北朝鮮との長時間の会議により、拉致被害者に関する再調査が北朝鮮で始まることになった。(注1)この件、日本が行なっている独自制裁の一部解除を伴って、しばらくは進展する様に見えるだろうが、何れ米国の圧力で挫折することになると想像する。安倍内閣は、拉致問題解決を最も重要な政策の一つとして考えているので、相当踏み込んだ条件を提示していると思われる。例えば、韓国の中央日報(日本版)では、万景峰号の寄港や金の移動だけでなく、戦後賠償金についても金ジョンウン側は視野に入れているのではないかと書いている。(注2)
私は、北朝鮮による拉致は国家によるテロ行為であるが、それを可能にした日本国にも責任があると考えている(注3)。それだけに、拉致被害者の奪回は日本政府の最重要課題の一つであると思う。しかし、北朝鮮との国際的交渉システムとしては、核兵器の破棄を要求する六カ国協議の枠組みがある。従って、今回の拉致問題解決だけをテーブルに載せ、日本から経済協力金(つまり戦後補償金)を受け取ることは元々無理である(注4)。唯一可能性があると思うのは、(1)再度6カ国協議を再開すること、そしてその後の道筋として、(2)北朝鮮の国家体制維持を核兵器廃棄と引き換えに6カ国が認めること、などを安倍内閣が橋渡しとなって下準備することだと思う。(2)は北朝鮮には同意が非常に困難なことだろうが、それが唯一、北朝鮮が国家体制を維持したまま存続し、且つ、経済発展を実現する条件だと北朝鮮を説得しなければならない。これは大変な仕事である。しかしそれと同じ程度に大変なのは、米国にも納得してもらうことである(注5)。そんなことが、日本政府に出来るだろうか?
現実的には、拉致問題の最終的な解決は戦後補償を条件としない限り、絶対に成功しないだろう。また、日本の独自制裁の解除だけでは、北朝鮮は納得しないだろう。安倍内閣は、おそらく、韓国や周辺諸国からの日本と北朝鮮への圧力を視野にいれて、北朝鮮と交渉をしていると思う。拉致問題の解決という点では、米韓の連携に日本は破れることも予想しているだろう。その際、日本国の置かれた情況をあぶり出して日本国民に見せ、日本の憲法と日米安保体制だけでは、22世紀に向けての日本の平和的存続が危いことを示すことを最低限の目標にしているのかもしれない。
5月30日、日本の反発にも拘らず、米国内に7つ目の慰安婦の像が米バージニア州フェアファックス郡庁舎に設置された。連邦政府と州政府は違うと米国は言うだろう。しかし、諸外国に強い圧力をかけうる米国連邦政府が、自国の州政府に教唆(つまり強要)することは比較的に容易であると思う。現在、米韓両国は徐々に反日姿勢を更に強めていると私には見える。ただし、韓国は表から、米国は心の中においてである。(注6)安倍内閣が拉致問題の進展を模索しているのは、仮に懸案の拉致問題を除けば、北朝鮮が日本の周辺諸国の中ではむしろ反日度が低い国家になっているからだと思う。
日本を取り囲んでいる、米国、中国、韓国の三角形の一角を崩すとしたら、安倍さんとは逆かもしれないが、私は中国だと思う。中国は脅威ではあるが、日本に対して持つ歴史的感覚は、比較的単純である。先の大戦で日本が中国を侵略したのは事実であるし、尖閣諸島も冷静に地図を見れば、中国に属していてもおかしくはない(注7)。それに対して、日本からみての米国との蜜月関係は、日本が保護すべき児童であることを前提としている。日本が普通の国になったとしたら、注5に書いた様に”小さく見えていたステンレスの棘”が益々二国間関係に大きく影響することになる。また、韓国の反日姿勢は遺伝子レベルの話であり、翻ることはないだろう。
注釈:
1)ヤフーの知恵袋に金ジョンウン体制が出来た時に、以下の題で投稿した。 ”http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n205130”:北朝鮮と関係を改善し、拉致被害者を取り戻すのは今である。
2)以下のサイト参照:”http://japanese.joins.com/article/917/185917.html?servcode=500§code=500&cloc=jp|article|ichioshi”
3) 2年以上前になるが、以下の題でヤフーに投稿した。珍しく2万件を越えるアクセスがあった。"http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n62832"; 北朝鮮は日本国にとって大きな脅威か?
4)経済協力金は、現在の体制のままでは核軍備を含む軍事費に使われ、北朝鮮が国際的テロ国家としての性質を変えないで延命する可能性が高くなる。
5)米国は日本の国際的な舞台での活躍を、北朝鮮の核保持よりも嫌っていると思うからである。米国が日本に対して持つ感情は複雑である。旧敵国であったという恨みは壊滅的な打撃を加えたことで消滅しているが、逆に原爆投下という罪を犯してしまったことが、日米間に深く刺さった棘として永久に残るからである。日本は忘れることが得意でも、米国は日本が消滅するまでは決して自分の犯した罪を忘れないだろう。
6)安倍内閣は、普通の国家を目指している。米国は、それを警戒しているのだろう。
7)これは尖閣諸島がどうなっても良いと言っているのではない。”絶対”死守すべきという考え方が、思考の範囲を狭くすると言いたいだけである。仮に、中国を民主化し、敵対する理由の無い国にする経費だとすれば、尖閣は安い代償である。
共産党独裁体制は何れ崩壊するだろう。その時に、如何に日本の、そして、日本国民の被害をすくなくするかという視点で、尖閣問題も考えるべきである。なぜ安倍さんは、日本を米国の警察犬としての地位に縛りつけようとしているのか?何故、日本国を危険の前面に立たせるような言葉を、敢えて繰り返し発するのか判らない。
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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか
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2014年5月31日土曜日
金ナノ粒子の触媒能について=その発見は意外ではないと思うが?
ちょっと、現在ネタ切れ故、自然科学系に戻って専門外ではあるがコメントを期待して一件書いてみる。東大の春田元教授の金ナノ触媒の研究がノーベル賞候補だという話をよく聞く。今日、中日新聞の中日春秋にも中日文化賞と関連して、その紹介がなされていた。金という安定な金属に注目したのは、意外性と言う点で素晴らしいと思う。しかし、ナノ粒子にすれば、反応にもよるが大抵の物質に触媒能が出るのではないだろうか。
金は塩化物や酸化物をつくるので、当然、化学的に全く不活性というわけではない。また、金は通常の化学的環境では、化学結合を作る相手が少ないので、回収性に優れている。従って、金ナノ粒子がマイルドであるが回収性に優れた触媒能を持つことは十分考えられる。
表題に書いた文意は以下の様な理由による。つまり、ナノ粒子にすれば全ての単体(単一元素のもの)のエネルギー(自由エネルギー)があがる。それはナノ粒子になると、結合する原子の平均数が減少するからである。一般に固体表面は、結合する原子は全て内側にあり、内部の原子より結合の数が減少する。つまり、表面では結合による安定化が減少し、原子は高エネルギー状態になる。(固体の表面張力は、この単位表面積当りの増加自由エネルギーで定義される)ナノ粒子では、この結合する方向が内側の180度でなく、もっと減少するのである。高エネルギー状態は、高結合性と殆ど同義である。分子が吸着すれば、その表面原子のエネルギーが低下するが、その分、吸着分子の立体構造などを変化させ、化学反応性を増すのである。
<どなたか、コメントを下されば幸いです。>
金は塩化物や酸化物をつくるので、当然、化学的に全く不活性というわけではない。また、金は通常の化学的環境では、化学結合を作る相手が少ないので、回収性に優れている。従って、金ナノ粒子がマイルドであるが回収性に優れた触媒能を持つことは十分考えられる。
表題に書いた文意は以下の様な理由による。つまり、ナノ粒子にすれば全ての単体(単一元素のもの)のエネルギー(自由エネルギー)があがる。それはナノ粒子になると、結合する原子の平均数が減少するからである。一般に固体表面は、結合する原子は全て内側にあり、内部の原子より結合の数が減少する。つまり、表面では結合による安定化が減少し、原子は高エネルギー状態になる。(固体の表面張力は、この単位表面積当りの増加自由エネルギーで定義される)ナノ粒子では、この結合する方向が内側の180度でなく、もっと減少するのである。高エネルギー状態は、高結合性と殆ど同義である。分子が吸着すれば、その表面原子のエネルギーが低下するが、その分、吸着分子の立体構造などを変化させ、化学反応性を増すのである。
<どなたか、コメントを下されば幸いです。>
2014年5月28日水曜日
名張毒ぶどう酒事件の再審請求を認めるべき
名張毒葡萄酒事件は1961年名張市の公民館で起こった毒葡萄酒事件である。被告の奥西死刑囚の死刑が確定しているが、新しい証拠とともに再審請求がだされた。新しい証拠とは、毒物のクロマト分析の結果である。
(http://blog.goo.ne.jp/lazybones9/e/5d0c40fc9dc5a06d2e682930bae85ef0) その結果、奥西死刑囚が持っていた農薬と葡萄酒に混入されていた農薬が異なることが判ったということである。主成分は同じでも、ロット或いは製造元が異なっているということになる。ところが裁判官は、自白を重視して、再審請求を退けた。今日、8度目の再審請求に対する判断が名古屋地裁で出され、今回も再審は認められなかった。理由は、前回の再審請求と提出された証拠が同じであるので、前回の判断を覆す訳にはいかないという。
私は元化学分野の研究者であり、主として米国の化学会の研究雑誌を舞台に研究発表して来た者である。クロマトグラム上で、不純物ピーク(ペーパークロマトではドット)の分布が異なることが分析化学者により確認されたのなら、それは自白よりも遥かに証拠能力のあるものである。おそらく前回の裁判官は、クロマト分析について十分な知識を持っていなかったから、再審請求を退けたのだろう。同じ証拠だからといって、同じ判断を下すというのなら、その裁判官は仕事をしたことにならない。再審請求を受理した限り、裁判官は過去の判断をコピーペーストするのではなく、オリジナルな判断をしなければならない筈。そんなこと、論理に価値を置く、法律学を収めたものなら当然ではないのか?
補足はQ-kazanさんのご指摘により削除しました。
(http://blog.goo.ne.jp/lazybones9/e/5d0c40fc9dc5a06d2e682930bae85ef0) その結果、奥西死刑囚が持っていた農薬と葡萄酒に混入されていた農薬が異なることが判ったということである。主成分は同じでも、ロット或いは製造元が異なっているということになる。ところが裁判官は、自白を重視して、再審請求を退けた。今日、8度目の再審請求に対する判断が名古屋地裁で出され、今回も再審は認められなかった。理由は、前回の再審請求と提出された証拠が同じであるので、前回の判断を覆す訳にはいかないという。
私は元化学分野の研究者であり、主として米国の化学会の研究雑誌を舞台に研究発表して来た者である。クロマトグラム上で、不純物ピーク(ペーパークロマトではドット)の分布が異なることが分析化学者により確認されたのなら、それは自白よりも遥かに証拠能力のあるものである。おそらく前回の裁判官は、クロマト分析について十分な知識を持っていなかったから、再審請求を退けたのだろう。同じ証拠だからといって、同じ判断を下すというのなら、その裁判官は仕事をしたことにならない。再審請求を受理した限り、裁判官は過去の判断をコピーペーストするのではなく、オリジナルな判断をしなければならない筈。そんなこと、論理に価値を置く、法律学を収めたものなら当然ではないのか?
補足はQ-kazanさんのご指摘により削除しました。
2014年5月27日火曜日
女性役員増加を企業に要求する社会主義的内閣の本質
今朝の中日新聞によると、上場企業の役員にしめる女性の割合を有価証券報告書で開示するよう義務付けるということである。この内閣は、政治が何でも口をだすべきだという、社会主義思想の持ち主で占められていると、海外のメディアは思うかもしれない。しかし、最後に書いた様にそうではないだろう。
昨年からの(1)企業へ給与の引き上げを要請(指導)し、先日は麻生氏が(2)「法人税を下げた場合、その金は内部留保に回るべきでない」と発言し、企業活動の細部にまで口をだしている。そして今回、(3)女性役員の割合の有価証券報告書への記載を義務付けるということである。
(1):自由主義経済の元で、賃金を会社が決める場合、利益ではなく生産性により決まる。また、労働の価値は市場によって代わるという側面もあり、それは具体的には労使交渉という形になる。政府の入る余地はない。(2)会社の税引き利益(純益)は会社が決めることである。株式会社「麻生」の大株主である麻生太郎氏は内部留保という言葉をどう理解しているのだろうか?余ったお金という様に聞こえるが、株式会社、麻生フォームクリートを含め、一般に多くの企業にお金は余っていない。例えば人気のソフトバンクなどは借金の塊のような会社である。日本の看板である優良企業のトヨタでさえ、負債は流動資産を越えている。
(3)女性役員の割合を一定以上にするよう圧力をかけることも、異常としか言い様が無い。本来、女性が役員になり難い原因として、行政上の障壁などがあればそれを撤廃するというレベルのことが、政治が関与すべきことである。管理企画能力の無い女性役員が増加しては、日本経済を悪化させるだけである。そして、名前だけの女性役員をつくることで、会社の経費が増加するだけである。
いったい、この内閣は日本経済を強くしたいのか?弱くしたいのか?どっちなのだ。全く一貫性がない。否、国民に諂うことで、自分達の内閣の寿命を、自分達の国会や内閣における地位を長く保つという姿勢には一貫性があった。
昨年からの(1)企業へ給与の引き上げを要請(指導)し、先日は麻生氏が(2)「法人税を下げた場合、その金は内部留保に回るべきでない」と発言し、企業活動の細部にまで口をだしている。そして今回、(3)女性役員の割合の有価証券報告書への記載を義務付けるということである。
(1):自由主義経済の元で、賃金を会社が決める場合、利益ではなく生産性により決まる。また、労働の価値は市場によって代わるという側面もあり、それは具体的には労使交渉という形になる。政府の入る余地はない。(2)会社の税引き利益(純益)は会社が決めることである。株式会社「麻生」の大株主である麻生太郎氏は内部留保という言葉をどう理解しているのだろうか?余ったお金という様に聞こえるが、株式会社、麻生フォームクリートを含め、一般に多くの企業にお金は余っていない。例えば人気のソフトバンクなどは借金の塊のような会社である。日本の看板である優良企業のトヨタでさえ、負債は流動資産を越えている。
(3)女性役員の割合を一定以上にするよう圧力をかけることも、異常としか言い様が無い。本来、女性が役員になり難い原因として、行政上の障壁などがあればそれを撤廃するというレベルのことが、政治が関与すべきことである。管理企画能力の無い女性役員が増加しては、日本経済を悪化させるだけである。そして、名前だけの女性役員をつくることで、会社の経費が増加するだけである。
いったい、この内閣は日本経済を強くしたいのか?弱くしたいのか?どっちなのだ。全く一貫性がない。否、国民に諂うことで、自分達の内閣の寿命を、自分達の国会や内閣における地位を長く保つという姿勢には一貫性があった。
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