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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2021年9月30日木曜日

明治以降の天皇君主制にトラップされている日本の政治と天皇家

小室圭氏と真子内親王の結婚が発表されてから、天皇に関する関心が増加したと思う。その中で、右系の方々に根強いのが、「天皇君主制という政治システムの日本を、日本そのものと考える思想」である。例えば、磐田温氏がWill増刊号で、「日本にとって皇室とは日本そのものだと思う」と言っている。政治体制についての話なので、岩田氏の言う日本とは、日本国のことだと思われる。

 

 

言葉の定義をしっかりしておかないと、インチキ議論に巻き込まれるので注意が必要である。①「日本=日本国、つまり行政組織としての日本国家」なのか、あるいは「②日本=日本列島を中心とした地域と、そこに棲む住民つまり日本人達が持つ歴史と文化との総称」なのか、その峻別が(論理的)議論には必須である。

 

岩田氏らは、天皇家が神話の世界から続いている家系であるということに言及し、この「天皇制=天皇君主制」を日本(①の意味での日本)の有史以来の伝統として、それは日本そのものであるから大事にすべきだと言っている。そして、本来水と油のような異国の思想であるエドモンドバークの保守主義に言及して、それが日本の保守主義だと言っている。

 

それとの比較において、河野太郎氏の合理的考え方と河野氏の女系天皇容認論を、天皇君主制を崩壊に導く可能性故に排斥しておられる。恐ろしく粗雑な思考を信じておられると最初感じた。しかし、それは粗雑な思考と言うよりも、巧みな誤魔化しなのかもしれない。 

 

天皇君主制は、明治の革命或はクーデターの時に薩長下級武士と京都の貴族の一部が、統幕と日本国支配のための戦略として利用した政治制度であり、それは有史以来の伝統ではない。つまり、岩田氏と司会の山根氏は、天皇君主制というクーデター政権の国家制度を守ることが保守主義であると、インチキ説を流布しているのである。

 

私も、女系の人たちから新天皇を選ぶのは、伊勢神道に親近感を持つ者の1人として、問題であると思う。それは日本一の名家である天皇家と伊勢神道を精神文化の中心に置く日本の伝統に反するからである。しかし、ここでの日本は、あくまでも②の非常に広い意味での日本である。

 

つまり、岩田氏の意見が、女系の人を天皇にすることは天皇が日本の精神の中心にあるという伝統を破壊するという批判なら、全く同感である。ただ、彼らの天皇君主制を維持することこそ保守主義という論理、更にそれが日本国民の近未来の平安にとって不可欠だと言う論理は、明らかに破綻している。

 

何故なら、あの第二次世界大戦における日本の悲劇は、天皇君主制が主なる原因の一つだったからである。天皇君主制を、日本を普通の国にする上で不可欠と考えるのは間違っているし、あの戦争で死亡した300万人余(平和の罪として連合国に殺された少数の人たちを除く)の命を軽視することにもなる。それにも拘らず、彼らが現職総理の靖国参拝を支持するというのは、論理的に矛盾している。それを強引に誤魔化すから、外交問題を徒に大きくし、且つ、右翼は胡散臭いとか恐ろしいという感覚を国民に与えるのである。

 

その誤魔化しの原点にあるのが、日本の天皇というシステム(天皇と伊勢神道を中心とした日本の精神文化)と、日本の天皇君主制という政治システムを、意図的なのだと思うが、混同していることである。そして、次節以下に述べるように、130年ほど時代を遡れば、その原点に存在する隠蔽された真実を発見するのである。

 

以上のことを考えれば、もっとも相応しい解決策は、前回のブログ記事で書いたように、江戸時代以前のように、日本の行政を天皇から切り離し、江戸までの伝統的な天皇というシステムを取り戻すことである。それについては926日の記事「真子内親王の結婚および皇室のあり方について」で書いた。

 

 

2)現在の日本の不完全な政治体制

 

勿論、現在の天皇と行政の関係は形式的だという考えは正しいのかもしれない。しかし、天皇が総理大臣の任命を拒否したらどうなるのか? そのような事態に対応する規定は無いだろう。つまり、日本の政治体制はその基本的な点でも不完全である。

 

日本の政治体制の不完全性といえば、憲法9条を思い出す人が多いだろう。ただ、憲法9条は改正できる。その他の多くの不完全性は、例えば担当者を替えるなどの方法で補填できる。しかし、外国の勢力が天皇を抑えたらどうなるか? 「こんなことを考えるのは日本人ではない!」と思考停止してしまう人が多いかもしれない。

 

しかしその事態は、江戸末期から明治の初めに、実際に日本で起きたことである。つまり、幕府を信頼する孝明天皇を排除することに成功した薩長は、幼帝である明治天皇を支配下において、徳川を滅ぼして日本国の新しい主となったのである。この間の出来事、そしてその背後に英国のユダヤ資本があったことなど、現在の日本国は隠蔽している。何故なら、その日本を支配する勢力が現政権まで、連続的に日本国を支配しているからである。しかし、その事実が最近暴かれつつある。(補足1)

 

 

3)真実を隠蔽する歴史:

 

「歴史は、真実隠蔽の物語である」は、漢の武帝の時代から現代まで“知る人ぞ知る真実”である。明治維新が日本の近代における隠蔽の宝庫なら、米国における2019年大統領選挙も同様である。(補足2)中国も、ウイグルでの出来事や法輪功弾圧の凄惨な現場を隠蔽している。

 

人は、隠蔽の歴史から目を背けている。その理由は、専制政治の中でゴミ屑のように扱われたくはないからだろう。日本では、或いは日本でも、その姿勢が文化となり国民性となって定着している。

 

例えば、多くの日本人は、原爆の被害を受けた後、その加害国を非難するのではなく、ひたすら核兵器を怖れ核兵器から遠ざかるように行動した。その習性は、核物質について、あるいは“核”や”原子”という言葉自体に対してさえ、忌避反応を示す日本民族の非合理性として定着している。(補足3)

 

日本での原発反対の声も、東日本大震災以前には、このような言葉に対する忌避反応だったと思う。その国民的習性に、福島原発の事故が裏書きを与えることになってしまった。それに迎合しているのが、河野太郎氏や小泉純一郎氏の原発廃止論である。(補足4)

 

天皇という言葉が、崇拝とともに恐怖の対象だったことを覚えている高齢者が多数生存しているだろう。その結果からか、その言葉は我々の日常の語彙から取り除かれている。もうその時代から脱却すべきである。

 

日本国は、天皇家や旧皇族に、元々の地位や財産を返却するべきである。その上で、日本国憲法に記載された様々な国事行為を廃止し、天皇を日本の精神文化の中心として扱うだけにして、日本の政治から切り離すべきである。

 

そして、天皇の地位の継承に、日本政府が介入しないことである。そうすれば、女系天皇論など議論は不要である。

 

補足:

 

1)明治維新とは、薩長下級武士らが中心になり英国ユダヤ人資本の支援の下、天皇を旗頭に利用することで行なったクーデターである。つまり(はっきり言おう)、孝明天皇を暗殺して、天皇制を薩長と結託した下級貴族が乗取ったという説が、明治維新の一つの有力なモデルである。孝明天皇は薩長よりも徳川慶喜を信じていた。そこで天皇を交代させることで、実権を薩長側が握ったのである。その一つの情況証拠として、孝明天皇を祀る神社が建造されなかったことがある。平安神宮に合祀されたのは昭和になってからだという。

詳細は、https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466516110.html に書いた。

 

2)2019年の米国の大統領選挙は国を挙げての不正選挙だった。それは、アリゾナ州での選挙検証で最近明らかになった。

 

 

 

しかし、このことは米国でも日本でも、主要マスコミは殆ど流さない。10年後には、仮に次回選挙でトランプ政権が誕生しなければ、完全に消えているだろう。米国の対外政策は陰謀と隠蔽の宝庫である。

 

3)原爆資料館の前には、原爆で一般市民を大虐殺した国家を非難する言葉はなく、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と書かれている。この言葉は、日本人の論理的思考を放棄した文化を表している。その中に、「一般国民という下々の人間にとって、論理的思考など虚しいだけだ」という、恨みに満ちた気持ちが込められているようにも感じる。

 

4)原発を廃止して、カーボンニュートラルを発電で実現することなど、不可能である。地球温暖化はこの100年で0.74度であり、日本の工業競争力を地に落としてまで目指すことではない。このカーボンニュートラル運動や電気自動車以外を禁止する欧米の大資本の運動は、科学的ではない。気候変動は皆無ではないが、それへの個別対策の方が安上がりであり且つ効果的である。

  https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/aug_wld.html

 

(13時20分、編集および補足4とそれに関する部分追加;10月25日、第3のセクションを整理縮小)

2021年9月27日月曜日

総裁選候補には領土問題の議論をさせるべき

自民党総裁の選挙が近づいている。4候補に議論してもらうことで、国民にも政治を考える機会となる。ただ短い期間なので、十分な議論は出来ないのが残念である。国会においてこそ、この種の議論をするべきなのだが、野党政治家のレベルがあまりにも低すぎるので、スキャンダルを中心に週刊誌的な議論ばかり行なっている現状は滑稽というより悲惨である。(補足1)

 

中でも日本の外交と内政を歪めてきた領土問題と拉致問題については、徹底的に議論してもらいたい。ただ、20日行われた自民党青年局・女性局での討論会での議論は、時間が限られていることもあっただろうが、そして報道からだけの判断であるが、事の本質からの議論ではないという印象をもつ。https://news.yahoo.co.jp/articles/1071686e5dd21cdd6b5dc8afb2febb783e982626

 

領土問題は、日本の戦後処理において、米国が周辺国と日本の間に解決できない問題として残したと言われる。特に竹島問題において、それが明白である。(追補1)ただ問題の整理は、北方領土問題などにおいて国会でも議論されているが、日本の敗戦とその後の諸条約:サンフランシスコ講和条約や日中共同宣言及び両国間の平和条約、日ソの共同宣言などを参考にすれば可能である。(補足2)

 

共産党の志位氏は、尖閣問題:田中角栄が周恩来に尖閣問題をどうするかと言ったが、周恩来はこの問題は触れない方が良いと言った。平和友好条約締結時には、鄧小平が棚上げしようと言ったと、解説している。つまり決着が付いていないのである。

 

その際、国家と国家の関係においては原点に野生の関係があることを十分理解すべきであること、更に、法と権威と権力の基本的構図を理解する必要がある。(補足3)後者は、「法とそれに基づく正義は、権威と権力による裏付けがなければ幻影に過ぎない」といえるが、これは法治国家内の個人関係を考える際に通常無視できるので、気がつかない盲点である。

 

つまり、領土問題も拉致問題も、国家と国家は本来野生の関係にあるという基本から出発して理解する必要がある。くどいが繰り返すと、限定的な意味で社会をなす”国際社会”において、その折り合いの基礎となるのが、各国間に存在する条約であることを理解すべきである。そのように考えれば、例えば北方領土問題は、補足2にあるように、国後択捉については最初から存在しないし、歯舞色丹については、ソ連からロシアに変わり、両国間に条約がないので当に係争中と言える。(補足4)

 

更に、尖閣問題も、日本は実効支配しているが、日中平和友好条約とその前の日中共同宣言で明確な言及がないので、鄧小平の「未来のもっと賢い者たちに任せよう」という言葉が生きている。つまり、この問題では100%野生の関係で日中が対峙していることになる。更に言えば、条約があったとしても何時でも条約に記載された方法で、或はそれも無視して、解消可能である。実際、中国は「ロシア、韓国に反日統一共同戦線構築を提案した」ことがある。

 

20121114日にモスクワで開かれた露中韓の三国による国際会議「東アジアにおける安全保障と協力」で演説にたった中国外務省付属国際問題研究所の郭 (ゴ・シャンガン)副所長のプレゼンテーションは、上記三ヶ国が抱える日本との領土問題を、戦後のサンフランシスコ講和条約の時点に戻って解決しようと呼びかけるものだった。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466516176.html

竹島問題については、過去議論したことがあるので、それを引用するに留める。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12658433723.html

 

拉致問題もそのような原点から考えれば、本来戦争で取り戻す以外に方法はないのである。その基本を承知の上で、平壌に出かけるのならそれで良いが、その基本を知らなければ、まともな交渉にすらならないだろう。尚、拉致問題については以前、より詳細に議論したことがあるので、それを引用しておく。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466516783.html

 

以上のように考えると、926日の4候補による安全保障問題に関する議論は、貧弱であったと思う。例えば尖閣問題では、議論すべきは海上保安庁の装備充実や海上保安庁法の改正というより、「中国による尖閣侵攻があったとき、自衛隊は交戦するのか?」という想定される危機に対して、中国からの本土攻撃までを念頭においた、真正面にある枠を広げた問題である。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12660913945.html

 

追補:

 

1)日本とソ連の間の北方4島の領土問題と米国国務長官の脅しについては、以下のサイトをご覧いただきたい。

 

 

 

補足:

 

1)安倍内閣のときの森友問題や加算計算問題の議論を思い出す。これらは本来検察と裁判所の役割なのだが、それを素人の野党議員が国会という場で、知的でない国民には受けるだろうという愚かな考えの下、安物劇を演じているのである。勿論、この背景には検察の独立性が十分確保されていないこと、そして、裁判所が行政から十分独立していないこと等の日本の中世的堕落があるので、100%野党の責任という訳ではない。

蛇足だが、少し続ける。事の本質を求めて更に遡ると、民意が劣悪なことが問題の基本にある。しかしそれは、階層を破壊する歴史の流れの中にあって、“最先端を走る先進国”が後発国の階層を自国のエゴイズムに従って破壊したのが原因である。その点では、明治以降の日本の歴史の流れも、アラブの春の悲劇も再生速度を変えれば、似たようなものである。これは本来独立したテーマとして議論すべきことである。

 

2)日本の独立後の国会で、吉田茂と当時の条約局長の西村熊雄は、国後択捉は講和条約で放棄した千島列島に含まれると答弁している。この件について鈴木宗男氏が2006年に国会で質問している。その質問は:https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a164073.htm

この質問での1−3項目が上記の吉田茂と西村条約局長の国会答弁について問うている。その回答は、https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b164073.htm の最初に書かれているが、十分な内容とは思えない。

 

3)尖閣問題について日本共産党の志位委員長のこの解説は理路整然としている。しかし、志位氏は、根本に野生の関係があることを無視して、国際社会をまるで法と権力の存在する国内問題のように議論している。

 

4)北方4島はソ連に戦争により占領され、現在まで実効支配されている。その戦争は、ソ連がサンフランシスコ講和条約に参加していないので、日ソ共同宣言により漸く終結した。そこでは、平和条約締結後に歯舞と色丹は日ソ友好のために日本に譲渡すると書かれている。つまり、その時に占領していた国後と択捉に議論がなかったことは、ソ連の領有を認めたことになる。この点を日本政府は誤魔化して、鈴木宗男の質問3に回答していない。ソ連との共同宣言をロシアが引き継ぐとした場合、国後択捉二島の領有権問題は存在しない。更に、もし日ソ共同宣言をロシアが継承していないという立場なら、新たに平和条約を締結する以外に歯舞色丹の領有権主張も意味がない。

(17:05追補1追加)

2021年9月26日日曜日

真子内親王の結婚及び皇室のあり方について

真子内親王と小室圭氏が年内に結婚し、直ちに米国ニューヨークに移住すると報じられている。その際、真子内親王は結婚に伴って国家から支払われる一時金を受け取らないということである。この件、海外でも大きく報じられているようだ。https://www.youtube.com/watch?v=EtZlpau9-Qs

 

 

今年4月17日に、この件と関連して「小室圭氏の裏に資金提供する大きな存在は?」という記事を書いた。その疑問は、おそらく世界1授業料の高いアメリカに留学する資金は何処からでているのかとか、マスコミがインタビューを試みるときに、頑強な体の現地人を従えている様子とかから、とてもで借金を抱えて問題になっている家庭の方とは思えないからである。

 

更に、ニューヨークに住むと明言されているのは、経費の算段が出来上がっているのだろうが、未だ司法試験にも合格していない小室圭氏に予想される給与から考えて、元皇室にふさわしいような生活はどこかからの資金の流れがなければ無理だと考えられる。

 

つまり、この件のシナリオを書いているのは、小室圭氏だけではなく、この件を利用してかなりの利益を得ることの出来る勢力だろう。その場合、真子さんと小室氏に考えられる売り物は、皇室に関するスキャンダルの暴露などである。それらを本などにして儲けることを考えている出版社や、それらを日本攻撃の材料にしたいと企む政治勢力などだろう。

 

そのようなことを考えるのは、私だけではない。https://diamond.jp/articles/-/281053

 

Diamond Onlineに窪田順生氏というノンフィクションライターの方が、“眞子さま、小室圭さんと「年内結婚」で日本人が覚悟すべき3つのリスク”という記事の中で色々予想している。窪田氏は、「元婚約者(母親の)の方や、社会に対するこれまでの対応から、小室母子の人間性というものを疑問視する人がいるというのもよく理解できる」と書き、しかし「結婚を阻止するような事態は、中国と並ぶ人権侵害の国というレッテルを貼られる恐れがある」と指摘する。

 

それよりも気持ちを切り替えて、結婚後に引き起こされるであろう「リスク」に目を向けて備えておいた方がいい。結婚自体はめでたいことだが、日本という国にとっては今後、喜ばしくない事態が起きる可能性が高いからだ」と続ける。

 

リスクの一つ目は、日本が人権無視の国であると宣伝されることである。例えば中国のような国なら、「日本政府は、自国の非人道的な天皇制から国際社会の目を背けるために、中国に対してありもしない人権問題を捏造している」と言う絶好の攻撃材料を得ることになる。

 

二つ目には、皇室のスキャンダルをその真偽はともかくとして、メディアにリークされる可能性が考えられる。窪田氏は、「イギリスのロイヤルファミリーが、王室を離れてカナダに移住したメーガン妃の「人種差別告発」で謝罪に追い込まれたように、日本の天皇や皇室が「謝罪会見」を開くなんて悪夢のような話が現実になるかもしれないのだ」と言う。

 

三つ目は、真子さんが小室圭氏の母親が入っている新興宗教の広告塔にされる可能性である。これについては窪田氏の記事を読んでもらいたい。

 

2)皇室のあり方

 

上記窪田氏の記事には説得力がある。しかし、覚悟をすべきとは書かれているが、どの様な覚悟なのか、何らかの対策があるのか、などについては何も書かれていない。

 

ここで不思議なのは、宮内庁の姿勢である。ここまで問題を拗らせたことの原因の一端は、宮内庁の無策にあるのではないのか? 真子内親王の強い意志を確認したのなら、その後通常のプロセスに従って、結婚の諸プロセスを進めた方が良かっただろう。どうせ、皇籍離脱となれば、内親王は一般の人となるのだから。何を考えて、ここまで拗らせたのか、明らかにしてもらいたい。

 

ここで考えるべきは、これは何も真子内親王にだけあり得る特殊な問題とは言えないという点である。問題の本質は、現在の皇室の存立に関わる問題であり、佳子内親王や悠仁親王に関しても似た問題が生じる可能性が高いということである。

 

週刊新潮が9月23日号で、佳子内親王と紀子秋篠宮妃の間に不和があり、ときとして激しい口論がなされるという記事が出た。そこで秋篠宮家に仕えた関係者が話した佳子内親王の言葉が紹介されている。https://www.dailyshincho.jp/article/2021/09151206/?all=1

 

佳子内親王は強い口調で、“お母さんは結婚するときに納得した上で皇室に入ったのでしょう。でも、私とお姉ちゃんは違う。生まれた時からここしか知らないのよ”と仰ったという。つまり「ご自身が“籠の鳥”も同然ではないかと仰りたかった」とのことである。

 

皇室にある人が、自分自身を「籠の鳥」と感じるような状態では、皇室は長続きしない。皇室の存続を考える場合、皇室の一員であることが、誰もが憧れることでなければならない。内親王がこのように感じる皇室になったのは何故なのか? 

 

その原因の第一にあるのは、戦後の米国による華族制度の廃止と皇室の大幅な縮小である。皇室として残したのは昭和天皇の弟、「秩父宮」「高松宮」「三笠宮」だけであった。その結果、婚姻の相手は、必然的に平民から選ぶことになる。米英豪らは、皇族の地位の相対的低下、ひいては皇室の消滅を狙ったのである。

 

日本と戦った国が、日本兵の強さの背後に天皇の存在を考えたのだろう。戦後そのような日本の復活を怖れたとすれば、英米豪の策として当然だろう。https://sites.google.com/site/wakarisugi/home/showa/ghq/kouzokusyukusyou

 

それらについては、宮内庁の職員なら、当然研究済のことの筈である。もし国民が皇統の存続を希望するのなら、そして宮内庁がその役割を果たすべき存在なら、何故、旧皇族の復活などの案を講和条約直後に出さなかったのか?

 

また、天皇家を様々な国事行為や国家予算で縛るのではなく、もっと旧皇族や旧華族らと自由に付き合える形にしなかったのか? そのような皇族となっていれば、内親王らに広い範囲での付き合いと、その中での相応しい配偶者の発見が可能になったと思う。

 

兎に角、真子内親王や佳子内親王が籠の鳥だと感じるのなら、そのような感覚を持たない様に対策を考えるべきである。もし、対策がないのなら、結婚を含めて人生の選択は、100%本人自身にしてもらうしかない。

 

現在の皇族は、生まれながらの公務員のような身分である。私空間が一切ないように見える。皇族の私有財産は殆ど国庫に没収されており、まるで日本国の偉大なhostageのようである。

 

そのような異常な状態を解消するために、戦後没収された皇族の私有財産は、現在の金額にして10兆円位の額になるだろうが、精査の上全て返却すべきである。そして天皇や皇族を、国民全てが羨むような身分にすべきである。https://toyokeizai.net/articles/-/253298?page=3

 

日本人は天皇を神として崇めたいと考えているのかもしれない。しかし、生身の人間が神として崇められるには、独裁国家のトップか、戦前のような現人神にするしかない。日本を独裁国にしたくないのなら、皇室の国事行為を象徴的なもの以外は殆ど無くし(補足1)、皇室の財産を返却し、国家との結びつきを減らすべきだと思う。

 

そうすれば、皇室は伊勢神道のトップとして、日本第一の名家としての尊厳と経済的な豊かさを手にいれることになる。(補足2)佳子内親王には、皇室に憧れるたくさんの名家の御曹司が近づくことになるかもしれない。

 

終わりに: この結婚をめぐる混乱は、真子内親王には非常に気の毒である。その背景に、何も仕事をしない日本政府(の無能さ)がある。戦後75年たっても、国家としての基本的骨組みすら出来ていない。この異常な事態は、その一つの例である、

 (9/27/20:00 表題を一部変更)

補足:

 

1)天皇の国事行為として、例えば国家の三権の長の任命だけで良いと思う。それ以外の国事行為はなくして、天皇家にお願いするときには、天皇家の了解と議会の承認を得ることにする。

 

2)ここで、天皇の地位とは直接関係はないが、名古屋や大阪などの大都会の光景を思い出す。歴史的に重要な建造物である名古屋城や大阪城は、タワーマンションよりも低いのである。そこの最上階に住む下品な男が風呂からこれらの天守を眺めているのである。何が言いたいか、分かってもらえると思う。

2021年9月25日土曜日

米英豪三国軍事同盟(AUKUS)の対中国戦略に於ける意味

米英豪の三カ国は、緊密な軍事同盟AUKUSAustlaria, United Kingdom, USA) を締結することになった。そして、豪州は一旦フランスと合意していた従来型潜水艦の発注を取り消し、米国から原子力潜水艦の供給を受けることになった。AUKUSがインド太平洋地域に於ける軍事バランスにおいて、極めて大きな意味を持つ。

 

米国は50年ぶりに原子力潜水艦技術を海外に供与することを決断し、そして豪州つまりオーストラリアは、米英露仏中印(順不同)に続いて世界で7番目の原潜保持国になる。核弾頭を装着した潜水艦発射型ミサイル(以下核SLBM)を搭載する原潜は、戦略的に大きな意味を持つ。核保持国に於いては、他国の核攻撃抑止力をより完全にする為に必須であり、核保持の国連常任理事国全てが原潜を保持する理由である。(補足1)

 

AUKUSは、明らかに中国共産党政権のインド太平洋地域への覇権拡張政策を念頭においたものである。オーストラリアは当面核兵器は搭載しないと言明しているものの、核保持か否かは国際政治環境に依存すると、対立国は見做す筈。これでオーストラリアは世界の主要先進国としての立場を得る。

 

その一方、米国はオーストラリアに米原潜を駐留させることが出来る。オーストラリアから南シナ海は近いので、中国が南シナ海の深海を原潜基地にしても、そこから出る原潜を追尾でき、無探知で太平洋に出ることを不可能にする。

 

このAUKUS同盟の深い意味について、大紀元と契約している唐靖遠氏による遠見快評が解説している。中国は米国から想定されるミサイルに対する有効な防御システムを持たないので、この地域での米国の軍事的優位性が確立されるという。(補足2)

 

 

その結果中国は、米国との全面戦争を覚悟してまで、台湾侵攻を実行できなくなる。つまり、米国が争いの何処かで段階で、台湾を放棄せざるを得ないと考えることに期待できなくなったのである。(補足3)この三国軍事同盟は、中国の脅威に震える東アジア太平洋地域の中小の国にとっては朗報だろう。

 

2)欧州への影響:

 

オーストラリアによる原潜発注の取り消しに強く反発したフランスのマクロン政権は、オーストラリアに滞在する大使だけでなく駐米フランス大使も召喚した。更に、予定されていた英仏国防相会談までもキャンセルした。https://www.bbc.com/news/uk-58620220

 

ただ、この反発は、おそらくフランス国民向けのものだろうという考え方がある。それを裏付けるように、バイデンとの会談でマクロンは、米国に理解を示して大使を米国に戻す決断をした。(補足4)https://edition.cnn.com/2021/09/22/politics/macron-biden-call/index.html

 

 

欧州諸国はこれまで、中国の強大化した軍事力を中途半端に捉え、それが欧州をターゲットにしていないと考え、柔軟な対中外交をとってきた。それは、経済的利益の享受と正常性バイアスの所為かもしれない。しかし、ここ2年ほどの事態を観測して、ヨーロッパも中華秩序を布くべき地域に入っていることを知っただろう。

 

フランスもドイツも、環太平洋地域の世界経済における重要性と、相対的に中国の経済力の停滞を予測すれば、そしてこの地域での覇権をAUKUSが抑えると予測するのなら、対中包囲網に協力するようになると予想される。


環太平洋地域の政治的安定性が増加したのなら、環太平洋パートナーシップ(TPP)は、この地域での経済機構としてより重要な意味を持つようになるだろう。それを考えて、中国はTPPへの加盟を申請し、同時に台湾の加盟への反対運動を水面下で始めたようだ。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210924-OYT1T50027/

 

その結果、台湾のTPPへの加盟は、現在中国が日本等TPP関係国に向けたレッドラインとなっただろう。今後暫くは、不用意に踏まない方が良いと私は思う。外交音痴の日本の政治家は、この点に注意すべきである。日本は、AUKUSが拡大されるとしても、オブザーバーにしかなれない。5アイズのメンバーにさえなれない。

 

一人前の国家でない日本は、その身分をわきまえるべきだと思う。それについては、前回ブログで書いた。

 

 

(14時50分、補足2,3の入れ替えなどの他、全体的に編集)

 

補足

 

1)第一次核攻撃を受けても、海中深く世界に分散した潜水艦の核搭載SLBMにより報復核攻撃を行いうる。これは現在のミサイル迎撃システムでは防御出来ない。

 

2)東シナ海は浅い海であり、中国の原潜が基地とすることに向かない。沖縄を手に入れることが出来れば、中国は沖縄の東の深海に原潜基地を作る事ができる。それを防止しているのが、日米安保条約と沖縄の米軍基地である。更に、第一列島線の日本の近くから太平洋に出るには、宗谷海峡、大隅海峡、宮古海峡の何れかを通る必要がある(遠見快評の解説参照)が、日本の通常型潜水艦がそれを監視している。それが、中国が南シナ海を基地化したい理由である。

 

3)中国のSLBM攻撃が可能な場合、全面核戦争になった場合、米国も致命的な被害を受ける。原潜を南シナ海など中国近海から出られなくすれば、米国の最終的な被害はミサイル迎撃システムから漏れた中国のミサイルによる限定的な被害にとどまる。この最終結果を考えれば、台湾を巡っての対決への道は、チキンレースにはならない。

 

4)フランスは南太平洋に、ニューカレドニアを始め多くの領地を保有している。(ウィキペディアの「フランスの海外県・海外領土」参照)それらの防衛上、AUKUSは大いにプラスになるだろう。怒ったポーズは国内向けで、実際は、かなりの利益をAUKUSで受けると考えられる。

 

 

2021年9月24日金曜日

高市議員が日本の首相になることに反対する

高市早苗議員が、自分からの意志として、この20日に台湾の蔡英文総統と会談を行なった。この台湾問題に関する前のめりの姿勢は決して評価されない。それは日本の首相になったあと、台湾との関係を今以上に進めることを台湾だけでなく、国際的に表明したことになるからである。

 

これで、高市氏が首相になれば、中国との関係が一層悪化することは目に見えている。これは日本国民の1人として非常な脅威である。それは、日中平和友好条約に反する方向の行為だからである。この条約は、1972年に出された日中共同宣言を基礎とし、そこに記載されたことを確認する形で締結された。

 

そこ(共同声明)には、中国共産党政権が中国で唯一の政権であり、台湾は中国の一部であることが明記され、日本もそれを理解し尊重すると記されている。日本が、その原則を無視する行動を取れば、日中平和友好条約を実質的に破棄することに等しい。そう中国が理解した場合、躊躇なくこの条約を破棄するだろう。

 

その時、正面から核ミサイルを多数向けている中国と軍事的に対立することになる。日本がそのような態度を明確にすることは、身の程知らずというものだろう。実際、その動きを牽制するためか、今年7月には日本を先制核攻撃すべきだという動画が中国で流れた。(補足1)https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12688574680.html 

 

兎に角、中国にたいして筋を通すには、それなりの軍事力がなければならない。それに加えて、覇権国の一方の米国との間に揺るぎない軍事同盟がなければならない。日本は、憲法に軍事力を持たないという9条2項があるため、その何方も持つ資格さえない。(補足2)

 

また高市氏は、「靖国参拝は個人の信仰の自由の範囲内だ」とテレビで言っていた。報道では、高市氏は首相になっても靖国参拝するだろうと言われている。しかし、その姿勢は、国際条約(サンフランシスコ平和条約)を無視することだと14日の記事で指摘した。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12697976286.html

 

高市氏は、条約の重みが十分わかっておられないように思う。或は、単に米国バイデン政権とその背後にある米国支配層の手先として振る舞っているだけかもしれない。以前高市氏を応援するような文章を書いたと記憶するが、ここでそれを否定し、高市氏を応援しないことを明言する。

 

自民党の代議士では高市氏の他、麻生副総理が、台湾海峡などで何か重大な事態が発生した場合、日本は存立危機事態と見なして対応しなければならないという発言を行なった。これは日本が台湾問題で、米国の犬として働くという宣言に他ならない。

 

しかし、上述のように日本は憲法改正や日本国民の希薄な国防意識など、そのような自衛隊の行動を支持する準備ができていない。自民党は、米国の犬としてしか能のない右派と、幼稚な理想論や子供庁の創成といったどうでも良いことで誤魔化す政治家で9割方占められている。

 

 

 

 

 

2)日本と米国との関係

 

日本は安倍総理のとき、QUADという日本、米国、オーストラリア、インドの首脳や外相による安全保障や経済を協議する枠組みを提唱した。

 

 

そして、実際に四カ国間で首脳会談が行われたようである。https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE11A7R0R10C21A3000000/

 

しかし、これは英連邦のファイブ・アイズのような文書を交換した協定や条約でなく、二国間同盟を組んでいる日本、アメリカ合衆国、オーストラリアおよびインドの四カ国間における非公式な会談である。(ウイキペディア参照)実際米国は、アジア版NATOのようなものではないと明言している。https://www.donga.com/jp/article/all/20210510/2634469/1

 

一方先日、AUKUSという米英豪の三カ国間軍事同盟が締結された。オーストラリアは、一旦結んだフランスとの潜水艦の契約を破棄して、米国の支援で原子力潜水艦の保持を進めるようである。これは、本格的な新しい強固な軍事同盟であり、太平洋のパワーバランスを中国一強から大きくイコールバランスに移動させるものである。

 

これは中国に脅威を抱く国々には朗報かもしれないが、日本は微妙である。何故なら、米国のインド太平洋構想において、東北アジアを軽く見る可能性を示唆したものだからである。(これは筆者の単なる幻想かもしれません。念のためお断りしておきます。)

 

何故なら、東北アジアにはロシアや中国という今や米国や英国と利益を共有できない大国のほか、韓国、北朝鮮という西欧の論理がまともに通じない国が集まっているからである。日本も後者のグループの一員でもあるが、西欧に学ぶ姿勢を明治以来強く持ち続けたくそ真面目さがある。そこで、南方への波及を防ぐ防波堤に使えると、米英は考えているのだろう。

 

現在の中国は、はっきり言って、世界の民主主義的体制を取る先進諸国から総スカンを食っている情況である。その一方、台湾を支援する声が大きい。特に米国や英国等の英語圏は、台湾を独立国として認めようという雰囲気を醸し出している。それは本気なのか、国際的雰囲気作りなのか解らない。https://www.fnn.jp/articles/-/237929

 

結論を繰り返すと、何事を行うにも「準備が先で次に行動」というのが正常な姿である。高市氏も、麻生氏も、何の準備も出来ていないのに、準備以前に台湾を応援し中国を刺激して、日本国民をわざわざ中国の核兵器の標的とする愚挙は避けるべきだ。

 

補足:

 

1)7月の動画は脅しだが、イザとなれば最初に核攻撃の標的になるのは日本だろう。その後、出来れば紳士的に振る舞いたいと言明する中国に対して、米国も十分に中国の恐ろしさを理解して、対中姿勢を柔軟路線に変更するだろう。中国から日本への核攻撃は、米中の本格的対決の引き金ではなく、消火器となるだろう

 

2)ここで思い出すべきは、ニクソン訪中の際、周恩来とキッシンジャーの間で、日米安全保障条約は日本の軍国化を防ぐための“瓶の蓋”であり、日本は絶対に核武装させないという極秘の話がなされたという話である。それを裏付けるように、在米の伊藤貫氏は、国務省の人は殆ど日本は最後まで核武装させないと言っていると証言している。

2021年9月21日火曜日

河野一族経営で河野太郎氏も株主の会社が中国と非常に深い関係にあるようだ

速報:

 

河野洋平氏が自民党総裁選で、おそらくトップを走っているだろう。その河野氏の家族が経営する会社で河野太郎氏も株主の会社が、中国で子会社を幾つももつなど、中国との深い関係にあるという話が、カナダ人ニュースさんのyoutube動画で流された。

 

それよりも数時間早く、中国関連のニュースを以前から流している妙佛チャンネルも同様のニュースを流していた。(https://www.youtube.com/watch?v=l8M7IRs_C8Y 6分以降)

 

カナダ人ニュースさんの話の方が分かりやすいので、そちらを引用する。「河野太郎X日本端子 中国との関係の件」という表題のyoutube動画である。

 

 

日本端子株式会社は、河野太郎氏の父親の河野洋平氏が会長で弟の河野二郎氏が社長、河野太郎氏も株主として名を連ねている。その会社が中国に子会社を幾つももっている。この河野太郎氏が株主である河野家の経営する日端電子と、中国に存在する子会社群についての情報は、Daiey Will オンラインに掲載の朝香豊氏の記事に詳しい。https://web-willmagazine.com/politics/M7rcb

 

それらは太陽光パネルの製造にも関係しているようだ。

「経済活動は自由」であるかもしれないが、日本のリーダーとなるかもしれない人物が深く関連する企業が、現在仮想敵国的な中国と非常に濃い関係を有していることは、日本の将来を考えるにあたって、大いに議論すべき問題だろう」==おわり==

2021年9月17日金曜日

正体を現したのか?米軍のトップ

以下の要約は、HaranoTimesの動画に紹介されていることです。

 

 

火曜日の米紙報道によると、米国の統合参謀本部議長であるMark Alexander Milley将軍は、ドナルド・トランプの任期の最後の数ヶ月に、選挙での敗北の可能性が迫り、その余波で中国との戦争を引き起こす可能性があることを懸念して、中国共産党中央軍事委員会連合参謀部参謀長の李作成に密かに電話をかけた。

 

一度目は、大統領選挙の4日前の1030日、二回目は、18日である。ミリー将軍はその電話で、米国の政治は安定しており、中国を攻撃するつもりはないこと、そして攻撃命令があった場合は、事前に警告することを李氏に保証すると言った。

 

これらは、ワシントン・ポストの記事の内容であり、ジャーナリストのBob Woodward and Robert Costa(ワシントン・ポスト)による新しい本「Peril、危険」に基づいて書かれた。その本は、来週発売の予定である。

https://www.washingtonpost.com/politics/2021/09/14/peril-woodward-costa-trump-milley-china/

 

ワシントン・ポストの記事によれば、最初の電話は、米国が攻撃の準備をしていると中国が信じていることを示唆する諜報機関(多分CIAだろう)のレビューによって促された。二回目の電話は1月6日の出来事(議会乱入)を中国は非常に恐れていたので、その不安を取り除くために行われたと書かれている。

 

ミリーは李作成に、「私たちは100%安定している。全てOKです。しかし、民主主義は時々ずさんなことがあります」と告げた。それでも李は不安な様子のままだであったが、ミリーはその理由を理解した。本によると、その会話はトランプには告げなかった。ミリー将軍は、2018年に62歳でトランプにより統合参謀本部議長に指名されたのだが、トランプが選挙後、精神不安定状態にあったと信じていた。その観測は、著者らが入手した通話記録から、彼が1月8日電話で話した下院議長によるトランプが不安定であるという評価に同意したものだった。

(この部分の翻訳はややこしいので、記事原文を補足に1に示す。)

 

「トランプが選挙に敗れる可能性が高いから(選挙前)、或は、トランプは選挙に負けたから(選挙後)、トランプが軍を動員して中国に戦争をふっかける可能性がある」というのは、余程のことが背景に無い限りありえない。ミリー将軍も下院議長のNペロシも、何故トランプが気が狂れているというのだろうか? 本当は、選挙における彼らの様々なインチキ工作に対する自覚が、そのような見解を作っているのだろう。

 

つまり、ミリー将軍らはトランプがそれら工作の真相を知っているので、其れに相当するレベルの反応(=中国に対して攻撃すること)をするだろうと恐れた筈である。そのように正直に言ってしまえば、罪を白状したことになるので、トランプが気が狂れたということにしたのだろう。それらの全てを知っているからこそ、ワシントン・ポスト紙もこのような変な記事を書いたのではないだろうか。(追補1

 

2)解釈:

 

トランプ大統領を落選させるために、中国が大統領選挙への干渉に協力したのだろう。つまり、トランプ落選のために「米国を支配する勢力(DS)」が、中国の協力を得て中国側から選挙妨害を行なったのだろう。李将軍もミリー将軍も、トランプがそのことを知って、怒りのあまり中国を攻撃する可能性を怖がったのだろう。

 

多分4月ごろから(90日以内にコロナの出どころを調べろとバイデンが命令したころ)、DSの対中国姿勢が90度変更されたと思う。そうでなければ、この話は記事にも本にもならなかっただろう。最近のジョージ・ソロスの中国攻撃で明らかになっているように、その姿勢変更に伴って国家の様々な部分の一部をスクラップ&ビルドすることになったのだろう。

 

つまり、マーク・ミリー将軍のように中国の人民解放軍と協力する上層部は排除され、これからは対立する体制に移行するのではないだろうか。

 

日本語では、産経新聞が報じており、そこにはHaranoTimesの解説同様、以下のことも書かれている。ミリー将軍は、米軍幹部を集めて、トランプ氏が仮に核攻撃命令を下した場合はミリー氏に知らせ判断を仰ぐようにと念を押した。(補足2)

 

昨年の、大統領選挙前後の記憶が今蘇る人が多いだろう。その当時、選挙に不正があるので、トランプは戒厳令を布くかもしれないと、一時話題になった。その時、ミリー将軍が大統領の指示通りに動かない可能性が高いことは、すでに分かっていた。そのことに本ブログでも記事にしている。

 

その時思ったのは、ミリー将軍は民主党DSの中心的メンバーであり(補足3)、世界統一政府つまりグローバル政府を中国共産党と協力して目指す人たちの1人だということであった。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12645256562.html

 

今回の話は、今朝の及川幸久さんのyoutube動画でも取り上げている。

 

 

追補:

 

追補1)この部分の意味は以下の通りです。一連の物語を説明するとき、自分たちに都合の悪い中心部分一箇所を抜き取る場合、その他の物語を自然な形で接続するのは非常に難しいということです。それが、ナンシー・ペロシ下院議長やマーク・ミリー統合参謀本部議長が、トランプがmental decline(精神的衰退、鬱状態?)又は精神的unstable (不安定)の状態で、李作成がガタガタ(rattled)し続けた、などの文で誤魔化した理由だと思う。

 

 

補足:

 

1)In the second call, placed to address Chinese fears about the events of Jan. 6, Li wasn’t as easily assuaged, even after Milley promised him, “We are 100 percent steady. Everything’s fine. But democracy can be sloppy sometimes.”

Li remained rattled, and Milley, who did not relay the conversation to Trump, according to the book, understood why. The chairman, 62 at the time and chosen by Trump in 2018, believed the president had suffered a mental decline after the election, the authors write, a view he communicated to House Speaker Nancy Pelosi (D-Calif.) in a phone call on Jan. 8. He agreed with her evaluation that Trump was unstable, according to a call transcript obtained by the authors.

 

2)マーク・ミリー将軍は、1974年8月に国防長官であったジェームズ・R・シュレシンジャーによって取られたものに似た措置をとったつもりで、この一連の措置をとったのだろうとワシントン・ポスト が書いている。当時大統領だったニクソンが弾劾に直面していた時、シュレシンジャーは軍当局者に、大統領からの命令を実行する前に、国防長官の彼と統合参謀本部議長に確認するように言ったことの真似である。この理屈が成立すれば、上記動画で及川さんやHaranoTimesさんが言うようには、マーク・ミリーに対して、国家反逆罪は成立しないかもしれない。

 

3)マーク・ミリー将軍は、2019年にトランプが指名した統合参謀本部議長である。トランプの周囲にもゴールドマン・サックス系などのDS関連の人物が多かった。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/post-6335.php

トランプは、あからさまにはDSと対立しないようにしながら、巧みに古き良き時代のアメリカを回復しようとした。

 (午後3時40分、原文翻訳部分改良;午後6時追補1を追加)

ーーーー おわり ーーーー

 

 

 

2021年9月15日水曜日

総理大臣は靖国神社に公式参拝すべきでない:メルケルが安倍総理に勧めた戦後の総括

今回の自民党総裁選では、靖国参拝問題が再度話題になっている。今日のMOTOYAMAさんの動画でも、その点を取り上げていた。中国の元記者の方だが、総理の靖国参拝に理解を示して下さるのは日本人として有り難いと思う。しかし、総理大臣は公式には、靖国に参拝すべきではない。https://www.youtube.com/watch?v=I6zjl2D9TtQ

 

その理由は、サンフランシスコ講和条約(以下講和条約)11条にあるように、連合国の戦争犯罪裁判を受け入れることで、日本国は連合国との講和が出来たからである。一般に、敗戦国が戦勝国の考えを受け入れることで、講和が可能となる。一旦合意した講和条約に違反する行為は、戦勝国の合意がなければ許されない。

 

その原点には、国家と国家の間の利害調整をする法律はなく、本質的に野生の関係にあるという事実がある。「カラスは白か黒か?」で戦争になり、「カラスは白い」という主張の国が原爆を使って勝ったとしたら、そして講和条約の条件に「カラスは白い」と認めることだと言ったなら、それに同意して講和を実現し、原爆で皆殺しに成らないようにするのが、現実的な政治が出来る総理大臣である。

 

そのように考えて、上記の動画にコメントを書いた。以下にそれを一部編集して引用する。

 

外交では、日本の価値観を優先することは出来ません。外国に見える形で靖国参拝を首相が行うのは、サンフランシスコ講和条約第11条違反になります。それは、戦争犯罪者として同意した人達を、神として崇めることになるからです

 

その戦争犯罪者として裁かれた人の中には、日本が独自に裁いても戦犯になる人も居るでしょうし、その一方、神として祀るべきだという人も大勢いると思います。現在、靖国はどちらも区別なく祀っています。前者の神として祀るべきと思う人達の霊に、尊崇の気持ちを捧げられないのは残念ですが、戦争に負けたから仕方ありません。その悔しさを噛みしめるべきです。

 

ただ、その区別を未だ日本は明確にしていませんので、明確な形で悔しがることさえ出来ません。再度強調します。講和条約では、敗戦国が戦勝国の戦争とそれに関する歴史の解釈を受け入れる形で成されます。もし、それを受け入れないのなら、戦争を継続しなければなりません。実際、サンフランシスコで日本は全ての条項に合意したのです。

 

ドイツが卑屈とも見える形で、ナチスの下で働いた93歳の見張り番を懲役に処したのは、そのような理由があってのことです。悔しく思った人が大勢いたに違いありません。

 

 

 

2)メルケル首相の安倍総理への進言:

 

ドイツ首相のメルケルが日本に来た時、「(ナチスドイツの)過去の総括は和解の前提になっている。和解の仕事があったからこそ、EU(欧州連合)をつくることができた」と話し、安倍総理に戦争時の総括を勧めた。

 

このことに関して、記事を執筆した木村正人とかいうジャーナリストは「ドイツは謝罪していない」というセクションで以下のように書いている。

 

メルケル首相は「過去の総括」と「和解」を強調したが、「謝罪」という言葉は使わなかった。なぜか。ドイツは戦後、明確な「謝罪」を行っていないからである。

 

ユダヤ人大虐殺をはじめナチスの戦争犯罪について「謝罪」し「法的責任」を認めてしまうと、損害賠償のアリ地獄に追い込まれる。国際社会で「謝罪」は「懲罰」「補償」を伴うのが常識だからだ。https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20150312-00043760

 

この解説者は重要な点を見逃している。それは戦後ドイツの政権は、ナチスが暴走してユダヤ人の大虐殺を行なったとし、ヒットラーとその下でユダヤ人虐殺を働いた人たちを犯罪者として総括したことである。

 

その結果、戦後のドイツ国家はナチス・ドイツの延長上にはなく、新しく生まれ変わり、謝罪する側ではなくなったのである。(補足)つまり、謝罪すべきはナチスであり、戦後ドイツではないという姿勢を貫き、それを戦勝国も講和条約で認めたのである。謝罪しないのは当たり前なのだ。

 

終わりに:

 

靖国参拝問題について、上記のような不完全な解説がマスコミに掲載され、そして、それを丸呑みする日本の右側の人たちが、日本の国際社会への復帰を困難にしているのである。日本が独自に防衛軍を持てず、外国の軍隊の常駐を頼りにして、国民の安全を委ねているのは、この戦後の総括をせず、一括して戦争犯罪を許し、戦争関係者全員の霊を靖国に神として祀っているからである。

 

補足:

 

この論理が成立するのは、国家と国民は別だからである。国家と国民を別々に考えるのは、別段特別なことではない。現在の国際政治でも、一昨年だったと思うが、米国のトランプ政権は中国共産党政権と中国国民を分けて、前者のみを政治的に攻撃の対象としている。

2021年9月12日日曜日

自民党総裁選挙の論点:総理大臣の靖国神社公的参拝の問題

今朝のテレビ報道番組のザ・プライム(午前7308:55)のゲストは、総裁候補の1人である高市早苗氏であった。彼女が、これまで私人として靖国に参拝してきたとの発言を立候補宣言の記者会見で行なった点を重視した中国の新聞は、高市氏に政治狂人というラベルを付けて批判したことが紹介された。

 

高市氏はその件は政治問題化すべきではないと中国の報道に反発する一方、米国も反対であることに関して、同盟国である米国がそのように主張することはちょっとわからないと言っていた。この高市氏の発言は、第二次大戦で米国と戦ったことを、政治の側面から(高市氏が)十分消化していないことを示している。(補足1)

先の戦争で日本は米国に負けて、サンフランシスコ講和条約を締結した。その条約は、連合国側のこの戦争に対する解釈、そしてその反映である極東軍事裁判を、日本国が受け入れることを含んでいる。サンフランシスコ平和条約の第11条の翻訳文を補足2に示す。

 

この条項には、日本国は極東軍事裁判所並びに、その他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾することが明記されている。ここで重要な点は、仮に赦免があっても、或は、刑の執行が終わっても、連合国側の決定である戦争犯罪の事実や誰がその戦争犯罪人であったかということが、消滅するわけではないことである。

 

靖国神社においてこれらA級戦犯とされた人物の霊を神として祀ることは、一宗教法人の行為と見る限り、信仰の自由の範囲内のことであり批判すべきでは無いかもしれない。しかし、そこへの総理大臣の公式参拝は、日本国がサンフランシスコ平和条約の11条に違反したと見做されても仕方ないだろう。

 

つまり、外交問題化しても当然であり、その責任はその時の日本政府が負うことになる。米国が、総理大臣による靖国参拝に反対する理由は、これで明らかだと思う。(補足1)

 

講和条約は、未来志向の条約だが、それは過去の歴史認識を双方で一致させた上でのことである。その厳粛な意味に関して、日本政府要人も日本人一般も、あまりにも鈍感である。そのことは、今年85日の記事でも、領土問題を考えることと同時に言及した。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12690527068.html

 

私は、日本の明治以降の近代史を全面否定する者ではない。祖先の努力に対して尊敬し感謝する1人である。そして、昭和の戦争での大敗の後遺症の結果、日本国は未だ1人歩きできない人のような情況にあることを非常に残念に思う。

 

高市氏に総理大臣になってもらって、一日も早くその情況から日本を救ってもらいたい。そのために敢えて、靖国問題を適正に理解してもらいたいと、ここに書き記すのである。

 

2)野田佳彦氏の衆議院での質問と政府の答弁:

 

平成18年の国会において、この問題に対する質問が野田佳彦氏によりなされた。その一部を下に書き下す。

> http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a164308.htm

 

 国内法に基づいて刑を言い渡されていないものは、国内において犯罪者ではないのは明らかである。政府が、「A級戦犯」は国内において戦争犯罪人ではないことを明確にした意義は大きい。
 しかしながら、政府見解には未だあいまいな部分が残されている。もし政府が、一方で、「A級戦犯」は国内の法律で裁かれたものでないとして「国内的には戦争犯罪人ではない」としながら、もう一方では、日本はサンフランシスコ平和条約で「諸判決・裁判の効果」でなく「裁判」を受諾したのであり、国と国との関係において、同裁判の「内容」について異議を述べる立場にはないとするのならば、これによって他国からの非難に合理性を与えていることとなる。

 

 刑罰が終了した時点で受刑者の罪は消滅するというのが近代法の理念である。したがって、極東国際軍事裁判所が「A級戦犯」を戦争犯罪人として裁いたとしても、その関係諸国は、昭和三十一年以前に処刑された、あるいは獄中死したものも含めた「A級戦犯」の罪はすでに償われていると認めているのであって、「A級戦犯」を現在においても、あたかも犯罪人のごとくに扱うことは、国際的合意に反すると同時に「A級戦犯」として刑に服した人々の人権侵害となる。

 

この質問に於いて野田佳彦氏は根本的間違いを犯している。それは、上記質問において「刑罰が終了した時点で受刑者の罪は消滅するというのが近代法の理念である」と記している部分である。

 

刑罰が終了した時点で消滅するのは、あくまでも刑罰であり、罪ではない。もし罰とともに罪が消滅するのなら、前科の意味がない。それは社会とそのルールの本質を理解していないことになる。

 

つまり、野田佳彦氏が質問書において記したように、「A級戦犯」は国内(法)的には戦争犯罪人ではないという政府の判断(平成171025日の答弁書内閣衆質16321号)があるものの、サンフランシスコ講和条約(第11条)で東京裁判を受け入れている以上、総理大臣の靖国参拝に対する他国の非難には、一定の合理性があるのである。

 

この質疑応答で付加的に明らかになった重要なことは、国内であの戦争の指導者たちの責任について、公的な議論が殆どないことである。つまり、下手な戦争で日本人300万人余の生命が失われたこと(補足3)の責任を誰もとらないという無責任国家の現状から、一歩も日本政府は脱していないのである。

 

この質問に対する政府答弁は、型通りのものであり、何の参考にもならない。答弁書の最後の方に、以下のように書かれている:内閣総理大臣の靖国神社への公式参拝は、戦没者一般を追悼するために行うものであり、同神社に合祀されている個々の戦没者に対して行うものではない。

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b164308.htm

 

内閣総理大臣の公式参拝が、所謂A級戦犯の霊に対し尊崇の念を示すことではないと、客観的に言える根拠が何処にあるのか政府に答えてもらいたい。そんなものは何もない。この中途半端な姿勢が、対米国を含めて、国際的批判がなくならない原因である。

 

米国から信用されない限り、日本がまともな独立国として、独自外交する能力が得られないのである。日米安保条約が改訂された後の1972年、ニクソン訪中時に、周恩来とキッシンジャー補佐官の間でかわされた言葉の意味をもっと深く考えるべきである。(補足4)

(編集17:10)
 

 

補足:

 

1)高市氏が、同盟国の米国が反対するのが解らないと言うのは、氏がこの問題(総理の靖国神社参拝問題)を、中国や韓国への侵略の歴史との関係でのみ捉えているからである。つまり、この問題がサンフランシスコ講和条約の解釈、つまり先の戦争全体に対する連合国側の解釈、に触れるからだという視点が欠けているのである。二回目の(補足1)の引用符のところにまで読まれた方は、理解されると思う。

 

2)サンフランシスコ平和条約の第11条:

日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基づく場合の外、行使することが出来ない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基づく場合の外、行使することができない。https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S38-P2-795_1.pdf

 

3)先の日米戦争の原因として、日本の下手な政治と外交があった。米国におんぶに抱っこで漸く勝った日露戦争の現実を、十分日本国民は理解しなかったのである。つまり、米国は中国大陸進出を、日本を利用して行おうと考え、日露戦争の戦費調達から、タイミングを計って講和を勧めることまで考え手配したのである。それにも拘らず、日本はその後米国に満州進出させるという約束(桂ハリマン協定)を守らなかったのである。この辺りの歴史の背後には更に、米国在住のユダヤ資本の米国政治への影響や、どちらともなく出来た満州をユダヤ人の住処とする案(日本側からは所謂フグ計画として存在した)などがあると思う。

 

4)キッシンジャーは周恩来に、このまま日本が経済発展し、軍事大国になったら厄介なことになると言い、日本の軍国主義を封鎖するちょうど「瓶の蓋」に当たると言って、日米安全保障条約に対して中国の理解を求めたのである。このことは、日米の間に基本的な信頼感すら存在しないことを示している。これはどこかで述べたことだが、在米の評論家伊藤貫氏の言葉「何処が核武装しても、米国国務省は日本だけには核武装させないだろう」がそれを示している。

2021年9月11日土曜日

ジョージ・ソロスによる習近平批判の深層

米国左翼の大物であるジョージ・ソロスが3つの記事で習近平を批判したことが、ニュースになっている。Wall Street Journal(WST)掲載の記事2本(最近のは9/6)Financial Times (FT8/30)の記事である。

 

Harano Timesさんの動画2本(https://www.youtube.com/watch?v=7zgfF91zDhIhttps://www.youtube.com/watch?v=r-basoYxJ5w)及び、及川幸久氏(https://www.youtube.com/watch?v=fYigp_fidGM)が、今回のソロスの意見を紹介している。

 

ジョージ・ソロスはそれらの記事で、習近平はマーケットの仕組みを理解していない。全ての中国企業を1党独裁の道具と見做していると指摘している。そして、ブラックロックという世界最大の投資ファンド(米国の年金基金)が最近発表した中国へ多額の投資を批判し、議会は中国への投資を制限する法律を作るべきだと言っている。

 

WSJの記事のタイトル:“BlackRock’s China Blunder”、Pouring billions into the country now is a bad investment and imperils U.S. national security. ブラックロック(世界最大の投資ファンド、米国の年金基金)による中国の失敗:今その国(中国)へ数十億ドル注ぐことはわるい投資であり、米国の国家安全保障を脅かす。

 

及川氏は、中国で経済危機が起こる可能性が高いこと、例えば恒大集団など不動産企業が次々と破綻したら、リーマンショックどころではないと、ジョージ・ソロスのその指摘を高く評価している。

 

ソロスWSJの記事で、習近平は毛沢東の独裁政治に回帰する道を歩んでおり、開かれた社会の敵であると批判している。この記事の内容に関して、HaranoTimesさんは、ソロスは米国の共産主義勢力を支援しているのに、「習近平は開かれた社会の敵である」との批判は何か変だと、その非論理性を指摘している。

 

そして、習近平はレーニン式マルクス主義者だが、ジョージ・ソロスは文化的マルクス主義を信奉していると言っている。つまり、批判の裏にイデオロギーの違いが存在するという解釈を披露している。米国の文化的マルクス主義には、ユダヤ的ユートピア意識があるとすれば、その指摘は正解に近いかもしれない。兎に角、習近平の中国が米国のグローバリストらと、本当は対立する立場にあったことを、ソロスが漸く知ることになったのだろう。

 

2)ソロスは、中国共産党政権を利用して、彼らの世界帝国を築くことを考えていた?

 

このソロスと習近平の対立について、明快な解説が大紀元エポックタイムズ系の遠見快評という動画サイトに現れた。この考えに全く賛成であるが、かなり危険な内容と見えて、大紀元エポックタイムズは、自分達の公式見解ではないという注意書きを添えている。

 

 

 

この解釈は、前回のブログ記事の第3節の内容と殆ど同じであり、そこでは以下の様に書いた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12696702704.html

 

中国共産党政権が成長し、中央アジアからアラブ諸国をその勢力圏に収めることは、米国の支配層グローバリスト達にとっては、中国も最終的には飲み込むことが可能だと考える限り、歓迎すべきことであった。その共通項は、マルクス主義である。

 

過去のブログでも何度か書いている。中国共産党政権が目指すのは、鄧小平から習近平まで一貫して中国共産党幹部による中華世界帝国である。共産主義思想とは何の関係もない。そして、ジョージ・ソロスらが目指すのも、彼らを中心としたユダヤ思想的世界帝国の実現であり、これも元々のプロレタリアートの権利拡大の思想とは関係はない。

 

ジョージ・ソロスらは、習近平が居なくなり鄧小平から胡錦濤までの中国に戻れば、再び中国と協力できると思っている可能性が大きい。それは遠見快評の唐靖遠氏の言っている通りだと思う。

 

ーーー 以上 ーーー

 

2021年9月8日水曜日

習近平の第二次文化大革命や共同富裕策に苦しむ中国:日本の悲劇への序章か?

中国の政治では、共産党が国家組織より上位にある。共産党の中央政治局常務委員が党の最高幹部であり、国家主席や全人代(国会)議長など国家の要職は、彼らの中から選ばれる。現在7名で、チャイナセブンと呼ばれ、国家の方針はその会議で事実上決定される。

 

独裁になるのか合議制で決定されるのかは、常務委員の間の力関係、及び中国共産党の歴史が関係する。(補足1)毛沢東時代には長期独裁が続いた。それは、毛沢東の“創業者”としての特別な地位と、その地位を守るための「努力と策略」があったからである。

 

長期独裁は国を衰退させる。それでも国家が独裁に陥るのは、①権力の分散が制度化していないことと、②最高権力者に成れば、国の発展よりも地位保全に関心が向かうからである。それは、権力を得るまでに多くの敵を作って来たことと、その地位を失うと、名誉だけでなく自分と家族の生命までも失う危険性が高いからである。一旦独裁に向かえば長期独裁を目指すのは必然である。(補足2)

 

最高幹部に一定の安心を与える一工夫として、常務委員となったものは訴追されないという伝統が出来ていた。それにより、中身のある議論を可能にしようという知恵である。しかし、20154月に前政治局常務委員の周永康が刑事訴追され、その伝統も破られた。習近平は一層孤独な独裁者となった。

 

来年習近平は第二期の5年目を迎える。憲法を改正したので第三期以降も国家主席を務めることは可能である。しかし、第三期目になれば、そこからは明確な独裁と見なされ、その席から降りたくなっても、無事には降りることは出来ないだろう。(下に最近の中国トップの周辺についての動画を示します。)

 

 

 

 

 

一人の人間の能力には限界がある。巨大な量の広い分野に亘る情報を受け、その正確な実時間処理が必要な国家の方針決定に、独裁者一人で対応できる筈がない。上に到着する情報は、聞くに心地よい良いものばかりになり、どれが嘘でどれが真なのかさえ解らない情況になる。その結果、国家は迷走することになるが、その責任は独裁者が負うべき負債として蓄積する。従って、独裁者がその地位から落ちるときは、常に悲惨である。

 

2)独裁政治の例:毛沢東の大躍進運動と文化大革命

 

権力が一人に集中すると、政権は一定期間安定化するが、時間が経てば国民の生活は荒れる。例として中世の絶対王制や現代の北朝鮮キム王朝が挙げられるだろう。武力革命により出来上がった共産党政権は、スターリンや毛沢東という独裁者が支えた。神格化された毛沢東が、国の惨状を一挙に解決することを夢見て大躍進運動を行なった。その結果、中国は経済的困難に陥り、数千万人とも言われる死者を出したという。(補足3)

 

どん底の情況下で、政権が劉少奇と鄧小平らに移行したのは、その失敗に上から下まで疲れ果てたことと、最初に記した政治システムの集団指導機能が隙を見て働いた結果だろう。それでも数年後、権力奪回を目指し、毛沢東は文化大革命(1966~1976)を行なった。

 

毛沢東は、大躍進運動の失敗が自分の終着点となる恥辱に耐えられなかったのだろう。その後の国民の苦悩と引き換えに毛沢東が死後得たのは、天安門広場に肖像画が掲げられたことと、全国民に対する“英雄毛沢東”という“刷り込み”だった。(補足4)

 

文化大革命は、“精緻に計画された体制内の権力闘争”であり、毛沢東は紅衛兵という少年の純粋無垢且つ無知の強烈なエネルギーを、敵対する知識人らの排除に用いた。(補足5)独裁政権再構築の企みが成功するには、神格化された毛沢東像の確立と、知識層を中心に多くの国民が不幸の渦に巻き込まれることが必要不可欠だった。

 

文化大革命に関しては、8年前の本ブログに書いたように、ユン・チャン(張戒;Jung Chang)が著した「ワイルド・スワン」という本に著者の実体験が記されている。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466514061.html

 

3)習近平の独裁政権樹立への努力

 

この毛沢東の独裁を模倣しているのが、習近平である。毛沢東のように、神格化された習近平像を作り上げる様々な政策を行なっている。今年から習近平思想を小学校で教育するのもその一つである。https://www.afpbb.com/articles/-/3364311

 

対外政策として習近平は、中華秩序を世界に布く新バージョンの中華帝国創設を目指している。具体的には、一帯一路政策とアジアインフラ投資銀行などで、西と南の方向に中華秩序を広げる戦略をとり、技術的な面で世界のリーダーとなるべく中国製造2025や千人計画を立案し、実行しようとした。

 

国内での地位を絶対的にするため、将来の有力者を「ハエも虎も叩く」と称する腐敗撲滅運動の形で、次々と葬り去る方法を用いている。このような欺瞞的な口実でも、政敵の排除には有効だということは、如何に大衆は無知なのかを示している。

 

政敵を言論の力ではなく物理力でねじ伏せることの代償は、協力者が殆ど居なくなることと、命の危険に晒されることなくトップの座から降りることが不可能になることである。このような手法を用いても尚、大虎を叩くことは現在まで出来なかったことは、習近平政権の基盤の弱さを如実に示している。兎も角、習近平は最初から独裁を目指した筈である。

 

中国共産党政権が成長し、中央アジアからアラブ諸国をその勢力圏に収めることは、米国の支配層グローバリスト達にとっては、中国も最終的には飲み込むことが可能だと考える限り、歓迎すべきことであった。その共通項は、マルクス主義である。

 

そこで米国支配層らは、オバマ政権のときには、習近平政権に融和的であった。副大統領バイデン父子や国務長官ケリーに近い者が、中国において経済的利権を手にすることができたのは、そのような背景があってのことだろう。

 

ところが計算が狂ったのは、トランプが米国大統領になったことである。中国が目指して来たのは共産主義大国ではなく、西欧の文化に見向きもしない(法治の原則も人権も無視する)グローバルな中華帝国であることを、世界に明確に示す羽目になったからである。そして、グローバリストが目指す統一世界と最終的には敵対することが明らかになった。それが、ジョージ・ソロスが最近中国非難を繰り返す理由だろう。https://courrier.jp/news/archives/259762/?gallery

 

4)新版文化大革命

 

米国が民主党になって、再度融和的になると習近平中国は予想していただろう。今年4月ごろまでは未だ余裕があり、習近平のブレインと思われる中国人民大学翟東昇教授は、新型コロナのパンデミックを、一帯一路構想をバージョンアップするチャンスだと主張する講演をしている。(補足6)新型コロナを良い機会と捉えるのは、世界経済フォーラムと同じである。(HaranoTimesさんの動画:https://www.youtube.com/watch?v=jDm2cz8JRQU

 

しかし、米国支配層は、オバマ政権の時のように融和的姿勢には戻らなかった。危機感を抱いた中国の元幹部らは、多分6月ごろから、習近平を替えなければ中国に将来がないことを悟った。その結果として、北戴河会議(8月下旬)で汪洋の名前が現れたとすれば辻褄があう。

 

第三期の国家主席になって、習近平が来年以降も政権を維持するには、独裁強化が必須である。国民の支持を失った独裁政権は、広く国民も締め上げることで、暫くの間安定化する。逆方向には道がない。(補足7)しかし、それは独裁者自身も強烈な圧力を感じながらの作業となるだろう。

 

その独裁強化の一環として、“ニューバージョンの文化大革命”が始まったようだ。具体的には、芸能界を圧殺し、教育産業を潰し、習近平思想の小学校教育への導入(上述)、IT関連銘柄から多額の罰金を召し上げるなどである。https://www.jiji.com/jc/article?k=2021090500179&g=int 

 

この最後のものは、共同富裕という社会主義政策の実現という名目で行われているようだ。共同富裕と名付けたのは良いが、それは共同貧困への道だと普通の知性は見抜いている。資本主義経済が壊れれば、中国は貧困化するのは当然の成り行きである。

 

上記記事で環球時報の編集長が、「今回の変革で、(中国の)市場は資本家が一晩で大金持ちになれる天国ではなくなる。われわれは一切の文化の乱れを整理する必要がある」と主張したとある。

 

その習近平の「共同富裕」なる方針により、中国の一流企業は国家に富を吸い上げられることになる。今日6日のCNNは、“中国アリババ、2025年までに1.7兆円拠出 「共同富裕」実現へ”と題する記事を掲載した。

 

多くの一流企業のトップが、自分の命の保障を得るべく、共同富裕実現のために多額の寄付をするとの声明を出しているのである。これは、大躍進運動で、各家庭の鍋釜を供出させて鉄地金をつくり業績をあげる地方の共産党幹部のやり方と同じである。中国経済は極めて困難な情況になるだろう。それをジョージ・ソロスも指摘し、習近平を攻撃する文章を寄稿しているのである。

 

独裁政権では、統治者と非統治者の間に全く信頼感がないので、その維持には現物を示す必要がある。習近平が、第三期の国家主席につけば、いよいよ独裁政権が完成する。貧困化する中国で独裁政権を維持するには、強烈な名目が必要になる。それは台湾の併合である。それは日本にとって悲劇となるだろう。(10:45編集)

 

 

補足:

 

1)毎年8月に東北部の北戴河に、これまで政権中枢を担った長老たちと現役の首脳が避暑を兼ねて集まり、非公式に会議を開く。その中で、共産党政権の今後が話し合われる。今年、将来の指導者として汪洋というチャイナセブンでは序列4位の人物の名前が浮揚したと言われる。この「北戴河会議」も伝統の力の一つである。

 

2)権力の分散の制度として、一つは三権分立の民主主義のような近代制度がある。更に、最高権力者が、国家行政組織の外に存在する場合、政治のトップによる独裁が生じにくい。例えば宗教指導者が国家元首になる場合、或は、宗教の教義がその役割をする場合などがある。その宗教が“まとも”で、それによる束縛が問題にならなければ、良い政治制度が得られる可能性がある。

 

3)大躍進運動(1958~1961)の場合、「鉄は国家なり」を信じて毛沢東は大増産を命令し、部下は民衆から生活必需品の鍋釜などを取り上げ地金にしてまで、供出する鉄の量を競ったという。鉄だけでは国家はなりたたないことを諭す部下は、居なかったのである。

 

4)ソ連時代のレーニンも同様の栄誉を得て赤の広場に霊廟が置かれ、24時間衛兵が警備するという栄誉を得た。しかし、ソ連の崩壊により、それらは取り除かれた。

 

5)少年の純粋無知を用いる戦略は、イラク戦争の開始する際の少女ナイラさんや地球温暖化を攻撃する際の少女グレタ・トゥーンベリさんの利用と同じ類の戦術である。

 

6)東昇教授の動画は、米中関係の背後にユダヤ系資本家の協力があったこと、バイデンの資金供給に中国が協力したこと等を暴露した。https://www.youtube.com/embed/gTcWNnYltaU;(このブログ・サイトでは127日に紹介した)

 

7)勿論、中国は未だ集団指導体制に戻る可能性が残されている。それには、習近平が地位も名誉も失った自分を許す決断と、李克強を筆頭に現在のチャイナセブンの残り6名が、優れた忍耐力を示すことの両方が最低限揃う必要があるだろう。

2021年9月4日土曜日

米軍のアフガニスタンからの敗走の不思議:米国が心配だ

米軍は20年間の戦闘を終えて、831日にアフガニスタンから撤兵した。その撤兵は無計画な形で、多くの同盟国の撤収に気を配らないばかりか、自国民の撤収をも無視した形でなされた。まるで命からがら逃げる満州の日本軍のようである。(補足1)

 

極めて不可解なのは、タリバンが831日までのカブールの治安を米軍に要請したのを断り、タリバンに任せたという点である。そして、米軍が警備したのは、カブールの空港のみであった。米軍のバグラム空軍基地放棄も不思議だが、それについては遠藤誉氏(補足2)の解説をご覧いただきたい。

 

「まるで敗戦直後の日本軍を奪い合う中共軍――米大使館存続望むタリバン」https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20210830-00255697

 

繰り返す。タリバンですら、本来なら米軍がカブールの治安維持を期日までする筈だとおもっていたし、そのように提案したというのだ。それを断って、カブールを早々にタリバンに任せたのである。まるで、わざと混乱する様にアフガニスタンを残して、米軍が撤収するかのようである。

 

 

 

その所為で多くの日本人もカブールの空港にたどり着くことが出来なかった。米国人すら、数百人がカブールに取り残されたというのである。

 

831日に撤収するのなら、それまでの期間は首都カブールの治安を米軍が維持し、自国民や同盟国の全ての人員を撤収させ、その後で米軍が撤収してタリバンにその後を託すという具合に計画的に行うのが普通である。米軍は優位であったのだから、そうすべきことは素人でも判る筈である。

 

日本でも報じられている様に、アフガニスタンのガニ大統領は、暫定政権を放り出して外国に逃亡した。その無様な様子を単純に笑っていた人も、その背後にバイデンとタリバンの話し合いで決めた上記のことを知れば、ガニ大統領が逃げるのは当然だと思うだろう。

 

米国の主流マスコミもこの異常な撤退を様々な角度から報じているようだ。ワシントン・ポストは、上記のバイデンとタリバンのカブール統治に関する取り決めを報じ、ニューヨーク・タイムズは米軍がタリバンに残した山程の武器や軍用自動車などを図入りで紹介した。

(上のyoutube動画:https://www.youtube.com/watch?v=sh8pitGmUc4

 

これまで戦っていた相手に大量の武器のプレゼントするとは!不思議を通り越して、何か悪夢を見ている筈だと自分を抓ってみるが、どうも真実のようだ。しかも、それ以前の一年半ほどの期間で、米軍を背後に持つアフガニスタン政府軍からタリバンに多くの武器を売り渡すという不可解な出来事があったことを考えると、そこまでバラして良いのかと、米国の方が心配になる。https://courrier.jp/news/archives/257495/?utm_source=article_link&utm_medium=photolink&utm_campaign=articleid_259199

 

バイデンはそれでも、アフガニスタンからの撤兵計画は並外れた成功だったと自画自賛したようだ。更に、国外避難を希望したアメリカ人の90%を避難させたと胸を張ったという。取り残された10%には目をつむるのである。(補足3)https://www.youtube.com/watch?v=m_dn6QNMCWo

 

インチキ選挙をしてまで、こんな人を大統領にした米国支配層の罪は大きい。「罪は大きい」というのは、意図せずにこの失態となったと仮定した場合の話である。もしその前提が間違いなら、この表現はあたらない。それを書いたのが91日の記事「自由主義国家群の団結を破壊するバイデン民主党政権」であった。繰り返す、米国が心配だ

 

世界の混乱はアメリカの混乱から始まる。それらが計画されたものなら、その背後に居るものにはおよその見当がつく。中国は彼らの相棒のようだが、習近平はその邪魔者らしい。それを察知したのか、中国の現政権は、習近平思想を小学校で教え毛沢東時代に逆行を始めたようである。(補足4)

 

本当に恐ろしい時代がやってくる。日本国の政治家は、その危機に全く何も感じないうようで、未だにコロナ対策が最大唯一の課題と考えているようだ。日本のマスコミは相変わらず、本当の日本国の危機を報道せず国民の愚民化政策のために働いている。

 

かれら全てが、“壁通り”か“駄母寿”かは知らないが、世界支配を目指す者たちに上から伸びているワイヤーで操られていることを良しとしているのかもしれない。アフガニスタンに取り残された米国人や日本人と同じ運命に、我々も在るのかもしれない。

 

 

補足:

 

1)五木寛之さんは旧満州から引き上げた。その際の悲劇の半分は、真っ先に敗走する日本軍がもたらしたと言える。一流の作家故に、真実の人間の姿を教えてくれる。https://www.nishinippon.co.jp/item/o/433752/

 

2)遠藤誉氏は満州国新京生まれの人で、中国問題の専門家として知られる。自分の体験を基に書いた「チャーズ中国建国の残火」は有名。元々の専門は物理学である。山崎豊子の「大地の子」のチャーズに関する部分で著作権侵害の訴訟をしたことでも知られる。

 

3)このようなセリフを吐いても、バイデンは未だ大統領の席に安全に座っていることも不思議である。現在すでに米国は内戦の中にあると考えれば、不思議ではないが。

 

4)習近平は傾きかけた政権を守るために、毛沢東の文化大革命の新しいバージョンを始めるようだ。北戴河会議で汪洋という人物が浮かび上がったというニュースと、この第二次文化大革命、及びジョージ・ソロスの二度に亘る習近平批判が恐ろしく共鳴している。日本は遠くの雷鳴を伴う嵐を前にして、未だにコロナ踊りに興じている。

新型コロナ感染者の年代別統計とワクチン接種効果=K市の場合

下は、中部地方の大都市近郊の都市(人口約15万人)について、新型コロナ肺炎感染者に関する統計結果である。昨年10月から今年830日までを3つの期間に分け、男女別年代別の感染者の割合を百分率(%)で示した。

 

 

 

中央と右端の表はおよその人数を揃えて、意味のある比較が可能な様にした。右端は今年8月1日 〜30日の間の感染者分布である。K市では70代以上のワクチン接種を7月末までにほぼ完了しており、その効果を見るためにこの期間を独立させた。

 

上の図は、K市公表のデータから独自に作った毎日の新規感染者数とその積算値のグラフである。積算値は、縦軸のメモリを30倍してほしい。これと日本全体の新規感染者数のグラフを比較すると、殆ど同じプロファイルである。(補足1)これから、日本全体でも、以下に記すK市のみに関する結論と同様の結論が得られると思う。

 

1)ワクチン接種効果


中央と右端の分布のテーブルを比較してみる。70代以上の感染者の全感染者に占める割合は、右端の表にあるように僅か1.1%である。一方、左端と中央の表では、この年代の感染者の占める割合は、何れも10~11%を占めている。

 

この大きな差の原因としては、やはりワクチン接種の感染防止効果が考えられる。もし、愛知県下のK市でも8月にはデルタ株が主となっているのなら、ファイザー社のワクチン接種は、デルタ株に対しても感染防止に大きく役立っていることになる。

 

感染防止する大きな効果があれば、仮に感染者を母集団にした統計において重症化と死亡率にワクチン接種効果がなくても、全人口を母集団とした統計では、死亡率の大きな低下となっている筈である。

 

尚、私の712日のブログ記事で、英国での分析結果を紹介した。そこで以下のように書いた。

 

δ株での致死率は、①50歳前では0.02%程度であり、ワクチンを接種しても低くならなかった。②50歳以上の年代では、ワクチンを打たない場合の致死率は5.6%、ワクチンを2回打った場合が2.2%であった。つまり、50歳以上でも致死率という点では、完全には程遠い接種効果だった。

 

 

この英国のデータに対する議論は、同じ世代(50歳以上)の感染者を母集団(補足2)とした議論であったのに対して、今回のデータ解析は全世代の感染者を母集団にした70代の感染者の割合に関する解析である。人口も感染者数も上げているので、上記結論は、全人口を母集団とした場合の結論とも言える。

 

もし、50歳以下の若い層に対しても、ワクチン接種が感染防止に大きく役立つなら、感染者に対する重症化や死亡の率にそれほど効果がなくても、その世代の全人口に対する重症化や死亡率の低下に大きく貢献することになる。

 

 

2)若者の感染増加について:

 

令和3年8月の感染者の中で、10代と20代の占める割合は、夫々16.8、30.7%である。一方、令和3年5月までの感染者では、夫々、13.1、19.7%である。令和2年10月〜12月の場合も、夫々、

9.9、17.9%であり、令和3年春までの感染割合に近い。

 

10歳未満の層では、8月は5.5%と他の期間(令和3年春までは8.2%; 令和2年秋は7.2%)より低い。この層の率が低いのは、夏休み中の感染経路は主に家庭内感染であり、10代と20代の若者の感染経路とかなり違うからだろう。恐らく9月以降には、10歳未満の層も8%程度に増加するだろう。

 

全期間を通じて60代の感染が低いのは、やはり街なかや他府県などに移動するなどの機会が少ないからだろう。

 

最後に:

 

7月から8月にかけて、m-RNA型ワクチンの接種効果、特に重症化と死亡を防ぐ効果について、かなり悲観的な意見を書いてきた。それは、感染者を分母にした死亡率や重症化率という点で、ワクチン接種の効果が完全には程遠かったからである。

 

上に引用した7月12日の記事に書いたように、一旦感染すればワクチン接種をしていても死亡率は4割程度に低下するのみであった。しかし、今回、感染防止という観点からワクチン接種に大きな効果があるらしいことが分かった。

 

新型コロナの件でかなりの数の記事を書いてきたのだが、今回はそれ故生じた責任を果たすという意味で、取り急ぎ報告させていただいた。

(編集、14時30分)

 

補足:

 

1)下に日本の累積死亡者と新規感染者のグラフを示す。8月に感染した人が死亡して、上の図の統計に現れるのは週間位後になるだろう。それを考えても、死亡者の増加はそれほど大きくはない。英国やイスラエルなどでも、デルタ株による死亡率はかなり小さい。

 

2)母集団とは、パーセンテージを出す時の分母を与える集団である。我々が先ず関心を持つのは、全人口を母集団にした解析である。それが、特定の一人つまり自分の感染確率とそれによる死亡確率に比例するからでる。

(9月3日、午前12時投稿)

2021年9月2日木曜日

自由主義国家群の団結を破壊するバイデン民主党政権

以下の文章には陰謀論的な部分がふくまれます。その部分を赤字で示しますので、注意してお読みください。

 

1)バイデンの米国弱体化計画?

 

アフガニスタンから米国が撤兵し、現地に取り残された日本人や日本公館で働いていた現地人は、タリバン支配のアフガニスタンに取り残されることになった。特に日本に協力したアフガニスタン人の命が心配である。もう少しの時間的余裕があれば、救出出来た筈である。

 

同様の思いをしているのが西欧諸国である。バイデンが西欧諸国の要請を振り切って、急いで撤兵した裏には、自由主義国家の連合の弱体化計画があったのだろう。

 

米軍撤退が31日朝に完了した件、ペンタゴンのマッケンジー将軍が記者会見で説明した。https://www.cbsnews.com/news/afghanistan-withdrawal-united-states-troops-pentagon/ 

(追補、2日午前5時、FOXTVのニュース解説がわかりやすい:https://www.youtube.com/watch?v=vjYdv28RwHA

何と数百人の米国市民がアフガニスタンに取り残されているという。バイデンのテレビでの約束は何だったのかと、及川氏が怒りを抑えて話す。

 

 

 

この混乱はバイデンの責任である。しかし、バイデン個人の責任である筈がない。背後に、バイデンを好きなように操っている連中がいるだろう。その準備として、認知症の危険性があると散々マスコミで報道したのだろう。(補足1)兎に角、及川さんのyoutube動画を見てもらいたい。

 

米国の政治はこれから混乱する可能性が高い。その結果、米国は分裂の危機を迎え、分裂しないまでも弱体化するだろう。これまで、米国は自由主義国家群のリーダーとして西側先進国束ねるように見えたが、今後は、その呼びかけは誘蛾灯のようなものだろう。

 

それに呼応して集まる国家は、リーダーである米国の崩壊により、次々と共産党中国の配下に自ら入るだろう。ドイツとフランスが先頭を争うだろう。米国民主党の背後に居る連中は、この一連の動きのあと、中国と協調して、世界を中国共産党支配にする可能性がある。

 

以下は強烈な陰謀論モードであるが、ダボス会議などが主張しているグレートリセット(補足2)に向けて、バイデンの民主党も協力するのだろう。世界の主権国家体制を解体して、ある層の支配するグローバル企業群を構成員とする地球国家を作るという革命を、大混乱を経て達成するつもりなのだろう。

 

この計画において、ジョージ・ソロスがダボス会議で話したように、習近平は邪魔かもしれない。

 

 

しかし、中国共産党政権自体は敵ではないだろう。中国は既に共産党幹部が経営する強力な株式会社を構成員とする国家である。

 

グレートリセットのプロセスは、世界の大混乱の中で、かなり長期間かけて進むだろう。世界中で失われる生命は億人単位で数えられ、消滅する国も多いだろう。核兵器を保持しない国々、核兵器搭載のミサイル技術を持たない国々、SLBMの核兵器を持たない国々は、弱い軍事力の順に、国民ともども消失する可能性がある。

 

こんなことを考える人が居るとしたら、何と恐ろしいことだろうか。これが私だけの陰謀論であってほしい。

 

2)ジム・ロジャーズの言葉:

 

ユダヤ人三大投資家(補足3)の一人ジム・ロジャーズが最近まで言っていた言葉が再び頭の中で反響する。「10歳までなら、日本人は韓国や中国に移住すべきだ」と。没落の日本に残っていては未来がないというのだ。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68076?page=4

 

ジム・ロジャーズは言っている:「1807年にロンドンに移住するのは素晴らしいことだった。1907年にニューヨークに移住するのは素晴らしいことだった。そして、2007年にはアジアに移住することが次のすばらしい戦略となるだろう。」そして、「米中は協力し、世界を幸せにすべきだ」とも言っている。https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00087/052700048/

 

彼は、家族とともに2007年、ニューヨークからシンガポールに移住した。このユダヤ資本の足取りは、英国の反映、続いて米国の反映、最終的に中国でのユダヤ世界帝国の完成(つまりグレートリセット)を意味しているのではないだろうか。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12544848302.html

 

混乱は革命の前段階として必要である。新型コロナ肺炎(Covid-19)のパンデミックも、事前に混乱を起こすために仕組まれた可能性がある。

 

Covid-19のウイルスSARS-C0V2は、中国武漢の研究所において石正麗氏らにより、米国CDCのファウチ(Dr)らの資金援助で行われたことは周知である。昨年、ジム・ロジャーズはこのように言った:「新型コロナは危機の序章、本番はこれからだ」(すぐ上の日経ビジネスの記事参照)

 

3)ウオール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal日本語版)の今朝の社説:

 

バイデン父子とオバマ政権時の仲間ケリー(元国務長官)の義理の息子デェボン・アーチャー(Devon Archer)との中国での投資会社の設立、ウクライナでの収賄容疑などが、社説で報じられたようだ。記事全部は有料なので読めないが、今日はこのニュースが大きく報じられるだろう。

 

一昨年の大統領選挙に関心のあった人たちにはお馴染みのスキャンダルである。これでバイデンの役割は終わったのだろう。

 

 

(9月2日午前5時投稿)

 

補足:

 

1)言うまでもなく、DS(ディープステート)である。オバマ政権がSenior Executive Service (上級行政執行官)の改革と称して、DS配下の人物を大量にSESとして米国政府に組織した。CIAFBIも、彼らSESに抑えられている。あの選挙のインチキも、捜査結果は公表されないし、捜査されたかどうかも解らない。代わりに、彼らはトランプのロシア疑惑をでっち揚げようとした。トランプを応援する人は日本に多いが、彼とて日本に優しい訳ではない。どちらにしても、独立国日本にはジム・ロジャーズの言うように将来はない。

 

2)「グレートリセットは、株主のための株式会社が担う資本主義経済から関係者のための株式会社が担う資本主義経済へのスイッチングである」と説明される。日本以外で、「会社が社会の公器だ」と言った創業者がいるのか? 株主資本主義をゴリゴリ主張する側が、何を寝ぼけたことを言っているのだと言いたい。上の定義は要するに、中国モデルで世界を統一するということだろう。

 

3)政治に関心のある殆どの日本人も知っているだろうが、敢えてここに紹介する。ジョージ・ソロス(ホンジュラスから米国を目指す移民キャラバンを組織し、トランプを困らせたと言われている。)ウォーレン・バフェットは三人の内、最大の資本を持つようだ。そして、ジム・ロジャーズである。最後の人は、テレビに出て良く喋るので、何かと口が軽いように思われる。