き換える方式で読む機械的翻訳者には、或いは、悪意を持った翻訳者には、上記のような日本語訳になってしまうのだろう。
BBCはcomfort womenを売春婦と呼びながら、victimsとすることで、実質的に性奴隷だったという持論を展開しているのである。それは、将校よりも多額の預金をする慰安婦の実態を繁栄していない。(ウイキペディアの従軍慰安婦の項参照;特に預金や給与の部分)
更に、慰安婦の構成について、BBCは大部分は韓国人であると書いている。これも事実に反する。何故なら、デジタル記念館:慰安婦問題とアジア女性基金では、慰安婦の人数とその構成を知ることは非常に困難であるとしながら、一応台湾経由で中国大陸に送られた慰安婦の数と構成を書いている。それが以下の表である。
上の表では、朝鮮人慰安婦の人数より遥かに日本人慰安婦の数が多い。(約2倍)BBCの慰安婦の構成に関する上の記述も、恐らくワザと間違えたのだろう。
②徴用工の部分:
徴用工部分の英語版記述 “forcibly enlisted as wartime laborers”だが、この翻訳「強制的に徴用された」は正しい。
ただし、仮に徴用工として動員されたとしても、それは当時の日本では徴用令という行政命令に基づいて行われた合法的なものであり、賃金が支払われていた。従って、朝鮮人に対する違法待遇ではないので、本来問題にならないことであるという記述が必要である。
従って、徴用工の問題を上記文章だけで済ませるのは、歴史歪曲である。ちょうど正当防衛による殺人が無罪であると法で定められた国での正当防衛殺人を、正当防衛が認められていない第三国が「殺人犯を無罪放免した」と記述するようなことに相当する。
歪曲には何通りもありえる。誤った記述もそうだが、書き足りない記述もその内の一つである。
追補:
更に、問題となっている韓国での徴用工裁判において、徴用工だったと主張している人たちは、その仕事に応募した人たちであった。従って、そもそも裁判にはなりえないケースであった。 http://agora-web.jp/archives/2035643-2.html
9月20に書いた記事「歴史とは糊塗された嘘の別名:金と力と悪が国家を繁栄させるという法則を学んだ人たち」の中で、BBCの日韓の外交問題に関する間違った記述を紹介した。それに対して、Chukaのブログさんからコメントがあった。英語版と日本語版の間にニュアンスの違いがあるが、両方とも歴史的には間違っていないとの内容であった。そのままコメントを以下に記載させていただく。
BBC英語版も読みましたが、歴史的には間違っていない。ただし日本語とのニュアンスの違いがある。例は強制連行とforcible enlistment等々。慰安婦のパートもほぼ歴史にそっている。歴史には政治的史観は含まれるが、政治的史観は部分しか見ていない。見ている部分は自分に都合のよい事です。
このコメントは意外だったので、英語版アドレスを検索して、記事を読んでみた。その結果を以下に詳細に記述する。先ず赤字で、問題部分の英語版と日本語版の記述を再録する。
問題部分の英語記述;
When World War Two began, tens of thousands of women - some say as many as 200,000 - from across Asia were sent to military brothels to service Japanese soldiers. Many of these victims, known as "comfort women", were Korean. Millions of Korean men were also forcibly enlisted as wartime laborers.
その日本語翻訳:
第2次世界大戦では、アジア各地の数万人とも20万人ともいわれる女性が、日本軍向けの売春婦として連行された。「慰安婦」と呼ばれるこの女性たちの多くは朝鮮人だった。また日韓併合の後、多くの朝鮮人男性が日本軍に強制的に徴用された。
私が間違いと認識した部分は、英語版の方がより明確である。日本語版では日本人への刺激を考慮して、表現が若干弱められている。以下それを説明する。
①慰安婦の部分:
最初の英語の文章中のwere sent to military brothels to service Japanese soldiersを、日本語版では「日本軍向けの売春婦として連行された」と訳している。この翻訳だけでは、英語の文章全体を見て翻訳されたとは言えない。
それは、次の文章「Many of these victims, known as "comfort women", were Korean.」にvictimsという単語が使われてこと、更に、その次の文章で徴用工に関する記述の文中にある、「also forcibly enlisted」の「also」を最初の文の翻訳に際して無視しているからである。
これら全てを考慮すれば、「women were sent to military brothels」は、「女性たちは慰安婦予定者リストに載せられて、時期がくれば戦地の売春宿に送られた」という意味になる。この赤字下線部分は、次の文章と次の次の文章に分散させて記述されているのである。
つまり、慰安婦というのは、徴兵制と同様に相応しい女性は予定者リストに記載され、必要な時に集められ戦地に送られた「特別な売春婦」であったと書いているのである。英語を母国語としている人には、自然と文章全体が頭に入るが、単語を置き換える方式で読む機械的翻訳者には、或いは、悪意を持った翻訳者には、上記のような日本語訳になってしまうのだろう。
BBCはcomfort womenを売春婦と呼びながら、victimsとすることで、実質的に性奴隷だったという持論を展開しているのである。それは、将校よりも多額の預金をする慰安婦の実態を繁栄していない。(ウイキペディアの従軍慰安婦の項参照;特に預金や給与の部分)
更に、慰安婦の構成について、BBCは大部分は韓国人であると書いている。これも事実に反する。何故なら、デジタル記念館:慰安婦問題とアジア女性基金では、慰安婦の人数とその構成を知ることは非常に困難であるとしながら、一応台湾経由で中国大陸に送られた慰安婦の数と構成を書いている。それが以下の表である。
上の表では、朝鮮人慰安婦の人数より遥かに日本人慰安婦の数が多い。(約2倍)BBCの慰安婦の構成に関する上の記述も、恐らくワザと間違えたのだろう。
②徴用工の部分:
徴用工部分の英語版記述 “forcibly enlisted as wartime laborers”だが、この翻訳「強制的に徴用された」は正しい。
ただし、仮に徴用工として動員されたとしても、それは当時の日本では徴用令という行政命令に基づいて行われた合法的なものであり、賃金が支払われていた。従って、朝鮮人に対する違法待遇ではないので、本来問題にならないことであるという記述が必要である。
従って、徴用工の問題を上記文章だけで済ませるのは、歴史歪曲である。ちょうど正当防衛による殺人が無罪であると法で定められた国での正当防衛殺人を、正当防衛が認められていない第三国が「殺人犯を無罪放免した」と記述するようなことに相当する。
歪曲には何通りもありえる。誤った記述もそうだが、書き足りない記述もその内の一つである。
追補:
更に、問題となっている韓国での徴用工裁判において、徴用工だったと主張している人たちは、その仕事に応募した人たちであった。従って、そもそも裁判にはなりえないケースであった。 http://agora-web.jp/archives/2035643-2.html
2019年9月20日金曜日
歴史とは糊塗された嘘の別名:金と力と悪が国家を繁栄させるという法則を学んだ人たち
世界の歴史は嘘で塗り固められているだろう。それは中国など東アジアの歴史と違って大昔からの伝統ではない。(補足1)それが西欧世界で特に明確に現れたのは近代だろう。
そして現在それを知っているのは世界大戦などで破れた国、滅びた国の知性ある少数の生き残りだろう。従って、戦いの勝者が先ず行うのは、敗者の中の知性ある人達の死刑である。
例えば、ユダヤ5000年の知恵(実業の日本社、2005年)という本がある。そこにはこう書かれている。「悪への衝動は銅のようなものである。火の中にあれば、どのような形にでも出来る。もし人間に悪の衝動がなければ、家も建てず、妻も娶らず、子供も作らず、仕事もしない筈だ。」 「他の人より抜きん出た人は悪への衝動もそれだけ強い」
この文章は、ユダヤの人たちは「悪とは生そのものだ」と考えていることを意味すると思う。生は他の生を滅ぼし、自分の生を全うし再生する。平和主義、民主主義、人権尊重主義などは、その悪への衝動の強い人達の他を弱体化する謀略に過ぎない。
上記三主義は、社会の大部分を担う大衆(つまりマジョリティ)に教えるべき必須のルールだが、その社会の中で生きる知恵あるマイノリティーにとっては、重視するポーズは取るべきだが、高い目的を達成するためには必ずしも守らなくても良いという究極の知恵が、上記ユダヤの知恵である。
勿論、その「制御された悪」の一部は、大衆の中の知性に見抜かれるだろう。そのために、「金と力という正義」がある。見抜かれることを恐れては何もできない。部屋を完全にクリーン&タイディーに保つことを最優先すれば、その部屋で生活などできないのだ。汚すことと掃除や洗濯は対となって、人の生活を可能にするのだから。
何故、9.11などが、あのように杜撰なヤラセなのか? 上記のように考えればわかる。大衆の中の知性ある人はヤラセであることを発見するだろう。しかし、知恵なき大多数とメディアを押さえれば、そして、適当な掃除を行えばその真相は糊塗可能なのだ。
慰安婦騒動も同様だ。必要なら、デマをばらまけば良い。あとは、「金と力の正義」で完全に糊塗すれば良いのだ。金と力の使いみちは、テレビと新聞と要人への心付けである。日本の大衆の中には「真理はこうだ」と、虫のなくような声で言っている人が多いが、彼らは拡声器の使い方すら知らない連中なのだ。捏造者たちはそう考えているだろう。
日本人の一人として同朋に言いたい。韓国は米国の偉大なマイノリティーの支援の下にあることを忘れてはならない。日本が嫌われる原因? 恐らく、シモンカスペを殺し、ハリマンに逆らい、フグを食ったからだろう。
8月23日のBBC日本語版を見ればわかるだろう。そこには以下のように書かれている。https://www.bbc.com/japanese/49443635
長く続く(日韓)確執の歴史
日本と韓国は複雑な歴史を共有している。両国は少なくとも7世紀から戦いを繰り返し、日本はたびたび朝鮮半島に侵攻している。
現代における両国の主な確執は、1910年の韓国併合から始まった。
第2次世界大戦では、アジア各地の数万人とも20万人ともいわれる女性が、日本軍向けの売春婦として連行された。「慰安婦」と呼ばれるこの女性たちの多くは朝鮮人だった。
また日韓併合の後、多くの朝鮮人男性が日本軍に強制的に徴用された。
BBCも承知で、90%嘘でこの部分を固めている。何を言っても無駄なのだ。真理とは秋の夜空に響くコオロギの声のようなものだ。日本人は馬鹿みたいに美しい音だ信じているが、西欧を牛耳る人たちはそれをも嫌うだろう。
(16:50編集あり;9月22日早朝、4文節目の人権尊重を人権尊重主義に、5文節目の箴言を三主義に夫々訂正) 補足: 1)司馬遷の「史記」は、ヘロドトスのヒストリアイと並んで紀元前の歴史書だが、ヒストリアイと違って、武帝の漢が天命により設立されたという嘘を塗り固めるためのものである。(岡田英弘著、「歴史とはなにか」参照)大和朝廷の日本書紀も、(中国の)易姓革命的な書物だろう。しかし、日本では次の朝廷が現れなかったので、日本の歴史は中国のような易姓革命の歴史ではない。
そして現在それを知っているのは世界大戦などで破れた国、滅びた国の知性ある少数の生き残りだろう。従って、戦いの勝者が先ず行うのは、敗者の中の知性ある人達の死刑である。
例えば、ユダヤ5000年の知恵(実業の日本社、2005年)という本がある。そこにはこう書かれている。「悪への衝動は銅のようなものである。火の中にあれば、どのような形にでも出来る。もし人間に悪の衝動がなければ、家も建てず、妻も娶らず、子供も作らず、仕事もしない筈だ。」 「他の人より抜きん出た人は悪への衝動もそれだけ強い」
この文章は、ユダヤの人たちは「悪とは生そのものだ」と考えていることを意味すると思う。生は他の生を滅ぼし、自分の生を全うし再生する。平和主義、民主主義、人権尊重主義などは、その悪への衝動の強い人達の他を弱体化する謀略に過ぎない。
上記三主義は、社会の大部分を担う大衆(つまりマジョリティ)に教えるべき必須のルールだが、その社会の中で生きる知恵あるマイノリティーにとっては、重視するポーズは取るべきだが、高い目的を達成するためには必ずしも守らなくても良いという究極の知恵が、上記ユダヤの知恵である。
勿論、その「制御された悪」の一部は、大衆の中の知性に見抜かれるだろう。そのために、「金と力という正義」がある。見抜かれることを恐れては何もできない。部屋を完全にクリーン&タイディーに保つことを最優先すれば、その部屋で生活などできないのだ。汚すことと掃除や洗濯は対となって、人の生活を可能にするのだから。
何故、9.11などが、あのように杜撰なヤラセなのか? 上記のように考えればわかる。大衆の中の知性ある人はヤラセであることを発見するだろう。しかし、知恵なき大多数とメディアを押さえれば、そして、適当な掃除を行えばその真相は糊塗可能なのだ。
慰安婦騒動も同様だ。必要なら、デマをばらまけば良い。あとは、「金と力の正義」で完全に糊塗すれば良いのだ。金と力の使いみちは、テレビと新聞と要人への心付けである。日本の大衆の中には「真理はこうだ」と、虫のなくような声で言っている人が多いが、彼らは拡声器の使い方すら知らない連中なのだ。捏造者たちはそう考えているだろう。
日本人の一人として同朋に言いたい。韓国は米国の偉大なマイノリティーの支援の下にあることを忘れてはならない。日本が嫌われる原因? 恐らく、シモンカスペを殺し、ハリマンに逆らい、フグを食ったからだろう。
8月23日のBBC日本語版を見ればわかるだろう。そこには以下のように書かれている。https://www.bbc.com/japanese/49443635
長く続く(日韓)確執の歴史
日本と韓国は複雑な歴史を共有している。両国は少なくとも7世紀から戦いを繰り返し、日本はたびたび朝鮮半島に侵攻している。
現代における両国の主な確執は、1910年の韓国併合から始まった。
第2次世界大戦では、アジア各地の数万人とも20万人ともいわれる女性が、日本軍向けの売春婦として連行された。「慰安婦」と呼ばれるこの女性たちの多くは朝鮮人だった。
また日韓併合の後、多くの朝鮮人男性が日本軍に強制的に徴用された。
BBCも承知で、90%嘘でこの部分を固めている。何を言っても無駄なのだ。真理とは秋の夜空に響くコオロギの声のようなものだ。日本人は馬鹿みたいに美しい音だ信じているが、西欧を牛耳る人たちはそれをも嫌うだろう。
(16:50編集あり;9月22日早朝、4文節目の人権尊重を人権尊重主義に、5文節目の箴言を三主義に夫々訂正) 補足: 1)司馬遷の「史記」は、ヘロドトスのヒストリアイと並んで紀元前の歴史書だが、ヒストリアイと違って、武帝の漢が天命により設立されたという嘘を塗り固めるためのものである。(岡田英弘著、「歴史とはなにか」参照)大和朝廷の日本書紀も、(中国の)易姓革命的な書物だろう。しかし、日本では次の朝廷が現れなかったので、日本の歴史は中国のような易姓革命の歴史ではない。
2019年9月19日木曜日
日本は太平の眠りから覚めて、服装を整えなければならない
1)日本を取り巻く国際環境の激変に対応し、日本も激変すべきである
李氏朝鮮はまさに事大主義の国であり、19世紀後半までは中国を宗主国と仰ぐ国であった。清が英国に破れ、欧米と日本から軍艦が現れるようになったとき、中国、ロシア、日本のどこにつくかで意見が纏まらず、国が乱れた。現在の朝鮮半島も同様に米国、中国、ロシアの間で揺れている。
その李氏朝鮮末期の姿に、現在の日本も似ている。米国を宗主国としてきたが、米国の東アジアにおける勢力が弱まりつつある。中国という野蛮に見える国家が勢力を増してきた。北方には恐ろしいロシアがいる。李氏朝鮮にとっての日本は、現在の日本にとっての中国である。李氏朝鮮にとっての清は、現在の日本にとっての米国である。
米国は依然強国である。しかし、日本の近傍では、中国と比較して強国としての地位を失いつつある。それは、仮に中国が共産党支配でなくなっても変わらないだろう。その国際関係の変化をより敏感にうけとったのが、韓国である。その韓国の反日は、米国から中国への宗主国の変更の最初のプロセスであり、反日は中国と敵を共有するという意思表明である。もし、中国が共産党支配でなくなったとき、その動きは無くなるどころか、益々強くなるだろう。
韓国は日本の敗戦後、米国が育てた民主主義の国である。韓国は、民主主義の国になって日米韓の軍事同盟ネットの関係で70年経過しても、反日遺伝子が弱まらなかった。中国も同じだろう。経済が上手く回らなくなれば、日本に金があればATMにされるだろう。
このような図式の延長上に、日本の将来はないと思う。しかし、その国際的位置を変えることは可能である。日本国憲法を改訂して、日本が生まれ代わるのである。そして、首相公選制を第一条に入れる。新しい日本になり、過去の歴史を乗り越えた日本であることを強調して、数年後に憲法9条を改訂するのである。
日本の骨組みの変更無しに憲法を改訂しては、北野幸伯氏がモスクワから発言しているように、日本の孤立を深めるだけである。また、現在のままでの憲法改訂では、安倍晋三氏が公選制最初の総理として当選し、新しい日本ということにはならない。
従って、国家の政治担当者を、広い区割りで選ぶ道州制に変更し、一票の格差を全廃し、日本の知識層があつまる都市部の票を平等に政治に反映する制度に改めるべきである。それは政治家の顔ぶれを激変させる筈である。
日本は、40年以上前に、近代史の再検証を国民の代表により行うべきであった。明治維新とは何だったのか、日露戦争に勝てたのは何故なのか、朝鮮併合はどのような国際環境の下に行われたのか、満州建国は日本の中枢の意思だったのか、中国侵略は何により決定されたのか、米国攻撃を行ったのは何故なのか。
そのプロセスにより、日本の政治はおおきなカーブを描いて変化していただろう。しかし、歴史の検証は、もはや限定的にしか行い得ないだろう。(補足1)
以上、日本は今からでも新しい日本を世界に印象付けるべきだと思う。それには首相公選制への変更を、この10年ほどで行うべきだと思う。その準備として、総務省はテレビ放送局への電波管理を徹底して行い、現在の民法各社からテレビ放映権を取り上げるべきである。例えば、以下の中国の恐ろしいニュースが日本であまり報じられていないのは、テレビ電波が中国の支配下にあると疑わせる。(下の河添恵子氏の意見参照;補足2)
2)中国の崩壊:
中国は、巨大で不良債権をたくさん含んだバランスシートを整理するのではなく、もっと大きくしている。最近、預金準備率を相当引き下げているという。借金をして借金を返す悪循環に民間経済が陥っているようである。バブル崩壊前夜のような状況にあるらしい。https://www.youtube.com/watch?v=A1TJNLmRyQg
その中国には泣きっ面に蜂という状況なのが、移植ビジネスが全世界に報道されていることだろう。この件、昨日配信の日本の民間ネットニュースでも取り上げられた。https://www.youtube.com/watch?v=TVclfdpNoZw
この中国の移植ビジネスは、米国ではよく知られ、2016年6月20日に下院で決議343号として、中国の移植ビジネス批判が全会一致で決議されている。この件、中国は死刑になった罪人から行っていると説明しているが、実際には法輪功という宗教的団体の弾圧を兼ねて、罪のない信者の中から移植希望者に適合した者を選び出して、臓器摘出しているという話である。
その臓器摘出対象者が、最近ではウイグル人などに広がっているという。最近の香港での混乱などとともに、これらは正に中国の崩壊の始まりではないだろうか。それはある日突然訪れるかもしれない。その時、世界は大混乱に陥るだろう。その時、現在の日本では、最悪の場合中国から横田や三沢などへの核ミサイル投下がある可能性すらあるだろう。
このあたりを含めてじっくり視聴したいのが、馬渕睦夫氏と河添恵子氏の出演する以下の動画である。https://www.youtube.com/watch?v=maujCeqcycI 日本国の政治は、未だに大臣ポストバラマキのみが関心事のようなていたらくである。上記動画で、河添恵子さんが言っているように、中国共産党に支配された地上波テレビに日本国民は完全に騙されている。
まるで、日本だけが平和の島であるかのように、太平の眠りに沈んでいる。なんとか眠りから覚めて、急いで服装を整えなければならない。
追加)日本の体制について:
日本では民主主義を最高の政治形態として考えている。民主主義が機能するには、全ての有権者が自分個人の政治意思をもたなくてはならない。それは権利ではなく義務である。
その為の政治形態としては、実質的な共和制がふさわしい。つまり、本来の意味での立憲君主制ではなく、現在のような形だけの立憲君主制がふさわしい。本来の君主制は、政治を君主に頼るということであり、一種の事大主義である。強いものに頼り、強い大きな国に隷属する事大主義に陥ってはならない。
天皇は日本の父である。従って、父を大事にするのは日本人の本来の姿である。しかし、成人した国である日本なら、父に頼ってはいけない。従って、首相は国民の直接投票で選ぶべきである(ただし、候補者は政党の推薦を条件とする)。
日本が新しく生まれ変わったことを世界に宣伝するために、首相公選制は憲法第一条に書くべきである。また、現行憲法の天皇に関する基本的部分は改訂すべきではない。天皇に頼る部分は、日本古来の知恵と祭礼の部分だけで良い。
そのような憲法改訂により、日本人は政治のことを身近に感じ、上記責任を果たすようになるだろう。そして、日本人の頭の中で、権利と義務という言葉が強く意識されるだろう。権利と義務は、個人の自立に必須であり、それは日本語と日本文化の欠陥である主格の欠如を、三世代あれば治すだろう。
以上、素人であるがゆえの大胆な意見を書きました。そのつもりでお読みください。コメント歓迎します。
補足:
1)例えば最後の米国パールハーバー攻撃から日本の対米戦争の図式は、9.11同時多発テロとイラク戦争などの中東での戦争と良く似ている。それを世界中で明らかにしてしまえば、まさにハルマゲドンになる可能性が高い。
2)現在のテレビニュースは、台風災害、殺人事件、芸能人ゴシップ、あおり運転事故など、微に入り細に亘って報道するが、100年に一度と言われる世界の廻り角の現在、テレビ報道はあまりにも貧弱である。例えば、法輪功と臓器移植を関連付けた議論など地上波テレビで聞いたことがない。日本も、台湾などのように、中国に渡って臓器移植を受けることを禁止すべきである。
李氏朝鮮はまさに事大主義の国であり、19世紀後半までは中国を宗主国と仰ぐ国であった。清が英国に破れ、欧米と日本から軍艦が現れるようになったとき、中国、ロシア、日本のどこにつくかで意見が纏まらず、国が乱れた。現在の朝鮮半島も同様に米国、中国、ロシアの間で揺れている。
その李氏朝鮮末期の姿に、現在の日本も似ている。米国を宗主国としてきたが、米国の東アジアにおける勢力が弱まりつつある。中国という野蛮に見える国家が勢力を増してきた。北方には恐ろしいロシアがいる。李氏朝鮮にとっての日本は、現在の日本にとっての中国である。李氏朝鮮にとっての清は、現在の日本にとっての米国である。
米国は依然強国である。しかし、日本の近傍では、中国と比較して強国としての地位を失いつつある。それは、仮に中国が共産党支配でなくなっても変わらないだろう。その国際関係の変化をより敏感にうけとったのが、韓国である。その韓国の反日は、米国から中国への宗主国の変更の最初のプロセスであり、反日は中国と敵を共有するという意思表明である。もし、中国が共産党支配でなくなったとき、その動きは無くなるどころか、益々強くなるだろう。
韓国は日本の敗戦後、米国が育てた民主主義の国である。韓国は、民主主義の国になって日米韓の軍事同盟ネットの関係で70年経過しても、反日遺伝子が弱まらなかった。中国も同じだろう。経済が上手く回らなくなれば、日本に金があればATMにされるだろう。
このような図式の延長上に、日本の将来はないと思う。しかし、その国際的位置を変えることは可能である。日本国憲法を改訂して、日本が生まれ代わるのである。そして、首相公選制を第一条に入れる。新しい日本になり、過去の歴史を乗り越えた日本であることを強調して、数年後に憲法9条を改訂するのである。
日本の骨組みの変更無しに憲法を改訂しては、北野幸伯氏がモスクワから発言しているように、日本の孤立を深めるだけである。また、現在のままでの憲法改訂では、安倍晋三氏が公選制最初の総理として当選し、新しい日本ということにはならない。
従って、国家の政治担当者を、広い区割りで選ぶ道州制に変更し、一票の格差を全廃し、日本の知識層があつまる都市部の票を平等に政治に反映する制度に改めるべきである。それは政治家の顔ぶれを激変させる筈である。
日本は、40年以上前に、近代史の再検証を国民の代表により行うべきであった。明治維新とは何だったのか、日露戦争に勝てたのは何故なのか、朝鮮併合はどのような国際環境の下に行われたのか、満州建国は日本の中枢の意思だったのか、中国侵略は何により決定されたのか、米国攻撃を行ったのは何故なのか。
そのプロセスにより、日本の政治はおおきなカーブを描いて変化していただろう。しかし、歴史の検証は、もはや限定的にしか行い得ないだろう。(補足1)
以上、日本は今からでも新しい日本を世界に印象付けるべきだと思う。それには首相公選制への変更を、この10年ほどで行うべきだと思う。その準備として、総務省はテレビ放送局への電波管理を徹底して行い、現在の民法各社からテレビ放映権を取り上げるべきである。例えば、以下の中国の恐ろしいニュースが日本であまり報じられていないのは、テレビ電波が中国の支配下にあると疑わせる。(下の河添恵子氏の意見参照;補足2)
2)中国の崩壊:
中国は、巨大で不良債権をたくさん含んだバランスシートを整理するのではなく、もっと大きくしている。最近、預金準備率を相当引き下げているという。借金をして借金を返す悪循環に民間経済が陥っているようである。バブル崩壊前夜のような状況にあるらしい。https://www.youtube.com/watch?v=A1TJNLmRyQg
その中国には泣きっ面に蜂という状況なのが、移植ビジネスが全世界に報道されていることだろう。この件、昨日配信の日本の民間ネットニュースでも取り上げられた。https://www.youtube.com/watch?v=TVclfdpNoZw
この中国の移植ビジネスは、米国ではよく知られ、2016年6月20日に下院で決議343号として、中国の移植ビジネス批判が全会一致で決議されている。この件、中国は死刑になった罪人から行っていると説明しているが、実際には法輪功という宗教的団体の弾圧を兼ねて、罪のない信者の中から移植希望者に適合した者を選び出して、臓器摘出しているという話である。
その臓器摘出対象者が、最近ではウイグル人などに広がっているという。最近の香港での混乱などとともに、これらは正に中国の崩壊の始まりではないだろうか。それはある日突然訪れるかもしれない。その時、世界は大混乱に陥るだろう。その時、現在の日本では、最悪の場合中国から横田や三沢などへの核ミサイル投下がある可能性すらあるだろう。
このあたりを含めてじっくり視聴したいのが、馬渕睦夫氏と河添恵子氏の出演する以下の動画である。https://www.youtube.com/watch?v=maujCeqcycI 日本国の政治は、未だに大臣ポストバラマキのみが関心事のようなていたらくである。上記動画で、河添恵子さんが言っているように、中国共産党に支配された地上波テレビに日本国民は完全に騙されている。
まるで、日本だけが平和の島であるかのように、太平の眠りに沈んでいる。なんとか眠りから覚めて、急いで服装を整えなければならない。
追加)日本の体制について:
日本では民主主義を最高の政治形態として考えている。民主主義が機能するには、全ての有権者が自分個人の政治意思をもたなくてはならない。それは権利ではなく義務である。
その為の政治形態としては、実質的な共和制がふさわしい。つまり、本来の意味での立憲君主制ではなく、現在のような形だけの立憲君主制がふさわしい。本来の君主制は、政治を君主に頼るということであり、一種の事大主義である。強いものに頼り、強い大きな国に隷属する事大主義に陥ってはならない。
天皇は日本の父である。従って、父を大事にするのは日本人の本来の姿である。しかし、成人した国である日本なら、父に頼ってはいけない。従って、首相は国民の直接投票で選ぶべきである(ただし、候補者は政党の推薦を条件とする)。
日本が新しく生まれ変わったことを世界に宣伝するために、首相公選制は憲法第一条に書くべきである。また、現行憲法の天皇に関する基本的部分は改訂すべきではない。天皇に頼る部分は、日本古来の知恵と祭礼の部分だけで良い。
そのような憲法改訂により、日本人は政治のことを身近に感じ、上記責任を果たすようになるだろう。そして、日本人の頭の中で、権利と義務という言葉が強く意識されるだろう。権利と義務は、個人の自立に必須であり、それは日本語と日本文化の欠陥である主格の欠如を、三世代あれば治すだろう。
以上、素人であるがゆえの大胆な意見を書きました。そのつもりでお読みください。コメント歓迎します。
補足:
1)例えば最後の米国パールハーバー攻撃から日本の対米戦争の図式は、9.11同時多発テロとイラク戦争などの中東での戦争と良く似ている。それを世界中で明らかにしてしまえば、まさにハルマゲドンになる可能性が高い。
2)現在のテレビニュースは、台風災害、殺人事件、芸能人ゴシップ、あおり運転事故など、微に入り細に亘って報道するが、100年に一度と言われる世界の廻り角の現在、テレビ報道はあまりにも貧弱である。例えば、法輪功と臓器移植を関連付けた議論など地上波テレビで聞いたことがない。日本も、台湾などのように、中国に渡って臓器移植を受けることを禁止すべきである。
2019年9月17日火曜日
新しい日韓関係樹立のために日本は韓国の良識派と共闘すべきである
近現代の世界の政治は、多くの謀略で進行し、それが歴史の闇に送られる形で正当化されてきた。その嘘で固められた歴史は、事実に基づく検証に晒される時代になりつつあると思う。非常にゆっくりだが、世界の政治とそれが積み重なって作られる歴史において、事実の復権が進みつつあると思う。
現在、日韓はあたかも恒久的な反日と反韓の関係に入りつつあるようにも見える。しかし、考え方を変えれば、新しい事実に基づいた日韓関係を産み出す「産みの苦しみ」の中にあるのかもしれない。もしそうなら、日韓は新しい協力関係を、全く新しい基礎の上に作り上げることを考えて、努力すべきであると思う。
1)世界史の廻り角:
韓国民の反日感情は、捏造した日韓の歴史とその教育という反日プロパガンダを基礎に作り上げられたものである。そして、反日プロパガンダの背後に米国の支配勢力があり、彼らは世界中にそれをばらまくことに協力した。その勢力は米国を牛耳り、嘘が支配する現在の世界を作り上げた。
9.11の捏造などを含め、中東での戦争は米国支配層のシナリオで進められたことは、長年の田中宇氏のメルマガでも、以下のブログ記事でも明らかである。 https://ameblo.jp/jam512412/entry-12523577943.html
その嘘の一つとして、韓国が日本の自民党と協力する形で作り上げたのが、数々の韓国人虐待の嘘歴史である。安倍総理が慰安婦最終合意を米国オバマ大統領により強制されたのも、その歴史の延長上にある。
この近現代の歴史は、100年ぶりに変曲点にあると思う。それを可能にしたのが、世界的な経済発展とその延長上にあるインターネット普及などである。多くの人々にとって、過去の歴史的事実へのアクセスが、時間的にも方法論的にもこの100年間に非常に容易になったのである。その流れが大きくなり、いよいよ旧世界秩序の破壊が始まっていると考えられる。(補足1)
トランプ政権の誕生も、その1ページである。その米国第一の政治は、世界の歴史を作り上げる主役の座を降りるという宣言ともとれる。田中宇氏は、それを“隠れ多極主義”と呼んでいる。この社会の大きな変化を敏感に察知したのが、今は亡き米国の戦略家ブレジンスキーである。彼は以下のように米国外交問題評議会(CFR)において発言した。
過去100年の間に世界の人類全体が政治的に目覚め、多くの不正、不平等、尊厳の無視、搾取について気づいている。それは覇権国の世界制御を困難にしつつある。その結果、過去においては100万人を殺すよりも説得制御する方が簡単だったのだが、現在では100万人を制御するよりも、殺す方が遥かに簡単である。https://www.youtube.com/watch?v=OX2o74eKvek
このブレジンスキーの言葉は、表現は“エゲツない”が、現実を淡々と学者的に述べたに過ぎない。従って、ブレジンスキー個人を非難するのは間違いである。気付くべきは、米国外交問題評議会(CFR)とは、上記内容のような言葉を淡々と講演で述べる場であることである。この冷厳な事実を真剣に受け止めるべきである。
そして、ブレジンスキーが出した結論は、世界の歴史は廻り角にあるということである。それは彼らにとって脅威でも、我々にとっては能力次第ではあるが、歓迎すべきことなのかもしれない。
2)戦後の日韓関係は、米国覇権の下につくりあげられたものであり、真実に根ざしたものではない。そこでの日韓併合に対する理解は、上記嘘で塗り固めた古い国際秩序の基に作り上げられた、米国覇権を東アジアで確立するためのものである。
その最初のステップは、米国からみて子飼いの李承晩を韓国大統領にしたところで始まる。李承晩は李氏朝鮮の最後の皇帝である高宗の退位を要求して投獄された。その後、特赦を受け後米国に渡り、プリンストン大学で政治学の博士号を得た。一時帰国の後米国に亡命しハワイに住む。その経歴から、反日姿勢が明確な米国の要求の通りに動く韓国人であることは明白である。
米国支配下の韓国で韓国のトップになり、済州島四・三事件での民衆虐殺などの働きをした後、1948 年8月15日に大韓民国政府樹立を宣言し、初代大統領となる。その年の10月に日本にマッカーサーを訪問している。これらが、全て米国の脚本によることは明白である。そして、その政権以降に作られた日韓併合の偽歴史は、上記世界覇権構造構築の考え方の通りに、事実を完全無視して創作された。
日韓併合の真実は、先日このブログに書いたとおりである。 https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12523706015.html
この韓国での歴史認識は、世界歴史に廻り角が来たのと同様に、廻り角にある。現在、新しい事実に基づいた日韓関係構築の産みの苦しみに、両国が直面しているという見方も可能である。
3)今朝のヤフーニュースに高英起氏(北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長)の以下のニュースが掲載されていた。この記事が今回のブログ記事を書く動機となった。
今韓国で週間ベストセラーとなっているのに、「反日種族主義」についてという題の本がある。この本は、李栄薫(イ・ヨンフン)元ソウル大学教授ら6人の研究者が執筆したもので、植民地統治下の朝鮮半島で「日本による土地やコメの収奪はなかった」「従軍慰安婦の強制連行はなかった」などと主張しているという。
その本は、韓国で物議を醸している他、北朝鮮から猛反発を“食らっている”というのである。(補足2)しかし、この本に書かれている日韓併合は真の姿である。それは10日の記事の通りである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12523706015.html
韓国による日韓併合に関する解釈捏造は、韓国政府が米国の応援の下に行ってきたのだろうが、それに消極的かもしれないが協力したのが、同じく米国支配下にあった日本の自民党政府である。http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/11269 世界政治の古い骨組み(world regime)に大きな変化があるのなら、今回の日韓の対立は、真理に基づく新しい日韓関係を産み落とす時の「産みの苦しみ」なのかもしれないと思う。
もしそうなら、上記本の出版は、韓国に陣痛促進剤として働く可能性が高い。新しい日韓関係を生み出すのなら、その当事者には日本も含まれる。日本はその意味を考えて、単なる嫌韓ではなく、その韓国の新しい動きに協力しなければならないと思う。当然、北朝鮮は新しい日韓にとって、さしあたり敵対する勢力である。
韓国においては、文在寅を引きずり下ろし、事実に基づいて歴史評価する政権与党が現れなければならない。それと同時に、日本にも事実に基いて歴史評価し、外交を行う、政権政党が生まれなくてはならない。
韓国の反日、そしてそれに対する反作用としての日本に嫌韓は、米国の従来の支配層が作り上げたものである。その米国支配が終わろうとしている現在、国内政治の改革と日韓関係を含む新しい外交関係作り上げなければならない。
補足:
1)ただ、それは自動的に新世界秩序の構築が始まることではない。旧世界秩序が終わるとき、ニューヨークのツインタワーが崩壊するときに数千人が死亡したように、その数千倍数万倍の人が殺されるかもしれない。しかし、新たな世界秩序が出来上がれば、生き残った人類にとっては差し当たり恵まれた将来が来るだろう。
2)旧日本が朝鮮半島で酷いことをしたという歴史が消滅すると、日朝基本条約と日朝請求権協定を結ぶとき、その経済協力金という名称で日本に支出させる賠償金が無くなってしまうからである。
3)以前紹介した伽耶大学客員教授の崔基鎬氏の本「日韓併合 韓民族を作った日帝36年の真実(祥伝社黄金文庫、2005)」にあるように、北朝鮮の軟着陸ができれば良いが、それは李氏朝鮮が軟着陸できなかったように無理だろう。
Fox news での9.11は政府の捏造であるという説を放送している。 飛行機はビルの中に消える筈がないのに、消えている。WTC7の崩壊にも言及している。 https://www.youtube.com/watch?v=3ZRGMtvQ3eU
現在、日韓はあたかも恒久的な反日と反韓の関係に入りつつあるようにも見える。しかし、考え方を変えれば、新しい事実に基づいた日韓関係を産み出す「産みの苦しみ」の中にあるのかもしれない。もしそうなら、日韓は新しい協力関係を、全く新しい基礎の上に作り上げることを考えて、努力すべきであると思う。
1)世界史の廻り角:
韓国民の反日感情は、捏造した日韓の歴史とその教育という反日プロパガンダを基礎に作り上げられたものである。そして、反日プロパガンダの背後に米国の支配勢力があり、彼らは世界中にそれをばらまくことに協力した。その勢力は米国を牛耳り、嘘が支配する現在の世界を作り上げた。
9.11の捏造などを含め、中東での戦争は米国支配層のシナリオで進められたことは、長年の田中宇氏のメルマガでも、以下のブログ記事でも明らかである。 https://ameblo.jp/jam512412/entry-12523577943.html
その嘘の一つとして、韓国が日本の自民党と協力する形で作り上げたのが、数々の韓国人虐待の嘘歴史である。安倍総理が慰安婦最終合意を米国オバマ大統領により強制されたのも、その歴史の延長上にある。
この近現代の歴史は、100年ぶりに変曲点にあると思う。それを可能にしたのが、世界的な経済発展とその延長上にあるインターネット普及などである。多くの人々にとって、過去の歴史的事実へのアクセスが、時間的にも方法論的にもこの100年間に非常に容易になったのである。その流れが大きくなり、いよいよ旧世界秩序の破壊が始まっていると考えられる。(補足1)
トランプ政権の誕生も、その1ページである。その米国第一の政治は、世界の歴史を作り上げる主役の座を降りるという宣言ともとれる。田中宇氏は、それを“隠れ多極主義”と呼んでいる。この社会の大きな変化を敏感に察知したのが、今は亡き米国の戦略家ブレジンスキーである。彼は以下のように米国外交問題評議会(CFR)において発言した。
過去100年の間に世界の人類全体が政治的に目覚め、多くの不正、不平等、尊厳の無視、搾取について気づいている。それは覇権国の世界制御を困難にしつつある。その結果、過去においては100万人を殺すよりも説得制御する方が簡単だったのだが、現在では100万人を制御するよりも、殺す方が遥かに簡単である。https://www.youtube.com/watch?v=OX2o74eKvek
このブレジンスキーの言葉は、表現は“エゲツない”が、現実を淡々と学者的に述べたに過ぎない。従って、ブレジンスキー個人を非難するのは間違いである。気付くべきは、米国外交問題評議会(CFR)とは、上記内容のような言葉を淡々と講演で述べる場であることである。この冷厳な事実を真剣に受け止めるべきである。
そして、ブレジンスキーが出した結論は、世界の歴史は廻り角にあるということである。それは彼らにとって脅威でも、我々にとっては能力次第ではあるが、歓迎すべきことなのかもしれない。
2)戦後の日韓関係は、米国覇権の下につくりあげられたものであり、真実に根ざしたものではない。そこでの日韓併合に対する理解は、上記嘘で塗り固めた古い国際秩序の基に作り上げられた、米国覇権を東アジアで確立するためのものである。
その最初のステップは、米国からみて子飼いの李承晩を韓国大統領にしたところで始まる。李承晩は李氏朝鮮の最後の皇帝である高宗の退位を要求して投獄された。その後、特赦を受け後米国に渡り、プリンストン大学で政治学の博士号を得た。一時帰国の後米国に亡命しハワイに住む。その経歴から、反日姿勢が明確な米国の要求の通りに動く韓国人であることは明白である。
米国支配下の韓国で韓国のトップになり、済州島四・三事件での民衆虐殺などの働きをした後、1948 年8月15日に大韓民国政府樹立を宣言し、初代大統領となる。その年の10月に日本にマッカーサーを訪問している。これらが、全て米国の脚本によることは明白である。そして、その政権以降に作られた日韓併合の偽歴史は、上記世界覇権構造構築の考え方の通りに、事実を完全無視して創作された。
日韓併合の真実は、先日このブログに書いたとおりである。 https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12523706015.html
この韓国での歴史認識は、世界歴史に廻り角が来たのと同様に、廻り角にある。現在、新しい事実に基づいた日韓関係構築の産みの苦しみに、両国が直面しているという見方も可能である。
3)今朝のヤフーニュースに高英起氏(北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長)の以下のニュースが掲載されていた。この記事が今回のブログ記事を書く動機となった。
今韓国で週間ベストセラーとなっているのに、「反日種族主義」についてという題の本がある。この本は、李栄薫(イ・ヨンフン)元ソウル大学教授ら6人の研究者が執筆したもので、植民地統治下の朝鮮半島で「日本による土地やコメの収奪はなかった」「従軍慰安婦の強制連行はなかった」などと主張しているという。
その本は、韓国で物議を醸している他、北朝鮮から猛反発を“食らっている”というのである。(補足2)しかし、この本に書かれている日韓併合は真の姿である。それは10日の記事の通りである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12523706015.html
韓国による日韓併合に関する解釈捏造は、韓国政府が米国の応援の下に行ってきたのだろうが、それに消極的かもしれないが協力したのが、同じく米国支配下にあった日本の自民党政府である。http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/11269 世界政治の古い骨組み(world regime)に大きな変化があるのなら、今回の日韓の対立は、真理に基づく新しい日韓関係を産み落とす時の「産みの苦しみ」なのかもしれないと思う。
もしそうなら、上記本の出版は、韓国に陣痛促進剤として働く可能性が高い。新しい日韓関係を生み出すのなら、その当事者には日本も含まれる。日本はその意味を考えて、単なる嫌韓ではなく、その韓国の新しい動きに協力しなければならないと思う。当然、北朝鮮は新しい日韓にとって、さしあたり敵対する勢力である。
韓国においては、文在寅を引きずり下ろし、事実に基づいて歴史評価する政権与党が現れなければならない。それと同時に、日本にも事実に基いて歴史評価し、外交を行う、政権政党が生まれなくてはならない。
韓国の反日、そしてそれに対する反作用としての日本に嫌韓は、米国の従来の支配層が作り上げたものである。その米国支配が終わろうとしている現在、国内政治の改革と日韓関係を含む新しい外交関係作り上げなければならない。
補足:
1)ただ、それは自動的に新世界秩序の構築が始まることではない。旧世界秩序が終わるとき、ニューヨークのツインタワーが崩壊するときに数千人が死亡したように、その数千倍数万倍の人が殺されるかもしれない。しかし、新たな世界秩序が出来上がれば、生き残った人類にとっては差し当たり恵まれた将来が来るだろう。
2)旧日本が朝鮮半島で酷いことをしたという歴史が消滅すると、日朝基本条約と日朝請求権協定を結ぶとき、その経済協力金という名称で日本に支出させる賠償金が無くなってしまうからである。
3)以前紹介した伽耶大学客員教授の崔基鎬氏の本「日韓併合 韓民族を作った日帝36年の真実(祥伝社黄金文庫、2005)」にあるように、北朝鮮の軟着陸ができれば良いが、それは李氏朝鮮が軟着陸できなかったように無理だろう。
Fox news での9.11は政府の捏造であるという説を放送している。 飛行機はビルの中に消える筈がないのに、消えている。WTC7の崩壊にも言及している。 https://www.youtube.com/watch?v=3ZRGMtvQ3eU
2019年9月15日日曜日
韓国と西欧の慰安婦プロパガンダは継続中である
1)韓国中央日報と英国エコノミストのプロパガンダ記事
9月12日の韓国中央日報は、ジャン・ラフ・オハーンさんの訃報を若い頃の写真入りで大きな記事にした。主目的はおそらく慰安婦プロパガンダと安倍批判である。
ジャン・ラフ・オハーンさんは、インドネシアで日本軍兵士により拉致され慰安婦にされた事件(白馬事件、スマラン事件)の被害者である。しかし、最初に頭に入れておくべきことは、その件は日本軍司令部により軍規違反と譴責され、慰安所は閉鎖されたという歴史的事実である。日本政府も旧日本軍も、その犯行を裁く側であったのだ。
また、実行犯は現地でのオランダ軍事法廷で戦犯として裁かれて居り、中心人物は死刑になっている。また、その際の被害者にはアジア女性基金から見舞金が送られて居る。もちろん、見舞金や賠償金で犯罪被害者の気持ちが晴れるかといえば、それは多くのケースで言えないだろう。
ただ、犯行を報じるとき、誰が実行犯であり、犯罪処理がどのようになされたかを客観的に論理的に報道しないで、被害者の言葉を過大に報じるのは、政治的プロパガンダを疑われるべきだろう。この種のプロパガンダは20世紀前半までに人類が築いた国際政治文化を汚す醜い犯罪的行為である。
この記事がプロパガンダだと断定するのは、中央日報の記事は明らかに、韓国の元慰安婦、つまり戦場の売春婦とも云われる人たちと、ジャン・ラフ・オハーンさんが読者の頭のなかで(同種の慰安婦として)重なる様に誘導していること、(補足1)更に、その戦争犯罪を、日本政府が計画し実行したかのように書いていることである。
その証拠と思われる記事の中の箇所を、指摘する。
最初の節で、「日本軍に拉致され、インドネシアで3ヶ月間「慰安婦」として強制収容されていた女性だ」と、オハーンさんを紹介している。
「この日本軍に拉致され」と言う部分は、「日本軍兵士により拉致され」でなくてはならない。何故なら、日本軍がこの犯行の主体(つまり犯人)ではないからである。つまり、この事件は、現場の兵士個人あるいはその集団による軍規違反の犯行であり、旧日本軍(日本帝国の政府組織)の企画実行したことではないからである。
このような言語上の間違いを新聞社がする筈がない。故意に、「日本軍」と書くことで、犯行主体を現在の日本政府の組織である自衛隊(英語表現では日本軍)も視野に入る様に企んだのだろう。
そして、「日本の安倍晋三首相の謝罪を受けるまでは絶対にしにたくない」という文章を、オハーンさんの言葉として引用している。これがその記事がプロパガンダであることを証拠つける二番目の文である。しかも、最初の敢えて行った間違った記述「日本軍に拉致され」との、論理的整合性が意識されている。
つまり、日本国の犯罪という嘘の主張を、一般市民に信じ込ませるためである。過去の個人的戦争犯罪の被害者が、その犯人の所属した国家の現在のリーダーの謝罪を要求することなどあり得ない。被害者がそのような言葉を口にすることがあったとして、それは新聞記事には通常書かない。それを敢えて新聞記事に書いたのは、その犯罪を国家の犯罪だと印象つけるためである。
以上、中央日報のこの記事は明らかに政治的プロパガンダである。
更に、元のエコノミストの記事には事件の実況中継の様な記述、「泣き叫び悲鳴を上げて抵抗するオハーンに日本軍はナイフを突きつけて服を裂き、強姦した」を掲載し、それを中央日報もそのまま掲載している。このような75年以上前の事件の詳細を生々しく報じるのは、政治的プロパガンダ以外にはない。
国民の感情に訴えて戦闘意識を醸成する方法は、例えばイラク戦争のきっかけ作りのために、米国が利用したケースが有名である。そのプロパガンダとは、クウェートと米国が合作で行なった少女ナイラによる米国議会での証言である。
ナイラは在米クウェート大使の娘であり、クウェートには居なかった筈だが、まるで見てきた様に、クウェートの病院で新生児ベッドを破壊するイラク兵の様子を議会で証言し、涙を流したのである。全米に放映されたテレビ画像を見て、米国世論が大きくイラク攻撃支持に向かった。丁度、パールハーバー攻撃の翌日に、フランクリン・ルーズベルトが憎々しげに"日本の攻撃"を列挙した演説と同様の効果を発揮したのである。
元のエコノミストの記事に戻る。つまり、プロパガンダという点では、エコノミストも同罪である。この慰安婦プロパガンダの主戦場は米国である。それを支援するのは、ニューヨークタイムズなど多くのマスコミを支配する金融資本家である。その慰安婦プロパガンダの輪は西欧にも広がって居るのである。
韓国は事大主義の国である。それは李朝末期の歴史を見れば明らかであり、その状況は現在の文在寅政権の韓国とそっくりである。(補足2)その大国の様子を見て、更にその背後の世界の金融を握る一派の支援を受けて、韓国は安心して、大々的にプロパガンダを展開できるのだろう。
韓国文在寅大統領は2017年に大統領になってすぐに、8月14日を国家の記念日「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」にして、日本の降伏と韓国の独立を祝うような光復節の前夜祭的な意味を持たせた。反日が国家設立の理念であるような国を隣国にもつことは非常に残念である。そして、その国に対して同盟関係を維持するように圧力をかけるアメリカとの間で日本は苦労してきた。オバマの圧力で2015年12月、国内の強い反対を押し切って、安倍政権は慰安婦問題の最終合意(慰安婦問題日韓合意)を行なった。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2019/05/blog-post.html
2)慰安婦問題を客観的に論じた最新の本
米国にも、まともにこの慰安婦プロパガンダを考える人がいないわけではない。その代表が、2008年の全米ベストセラー「イラクの真実の時」を書いた米国元従軍記者で著名なジャーナリストであるマイケル・ヨン氏である。その本「慰安婦の真実」(補足3)の中の文章の一つを下に紹介する。
「反日慰安婦のペテンが加速する」
このペテンは過去数十年にわたって作り上げられたものです。これに対し、日本が先手をうって効果的に反撃しない限り、最後は爆発的に増加するでしょう。
マイケル・ヨン氏は、慰安部プロパガンダを「日本と他国との同盟関係を分断させようと莫大な資金をバックにした情報操作が進行中です。しかもそれはうまく行っているのです。」と書いて居る(上記本27頁)
その資金源としては、マイケル・ヨン氏は中国を考えて居る様だが、私はそのほかに米国の一派、国際金融資本があると思う。その一人で明確に表に出て朝鮮を応援して居るのが、ジム・ロジャーズである。しかし、彼はおそらくその一角に過ぎないと思う。(補足4)
この本でもう一つ重要なことが書かれている。
それはバチカンの中国接近政策である。「バチカンは慰安婦のペテン師の味方です」(220頁)と書かれている。バチカンは、中国や中国と関係の深い人たちの金が流れて居る様である。それにはカトリック信者も怒って居ると、この本には書かれて居る。
中国と関係の深い人たちの中に、おそらく米国民主党支持者の一群がいるだろう。上記の世界の金融を牛耳る連中である。ローマ教皇は、11月に日本に来る様だ。原爆被災地を訪れることの目的は、二つあるだろう。日米の分断と日本の核武装阻止である。
補足:
1)帝国の慰安婦という本で著者の朴裕河さんは、兵士とともに戦うという面をもっていたと形容している。単なる売春婦というのはやはり言い過ぎである。日本人は彼女ら一般には感謝すべきだろう。
2)李朝末期、宗主国の清国の力が弱まり、ロシアや日本などから新たな味方となる大国探しが行われた。「日韓併合の真実と文在寅政権の対日シナリオ」に引用したソウル大学経済科教授の李栄薫の分析にあるように、その時代、朝鮮が能動的に対処していたら、自主独立の国を建設できた可能性があった筈である。その当時の李氏朝鮮の事大主義(https://ironna.jp/article/563参照)だが、その巨大だと思って居た清国を宗主国として仰ぐ李氏朝鮮の姿は、戦後75年間の間に吉田茂がはじめ、自民党歴代の官僚出身政治屋(池田、佐藤、中曽根など)が定着させた現在の日本姿ではないのか。
3)「慰安婦の真実」(育鵬社、扶桑社、2018年11月)は日本で発行されたオリジナル本である。この本は、2014—2018のフェイスブックに投稿された記事を元に編集したものだと、巻末に書かれて居る。英語本の翻訳でないところが、日本人にとっては残念である。
4)何故、彼らが日本をこれほど痛めつけたいのか? 考えられるのは、一連のユダヤ金融資本家と日本との関係の歴史である。日本は、自国の力を過信して、桂ハリマン協定を破った。中国や満州利権を米国も狙っていたのだが、独立戦争で英国、ドイツ、ロシア、フランスなどに遅れととった。それを取り戻すべく、日露戦争に資金面で協力したのが米国金融資本家のシッフやハリマンである。その計画の中で日露戦争に勝たせてもらいながら、その直後に当然重視しなければならない「暗黙の約束」を日本は破ったのである。そのほかに、満州でのユダヤ人にひどい仕打ちをした事件、シモン・カスペ殺人事件や、それによる満州のハルピンからユダヤ人を追い出すことになった件や河豚計画の件などがある。日本人とポグロムのロシア人は、まだユダヤには受け入れられないかもしれない。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2017/09/blog-post_14.html
9月12日の韓国中央日報は、ジャン・ラフ・オハーンさんの訃報を若い頃の写真入りで大きな記事にした。主目的はおそらく慰安婦プロパガンダと安倍批判である。
ジャン・ラフ・オハーンさんは、インドネシアで日本軍兵士により拉致され慰安婦にされた事件(白馬事件、スマラン事件)の被害者である。しかし、最初に頭に入れておくべきことは、その件は日本軍司令部により軍規違反と譴責され、慰安所は閉鎖されたという歴史的事実である。日本政府も旧日本軍も、その犯行を裁く側であったのだ。
また、実行犯は現地でのオランダ軍事法廷で戦犯として裁かれて居り、中心人物は死刑になっている。また、その際の被害者にはアジア女性基金から見舞金が送られて居る。もちろん、見舞金や賠償金で犯罪被害者の気持ちが晴れるかといえば、それは多くのケースで言えないだろう。
ただ、犯行を報じるとき、誰が実行犯であり、犯罪処理がどのようになされたかを客観的に論理的に報道しないで、被害者の言葉を過大に報じるのは、政治的プロパガンダを疑われるべきだろう。この種のプロパガンダは20世紀前半までに人類が築いた国際政治文化を汚す醜い犯罪的行為である。
この記事がプロパガンダだと断定するのは、中央日報の記事は明らかに、韓国の元慰安婦、つまり戦場の売春婦とも云われる人たちと、ジャン・ラフ・オハーンさんが読者の頭のなかで(同種の慰安婦として)重なる様に誘導していること、(補足1)更に、その戦争犯罪を、日本政府が計画し実行したかのように書いていることである。
その証拠と思われる記事の中の箇所を、指摘する。
最初の節で、「日本軍に拉致され、インドネシアで3ヶ月間「慰安婦」として強制収容されていた女性だ」と、オハーンさんを紹介している。
「この日本軍に拉致され」と言う部分は、「日本軍兵士により拉致され」でなくてはならない。何故なら、日本軍がこの犯行の主体(つまり犯人)ではないからである。つまり、この事件は、現場の兵士個人あるいはその集団による軍規違反の犯行であり、旧日本軍(日本帝国の政府組織)の企画実行したことではないからである。
このような言語上の間違いを新聞社がする筈がない。故意に、「日本軍」と書くことで、犯行主体を現在の日本政府の組織である自衛隊(英語表現では日本軍)も視野に入る様に企んだのだろう。
そして、「日本の安倍晋三首相の謝罪を受けるまでは絶対にしにたくない」という文章を、オハーンさんの言葉として引用している。これがその記事がプロパガンダであることを証拠つける二番目の文である。しかも、最初の敢えて行った間違った記述「日本軍に拉致され」との、論理的整合性が意識されている。
つまり、日本国の犯罪という嘘の主張を、一般市民に信じ込ませるためである。過去の個人的戦争犯罪の被害者が、その犯人の所属した国家の現在のリーダーの謝罪を要求することなどあり得ない。被害者がそのような言葉を口にすることがあったとして、それは新聞記事には通常書かない。それを敢えて新聞記事に書いたのは、その犯罪を国家の犯罪だと印象つけるためである。
以上、中央日報のこの記事は明らかに政治的プロパガンダである。
更に、元のエコノミストの記事には事件の実況中継の様な記述、「泣き叫び悲鳴を上げて抵抗するオハーンに日本軍はナイフを突きつけて服を裂き、強姦した」を掲載し、それを中央日報もそのまま掲載している。このような75年以上前の事件の詳細を生々しく報じるのは、政治的プロパガンダ以外にはない。
国民の感情に訴えて戦闘意識を醸成する方法は、例えばイラク戦争のきっかけ作りのために、米国が利用したケースが有名である。そのプロパガンダとは、クウェートと米国が合作で行なった少女ナイラによる米国議会での証言である。
ナイラは在米クウェート大使の娘であり、クウェートには居なかった筈だが、まるで見てきた様に、クウェートの病院で新生児ベッドを破壊するイラク兵の様子を議会で証言し、涙を流したのである。全米に放映されたテレビ画像を見て、米国世論が大きくイラク攻撃支持に向かった。丁度、パールハーバー攻撃の翌日に、フランクリン・ルーズベルトが憎々しげに"日本の攻撃"を列挙した演説と同様の効果を発揮したのである。
元のエコノミストの記事に戻る。つまり、プロパガンダという点では、エコノミストも同罪である。この慰安婦プロパガンダの主戦場は米国である。それを支援するのは、ニューヨークタイムズなど多くのマスコミを支配する金融資本家である。その慰安婦プロパガンダの輪は西欧にも広がって居るのである。
韓国は事大主義の国である。それは李朝末期の歴史を見れば明らかであり、その状況は現在の文在寅政権の韓国とそっくりである。(補足2)その大国の様子を見て、更にその背後の世界の金融を握る一派の支援を受けて、韓国は安心して、大々的にプロパガンダを展開できるのだろう。
韓国文在寅大統領は2017年に大統領になってすぐに、8月14日を国家の記念日「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」にして、日本の降伏と韓国の独立を祝うような光復節の前夜祭的な意味を持たせた。反日が国家設立の理念であるような国を隣国にもつことは非常に残念である。そして、その国に対して同盟関係を維持するように圧力をかけるアメリカとの間で日本は苦労してきた。オバマの圧力で2015年12月、国内の強い反対を押し切って、安倍政権は慰安婦問題の最終合意(慰安婦問題日韓合意)を行なった。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2019/05/blog-post.html
2)慰安婦問題を客観的に論じた最新の本
米国にも、まともにこの慰安婦プロパガンダを考える人がいないわけではない。その代表が、2008年の全米ベストセラー「イラクの真実の時」を書いた米国元従軍記者で著名なジャーナリストであるマイケル・ヨン氏である。その本「慰安婦の真実」(補足3)の中の文章の一つを下に紹介する。
「反日慰安婦のペテンが加速する」
このペテンは過去数十年にわたって作り上げられたものです。これに対し、日本が先手をうって効果的に反撃しない限り、最後は爆発的に増加するでしょう。
マイケル・ヨン氏は、慰安部プロパガンダを「日本と他国との同盟関係を分断させようと莫大な資金をバックにした情報操作が進行中です。しかもそれはうまく行っているのです。」と書いて居る(上記本27頁)
その資金源としては、マイケル・ヨン氏は中国を考えて居る様だが、私はそのほかに米国の一派、国際金融資本があると思う。その一人で明確に表に出て朝鮮を応援して居るのが、ジム・ロジャーズである。しかし、彼はおそらくその一角に過ぎないと思う。(補足4)
この本でもう一つ重要なことが書かれている。
それはバチカンの中国接近政策である。「バチカンは慰安婦のペテン師の味方です」(220頁)と書かれている。バチカンは、中国や中国と関係の深い人たちの金が流れて居る様である。それにはカトリック信者も怒って居ると、この本には書かれて居る。
中国と関係の深い人たちの中に、おそらく米国民主党支持者の一群がいるだろう。上記の世界の金融を牛耳る連中である。ローマ教皇は、11月に日本に来る様だ。原爆被災地を訪れることの目的は、二つあるだろう。日米の分断と日本の核武装阻止である。
補足:
1)帝国の慰安婦という本で著者の朴裕河さんは、兵士とともに戦うという面をもっていたと形容している。単なる売春婦というのはやはり言い過ぎである。日本人は彼女ら一般には感謝すべきだろう。
2)李朝末期、宗主国の清国の力が弱まり、ロシアや日本などから新たな味方となる大国探しが行われた。「日韓併合の真実と文在寅政権の対日シナリオ」に引用したソウル大学経済科教授の李栄薫の分析にあるように、その時代、朝鮮が能動的に対処していたら、自主独立の国を建設できた可能性があった筈である。その当時の李氏朝鮮の事大主義(https://ironna.jp/article/563参照)だが、その巨大だと思って居た清国を宗主国として仰ぐ李氏朝鮮の姿は、戦後75年間の間に吉田茂がはじめ、自民党歴代の官僚出身政治屋(池田、佐藤、中曽根など)が定着させた現在の日本姿ではないのか。
3)「慰安婦の真実」(育鵬社、扶桑社、2018年11月)は日本で発行されたオリジナル本である。この本は、2014—2018のフェイスブックに投稿された記事を元に編集したものだと、巻末に書かれて居る。英語本の翻訳でないところが、日本人にとっては残念である。
4)何故、彼らが日本をこれほど痛めつけたいのか? 考えられるのは、一連のユダヤ金融資本家と日本との関係の歴史である。日本は、自国の力を過信して、桂ハリマン協定を破った。中国や満州利権を米国も狙っていたのだが、独立戦争で英国、ドイツ、ロシア、フランスなどに遅れととった。それを取り戻すべく、日露戦争に資金面で協力したのが米国金融資本家のシッフやハリマンである。その計画の中で日露戦争に勝たせてもらいながら、その直後に当然重視しなければならない「暗黙の約束」を日本は破ったのである。そのほかに、満州でのユダヤ人にひどい仕打ちをした事件、シモン・カスペ殺人事件や、それによる満州のハルピンからユダヤ人を追い出すことになった件や河豚計画の件などがある。日本人とポグロムのロシア人は、まだユダヤには受け入れられないかもしれない。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2017/09/blog-post_14.html
2019年9月14日土曜日
再)南京虐殺について
以下は2015年に投稿した文章ですが、検索にかからなくなったので、ここに再掲載します。
1)昨日のプライムニュースでは、専門家3人が出席して南京虐殺について議論していた。その3名は、新しい歴史教科書をつくる会で教育学者の藤岡信勝氏、元日本大学教授で歴史学者の秦郁彦氏、そして明治大学文学部教授で歴史学者の山田朗氏である。
まず南京市とその当時の人口などについてを含め紹介された事件の概略を書く。 南京事件は南京陥落後、日本軍が捕虜とした兵士や軍服を脱ぎ捨てて大衆の中に紛れ込んだ中国軍兵士と思われる人たちを、多数殺した事件である。その中に非戦闘員が多数いたが精査せずに殺したこと、捕虜を殺したこと、更に軍服を脱いだ無抵抗な人間を殺したことが国際条約に反する犯罪行為にあたるとされている(補足1)。日本軍関係者は戦後に南京軍事法廷(国民党政府が開いた)と東京裁判により処刑された。
日本軍により殺された人の数は、南京軍事法廷での判決文では30万人とされ、極東軍事裁判では20万人とされた。秦氏と山田氏は、「兵士や非戦闘員合わせて4万人程度の虐殺があったと思う」と述べ、藤岡氏は0に近いと述べた。藤岡氏は多くの人が殺されたのは事実だろうが、それらは戦闘行為としての殺戮であり、国際条約に違反するものではないとしている。つまり、捕虜は無抵抗であるべきであり、兵士は軍服を脱ぐことが禁止されている。従って、違反者は殺されても仕方がないのだというのが、藤岡氏の論理である。
戦時に民間人や捕虜が殺されることは多くあっただろうから、南京事件が歴史に残る事件として、更に戦後永きにわたって国際紛争の種となるには、極端に多数の民間人や捕虜が殺されるか、多数が極端に残虐な方法で殺されるかが必要条件となる。そこで強調されるのが、30万人という人数や百人斬り(追記1)と言われる殺戮方法である。後者については新聞で大きくとりあげられ賞賛されたというが、その中にどれだけ民間人を含むかなど詳細は分からない。
前者の数であるが、それはかなり誇大化された数字だろう。ただ、中国側が誇大に話を作ったとしても、それに対してこちらも矮小化で対立するのでは、問題が解決せず長引くだけである。出来るだけ真実に迫ろうとする、秦氏と山田氏の歴史家としての態度を支持する。以下にその点についてのみ、更に放送内容にそってレビューする。
2)南京市主要部は城壁に囲まれ、その一部に安全区(下図の難民区)が設けられており、そこに西欧人約15名(例えば、ドイツ人ラーベなど)が監視役として滞在していた。南京市の当時の人口は100万人程度であり、多くの市民は日本軍の入城前に逃げたが、それでもかなり残っていた。逃げ遅れた人たちは安全区に逃げ込み、その人数は20万人だったと言われる。
http://www.history.gr.jp/nanking/nanking.htmlより転載
南京市内の人数は、最大限度の殺戮者数を議論する上で重要である。(補足2) 藤岡氏の「南京市に入城時には、誰も(安全区以外)いなかった」との発言に対して、「侵入軍から身を隠すのは当然であり、安全区以外の城内(上図の実線内)や城外にはかなりの人が残っていたと考えるのは不思議ではない」という、秦氏と山田氏の反論があった。
以前から我々一般人は屡々、「当時の南京の人口は20万人であり、30万人の殺害は物理的に困難である」、そして「南京事件後しばらくして、南京の人口はそれより増えていたので、大虐殺などあるはずがない」という藤岡氏らやそれを聞いた人たちの受け売り発言を聞いていた。3名の議論を聞いて、その発言には一般人を欺く意図があったと思わざるを得ない。
つまり、南京市から安全区に避難した人の数が20万人なのである。そして、その他に、南京に入城した日本兵は城外や城内(安全区以外)にほとんど人を見なかったという言葉をそのまま信じて、それ以外の人口を0と勘定し、その合計20万人を南京市の人口としたのである。更に、「当時」という言葉を敢えて定義せず、平穏な時代の人口が100万人以上であるということを知らない一般人に、南京市の人口が20万人だと思わせることにより、「物理的に30万人殺すことは出来ない」と主張したのである。
南京城内は放火されておらず、ひっそりと隠れておればわからないだろう。また、城外は放火されていたというが、隠れるところはあっただろう。そのように考えれば、本当の人口は30万人超えても不思議はない。実際、山田氏は南京城区に60万人いたのではないかと推定している。
私は、藤岡氏らの南京事件全体に対する言葉を、この段階で信用できなくなった。そして、「南京事件後、南京の人口はそれより増えていたので、大虐殺などあるはずがない」という彼らの言葉は非常に悪質であると思った。なぜなら、市民が避難した所から帰れば当然そのくらいの人口になる。従って、南京虐殺など無かったという人たちの発言の根拠は非常に脆いので、「物理的にありえない」という強い表現を用いたのだろう。
中国軍の兵士(補足3)が便衣兵として、安全区の避難民の中に紛れ込んでいたので、それらしき者を探して殺しても、戦闘行為と見なせるという藤岡氏の意見も詭弁に聞こえた。捕虜になる覚悟で名乗り出た場合、助かるのではなく殺されたわけだから、生き残る道は非戦闘員の中に紛れ込むしかない。
もし、捕虜をかなり荒っぽい形でも裁判にかけてから、疑わしい者を死刑にしていたのなら、そして一部を無罪として命の保障をしていたのなら、捕虜になるという逃げ道があったと言えるだろう。そして、軍服を脱いで非戦闘員の中に紛れ込んだ者たちを便衣兵とみなすことも論理的には可能だろう。しかし、当時の日本兵はそのようにはしなかったのである。
結論として、最初の方で秦氏と山田氏が推定した、「兵士や非戦闘員合わせて4万人程度の虐殺があったと思う」が妥当な数字だと思う。この数字は、事件の翌年4月に発行された中国の共産党機関紙に掲載された、南京で42000人が殺害されたという記事の数字にほぼ一致している。 当時の軍の指揮にあたった松井石根大将は東京裁判で死刑となったが、執行の前に残した松井大将の言葉は非常に印象深い。それを読んで、数字はいろいろ議論はあるだろうが南京虐殺が実際にあったと納得した。その遺言には、日露戦争当時と比較して軍の規律が取れていなかったこと、兵士の暴走を止めることが出来なかったこと、そして自分の死により当時の兵士たちが反省してほしいと書かれている。(https://ja.wikipedia.org/wiki/松井石根 を参照)
南京事件の根本的とも思える原因として、次の2点を秦氏が番組の始めの方で指摘した。
① 大本営は上海陥落後に軍を止めて、講和に持ち込む方針だったが、現場がそれを無視して南京の方に向かった。そのため、食料などの補給は計画されておらず、現地調達することになった。
② 日露戦争までは国際法遵守して、近代国家としての体裁を保っていたが、その後軍規も徐々にいい加減になり、上層部の意向を無視して独走する傾向(下克上)があった。
放送では幕府山での虐殺など個々のケースについて議論があったが、それらは省略する。以上、昨夜のBSフジプライムニュースを見た後、私が理解した南京事件である。
補足:
1)1899年にオランダのハーグで締結されたハーグ陸戦条約に規定されている。この条約では、その内容を各国が国内法として法制化することになっている。日本も1912年に公布されている。(ウィキペディアによる)
2)この問題の論争において、大虐殺を否定する側の最も有力とこれまで私が感じてきた根拠は、「当時南京の人口は20万人であった。30万人殺すのは物理的に不可能である」という論理である。この点については以下に述べる様に、大虐殺を否定する側が極めて悪質な言論的トリックを用いていたと思う。
3)当時南京守備のために残った中国軍兵士は5-10万人と言われている。かなりの人数(5万人程度)が安全区に逃げ込んだと思われる。
=== 11/13投稿、11/14午前8時全面修正 === 追記:
1)100人斬りについては、虚構であるとの訴えが遺族によりなされ、裁判で虚構であるとの判断がなされた。溝口郁夫著、「南京100人斬り競争の虚構の照明」及び:https://www.youtube.com/watch?v=7N_v3sz6mgI など参照。(2015/12/2追記)
1)昨日のプライムニュースでは、専門家3人が出席して南京虐殺について議論していた。その3名は、新しい歴史教科書をつくる会で教育学者の藤岡信勝氏、元日本大学教授で歴史学者の秦郁彦氏、そして明治大学文学部教授で歴史学者の山田朗氏である。
まず南京市とその当時の人口などについてを含め紹介された事件の概略を書く。 南京事件は南京陥落後、日本軍が捕虜とした兵士や軍服を脱ぎ捨てて大衆の中に紛れ込んだ中国軍兵士と思われる人たちを、多数殺した事件である。その中に非戦闘員が多数いたが精査せずに殺したこと、捕虜を殺したこと、更に軍服を脱いだ無抵抗な人間を殺したことが国際条約に反する犯罪行為にあたるとされている(補足1)。日本軍関係者は戦後に南京軍事法廷(国民党政府が開いた)と東京裁判により処刑された。
日本軍により殺された人の数は、南京軍事法廷での判決文では30万人とされ、極東軍事裁判では20万人とされた。秦氏と山田氏は、「兵士や非戦闘員合わせて4万人程度の虐殺があったと思う」と述べ、藤岡氏は0に近いと述べた。藤岡氏は多くの人が殺されたのは事実だろうが、それらは戦闘行為としての殺戮であり、国際条約に違反するものではないとしている。つまり、捕虜は無抵抗であるべきであり、兵士は軍服を脱ぐことが禁止されている。従って、違反者は殺されても仕方がないのだというのが、藤岡氏の論理である。
戦時に民間人や捕虜が殺されることは多くあっただろうから、南京事件が歴史に残る事件として、更に戦後永きにわたって国際紛争の種となるには、極端に多数の民間人や捕虜が殺されるか、多数が極端に残虐な方法で殺されるかが必要条件となる。そこで強調されるのが、30万人という人数や百人斬り(追記1)と言われる殺戮方法である。後者については新聞で大きくとりあげられ賞賛されたというが、その中にどれだけ民間人を含むかなど詳細は分からない。
前者の数であるが、それはかなり誇大化された数字だろう。ただ、中国側が誇大に話を作ったとしても、それに対してこちらも矮小化で対立するのでは、問題が解決せず長引くだけである。出来るだけ真実に迫ろうとする、秦氏と山田氏の歴史家としての態度を支持する。以下にその点についてのみ、更に放送内容にそってレビューする。
2)南京市主要部は城壁に囲まれ、その一部に安全区(下図の難民区)が設けられており、そこに西欧人約15名(例えば、ドイツ人ラーベなど)が監視役として滞在していた。南京市の当時の人口は100万人程度であり、多くの市民は日本軍の入城前に逃げたが、それでもかなり残っていた。逃げ遅れた人たちは安全区に逃げ込み、その人数は20万人だったと言われる。
http://www.history.gr.jp/nanking/nanking.htmlより転載
南京市内の人数は、最大限度の殺戮者数を議論する上で重要である。(補足2) 藤岡氏の「南京市に入城時には、誰も(安全区以外)いなかった」との発言に対して、「侵入軍から身を隠すのは当然であり、安全区以外の城内(上図の実線内)や城外にはかなりの人が残っていたと考えるのは不思議ではない」という、秦氏と山田氏の反論があった。
以前から我々一般人は屡々、「当時の南京の人口は20万人であり、30万人の殺害は物理的に困難である」、そして「南京事件後しばらくして、南京の人口はそれより増えていたので、大虐殺などあるはずがない」という藤岡氏らやそれを聞いた人たちの受け売り発言を聞いていた。3名の議論を聞いて、その発言には一般人を欺く意図があったと思わざるを得ない。
つまり、南京市から安全区に避難した人の数が20万人なのである。そして、その他に、南京に入城した日本兵は城外や城内(安全区以外)にほとんど人を見なかったという言葉をそのまま信じて、それ以外の人口を0と勘定し、その合計20万人を南京市の人口としたのである。更に、「当時」という言葉を敢えて定義せず、平穏な時代の人口が100万人以上であるということを知らない一般人に、南京市の人口が20万人だと思わせることにより、「物理的に30万人殺すことは出来ない」と主張したのである。
南京城内は放火されておらず、ひっそりと隠れておればわからないだろう。また、城外は放火されていたというが、隠れるところはあっただろう。そのように考えれば、本当の人口は30万人超えても不思議はない。実際、山田氏は南京城区に60万人いたのではないかと推定している。
私は、藤岡氏らの南京事件全体に対する言葉を、この段階で信用できなくなった。そして、「南京事件後、南京の人口はそれより増えていたので、大虐殺などあるはずがない」という彼らの言葉は非常に悪質であると思った。なぜなら、市民が避難した所から帰れば当然そのくらいの人口になる。従って、南京虐殺など無かったという人たちの発言の根拠は非常に脆いので、「物理的にありえない」という強い表現を用いたのだろう。
中国軍の兵士(補足3)が便衣兵として、安全区の避難民の中に紛れ込んでいたので、それらしき者を探して殺しても、戦闘行為と見なせるという藤岡氏の意見も詭弁に聞こえた。捕虜になる覚悟で名乗り出た場合、助かるのではなく殺されたわけだから、生き残る道は非戦闘員の中に紛れ込むしかない。
もし、捕虜をかなり荒っぽい形でも裁判にかけてから、疑わしい者を死刑にしていたのなら、そして一部を無罪として命の保障をしていたのなら、捕虜になるという逃げ道があったと言えるだろう。そして、軍服を脱いで非戦闘員の中に紛れ込んだ者たちを便衣兵とみなすことも論理的には可能だろう。しかし、当時の日本兵はそのようにはしなかったのである。
結論として、最初の方で秦氏と山田氏が推定した、「兵士や非戦闘員合わせて4万人程度の虐殺があったと思う」が妥当な数字だと思う。この数字は、事件の翌年4月に発行された中国の共産党機関紙に掲載された、南京で42000人が殺害されたという記事の数字にほぼ一致している。 当時の軍の指揮にあたった松井石根大将は東京裁判で死刑となったが、執行の前に残した松井大将の言葉は非常に印象深い。それを読んで、数字はいろいろ議論はあるだろうが南京虐殺が実際にあったと納得した。その遺言には、日露戦争当時と比較して軍の規律が取れていなかったこと、兵士の暴走を止めることが出来なかったこと、そして自分の死により当時の兵士たちが反省してほしいと書かれている。(https://ja.wikipedia.org/wiki/松井石根 を参照)
南京事件の根本的とも思える原因として、次の2点を秦氏が番組の始めの方で指摘した。
① 大本営は上海陥落後に軍を止めて、講和に持ち込む方針だったが、現場がそれを無視して南京の方に向かった。そのため、食料などの補給は計画されておらず、現地調達することになった。
② 日露戦争までは国際法遵守して、近代国家としての体裁を保っていたが、その後軍規も徐々にいい加減になり、上層部の意向を無視して独走する傾向(下克上)があった。
放送では幕府山での虐殺など個々のケースについて議論があったが、それらは省略する。以上、昨夜のBSフジプライムニュースを見た後、私が理解した南京事件である。
補足:
1)1899年にオランダのハーグで締結されたハーグ陸戦条約に規定されている。この条約では、その内容を各国が国内法として法制化することになっている。日本も1912年に公布されている。(ウィキペディアによる)
2)この問題の論争において、大虐殺を否定する側の最も有力とこれまで私が感じてきた根拠は、「当時南京の人口は20万人であった。30万人殺すのは物理的に不可能である」という論理である。この点については以下に述べる様に、大虐殺を否定する側が極めて悪質な言論的トリックを用いていたと思う。
3)当時南京守備のために残った中国軍兵士は5-10万人と言われている。かなりの人数(5万人程度)が安全区に逃げ込んだと思われる。
=== 11/13投稿、11/14午前8時全面修正 === 追記:
1)100人斬りについては、虚構であるとの訴えが遺族によりなされ、裁判で虚構であるとの判断がなされた。溝口郁夫著、「南京100人斬り競争の虚構の照明」及び:https://www.youtube.com/watch?v=7N_v3sz6mgI など参照。(2015/12/2追記)
2019年9月13日金曜日
この国は誰が統治しているのか?
1)官僚による擬似専制政治:
昨日、安倍内閣の改造が発表され、多くの新人大臣が誕生した。名前を知らない人が多く、恐らく現在の内閣官房がポスト配布による影響力拡大を目指しているのだろう。永田町町内会の派閥争いに過ぎない。(補足1)
国会での議論を見ていると、大臣が答弁するときには必ず官僚がそばにいて、何かメモを見せたり耳打ちしたりしている。大臣は俳優のように舞台に立つが、脚本は官僚たちが書いているというコンセンサスが日本にはあるようだ。民主主義とはそのような“政治家”を選挙で選ぶことだと勘違いしているのだろう。
それは、実際に自分の全能力を用いて国家の運営を行う「政治家」を、一般市民が選挙で選ぶ制度の筈である。政治の脚本を官僚が書き、選挙で選ばれた政治家がそれを演じるのは、決して民主主義ではない。民主主義を模した官僚による擬似専制政治である。擬似がつくのは、官僚たちは「官僚の無謬性」という民主主義の原則を主張して、身の安全を図っているからである。日本丸は漂流するのは当たり前だろう。
官僚の無謬性の根拠は、官僚は新たな方針を作り出さず、なんらかの決断もしないからである。責任は、何らかの決断をする人にのみ問われるからである。本来、政治家がそれらを行い、官僚はそれに沿って自分の専門的知識を活かして、政治家の手足となって働く人種だからである。上記「官僚による擬似専制政治」の“擬似”は、日本国という船を操る船長などいないという意味である。
日本国に明確な意思(明確な戦略と具体的戦術)があり、ある方向に多少の困難なら打ち破り、なんらかのトラップが溝にあれば多少の飛躍を伴って、動いているという感じがしない。常に現在の情況を前提にして、生じる問題が最低になる点を官僚がシミュレーションして探し出すような政治である。たとえ、坂道から崖下に落ちる情況でも、どの位置から落ちるのが、一番怪我が少ないかを探しているような政治に見える。ジャンプして、坂を上がる小道に飛び移ろうとはしない。
タイタニックの映画を思い出す。日本丸船長は間接的にしても、国民が選んだことになっている筈だが、何も考えない国民は日々の生活をエンジョイしている。大半が考えないのだから、下船できない考える人は、不幸である。
2)安倍ポエム政治:
今日、ヤフー記事に面白いのがあった。“安倍晋三「ポエム演説」と河野太郎「ツイッターブロック」に見る政治家の姿勢”と題した文春オンラインの記事である。そこで安倍首相が5日行なったウラジオストクでの東方経済フォーラム演説における一部がコピーされている。以下それを再録:
「ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている。行きましょう。ロシアの若人のために。そして、日本の未来を担う人々のために。ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。」(補足2)
これが我が日本国で長期政権を誇る内閣総理大臣の演説である。勿論、一部を切り取るのは誤解のもとである。しかし、外交で同じ未来を見る二つの国の首脳は、歴史上いなかっただろう。そのような文章が出てくる演説は異常である。
もっと異常なのは、それがNHKテレビをはじめマスコミに取り上げられて、批判の的にならないことである。この国は臨終間際である。
補足:
1)元総理の小泉純一郎の次男である小泉進次郎氏が環境大臣になった。おそらく、二酸化炭素の温室効果についてイントロ的知識ももたない人だろう。 https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2018/07/htppja.html 最初の仕事は、福島の復興だというから大体能力のほどはわかる。こんなレベルが、日本のホープだというから、此の線状を進む限り、日本に未来はない。何時も同じことを言うが、国政選挙においては、道州選挙区制と一票の格差完全撤廃が、私の処方箋である。(ちなみに、市町村議会は給与ゼロのボランティアにすべきである。)
2)ウラジミール・プーチン大統領は、安倍総理との会見に何時も遅刻する。それで腹を立てない安倍さんは日本流に言えば人間ができている。しかし、一度や二度なら良いが、何時もなら如何に大国ロシアのトップと言っても、腹を立てるのが普通である。それをマスコミも気にしないのが不思議だ。この発言の中身? 宇宙人は鳩山だけか?
昨日、安倍内閣の改造が発表され、多くの新人大臣が誕生した。名前を知らない人が多く、恐らく現在の内閣官房がポスト配布による影響力拡大を目指しているのだろう。永田町町内会の派閥争いに過ぎない。(補足1)
国会での議論を見ていると、大臣が答弁するときには必ず官僚がそばにいて、何かメモを見せたり耳打ちしたりしている。大臣は俳優のように舞台に立つが、脚本は官僚たちが書いているというコンセンサスが日本にはあるようだ。民主主義とはそのような“政治家”を選挙で選ぶことだと勘違いしているのだろう。
それは、実際に自分の全能力を用いて国家の運営を行う「政治家」を、一般市民が選挙で選ぶ制度の筈である。政治の脚本を官僚が書き、選挙で選ばれた政治家がそれを演じるのは、決して民主主義ではない。民主主義を模した官僚による擬似専制政治である。擬似がつくのは、官僚たちは「官僚の無謬性」という民主主義の原則を主張して、身の安全を図っているからである。日本丸は漂流するのは当たり前だろう。
官僚の無謬性の根拠は、官僚は新たな方針を作り出さず、なんらかの決断もしないからである。責任は、何らかの決断をする人にのみ問われるからである。本来、政治家がそれらを行い、官僚はそれに沿って自分の専門的知識を活かして、政治家の手足となって働く人種だからである。上記「官僚による擬似専制政治」の“擬似”は、日本国という船を操る船長などいないという意味である。
日本国に明確な意思(明確な戦略と具体的戦術)があり、ある方向に多少の困難なら打ち破り、なんらかのトラップが溝にあれば多少の飛躍を伴って、動いているという感じがしない。常に現在の情況を前提にして、生じる問題が最低になる点を官僚がシミュレーションして探し出すような政治である。たとえ、坂道から崖下に落ちる情況でも、どの位置から落ちるのが、一番怪我が少ないかを探しているような政治に見える。ジャンプして、坂を上がる小道に飛び移ろうとはしない。
タイタニックの映画を思い出す。日本丸船長は間接的にしても、国民が選んだことになっている筈だが、何も考えない国民は日々の生活をエンジョイしている。大半が考えないのだから、下船できない考える人は、不幸である。
2)安倍ポエム政治:
今日、ヤフー記事に面白いのがあった。“安倍晋三「ポエム演説」と河野太郎「ツイッターブロック」に見る政治家の姿勢”と題した文春オンラインの記事である。そこで安倍首相が5日行なったウラジオストクでの東方経済フォーラム演説における一部がコピーされている。以下それを再録:
「ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている。行きましょう。ロシアの若人のために。そして、日本の未来を担う人々のために。ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。」(補足2)
これが我が日本国で長期政権を誇る内閣総理大臣の演説である。勿論、一部を切り取るのは誤解のもとである。しかし、外交で同じ未来を見る二つの国の首脳は、歴史上いなかっただろう。そのような文章が出てくる演説は異常である。
もっと異常なのは、それがNHKテレビをはじめマスコミに取り上げられて、批判の的にならないことである。この国は臨終間際である。
補足:
1)元総理の小泉純一郎の次男である小泉進次郎氏が環境大臣になった。おそらく、二酸化炭素の温室効果についてイントロ的知識ももたない人だろう。 https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2018/07/htppja.html 最初の仕事は、福島の復興だというから大体能力のほどはわかる。こんなレベルが、日本のホープだというから、此の線状を進む限り、日本に未来はない。何時も同じことを言うが、国政選挙においては、道州選挙区制と一票の格差完全撤廃が、私の処方箋である。(ちなみに、市町村議会は給与ゼロのボランティアにすべきである。)
2)ウラジミール・プーチン大統領は、安倍総理との会見に何時も遅刻する。それで腹を立てない安倍さんは日本流に言えば人間ができている。しかし、一度や二度なら良いが、何時もなら如何に大国ロシアのトップと言っても、腹を立てるのが普通である。それをマスコミも気にしないのが不思議だ。この発言の中身? 宇宙人は鳩山だけか?
2019年9月10日火曜日
日韓併合の真実と文在寅政権の対日シナリオ
1)日韓併合の真実と文在寅政権の対日シナリオ(筆者の想像)
韓国文在寅が、日韓併合で韓国が被害を受けたという話を作り上げる目的は、統一朝鮮による日本併合にある。日本はそれを知るべきであり、韓国が日帝という悪の被害者であると世界に宣伝することを、単なる被害妄想と考えてはならないと思う。
被害妄想は自虐趣味の一種であり、文在寅の韓国も対日姿勢に関してはそのように見える。しかし彼らは、もう一つの参加者を考えているのではないのか。つまり、昔流行った水戸黄門ドラマのような筋書きを考えているのだろうと想像する。(補足1)
善なる韓国には葵の御紋をもった黄門様が付いている。その助けもあって、悪の支配から脱した朝鮮は、悪を成敗して、大東海共栄圏を作るのである。(日本海を東海と呼ぶように既に工作を開始している。)黄門様とは、中国である。黄門様の背後に将軍様がいる。彼らが想定している将軍様は、おそらく、米国の一派だろう。
これは冗談のようで冗談ではない。ただ、非常に大胆になることを自分自身に許して、想像を逞しく未来を考えただけである。何故そのように言うのか? それはあまりにも真実を無視し、国際法理を無視し、BBCのキャスターが韓国外相の考え方に「それは健康的ですか?(精神病的ではないですか?)」(第3節参照)とコメントするほど、あからさまにヒステリックであるからである。その一方、日本側の個人請求権に関する1990年代からの変化をしっかりと研究して、作戦を練っているからである。
日本の内閣からは想像できないだろうが、トランプもそうであるように、無茶苦茶に見える場合、相当綿密且つ遠大な計算が背後にあるのが、一つの国のリーダーだろう。
2)日韓併合時代の真実と日韓基本条約締結
日韓併合は、前に言及した伽耶大学客員教授の崔基鎬氏の本「日韓併合 韓民族を作った日帝36年の真実(祥伝社黄金文庫、2005)」で明らかである。李朝500年の停滞から脱するには、日韓併合による外科的措置が必要だった。
李朝の停滞については、呉善花の「韓国併合への道(文春新書、)p23」にあるフランス人宣教師シャルル・ダレの言葉(朝鮮事情)が明確に語っている。
「一般に、政治的活気、進歩、革命とかいわれるものは、朝鮮には存在しない。人民は無視され、かれらのいかなる意見も許されない。権力を握っている貴族階級が関心をむけるのは、ただ彼らを抑圧して出来るだけ多くの富を搾り取ろうとする時だけである。」「朝鮮における最近3世紀の期間は、ただ貴族階級の血なまぐさい不毛の争いの単調な歴史にしか過ぎなかった」
崔基鎬の本に戻ると、日本によるインフラ投資は、例えば交通では、川に橋をかけることから始まり、鉄道施設など日本のインフラに追いつくことを目標に進められた。教育でも、日本と同等の教育システムを作り始めた。その一つの証拠が、京城帝国大学を日本の大阪や名古屋の帝国大学より先に設立したことである。
この事実に反して、韓国の1987年の6・29民主化宣言以降の見解は「日帝による一方的収奪の下、植民地朝鮮の民衆は窮乏と桎梏に呻吟していた」であり、教科書にもこのように書かれているという。(130頁)その完全に捏造した歴史を、韓国はプロパガンダとして世界中にばら撒いているのである。それに迎合して日本潰しに熱心なのが、米国のニューヨークタイムズなどのマスコミとそれを支配する金融資本家たちである。
上記崔基鎬氏の本には、植民地時代の朝鮮を見直そうという他の韓国人学者の考えも紹介されている。その一つに、ソウル大学経済科教授の李栄薫に対する韓国日報(2004年4月22日)のインタビューの記事がある。
李栄薫教授は、「掠奪が目的ではなく、日本本土と同一の制度と社会基盤を持った国をつくり、永久編入しようという計画に基づいていた」と日本の植民地支配を解釈している。そして、両国を「独自の歴史と文化を持つ民族の併合は、最初から間違っていた。」「その(併合に向かう)過程で、我々が能動的に対処していたら、植民地化を避ける機会もあっただろう」と評価した。
上記李栄薫教授に似た考え方で、朴正煕と佐藤栄作は日韓基本条約を締結したのだろう。
尚、「日韓併合 韓民族を救った日帝36年の真実」には、朝鮮近代化計画とそれに投じられた予算額など、詳細なデータに基づいて上記結論に至る議論がなされている。
3)徴用工問題を利用して、韓国併合を恐ろしい悲劇的出来事として世界に宣伝する文在寅の遠い目標
文在寅政権の日本による韓国併合に対する評価は、2)に書いた韓国の教科書にある内容そのままである。それは考え方というよりも宗教的或いは精神病的である。(但し、本当は遠大な目標をもっての冷静な行動である)その教義は、日本人だけでなく英国人にも理解できない。理解できると言う者は、韓国を利用して何か自分の野心を実現しようと考えている、現代のグローバリストの中心に位置する者たちだろう。
先月22日だと思うが、BBCのHARDtalkという番組で、司会者のStephen Sackurと北京に滞在する韓国外相のインタビューがあり、その場面の動画を最近見た。そして、その内容を韓国外務省がネットに掲載しているのを見つけた。(補足欄参照)
Youtube動画: https://www.youtube.com/watch?v=ncLh3swmBnY (字幕付き)
そこで、韓国が指摘したのは、徴用工個人の請求権は消滅していないという解釈である。実は、この解釈は日本側から出された見解である。この問題には日本国内での戦争被害者による訴訟が絡んでおり、複雑なので深入りは今回さける。詳細はある弁護士の方の論文をご覧いただきたい。http://justice.skr.jp/seikyuuken-top.html
ただ、この件に関する韓国側住民の要求の内容が問題である。それは、徴用工として強制労働させられた、肉体的精神的な苦痛に対しての請求だからである。(補足2)戦時の国家による要求は非常に重いので、現在なら徴用工の仕事は非常にきつくて耐えられないかもしれない。従って、自分が日本国民であり日本国家のために徴用に応じているという意識がなければ、つまり、平時の感覚では賠償要求の対象になるだろう。
そのような要求を韓国の司法が認めたのは、文在寅政権が日韓併合を無効だと考えているからである。上記BBCのインタビューで韓国外相は以下のように言っている。
「裁判所の判決によると、植民地支配における違法占領と侵略戦争の文脈、その文脈に直接関係する違法行為は、'65協定によってカバーされていません。」(補足3)ここで、“裁判所の判決によると”と言いながら、それをそのまま国家元首の指示により外相が言うのは、裁判所の判断ではなく、韓国という国家の判断ということになる。
これに対して、司会者は、「あなたは植民地支配の時の悲劇的で恐ろしい出来事への補償要求を、2019年の今韓国市民に奨励することを本当に健康的だと考えるのですか? それをすべて蘇らせて掘り下げる価値があるのですか?」と言っている。(補足4)ここで本当は、“仮に占領中に起こった悲劇的で恐ろしい出来事があったとしても”、という仮定文にすべきだが、それはここではスルーする。BBCの司会者は、healthyという言葉を用いているので、文在寅政権のこの考え方は病気(つまり精神病的)のレベルと考えていることを示している。
その考えを聞いても尚、韓国外相は、その見解を変えないので、司会者は再び貿易問題に対する中国の指摘に話を移した。
ここで明らかなのは、韓国は日韓基本条約を無効だとはいっていないし、言うつもりもない。ただ、日韓併合条約の違法性を主張しているのである。もちろん、それを無効だとは自分からは最後の段階までは言わないだろう。何故なら、「歴史を掘り返す」とんでも無い話だという欧米諸国の強烈な反応が予想されるからである。
いまは、植民地支配で悲劇的な扱いを受けた韓国を、内外に宣伝しているのである。つまり、最初の節に書いたように、一度しかない歴史の巻物なら、そのプロパガンダの趣旨は、韓国或いは統一朝鮮なら、温情的な日本併合(補足5)を将来行うということである。
それは全く有りえない話ではない。統一朝鮮は今後、核保有国として、放置されるだろう。つまり、それは消極的核承認であり、インドやパキスタンの核兵器保有と同様である。そして、米国が撤退した東アジアには、21世紀後半には新バージョンの中華秩序が作られているだろう。日本の表通りを我が物顔で歩くのは、中国人や朝鮮人とユダヤ人などの西欧人だろう。
補足:
1)馬渕睦夫氏動画参照:https://www.youtube.com/watch?v=vw73HbcfKCQ&t=851s
2)1991年8月27日に条約局長の柳井俊二が以下のような答弁を国会でしたという。
「日韓基本条約は個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではない。日韓両国間で政府としてこれを外交保護権の行使として取り上げることができないという意味である。」これは日本の原爆被害者などに国家が賠償することを避けるために出された論理らしい。例えば、「日韓両国政府の日韓請求権協定解釈の変遷」と題した論文を見ていただきたい。http://justice.skr.jp/seikyuuken-top.html
3)What the court judgment has said is that the context of illegal occupation in the colonial rule and the war of aggression, illegal acts directly connected to the context have not been covered by the ‘65 agreement.
4)You really think it's healthy for you to encourage South Korean citizens, here in 2019, to seek compensation for the tragic and terrible things that happened during the Japanese colonial occupation? It is really worth reviving and digging through all of that, is it?
(韓国外務省の公開文書)
5)勿論、朝鮮からみて温情的な日本併合とは、日本国民に与える李氏朝鮮の両班が常民に対して与えたのと同等の処遇だろう。
韓国文在寅が、日韓併合で韓国が被害を受けたという話を作り上げる目的は、統一朝鮮による日本併合にある。日本はそれを知るべきであり、韓国が日帝という悪の被害者であると世界に宣伝することを、単なる被害妄想と考えてはならないと思う。
被害妄想は自虐趣味の一種であり、文在寅の韓国も対日姿勢に関してはそのように見える。しかし彼らは、もう一つの参加者を考えているのではないのか。つまり、昔流行った水戸黄門ドラマのような筋書きを考えているのだろうと想像する。(補足1)
善なる韓国には葵の御紋をもった黄門様が付いている。その助けもあって、悪の支配から脱した朝鮮は、悪を成敗して、大東海共栄圏を作るのである。(日本海を東海と呼ぶように既に工作を開始している。)黄門様とは、中国である。黄門様の背後に将軍様がいる。彼らが想定している将軍様は、おそらく、米国の一派だろう。
これは冗談のようで冗談ではない。ただ、非常に大胆になることを自分自身に許して、想像を逞しく未来を考えただけである。何故そのように言うのか? それはあまりにも真実を無視し、国際法理を無視し、BBCのキャスターが韓国外相の考え方に「それは健康的ですか?(精神病的ではないですか?)」(第3節参照)とコメントするほど、あからさまにヒステリックであるからである。その一方、日本側の個人請求権に関する1990年代からの変化をしっかりと研究して、作戦を練っているからである。
日本の内閣からは想像できないだろうが、トランプもそうであるように、無茶苦茶に見える場合、相当綿密且つ遠大な計算が背後にあるのが、一つの国のリーダーだろう。
2)日韓併合時代の真実と日韓基本条約締結
日韓併合は、前に言及した伽耶大学客員教授の崔基鎬氏の本「日韓併合 韓民族を作った日帝36年の真実(祥伝社黄金文庫、2005)」で明らかである。李朝500年の停滞から脱するには、日韓併合による外科的措置が必要だった。
李朝の停滞については、呉善花の「韓国併合への道(文春新書、)p23」にあるフランス人宣教師シャルル・ダレの言葉(朝鮮事情)が明確に語っている。
「一般に、政治的活気、進歩、革命とかいわれるものは、朝鮮には存在しない。人民は無視され、かれらのいかなる意見も許されない。権力を握っている貴族階級が関心をむけるのは、ただ彼らを抑圧して出来るだけ多くの富を搾り取ろうとする時だけである。」「朝鮮における最近3世紀の期間は、ただ貴族階級の血なまぐさい不毛の争いの単調な歴史にしか過ぎなかった」
崔基鎬の本に戻ると、日本によるインフラ投資は、例えば交通では、川に橋をかけることから始まり、鉄道施設など日本のインフラに追いつくことを目標に進められた。教育でも、日本と同等の教育システムを作り始めた。その一つの証拠が、京城帝国大学を日本の大阪や名古屋の帝国大学より先に設立したことである。
この事実に反して、韓国の1987年の6・29民主化宣言以降の見解は「日帝による一方的収奪の下、植民地朝鮮の民衆は窮乏と桎梏に呻吟していた」であり、教科書にもこのように書かれているという。(130頁)その完全に捏造した歴史を、韓国はプロパガンダとして世界中にばら撒いているのである。それに迎合して日本潰しに熱心なのが、米国のニューヨークタイムズなどのマスコミとそれを支配する金融資本家たちである。
上記崔基鎬氏の本には、植民地時代の朝鮮を見直そうという他の韓国人学者の考えも紹介されている。その一つに、ソウル大学経済科教授の李栄薫に対する韓国日報(2004年4月22日)のインタビューの記事がある。
李栄薫教授は、「掠奪が目的ではなく、日本本土と同一の制度と社会基盤を持った国をつくり、永久編入しようという計画に基づいていた」と日本の植民地支配を解釈している。そして、両国を「独自の歴史と文化を持つ民族の併合は、最初から間違っていた。」「その(併合に向かう)過程で、我々が能動的に対処していたら、植民地化を避ける機会もあっただろう」と評価した。
上記李栄薫教授に似た考え方で、朴正煕と佐藤栄作は日韓基本条約を締結したのだろう。
尚、「日韓併合 韓民族を救った日帝36年の真実」には、朝鮮近代化計画とそれに投じられた予算額など、詳細なデータに基づいて上記結論に至る議論がなされている。
3)徴用工問題を利用して、韓国併合を恐ろしい悲劇的出来事として世界に宣伝する文在寅の遠い目標
文在寅政権の日本による韓国併合に対する評価は、2)に書いた韓国の教科書にある内容そのままである。それは考え方というよりも宗教的或いは精神病的である。(但し、本当は遠大な目標をもっての冷静な行動である)その教義は、日本人だけでなく英国人にも理解できない。理解できると言う者は、韓国を利用して何か自分の野心を実現しようと考えている、現代のグローバリストの中心に位置する者たちだろう。
先月22日だと思うが、BBCのHARDtalkという番組で、司会者のStephen Sackurと北京に滞在する韓国外相のインタビューがあり、その場面の動画を最近見た。そして、その内容を韓国外務省がネットに掲載しているのを見つけた。(補足欄参照)
Youtube動画: https://www.youtube.com/watch?v=ncLh3swmBnY (字幕付き)
そこで、韓国が指摘したのは、徴用工個人の請求権は消滅していないという解釈である。実は、この解釈は日本側から出された見解である。この問題には日本国内での戦争被害者による訴訟が絡んでおり、複雑なので深入りは今回さける。詳細はある弁護士の方の論文をご覧いただきたい。http://justice.skr.jp/seikyuuken-top.html
ただ、この件に関する韓国側住民の要求の内容が問題である。それは、徴用工として強制労働させられた、肉体的精神的な苦痛に対しての請求だからである。(補足2)戦時の国家による要求は非常に重いので、現在なら徴用工の仕事は非常にきつくて耐えられないかもしれない。従って、自分が日本国民であり日本国家のために徴用に応じているという意識がなければ、つまり、平時の感覚では賠償要求の対象になるだろう。
そのような要求を韓国の司法が認めたのは、文在寅政権が日韓併合を無効だと考えているからである。上記BBCのインタビューで韓国外相は以下のように言っている。
「裁判所の判決によると、植民地支配における違法占領と侵略戦争の文脈、その文脈に直接関係する違法行為は、'65協定によってカバーされていません。」(補足3)ここで、“裁判所の判決によると”と言いながら、それをそのまま国家元首の指示により外相が言うのは、裁判所の判断ではなく、韓国という国家の判断ということになる。
これに対して、司会者は、「あなたは植民地支配の時の悲劇的で恐ろしい出来事への補償要求を、2019年の今韓国市民に奨励することを本当に健康的だと考えるのですか? それをすべて蘇らせて掘り下げる価値があるのですか?」と言っている。(補足4)ここで本当は、“仮に占領中に起こった悲劇的で恐ろしい出来事があったとしても”、という仮定文にすべきだが、それはここではスルーする。BBCの司会者は、healthyという言葉を用いているので、文在寅政権のこの考え方は病気(つまり精神病的)のレベルと考えていることを示している。
その考えを聞いても尚、韓国外相は、その見解を変えないので、司会者は再び貿易問題に対する中国の指摘に話を移した。
ここで明らかなのは、韓国は日韓基本条約を無効だとはいっていないし、言うつもりもない。ただ、日韓併合条約の違法性を主張しているのである。もちろん、それを無効だとは自分からは最後の段階までは言わないだろう。何故なら、「歴史を掘り返す」とんでも無い話だという欧米諸国の強烈な反応が予想されるからである。
いまは、植民地支配で悲劇的な扱いを受けた韓国を、内外に宣伝しているのである。つまり、最初の節に書いたように、一度しかない歴史の巻物なら、そのプロパガンダの趣旨は、韓国或いは統一朝鮮なら、温情的な日本併合(補足5)を将来行うということである。
それは全く有りえない話ではない。統一朝鮮は今後、核保有国として、放置されるだろう。つまり、それは消極的核承認であり、インドやパキスタンの核兵器保有と同様である。そして、米国が撤退した東アジアには、21世紀後半には新バージョンの中華秩序が作られているだろう。日本の表通りを我が物顔で歩くのは、中国人や朝鮮人とユダヤ人などの西欧人だろう。
補足:
1)馬渕睦夫氏動画参照:https://www.youtube.com/watch?v=vw73HbcfKCQ&t=851s
2)1991年8月27日に条約局長の柳井俊二が以下のような答弁を国会でしたという。
「日韓基本条約は個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではない。日韓両国間で政府としてこれを外交保護権の行使として取り上げることができないという意味である。」これは日本の原爆被害者などに国家が賠償することを避けるために出された論理らしい。例えば、「日韓両国政府の日韓請求権協定解釈の変遷」と題した論文を見ていただきたい。http://justice.skr.jp/seikyuuken-top.html
3)What the court judgment has said is that the context of illegal occupation in the colonial rule and the war of aggression, illegal acts directly connected to the context have not been covered by the ‘65 agreement.
4)You really think it's healthy for you to encourage South Korean citizens, here in 2019, to seek compensation for the tragic and terrible things that happened during the Japanese colonial occupation? It is really worth reviving and digging through all of that, is it?
(韓国外務省の公開文書)
5)勿論、朝鮮からみて温情的な日本併合とは、日本国民に与える李氏朝鮮の両班が常民に対して与えたのと同等の処遇だろう。
2019年9月6日金曜日
銃保持廃止を米国で訴えることと、核兵器全廃を訴えることの類似点
昨日のBBCニュースによると、米カリフォルニア州・サンフランシスコ市管理委員会(市議会)は3日、銃規制に反対の立場をとる全米ライフル協会(NRA)を、正式に「国内テロ組織」に認定する決議案を、満場一致で可決した。
https://www.bbc.com/japanese/49589270
一方、銃乱射事件がつづく米国テキサス州では、8月4日銃規制を緩和することになった。その内容は、「アパート家主は、借り主の銃保持を禁止してはならない」や「学校の駐車場において、銃保持の車を駐車禁止にしてはいけない」などだという。
この二つの州の銃規制に対する考え方の違いを、冷泉彰彦というペンネームの方は以下のように書いている。銃社会の外側の人々は「乱射事件が起きたから銃を規制しよう」と考えるが、銃社会に生きる人々は「乱射事件等から自分の身を守るために銃保持を考える人からその権利を剥奪するのは、基本的権利の侵害にあたる」という発想をする。
そして、「このような銃乱射を防止するために銃規制を徹底するには、“鉄砲狩り”をする事が必要」であり、更に、「仮にこの措置が徹底すれば、銃社会の人々も「銃の束縛」から解放される方向に動き出すだろう」と結論している。
しかし、この人の“鉄砲狩り”が必要だという結論には賛成できない。なぜなら、銃社会の内と外で考え方が異なるという重要な指摘をしながら、十分な議論なしに安易に理想論である銃社会の外からの考え方を無批判に受け入れ、結論を出しているからである。https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2019/09/post-1109.php
一般人から銃を奪い取れば、銃による殺人や強盗などは益々容易になるだろう。何故なら、銃は法を無視する者たちの独占物になり、彼らは反撃される危険性がなくなるからである。不法者に銃を向けられた時に自分の命を助けるためには、銃を持たなかった者はその不法者に屈服しなければならない。私の想像する米国人は、この個の尊厳を汚されることになる力の不均衡を嫌う。(補足1)
1)銃保持と殺人のデータ:
BBCの記事によると、2016年米国において銃で死亡した人数は、11004人だった。そのうちの半数5500人は自殺(米国の自殺の約半数)であり、大衆への乱射(Mass Shooting)での死亡者は71人であった。(補足2) https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-41494344
つまり、銃による殺人や自殺の中で、大きく報道されているが実際は小さい部分を成す銃乱射事件を中心に考えて銃規制を論じることは、間違いだと思う。ここで、国別の銃保持率と殺人発生率との関係を見て見る。
(https://www.globalnote.jp/post-1697.html)
上のグラフは各国の銃保持率と保有数である。このうち、米国(銃保持率90%)、スイス(45%)、カナダ(31%)を比較してみる。この三国の殺人発生率は、人口10万人あたり、米国5.32人、スイス0.53人、カナダ1.8人である。スイスでの高い銃保持率と低い殺人発生率は、銃保持が銃による殺人事件の原因であるという考えを否定している。(殺人事件発生率: https://www.globalnote.jp/post-1697.html)
カナダの銃保持率と殺人発生率がともに米国の1/3であるということは、二つの国の社会がよく似ていることを考えると、殺人発生が銃保持の動機であり、銃保持が殺人発生の動機ではないだろうと推測される。 (補足3)
銃保持が殺人の動機となるのなら、そして、米国とカナダの人たちの銃と人との関係がよく似ているのなら、銃による殺人殺人発生率と銃の保持率がほぼ比例関係になるはずである。しかし、実際はそうではない。米国とカナダでの銃による殺人発生率は、それぞれ10万人あたり3.4人(米国)0.56人(カナダ)である。(補足4)つまり、米国やカナダでも銃保持が銃による殺人事件の原因ではないと考えられる。
以上の議論はもちろん不完全である。統計データからだけでこの問題を考えるのにも一定の限界がある。
2)銃を保持する権利:
米国憲法修正第2条においては、「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない」と書かれている。
米国で銃保持が権利として認められるのは、この条文があるからだろう。ただ、民兵という考え方が現代でも重視されているとは思えない。従って、NRAやGOA (米国銃所有者協会)は、高い犯罪率の社会で自分自身を暴漢などから守る為、社会に一旦預けた武装する権利の一部返還を主張しているのだと思う。
つまり、個人の生命と財産の安全を国家は保障するという条件で、個人は武器を放棄したのだから、国家がそれらの保障が十分できなければ、被害を受ける可能性のある者は、一旦返上した武器をもう一度持つ権利があると考える。
サンフランシスコが、NRAを国内テロ組織に指定したことだが、その正当性を主張するには、銃保持を禁止したときに殺人事件など凶悪犯が減少することを、明確に示さなければならない。銃保持を禁止したときに銃による凶悪犯が減少するのは当たり前である。しかし、その代わりに刃物による殺人が同数以上起これば、銃保持禁止は無意味あるいは逆効果となる。
また、NRAの活動(特にロビー活動)と米国で銃による殺人件数が多いこととの因果関係は明白ではない。NRAが銃規制に反対しているのは事実である。しかし、それは単に民意の反映と考えた方が良いだろう。その一つの根拠は、上記BBCの記事(再度下に引用)によると、拳銃保持禁止に反対する世論データと、NRAのロビー活動予算にかなり良い相関関係があることである。https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-41494344
皮肉な見方かもしれないが、サンフランシスコの決定はNRAに共和党の支持者が多いことと、おそらく強い関係があるのだろう。カリフォルニア州は民主党の大票田である。
3)核兵器保持の動機:
上に、銃を保持する権利の主張が、「不法者に銃を向けられた時に自分の命を助けるためには、銃を持たなかった者はその不法者に屈服しなければならない」という個人の尊厳が基礎にあるだろうと書いた。その考えの延長として、国家(あるいは民族)が独立して外交を行うには、大国による核兵器の脅迫があってはならない。
国連の常任理事国以外の各国が主張する核兵器保持の主張も理解できる。つまり、国家に核抑止力がなければ、独自外交は現状不可能である。従って、核兵器禁止条約を結ぶことが日本の国益にならないことは明らかである。
核兵器禁止条約の国際的キャンペーンを行っているICAN (International Campaign to Abolish Nuclear weapons)という団体に、ノーベル財団がノーベル平和賞を授与したが、その団体の主張は単に国連常任理事国のエゴイズムの代弁に過ぎない。また、その条約の寄託者たる国連事務総長も同様である。(補足5)https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12503812085.html
核兵器廃絶など出来るわけがないのは、米国で銃狩りができないのと同様である。銃は殺人だけでなく、強盗や脅迫の際にも用いられるだろう。同様に、核兵器は国際的脅迫に現在用いられている。(Th.ルーズベルトのBig Stick Policyは、現在でも国際政治の常態である。https://en.wikipedia.org/wiki/Big_Stick_ideology)
現在、核保持国に日本の警察官レベルの倫理を期待できない以上、核兵器禁止条約だけでなく核不拡散条約にすら、本来参加すべきではない。何故なら、核保有国の一角に「将来人口を減少させる必要が生じたとき、核兵器は有用である」と公然と発言する将軍が居るのが、国際政治の現実だからである。
その発言の主は、その後出世したことでもわかるように、核保持国の高官たちが、心の中で密かにそのような考えを持つのは明らかだろう。 https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12510499285.html (このブログ記事の注釈に、上記発言の主について書かれている)
補足:
1)個人の尊厳や国家あるいは民族の尊厳を重視することは、民主主義および近代国際社会の基礎である。後者を毀損するのが、国連とその常任理事国である。
2)残りの5300人には殺人事件や警察による迎撃的な射殺などが含まれていると考えられるが、詳細は書かれていない。
3)日本の殺人発生率(10万人あたり)は、0.24人である。
4)銃による殺人発生率は、BBCの記事から引用した。https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-41494344
5)国連はUnited Nationsの日本語訳であるが、明らかに誤訳である。本当は第二次世界大戦の反枢軸国連合である。http://honkawa2.sakura.ne.jp/9365.html
一方、銃乱射事件がつづく米国テキサス州では、8月4日銃規制を緩和することになった。その内容は、「アパート家主は、借り主の銃保持を禁止してはならない」や「学校の駐車場において、銃保持の車を駐車禁止にしてはいけない」などだという。
この二つの州の銃規制に対する考え方の違いを、冷泉彰彦というペンネームの方は以下のように書いている。銃社会の外側の人々は「乱射事件が起きたから銃を規制しよう」と考えるが、銃社会に生きる人々は「乱射事件等から自分の身を守るために銃保持を考える人からその権利を剥奪するのは、基本的権利の侵害にあたる」という発想をする。
そして、「このような銃乱射を防止するために銃規制を徹底するには、“鉄砲狩り”をする事が必要」であり、更に、「仮にこの措置が徹底すれば、銃社会の人々も「銃の束縛」から解放される方向に動き出すだろう」と結論している。
しかし、この人の“鉄砲狩り”が必要だという結論には賛成できない。なぜなら、銃社会の内と外で考え方が異なるという重要な指摘をしながら、十分な議論なしに安易に理想論である銃社会の外からの考え方を無批判に受け入れ、結論を出しているからである。https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2019/09/post-1109.php
一般人から銃を奪い取れば、銃による殺人や強盗などは益々容易になるだろう。何故なら、銃は法を無視する者たちの独占物になり、彼らは反撃される危険性がなくなるからである。不法者に銃を向けられた時に自分の命を助けるためには、銃を持たなかった者はその不法者に屈服しなければならない。私の想像する米国人は、この個の尊厳を汚されることになる力の不均衡を嫌う。(補足1)
1)銃保持と殺人のデータ:
BBCの記事によると、2016年米国において銃で死亡した人数は、11004人だった。そのうちの半数5500人は自殺(米国の自殺の約半数)であり、大衆への乱射(Mass Shooting)での死亡者は71人であった。(補足2) https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-41494344
つまり、銃による殺人や自殺の中で、大きく報道されているが実際は小さい部分を成す銃乱射事件を中心に考えて銃規制を論じることは、間違いだと思う。ここで、国別の銃保持率と殺人発生率との関係を見て見る。
(https://www.globalnote.jp/post-1697.html)
上のグラフは各国の銃保持率と保有数である。このうち、米国(銃保持率90%)、スイス(45%)、カナダ(31%)を比較してみる。この三国の殺人発生率は、人口10万人あたり、米国5.32人、スイス0.53人、カナダ1.8人である。スイスでの高い銃保持率と低い殺人発生率は、銃保持が銃による殺人事件の原因であるという考えを否定している。(殺人事件発生率: https://www.globalnote.jp/post-1697.html)
カナダの銃保持率と殺人発生率がともに米国の1/3であるということは、二つの国の社会がよく似ていることを考えると、殺人発生が銃保持の動機であり、銃保持が殺人発生の動機ではないだろうと推測される。 (補足3)
銃保持が殺人の動機となるのなら、そして、米国とカナダの人たちの銃と人との関係がよく似ているのなら、銃による殺人殺人発生率と銃の保持率がほぼ比例関係になるはずである。しかし、実際はそうではない。米国とカナダでの銃による殺人発生率は、それぞれ10万人あたり3.4人(米国)0.56人(カナダ)である。(補足4)つまり、米国やカナダでも銃保持が銃による殺人事件の原因ではないと考えられる。
以上の議論はもちろん不完全である。統計データからだけでこの問題を考えるのにも一定の限界がある。
2)銃を保持する権利:
米国憲法修正第2条においては、「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない」と書かれている。
米国で銃保持が権利として認められるのは、この条文があるからだろう。ただ、民兵という考え方が現代でも重視されているとは思えない。従って、NRAやGOA (米国銃所有者協会)は、高い犯罪率の社会で自分自身を暴漢などから守る為、社会に一旦預けた武装する権利の一部返還を主張しているのだと思う。
つまり、個人の生命と財産の安全を国家は保障するという条件で、個人は武器を放棄したのだから、国家がそれらの保障が十分できなければ、被害を受ける可能性のある者は、一旦返上した武器をもう一度持つ権利があると考える。
サンフランシスコが、NRAを国内テロ組織に指定したことだが、その正当性を主張するには、銃保持を禁止したときに殺人事件など凶悪犯が減少することを、明確に示さなければならない。銃保持を禁止したときに銃による凶悪犯が減少するのは当たり前である。しかし、その代わりに刃物による殺人が同数以上起これば、銃保持禁止は無意味あるいは逆効果となる。
また、NRAの活動(特にロビー活動)と米国で銃による殺人件数が多いこととの因果関係は明白ではない。NRAが銃規制に反対しているのは事実である。しかし、それは単に民意の反映と考えた方が良いだろう。その一つの根拠は、上記BBCの記事(再度下に引用)によると、拳銃保持禁止に反対する世論データと、NRAのロビー活動予算にかなり良い相関関係があることである。https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-41494344
皮肉な見方かもしれないが、サンフランシスコの決定はNRAに共和党の支持者が多いことと、おそらく強い関係があるのだろう。カリフォルニア州は民主党の大票田である。
3)核兵器保持の動機:
上に、銃を保持する権利の主張が、「不法者に銃を向けられた時に自分の命を助けるためには、銃を持たなかった者はその不法者に屈服しなければならない」という個人の尊厳が基礎にあるだろうと書いた。その考えの延長として、国家(あるいは民族)が独立して外交を行うには、大国による核兵器の脅迫があってはならない。
国連の常任理事国以外の各国が主張する核兵器保持の主張も理解できる。つまり、国家に核抑止力がなければ、独自外交は現状不可能である。従って、核兵器禁止条約を結ぶことが日本の国益にならないことは明らかである。
核兵器禁止条約の国際的キャンペーンを行っているICAN (International Campaign to Abolish Nuclear weapons)という団体に、ノーベル財団がノーベル平和賞を授与したが、その団体の主張は単に国連常任理事国のエゴイズムの代弁に過ぎない。また、その条約の寄託者たる国連事務総長も同様である。(補足5)https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12503812085.html
核兵器廃絶など出来るわけがないのは、米国で銃狩りができないのと同様である。銃は殺人だけでなく、強盗や脅迫の際にも用いられるだろう。同様に、核兵器は国際的脅迫に現在用いられている。(Th.ルーズベルトのBig Stick Policyは、現在でも国際政治の常態である。https://en.wikipedia.org/wiki/Big_Stick_ideology)
現在、核保持国に日本の警察官レベルの倫理を期待できない以上、核兵器禁止条約だけでなく核不拡散条約にすら、本来参加すべきではない。何故なら、核保有国の一角に「将来人口を減少させる必要が生じたとき、核兵器は有用である」と公然と発言する将軍が居るのが、国際政治の現実だからである。
その発言の主は、その後出世したことでもわかるように、核保持国の高官たちが、心の中で密かにそのような考えを持つのは明らかだろう。 https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12510499285.html (このブログ記事の注釈に、上記発言の主について書かれている)
補足:
1)個人の尊厳や国家あるいは民族の尊厳を重視することは、民主主義および近代国際社会の基礎である。後者を毀損するのが、国連とその常任理事国である。
2)残りの5300人には殺人事件や警察による迎撃的な射殺などが含まれていると考えられるが、詳細は書かれていない。
3)日本の殺人発生率(10万人あたり)は、0.24人である。
4)銃による殺人発生率は、BBCの記事から引用した。https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-41494344
5)国連はUnited Nationsの日本語訳であるが、明らかに誤訳である。本当は第二次世界大戦の反枢軸国連合である。http://honkawa2.sakura.ne.jp/9365.html
2019年9月5日木曜日
日韓併合は朝鮮の近代化に必須だったという真実
「日韓併合:韓民族を救った日帝36年の真実」という本の著者である加耶大学客員教授、崔基鎬氏が、その本を書いた動機について語っている動画が最近配信された。動画そのものは、恐らく本が出版された2003年の直後だろう。そこには、14世紀末に建国された朝鮮国の歴史と、結論として日本による併合が無ければ、朝鮮の近代化はあり得なかったという崔基鎬教授の考えが語られている。
https://www.buzzvideo.com/a/6683917111888183813?app_id=1131&c=email&gid=6683917111888183813&impr_id=6732541236111067397&language=ja®ion=jp&share_from=natant_view_button&user_id=6688590219774362625&version=8.3.2
以下に話の概略を書くが、実際には上記サイトで動画を見ていただく方が早い。また、崔教授の話を英語に翻訳した字幕を書き写したので、私が理解の為に若干変更したものを付ける。これも動画を見てもらった方が早いだろう。
司会者の本を書くことになった動機について問われ、それに答える形で崔教授は以下の内容の話を8分間に亘って話した。話は、李氏朝鮮の誕生と日本と李氏朝鮮の社会の違いから始まり、その後政治と文化の面に移る。その概略を以下に書く。
① 崔教授は、第二次世界大戦前の子供のころから韓国と日本の間を行き来して、日本と韓国の違いを見てきた。その結果を一言で言うと、両国は何もかも殆ど同じと言って良いくらい非常に似ていた。(以下、当ブログ筆者が語る形で書く。)
そんな経験もあり、崔教授は日本と韓半島の歴史的関係を研究してきた。そして、日本書紀や古事記を詳しく調べると、「ヤマト朝廷の時代、韓半島の三つの王国とヤマト朝廷は一つの国だった。」と言えるほど、一つの領域を形成していた。(補足1)
14世紀ころ、日本と韓半島の間には、明確な差が生じた。それが李成桂による朝鮮の建国である。李成桂は高句麗の軍人であったが、倭寇の撃退で実績を残して1392年、韓半島の王となり、その初代国王(太祖)となった。都を漢城(漢陽)に定め、国号を朝鮮とした。所謂李氏朝鮮の誕生である。
李成桂は、仏教などの古くからの慣習を排し、儒教と朱子学を取り入れて朝鮮国を明(中国)の属国(朝貢国)とした。その結果、人々は空理空論ばかり話すようになった。李朝の両班(李朝の官僚、補足2)と呼ばれる貴族階級は働かず、農民の作物を自由に搾取することができた。
同じ頃(江戸時代)の日本では、労働を重要視し、各封建領地は工業や経済の発展を競ったが、朝鮮では商人を安いものを仕入れて高く売りつける泥棒(詐欺師)、職人を奴隷と考える傾向があった。経済活動の意味を全く理解出来なかったのである。
その上、支配者の両班と農民など一般民(補足3)の差別が大きく、一般民は労働意欲を無くする程だったと崔教授は語っている。
そして、話は李氏朝鮮の政治と文化に移る。
② 第4代皇帝の世宗は、朝鮮文字ハングルを作ったが、第10代皇帝はその使用を禁止した。そして、ハングルを書いたもの、書いた本を持つものを死刑にした。事大主義の保守派は、文字としては漢字があり、独自の文字を持つのはモンゴルや日本などの夷狄のみであるとして、その普及に反対した。
ハングルで優れた小説を書く者も出たが、何人かが処刑されたのち、小説は匿名で書かれることになった。更に悲惨なのは、その頃の朝鮮には連座法があり、犯罪者の家族や親戚まで裁判なしで処刑された。
賢明な指導者も何人か現れたが、事大主義の保守層が支配的な朝鮮王朝は、彼らを処刑した。例えば、Kim Hongjip は首相を何度も努め優秀だった。古い風習、例えばチョンマゲを廃止するなど近代化に努力した。しかし、王は彼を処刑した。(補足4)
朝鮮に自力で改革を行う余地はなかった。
ここで崔教授の動画は終了する。詳細は崔教授の本を読むべきだと考えて、アマゾンに文庫本を注文した。韓国の方が主張する「日帝植民地支配の悪」は在っただろうが、「日帝植民地支配は悪」は嘘だろう。
補足:
1)古墳時代から14世紀ごろまでの時代だろう。韓半島の南端部にヤマト朝廷の飛地的な任那日本府があった。天智天皇の時代、百済とヤマトの連合軍が新羅と唐との連合軍と戦って負けている(AD663年の白村江の戦い)。歴史学者として著名な岡田英弘氏によれば、その次の天皇とされる天武天皇が壬申の乱後に日本を建国したという。その正統性を書いた本が日本書紀であり、天武天皇の命で編纂された。つまり、崔教授が云う一つの国というのは、ヤマト朝廷、加耶(加羅、任那などの小国群の地域)、百済、新羅、高句麗などの間で殆ど頻繁な交流があり、一つの同一文化圏をなしていたということだろう。
2)両班は、文班と武班の両方という意味で、李朝の官僚である。文班の方が武班よりも強い権力をもっていたことが注目される。
3)李氏朝鮮の身分制は学者により理解が異なるが、一般には両班・中人・常人・賎人の4つのカーストがあったと理解されている。商人の低い評価は、伝統的に中国は商人を差別する文化があったので、それを取り入れたのだろう。
https://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E5%95%86%E4%BA%BA
4)Wikipediaによると、Kim Hongjip(1842-1896)は1880年、日本に公的に派遣され、日本の近代化に学んだ。1895年、東学党の乱を抑える為に首相になった。チョンマゲの廃止の他にも、朝鮮のカースト制(両班と平民が大きな区分けだが、その身分制は不可触民まで多段階あった。)の廃止など、優れた政治を行ったが、事大党と開化派の対立の中で暗殺される。朝鮮政府は、遺体を8つに切って朝鮮各地に贈り、頭を光化門に掲げた。
https://en.wikipedia.org/wiki/Kim_Hong-jip
Professor Che Keiho talks about the necessity of Japanese annexation of Korea for the development of the peninsula.
Chairman: Professor Che, first of all, will you tell us what made you publish this book in Japan? (title of the book: “Japan’s annexation of Korea”, Truth of Japan’s 36 years rescue of Korea)
Prof. Che:
From the time of my childhood, since the time before the WW II, I’ve traveled back and forth between Japan and Korea, and I’ve been seeing differences between Japanese and Korean in these days. They spoke the same language and had the same folkways. They were the same in all respects. I’ve researched the historical relationship between Japan and Korea.
For instance, after the detailed research of the “Chronicles of Japan” (Nihonshoki), and “A Record of Ancient Matters” (Kojiki), I came to the conclusion that the three states of Korean peninsula and the Yamato were an identical state. Goguryeo, Baekje, Silla, Kaya. We are connected historically.
However, we began to be different from each other five or six hundred years ago.
In Korea then, Lee Seonggye (李成桂) founded the Joseon Dynasty(朝鮮王朝). He’d been a military commander before he founded Joseon. He abolished ancient traditions such as Buddhism. He introduced Confucianism and Neo-Confucianism(儒教と朱子学), then washed out Buddhism. After having gotten lost within only Confucianism and Neo-Consucianism, People began to talk about only hollow theories.
(李成桂:1392高麗の武将の李成桂は倭寇撃退で実績を上げ、朝鮮王朝を建国、その初代国王(太祖)となった。都を漢城(漢陽)に定め、国号を朝鮮とした。)
They lied from morning till night. It was an inevitable social phenomenon.In those days, difference in social standing between Yangbans (両班)and other people was serious.
(Chairman: A Yangban was an elite aristocrat, was’t it? Prof. Che: Yes it is.)
People called Yangban didn’t work at all and spent most of time for hollow theories from morning till night. Even though being just lasy, they were free to squeeze crops out of ordinary people or farmers.
The Edo era of Japan under the Tokugawa government, on the other hand, people often said, “If you won’t work, you shan’t eat”, and actually worked hard. Under the feudal domain system, the domains competed with each other for the industrial development and economic growth.
As for Joseon, they tended to live in idleness with nothing to do. Put simply, it was like, “If you’ll work, you shan’t eat.” Only who didn’t work at all got enough food and all who worked were despised.
They thought a merchant a thief, selling things at a higher price than the initial cost. They also thought that a manufacturer was a mere slave, selling a product at a high price despite its cheap material or ingredient.
However hard they worked, Yangbans took everything away from them. An economy could never have grown in that state of society.
And they broke down the bridges across Hangang, Geumgang and other rivers. They didn’t construct a road. They were afraid of a road making it easy for enemies to get to them and annihilate them.
In summary, Lee Seonggye destroyed his homeland Goguryeo that had been famous as the great democratic dynasty. Then, he changed their colonial master to Ming.
Afterwards, Jeseon turned to the totally haphazard country.
For instance, they didn’t construct any infrastructure. And most of smart people insisting on a road construction for an economy growth were executed.
Interestingly, the 4th king Sejong had developed a precious writing system called Hangeul, but later Yeonsan-gun (10’th King) banned it.
He made a law to ban the Hangeul and execute all who wrote it or had a book in it. And those who spoke for a person against this law were also punished as criminals.
Because of that, people didn’t use Hangeul and all books in it disappeared. There was a famous novelist Heo Gyun (許筠, 1569–1618), who wrote the first literature in Hangeul titled “Hong Gildong”. His novel was so famous to spread to the Ryukyu Kingdom.
His novel was so famous to spread to the Ryukyu Kingdom or Okinawa today and is still exists there. Despite his feat of Hangeul novel and the honor as the minister of high caliber, he was executed with the sword finally.
Therefore, afterwards, most of novelists wrote Hangeul novels anonymously. There were excellent Hangeul novels translated into Japanese, such as Chunhyangdyeon.
However, their authors are unknown as they sank their names. They were afraid of being executed, if their names had been identified to the public. So, smart people never appeared as such kind of people were afraid of being executed.
To make matters worse, there was an implication law. Not only a criminal was executed without any trial, but all the criminal’s relatives and family were executed by this law. After all, those facts prevented the growth of literature.
In Joseon, they weren’t able to achieve or develop anything by their own ability. They surely were the smart people such as Kim Okgyun and Kim Hongjib. Kim Hongjib became the prime minister four times, and made the topknot cutting law.
Every man at the time tied a topknot but it was unsanitary. Besides trying a topknot was hard to do and they weren’t able to do it by themselves,
So they had to ask someone for that once a week, in ten days or a month. They didn’t wash hairs during that period, did smell and were above all filthy. Prime Minister Kim tried to improve this unsanitary condition by topknot cutting. Then, the King executed him.
The Prime Minister Kim was slaughtered. There was no room for development at all in this country. (End of file)
https://www.buzzvideo.com/a/6683917111888183813?app_id=1131&c=email&gid=6683917111888183813&impr_id=6732541236111067397&language=ja®ion=jp&share_from=natant_view_button&user_id=6688590219774362625&version=8.3.2
以下に話の概略を書くが、実際には上記サイトで動画を見ていただく方が早い。また、崔教授の話を英語に翻訳した字幕を書き写したので、私が理解の為に若干変更したものを付ける。これも動画を見てもらった方が早いだろう。
司会者の本を書くことになった動機について問われ、それに答える形で崔教授は以下の内容の話を8分間に亘って話した。話は、李氏朝鮮の誕生と日本と李氏朝鮮の社会の違いから始まり、その後政治と文化の面に移る。その概略を以下に書く。
① 崔教授は、第二次世界大戦前の子供のころから韓国と日本の間を行き来して、日本と韓国の違いを見てきた。その結果を一言で言うと、両国は何もかも殆ど同じと言って良いくらい非常に似ていた。(以下、当ブログ筆者が語る形で書く。)
そんな経験もあり、崔教授は日本と韓半島の歴史的関係を研究してきた。そして、日本書紀や古事記を詳しく調べると、「ヤマト朝廷の時代、韓半島の三つの王国とヤマト朝廷は一つの国だった。」と言えるほど、一つの領域を形成していた。(補足1)
14世紀ころ、日本と韓半島の間には、明確な差が生じた。それが李成桂による朝鮮の建国である。李成桂は高句麗の軍人であったが、倭寇の撃退で実績を残して1392年、韓半島の王となり、その初代国王(太祖)となった。都を漢城(漢陽)に定め、国号を朝鮮とした。所謂李氏朝鮮の誕生である。
李成桂は、仏教などの古くからの慣習を排し、儒教と朱子学を取り入れて朝鮮国を明(中国)の属国(朝貢国)とした。その結果、人々は空理空論ばかり話すようになった。李朝の両班(李朝の官僚、補足2)と呼ばれる貴族階級は働かず、農民の作物を自由に搾取することができた。
同じ頃(江戸時代)の日本では、労働を重要視し、各封建領地は工業や経済の発展を競ったが、朝鮮では商人を安いものを仕入れて高く売りつける泥棒(詐欺師)、職人を奴隷と考える傾向があった。経済活動の意味を全く理解出来なかったのである。
その上、支配者の両班と農民など一般民(補足3)の差別が大きく、一般民は労働意欲を無くする程だったと崔教授は語っている。
そして、話は李氏朝鮮の政治と文化に移る。
② 第4代皇帝の世宗は、朝鮮文字ハングルを作ったが、第10代皇帝はその使用を禁止した。そして、ハングルを書いたもの、書いた本を持つものを死刑にした。事大主義の保守派は、文字としては漢字があり、独自の文字を持つのはモンゴルや日本などの夷狄のみであるとして、その普及に反対した。
ハングルで優れた小説を書く者も出たが、何人かが処刑されたのち、小説は匿名で書かれることになった。更に悲惨なのは、その頃の朝鮮には連座法があり、犯罪者の家族や親戚まで裁判なしで処刑された。
賢明な指導者も何人か現れたが、事大主義の保守層が支配的な朝鮮王朝は、彼らを処刑した。例えば、Kim Hongjip は首相を何度も努め優秀だった。古い風習、例えばチョンマゲを廃止するなど近代化に努力した。しかし、王は彼を処刑した。(補足4)
朝鮮に自力で改革を行う余地はなかった。
ここで崔教授の動画は終了する。詳細は崔教授の本を読むべきだと考えて、アマゾンに文庫本を注文した。韓国の方が主張する「日帝植民地支配の悪」は在っただろうが、「日帝植民地支配は悪」は嘘だろう。
補足:
1)古墳時代から14世紀ごろまでの時代だろう。韓半島の南端部にヤマト朝廷の飛地的な任那日本府があった。天智天皇の時代、百済とヤマトの連合軍が新羅と唐との連合軍と戦って負けている(AD663年の白村江の戦い)。歴史学者として著名な岡田英弘氏によれば、その次の天皇とされる天武天皇が壬申の乱後に日本を建国したという。その正統性を書いた本が日本書紀であり、天武天皇の命で編纂された。つまり、崔教授が云う一つの国というのは、ヤマト朝廷、加耶(加羅、任那などの小国群の地域)、百済、新羅、高句麗などの間で殆ど頻繁な交流があり、一つの同一文化圏をなしていたということだろう。
2)両班は、文班と武班の両方という意味で、李朝の官僚である。文班の方が武班よりも強い権力をもっていたことが注目される。
3)李氏朝鮮の身分制は学者により理解が異なるが、一般には両班・中人・常人・賎人の4つのカーストがあったと理解されている。商人の低い評価は、伝統的に中国は商人を差別する文化があったので、それを取り入れたのだろう。
https://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E5%95%86%E4%BA%BA
4)Wikipediaによると、Kim Hongjip(1842-1896)は1880年、日本に公的に派遣され、日本の近代化に学んだ。1895年、東学党の乱を抑える為に首相になった。チョンマゲの廃止の他にも、朝鮮のカースト制(両班と平民が大きな区分けだが、その身分制は不可触民まで多段階あった。)の廃止など、優れた政治を行ったが、事大党と開化派の対立の中で暗殺される。朝鮮政府は、遺体を8つに切って朝鮮各地に贈り、頭を光化門に掲げた。
https://en.wikipedia.org/wiki/Kim_Hong-jip
Professor Che Keiho talks about the necessity of Japanese annexation of Korea for the development of the peninsula.
Chairman: Professor Che, first of all, will you tell us what made you publish this book in Japan? (title of the book: “Japan’s annexation of Korea”, Truth of Japan’s 36 years rescue of Korea)
Prof. Che:
From the time of my childhood, since the time before the WW II, I’ve traveled back and forth between Japan and Korea, and I’ve been seeing differences between Japanese and Korean in these days. They spoke the same language and had the same folkways. They were the same in all respects. I’ve researched the historical relationship between Japan and Korea.
For instance, after the detailed research of the “Chronicles of Japan” (Nihonshoki), and “A Record of Ancient Matters” (Kojiki), I came to the conclusion that the three states of Korean peninsula and the Yamato were an identical state. Goguryeo, Baekje, Silla, Kaya. We are connected historically.
However, we began to be different from each other five or six hundred years ago.
In Korea then, Lee Seonggye (李成桂) founded the Joseon Dynasty(朝鮮王朝). He’d been a military commander before he founded Joseon. He abolished ancient traditions such as Buddhism. He introduced Confucianism and Neo-Confucianism(儒教と朱子学), then washed out Buddhism. After having gotten lost within only Confucianism and Neo-Consucianism, People began to talk about only hollow theories.
(李成桂:1392高麗の武将の李成桂は倭寇撃退で実績を上げ、朝鮮王朝を建国、その初代国王(太祖)となった。都を漢城(漢陽)に定め、国号を朝鮮とした。)
They lied from morning till night. It was an inevitable social phenomenon.In those days, difference in social standing between Yangbans (両班)and other people was serious.
(Chairman: A Yangban was an elite aristocrat, was’t it? Prof. Che: Yes it is.)
People called Yangban didn’t work at all and spent most of time for hollow theories from morning till night. Even though being just lasy, they were free to squeeze crops out of ordinary people or farmers.
The Edo era of Japan under the Tokugawa government, on the other hand, people often said, “If you won’t work, you shan’t eat”, and actually worked hard. Under the feudal domain system, the domains competed with each other for the industrial development and economic growth.
As for Joseon, they tended to live in idleness with nothing to do. Put simply, it was like, “If you’ll work, you shan’t eat.” Only who didn’t work at all got enough food and all who worked were despised.
They thought a merchant a thief, selling things at a higher price than the initial cost. They also thought that a manufacturer was a mere slave, selling a product at a high price despite its cheap material or ingredient.
However hard they worked, Yangbans took everything away from them. An economy could never have grown in that state of society.
And they broke down the bridges across Hangang, Geumgang and other rivers. They didn’t construct a road. They were afraid of a road making it easy for enemies to get to them and annihilate them.
In summary, Lee Seonggye destroyed his homeland Goguryeo that had been famous as the great democratic dynasty. Then, he changed their colonial master to Ming.
Afterwards, Jeseon turned to the totally haphazard country.
For instance, they didn’t construct any infrastructure. And most of smart people insisting on a road construction for an economy growth were executed.
Interestingly, the 4th king Sejong had developed a precious writing system called Hangeul, but later Yeonsan-gun (10’th King) banned it.
He made a law to ban the Hangeul and execute all who wrote it or had a book in it. And those who spoke for a person against this law were also punished as criminals.
Because of that, people didn’t use Hangeul and all books in it disappeared. There was a famous novelist Heo Gyun (許筠, 1569–1618), who wrote the first literature in Hangeul titled “Hong Gildong”. His novel was so famous to spread to the Ryukyu Kingdom.
His novel was so famous to spread to the Ryukyu Kingdom or Okinawa today and is still exists there. Despite his feat of Hangeul novel and the honor as the minister of high caliber, he was executed with the sword finally.
Therefore, afterwards, most of novelists wrote Hangeul novels anonymously. There were excellent Hangeul novels translated into Japanese, such as Chunhyangdyeon.
However, their authors are unknown as they sank their names. They were afraid of being executed, if their names had been identified to the public. So, smart people never appeared as such kind of people were afraid of being executed.
To make matters worse, there was an implication law. Not only a criminal was executed without any trial, but all the criminal’s relatives and family were executed by this law. After all, those facts prevented the growth of literature.
In Joseon, they weren’t able to achieve or develop anything by their own ability. They surely were the smart people such as Kim Okgyun and Kim Hongjib. Kim Hongjib became the prime minister four times, and made the topknot cutting law.
Every man at the time tied a topknot but it was unsanitary. Besides trying a topknot was hard to do and they weren’t able to do it by themselves,
So they had to ask someone for that once a week, in ten days or a month. They didn’t wash hairs during that period, did smell and were above all filthy. Prime Minister Kim tried to improve this unsanitary condition by topknot cutting. Then, the King executed him.
The Prime Minister Kim was slaughtered. There was no room for development at all in this country. (End of file)
2019年9月3日火曜日
グローバル政治経済雑感
1)意思ある資本
資本家は、投資先の会社が儲けを出して、資金の実質的増加を目指す。将来性の無い会社の株は売却し、そこから去る。それは、投資家個人の性格とは無関係に、資本が増殖の意思を持って移動すると考えても良い。
国境を跨いだ資本の移動の自由化、世界各国の経済活動に於けるルールの共通化などの環境が揃うと、国際的な資本家や機関投資家(補足1)の資本は、自己増殖のために先進国から途上国を目指し移動する。経済のグローバル化である。その結果、先進国からの資本逃避と同期して、先進国の貧困化と途上国の発展がセットで起こる。
途上国への資本の逃避が進むと、既存の製造設備(工場や企業)は、そこで生産しても途上国産との競争に勝てないので閉鎖される。そして、それに代わる新規産業が育たなければ、その国の実質的な経済規模が小さくなり、デフレ不況となる。資産価値の減少から、信用収縮(補足2)が起こるだろう。
つまり“意思ある資本”は、安い労働力の途上国に流れ、そこで作った製品を先進国に輸出するパターンを創り出す。それにより、途上国で製造業の創業と経済規模の増大が起こる。先進国が不況(労働者の貧困化防止)にならない為には、先進国での新規産業創出や、先進国に残った既存産業の規模増大が必要である。
このモデルでの世界経済拡大は、先進国での新規産業の創出が可能な間はスムースに進むが、新規産業も一定時間後は既存産業となるので、いずれ途絶える。その時、デフレ圧力は世界的な信用収縮(クレジット・クランチ)となり、世界同時不況になる可能性がたかい。それが現在の世界の経済情況だと筆者は理解している。
新規産業の創出力に欠ける国、例えば日本では、実質労働賃金の減少や円安でもって対応するしかない。(日銀の物価目標を設定して、そこまで通貨発行量を増やす政策は、購買力平価の点から過大評価された円を適正方向に導くレベルである。補足3)忍耐強い国民の性格と、技能実習生受け入れなどのインチキ技でしのいでいる。それが日本の現状だろう。
https://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken
https://foomii.com/00018/2019082007000057596
2)貧富の差の拡大
資本が自己増殖の意思の下にグローバル展開を進めた結果、少数の資本家は益々巨大な富を手にし、超富裕層となる。その一方で、外国に移動した業種(既存産業)とその関連で経済基盤を維持してきた人たちは貧困層に脱落する。その中間に、グローバル展開する資本(企業)の管理等業務に関係する人たち、その宣伝部門と関連するマスコミや芸能関係者、スポーツ関係者などは(その国の経済成長が続く限り)、新貴族として富裕層を成すようになる。
社会での富の分配の公平性を示す指数としてジニ係数がある。その定義を示した図が下の図である。つまり、貧しい順に個人の所得を横に並べ(X軸)、縦軸(Y軸)に原点からその横軸の位置まで並んだ人の合計所得を取ったとき、一つの下に凸の曲線ができる。下図で、Bの面積をAとBの部分の面積で割り算したのが、ジニ係数である。この曲線の原点付近(左下)の傾きが、貧困層の一人あたりの所得、X軸の右端の傾きが超富裕層の一人あたりの所得を表す。
ジニ係数には、年間所得で計算した値と、全資産で計算した値がある。一般に前者よりも後者の方のジニ係数が大きい。多少変な表現だが、資産での貧富の差の方が所得での貧富の差よりも、普通かなり大きな値となる。
兎に角、グローバル経済化により、欧米の先進国の国内総生産(経済規模)は大きくなると同時に、貧富の差が拡大してきた。新規産業創出がかなり順調にあり、GDPも数倍になったとしても、それは富裕層の富の拡大になるだけで、最下層の生活基盤を維持することは大変である。典型例はアメリカである。(補足4)
中間的な技術を要する仕事は、ほとんど途上国に移転した方が、企業としては利益が上がる。従って、それらの仕事は本国でなくなり、最下層である単純労働の市場に人が増加することになる。最低賃金が法で決まっていれば、その仕事量は普通増加しないので、失業者が増加することになる。
つまり、グローバル化は、誰でもできるサービス業などでも、途上国の労働者も先進国の労働者も平等に扱う。その部分に途上国からの移住者や技術実習生という形の低賃金労働者を入れるのは、大変な過ちである。それは、本来定年延長や無駄な大学教育の廃止などで対応すべきなのだ。
その一方で、以下の人たちに蓄積される富は拡大し続ける。世界を股にかけて移動し本当は何処に居るか分からない超富裕層と、世界的企業の広告業の端に位置する(巨大クジラのコバンザメのような)マスコミ関係者や芸能人、それにスポーツ選手たち新貴族である。公務員や、世界的企業の管理運営に携わる人などの中間層は減少する。日本でも、一億総中流と言われた時代は短かった。
日本ではこの30年ほとんどGDPは増加していない。それでありながら、ジニ係数は増加し続けている。日本国のこの困難の原因は、政治家の知能不足、労働流動性の低さなど閉鎖的文化、官僚という下で働いて高給を欲するという特殊な学歴秀才などの「複合汚染」にある。
上の図は主要国のジニ係数の経年変化を表したグラフである。日本の場合、社会不安が起こると言われている0.4には未だ及ばないが、特殊性を考えればおそらくそれより低い値が危険レベルだろう。
社会主義的政策で富の偏在が少ないと思われてきた北欧の国スウェーデンでも、ジニ係数の急激な増加が見られる。世界は混乱直前にあることが、このジニ係数の急激な増加からもわかる。
3)軍需産業の問題:
この貧困層の拡大の問題を部分的に解決しようと米国の支配層が魔の手を伸ばしたのが、軍需産業である。軍需産業は既存産業の部分が大きい。兵士などは、有史以来の単純労働でもある。この類の話の中では非常に古い例だが、1929年の世界恐慌からの脱却は、米国の財政拡大策(ニューディール政策)でも困難であり、結局は第二次大戦に頼ることで可能になったというのが通説である。
今日では、戦争はハイテクを駆使したものが主であり、兵士もそれほど単純な仕事ではないと言われる。しかし、あの時代の兵士は、そして、途上国での陸戦に限れば今でも、有史以来の単純労働である。その部分の労働力吸収が、そして、軍需産業全体の膨張が、米国経済を立て直したという。F・ルーズベルトは正にそれを狙って、日本をターゲットにしたのである。
現在でも、異常な富の偏在とデフレ不況は、食料やエネルギーなど最低限のものを自家調達出来る国家なら、高いインフレ率と新札発行(現代の徳政令)などで、不況脱出は可能かもしれない。或いは、世界に一つの国しかないのなら、MMT(modern monetary theory;https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2019/08/mmt.html)の採用も可能だろう。
しかし、米国がそれを採用できないのは、基軸通貨を守るという至上命題があったからだと思う。そして、20世紀末の世界戦争の多くは、自国経済成長路線維持と世界経済の牽引者としての地位確保のために、彼らによりプログラムされたものだといわれている。9.11やイラク戦争の時に起こった色々な不思議な出来事を、そのモデルで解釈しているのが馬渕睦夫元駐ウクライナ大使であり、その同じ国際政治のメカニズムを現象論的に独自に出しているのが、国際政治評論家の田中宇氏である。
その異常な世界政治経済のメカニズムを、意識してか無意識かは分からないが、破壊しようと立ち上がったのが米国のトランプ大統領だと思う。明確に意識しているとするのが、馬渕元大使である。その点を十分信用できないと感じている私は、素人の勉強不足の所為なのかもしれない。
終わりに: 日本国民の私としては、日本の政治改革に期待するしかない。日本の政治改革に前回のブログ記事でボロクソに批判した自民党政権だが、クーデターを望むわけではない。比較的能力の高い安倍総理の下で、選挙区改革をやってもらいたい。そのために、正しい知恵袋を持って欲しい。道州制や地方分権の必要性は、元大阪維新の会の橋本徹氏や、経済評論家の大前研一氏らが主張していたことである。国際的視野を持った人を参与ではなく、議員として育てて欲しい。
補足:
1)法人格をもつ団体や会社が、投資を業とする場合、それらを機関投資家という。日本では、都市銀行や日本生命などの法人が著名。
2)多くの経済主体の貸借対照表(B/Sと略記)において、資産価値は金融機関からの貸し出し可能額に繁栄する。そして、金融末端での資産価格の減少が起これば、金融機関の貸し剥がしが起こる。それが金融機関から中央銀行に波及し、通貨発行量の減少となる。中央銀行や一般銀行のB/Sの貸方をCredit(或いはLiablity)と呼び、その額の急激な縮小をクレジット・クランチと呼ぶ。それは同時に末端での貸し剥がしを意味する。国際資本が国外に逃避する場合、株価の下落はB/Sの縮小を招くとともに、その国の通貨安に繋がるだろう。日本のように通貨高に悩む国ではわかりにくいかもしれないが、普通通貨安は国家経済の危機におこる。(専門家の方のコメントがあれば、歓迎します。)
3)日本は世界1の経常黒字国である。企業はその黒字分を有効に海外投資できないので、円に交換して利益に計上する。それでは円高になってしまうので、多少の円安政策が必要である。それでも尚、ビッグマック価格という指標では日本は未だG7では最低である。https://ecodb.net/ranking/bigmac_index.html
資本家は、投資先の会社が儲けを出して、資金の実質的増加を目指す。将来性の無い会社の株は売却し、そこから去る。それは、投資家個人の性格とは無関係に、資本が増殖の意思を持って移動すると考えても良い。
国境を跨いだ資本の移動の自由化、世界各国の経済活動に於けるルールの共通化などの環境が揃うと、国際的な資本家や機関投資家(補足1)の資本は、自己増殖のために先進国から途上国を目指し移動する。経済のグローバル化である。その結果、先進国からの資本逃避と同期して、先進国の貧困化と途上国の発展がセットで起こる。
途上国への資本の逃避が進むと、既存の製造設備(工場や企業)は、そこで生産しても途上国産との競争に勝てないので閉鎖される。そして、それに代わる新規産業が育たなければ、その国の実質的な経済規模が小さくなり、デフレ不況となる。資産価値の減少から、信用収縮(補足2)が起こるだろう。
つまり“意思ある資本”は、安い労働力の途上国に流れ、そこで作った製品を先進国に輸出するパターンを創り出す。それにより、途上国で製造業の創業と経済規模の増大が起こる。先進国が不況(労働者の貧困化防止)にならない為には、先進国での新規産業創出や、先進国に残った既存産業の規模増大が必要である。
このモデルでの世界経済拡大は、先進国での新規産業の創出が可能な間はスムースに進むが、新規産業も一定時間後は既存産業となるので、いずれ途絶える。その時、デフレ圧力は世界的な信用収縮(クレジット・クランチ)となり、世界同時不況になる可能性がたかい。それが現在の世界の経済情況だと筆者は理解している。
新規産業の創出力に欠ける国、例えば日本では、実質労働賃金の減少や円安でもって対応するしかない。(日銀の物価目標を設定して、そこまで通貨発行量を増やす政策は、購買力平価の点から過大評価された円を適正方向に導くレベルである。補足3)忍耐強い国民の性格と、技能実習生受け入れなどのインチキ技でしのいでいる。それが日本の現状だろう。
https://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken
https://foomii.com/00018/2019082007000057596
2)貧富の差の拡大
資本が自己増殖の意思の下にグローバル展開を進めた結果、少数の資本家は益々巨大な富を手にし、超富裕層となる。その一方で、外国に移動した業種(既存産業)とその関連で経済基盤を維持してきた人たちは貧困層に脱落する。その中間に、グローバル展開する資本(企業)の管理等業務に関係する人たち、その宣伝部門と関連するマスコミや芸能関係者、スポーツ関係者などは(その国の経済成長が続く限り)、新貴族として富裕層を成すようになる。
社会での富の分配の公平性を示す指数としてジニ係数がある。その定義を示した図が下の図である。つまり、貧しい順に個人の所得を横に並べ(X軸)、縦軸(Y軸)に原点からその横軸の位置まで並んだ人の合計所得を取ったとき、一つの下に凸の曲線ができる。下図で、Bの面積をAとBの部分の面積で割り算したのが、ジニ係数である。この曲線の原点付近(左下)の傾きが、貧困層の一人あたりの所得、X軸の右端の傾きが超富裕層の一人あたりの所得を表す。
ジニ係数には、年間所得で計算した値と、全資産で計算した値がある。一般に前者よりも後者の方のジニ係数が大きい。多少変な表現だが、資産での貧富の差の方が所得での貧富の差よりも、普通かなり大きな値となる。
兎に角、グローバル経済化により、欧米の先進国の国内総生産(経済規模)は大きくなると同時に、貧富の差が拡大してきた。新規産業創出がかなり順調にあり、GDPも数倍になったとしても、それは富裕層の富の拡大になるだけで、最下層の生活基盤を維持することは大変である。典型例はアメリカである。(補足4)
中間的な技術を要する仕事は、ほとんど途上国に移転した方が、企業としては利益が上がる。従って、それらの仕事は本国でなくなり、最下層である単純労働の市場に人が増加することになる。最低賃金が法で決まっていれば、その仕事量は普通増加しないので、失業者が増加することになる。
つまり、グローバル化は、誰でもできるサービス業などでも、途上国の労働者も先進国の労働者も平等に扱う。その部分に途上国からの移住者や技術実習生という形の低賃金労働者を入れるのは、大変な過ちである。それは、本来定年延長や無駄な大学教育の廃止などで対応すべきなのだ。
その一方で、以下の人たちに蓄積される富は拡大し続ける。世界を股にかけて移動し本当は何処に居るか分からない超富裕層と、世界的企業の広告業の端に位置する(巨大クジラのコバンザメのような)マスコミ関係者や芸能人、それにスポーツ選手たち新貴族である。公務員や、世界的企業の管理運営に携わる人などの中間層は減少する。日本でも、一億総中流と言われた時代は短かった。
日本ではこの30年ほとんどGDPは増加していない。それでありながら、ジニ係数は増加し続けている。日本国のこの困難の原因は、政治家の知能不足、労働流動性の低さなど閉鎖的文化、官僚という下で働いて高給を欲するという特殊な学歴秀才などの「複合汚染」にある。
上の図は主要国のジニ係数の経年変化を表したグラフである。日本の場合、社会不安が起こると言われている0.4には未だ及ばないが、特殊性を考えればおそらくそれより低い値が危険レベルだろう。
社会主義的政策で富の偏在が少ないと思われてきた北欧の国スウェーデンでも、ジニ係数の急激な増加が見られる。世界は混乱直前にあることが、このジニ係数の急激な増加からもわかる。
3)軍需産業の問題:
この貧困層の拡大の問題を部分的に解決しようと米国の支配層が魔の手を伸ばしたのが、軍需産業である。軍需産業は既存産業の部分が大きい。兵士などは、有史以来の単純労働でもある。この類の話の中では非常に古い例だが、1929年の世界恐慌からの脱却は、米国の財政拡大策(ニューディール政策)でも困難であり、結局は第二次大戦に頼ることで可能になったというのが通説である。
今日では、戦争はハイテクを駆使したものが主であり、兵士もそれほど単純な仕事ではないと言われる。しかし、あの時代の兵士は、そして、途上国での陸戦に限れば今でも、有史以来の単純労働である。その部分の労働力吸収が、そして、軍需産業全体の膨張が、米国経済を立て直したという。F・ルーズベルトは正にそれを狙って、日本をターゲットにしたのである。
現在でも、異常な富の偏在とデフレ不況は、食料やエネルギーなど最低限のものを自家調達出来る国家なら、高いインフレ率と新札発行(現代の徳政令)などで、不況脱出は可能かもしれない。或いは、世界に一つの国しかないのなら、MMT(modern monetary theory;https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2019/08/mmt.html)の採用も可能だろう。
しかし、米国がそれを採用できないのは、基軸通貨を守るという至上命題があったからだと思う。そして、20世紀末の世界戦争の多くは、自国経済成長路線維持と世界経済の牽引者としての地位確保のために、彼らによりプログラムされたものだといわれている。9.11やイラク戦争の時に起こった色々な不思議な出来事を、そのモデルで解釈しているのが馬渕睦夫元駐ウクライナ大使であり、その同じ国際政治のメカニズムを現象論的に独自に出しているのが、国際政治評論家の田中宇氏である。
その異常な世界政治経済のメカニズムを、意識してか無意識かは分からないが、破壊しようと立ち上がったのが米国のトランプ大統領だと思う。明確に意識しているとするのが、馬渕元大使である。その点を十分信用できないと感じている私は、素人の勉強不足の所為なのかもしれない。
終わりに: 日本国民の私としては、日本の政治改革に期待するしかない。日本の政治改革に前回のブログ記事でボロクソに批判した自民党政権だが、クーデターを望むわけではない。比較的能力の高い安倍総理の下で、選挙区改革をやってもらいたい。そのために、正しい知恵袋を持って欲しい。道州制や地方分権の必要性は、元大阪維新の会の橋本徹氏や、経済評論家の大前研一氏らが主張していたことである。国際的視野を持った人を参与ではなく、議員として育てて欲しい。
補足:
1)法人格をもつ団体や会社が、投資を業とする場合、それらを機関投資家という。日本では、都市銀行や日本生命などの法人が著名。
2)多くの経済主体の貸借対照表(B/Sと略記)において、資産価値は金融機関からの貸し出し可能額に繁栄する。そして、金融末端での資産価格の減少が起これば、金融機関の貸し剥がしが起こる。それが金融機関から中央銀行に波及し、通貨発行量の減少となる。中央銀行や一般銀行のB/Sの貸方をCredit(或いはLiablity)と呼び、その額の急激な縮小をクレジット・クランチと呼ぶ。それは同時に末端での貸し剥がしを意味する。国際資本が国外に逃避する場合、株価の下落はB/Sの縮小を招くとともに、その国の通貨安に繋がるだろう。日本のように通貨高に悩む国ではわかりにくいかもしれないが、普通通貨安は国家経済の危機におこる。(専門家の方のコメントがあれば、歓迎します。)
3)日本は世界1の経常黒字国である。企業はその黒字分を有効に海外投資できないので、円に交換して利益に計上する。それでは円高になってしまうので、多少の円安政策が必要である。それでも尚、ビッグマック価格という指標では日本は未だG7では最低である。https://ecodb.net/ranking/bigmac_index.html
2019年9月2日月曜日
竹島は韓国領有、歯舞色丹はロシア領有である: 日本領有の主張は政府がその素性を隠すため?
1)韓国による竹島占領は、李承晩ラインの設定により始まる。しかし、それは2本の連合国最高司令官司令(SCAPIN)の延長でしかない。一つは、「若干の外かく地域を政治上行政上及び行政上日本から分離することに関する覚書」として1946年1月の連合国最高司令官司令677号(SCAPIN-677)である。その第3項には以下のようである。
3 この指令の目的から日本と言ふ場合は次の定義による。
日本の範囲に含まれる地域として:
日本の四主要島嶼(北海道、本州、四国、九州)と、対馬諸島、北緯30度以北の琉球(南西)諸島(口之島を除く)を含む約1千の隣接小島嶼; 日本の範囲から除かれる地域として: (a)欝陵島、竹島、済州島。(b)北緯30度以南の琉球(南西)列島(口之島を含む)、伊豆、南方、小笠原、硫黄群島、及び大東群島、沖ノ鳥島、南鳥島、中ノ鳥島を含むその他の外廓太平洋全諸島。(c)千島列島、歯舞群島(水晶、勇留、秋勇留、志発、多楽島を含む)、色丹島。
つまり、このSCAPIN-677により、日本の行政範囲から竹島、歯舞群島、色丹島などが除外されたのである。また、「日本の漁業及び捕鯨業に認可された区域に関する覚書」として、SCAPIN-1033が出され、所謂マッカーサーラインが引かれた。その第3項にリアンクル岩礁(竹島)の12海里内に立ち入っては行けないと書かれているという。
そのマッカーサーラインがサンフランシスコ講和条約(1952/4/28)で消されることを考えて、李承晩がそのまま独自に宣言したのが、李承晩ラインである。日韓基本条約締結により李承晩ラインは廃止され、それに代わって日韓漁業協定が締結された。李承晩ラインの廃止までの13年間に、韓国による日本人抑留者は3,929人、拿捕された船舶数は328隻、死傷者は44人を数えた。
拓殖大学客員教授の濱口和久氏のニュース記事「韓国の仮想敵国は日本?」(2014年11月28日)によると日本政府は、李承晩ラインの問題を解決するにあたり、日本人抑留者の返還と引き換えに、韓国政府の要求に応じて、常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として収監されていた在日韓国・朝鮮人472人を放免し、日本国内に自由に解放し在留特別許可を与えた。 https://web.archive.org/web/20141214163339/http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/11/24120/1128_hmg_1/
2)自民党政府の日本国民に対する二枚舌
先ず、以上を整理する。
竹島はGHQの指令(SCAPIN-677)により日本行政区域から除外された。そして、日本漁船の操業出来る区域の境界線として、マッカーサーラインを示した。(SCAPIN-1033) それらが、サンフランシスコ講和条約で廃止され、竹島が日本領土となることを恐れた李承晩は、マッカーサーラインをそのまま韓国の主権が及ぶ範囲として決定した。それが李承晩ラインである。
講和条約後も、日本は口先で竹島の領有権を主張したが、それにも関わらず、韓国に拿捕された漁民の日本側への引き渡しと引き換えに、日本の刑務所に服役中の重大犯や常習犯472人を釈放して、日本国内に住まわせた。
従って、以下のように筆者は結論する。
①日韓での拿捕された日本漁民と日本国内刑務所で服役中の朝鮮・韓国人犯罪者との引き渡し交渉での合意、②竹島区域に関して、SCAPIN-677の指令と異なった合意がサンフランシスコ講和条約でなされなかったこと、及び、③日韓基本条約において竹島が日本領であるとの合意がなされなかったこと、以上①—③により、実質的に日本政府は竹島を韓国領土として認めたことになる。
韓国の竹島領有権主張を認めた上で竹島領有権を主張することは、相手国の悪行を日本国民に喧伝することで、日本に外交権がなかったことを隠すためである。サンフランシスコ講和条約後も、日本が憲法を改正して独立国にならなかったのは、米国と日本を統治している大日本帝国の生き残りのために結託したからである。
同様のことが歯舞群島や色丹島の領有権の主張にも言える。SCAP-677でそれらの島々は、日本領から外された。それらの日本返還を明確に述べた日ソ共同宣言(1956/12/12)に署名し、批准しながら、平和条約締結を諦めたのは米国の外務省(米国ではどういう訳か国務省と呼ぶ)のトップであったダレスの恫喝による。
吉田茂はサンフランシスコ講和条約締結(1952/4/28)直後に、憲法改正すべきだった。それをしなかったのは、私の想像では、明治維新の際の薩長土肥政府の中で出世した自分たちとその一族、仲間たちの名誉を守るためだったのだろう。敗戦の総括がなされれば、彼らは国賊として裁かれることになるからである。(補足1)
政府の鳩山一郎は、1954年に総理大臣に就任している。憲法改正には、吉田茂の自由党や日本社会党の支持がなければ不可能である。日ソ共同宣言とその後の平和条約への道を創ったのは功績だったが、ダレスの恫喝を受けて、その後12月23日総理大臣を辞任している。米国国務省による妨害が、日本とソ連(ロシア)との平和条約締結を妨げたとして、プーチンロシア大統領も明言している。つまり、日本は独立国としてのソ連外交が出来なかったのである。 https://www.huffingtonpost.jp/2016/12/18/putin-dulles_n_13703530.html
それにも関わらず、自民党日本政府が北方4島や竹島を日本領土として主張するのは、米国の属国としての日本の地位、それを選択した自分たちの売国的政策を隠すためである。そのために、悪役となったのが韓国でありロシアである。その姿勢が、世界各国から日本は過去の戦争の結果を認めていないと攻撃される理由の一つである。
3)結論:
以上、多少理系人間の皮肉な見方なのかもしれないが、日本国民は未だ自分達の国家をもっていないということになる。そして、米国政府の下で占領政治を続けているのは、薩長土肥の日本帝国の生き残りである。
その体制維持の為に、中央集権体制を維持している。国会議員は、実質的に中央政府からの御用聞き、或いは、地方からの陳情屋に過ぎない。その国会議員という職業を維持するために、一票の格差が2倍以上の小選挙区制という選挙制度を堅持している。
つまり、150年前に決定した小さな区割り(県という)から、その地方に国家から与えられる利益と直結した形で国会議員を置くのである。国家から与えられる利益が、自民党以外の人物が国会議員になれば無くなってしまう場合、その県から選ばれる議員は必然的に自民党所属議員となる。単なる御用聞きなので、知識も知性も不要であり、世襲制の方が中央政府支配層には有利である。
この所謂55年体制は、官僚が政治を立案し主に行うことで、一応体裁を整えてきた。従って、外務大臣は外務省の意見で動くのだが、外務省は米国の指示を第一に優先する。そのために、外務次官経験者が駐米大使に就くことが慣例となっていた。
いろいろ、補足すべきことはあるが、今日はこの当たりで話を終わる。
補足:
1)吉田茂は、1878年高知県出身の竹内綱の5男として生まれ、1881年(明治14年)8月に、旧福井藩士で横浜の貿易商(元ジャーディン・マセソン商会・横浜支店長)・吉田健三の養子となる。養父・健三が40歳の若さで死去し、11歳の茂は莫大な遺産を相続した。(以上ウイキペディアより抜粋)
3 この指令の目的から日本と言ふ場合は次の定義による。
日本の範囲に含まれる地域として:
日本の四主要島嶼(北海道、本州、四国、九州)と、対馬諸島、北緯30度以北の琉球(南西)諸島(口之島を除く)を含む約1千の隣接小島嶼; 日本の範囲から除かれる地域として: (a)欝陵島、竹島、済州島。(b)北緯30度以南の琉球(南西)列島(口之島を含む)、伊豆、南方、小笠原、硫黄群島、及び大東群島、沖ノ鳥島、南鳥島、中ノ鳥島を含むその他の外廓太平洋全諸島。(c)千島列島、歯舞群島(水晶、勇留、秋勇留、志発、多楽島を含む)、色丹島。
つまり、このSCAPIN-677により、日本の行政範囲から竹島、歯舞群島、色丹島などが除外されたのである。また、「日本の漁業及び捕鯨業に認可された区域に関する覚書」として、SCAPIN-1033が出され、所謂マッカーサーラインが引かれた。その第3項にリアンクル岩礁(竹島)の12海里内に立ち入っては行けないと書かれているという。
そのマッカーサーラインがサンフランシスコ講和条約(1952/4/28)で消されることを考えて、李承晩がそのまま独自に宣言したのが、李承晩ラインである。日韓基本条約締結により李承晩ラインは廃止され、それに代わって日韓漁業協定が締結された。李承晩ラインの廃止までの13年間に、韓国による日本人抑留者は3,929人、拿捕された船舶数は328隻、死傷者は44人を数えた。
拓殖大学客員教授の濱口和久氏のニュース記事「韓国の仮想敵国は日本?」(2014年11月28日)によると日本政府は、李承晩ラインの問題を解決するにあたり、日本人抑留者の返還と引き換えに、韓国政府の要求に応じて、常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として収監されていた在日韓国・朝鮮人472人を放免し、日本国内に自由に解放し在留特別許可を与えた。 https://web.archive.org/web/20141214163339/http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/11/24120/1128_hmg_1/
2)自民党政府の日本国民に対する二枚舌
先ず、以上を整理する。
竹島はGHQの指令(SCAPIN-677)により日本行政区域から除外された。そして、日本漁船の操業出来る区域の境界線として、マッカーサーラインを示した。(SCAPIN-1033) それらが、サンフランシスコ講和条約で廃止され、竹島が日本領土となることを恐れた李承晩は、マッカーサーラインをそのまま韓国の主権が及ぶ範囲として決定した。それが李承晩ラインである。
講和条約後も、日本は口先で竹島の領有権を主張したが、それにも関わらず、韓国に拿捕された漁民の日本側への引き渡しと引き換えに、日本の刑務所に服役中の重大犯や常習犯472人を釈放して、日本国内に住まわせた。
従って、以下のように筆者は結論する。
①日韓での拿捕された日本漁民と日本国内刑務所で服役中の朝鮮・韓国人犯罪者との引き渡し交渉での合意、②竹島区域に関して、SCAPIN-677の指令と異なった合意がサンフランシスコ講和条約でなされなかったこと、及び、③日韓基本条約において竹島が日本領であるとの合意がなされなかったこと、以上①—③により、実質的に日本政府は竹島を韓国領土として認めたことになる。
韓国の竹島領有権主張を認めた上で竹島領有権を主張することは、相手国の悪行を日本国民に喧伝することで、日本に外交権がなかったことを隠すためである。サンフランシスコ講和条約後も、日本が憲法を改正して独立国にならなかったのは、米国と日本を統治している大日本帝国の生き残りのために結託したからである。
同様のことが歯舞群島や色丹島の領有権の主張にも言える。SCAP-677でそれらの島々は、日本領から外された。それらの日本返還を明確に述べた日ソ共同宣言(1956/12/12)に署名し、批准しながら、平和条約締結を諦めたのは米国の外務省(米国ではどういう訳か国務省と呼ぶ)のトップであったダレスの恫喝による。
吉田茂はサンフランシスコ講和条約締結(1952/4/28)直後に、憲法改正すべきだった。それをしなかったのは、私の想像では、明治維新の際の薩長土肥政府の中で出世した自分たちとその一族、仲間たちの名誉を守るためだったのだろう。敗戦の総括がなされれば、彼らは国賊として裁かれることになるからである。(補足1)
政府の鳩山一郎は、1954年に総理大臣に就任している。憲法改正には、吉田茂の自由党や日本社会党の支持がなければ不可能である。日ソ共同宣言とその後の平和条約への道を創ったのは功績だったが、ダレスの恫喝を受けて、その後12月23日総理大臣を辞任している。米国国務省による妨害が、日本とソ連(ロシア)との平和条約締結を妨げたとして、プーチンロシア大統領も明言している。つまり、日本は独立国としてのソ連外交が出来なかったのである。 https://www.huffingtonpost.jp/2016/12/18/putin-dulles_n_13703530.html
それにも関わらず、自民党日本政府が北方4島や竹島を日本領土として主張するのは、米国の属国としての日本の地位、それを選択した自分たちの売国的政策を隠すためである。そのために、悪役となったのが韓国でありロシアである。その姿勢が、世界各国から日本は過去の戦争の結果を認めていないと攻撃される理由の一つである。
3)結論:
以上、多少理系人間の皮肉な見方なのかもしれないが、日本国民は未だ自分達の国家をもっていないということになる。そして、米国政府の下で占領政治を続けているのは、薩長土肥の日本帝国の生き残りである。
その体制維持の為に、中央集権体制を維持している。国会議員は、実質的に中央政府からの御用聞き、或いは、地方からの陳情屋に過ぎない。その国会議員という職業を維持するために、一票の格差が2倍以上の小選挙区制という選挙制度を堅持している。
つまり、150年前に決定した小さな区割り(県という)から、その地方に国家から与えられる利益と直結した形で国会議員を置くのである。国家から与えられる利益が、自民党以外の人物が国会議員になれば無くなってしまう場合、その県から選ばれる議員は必然的に自民党所属議員となる。単なる御用聞きなので、知識も知性も不要であり、世襲制の方が中央政府支配層には有利である。
この所謂55年体制は、官僚が政治を立案し主に行うことで、一応体裁を整えてきた。従って、外務大臣は外務省の意見で動くのだが、外務省は米国の指示を第一に優先する。そのために、外務次官経験者が駐米大使に就くことが慣例となっていた。
いろいろ、補足すべきことはあるが、今日はこの当たりで話を終わる。
補足:
1)吉田茂は、1878年高知県出身の竹内綱の5男として生まれ、1881年(明治14年)8月に、旧福井藩士で横浜の貿易商(元ジャーディン・マセソン商会・横浜支店長)・吉田健三の養子となる。養父・健三が40歳の若さで死去し、11歳の茂は莫大な遺産を相続した。(以上ウイキペディアより抜粋)