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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2022年6月30日木曜日

結局NATO首脳会議に出席したニュージーランド

6月29日と30日のマドリードでのNATOリーダーズサミットにニュージーランドの首相も結局参加した。前回記事(26日午前8時43分)で参加しないという同国メディアの記事を鵜呑みにして紹介したことが悔やまれるが仕方がない。

 



ニュージーランドのNewsHubが、18日にはNATO事務総長のニュージーランドを招待するというアナウンスを、続いて25日の段階で事務次長の招待しない(タイトル:NATO says New Zealand will not be invited to join at summit, but develop its partnership)とのアナウンスを掲載していた。(以上前回記事)

しかし、27日のThe Conversationという非営利の専門的メディアに、前回記事で紹介したオタゴ大学のパットマン教授の解説が掲載されている。https://theconversation.com/some-see-nzs-invite-to-the-nato-summit-as-a-reward-for-a-shift-in-foreign-policy-but-thats-far-from-accurate-185591

そこには、米国ワシントンに本部があるon-lineニュースマガジンの”The Diplomat” による26日付けのツイートが引用されている:”Ardern首相の連合王国会議へ欠席してNATO首脳会議へ出席する決断は、ニュージーランド外交の変化を象徴している”

Prime Minister Jacinda Ardern’s decision to attend the NATO summit in Spain – but to skip the Commonwealth Heads of Government Meeting (CHOGM) in Rwanda – symbolizes the changes she is making to New Zealand foreign policy.

ニュージーランド首相の参加は、NATOとアーダーン政権との話し合いで、25~26日のどこかで纏まったのだろう。

上記The Conversation でのオタゴ大学のパットマン教授の解説では、政権側の型どおりの考え方を紹介している。そこでは世界に流れている説:首相のNATO首脳会議招待の受諾は、ニュージーランドの独自外交が新冷戦の犠牲になったという見解を否定している。

(記事のタイトル)Some see NZ’s invite to the NATO summit as a reward for a shift in foreign policy, but that’s far from accurate

バットマン教授が否定する見解:

アーダーンの参加は、最近ニュージーランドが米国とその同盟国の反ロシア姿勢に近く、中国との距離を遠くとるという外交政策に変更したことに対する見返りである。

この外交姿勢の変化は、プーチンのロシアに対する制裁、ウクライナへの人道的および軍事的支援、そして太平洋への中国の関与の高まりに対する国民の懸念という形で示されている。

これらの変更は、アメリカの権力がニュージーランドに2つの超大国間のヘッジという好ましい戦略を放棄させ、自国の利益と中国との重要な関係を犠牲にしてワシントンに従うことを余儀なくさせたことを示している。


パットマン教授はこの見解に対して「現在の国際情勢とそれがニュージーランドの外交政策に与える影響に関するこのような見方は、真実から離れている」と否定している。

But this reading of the current international situation and its impact on New Zealand foreign policy is wide of the mark.

そして、新たな冷戦など存在しないと主張する:冷戦後の世界は冷戦時の世界と根本的に異なる。1947-1989年の期間は、地球規模の同程度の二つの経済システムが競争する世界だった。そんな性質は、グローバル化が進んだ21世紀の世界には存在しない。

The post-Cold War era is fundamentally different from the period between 1947 and 1989 and its rival global economic systems and competing but comparable alliance systems. Those features simply do not exist in the globalising world of the 21st century.

このような言い訳こそ真実から遠く面白くないので、これ以上は追及しない。要するに、教授がうがった見方であるとしているのが正しい見方なのだろう。

そして、パットマン教授の語るニュージーランドの姿勢は依然親中的である。それは、

アーダーン首相は、中国がモスクワと同じ分類とされるべきではないと述べた。しかし、彼女はまた、ルールに基づく秩序に対するプーチンの攻撃に強く対抗できないことは、ニュージーランドとの活発な貿易と文化的つながりを持つ一つの州である台湾を組み込むという中国の圧力を高める可能性があることにも留意します。

Ardern has said China should not be “pigeonholed” with Moscow. But she will also be mindful a failure to strongly counter Putin’s assault on the rules-based order in Ukraine could increase China’s pressure to incorporate Taiwan, a state with vibrant trade and cultural ties with New Zealand.

オタゴ大学のパットマン教授の解説はニュージーランド政府の公的アナウンスに近いと考えて良いだろう。

以上、26日朝の記事の訂正をさせて頂きました。今後はこのように専門性の高い部分には挑戦を差し控えるようにします。(10:30参加者の写真追加;おわり)

 

 

2022年6月29日水曜日

異文化と原点思考:デヴィ夫人による草薙への言葉

文化的背景が違う人たちと共に暮らすことは困難である。それは、人類が民族毎に主権国家を作って生きることの理由である。

 

その困難は、先日の米国左翼の地区検事の話を思い出してもらえばわかる。或いは、6月2日に紹介した米国の有力な圧力団体サイモン・ヴィーゼンタール・センターの副館長の「原爆投下は戦争犯罪だと思っていません」という言葉を思い出せば理解できるだろう。

 

既に日本に暮らしていても、異文化の背景を持つと思われる方が多くおられる。それらの人々の言葉や人物の評価を正しく行って異文化を学ぶべきである。一般に、日本など孤立民族が滅びやすいのは、異文化を正しく理解しないことである。中世の米大陸の原住民もその例である。

 

以上のことを分かりやすく説明するために、日本人の多くが関心をもったであろうケースについて議論する。下に引用のgooいまトピランキングの中の一節をご覧いただきたい。以下の文章で使われる”ディスる”という言葉は、英語のdisrespectに由来し、disrespectする、つまり”侮辱或いは無視する”などの意味だろう。若者の感覚が十分わからないので、原文のまま引用する。

 

デヴィ夫人が、614日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に出演。共演者の容姿を次々とディスり、視聴者をザワつかせた。

 

俳優の手塚とおるは「全く共感されない私のポジティブorネガティブ思考」とのテーマで発言した。手塚の表情を見て「ちょっと待って。だからあなた、なんか容貌が不景気ですよね?」と突然手塚の顔をディス。手塚は「60年生きてきて初めて言われました」と嘆いた。

 

さんまはここで『宮下草薙』の草薙航基に「草薙も不景気やもんな?」と話を振った。草薙が「顔がですか?」と反応すると、デヴィ夫人は「あなたは(顔や容姿が)汚い」とバッサリ。スタジオから笑いが漏れる中、草薙は「汚い…?」と目を見開いて絶句していた。(原文のまま)

 

この場面をたまたま私も観ていた。そして、デヴィ・スカルノさんのこの言動に非常に腹立たしく思うと同時に、何故この人はこのような汚い言葉を吐くのだろうかと考えた結果、この方は異文化の背景を持っていると思い当たった。

 

そして、インドネシアのスカルノ大統領の第三夫人デヴィル・スカルノさんの起こした犯罪やトラブルをネットで調べてみた。

 

その結果、デヴィ夫人にはたくさんの裁判沙汰があることがわかった。その中に、私の記憶にのこっている件が一つあった。それは、1992年の米国アスペンでの事件である。

 

その頃は、デヴィ夫人の行為を名誉を傷つける言動(フィリピン大統領の孫に売春婦呼ばわりされた)に対する反撃であると考えていた。そしてその後書いたブログでは、デヴィ夫人を擁護する文章を書いた。(補足1)

 

このケースでは結局、デヴィ夫人に禁固60日・罰金700ドルの実刑判決が言い渡された。

https://www.dailyshincho.jp/article/2019/07300558/?all=1&page=2

 

2014年に日本のテレビ局で起こった暴行事件もよく知られているが、ただその詳細はアスペンの事件同様、徐々に消されようとしているように感じる。

 

あるバラエティ番組で、六本木のホステスだったある女性が、人生相談のコーナーに出演し、「デヴィさんのように玉の輿に乗りたい」と言ったのである。その言葉に「私は玉の輿に乗ったのではない」と腹を立てて、その一般人女性を殴った事件である。

 

事の詳細は、週刊朝日に掲載されたようで、それを引用した記事がAERAdotにあった。https://dot.asahi.com/wa/2014012800059.html?page=1 他人にディスれれば、その相手を殴る。その一方、隙あれば自分の鬱憤を晴らすかのように、他人をディス

 

いったいこの人はどのように教育されたのだろうかと思い、デヴィ夫人の幼少期からの話を掲載したサイトを探した。https://invitesnostalgia.com/the-beautiful-mrs-devi-was-called-the-oriental-pearl-in-the-midst-of-the-battle-i-asked-an-enemy-general-to-meet/

 

相当貧しい幼少期を送ったようだが、それでも十分な理由にはなり得ない。そこで結論として、異国の文化を受け継いだ人なのだ思うことにした。或いは仮に、同じ日本民族の一員だと考えると、民族のアイデンティティが崩壊しつつあるのかもしれない。

 

兎に角、このような人物を頻繁に出演させるテレビ局は日本と日本人を馬鹿にしていると思う。

 

ただ、その時の腹立たしさは、デヴィさんを普通の人と考えていることの証拠である。もしテレビ局が日本の機関なら、原点から考えて、この人との付き合いをかんがえるべきである。(補足2)

 

尚、ディスるなんて言葉は嫌だが、言葉を変えると違う意味になるように感じたので、原文に従って、そのまま用いた。表題は、異文化との付き合いには原点思考が必須であるという意味。

 

2)戦いの本能を失った動物は美しくない。

デヴィ夫人が「あなたは(顔や容姿が)汚い」と言われた草薙だが、スタジオから笑いが漏れる中、草薙は「汚い…?」と目を見開いて絶句する以外に、何もできなかった。

ここでは、日本人の情けない姿が露呈された。ツカツカとデヴィさんに近づいて、平手打ちを見舞うべきだった。しかし、そのように振舞った場合、日本文化に染まった周囲から、十分な理解は得られないだろう。「やっぱり暴力はいけないです」というだろう。

その上、今後テレビ局は草薙を出演させることを避けるだろう。その現実を知って、何もできないのが日本人である。そこで非常に情けないのは、それを「暴力は不道徳だから」と自分でも納得してしまうことである。(補足3)

 

またの機会に議論したいのだが、「私は、一方で戦いを肯定する。戦いの中に美しいものを認めもする。否、戦いの無いこの時代に倦みさえしている。」そんな文章が月刊クライテリオンに掲載されていた。小畑敏という方の文章である。

 

この日本に対する指摘は、警告のようにも聞こえる。


3)三つの思考:哲学的思考、パラダイム的思考、現実思考

我々が物事を考える時には、そのレベルを先ず決定する必要がある。ボクシングをする場合、先ずそのリンクを設営する必要があるのと同様である。表題は、その3つの思考のレベルを表している。(補足4)

 

異文化との付き合いには現実思考だけでは解答が得られない。最終的には哲学思考(つまり、原点思考)からスタートする必要がある。

現在の国際政治は近代西欧文明の枠組みで考えるのが普通だったが、ある有力な(少数)民族が国際的に力を持ち出したとした場合には、(自分達が生き残るためには)思考のレベルを原点思考に戻す必要がある。一方、単一民族の現在の政治課題が対象なら、政策レベル(現実レベル)の思考で、能率の高い議論をすべきである。

 

繰り返すが、異文化の背景を持つ方との付き合いは、原点から考えて、決めるべきである。原点では人間は動物に戻る。法律も道徳も無い。そこから、現在の文明へのプロセスを考えて、ある異文化を背景に持つ人の行為を評価し、それに対する自分の行動を決定するのである。

 

その原点思考(或いは哲学的思考)では、サイモン・ヴィーゼンタール・センターの副館長の「原爆投下は戦争犯罪だと思っていません」という発言も、彼らが支配する社会では不道徳でも不思議でもなくなるのである。

 

つまり、副館長の言動の背後には「日本人は異文化の人たちであり、あの戦争で米国が受けた大きな損害は、異文化との闘いだったからだ」が存在する。つまり、映画「猿の惑星」の原作を思い出すべきである。(ウィキペディア参照)

 

更に、ロシアとウクライナの戦争が米国とロシアの戦争であることは、少し知的な人は十分知っている筈。そして、その戦争の背景にあるのは、文化的背景が異なる二つの覇権国の間の戦争であることに気付くべきである。

 

つまり、この戦争を国際法違反という人間文明の最後の方の基準で善悪判断すべきではないし、そのパラダイムでは全く理解できないということを意味する。そして、現在ロシアの原爆が未だ落とされていないのは、恐らくプーチンが敬虔な正教徒だからだろう。プーチンが思考の前提を原点に戻せば、その時核兵器はどこかに落とされるだろう。

 

最後に、この記事の中のディス(ブログ筆者の注:ディスる=disrespect; 侮辱する、馬鹿にする)という表現が、情けない。適当な日本語はないのかと思う。以上、自分の覚書としてこのブログサイトを借りて掲載・保存します。

(10時20分、編集あり;14時 最初のセクションの最後に一文章追加)

 

補足:

 

1)自分の尊厳(dignity)を守ることは人権の範囲に入る。その意識が日本人に少ないことを憂い書いたブログ記事だった。そしてデヴィ夫人が自分の尊厳を貶された場合には、平手打ちも許されるのではないのかと考え、以下のブログ記事の補足4に書いたのである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12561622325.html

 

2)実は、この場面をテレビで観たのが、この記事を書く動機である。もっともらしく前後を囲っているが、それでも不自然だと気づかれる方のために書いたのが、この補足である。

 

 

3)米国のオバマ大統領が広島を訪れ、生存している被爆者の男性と面会した場面を覚えている人は多いだろう。そこで、なんとオバマがその男性を緩やかにハグするのである。それは美しい和解の儀式と見た人は多いかもしれない。しかし、オバマはドローン兵器で約3000の異国人の殺害を命令した人物であることを知っていたのだろうか? オバマが土下座したのなら兎も角、あのような醜い光景は、原点思考が出来ない日本人の姿である。

 

4)文系の方は、philosophical level, paradigm level, policy levelというらしい。哲学、枠組み、政策の3レベルである。

 

2022年6月26日日曜日

NATO首脳会議に出席する日本と欠席するニュージーランド

今日からドイツでG7首脳会議が開かれ、食糧危機やエネルギー危機についての話が、ロシア批難の合唱とともに出されるだろう。それに続いて29日と30日には、スペインでNATO首脳会議が開かれる。NATOメンバーではないものの、日本、韓国、オーストラリアの首脳も参加する。


 

これらの国々は、米国と軍事同盟の関係にある主な国々全てである。NATOの太平洋バージョンの結成ではないかと勘ぐる向きも多いだろうが、ホワイトハウスの報道官は否定している。


 

今回の拡大NATO首脳会議の意味と、その会議に日本、韓国、オーストラリアが参加し、ニュージーランドが参加しなかったことの意味を、夫々考えてみる。


 

1)ニュージーランドの首相が参加しない決断をするまでの経緯:

 

618日、ニュージーランドのメディアNewsHubは、NATO事務局長Jens Stoltenberg氏がオーストラリア、日本、韓国、ニュージーランドの指導者を今回のNATO首脳会議に招待したと報じた。(補足1)

 

Stoltenberg氏は、この招待は、アジア太平洋地域の志を同じくする国々とのNATOの「緊密なパートナーシップ」の「強力なデモンストレーション」であると述べた。今回のNATOサミットで、次の10年間の戦略を設定し、同盟が直面しているセキュリティ上の課題と、それらに対処するために何をするかを決定するとのこと。

 

また、防衛力の強化、ウクライナの更なる支援、フィンランドとスウェーデンの加盟申請についても話し合う予定だという。

https://www.newshub.co.nz/home/politics/2022/06/jacinda-ardern-first-new-zealander-to-be-invited-to-speak-at-nato-leaders-summit.html

 

しかし、25日になって同じメディアがNATO事務次長の言葉「ニュージーランドは今回の首脳会議に招待されない。しかし、ニュージーランドとの協力は、ロシアや中国などの独裁国の台頭と対抗するために大事である」を報じた。

https://www.newshub.co.nz/home/politics/2022/06/nato-says-new-zealand-will-not-be-invited-to-join-at-summit-but-develop-its-partnership.html

 

18日の報道は、招待の打診(または予定)を、間違って招待と報じてしまったのだろう。実際、下に引用の20日の記事では、招待される予定と書かれている。当然受け入れる筈だと思ったが、ニュージーランドの女性首相のJacinda Ardernが、世論and/or 中国との関係などを考慮して参加しないことに決めたのかもしれない。

 

そのNewsHub620日の記事の表題は、「何故連合王国会議(20日、ルワンダ)に出席しないでNATO首脳会議に出席するのか?」というものである。ニュージーランドは、連合王国会議に外相を派遣した。同じ会議にオーストラリアが副首相を派遣したのは、首相がNATO首脳会議に出席しなければならないからだろう。

 

アーダーン首相が連合王国会議に欠席しながらNATO首脳会議に参加しなかったのは、最初からNATO首脳会議には欠席の予定だったが、決してNATOを軽く見たのではないという姿勢を示しす為だったのだろう。


 

2)NATOサミットへの日韓首脳の招待は、ウクライナ戦争の真の意味をあらわしている:

 

611日の私のブログ記事「米国ネオコンが心に抱く新しい世界:ウクライナ戦争の今後」において、伊藤貫氏のウクライナ戦争の性質に関する指摘:「今回の戦争は100年間に一度起こる世界の構造転換の戦争であり、かなり長期に及ぶ可能性がある」を紹介した。

 

ここで再び最初に紹介したNewsHubの記事の中での専門家の指摘を引用する。ニュージーランド最古の大学オタゴ大学の国際政治の教授であるRobert Patman氏は、「この招待は重要で、現在の国際情勢の重大性と現時点のヨーロッパが極限状況にあることを現わしている」と語る。
 

また、「ニュージーランドとオーストラリア、韓国と日本は地理的にNATOから遠く離れているが、価値観と国際秩序へのアプローチの点でNATO諸国と多くの共通点があるという認識がNATO諸国にある」、「ウクライナでの戦争の劇的な背景を考えると、私たちがNATOに招待されたのはおそらくその様なNATO諸国の認識があったからだと思う。」(補足2)

 

ウクライナでの戦争の劇的な背景の意味だが、恐らく米国の代理として、ウクライナがロシアと戦っているということを意味しているのだろう。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12735014774.html

 

これだけ重要な会議だと同じ国の専門家が言っているにもかかわらず、アーダーン首相が欠席するのは、NATO首脳会議の期待が何かを彼女が予想できており、且つ、ニュージーランドがその期待に答えられない、或いは答える積もりがない、と分かっているからだろう。

 

NewsHubの記事の最後の方で、「サミットで、アーダーンはNATOの指導者たちに、この国が決定的に依存している規則に基づく国際秩序の重要性を再確認することを望んでいる」だろうというパットマン教授の言葉を紹介している。

 

ニュージーランドの女性首相は左派の政治家として知られている。今回のウクライナ戦争は、「規則に基づく国際秩序の原則」に何重にも違反しているのだろう。ロシアが規則に基づく国際秩序の原則に違反したことは言うまでもない。それは、彼女が参加しない理由にはならない。

 

今回のロシアによるウクライナ侵略は、NATOの総元締である米国による「規則に基づく国際秩序の原則に」に反したウクライナへの政治干渉の結果であることが、まともな政治家なら分かっている筈である。

 

このブログ筆者の想像だが、NATO首脳会議の共同声明の内容が、ウクライナを当事者的に支援すると概ね決定されていることを知ることになったのだろう。彼女の理想の実現が果たされる可能性がなければ、ニュージーランドの利益にはならないと結論した可能性が大である。


 

3)日本と韓国は第二のウクライナになる

 

NATOは、これらの太平洋地域の国々とも様々な協力関係を持っているが、日本や韓国まで招待して首脳会議を開催するのは初めてである。それだけ、拡大しなければ、今回のウクライナ戦争に対する十分な対処が出来ないということを意味する。
 

この辺りでウクライナ戦争を止めさせるべきだと、米国のキッシンジャー氏がダボス会議で発言したのだが、そのように出来ないと現在のNATO首脳、つまりバイデン政権が考えて居るのではないだろうか。

 

それが全子分国を集めて、スペインで会議を開く理由だろう。つまり、これまでのレベルでのウクライナ支援ではウクライナは敗れ、ロシアが殆ど弱体化しないということだろう。そこで考えるのが、これも筆者の想像だが、ロシアに東の方から嫌がらせをする作戦である。

 

この会議の後、日本や韓国が軍事力を増強するだけでも、西方で戦うロシアには大きな圧力になると考えられる。もし、東アジアで一発でも銃声が響けば、ロシアは二面作戦を強いられるからである。

 

日本は、これまでのウクライナ支援でも、ロシアから敵国指定されている。更に、ロシアの有志議員は、これまでの93日の戦勝記念日の名称を「軍国主義 日本に対する勝利と第2次世界大戦終結の日」とする法案を下院に提出したようだ。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220624/k10013687671000.html
 

つまり、今後恐らく100年ほどは、日本と冷たい関係になることを確信しているということだろう。それは、中国の支配下にはいる日本の将来の姿を、より一層鮮明にすることを意味している。今回のNATO首脳会議に参加することは、そのような重大な決断であることを岸田首相は承知しているのだろうか?

 

もし、戦争があと半年から一年まで続けば、ロシアは核兵器を使う可能性がある。その場合のターゲットとして、日本の北海道周辺が心配される。既にロシアは北海道の領有権を主張しているのだから、ポーランド国境よりもモスクワから遠く離れた北海道周辺の方が落としやすいだろう。ロシアも、ヨーロッパとの敵対関係を決定的にするよりも、日本との敵対関係を明確にする方が荷が軽い。
 

その時、NATO諸国は挙って日本支援を叫ぶだろう。つまり日本は第二のウクライナである。

 

今回の米国による日本や韓国の招待は、非常に重い意味がある。参加せずに済ませることは非常に困難である。しかし、喜んで参加することはないだろう。つまり、参加するにしても、ぎりぎりの判断で参加したというポーズをとるべきだったと思う。

 

勿論、主権国家なら、今回のNATO首脳会議への参加は、断ることも可能だった。それはニュージーランドの決断を見ればわかる。マスコミなどを使って反対の世論を醸成することも可能である。日本国民の一人として、あまりにも当たり前の顔をして、或いは喜んで参加する首相には腹が立つ。

 

追補: 集団的自衛権は、日本の防衛上非常に大事であると、今日午後の「そこまで言って委員会」で、ある評論家が言っていた。しかし、戦争を好んでする国家との同盟関係を考えれば、それは逆かもしれない。たとえば、第二次大戦で米国との戦争になったのは、三国同盟が主原因である。
(17時編集、追補の追加)

 

補足:

 

1)念のため原文を示す。NATO's Secretary General, Jens Stoltenberg, has invited the leaders of Australia, Japan, South Korea and New Zealand to attend the military alliance's meeting in Spain held 28-30 June.(下線はブログ筆者による)


2)これも念のために原文を示します。"There's a recognition among NATO that although New Zealand and Australia and South Korea and Japan are geographically a long way from NATO, they share a lot in common in terms of values and in their approach to international order.

"So I think that's probably why, given the dramatic backdrop of the war in Ukraine, that we've been invited to NATO."

2022年6月24日金曜日

米国サンフランシスコの地区検事のリコール

6月7日、サンフランシスコの有権者は、刑事司法改革における国内で最も先駆的な実験の1つに終止符を打った。現金保釈を廃止し、刑務所に送られる人々の数を減らすために働いた地区検事のChesa Boudin氏をリコールしたのである。
 

このニュースは日本ではあまり報じられていないが、香港系のyoutube動画「役情最前線」で、今年の米国や中国等での重要な選挙に関する話の中で解説されていた。この犯罪者減らしの話は以前にも聞いた記憶があるが、あまりにも異常であり、真偽は明白ではないとして放置してきた。https://www.youtube.com/watch?v=9TFrzgf5RQg

 

 

この動画によると、Chesa Boudin氏は、2019年の選挙では50.8%の得票率で当選したが、今回60%程の票で、リコールされることになった。地区検事が選挙で選ばれるというのは、日本では考えられないが、他の地区での結果などもネットに公表されており事実だろう。(補足1)
 

サンフランシスコ地区検察の方針は、HPはその理想主義的方針の考え方が記載されている:https://www.sfdistrictattorney.org/about-us/
 

Chesa Boudin地区検事はこの2年間の在任中に、極端な実験とも言うべき検察改革を行った。主なものは、①Cash Bail(現金保釈制度;補足2)の廃止、②”生活の質が低いことが原因の犯罪”は起訴しないこと(補足3)など。その左翼的な改革は、結果的に強盗などの犯罪増加の原因となった。

 

の「生活の質が原因の犯罪」は分かりにくいが、強奪や強盗でも950ドル以下のものはその範疇に入るという。つまり、スーパーで900ドル程度の品物を万引きしても、罪には問われないのである。全く信じられないという人が殆どだろうが、それは真実である。次の動画がそれを証明している。https://www.youtube.com/watch?v=2n10KfB1zPs
 

 

 

民主党左派の極端な思想を背景にした運動として、他にもシアトルでのBLM運動の延長上での解放区の設営があった。この解放国は民主党の市長により黙認されていたが、一ケ月ほどして多発する犯罪で敢え無く店じまいとなった。いずれも、単純な理想論に走った結果であり、失敗に終わるのは当然である。https://diamond.jp/articles/-/247423 

 

民主党左派は、暴力共産革命やアナーキズムを主張する人たちも含む。かれらの政策が実現されても、多くの悲劇とともに失敗に終わるのが必至である。そしてこの共産主義的理想主義が、米国の政治だけでなく、法曹界にも影響を及ぼしていることが分かる。「生活の質が原因の犯罪は罰しない」というBoudin検事の方針も、共産主義的理想論に基づくだろう。

 

人は全て平等で、現代文明の恩恵を等しく受けるべきである。ある人が非常に裕福であり、別の人は非常に劣った生活しかできない場合、後者は生活苦故に窃盗などの犯罪に走る可能性が高い。それを罰するのは、本質的に不公平である。

 

この考え方は、ある程度説得力を持つ。しかし、この検察の方針では、社会を維持する基本的なルールが崩壊し、その被害は全ての人に及ぶ。そして、人の性格や価値観には分布があるので、生活苦など主観的な感覚は社会のルールに持ち込めない。それらのことを意図的に見落としている。
 

その方針は、いったい何に由来するのか? 民族的怨念によるのか、Boudin氏の偏った思考癖によるのか分からない。異常な背景を持つ非常に優秀な頭脳は、突飛な理想論で一般人を不幸にするのだろう。「役情最前線」の動画では、この地区検事が生まれ育った環境などを紹介している。
 

2)Chesa Boudin氏の略歴から地区検事当選までの経緯

 

リコールされた地区検事の略歴を知ることは、個人攻撃に堕することがなければ、このような思想の背景などを知る上で有用だと思う。それは、米国という社会の層の厚さを学ぶことにもなると思う。

 

Chesa Boudin氏の両親は、極左毛沢東主義の”Weather Underground”(日本語サイトにはウェザーマンとして紹介されている)の運動家であった。Weather Underground はミシガン大学におけるベトナム反戦運動の学生組織から生まれた。

 

この極左組織は、1970年、爆弾を製造している際に爆発事故を起こし、FBIの捜査を受けた。メンバーのかなりが逮捕され、結局1970年代後半に解散することになった。そこで、彼らの一部は別の極左グループ「519日」を創ってそこに移った。

 

Chesa Boudinの両親も、その中で左翼暴力革命家としての活動を続けた。因みに、519日はベトナム民主共和国の初代主席ホーチミンの誕生日である。https://en.wikipedia.org/wiki/May_19th_Communist_Organization

 

彼らは、19811020日、現金輸送車を襲撃し160万ドルを奪う事件の犯人グループとして逮捕された。Boudin検事の父親が75年、母親が20年の禁固刑を受け収監された。生後14ケ月のChesa Boudinは、Weather Underground の創設者であるBill Hyersの下で養育された。https://en.wikipedia.org/wiki/Bill_Ayers

 

母親のKathy Boudinは刑務所で多くの論文と何冊かの本を書き、収監23年後に出所し、コロンビア大学の法科大学院(Law School)で教鞭を執った。Boudin家は著名なユダヤ人大家族であり、多くの裁判官、弁護士、共産主義活動家などを輩出している。

 

Chesa Boudin氏は、2011Yale 大学法科大学院で博士号取得、サンフランシスコ公設弁護士事務所で博士研究員として働き、その後プロとしての仕事をする。

 

博士課程の時代には、南米ベネズエラのチャベス大統領のオフィスで通訳を行うなどの活動を経験している。米国の社会主義者らは、南米の社会主義者や共産主義者と友好的なようだ。

 

2015年にはサンフランシスコ公設弁護士事務所の次席公設弁護士としてフルタイムで働く。そこで、保釈金の設定が、容疑者の支払い能力を十分考慮していないとして、カリフォルニアの保釈制度は憲法に反するという議論を始めた。
 

2019年の選挙で、暫定的に地区検事だった対立候補を破った。Boudin氏は、現金保釈の排除、不法な有罪判決を再評価するためのユニットの設立、移民税関執行(ICE)の支援拒否などを実行し収監者を減少させると、選挙キャンペーンで主張し当選した。

 

サンフランシスコ警察官協会などはBoudinを落選させるべく活動したが失敗した。当時のWilliam Barr連邦司法長官も、警察を弱体化させ、犯罪者を野放しにして公共の安全を危険にさらすと、Boudin氏と彼と親しい地区検事たちを非難した。
 

尚、Chesa Boudin氏の父親は、収監中のニューヨーク重罪刑務所で40年経過したとき、Boudin検事の申請を受け入れたクオモ州知事により保釈された。クオモ知事は、新型コロナの流行もあり人道的見地から辞任直前に保釈を許可した。クオモ知事のセクハラ疑惑(これは有名になった)は、民主党系が仕掛けたことだろうが、ぎりぎりの所で決断したのだろう。

 

3)米国極左の運動

 

役情最前線の動画では、米国左翼のCritical Race Theory CRT;批判的人種論)の原点にあると思われる思想がWeather Undergroundの思想との関連で紹介されている(7分あたり)。これについて一言書いておきたい。
 

このCRTでは白人には原罪があるとし、その根拠を以下のように考えているようだ:

白人たちは白人至上主義(有色人種との差別化)の恩恵を受けている。全ての人種は平等であるべきだから、白人たちは生まれながらに(その時代を共有した黒人たちに対する)犯罪歴を持っていることになる。彼らはそれを考慮し省みない限り、罪を犯していることになる。
 

この思想は、米国における犯罪率、収監率、平均所得などに人種間で大きな差があることを足場にして、貧しい黒人側の思想として考え出されたのだろう。この人種間の社会的経済的格差に対する黒人やヒスパニックらの苛立ちが、CRT、キャンセルカルチャー、BLM運動などを産み、左翼運動の活動エネルギーになっている。

 

従って、BLM運動のBlack Lives Matter というフレーズは、「黒人の命は大切だ」であり、「黒人の命も白人や黄色人種の命同様大切だ」という意味ではない。つまり、批判的人種論の逆差別思想と共通の思考が背景にある。

 

この逆差別を要求するCRTBLMの膨大なエネルギーを何らかの形で解消しなければ、米国の政治的安定は無い。そして、このことは世界の安定にも重大な影響を持つ。このエネルギーに由来する左翼運動を制御できるのは、この左翼運動の原点に存在するユダヤ人たちかもしれない。(補足4)その一人としてあらわれたのが、Chesa Boudinサンフランシスコ地区検事だったのだろう。

 

仮にトランプが次期大統領選で勝ったとした場合、このエネルギーは一層激しく燃え上がるだろう。逆にトランプが民主党の選挙介入などで負けたとした場合、WASPを代表とする側の反発は尋常ではない筈である。平和な世界はあと2-3年しかないかもしれない。ウクライナ周辺は既に混乱しているが、日本周辺も同様になる可能性がある。

(短縮及び最終編集27日、7:00)
 

補足:

 

1)地区検事に立候補するにはその州の司法試験(2月と7月)合格者でなくてはならない。更に、道徳性、犯罪歴、健康などの良好なことなどが地区の司法管轄者によりテストされる。通常は、地区検事補になった人から選ばれるようだ。https://www.indeed.com/career-advice/finding-a-job/how-to-become-district-attorney

このサンフランシスコ地区検事になった人として、現在の副大統領カマラハリスも居る。現在サクラメントの地区検事の選挙が進行中で、その得票数が数万のレベルであるので、選挙民としては議員などの選挙と同様だろう。https://www.kcra.com/article/2022-california-primary-election-sacramento-county-district-attorney/40181025#

 

2)重罪でなく再犯の可能性がなければ、裁判まで一定の保釈金を受け取って保釈する制度。ここで「現金保釈の廃止」が意味するのは、収監のまま放置することではなく、収監しないことつまり処罰しないことを意味する。①②から、軽微な犯罪は逮捕後直ちに釈放されるので、警察は逮捕すらしないことになる。それが犯罪率の激増となり、今回のリコールに繋がったのだろう。


3)米国の人口は世界人口の約5%であるが、世界の刑務所収監者の約20%を米国が占める。この大量収監の問題を根本から解決しようとBoudin地区検事は考えた。「犯罪の根本原因としてこの社会に差別があるからだ」という左翼思想を信じるBoudin検事は、相当な犯罪でも目をつむる(起訴しない)ことにしたのである。極左以外の人達は、社会を崩壊させることになると批判するのは当然である。民主党支持者のユダヤ人法律家Boudin氏に、それが分からない筈はない。私の想像だが、「犯罪という結果には原因がある。それが明確に表面に出るようにしただけだ。次に、その原因を解消するのは政治家の役割だ」とBoudin検事は答えるのではないだろうか。