2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、失敗に終わる可能性大である。プーチンは国民にロシアの置かれた立場を十分周知することなく、しかし国民世論を気にしながら、“戦争ではなく特別軍事作戦”として開始したこともその原因の一つだと思われる。
バイデン米国大統領の「ロシアによるウクライナ侵攻が「小規模」なら西側諸国の対応も小規模にとどまる」という趣旨の発言もあり、それに騙されてこの作戦を短期間に終了出来ると読み違えたのである。その“悪魔のささやき”におもわず乗ったのは、国民の反対を考えたからである(補足1)
https://www.bbc.com/japanese/60078342
プーチンは、粘り強く対日制裁と行いながら真珠湾の奇襲を待ったルーズベルトの手法を十分学んで居た筈だが、如何に天才的と雖も、一人の人間の能力は限れらていると言うことだろう。多くの専門家が分析してシステマティックに戦略を練る米国の高い戦争能力にはかなわない。
今回のプリゴジンの反乱だが、これを契機にロシアのプーチンも独裁色を強めるだろう。そうしなければ、プーチン政権は滅びると思う。その最初の仕事として予想されるのが、プリゴジンの殺害とワグネルの完全な解体だろう。
プーチンは、昨日のロシア国防省軍人らとの会合で「ワグネルの活動費は全額国家予算から支払われていた」と明かした。1400億円という金額以外のことは、誰もが既に100も承知だろう。プーチンはその金の行方に不正が存在し、それを理由にプリゴジンを逮捕する計画の最初のステップだろう。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/566465?display=1
ワグネルという強い軍隊を手に入れたと喜んでいるベラルーシのルカシェンコ大統領だが、そのトップのプリゴジンは、国庫から支払われたお金の私的流用の犯人として引き渡しが要求されるだろう。その場合、在ロシアのワグネル兵士がベラルーシに向かうことはない。
根拠はあまりないが、私はこのように進むと考えている。次に、更に深刻な話を予想する。
プーチンは、できるだけ短期間に非常事態宣言と一般的な徴兵令を布き、ウクライナとそれを支援する数か国に宣戦布告をする可能性がある。それは7月11日のNATOサミットの後かもしれない。その場合、高くはないが第三次世界大戦に発展する可能性がある。
米国国務次官のビクトリア・ヌーランドがそのNATOサミットで、ウクライナに対して正面から軍事支援をするとの提言を行う可能性が高いようだ。何故なら、その恐ろしい人は7月11日に第三次大戦が始まるかもしれないと言っていると言う話だからである。
https://tfiglobalnews.com/2023/05/31/11th-july-the-date-set-by-victoria-nuland-for-wwiii/
勿論、NATO諸国がそれに反対する可能性が高いが、兎に角会議は大荒れになると思う。
プーチンはNATOのその動きを見て、国内の引き締めを始める可能性が高い。もし、それが出来なければ、プーチン政権は終わると思う。ただ、プーチン以外の者が大統領になれば、世界にとっては悲劇となるだろう。(補足2)
ロシアは、敗戦の後結局分割されることになるかもしれないが、その前に核戦争が始まるだろう。米国民は、このような米国国務省ネオコンに政治を任せるべきではない。Nuland explains what Ukraine can expect from NATO summit in Vilnius (yahoo.com)
この戦争は2022年の3月に終わる筈だった。トルコの調停によって成立した和平案を潰したのは、急遽ウクライナを訪問した英国首相のボリスジョンソンだったと言われている。それにも関わらず核兵器の使用などせず、プーチンは我慢した。そのように評価する国際世論もある。(補足3)
このままプーチンが政権を保ち、何とか米国の次期大統領選挙でトランプなどネオコンや隠れネオコン以外が大統領になってほしい。そうすれば、その次の週にでも戦争は終結に向かうだろう。
米国とNATO諸国と日本などの米国の衛星国は、ロシア人たちは今回の戦争に負ければロシアが無くなると、考えていることを熟知し反芻すべきである。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2022/12/20/28072.html
以上は、一素人の想像を交えた考えです。
(17:45 NATOサミットでのヌーランドの発言に関する予想は、インドのTFI media groupという会社の記事にあったのですが、信頼性がそれほど高くない様なので、表題を変更し少し編集を加えました。たいへん失礼しました。)
補足
1)ロシアがそれだけ豊かになったということである。ロシアのGDPはプーチンが大統領になった2000年から22年間に20倍になった。この間、先進国GDP成長は米国でも2.5倍程度である。国民は豊かになれば、自分と家族の生活優先になり、国家防衛などを真剣に考える習性が失われる。周辺国やアフリカなどから傭兵が簡単に集まるのは、それらの国々が貧しいからである。
2)これまでウクライナでの残忍な戦闘行為がテレビなどで報道されてきた。それをウクライナ側の捏造だと考えてきたが、プリゴジン率いる傭兵部隊なら、そのような残虐行為は十分考えられるだろう。80年近く前に、満州や樺太に南下し、我々同胞に行った残虐行為と似た状況が、21世紀のウクライナでも起こっていただろう。勿論、2014年ころにあったウクライナドンパス地域でアゾフ連隊というウクライナの傭兵部隊により、数多くの残虐行為が行われただろう。そこに米国の民間軍事会社のブラック・ウォーター(現在何と!Academi(アカデミ)に改名)の兵士も多く参加しただろう。ユーラシア大陸の人間は、この2000年残忍な殺し合いの連続を生き抜いた人たちであることを、日本人はもっと知るべきだ。
3)このように主張する人たちの動画が公表されているので、以下に引用させていただきます。
この動画は、6月26日の記事へのコメントの中で教えてもらったものです。プーチン政権の時のウクライナとロシアの関係、そして、2022年の3月の和平案をつぶした英国首相ボリス・ジョンソンのことなどが議論されています。