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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2024年9月30日月曜日

石破新首相が考える安保政策を25日付で発表した米国のシンクタンク

米国ハドソン研究所のHPに9月25日の日付で「Shigeru Ishiba on Japan’s New Security Era: The Future of Japan’s Foreign Policy(日本の新しい安全保障の時代についての石破茂が語る:日本外交の将来)」という論説論説(Commentary)が掲載されている。

https://www.hudson.org/politics-government/shigeru-ishiba-japans-new-security-era-future-japans-foreign-policy

 

記事は、最初にこの文章がハドソン研究所に送られた由来を紹介する文章で始まる: 

 

Shigeru Ishiba, the next prime minister of Japan, exclusively shared his views on the future of Japan’s foreign policy in response to a request from Hudson Institute’s Japan Chair. The following is an unofficial translation of his response, which was published before Ishiba was elected and reflects his personal opinion.

 

日本の次期首相である石破茂氏が、ハドソン研究所日本担当主席の求めに応じて、将来の日本の外交に関する彼の見方を独占的に返答した。以下は彼の返答の非公式な翻訳文であり、選出前に出した私的な考えである。

 

本文には、①アジア版NATOの創設、②国家安全保障基本法の制定、及び③米英同盟なみに日米同盟を強化することが、それぞれ必要だと書かれている。

 

①のアジア版NATO創設については、以下のように書かれている。ウクライナがロシアの侵攻を受けたが、NATOに加盟していないウクライナは、安全保障理事会で国連軍派遣が決定されるまでの間の国連憲章51条に謳う集団的自衛権の行使が出来なかった。もし、日本が中国に侵攻されたとして、ウクライナと同様の運命に陥らない為には、アジア版NATOが創生され、日本が加盟しなければならない。

 

この考えは、安倍内閣の時の集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定があっても、日米安全保障条約第5条による米国の軍事協力に不安があることに因る。つまり、5条の中にある「自国の憲法上の規定及び手続に従つて」という条件が、米軍が日本防衛に参加しない根拠となる可能性を石破氏は考えているのだろう。

 

これらの不安材料をなくすために、国内法の整備である②国家安全保障基本法の制定と、③日米同盟の米英同盟なみの深化・強化が必要だと考えられる。日米安保条約にある米国の言い訳「自国の憲法上の規定及び手続に従つて」が事実上無効となり、迅速且つ無条件に米国の軍事協力が得られるようにしたいのだろう。

 

短い文章であり、日本語訳もついているので、簡単に読める。ここでは私の理解のエッセンスを書いた。

 

2)何故米国のシンクタンクは25日に既に石破氏が新首相になることを知っていたのか?

 

この記事の存在を知ったのは、ヤフーニュースが韓国ハンギョレ新聞の記事を報じたからである。同新聞は、このアジア版NATO構想が本格的に推進されれば、韓国もその集団安保体制に参加する構図になり、波紋は避けられなくなる。ただし、実現の可能性については疑問の声が多いと書いている。

 

ハンギョレ新聞は韓国の民主化に深く関係し、市民を株主として誕生した新聞だという。韓国が中国と日本の間にあることを考えると、上記の波紋の意味が分かるような気がする。

 

ハンギョレ新聞には、ハドソン研究所のHPに石破氏の上記考え方が現地時間の27日に掲載されと書いている。それは、ハドソン研究所日本担当主席が25日に石破氏から得た返答ではなく、27日にアップロードされた石破構想に関するIku Tsujihiro & Riley Waltersの解説記事だと思われる。

 

ハドソン研究所のHPで検索すると、commentaryの目次は以下のようになっている。

 

一番上に上記Iku Tsujihiro & Riley Waltersの署名で、次期首相としての石破茂の方針という記事があり、その4つ下に最初に紹介したハドソン研究所日本班のトップが受け取った石破茂氏の将来の日本外交についての返答が9月25日の日付で紹介されている。

 

既に上に書いたように、その25日に公表された文章中には明確に次期首相と書かれている。上の目次にみられるように、ハドソン研究所のHPが日付を間違える筈がない。この日付の矛盾として二つの可能性が考えられる。

 

一つ目は、27日の総裁選の結果が出る前に、ハドソン研究所は石破氏が次期総裁となる可能性が大きいと考えて、石破氏に今後の日本の安全保障外交についての考えを聴き、それを25日のHPにアップした。その後、実際に新総裁となったので、文頭の記事の由来を書き換えた可能性である。

 

二つ目は、党員党友の投票(26日に締め切り)の25日までの分の結果を知っていて、自民党議員の投票結果も合わせた最終結果に完全な自信をもって予知できる人物が存在し、それをハドソン研究所に知らせたというシナリオである。

 

この日時の矛盾は何を意味するのかはさっぱり分からない。自民党は選挙を捏造し、日本国民よりも米国のシンクタンクとより親密なのかもしれないとか疑ってしまう。或いは、そのように思わせる諜報活動かもしれない。どなたかこの日付と内容の矛盾がどうして生じたのかわかる人はコメントでお教えくだされば幸いです。

 

追加: なお、石破氏の自民党総裁への当選は意外であった。そのことは何よりも当選が決まった瞬間の為替と先物株価の急変が示している。(19時記入;同時に本文の編集少々)

 

=== おわり ===

2024年9月28日土曜日

石破新総裁で対中関係の危機は多少先送りか?

石破茂氏が27日の自民党総裁選の決戦で思わぬ票の動きで勝利した。第一回目の投票で党員票でも国会議員票でも高市氏に負けていた石破氏だったが、1位と2位の間で行われる決戦投票で、一回目で別候補に投じられた票がかなり纏まって石破氏に流れたと考えられる。

 https://www.youtube.com/watch?v=fdRADLbafak

 

 

恐らく前回の総裁選で出来ていた小石河(小泉、石破、河野)連合関係の票がかなり石破氏に流れたのだろう。また、第一回投票後の5分間演説 (動画2:16:00~) の最初に、石破氏がこれまで不快な気持ちにさせてきた議員たちに、自分の能力の無さの結果であったとして謝罪したこと等が、大きかったという評論家もいる。(補足1)

 

確かに石破氏の演説は良くまとまっていた。政治の原点を持っている人物のように思える演説だった。自民党をルールを守る公正な政党にするという言葉に共感した若手がかなりいた可能性もある。最後まで手を抜かなかった石破氏の姿勢が、思わぬ形で勝利に結びついたのだろう。
 

更に、高市氏の対中国強硬姿勢が不必要に中国を刺激することとなり、不測の事態を招きかねないと感じる人たちが、安心感を石破氏に求めた可能性もあると思う。また、石破氏がこれまでの演説で、日米地位協定の見直しや東アジア版のNATO創設という具体的な改革に言及したことに、若い世代の国会議員には賛同した人もいたと思う。

 

石破氏の経済政策には大きな不安を感じるが、経験と知識のある石破氏が当選したことは、安全保障、特に対中国外交の面で一安心だと言える。

 

その経済政策だが、大企業の利益の積み上げや配当金の増加を悪のように言及する発言、法人税や金融所得課税の強化への言及など、経済を疲弊させるような発言があった。その一方、海外進出率の高い大企業に国内回帰させたいという発言など、互いに矛盾し且つ自由主義経済の原則に反するような話をしている。(補足2)

 

決選投票前後の演説でも、岸田政権の「新しい資本主義政策」を進めるという類の発言をしていた。岸田氏が最初に言った新しい資本主義は、クラウス・シュワブの「株主の為の資本主義から全関与者の為の資本主義への転換」という考え方であり、突き詰めれば新世界秩序或いは世界共産主義帝国を築くという発想である。“論理的に話ができる”人だと思っていた石破氏から、新しい資本主義という言葉が出れば、経済界は警戒するのは必定である。
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2022/fis/kiuchi/0201_2

 

もし石破新首相となり、そのような左翼的経済政策を実行すれば、日本経済は不況に落ち込むだろう。小泉氏の解雇規制を徐々に緩和するという話よりも遥かに強い打撃を与える上に、何の利益も結局生まないだろう。実際、石破氏が当選した瞬間から日経先物が2000円ほど急降下している。

 

自民党の総裁候補9名とも、クラウス・シュワブの「新しい資本主義」が世界共産主義革命の現代版であることなど知らないのかもしれない。また、彼ら全員がウクライナ戦争とはロシアが領土拡大欲求を満たすために国際法に違反してウクライナ侵攻したことが殆どすべてであり、国際秩序が守るためにはロシアを懲罰し、ウクライナを全力で支援しなければならないという理解に留まっていることと符合し、将来の日本外交に不安を感じる。
 

以上、石破氏は新しい風を一時期日本政界に吹き込むかもしれないが、現在のままでは日本のリーダーとしては能力不足であり長期政権にはならないだろう。それでも今回先頭グループを形成していた石破、高市、小泉の三人の中では一番安定感のある人物だと思う。今後、いろんな人から話を聞いて、徐々に立派なリーダーに変身(補足3)していってもらいたい。


 

補足:
 

1)自民党議員の中にも、中国に対して強硬姿勢を見せる高市氏に不安を感じる人が多いかもしれない。首相になっても靖国参拝を継続するという発言もあり、高市首相が誕生した場合には中国に駐在する日本人に更に大きな被害が発生する可能性があった。そのような議員たちが石破氏の方に流れやすくする効果が、この謙虚な姿勢と言葉にあったと考えられる。

 

2)石破氏は選挙戦の演説の中で次のように言っている:ドイツや韓国の輸出額の対GDP比が夫々47%と44%であり、日本のそれは18%に過ぎない。その低い値は日本の製造業がより多く海外に出ている結果なので、それらの国内回帰を目指す。

ただ、企業でも人でも、日本を出るのは日本が棲みにくいからである。その改善をしないならそれら企業が日本に回帰する理由はない。企業の剰余金に課税したり、配当金などの金融所得に新たに課税するという石破氏の方針とは矛盾している。

そんなことはしないで、小泉氏が言ったような日本にダイナミズムを採り入れる改革を徐々に採り入れるのなら、海外進出した工場も日本回帰が可能になってくるだろう。

 

3)ソ連のゴルバチョフ書記長の例もあるので、まったくあり得ないことではない。自民党を換骨奪胎するのである。

 

(14:00修正;翌日早朝編集後最終版)

2024年9月23日月曜日

対中国防衛には核武装が必須である:深圳日本人児童刺殺事件で考えた

中国の脅威が米国の強める対中強硬姿勢により大きくなり、それに応じて中国は戦争準備を進める一方、日本も米国による対中国作戦への協力体制が着々と準備&整備している。http://www.world-economic-review.jp/impact/article1842.html 

 

それらを列挙すると: 1.憲法改正; 2.中露朝との緊張増幅; 3.NATO諸国の軍と共同演習; 4.防衛予算の拡大; 5.財政法無視の常態化; 6.人気の落ちた岸田総理から、女性初でグローバリストの総理大臣へのバトンタッチ?

 

6.の総理大臣の交代だが、自民党総裁選は9人の立候補を得て、27日の投票を待っている。その中で有力な議員が多くいるが、もう従米反中路線の高市候補にほぼ内定しているのではないかと14日の本ブログサイトで書いた。小泉進次郎氏は、大衆への人気と立候補会見での政策ともに抜き出ているが、落選するだろう。(補足1)

 

ほとんどの候補が掲げる中心的課題は経済振興であるが、河野氏と小泉氏以外は結局財政法(の精神)を無視して国債を大量発行する(日銀に半強制的に引き受けさせる)ことに頼るようだ。生産性向上に関して具体的且つ本質的な対策を述べているのは小泉候補のみである。(前回記事参照)そこで、いわゆる右派系を動員して大々的に小泉おろしキャンペーンがなされている。

 

中国及び米国の脅威に話を戻す。
 

今年6月頃だったと思うが最近の政治の動向を見て、ジェイソンモーガン氏は以下のように話している: 米国は戦争に先に黒人を送り込み、彼らが死んでから白人を送るという方法を、ベトナム戦争などで用いてきた。これから日本人が先に前線に送られ死ぬことになるだろう。 https://www.youtube.com/shorts/4IRBSSrCytI

 

これも少し古いが、今年625日の東京新聞のネット記事を引用する。“「自衛隊と他国との訓練」がこんなに増えている 対中防衛の最前線を「日本に任せたい」アメリカの思惑?” と題する東京新聞の記事がある。https://www.tokyo-np.co.jp/article/335733

 

上記 対中国政策の3NATO諸国の軍と共同演習について書いた記事である。ここでは対中防衛と書いているが、それは対中戦争とも読める。石破氏を除いて、残りの候補はほぼすべてこの米国の意思を尊重しているようだ。

 

ただ、対中国防衛として進めている自衛隊装備と他国との軍事協力の増強が、日本の防衛というよりも集団的自衛権行使を可能にした安保法制に則り、米国の対中国戦争へ向けた日本にとっては捨て身の協力体制のように見える。

 

日本国と日本国民の生命と財産の防衛を論理的且つ真剣に考えれば、対中国防衛には全く異なった体制が必要である。NATO諸国の軍と共同演習をやるより、日本国内での核ミサイル迎撃システムや核シェルターの設置が必須である。そして、何よりも核抑止力としての核武装である。

 

米国との集団安保など日本国防衛には無意味である。米国は日本防衛に対して米国自体が核攻撃される危険性を顧みないで日本の敵を核迎撃する筈がない。核の傘は幻であり、敵は米国の核反撃を恐れて日本への核攻撃を踏みとどまる可能性は小さい。(第3節の朱成虎少将の言葉参照)


 

2.対中国防衛
 

中国の大量の核兵器が、仮想敵国に投下されるシナリオは多くあるだろうが、その中で非常に確率が高いのは、集団的自衛権の発動として対中戦争に参加する日本への核攻撃である。

 

日本国民は戦後平和国家として再出発を誓った。日本には通常兵器での武装さえ、戦争につながる可能性を考えて反対する人が多い。従って、日本人の純粋な意思によって政権が選ばれる限り、日本側の責任で他の国との間に戦争の種が発生することはない筈である。

 

しかし、21世紀に入り。日米安全を集団的自衛権を日本も行使し得る軍事同盟に格上げしたのが、小泉(父)政権の時の有事法制と安倍政権の時の安保法制である。米軍への協力も含めて事態ごとに取りうる軍事行動を記述し、米国などとの集団的自衛権の行使を可能にする法律:「平和安全法制整備法案」と新設の「国際平和支援法案」を制定した。

 

これらは明らかに憲法の想定範囲を飛び超えている。

 

米国が中国の弱体化を狙って日本やフィリピン、そしてANZUS(オーストラリア、ニュージーランド、米国)らを動員して戦闘になることを予期しながら、今後中国を刺激していくだろう。それは、ウクライナ戦争に至るまでに、カラー革命、NATOの東方拡大、ウクライナでのテロなどでロシアを20年間刺激してきたシナリオの中国版である。

 

現在中国経済はボロボロで、米国ネオコンたちは中国潰のチャンスとみているだろう。そこで中国を何かと刺激すると、経済がボロボロの中国、民衆の不満がたまっている中国は激しく反応する。その刺激する側に日本が入っていれば、歴史問題とその教育によって育成された彼らの敵意は一挙に日本に向かうだろう。
 

学校教育で日本は悪い国で日本人は悪人であると教えられてきた中国人には、現在既に日本人への憎しみが相当増幅されている。戦争となれば、まずは日本をターゲットにする筈。台湾統一は習近平の業績稼ぎにはなるが、同胞だと考えるので、あまり手荒なことはできないが、日本に対してはどんなことでも可能である。

 

中国人民解放軍少将の朱 成虎は、今後核兵器は日本やインドに用いる可能性を公に発言している。ウィキペディアに書かれているが、朱少将の20077月の西側メディアに対しての発言を下に引用する。


 

3.中国による対日核攻撃

 

「我々(中国)は核兵器の先制攻撃により中国以外の人口を減らすと共に自民族を温存させる事に力を注ぐべきで、この核戦争後に百年余りの屈辱に満ちた歴史を清算し未来永劫この地球を支配する様に成るだろう。世界の人口は無制限に迅速に増加している。今世紀中に爆発的増加の極限に到達するはずだ。しかし地球上の資源は有限なのだから、核戦争こそ人口問題を解決するもっとも有効で速い方法である。

 

中国政府は全力で核兵器の開発に取り組んでおり、10年以内には地球上の半数以上の人口を消滅させるだけの核兵器を装備することが可能である。中国は西安以東の全都市が焦土となる事を覚悟している。米国も数百の都市が破壊される事を覚悟しなければならない」
 

「もしアメリカが中国と台湾との軍事紛争に介入し、ミサイルや誘導兵器を中国領土内の標的に向けて発射すれば、中国は核兵器で反撃する。現在の軍事バランスでは中国はアメリカに対する通常兵器での戦争を戦い抜く能力はないからだ」
 

「アメリカが中国の本土以外で中国軍の航空機や艦艇を通常兵器で攻撃する場合でも、中国側からのアメリカ本土核攻撃は正当化される。(アメリカによる攻撃の結果)、中国側は西安以東のすべての都市の破壊を覚悟せねばならない。しかしアメリカも数百の都市の中国側による破壊を覚悟せねばならない」(以上、ウィキぺディアより)
 

朱成虎の西欧メディアに対する発言は、西欧諸国に対する警告であり、当時の感覚では実行はしない可能性の方が遥かに大きいだろうと考えられた。ただ、中国高官の視野の中にこの核攻撃による市街でのホロコーストも選択範囲に入っていることが明確になった。

 

全体としての文意は、中国による台湾併合の際に米国が過剰な干渉をした場合、中国は全面核戦争になっても米国と戦う意思があるという内容だが、相当編集されているように感じる。この言葉で重要なのは第一節である。

 

特に注目すべきは、赤字で示した部分である。中国が考える「百年余りの屈辱に満ちた歴史」とは、主として日本による中国侵略の歴史である。アヘン戦争から西欧各国の中国進出は200年前に始まるので、朱成虎の視野の中心にはないだろう。

 

以前、ウィキペディアには、地球上の人口は益々増加し、有限な資源の中で人類が永遠に生存するには、人口密集地である日本やインドに核を投下して人口削減を行うべきであるという類の文章が書いてあったと記憶している。インドがかなりの核ミサイルを持つ今、将来の核攻撃の的の中心にあるのは日本である。


 

4.中国の「国恥の日」の行事とその教育の的は日本である

 

中国人は世界で最も優れた民族であるとの思想は、西欧や日本の侵略により侵害された。特に東夷とか倭人(小さい人の意味)とか言って蔑視していた日本人に侵略され、中華思想が破壊された恨みは骨髄に至っているのかもしれない。

 

中華民国が定め今も中国人に刷り込まれているとおもわれる「国恥の日」は、その恥辱を雪ぐという民族の目標を失わない様に制定されたのだろう。
 

国恥の日は一年に8日選ばれており、その日には国民にたいしてその出来事の意味等を教える儀式がなされていたようである。その効果が表れたのが、上記朱成虎人民解放軍少将の「百年余りの屈辱に満ちた歴史を清算し未来永劫この地球を支配する様に成る」という言葉だろう。

 

国恥の日と関係する事件等は(補足2):

1月28日 (昭和7年=1932)(上海事件)   ;5月 3日 (昭和2=1927)(濟南事件)

5月 9日 (大正4年=1915)(21ヶ条問題) ;5月30日 (民国 4 =1915)(5 卅事件)

6月23日(民国 14 =1925)(沙基街事件) ;8月29日 (1842 年)(南京條約)

9月 7日(1901)、(辛丑條約)      ;9月18日 (昭和 6 -1931)(満州事変) 
 

である。それら各歴史的出来事に対する教育は、記念日における行事の中で行われるとともに、学校教育でも行われていた。(補足3)(山本 忠士著「中国の「国恥記念日」に関する一考察」日本大学大学院総合社会情報研究科紀要 No. 2, 107-116 (2001))

 

上記山本氏の論文には、共産党中国になって国恥の日は継承されていないと書かれているが、現在の中国では復活していると思われる。学校教育で中華民国時代と変わらない或いはそれ以上の反日教育が行われていることは周知である。

 

1972年の日中共同宣言より前の1952年に設立された日中友好議連などで活動している国会議員は、果たしてこの事実を知っていたのだろうか? 知っていたなら、何故それを日本国民にも教え、本当の意味での日中友好関係の樹立に努力しなかったのだろうか?

 

日本の政治家は自分たちの利益と立身出世のためだけに日中友好を謳ってきたのだろう。国民と国会議員の間の垣根を取り壊す努力の跡等全くない。

そして国恥の日の918日、深圳の日本人学校の小学生が現地の中国人に刺殺されたのである。
 

これらの事実を知れば、朱成虎少将の「将来のある時期、世界の人口削減のため人口密集地であるインドや日本を核攻撃すべき」という言葉の背後に、この「国恥の日」の制定という中華民国の歴史があった筈である。この言葉に戦慄を覚えない日本人は居るだろうか? 
 

現在の反日教育の実態は、深圳での日本の児童刺殺事件との関連で朝香豊氏のyoutube動画が紹介している。https://www.youtube.com/watch?v=JMhBeT3XP1c

 

 

5.日本は核武装の上で、単独防衛を目指すべきである
 

核武装は一番安上がりで効果の高い防衛法である。伊藤實氏は一貫して日本の防衛には核武装が必須であると訴えておられる。

https://www.youtube.com/embed/YAmRfo2vL7c
 

実は、その必要性は米国もとっくに気付いていた。何故なら、ニクソンが大統領だった時、彼とキッシンジャー補佐官は、佐藤内閣の時に日本に核武装を進めたからである。その経緯を少し書く。日本の政治の貧困が分かるだろう。

 

佐藤が総理になったときに、沖縄返還を実現した。その実現のために彼は米国に対して一世一代の芝居を行った。それは、「沖縄を返せ、米軍は沖縄から出ていけ」といったのである。それでニクソンとキッシンジャーは驚き、佐藤は独自防衛を考えているらしいとして、日本に核武装を進めたのであった。
 

つまり、日本のような小さい国が、中国とロシアという巨大国家に囲まれて独自防衛するには、核武装しか無かったのである。そのうえで、今後東アジアでの自由主義陣営の極となることを期待したのだった。しかし、佐藤と会ってみて、彼はそんな世界戦略を考える人物ではなく、単に沖縄返還というメダルが欲しかっただけだと分かったのである。

 

佐藤は愚かにも沖縄米軍がいつでも核ミサイルを運び込む可能性があることを承知の上で、「日本は非核三原則を国是とする」と言い放ったのであった。彼は国民に詐欺を働いたも同然であった。

(元スタンフォード大フーバー研究所上席研究員 片岡鉄哉著「核武装なき改憲は国を滅ぼす」を参照)

 

国際政治学者でもある伊藤實氏がキッシンジャーは一流の政治学者であったと言っている。彼がニクソン大統領の補佐官として日本に核武装を勧めたのだから、中国と日本の歴史的経緯も十分承知の上で、日本の独自防衛には核武装が必須であると考えたのだろう。
 

これも何度も引用したことだが、キッシンジャーは「アメリカの敵になることは危険かもしれないが、友人になることは致命的である」と国際政治学者としての本音を述べている。これほど今の日本に当てはまる言葉はない。

 

 

追補1: 深圳日本人児童刺殺事件を日本は非常に深刻に受け取るべきであると、中国から帰化された石 平 氏により解説されています。それを追補として引用します。(9月24日早朝追加)

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=re9NjVxu0WY

 

追補2: 四川省カンゼ・チベット族自治州新竜県の副県長である黄如一という人物が、ウィチャットのやり取りの中で、日本人男児殺害に関して「そんなに大ごとか?」とか、(中国人にとって)「紀律とは日本人殺すこと」と発言したことが話題になっている。

 

 

黄如一は自治州の副県長なので地方政府要人である。上に自治体幹部とあるがそれは間違いで、正しくは自治政府幹部である。(9月24日18:30追加)

 

 

補足:

 

1)ネットでは小泉おろしが盛んだが、その一方、日本の民間の知性の一人と思われる堀江貴文氏との会見で最も話が深部に及び且つ意見の一致を見ているのが、小泉候補であった。https://www.youtube.com/watch?v=xlSOFIAnZt4https://www.youtube.com/watch?v=2dpZ17hjwCE

堀江氏はほかに河野太郎氏、石破茂氏と討論しているが、どうも深くまで議論は及ばなかった。

https://www.youtube.com/watch?v=1IVPaKENzFM

https://www.youtube.com/watch?v=VtchFkWBbpE
 

2)沙基事件は、六二三事件とも呼ばれ、1925623日に中華民国広東省広州市の沙基(サーケイ)という通りで反英デモ隊にイギリス軍が発砲して多くの死傷者を出した事件である。

南京条約(ナンキンじょうやく)とは、1842年にアヘン戦争(第一次アヘン戦争)を終結させるため、清とイギリスの間で結ばれた講和条約。

北京議定書/辛丑和約. 1901年、義和団事件後に清朝政府が列強と締結した取り決め。

これら以外は中国進出を進める日本との衝突事件である。

 

3)「中国の「国恥記念日」に関する一考察」に以下のように書かれている。

 

戦前、日本側がまとめた資料によって、当時の中国での学校教育の一部を窺い知ることができる。1963年に国立教育研究所所長になった平塚益徳は、「国恥教育」が取り入れられた経緯について、中華民国第 1 次全国教育会議(1928 5 月)で次のような方針が定められたことを報告している。

1. 国恥教材を十分に教科書中に編入すること。

2. 学校は機会ある毎に国恥事実を教育し、中国第一の仇敵は、何国なるかを知らしめ、これを反復熟知せしめること。

3. 国恥図書を設備し、学生をして機会ある毎に之を見せしめ、注意を喚起せしむること。

4. 第一仇国を妥当する方法を教師、学生が共同して研究すること。
 

当時の中国の小学校、中学校の教科書について調査した財団法人東亜経済調査局編訳『支那国定排日読本』(昭和 6 (1931)8 月刊)の序文によると、「中国における排日運動が、当初の感情的、無頼的雷同より、暫時理知的、組識的運動となり、国家的背景をさえ有するに至りし事は、吾人の深甚なる注意を要する所」とし、この当時の中国対日政策の根幹を成すものが「排日」であると指摘している。

 

また、政府当局は、排日思想の普及に手段を選ばず、努力しつつあると述べ、具体的に国定教科書に排日記事が羅列されており、これが「純真なる児童に排日の「毒酒」を盛りつつある行為である」と日本側としての危機感を募らせている。 

 

今日でも、歴史認識、教科諸問題に見られるように、日本関係の歴史問題になると、感情を露にした厳しい姿勢が見受けられるが、そこに「国恥」をあえて記念日とした思いが、政権は変っても中国の戦前・戦後を一貫した対日観が感じられるのである。

(16:30、編集あり; 9/25/朝、追補1、追補2を本文下に移動させで最終稿とします

2024年9月19日木曜日

総裁候補9名の全国行脚:日本の政治経済に必要な改革はハード面ではなくソフト面のものである

自民党総裁選挙への立候補者9名が全国を回って、自分の政策などについて一般国民の前で個々に語っている。全国行脚は悪いことではないが、何か不自然である。何故なら、我々国民一般には選挙権がないからである。

 

勿論悪いことではないが、一体何のために彼らは互いに議論せず仲良く全国を回っているのだろうか?いっそのこと、首相公選制を次期憲法に書いたらどうかと言いたいが、9名からはそんな話は一切でていない。https://www.youtube.com/watch?v=XITZnWhZNMI

 

 

沖縄での会合でも、彼ら9名は各10分間の演説を一方的に喋るが、全く議論はない。話の内容も、すこし沖縄と自分との関わりと沖縄での経済振興策についても若干語るが、そのほかは本土での話と対して変わらない。最後に9名が手をつないで会場に礼をする姿が映し出されていた。9名は互いに日本国の首相の座を争っている筈である。何か安物の茶番劇を見せられているような感じを受けた。https://www.youtube.com/watch?v=6dsmDYZVp64

 

 

それらの話の中で、石破候補は沖縄戦の後、海軍陸戦隊司令官の大田実中将が自決する前に本土の海軍次官に送った電報(補足1)を紹介し、沖縄等の米軍基地の日米での共同管理を訴えていたのは印象的だった。 ただ、それもパーフォーマンスに過ぎない。何故なら、日本側からそのような提案など米国に出来るとは思えない非現実的なものだからである。

 

9名が総理の席を争って自分の政策を主張する討論会なら、各人が自分の意見を述べた後には、議論となって然るべきである。また、沖縄戦や基地問題の話が出たなら、沖縄県民には様々な意見があるだろう。何故、それらの声を質問という形で受けないのか? 引用のANNnewsの上記動画では、演説会(公演、講演、協演?)終了後一時間程、議論の時間枠の積もりなのか沖縄の景色を無言で映している。

 

そのような議論や質疑が無ければ、9人はいったい何のために沖縄まで出かけて行ったのだ?沖縄県人は、大田実海軍中将の言葉を軽々しく引用する石破氏と、何も沖縄県人の疑問に答えない次期総裁候補たちに落胆しても不思議ではないだろう。自民党県連の方々は例外かもしれないが。

 

一連の9名の全国行脚は、日本の政治を牛耳る者たちが総選挙を有利に戦うには誰を総裁に選ぶべきかを決めるためのものだろう。国民の反応から、やはり小泉でないと勝てないと思われるようなら、彼らは小泉を勝たすだろう。日本政治の支配者たち(最近、日本のDSという人もいる)の作戦ではないだろうか。

 

名古屋の野外講演では、小泉の話が終わると、多くが帰路についているとライブ報道する人たちが語っていた。これは日本のDSの記憶に強く残っただろう。(動画330秒)

 

 

 

勿論この考え方は深読みし過ぎかもしれない。彼らは、自民党の若い力と熱気を国民に見せて、それが冷めないうちに総選挙をしてしまいたいと思っているのかもしれない。確かなことは、日本国民に必要な総理大臣を選ぶ為ではなく、自民党が引き続き政権を維持するために9名の全国行脚は行われているのだろう。


 

2)日本経済に必要なのはハードウェア的改革ではなく、小泉氏が語るソフトウェア的改革である:

 

高市候補は、何が何でも経済だと言う。その経済重視の政策は、他の小泉氏と河野氏を除く他候補とも共通している。どのように経済を押し上げるのかと言えば、政府による積極投資だという。小林候補による、各地方に半導体や宇宙産業などの先進産業の中心を作るというのは、その具体例である。

 

この考え方で自民党の投資は既に行われている。新総裁を選ぶ必要などない。最近、TSMCに多額の金をだして、熊本に誘致したのも一つの例である。高市氏が今回の講演会で言及した、13年前に沖縄に作った沖縄科学技術大学院大学(OIST)もその一つである。高市氏は沖縄への国家投資の成功例のように話すが、教官の64%学生の80%が外国人では、どの国の為の教育研究機関か分からない。

https://www.oist.jp/ja/about/facts-and-figures

 

学生には年間240万円の生活費と60万円の授業料の合計300万円が支払われ、教官89人と学生272名の教育研究機関に対する運営交付金相当額は、190億円を超える。しかし、このような好条件で世界中から外国人学生と研究員を集めて、外国人のための大学院大学を作れば、研究論文の質と量の統計数値が高くなるのは当たり前だろう。

 

そんな安っぽいアイデアの箱物行政では、日本経済も日本の学問もレベルの向上はないだろう。それよりも日本中の国立大学をはじめ、日本の教育全般について、そのレベル向上にむけてエネルギーを使うのが本来の教育行政である。

 

これら財政偏重政策を批判して、河野太郎氏は、危機の時に十分な財政出動が可能なように、普段は財政規律は守るべきだと話す。ネットの世界でもこの真面な考え方に逆らって、プライマリーバランスに拘る財務省を批判する人が多い。かれらは米国民主党の左派のMMT理論に毒されているのである。(補足2)それに比べて、経済政策で日本低迷の原因から掘り起こして、対策を出しているのは小泉氏だけである。(補足3)

 

ネット上では、そのような議論が十分に理解できない三流の経済評論家などが、日本の既得権益者である“実力者”の意向を組んでか、小泉批判を大規模に展開している。それは、小泉氏の考え方が本筋の経済振興策であっても分かりにくいソフトウエアの改革だからである。そして、それは既得権益者にお金を流す必要のない根本的方法なのである。

 

ハードウエア的改革とソフトウエア的改革

 

田中角栄の日本列島改造論は日本の成長期に必要なハードウェア的改革の提案であった。そしてその実施により、日本の地方が中央である都市部から近くなり経済的に連結されると伴に、その後20年の日本興隆の基礎となった。それが過ぎ、日本経済は低迷の30年に入る。その原因が政治の貧困であることに気付いた人も多かった。

 

そして現れたのが小沢一郎の「日本改造計画」という本だった。そこには日本の民主政治の病根が書かれていた。小沢氏の本では、「自立しない個人が集まっても本物の民主政治は不可能である」という趣旨の論理が、西欧文化と日本文化の比較という形で紹介されていた。

 

しかし残念ながら、小沢一郎氏は師匠の田中角栄のどぶ板選挙を信じる古い政治家に過ぎなかった。日本改造計画は、この自民党有力者の口を借りて政治学者たちが語った言葉に過ぎなかったが、日本国民の頭の中にある日本文化を、西欧近代文化を採り入れて21世紀に向けてバージョンアップする必要性を説いた斬新なものだった。

 

今の日本の政治と経済に必要なのは、ハードウエア的改革ではなく、ソフトウエア的改革である。小沢は、政治のソフトウエア改革を訴えたが、それがご本人の頭から出たものでなかったということになる。(補足4)

 

今回も小泉氏が主張したのは経済のソフトウエア的改革である。その重要な部分は、日本改造計画と重なる。彼以外の地方創生を主張する人たちは何か勘違いしている。彼らは、中央がだめだから地方の力に頼ろうと中央の政治家が言うことに違和感を感じない連中なのだろう。

 

 

3)小泉氏の日本経済改造計画

 

小泉氏は、日本の低迷はダイナミズムに欠ける社会にあると分析している。学校を卒業して定年まで同じ会社で働く日本の典型的な人生パターンは、昭和の成長期のものであり時代遅れとなっている。技術が進歩し国際的競争が激しくなった現在では、適材適所が常に達成される労働の流動性が無くてはならない。

 

会社の中で自分の能力が十分発揮できなくなれば、他の会社等に大きな条件の悪化なく移動できる社会にしなければならないと話す。

 

大企業が、不要部門の整理が必要でも、現在のように規制で縛られていては、その会社の労働生産性が害されるだけでなく、自分の能力を生かせないで9時-5時の間そこに縛られる労働者も不幸である。改革の壁の象徴は、解雇規制であるが、その運用はフェイルセイフを整えた上でもっと柔軟にするべきである。

 

小泉氏はこのように話すが、ネットでは小泉つぶしのような議論が多い。解雇規制の柔軟化が恐い労働者が多いことは分かる。ただ、そのかなりの部分はさしたる仕事もなく、会社に居残って高い給与をもらっている既得権益者だろう。この改革の峠は越えなければならないと思う。

 

小泉氏がいうように、リスキリングと再就職支援を大企業に義務付ければ、なんとかなるのではないだろうか。あの日産が潰れかかったとき、カルロス・ゴーンが見事に立て直したのだが、その方法は単に不採算部門の整理だったという。

 

小泉氏の言葉で重要なのは、不採算部門で半分眠っている労働力が他の企業では不可欠な労働力となる可能性があるということである。そのように日本人の全員が元々持つ高い能力を発揮すれば、日本の経済は必ず上向きになるという話である。

 

小泉氏と河野氏を除く7人が主張するように、赤字国債でしばらく国民が楽になることは可能である。しかし、それでは後に付けを残すだけである。

 

同一労働同一賃金の達成、年収の壁の撤廃など、すべて労働の流動性を上げるために必要だろう。それは、会社に奉職するという昭和の封建主義的労働スタイルとの決別を意味する。それが日本文化の産物であるから、再び日本を世界のトップにとか、他の国から頼りにされる一流国家とするなどの目標を掲げるなら、つまり欧米並みの経済を欲するなら、古い日本文化からの脱却は必須である。

 

小泉氏の演説を書いたのが、一流のスピーチライターで、小泉氏の頭の中にこのような内容は全くなかったという可能性だが、それは小沢一郎氏のケース同様無いとは言えない。日本に新しい風を吹き込むための捨て駒になったとしても、小泉氏の功績はかなりのものと言える。ネット上で小泉批判をする有名だが愚鈍な方々に惑わされないように期待する。

 

終わりに:

 

最後に石破氏の演説について一言追加する。最初に引用した動画での石破氏の演説はある意味で注目される。「国民を守る日本政府を創る」という話には一定の評価をしたい。ただ、彼のウクライナ戦争や国連に対する理解は米国が日本国民に刷り込んだものであり本質的に間違っている。

 

ウクライナ戦争は、ロシア潰しのためのウクライナを代理とする米国の対露戦争である。また、国連は戦勝国連合であり、国際連合と訳しその名にふさわしい機能を期待するのは間違いである。石破氏をはじめ、自民党の総裁候補全員にも言えると思うが、21世紀の国際関係も国際法を基準にするのが標準的であると誤解している。有史以来、国際関係は本質的に野生の原理で動くという国際政治の基本が分かっていない。https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5574


つまり、日本の政治の基本ソフトウエアが戦後米国の占領軍によって入れ替えられたのである。そのソフトを維持するために選ばれた人物が、吉田茂であり本来A級戦犯とされる筈だが無罪放免されて米国に奉仕した自民党の岸信介らと右翼の児玉誉士夫らである。日本社会党もCIAから資金をもらっていたというから救い難い。

 

私が小泉進次郎氏を政治家として高く評価しているというのではなく、彼が語る経済政策の根本にある思想を支持しているだけである。それを現在の日本に適用する場合、一時日本経済は苦しくなる可能性もあるだろう。その意味で慎重さが必要だろうが、避けてはならないと思う。

 

 

補足:

 

1)海軍の沖縄根拠地隊司令官である大田実中将が小禄半島で自決直前に海軍次官にあてた電文では、沖縄戦の惨状と沖縄県民の献身をつづり、「後世特別の配慮を」と訴えた。https://www.asahi.com/articles/ASP893W3SP87PITB00N.html

 

2)中央銀行は国と一体であるとの仮定が置ける場合、自国通貨で発行する国債残高が大きくなっても、国家財政破綻に至ることはない。従って、想定のインフレ率を超えない限り、国債発行は可能である。経済発展の割合(GDP成長率)よりもインフレ率が小さければ、その範囲で幾らでも国債発行は可能だろう。 ただ、基軸通貨発行国でなければ、国家の債務残高が十分な資産の裏付けが無いと債権者(貯蓄者である国民)が考えた場合、その貯蓄が海外に逃げ通貨安を招くということがスパイラルに(自己触媒的に、或いは正のフィードバック効果的に)発生し、想定を超える急激なインフレがおこる可能性がある。それが現在日本で起こっている状況かもしれない。

 

3)経済発展はそこに住む人たちの生活改善が目的である。企業活動が円滑に行われるなら、労働分配率を上げることで、現在の日本経済でも国民の生活がもっと豊かになってもいい筈だという人も多い。左翼的な石破氏もその中の一人である。日本の企業は600兆円もの内部留保を持っているとして、その国民への分配を主張するが、その額は一年分のGDPに過ぎない。その理屈なら、一人当たり1000万円以上の金融資産を持つ日本国民はもっと金を使うべきであるという理屈と同じレベルである。

 

4)この本が小沢氏のほか北岡伸一氏、御厨貴氏など多くの評論家と開いた勉強会の成果であったようだ。最終的に内容を決定したのは小沢氏なので、小沢一郎著と言えるという人も多いだろう。

 

多いだろう。しかし、海部内閣がつぶれたあと、当時自民党幹事長だった小沢はその後任の総裁決定の際に宮沢喜一、渡辺美智雄、三塚博と面会した。その時、小沢氏の権力は絶頂期だったが、何故か彼自身は総理の椅子を目指さなかった。その経緯を熟知しているわけではないが、本当に一度も総理大臣を目指さなかったのなら、日本改造計画は小沢の著書ではないと言える。

2024年9月16日月曜日

小泉進次郎氏の自民党総裁選立候補演説

小泉進次郎氏の自民党総裁選立候補の表明について

 

小泉進次郎氏の立候補表明の演説は秀逸だった。これまで小泉氏の能力を疑ってきた人は多いと思うが、今後は注目すべき一人の政治家と考えて良いように思う。

 

 

 

ただ、いくつかの重要な危惧がある。例えば、フーバー研究所の元研究員の片岡鉄哉の著書に「核武装なき改憲は国を滅ぼす」がある。国際政治評論家の伊藤實氏なども核武装の国際政治における効果について詳しいので、是非改憲案を提出する前に議論された方が良いと思う。

 

また、小泉氏は、中国の脅威に備える必要を訴え、その為に米国との関係を深めるべきだと主張している。しかし、キッシンジャーはベトナム戦争のとき、「アメリカの敵になることは危険かもしれないが、友人になることは致命的である」と言った。その致命的な状況を、ウクライナ国民が現在味わっている。憲法を改正し、国軍を持ち、そのうえで米中の緊張関係に直接的に関与することは非常に危険である。そのことを十分考えてもらいたい。

 

小泉氏には、是非、明治以降の日本の近代史を裏まで深く学んで、英国や米国の危険な側面について学んでほしい。

 

演説の文字起こしを他の人がやっているか探したのだが、見つからなかった。そこで、独自に行ってここに補足として示します。聞き取りミスなどもあるとおもいますが、責任は負いません。区切りにサブタイトルなどをつけましたが、これも私用のメモですので、無視してください。あくまでも私的なメモとしてお読みください。

 

 

 

補足)以下は小泉進次郎氏の自民党総裁選出馬表明の書き下し文です。時間表示は引用のyoutube動画内の時間表示を利用して記入しました。

 

8:48

 

皆さんこんにちは、小泉進次郎です。私はこの度の自民党総裁戦に立補いたし ます。今回の総裁戦は、自民党が本当に変わるか、変えられるのは誰かが問われる選挙 です。誰がやっても変わらない、政治に期待しない声が多い中、自民党が真に変わるには 改革を唱えるリーダーではなく、改革を圧倒的に加速できるリーダーを選ぶこと です。

 

9:28

 

この5年間でもコロナ戦争AIやデジタルの進展、気候変動、私たちの身の回り も世界も大きく変わりました。私自身も二児の父親になったことが人生 の転機になり、それまでとは物の見方が大きく変わりました。正直こんなにも変わる とは思いませんでした。

 

自分のことより子供のこと、自分の人生 より子供の未来。子供たちの日々成長する姿を見る喜び と同時に、子供たちの未来に責任を持つ政治家として、今政治を変えなかったら子供たちの時代に間に合わ ない。

 

10:10

 

政治の決定のあり方、政策の強度速度を圧倒的に上げなければ間に合わない、 そんな危機感が募り、今私はここに立っています。私は、総理になって 時代の変化に取り残された日本の政治を変え たい。長年議論ばかりを続け答えを出していない課題に決着をつけ たい。そして大きな課題ばかりだけでなく11人の小さな願いも届く、そんな政治を 実現したい。子供たちの未来に間に合うように政治を加速させたい。私は、そう思いました。

 

1)構造改革の方向と概略

 

本日は私が総理総裁になったら1年以内に実現する 改革と中長期を見据えた構造改革の方向性を説明します。そして、私が総理総裁になったらできるだけ早期に衆議院を解散し、 中長期を私の改革プランについて国民の皆さんの真を問うことにしたいと思い ます。国民の共感を取り戻した上で改革を断行し、新しい政治新しい日本を作りたい 。そのために皆さんの力をください。

 

 

まず、全ての改革の前提となるのは 政治の信頼回復です。なぜ自民党は信頼を失ったのか。なぜ今も前に進めないでいるの か。それは政治の金の流れが未だに不透明だということ です。使い道の公開は10年後でいいという 政策活動費はもうやめます。非公開でいいとされてきた旧文書交通費は公開し、残金は国庫に返還を義務付けます。

 

政治だけが特別に許されてきた不透明 なお金の使い方はもうやめます。この1年で発覚した政治資金問題に ついては自民党としての処分を下しました。岸田総理は責任を取り退任を決断しました。

 

12:35

 

残るは、国民の皆さんの審判を仰ぐことです。今回の問題の当事者となった議員を 選挙で公認するかどうかについては、説明責任を果たしてきたか再発防止に向けた 取り組みを進めているかに基づき、どんな時でも歯を食いしって我が党を支えて頂いてきた 地方組織や地元の有権者の意見などを踏まえて新執行部において厳正に判断し ます。その上で選挙で選ばれた新たなメンバーで自民党を 作り直し、今までの自民党ではできなかった こと、これからの私たちだからこそできることに挑戦します。

 

1つ目は次の時代も 稼げる新しい産業が生まれる国にしたい。自動車産業に加え世界で稼げる産業を子供 たちに見せたい。

 

13:38

 

日本の産業の柱を1本足打法から二刀流へ、そして世界 へ。そのためには必要な人材が必要な場所で輝けるように労働市場改革を含め正育なき 規制改革を断行します賃上げ人手不足正規正格差を同時に解決するため労働市場改革の 本丸、解雇規制を見直します。

 

誰もが求められ自分らしく適材適所で働ける本来当たり前の 社会に変え、日本の経済社会にダイナミズムを取り戻す。来年法案を提出します。ライドシアも全面解禁し、地方の移動の不便を解消します。業界や既得権益側が認める 範囲内でしか政策を進めることができない自民党を変え、国民の願いや希望が叶う聖域なき規制改革を進め、自民党を真の国民政党に立て直します。

 

2つ目に皆さんお1人お1人の人生の選択肢の拡大に取り組み ます。働きたいのに働けない年収の壁の撤廃、労働時間規制の見直し、そして選択的夫婦別姓 の導入など、皆さんの選択肢を広げます。当たり前の願いを形にするために知恵 を絞る11人の人生の選択肢を増やす。一本道のレールの上を歩くだけじゃなく いくつものレールを選べる社会へそのために汗をかく政治を実現します。

 

そして憲法改正について、私は戦後初めての国民投票を実施したい。

 

昨年の政治と金問題で自民党が信頼を失って以降、どうしたらもう1度自民党の 語る国家ビジョン・政策に耳を傾けてもらえるんだろうかと考え続けてきまし た。当たり前だけど約束を守ることから始めないといけない私はそう思いました。

 

来年で自民党が誕生して70年、自民党の立党以来の国民の皆さんとの約束を守る ことに全力を尽くしたい。たとえ国民投票で否決される可能性が あっても70年間1度も国民に憲法改正の是非を問う機会すら提供しなかった現状を 打破したい。

 

国民の皆さんに問いたい。今も日本の領海・領空・領土を守るために、命がけで任務を遂行している自衛隊・自衛官 がい ます。今も全国で災害が発生し現場に真先に向かう自衛隊・自衛官 が、この私たちの国の憲法に書いてすらいない。おかしいと思いません か。

 

防衛力の強化、予算の増額はもちろんですがこの国のである憲法に自衛隊を明記する それがダメなのかどうか国民の皆さんに聞き たい。70年間1度も国民の皆さんの声を聞かずに来た戦後の政治を変えたい。私は 直接国民の皆さんの声が聞きたい。国民投票実施に向け私に皆さんの力をください。

 

 

 

2)短期改革詳細

 

<日本の現状とその原因>

 

さて、我が国の置かれた現状認識から順次お話をさせていただきます。冒頭の今までの 重点テーマの補足も加えさせていただきますまず日本の現状認識 からはっきり言って日本は衰退しています。このままではGDPはドイツに抜かれて 世界4位に転落し相番インドにも抜かれるでしょう。

 

厳しい国際情勢の中で経済の低迷 は日本の国際社会における影響力が低下することを意味します。 なぜ日本の衰退が止まらないのか 立ち止まって考える時が来ています。

 

日本の衰退の理由は社会全体に漂う閉塞感であり ダイナミズムの不足です。

 

世界のトップ企業50社の中に日本企業は1社しかいない。 戦後の高度成長は本田やソニーなど町工場から出発し世界を制覇した企業が牽引し ました。 しかしこの30年そうした企業がは出てこない。個人で見れば世界で活躍する 日本人は増えています優秀で勤勉な日本人がたくさんいるのに世界を相手に勝負 できる企業が出てこない。

 

その最大の理由は日本全体が自信を失う中で出る杭を打つ 風潮が強まり、できるだけ目立たず周りと同じように生きた方が叩かれない失敗し ないそんな窮屈な生き方をさせてしまう社会にあるのではないでしょうか。私は出る杭を伸ばす、失敗を許容する、誰もが再チャレンジできる、そんな寛容の精神と ダイナミズムを日本社会に取り戻したい。そうすれば個人の幸せも日本の成長も両立 できる。

 

私は覚悟を持ってやるべきことを断行し、私たち日本人 11人が未来に明るい展望を持てる国にしたい。 誰もが萎縮せず誰かの評価より自分の気持ちに正直に生きられる国にし たいそしてそのために何よりも優先されるべきは政治に対する国民の信頼の回復です。

 

<政治改革>

 

日本が危機的な状況にある中で今回の政治資金問題が起き自民党は信頼を失いました。 今回の政治資金問題こそ古い自民党の象徴です。 この古い自民党を終わらせるために私が総理になって最初に着手するのは皆さん からの共感を取り戻すための政治改革です。

 

先ず、政治資金の透明化を徹底します先 の通常国会で政治資金規制法の改正法が成立し政治資金問題の再発防止のための 措置が導入されました。しかしこれだけでは不十分です。まず首が公開されいない政策 活動費は廃止します。また同じく首都が公開されていない旧分費についても首都の開示 と残金の変更を義務づけます。

 

いずれの改革も与野党を問わず全ての政治家に影響が 及びますしかし国民の当たり前を実現できなければ国民の政治に対する信頼を回復 することはできません。政治資金の透明化に向けて不退転の覚悟で取り組みます。

 

次に、自民党を変えます。私が総裁になれば古い自民党と決別 する覚悟です。まず政治資金問題の当事者となった議員は国民への説明責任を果たし 選挙で新任を得るまで要職に起用しません。

 

21:20

また総理総裁になれば衆議院を解散し国民 の真を問うと申し上げました。不災議員についてはは選挙で公認するかどうかは説明 責任を果たしてきたか再発防止に向けた取り組みを進めているかに基づきどんな時 でも歯を食いしって我が党を支えていただいている地方組織や地元有権者の 意見などを踏まえて新執行部において厳正に判断し ます。

 

人事は実力主義で行いますいかなるグループからの推薦も受け付けません。能力 ある議員が当選回数と関係なく責任があるポジションにつくことが当たり前の仕組み にします。

 

最後に国会改革も進めます。総理や閣僚の国会張り付きをやめる デジタル化も徹底的に進めます。国家公務員の働き方改革もまったなし です。心ざしのある優秀な人材が集まる仕組みを整備します。与野党を問わず質問 通告の時間遵守を徹底し、国家公務員の深夜残業を減らします。このように政治資金の 透明化、自民党改革、国会改革を3味一体で進めます。これにより国民の政治に対する 信頼を取り戻し、改革を断行できる政治に転換し ます。

22:43

 

<日本社会・経済の改革>

 

政治改革を実現した上で日本の経済社会にダイナミズムを取り戻すための改革 を進めます。

 

日本から新しい産業が次々と生まれ、賃金が上がり、生活が豊かになる。また人生 の選択肢が増え、自分らしい生き方ができるようになる。そんな未来を作るため聖域なき規制改革の断行と、11人の人生の選択肢の拡大の2つをスピードを上げて取り組み ます。

 

まず、聖域なき規制改革です。今日本全国で深刻な人不足が起きていますその1つの 原因は大企業に人の金が集中しスタートアップや中小小規模事業者に流れ なくなっていることにあります大企業に眠る豊富な資金人材技術を解放し スタートアップや中小企業に流れスタートアップが既存企業と公平に競争 できる環境を整備しなければなりません。

 

23:51

この30年間日本から世界で勝負する企業 が出ないのも既存企業が既得権益を守るため新規参入を阻もうとしているからで この現状を打破するには聖域なき規制改革が不可欠です。その象徴がライドシェアです。誰 もがいつでもどこでも安全に利便性の高い移動サービスを享受できるようライド シェアを完全解禁します。

 

もう1つは労働市場改革 です。テクノロジーの進化の加速でこれだけ変化が激しい時代に新卒で入社し、企業で定年 まで働く昭和の就寝雇用モデルは通用しなくなってい ます。

 

24:40

 

働く人の賃金が上がらない根本的な 理由も優秀な人材が成長分野に流れていかないことにあり ます。出番さえあれば能力や個性を発揮 できる人をベンチで座らせておく試合に使わない、今の日本に1人の人材もおろかに する余裕はありません。 社会全体で分野のスタートアップや中小企業に人材が流れて いく仕組みを作ることこそ究極の成長戦略です。

 

岸田政権でもリスリン支援、ジョブ型 人事の導入、労働移動の円滑化など労働市場改革に取り組んできました。しかし現在の 改革は、本丸部分が抜け落ちています。それが解雇規制の見直しです。解雇規制は今まで何十年も議論されてきました。現在の解雇規制は昭和の 高度成長期に確立された裁判所の判例を労働法に明記したもので、大企業については 解雇を容易に許さず企業の中での配置転換を促進してきました。

 

25:45

 

一方、今では働く人のマインドも大きく変わり、転職も当たり前に なってきています。社会の変化も踏まえて働く人がは業績が悪くなった企業や居心地 の悪い職場に縛りつけられる今の制度から、新しい成長分野やより自分にあった職場で 活躍することを応援する制度に変えます。

 

こうした観点から、日本経済の ダイナミズムを取り戻すために不可欠な労働市場改革の本丸である解雇規制の見直し に挑みたいと思います。 まず大企業で働く人にはいつでもリスキリングや学び直しの機会が 与えられるよう職業訓練制度を見直します。

 

26:32

 

働く人は誰でも新しい成長分野に移動 できるようリスキリングや学び直しが受けられる環境を整備します。そのうえで、企業が解雇を検討せざるを得ない状況になった場合、働く人が自分らしく働けない職場にとどまり続けるより、企業にリスキリング学び直しと再就職支援を義務づけることで、前向きに成長分野に移ることのできる制度を構想したい。

 

こうした労働市場改革を進めれば大企業に眠る人材が動き出し スタートアップや中小企業に人が流れやすくなる。これを機にスタートアップが 劇的に拡大する仕組みも整備します。そして日本経済のダイナミズムを復活させ ます。

 

3は、11人の人生の選択肢の拡大です。 まず結婚後も働くことが当たり前になる中、主に女性から結婚後の改姓に伴う負担や リスクが大きく、選択的夫婦別姓を認めて欲しいという声が多く出ています。経済会も 錯な対応を求めています。最近の世論調査を見れば選択性であれ ば別という選択肢を認めて良いのではないかというが増えています。

 

選択的夫婦別を 導入するためには国民の皆さんの指示と理解が必要であることは言うまでもあり ませ ん。また家族のあり方は時代によって変化するということも忘れてはなりませ ん。江戸時代には一般には氏(うじ)の使用は許されていませんでした。明治9年から31年まで は夫婦別制度が導入されていました。

 

そして現在の夫婦同性制度は明治311898年の民法改正で導入され、120年あまり 続いてきました。この120年間の家族のあり方も3世代同居から核家族・単身世帯の 増加、このように大きく変化してきました。

 

28:50

 

生まれた時に親からつけてもらった名前を 守りたい選びたい。そんな11人の願いを聞かず議論を続けて30年。もう議論ではなく決着をつつける時ではないでしょう か。私が総理になったら選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し国民的な議論を 進めます。 国会で議論を尽くし30年以上議論を続けてきたこの問題に決着をつけ、 11人の人生の選択肢を拡大します。

 

次に 誰もがいつでも自分の希望に応じて働くことができるようにし ます。働いている方の中にはフルタイムで働くのは難しくても、柔軟な働き方ができる ならもっと働きたいと思ってる方がたくさんいます。またフルタイムで働いて いる方の中にももっと自分にあった働き方をしたいと思ってる方も多くいます。

 

29:50

 

中小 企業の経営者からは、年末になると年収の壁ががあることでパートの人が休んでしまう。 そんな悲鳴が上がっています。パートで働いている方もできればもっと働きたいと思っ ている方もいます。そこで働いても手取りが下がる年収の壁を撤廃します。そのための第 1弾としてまずは働いてる方には原則厚生年金が適用されるように制度を見直します。労働時間規制の緩和も検討します。

 

労働者の働き過ぎを防ぎ、健康を守ることは 当然のことですが、現在の残業時間の規制は原則として月45時間が上限になっていて、 企業からも働く人からももっと柔軟に働けるようにしてほしいという切実な声が 上がっています。11人の人生の選択肢を拡大する観点から、残業時間規制を柔軟化 することを検討します。

 

私は国民の皆さんの生き方や働き方の変化に合わせて11人の多様な人生、多様 な選択肢を支える仕組みを構築したい。昭和モデルを前提に構築された様々な制度は、 成功モデルだったかもしれませんが、令和の今の世の中や家族や働き方の多様化に 追いついていないのは明らかです。11人の人生の選択肢を増やすことで、誰もがより 自分らしく生きモチベーション高く働だける社会を作る。そうすれば人口減少が 進む中でも労働力人口を維持し生産性も上がっていく。新しい成長モデルの構築を私 にやらせてください。

 

以上の通り戦後80年の来年、 2025年に政治改革、規制改革、選択肢の拡大の3つの改革を断行し日本は変わる ことができるそうしたメッセージを内外に発信します。

 

32:01

 

3)中長期改革:安全保障政策

 

そして3つの改革の先に待って いるのは次の80年を見据えた中長期的な構造改革への挑戦です。その際、日本を 取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しく複雑であることを自覚しなければなりませ ん。中国の経済規模は日本の4倍以上となり、軍事予算も公表されているだけで日本の4 倍を超えます。 その中国は、南シナ海や東海で危険な挑発を繰り返し、あたかもインド太平洋を中国の海 へと変えんばかりの状況です。

 

その中国に加え北朝鮮、ロシアという権威主義体制と3正面で 向き合う地政学的ポジション、これが日本の置かれた現実 です。日本は戦後、アメリカによる安全保障に依存することで経済発展を遂げてきました。 しかしアメリカ自身がアメリカファーストの政策を打ち出す傾向を強める中で、我が国には自らの存立・平和と安定は、自分たちの手で守りにくそうした気概がますます求め られています。

 

世界が米中の新しい冷戦時代に入り群雄割拠へと向かう中で日本に必要な ことは強い経済を取り戻すことですそのためには新しいことにチャレンジすること を社会全体で応援する仕組みを強化し

なければなりません。スタートアップ支援、 強化イノベーションを加速するための大学等の見直し、教育制度の抜本改革、こうした 構造改革に取り組みます。特に教育の抜本改革は不可欠です。

 

33:50

 

教育は国家の礎で あり、1年で改革ができるとは当然思っていませんが、AI革命が加速する中で今の単線 的な教育制度では新しい時代に対応した人材が育成できるとは思えません。私が総理 になったら教育のレールの複線化に向けた教育抜本改革の議論に着手し ます。

 

私はインフレと金利がある環境でも持続的に経済が成長できるよう日本経済の 体質強化に力を入れます。その上でまずは物価高の影響を受けている低所者や中小 企業への支援にも取り組みます。総理になれば直に経済対策の検討を支持し ます強い経済を基盤として、厳しい国際情勢を乗り切るための強い外交戦略的外交を 進めます。

 

この厳しい国際情勢を乗り切り中国ロシア北朝鮮といった権主義体制に 既然と向き合っていくためには当然のことながら日本自身の防衛力の強化も加速します。防衛費対GDP2%を速やかに実現しなければなりません。その上で日本外交の 基軸である日米同盟をさらに強化し、レベルアップを図っていく必要があります。

 

35:10

 

同時に、オーストラリアなどの同志国との間でも安全保障や防衛生産基盤の協力に加えて、 通商や経済安全保障面での連携を拡大深化させていきます。これらの取り組みを通じて 自由で開かれたインド太平洋平和、繁栄のインド太平洋のためのネットワークを強化 していきたいと思います。そして自由で開かれた国際秩序を守り抜かればなりませ ん。日本自身の防衛力強化同盟国同志国との協力拡大そして強い経済を基盤として 厳しい国際情勢を乗り切るための強い外交、首脳レベルの戦略的外交を進めていきます。

 

35:55

 

とりわけ中国や北朝鮮とは首脳レベルで向き合い率直な対話をしない限り原価の初 可題を解決することはできません私が総理になれば直接対話にもオープンな姿勢で 望みたいと思います特に拉致問題の解決はこれ以上先送りできませんこれまでと同じ アプローチでは何も変わりません同年代の

トップ同士金を開いて直接向き合う適切な 機会を模索していきたいと思います。

 

新しい日本を作る上で憲法改正は最優先で 取り組む課題です来年2025年は戦後80年この間日本を取り巻く環境は激変し ました。時代の変化に合わせて憲法も変わらなければなりません。言うまでもなく現在の 憲法は日本がアメリカに占領されていた1946年にGHQが原案を起草し日本 政府に受け入れを迫ったものです。

 

後後80年、日本は平和国家として世界の平和と繁栄に 貢献してきました。この誇るべき伝統は、今後も受け継いでいくべきです。しかし同時に 憲法の中に時代にそわないものがあれば自分たちの手で憲法を改正することは当然 のことではないでしょうか。自民党は70年前に憲法改正を実現するために立されまし た。議論だけを続けて何も変わらない状態をこれ以上放置することはできません。 少なくとも自衛隊の明記、緊急事態対応、(参議院の選挙区における)合区解消、教育充実の4項目は時代の要請であり 改正しなければなりません。

 

37:40

 

私が総理総裁になれば国会において憲法論議の推進に全身 前例で望み憲法改正発議の環境が整えば直に発議の後国民投票に移り ます。以上、本日は1年以内に実現する改革と中見据えた構造改革に分けてお話をさせて いただきました。

 

1年で実施するものは政治改革規制改革選択肢の拡大の3つです総理になったら戦後80年の来年2025年に この3つの改革を断行します。

 

1年で改革が実現できないのなら中長期的な改革もでき ません。冒頭申し上げた通り、私は今の政治の当たり前を変えたい。この3つの改革を1年 でと言うとそんなことは無理だと言われるでしょう。しかしこの改革が1年でできない なら次の時代に間に合わない、さらなる改革はできない。まず政治改革を断行することで 国民の共感を取り戻したいその上で日本経済のダイナミズムを取り戻し 11人の人生の選択肢が増え、未来に明るい展望の持てる新しい政治、新しい日本 を作りたい。そのためにも皆さん私に力をください。

 

この度の総裁戦よろしくお願いします。

==おわり==

2024年9月14日土曜日

高市首相は米国民主党政権の手先となるのだろうか?


自民党総裁選挙への立候補者が揃ったようだ。抽せんの結果、高市経済安全保障担当大臣、小林鷹之氏、林官房長官、小泉進次郎氏、上川外務大臣、加藤元官房長官、河野デジタル大臣、石破元幹事長、茂木幹事長の届け出順となった。(補足1)


これらの候補者に関する世論調査での人気上位は、小泉氏、石破氏、高市氏の順である。立候補者9名の自民党員と国民に向けた10分間のメッセージが以下の自民党製作の動画で見ることができる。各候補の主張の要点が聞ける。先ずそれについて感想等を述べる。 https://www.youtube.com/watch?v=XITZnWhZNMI

 

 

ほとんどの候者が日本の経済力を増強するために成長投資など財政出動を行うと言っている。しかし、それは間違いである。特にひどいのは、加藤元官房長官の所得倍増目標であった。日本はもはや途上国ではないので、池田勇人の同じ名前の政策の真似は不可能である。

本来、経済増強を政策の柱にすることなど、社会主義経済を採用しない限り政治の中心的仕事にはなり得ない。自由主義経済の下では、政治の経済に対する影響力は大きくはない。経済的取引や法人の在り方などに設ける様々な規則などが主であるべきで、非常時に財政に頼る以外には、赤字国債を充てにすべきではない。そのことを正しく指摘したのは、河野氏のみであったことは驚きであった。

河野氏は、財政の規律は守るべきであり、例えばパンデミックや大災害の時の大胆な財政出動が可能となるように余裕を持つべきだと言っている。ただ河野氏の世界情勢に関する理解は上川洋子氏と同じく、全く欧米グローバリスト(補足2)の考え方に完全に支配されている。

「主権国家体制はもう古く、日本も米国を中心にした国際的連携で世界の政治体制をつくりあげなければならない。その為には中国やロシアの独裁政治を潰さなければならない」と言っているように聞こえる。国民の一人として、この二人のグローバリストの申し子的候補には当選してほしくない。

現在、人類は世界大戦の前日、或いは既に世界大戦中なのかもしれない。岸田政権はその片方に加担しているが、これ以上に戦争が拡大した場合、中国と米国グループ(G7及びNATOとAUKUS、そして日韓)との戦争が東シナ海で発生する可能性が高い。その場合、日本はロシアと戦うウクライナと全く同じ状況になるのである。上記二人は、国民の一人として、日本の首相になってほしくない。

茂木氏、石破氏、林氏、小林氏の言葉には全く新しいものを感じなかった。小泉氏の考え方には同意したい部分もあるが、今一つ経験と能力を高めてもらいたいと考える。今回私が特に注目する候補は高市早苗氏である。出馬表明の記者会見で発表された高市氏のメッセージは明確であり、一部に評判が高い。https://www.youtube.com/watch?v=6p21fsXiosk

 

 

以下、高市氏の考え方を取り上げて、ほんの少し議論してみたい。私は高市氏こそ、米国民主党政権が期待する次期日本首相だと思う。高市氏の危険性については既にブログ記事として書いているので下に引用する。

 

 


2)高市早苗氏の立候補記者会見

高市氏は国のもっとも重要な使命は、国民の生命と財産を守ること、更に(或いは)領土、領海、領空、資源、国家の主権と名誉を守ることであると話す。そして今、総合的な国力の強化:外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、人材力が必要である。そのために、経済力の増強が先ず必要であると話す。(補足3)

高市氏の上記メッセージを聞いて私に以下の疑問が湧いた。自民党政治がほぼ70年間続き、最近の10年間ほどには幹部として入閣していた筈であるにも関わらず、何故今このような国家の使命というイロハのイから言わねばならないのか? 

自民党の70年間の日本国統治は、このイロハのイを無視したものなら、先ずそのことに言及すべきではないのか? 高市氏は1996年以来自民党に所属してきたが、自民党の考え方や政治的姿勢が自分の思想に近いから自民党に参加してきたのではないのか?

そうではなく、現在急遽にその必要性が生じる程の大きな日本の政治改革そして自民党改革が必要なら、それは具体的にはどのようなもので、どのような経緯でそのような状況となったのかについて、高市氏は自らの歴史感を語る必要がある。

この声明の中で高市氏が話した国家防衛に関する問題意識のある部分は、客観的に見て正しいだろう。中国は、米中対立(補足4)が深刻な情況にあり、ウクライナで米国連合と戦うロシアに味方している。そして今、東アジアにおける戦闘に備えているように見える。

 

日本は国家の真面な機能として、国際状況に対応できるような防衛力を持つべきである。ただ、それはあくまで日本国独自の防衛として実行されるべきである。

現在中国やロシアに日本を攻撃する動機があるのか? 

 

ロシアと日本は、数年前に歯日露平和条約の締結に動いた。ほとんど同意直前であったが、日米安保を根拠にしてそれらの島々に米軍が配備される可能性を除去できずに反故となった。(補足5)その後のウクライナ戦争によるロシア制裁など、対ロシア敵対行為は日本側に100%責任がある。高市氏は、その岸田政権の一人であった。ロシアの脅威は彼らが招いたことである。

一方、中国との間では、日本にとっては経済的には非常に重要な関係にあるものの、最近尖閣問題などを中心に対立が深まっている。現在中国は経済的に苦境にあり、国民の政権批判の空気が強まっている。そんな中で過去の歴史問題などでの対日批判が民衆のガス抜きに利用されている。(補足5)

この歴史的責任の半分は旧日本帝国の侵略体質にある。ただ、平和条約締結後にはそれは持ち越さないのが原則なので、現在の中国の卑怯な姿勢は中国政府に責任がある。

対中国の防衛力強化は、日本にとって必須であるのは言うまでもない。日本が真に独立国として独自外交が可能だったなら、ロシアからインドまでの中国を取り囲む国々と協力して、中国の軍事的圧力に対応すべきだった。その戦略を自ら放棄したのは、岸田政権である。

現在の中国の軍事的脅威の80%は、米国ネオコン政権が進めるグローバリズム(新シオニズム政策)、或いはそれによる中国弱体化が原因である。(補足6)従って、日本は米国の同盟国ではあるが、対中外交は米国の関係する部分を排除して行うべきである。

しかし、高市氏はその防衛構想の中で、以下のように言っている。「安倍晋三元総理が提唱しそして構築をしてこられた“自由で開かれたインド太平洋”にアメリカを強く関与させ続けることが日本の責任でございます。受け身ではなく主体的な外交で同盟国と同志国の絆をさらに強くしてまいります。」これは「米中戦争に積極的に参加します」という宣言にも聞こえる

米国は、中国の領土の一部であると認めている台湾にたいして、2022年以降特に顕著に独立させるべく動いているように見える。米国民主党政権は、中国に対して台湾独立をつぶす軍事行動を嗾けているように見える。高市首相を持つことは、日本国民にとって非常に危険になると思う。

当時下院議長のナンシー・ペロシ氏や、連邦議員団、更に中国攻撃を繰り返してきた元CIA長官且つ元国務長官のマイク・ポンぺオ氏らが台湾を訪れて中国習近平政権と対立する台湾総統を励ましている。マイク・ポンペオ氏は、蔡英文中華民国総統より「特種大綬景星勲章」を授与されている。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240115/k10014321651000.html

日本国は、日中共同宣言の時以降、当時の中国共産党政権に対して台湾は中国の一部であると明確に表明している。国民の命を守る政治を目指すなら、日本が核軍備を十分な形で完成するまでは、その条約文を何度も読み、条約を守るように努力すべきだ。


日本は、田中角栄から大平正芳の時に台湾を裏切り見捨てたのである。日本は卑怯にもわが子を捨てて、自分が豊かな生活を夢見て生き延びたのである。それが国際政治というものだというのなら、それはその通りかもしれない。しかし、締結した国際条約の重みを無視することは、日頃国際秩序を重んじるという自民党国会議員たちの言葉に反すること位は、十分承知すべきである。

そして現在、日本が台湾の味方であると言うのも現実的国際政治というのなら、中国と戦いになり原爆を投下されて国民の数百万人が一瞬にして焼き殺されることも現実的国際政治と言うことになる。中国高官はときどき、日本に原爆を投下することは一つの選択であるという類の発言をしている。

現在の状況下での日本の憲法改正、自衛隊の国軍化、更には防衛力増強には反対する。それは、米国の駒となって、ウクライナのように米国が弱体化して崩壊させる戦略を持っている相手国と戦う羽目に陥る可能性大だからである。なお、有事の際には日本の自衛隊の指揮権は米国が持つという密約があるので、開戦となれば日本国に独自外交はない。

 

 


3)高市早苗氏を新総裁に期待する米国?

グローバリストの中枢である米国の現政府は、高市早苗氏を総裁候補として高く評価している筈である。彼女は2008年の世界経済フォーラムによって世界若手リーダーに選ばれている。そして、米国民主党政権にひたすら従順な岸田政権下で、経済安全保障担当大臣を勤め、2023年その業績を米国のシンクタンク(グローバリスト機関)であるBoston Global Forum(BGF)に高く評価され、AIWS世界リーダー賞を受賞している。

受賞理由は、彼女のリーダーシップの下、日本は経済安全保障の向上に向けた諸措置を講じた他、彼女は米国を含む他の国々との日本の経済・安全保障関係の強化にも重要な役割を果たしたこととされている。AIWSとは AI world society のイニシャルであり、AI時代の国際社会を意味する。https://bostonglobalforum.org/boston-global-forum-awards/world-leaders-in-aiws-award/the-world-leaders-in-aiws-award-2023/

因みに、2022年のBGFの世界平和と安全保障に関するリーダー賞は、ウクライナのゼレンスキー大統領が受賞している。そのことからも、BGFは世界経済フォーラムと同じ勢力による国際機関だと分かる。

自民党岸田政権とその背後に居る米国のリーダーは、上川外務大臣が時期首相として良いと思っているだろうが、それでは余りにもあからさまな政権移譲なので、同様に欧米グローバリストへの同調者として育てられた高市早苗氏を次期首相に、上川洋子氏をその次の候補と考えているのではないだろうか。

高市氏は国連中心の外交を当然のこととし、ウクライナ戦争が国連の機能を阻害しているという理解を今回の立候補記者会見でも披露している。このような単純な考え方が、9名の総裁選挙への立候補者の全てに共通している。つまり、だれが次期総裁になっても、日本の米国追従路線は変わらない。勿論、それが吉田茂以来の自由民主党という政党の遺伝子である。

高市早苗氏が米国民主党政権に強く支持されていることを報じているyoutubeチャンネルがある。最後にそれを引用して、今回の記事を閉じる。香港系の大紀元というyoutubeチャンネルの一つで、米国の国務長官ブリンケンが高市氏の対中強硬姿勢を高く評価していると言っていると報じている。https://www.youtube.com/watch?v=7-QcdJY9F5s

勿論、信頼できるかどうかは分からない。オリジナル情報を探してはみたが見つからなかったので、そのつもりで視聴してくださればと思う。


補足:

1)なぜ届け順まで抽選で決めるのか? 更に、本当に抽選で決定したのか? 党全体の今後を考えたとき、そして候補者が出揃うこの10日間程のインフルエンサーたちの意見と世論という“風”を読んでの党幹部の独裁的決定ではなかったのか? 我々国民一般は、単に総裁選び劇を見せられているだけではないのか。

重要人物の内、茂木幹事長が最後の届け出となり、その声明文には練られた跡が見られないだけでなく、発表の準備も十分には為されていない。東大とハーバードケネディスクール出身の俊才としては彼の発表はあまりにも貧弱である。自民党議員票の分散を狙っての出馬ではないのか?

2)グローバリストとはユダヤ系金融資本家を中心にした世界帝国の建設を目指した勢力である。近年は、気候変動や人口増加などの地球環境問題を主要武器として、世界政治の支配を目指している。彼らの中心は米国の民主党及び共和党の一部(RINO)を牛耳る金融資本連合やイスラエルロビーとされる。米国と同じくユダヤ系資本に支配された英国、英米の影響下のNATOやAUKUS諸国、それに日本などの米国との軍事同盟にある国を通して、世界中をその勢力範囲としている。それに対抗するのが、聖書の時代から敵対国とされるロシアやアジアや中東の異教徒、アジアの中でロシアに近い国々だろう。これらの国々は、最近BRICSやグローバルサウスの二つのグループにまとめられている。


3)ある方が高市氏の声明文を文字起こししている。そのご努力に感謝する意味もあって、下に引用させていただく。https://shinjukuacc.com/20240910-01/

 

4)習近平政権下で独裁色を強め米国を中心とする西側諸国に批判され続けている。しかし、国家がどのような形態をとるかも国家主権の範囲に入る筈である。その米国の核の圧力の下で、米国と核攻撃と防衛の均衡をとるために、南シナ海を原子力潜水艦を配備する深海として利用する計画を進め、周辺諸国と摩擦を繰り返している。これも世界各国の米国支持派の攻撃の的になっている。

 

5)これは、米国スタンフォード大のフーバー研究所研究員の西鋭夫氏によれば、英国の真似をした英国影響下で日本にクーデター(つまり明治維新)を起こした主に長州の若い人たちの所為である。
その末裔が現在の自民党政府の中心であったのだから、そしてそれを日本国民が日本政府として受け入れていることから、日本国民が相続すべき歴史的責任である。

 

6)元々、北方4島は戦争時にソ連に占領された地域であり、それらの帰属は平和条約で決定すべきことである。ただ、戦後サンフランシスコ講和条約で千島列島を放棄している関係で、歯舞と色丹島が交渉の焦点となるのが真面な考え方である。その意味で、ロシアの二島返還(ロシア側は譲渡と呼ぶ)での平和条約締結案は、誠意ある提案である。
 

2024年9月8日日曜日

低迷日本の支配層と蔓延る既得権益

 

日本低迷の原因は、至る所に既得権益が真菌やカビのように蔓延り、活力を奪っていることである。政治においては、劣悪な人物が既得権益で政治家となり、内政においては既得権益病を蔓延らせ、外交においては諸外国に軽視され利用され続けて、現在まで国益を大きく棄損し続けた。そして世界大戦の可能性の中で、国家の存続を維持することができるかどうか危うくなっている。

何故そのようなことになるのだろうかと考えると、何時もいびつな明治以降の歴史にぶつかる。しかも、その歴史は現在までの日本政府によってひた隠しにされていて、マスコミも大学などの研究機関も決して触れない。日本は、影の部分では恐ろしく統制された国家である。そんな中で、徐々に民間や海外在住の日本人により、明治以降の日本に関する情報がインターネットに流されるようになってきた。真実は本来あるべき場所には無かったのだ。https://www.youtube.com/watch?v=BJpmBPm37Vg

 

 

 

明治以降の政治経済における中心的勢力は、独自にその地位に就いたのではなく、大英帝国の大きな支援の結果だった。日本の近代史は、長州人(或いは薩長土肥)を中心とした既得権益層の世界史的暴走と、国内での既得権益としての権力の維持の歴史と言えるだろう。(補足1)つまり、大きな既得権益層を中心に日本の近代が進行したとも言える。

現代日本において既得権益に正しく対処できない大きな理由は、明治からの日本の近現代が絶対的権力を持った巨大な既得権益層中心の歴史だったことと、その隠ぺい体質が日本に深く浸透したことにある。それが昭和の大戦につながり、日本人から既得権益や生来の身分による差別と戦う気力だけでなく、それら不平等や不公平に対する真面な感覚まで奪ったのである。

そして敗戦後、国際法違反の大都市空襲や原爆投下で大虐殺を行った米国の統治下に入ることに対して、日本人庶民の中に悲しみと怒りの気持ちと伴に不思議な安心感を抱くという人たちが多く居た(と思う)。このような歪な政治権力と西欧文化の無批判・無理解輸入の結果、近代文明の基礎が育つ前にその芽も枯れ果てたことが日本低迷の原因だと思う。西欧文化が大事なのは、ギリシャに始まりキリスト教の下で発達した西欧文化が近代文明の基礎を為しているからである。

ただ、その近代西欧文化も現在、地球規模で破壊されようとしている。米国中心のポストモダニズムと中国の無神論が原因だろう。近代を消化不良で採り入れられず、ポストモダンと無神論に弄ばれている日本というのが、現状である。

 


歴史とマクロな話は以上にして、以下に現代における既得権益をミクロの視点から観察する。マクロな歴史的な問題の解決には、ミクロな理解を抜きにはあり得ないと思う。


1)公私の峻別: 西欧近代文明の思想

西欧近代文明は、人間と社会の間にいくつかの基本的な原則を設定することで成立している。それらは、①人間の社会参加においては、公私は峻別する;②私人そして社会人(=公人と定義)としての振る舞いを時間によって分ける;③社会におけるその人間の位置は、専門性と能力によって殆ど決定される、などである。ここでは、「公」は官庁に関するという意味ではなく、社会に関するという意味であり、「私」に対立する。大企業など諸法人は「私」ではなく「公」に分類する。(追補1

勿論、株式会社などは法的には私的な存在である。しかし、社会の中にあって万人の為に富を生み出す装置であり、決して株主だけのためにあるのではない。つまり公的存在である。松下幸之助が「会社は社会の公器」と言ったのは、会社の本来持つべき社会的役割を社員や他の人たちに訓示するためだろう。同じ言葉を世界経済フォーラム(WEF)のクラウス・シュワブが言っているが、その目的は彼らの企みを隠すためだと私は思っている。(補足2)

既得権益の中に居座ることは、これらの原則を全く理解しないのか理解した上でのことか分からないが、私的な利益を優先した反社会的な行為である。その動機は一私人としては自然であるが、集団を為して既得権益層を作り、彼らを社会から取り除く機能の監視と破壊までを行うのは、国家の乗っ取りに等しい。

彼ら既得権益層を告発する機能はマスコミが果たすべきであり、そしてその社会から排除する機能は、検察を中心とした行政官が行うべきことである。それらを正常に機能しないように支配しているのが、現代日本の支配層、つまり既得権益層の政治家たちである。

米国や日本のマスコミには、上記のような期待される機能は全くない。同様に、それらの国々の検察にも、肝心なときに真実と社会正義に基づく捜査をする機能など期待できない。司法の武器化は、米国政治の現状を知る鍵であるが、最近の政治資金規正に関する捜査などを見ると、日本でも同様であると思う。

国の動物モデル:全ての臓器は公たる全身の為に働く

国或いは民族で纏まった社会は、各要素が機能体として高能率で働き、整合性を持って統一された存在であるべきで、動物などの生命体がそのモデルとなるだろう。

 

 

そのような民族や国家では、目や鼻、腕や足、口や舌、胃や腸、肝臓や腎臓、心臓や血管システム、リンパなど免疫システムなどに相当する諸機関が、全体を正常に保つべく専門的機能を受け持つだろう。(補足3)

動物では、臓器の細胞は24時間365日全身に奉仕し、それと同時に他から生命維持のためのサービスを受けている。臓器細胞は100%「公」である身体全体に奉仕し、「私」を優先する細胞など存在しない。存在した場合、それはがん細胞であり、身体を死の危険に導く可能性がある。

社会或いは国家における人間も、社会にサービスする公的時間と帰宅後の私的時間を区切ることで、公的時間のみでその高効率な機能体を作り上げることが出来る。その理想的な形では、国家は機能体であると同時に共同体でもある。以上が国家の動物モデルであるが、株式会社も基本的にこのような機能体であるべきである。

適材適所の原則

社会への個人の参加は、成壮年期に適材適所の原則に従ってなされるべきである。高度な技術文明と経済の巨大化した社会の諸機関においては、適材適所の人事はより専門性に重点を置いてなされるべきである。私的な人事では、人が良いとか控えめだとかいう曖昧な人物評価が重要であっても、社会の公器では一定のコミュニケーション能力は要求されるが、よりドライに能力と専門性を目安にした人事であるべきである。

若過ぎて或いは老いて、或いは何らかの原因でその適正を持たなければ、私人としてのみ生きる時間が長くなるだろう。その人事の流れに淀みがあってはならない。既得権益は、このような社会の停滞部分において発生する。

この人事で欠かせないのは客観的且つ科学的な個人評価である。それは公の意識を持った人により公の時間でのみ可能である。私人に客観的評価など不可能なことは言うまでもない。つまり公私の峻別は、専門的機能体組織の組み上げには必須である。

(一日の内での公私の区別の話だが、)社会に参加している人たちもオフィスアワーが終われば、私人に戻る。そして人との付き合いも私的なものに替わるので、仕事の後の飲み会など、仕事上の付き合いの延長は原則ないだろう。勿論、公私の峻別は概念的なものであり、それを意識しておれば、仕事仲間で私的にも良い関係になることを妨げるものは何もない。

労働の流動性や同一労働同一賃金の原則など、公私の峻別があればきわめて自然に進む筈である。それがなかなか達成できないのは、近代西欧の公私の峻別の文化がその基礎から日本に導入されることはなかったからである。


日本経済低迷と日本型労使関係

日本の労使関係では、入社式というヤクザ社会のような儀式を経て、オフィスアワーも在ってなきが如く公も私も含め全人格をその会社に捧げることを基本とする。そのモデルは、封建社会における藩と藩士の関係である。https://www.careermart.co.jp/blog/blog/archives/5834

現在の政府は、その表に現れた副作用的な部分を対症療法的に取り除く政策を実行しているが、根本からの変革がないなら、単に全体的な活力を削ぐだけに終わる。そんなことが理解できる知性を、日本政府も日本の議会も有していない。下の動画をじっくり聞いて考えてもらいたい。

https://www.youtube.com/watch?v=-w0lgS8h7NU&lc=UgythiYf7ZuOeNlQTKF4AaABAg

「Japan as No1」が米国で出版されたときには、経済的には大股で米国が敷いたレールの上を進み、日本型労使関係の強みを発揮していた。そのモデルのままで何十年たっても改めることなく、西欧文化の中の労使関係の基礎にある考え方に十分には学ばず、表に現れた現象のみから対策を建てようとしているのが日本政府である。

封建社会が近代に対応できなかったように、その日本型の労使文化では専門性が高くなるに従って、上手くいかなくなる。それが日本の活力の低迷の本質である。それにも関わらず、日本の低迷の原因は財務真理教だなんて言っている政治家や評論家は、彼ら自身が現在の職業の適性を欠いていることに気づいていないのである。


2)日本の政治

日本では歴代の総理大臣は国会議員の中から選ばれてきた。彼らの多くは家業として政治家を継承してきた人たちであり、その適性故に政治家になったのではない。家業を継承出来たのは、冒頭に議論したこと(大英帝国の教唆と支援による明治維新)を主因とし、社会が一定の豊かさを維持し且つ平和であった為、大衆に方向性を持った大きな不満が無かったことを副因とする。

 

政治家を支配者とみるマスコミは、大衆に対して人生を3つのSに関心を持って生きることで完結させるべく、テレビ番組を作っている。https://ja.wikipedia.org/wiki/3S%E6%94%BF%E7%AD%96

その衆愚化政策のパターンは、米国経済を支配する層がつくりあげたことは良く知られる。あのハリウッドやディズニーを経営している一族ら金融資本家たちである。戦後、将にその人たちが中心になって、米国に奉仕する日本をつくりあげたのであり、マスコミも政府諸機関もそのレールの上を直走っている。(追補2

何かやりそうな人物が現れると占領軍が作り上げた検察の特捜部が活躍する。

 

 

 

例えばロッキード事件などが有名である。特捜部(だけでなく警察庁)は、ロッキード事件や政治資金問題を捜査するが、決して日航機123便事件を捜査しない。日本の司法は、毒ぶどう酒事件の裁判でも明らかなように、クロマトグラフという科学的証拠を無視することも得意技とする。勿論、7月8日事件、木原氏妻の元夫殺害事件などでも科学的考察は一切無視するのである。

日本の官界も、小さな封建藩主と藩士のグループが棲み分けている世界である。国益よりも省益などという言葉がそれをよく形容している。内閣人事局をつくり、その小藩の構造にメスを入れたようでも、根本が理解されていないのでうまくいく筈がない。


3)科学会と既得権益

科学の発展は学会があってのことである。学会は、提出された論文を学会や論文誌の査読という場で議論し、著者に修正する動機を与える。学会は、発行している学会誌を学会員が成し遂げた成果を発表する場として提供する。学会は、科学の発展を目指す完璧な機能体としてできた筈であり、既得権益など入り込む余地がないように感じる人も多いだろう。

また、科学の発展が真実に絶対的な価値を置く特別な人たちによって担われて来たと考える人が多いだろう。頭脳のみを用いる場合は、そのような考えも成立したかもしれないが、現在の自然科学研究では高価な装置が必須になり、実社会との関係が深まることで科学の世界も徐々に変質している。

研究や教育の予算を研究者以外、例えば国家が持つ以上、既得権益の発生の場の例外にはなりえない。科学(自然哲学や社会哲学、更に人文哲学;補足3)よりも工学や医学、さらに気象や災害に関する学会では、政府予算以外のお金も関係する場合が多くあり、既得権益が蔓延る状況がみられる。

もっともわかりやすい例は、政府の地震調査研究推進本部とそれに群がって予算を獲得する人たちである。「30年以内に70〜80%」とされる南海トラフ地震の予測は、地震予知及び対策関連の予算と関係して、既得権益を作り出した。それは、一般に地震に関する学問への誤解を深めることになった。
https://www.youtube.com/watch?v=0BCZgf5JlNQ
https://www.tokyo-np.co.jp/article/313763?rct=trough_uchimaku

もう一つの例として、ウイルスや対ウイルスワクチンの研究などでも科学のゆがみが見られる。
パンデミックに備えてのワクチン開発研究などでは、データの改竄など政治を優先するような事態がに深く絡んだ医学の破壊ともいえる傾向である。この問題に関しては、「日本の研究者、COVIDのワクチンが201種類もの疾病につながる副作用を起こすと発表」としてアップされたある方のブログを紹介する。https://ameblo.jp/sherryl-824/entry-12866373028.html


終わりに:

以上、公私の峻別と既得権益の発生の話について書いてきた。上にあまり書かなかったことだが、「私」の中に非常に重要な部分として宗教がある。選民思想を濃厚に持つ宗教も存在し、それが現在中東での残忍な戦争の中にみえる。上記ポストモダニズムも、彼らの利己主義の産物であると思う。


追補:

 

1)通常「公」は官庁や地方自治体に関して用い、株式会社など生産のほとんどを行う組織を私企業と呼び「私」に分類する。本文にも書いたが松下幸之助が言ったように、それでは社会が随分住みにくくなってしまう。日本の私企業の一部には、この(日本にも古来からあり)松下幸之助(が言及した)思想が及んでおり、それがそれら日本企業に民のための企業の側面を与えている。この重要な視点に世界経済フォーラムのクラウス・シュワブも気づいて、「株主のための会社から関係者全員のための会社に資本主義の原則を換える」と言い出したのである。日本においては、共産主義独裁を用いることなく、企業はその理想に近づいていたのである。

一方、シュワブを支えるユダヤ系大資本(国を持たないディアスポラの人たち)には「公」の思想がなく、それが米国において新自由主義経済という化け物を作り出し、それを中心にした文化にポストモダンなどという名前をつけたのである。

 

2)米国に奉仕する日本を作り上げるために、米国は戦後日本に様々な経済的支援を行った。更に、米国は日本が独自外交に動かないように、3つの領土問題を作り上げ、周辺諸国と常に緊張関係にあるようにした。それでも鳩山一郎が1956年の日ソ共同宣言後、そして安倍晋三が2018年の会談後、ロシアとの平和条約にほとんど合意したが、米国がそれをつぶしたと考えられている。日中の間の尖閣問題は、近い将来の戦争の引き金になる可能性がある。

 



補足:

1) 江戸時代までの天皇制なら、日本は満州利権の獲得から対中戦争には進まなかった筈である。戦争に明け暮れたのは、大日本帝国が西欧型帝国のコピーだったからである。天皇の背後には、西欧のある国々の支援と干渉に支配され人たちが居たのだ。明治のクーデター或いは革命は、日本独自の歴史的展開とは言えないので、明治の支配者をここでは既得権益層と呼ぶ。

2)世界経済フォーラムは人口増加に伴って地球規模の様々な異常が発生していることを懸念し、拡大する現在の資本主義経済に警鐘を鳴らしている。そして、選ばれた人たちのみが生き残る世界帝国の建設を目指す人たちと結託して、地球規模の共産主義的体制の樹立(グレートリセット)を企んでいるように見える。

3)消化器は産業、循環器は輸送と金融、手や足は国防、目や鼻は外交に相当するだろう。免疫システムは諜報や出入国管理から軍隊の一部に相当する。広く知性ある人材を集めるべきは、動物の脳の各部分に相当する諸機関である。国家の動物モデルは、一対一対応はしないが、国家のあるべき姿を考えるためのモデルとしては役立つだろう。

 

(21:00 編集; 9/9/5:00 全面的に改訂。カッコ内は翌日追加。)