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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2022年7月30日土曜日

安倍元首相暗殺から始まった統一教会騒動:日本だけでなく世界の政治も大きく動かす可能性

安倍元首相の暗殺事件後、統一教会と国会議員との間の癒着が、この件関連の話の中心になっている。国際的にも大きな問題になる可能性を感じたので、それについて素人ながら記事をアップします。尚、旧統一教会と書くべきかもしれませんが、多くの箇所で旧を省いています。


 

1)旧統一教会と日本政界の深い関係

 

統一教会の正式名称は、世界平和統一家庭連合である。日本での名称変更については、当時の下村博文文部大臣の深い関与が疑われている。(補足1)ウィキペディアによれば、統一教会(世界基督教統一神霊協会)はキリスト教を母体にした新興宗教であり、朝鮮戦争勃発後の1954年に設立された。
 

別組織或いはダミー団体として国際勝共連合が設立されているが、統一教会はKCIA(韓国中央情報局)により設立されたと上記解説にあるので、何方がダミーなのかは、私には分からない。

 

1958年から日本で布教をはじめ、反共親米を掲げていた岸信介政権との深い関係は周知である。岸信介氏が戦犯として死刑にならなかったのは、占領軍が政治的に利用するためなので、この件でも背後に米国が存在する可能性もかなりあるだろう。

 

日本統一教会の初代会長は、反共産主義政治団体の国際勝共連合の日本における初代会長久保木修己である。以下もウィキペディアの記述なのだが、安倍晋三元総理大臣が説いていた国家像である「美しい国」は、久保木修己が説いた「美しい国」が元祖であるという。安倍元首相と統一教会の関係は、単に“関係がある”レベルのものではない。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%B9%B3%E5%92%8C%E7%B5%B1%E4%B8%80%E5%AE%B6%E5%BA%AD%E9%80%A3%E5%90%88

 

もし、この件が日本の戦後政治の総決算のような形に発展すれば、日本が大きく変わる可能性がある。今回の事件は、その様に思う程の大きな事件であるだけでなく、米国にまで広がる可能性の大きい現代進行形の事件(次のセクションで少し書く)である。

 

統一教会が日本の戦後政治に深く、且つ広く根を下ろした存在だったことの情況証拠的なことを以下に新しい方から少し列挙する。
 

トランプ氏が大統領選挙に勝った201611月、未だ大統領に就任していない段階で、安倍首相(当時)が米国を訪問してトランプと面会した。この会談のアレンジに、統一教会の人脈が貢献したという。(補足2)https://lite-ra.com/2017/01/post-2871.html

 

上記引用の記事と同様の話を、722日アップの文章内で紹介した動画内で、元公安調査庁部長の菅沼光弘氏が語っている。更に、菅沼氏によると安倍元首相の父親の安倍晋太郎氏が外相になって最初に訪米した時(1983?)、米国議会要人との会談の調整にも統一教会が貢献したというのである。

 

https://www.youtube.com/watch?v=_GS7MQUURp0 (削除の可能性あり)
 

その中で、外務省とその出先である駐米日本大使館の不甲斐ない現状もあばかれている。大使館員らは何のコネも米国の議員らに対して持っていないのだろう。高給をもらって一体何のために米国にいるのか?(なお、駐米大使は外務次官よりも上のポストであると言われている)

 

更に遡って1974年(57日)、帝国ホテルに1700名を集めて開催された文鮮明氏主催の「希望の日晩餐会」では、岸信介元首相が名誉実行委員長を務め、40人もの自民党国会議員が出席したという。

 

そこで挨拶をした福田赳夫元首相(当時蔵相)は、「アジアに偉大なる指導者現る。その名は文鮮明である。」などと挨拶したと記事に書かれている。https://news.yahoo.co.jp/articles/791a8bad3508196edcc349c308fd15a5ce3b7bd1

 

自民党政治家と統一教会の三代にわたる深い付き合いは、簡単には終わらない。それは岸信夫元防衛大臣の言葉でも分かる。今後も統一教会の支援を受けるかについて聞かれた岸氏は、「軽々に答えることはできない」と言ったのである。「今後一切お断りする」ではなかったのだ。https://news.yahoo.co.jp/articles/51d0f671738b44ce295ec70650fa09b09c88fb16

 

更に上記福田赳夫元首相からの三代も同じようなものである。その証拠に、福田赳夫氏の孫にあたる福田達夫総務会長は、「自民党が組織的に教団側から強い影響を受けて、政治を動かしているのであれば問題かもしれないが、僕の今の理解の範疇だとそういうことが一切ない」などと話し、「正直、何が問題かよく分からない」と惚けたのである。https://news.yahoo.co.jp/articles/a381b755045954fe7d59dbf1698273f68a49020e


 

2)統一教会問題が国際政治においてグローバリスト側の武器となる可能性

 

統一教会は、国際勝共連合などを通して、日本だけでなく世界を舞台に政治活動を行っている。米国の政界、特に共和党に深く入りこんでおり、今回の事件を切っ掛けに世界的なスキャンダルに発展する可能性がある。

 

例えば昨年9月に関連団体のUniversal Peace FederationUPF)が昨年911日に開催した「Rally for Hope」と今年2月開催の「Summit for Peace of Korean Peninsula」の二つの集会に、安倍元首相やトランプ元大統領の他、ペンス元副大統領、チェイニー元副大統領など、共和党重鎮が参加していたというのである。https://president.jp/articles/-/59761

 

米国では多くの主流メディアが統一教会関連のスキャンダルを報じているが、今はやや抑制的であり、政争にまでになっていない様に見える。(補足3)現在は、202016日の議会襲撃事件の公聴会があり、それでトランプを攻撃しているからだろう。

 

今年11月の米国の中間選挙では、民主党グローバリスト政権の生き残りを懸けて共和党と戦うことになっている。その劣勢は最近までは決定的であった。しかし、安倍元首相の暗殺事件を切っ掛けにした統一教会スキャンダルは、9月以降(安倍氏国葬以降)トランプ及び共和党攻撃の武器として大きく利用され、まさかの大逆転になるかもしれない。

 

そうなれば、主権国家体制を維持したい側に希望は無くなり、所謂グレートリセットが本格的に進行するだろう。そして、台湾問題がウクライナ問題のようになり、日本、台湾、韓国などが中米両覇権国の緩衝地帯としての悲劇を経験する可能性がかなり大きくなるだろう。(補足4)

 

統一教会は、国際勝共連合という反マルクス主義運動の拠点として、既に述べてように、米国共和党に深く関係している。また統一教会は、右派系のメディアとして有名な米国ワシントンタイムズ紙の所有者であり、上記のように世界政治の舞台の背景として大きな存在である。
 

推測だが、9月に安倍元首相の国葬を行うのは、日本のグローバリストである岸田政権だけでなく、米国の駐日エマニュエル大使など米国民主党政権の指示(そして支持)があったのではないだろうか。(補足5)

 

「多くの外国要人の弔問の場をつくってもらう意義は非常に大きい」などと高市早苗氏(自民党政調会長)が言っている。しかし、その国葬の場が、高市氏が応援している反グローバリストにとってどのような外交の場となるか、彼女はよくわかっていないのではないのか? https://www.jiji.com/jc/article?k=2022072200967&g=pol

 

このように考えると、安倍氏暗殺事件の不思議が改めて気になる。何故、あのような雑な警備になったのか?何故、あのような安倍氏を篭の鳥状態に置く場所で演説させたのか? 弾丸の入射口の方向が、山上の居た場所の方向とは逆だった?(補足6)全てを含めて、山上はJFケネディ暗殺の際のオズワルドの役割だったのではないのか?という陰謀論に導かれそうになる。

 

補足:

 

1)名称変更の相談が、旧統一教会から文化庁宗務(しゅうむ)課に持ち込まれたのは、1997年ごろのことだった。当時、宗務課長だった元文科事務次官の前川喜平氏は「『教会の実態が変わっていないのだから、申請は認められない』と言って、受理をせずに水際で止めた」と証言する。その後、2015年になって申請を受理したことと、当時の下村博文・文部科学相に異例の事前報告をしていた事との関係が疑われている。https://mainichi.jp/articles/20220729/k00/00m/040/230000c

 

2)大統領就任前にトランプを訪問したことが安倍氏の評判を高めた出来事だった。これをアレンジしたのは誰かについて、上に引用のLITERAが書いている、元TBS政治部記者の山口敬之氏は「週刊文春」(文藝春秋)2016121日号で、佐々江賢一郎駐米大使と、河井克行総理補佐官の名前をあげ、彼らがトランプ人脈に接触したと断定的に書いていたが、それは真っ赤な嘘だというのである。兎に角国際勝共連合と仲の良い側近からトランプの長女の婿のクシュナー氏経由で話が行ったようだ。

 

3)今はウクライナ問題と台湾問題で大変な時期である。特に台湾に下院議長が訪問する話は、米中衝突から日本を含めて第三次大戦になる可能性すら存在する。本ブログでは、この台湾問題については前回書いた。

4)韓国は、朝鮮戦争の悲劇だけでなく、李氏朝鮮の統治、日清戦争、日韓併合など、緩衝地帯の悲劇の中に終始あった。このことを対韓国外交の中で、日本政府はもっと考えるべきである。

 

5)岸田政権は米国民主党グローバリストの支配下で動いているように思われる。岸田政権の看板政策の新しい資本主義の訳のわからないところなど、クラウス・シュワブのステークホルダーの資本主義にそっくりである。

 

6)搬送先の病院が会見したところでは、一つの弾丸が前から入射したと発言している。以下の記事の最後の方に書かれている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8139a0574df43fc11353d5978fc37b309b77c6ea

 

(9:00 編集と改題;10時10分、補足5追加;15:50、3か所編集、補足6追加;7/31/5:00、編集2か所)

 

2022年7月27日水曜日

米中戦争に日本も積極的に参加するのか?

1)米国の対台湾姿勢における揺らぎ:

 

米国は従来から台湾は中国の一部であるとの姿勢をとってきた。これは、ニクソン大統領の時代に始まる米中国交回復の時から維持されてきた。つまり、米国の台湾問題に対する姿勢は明確である。それは現状維持と将来における平和的解決である。
 

以下に米国の台湾に対する姿勢を示した米国国務省のHPの文章を抜粋する。尚、最初の文章の “from either side”は、“米国からも中国共産党政府から”の意味である。

 We oppose any unilateral changes to the status quo from either side; we do not support Taiwan independence; and we expect cross-Strait differences to be resolved by peaceful means. https://www.state.gov/u-s-relations-with-taiwan/
 

一方、数日前、米国下院のペロシ議長が台湾を訪問するとの考えを公開した。中国国防省の報道官は26日の記者会見で「米国側が独断で強行すれば、中国軍は決して座視せず、必ず強力な措置を講じる。国家主権と領土を断固として守る」と明言し、中止を迫った。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25CQX0V20C22A7000000/
 

今回、ペロシ議長が北京の考えを無視して台湾訪問の予定を公表したことは、上記国務省の公式表明からは若干逸脱しており、中国側をイラつかせる原因になり得る。ナンシー・ペロシ氏は米国の下院議長であり、上院議長(=副大統領)に次ぐ大統領承認権を持っている米国政府に関係する重鎮だからである。

 

https://www.youtube.com/watch?v=_aFfw0JU28Y 

 

それに対して、マイク・ポンペオ前国務長官の台湾訪問の時(今年3月)には、このような強烈な警告はなかった。そして、今回もポンペオ氏は、「何なら、私も同行しますよ」とペロシ議長に向けてメッセージを発信した。(補足1) 

 

実は、ペロシ議長は、今年4月に台湾を訪問すると言っていたのだが、新型コロナに感染して延期になっていた。そして、今年8月に台湾訪問すると再度公表したのである。

 

中国は、今年秋に5年に1度の共産党大会を控えている。更に、毎年8月には北戴河会議が開かれるだろう。中国が神経質になるこの時期に、本当にペロシ議長は台湾を訪問するのだろうか?

 

上記日本経済新聞の記事によると、バイデン米大統領は20日、記者団にペロシ氏の訪台について「米軍はいい考えだと思っていない」と表明したようだ。ただこれは、米政府が公の場で計画を認めたことになり、非常に問題が微妙になった。

 

そこで、共和党のギングリッジ元下院議長は透かさずツイッターで「中国共産党の脅しで米国の下院議長さえ守れなければ、中国はどうして米国が台湾を守ると信じるのか」と指摘した。この発言は、民主党とバイデン政権を攻撃する有効な一撃になっただろう。

 

尚、今年5月ネット上に公開された、広東省軍の上層部による戦前動員に関する秘密会議の録音は、昨今の緊迫した情勢を伝えている。(大紀元ニュースのyoutube報道を本ブログ520日に引用)
 

 

2)「台湾有事は日本有事」という安倍元首相の発言について

 

安倍元総理が昨年12月に台湾で開かれたシンポジウムに日本からオンライン参加し、「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」と語った。この言葉は自民党政府だけでなく、広く日本で受け入れられているようだ。https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220722/pol/00m/010/008000c
 

この発言の前半は、「有事」という言葉の定義により、中国を対日戦争に引き込むほどの危険な発言から、極めて常識的な発言にまで、その意味は大きく振れる。ただ、後半に日米同盟の有事とあるから、この有事は「軍事行動を含む対応が要求されること」と解釈され、問題発言となる。

 

日本の現状を前提にすれば、私はこの発言を素直に受け入れる訳にはいかない。何故なら、中国は核大国である一方、日本は憲法上国防軍も持たず、ましてや核武装国でもないからである。戦争できる国家としての体裁を全く整えていないのだ。(補足2)

 

一般に、国際的問題の交渉においては、戦争の可能性を背後に見せながら臨むのである。それは、近代政治文化の常識である。(補足3)ただ、核兵器の出現により、このクラウゼヴィッツの戦争論の考え方で外交が出来るのは、核保有国のみとなった。

 

それでも西欧諸国に関しては、英国やフランスが核保有国として存在する。それ以外の国も、EUに含まれる場合或いはNATOという軍事同盟に含まれる場合は、核兵器にアクセス可能だという体面を保持しているので、まだこの種の外交にまともに臨むことも限定的だが可能である。

 

しかし、日本国は交戦権を放棄した国であり、この種の外交の現場に登場可能な国ではない。その限界を承知の上で上記発言がなされたのか、私には疑問である。(補足4)


 

3)ポンぺオ発言は日中戦争の導火線なのか

 

この情況に関して、日経ビジネスon-lineの記事は、「ポンペオ発言は日中戦争の導火線なのか」と題する記事を書いている。その中で、キャノングローバル研究所主幹の瀬口清之氏という方が以下のように指摘している。https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/040500323/

 

今年3月の訪問時にポンペオ氏は「米国は必要かつ、とっくに実行しておくべきだったことを直ちに行う必要がある。台湾を自由な主権国家として承認することだ」と発言した(補足5)が、その先には米中戦争が存在する可能性がある。
 

このポンペオ発言は、来るべき選挙に勝つことを目標において、民主党を危険な罠に陥れるためのものだと考えられる。或いは、通常兵器による米中衝突なら、この際視野にいれるべきだとポンペオ氏は考えている可能性もある。

 

その場合のポンペオ氏の考え方は、次のようになるだろう。中国は核兵器での全面対決をする気は無い筈だし、米国には勝てない。通常兵器での戦争になったとして、その前面で戦うのは、台湾と日本(韓国も含まれるかも)になる。つまり、日本をウクライナのように用いても、米国には大した損害ではない。

 

ここに戦争は避けるべきだとトランプは考えるだろうか。もし、ポンペオとトランプの間にこの問題で考え方の違いがあるのなら、昔の記事でポンペオ氏を次期大統領として適切だと書いたことを取り消さなければならない。

 

通常武器での米中戦争になった場合、中国は最初に米空軍基地の横田や嘉手納を攻撃するだろう(上記記事)。その場合、日本は中国軍と戦わなくてはならなくなる。その結果、台湾と日本は今日のウクライナのようになるだろう。

 

つまりポンペオ氏の戦略は、緩衝国である日本と同様の位置に近い中台湾を利用して、共産党支配の中国を崩壊させる、一石三鳥の政策なのである。それは、バイデン民主党政権によるウクライナ戦争、ウクライナを利用したロシア潰し、とソックリの構図である。

 

このポンペオ戦略に迎合したのが、安倍元首相の「台湾有事は日本有事、そして日米同盟の有事である」との発言である。勿論、共和党が中間選挙に勝ち、大統領選挙においてもポンペオ大統領が誕生すれば、それは日本にとって心強いと考えられたのかもしれない。
 

ただしその場合は、日本がまともな独立国であり、独自に核兵器を持つ国家でなくてはならない。そのような国になることを第一に阻害してきたのは米国である。(補足6)日本の安全保障で第一に目指すべきは、真の意味での日本の独立である。

 

日本の近未来は非常に暗い。米国にとって、中国は競合国であるが、日本は、トルーマンのアンオフィシャルな発言を借りれば、家畜である。政権を民主党がとっても、共和党がとっても、先は暗い。先が暗い理由の第一は、日本の政治家があまりにも知的でないからである。


 

補足:
 

1)ペロシ氏は、人気低迷中の民主党の人気挽回を目指して、このような発言をしたのだろう。その動機についてはあまり議論せず、及川幸久氏(上の動画)は積極的にペロシ訪台を支持している。しかし、日本国民の安全を第一に考えた場合、米国の選挙がらみの発言を応援するのは間違いだと思う。勿論、ポンぺオ氏の対台湾姿勢は、2020年のフーバー研究所で公表した中国脅威論を考えると本気かもしれない。しかし、その尻馬に乗ることも日本にとって危険である。

 

2)自民党は、憲法改正を党是として掲げての結成以来、2/3世紀を過ぎてもなお、憲法改正案の国会提出はおろか、国会での正式な議論すらしていない。その元総裁が、このような発言をするのは愚かというしかない。勿論、日本が国防軍を持ち核保有の、イザとなれば戦争できる国になるべきだと思うが、それは現状殆ど不可能である。尚、まともな外交は、背後に相手国に一撃を加える能力を背景にしてなされる。この世界の常識である近代の戦争論の考え方を、日本人のほとんどは理解していないようだ。

 

3)以前にも書いたが、そのような姿勢など一切見せないで、拉致被害者を救出する交渉を北朝鮮に対して行った小泉政権の愚かさ、更に、その際大金を北朝鮮に渡したとしたら。。。。。もう言うまい。

 

 

4)元自民党の山崎拓氏がこの問題に似た趣旨のコメントをされている。https://news.yahoo.co.jp/articles/95a39955bee6e21ae21b1ad696cf0ce2bc118655

 

5)ロイターの記事にポンペオ氏講演の動画が紹介されている。そこで、明確に本文にある発言を行っている。https://www.reuters.com/world/asia-pacific/us-should-recognise-taiwan-former-top-diplomat-pompeo-says-2022-03-04/
 

6)日本が、自国の安全を第一に考えた外交が出来るのなら、地政学的に潜在敵国同士であるロシアを日本の協力国の位置に置く筈である。その最初のステップである日露平和条約締結を二度(一度は日ソ平和条約で、鳩山一郎内閣の時のこと)に渡って米国は妨害した。その上、日本と韓国、日本と台湾との間にも、其々未確定の領土を置いて、これらの国と近い関係を樹立することを妨害したのである。http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/gazo.cgi?no=110746

(13:00 編集、表題変更)

2022年7月25日月曜日

政教分離について: 安倍元首相の事件から学ぶべきこと(3)

民主主義を標榜する国家では、国を束ねる権力は神の代理的な皇帝から、法とその執行機関に移動している。その時から、宗教が解決すべき問題は、個人の心の問題となった筈である。(補足1)その時以降、宗教には政治(=国家及び地方の行政)に関わる本質的動機は無い筈である。

 

法の支配下の民主政治において、宗教教団が何らかの政治的活動を行うとしたら、それは教団として何らかの利益を得ようと考えていることになるだろう。それは個人の心の問題を対象に活動するという本来の在り方に矛盾するだけでなく、教団が不都合な何かを持っている証拠である。(補足2)
 

つまり、そのような教団は、民主政治の下で宗教法人の資格を得るに相応しくない筈である。以下、その点について少し考えてみる。


 

1)宗教の意味と政教分離の原則:

 

個人の心の問題とは、死への恐怖と思い通りにならない人生に関する苦しみとでも言えるだろう。それは、生きることの裏返しでもある。この人に根源的な悩みは、無くなることはあり得ない。その苦しみは、囚われることにより益々大きくなるという性質がある。
 

通常、日常的にその問題に囚われる人は多くないだろう。それ以前に、仕事で様々な問題を考えたり、余暇活動などでそれを忘れているからである。これらは、殆どの人を人生の苦から一時的に解放してくれる。
 

それらが無くなった時、人はその苦しみと正面から対峙することになる。また人によっては、この問題の解決無くして、日常生活などあり得ないという情況に追い込まれた人も、いくらか存在するだろう。不幸が重なり、積極的に仕事や趣味に向かい合えない人たちである。

 

この人生における苦から逃れるために、何か特別のものに身を委ねる人も多い。例えば、何かの集団の中でその活動に熱中すること、快楽に身を委ねること、或いは絶対的存在に帰依すること等である。絶対的存在への帰依とは、宗教への入信である。

 

古典的な宗教の場合、古代の歴史から続く伝統もあり、帰依する人を受け入れるだけの基礎は持っているだろう。(補足3)しかし、新興宗教の場合、いったいどのような教えを持って、上記根源的苦悩と向かい合うのだろうか?そして、宗教法人の資格が得られたのだろうか? 先ずこの点が不思議でならない。つまり、最初の段階から政治との癒着を疑ってしまう。

 

新興宗教は、恐らく、集団の中で人と人を強く結びつけて、孤独感の残る隙間を埋めて「従属」という安心感を与えるのだろう。それは病的な近代化の個人主義に対する反抗だとしても、宗教などではない。その活動に熱中することは、ドラッグ的であり、上記宗教の目的を逸脱しているように思う。

 

何れにしても、宗教は個人の心の問題にまで介入する。宗教は個人を迷える人達と捉え、一人前として扱わない。個人の自立を前提とする民主主義政治の場と、宗教の場が重なることは、100%禁止されなければならない。それが政教分離の原則の理由であると思う。


 

2)宗教団体と政治の関わり:

 

日曜朝のテレビ番組の「ザ・プライム」で、コメンテーターの橋下徹氏は「宗教団体が政治に関わることは、宗教団体の構成員も一票持っているのだから、禁止はされない」「禁止されるのは、問題を抱えている宗教団体と政治が関わることだ」という趣旨の発言をした。しかし、この考えは間違っていると思う。

 

宗教団体が、そのアイデンティティを保持したまま(仮に別に政治団体を作ったとしても)政治活動に参加することは政教分離の原則に反する。憲法20条には、「いかなる宗教団体も政治上の権力を行使してはならない」と書かれているからである。ここで、政治上の権力行使とは何か?
 

先ず、政治とは特に国政や地方行政を意味すると考えて良いだろう。そして、「政治上の権力行使」における主格(主語)は、宗教団体のトップ或いは執行部と考えるべきである。その権力行使としては、信徒にたいして支持政党等を決める自由を侵害すること、更に、教団に都合の良い候補や政党に対する投票を、一般公衆に呼びかけさせること等がある。教団として支持政党を発表することは、教団幹部と信徒の上下関係から、これらの政治活動に他ならない。

 

尚、権力とは、他人をおさえつけ支配する力。支配者が被支配者に加える強制力 (広辞苑)であり、それを国家権力と狭く解釈する人も居るが、それは間違いである。また、強制力の範囲としては、暗黙の圧力なども含まれるべきである。

 

宗教団体(或いは別途作った政治団体)の幹部或いは執行部が、その資格のままで、ある議員候補を推薦し応援する場合、団体信者に対して投票や応援での協力依頼(依頼という名の強制)を伴うことになるが、それは政治上の権力行使である。その宗教団体が問題を抱えているとかいないとかは問題ではない。

 

勿論、宗教団体の構成員が、政治家として立候補することや、個人としてある政治家を応援することは全く問題ではない。しかし、その候補者に対し、宗教団体(或いは別途作った政治団体)として、応援することは憲法違反になると思う。

 

上記()内に示したように、宗教団体が別途政治団体を創設し、そこで政治活動を行う場合が多い。その場合でも、母体から同じメンバーが政治団体に加わることがほとんどである。このようなことが大々的に日本で行われている。しかし、明確な憲法違反の判断は、現行の制度で下されていない。

 

ある政治問題に関係する意見のバラツキは、一つの宗教団体信者の中にも存在する筈である。それを無視して、宗教団体の別動隊的な政治団体が一つの政党を形成、或いは支持することは、憲法の精神に著しく反する。

 

別表現で説明する。ある政党は様々な政治的問題に関して、其々一つの判断を示す。それは、政治的に一つの人格をなすことに他ならない。その政治的に単一の人格の下に組織される構成員が、宗教的に単一の人格をなす宗教団体と一致することは、憲法20条に違反し、近代民主国家ではあり得ない。
 

終わりに:以上、あくまで自分の頭の整理の為に書いた文章です。勿論、批判やコメントは歓迎致します。

 

(19時、編集あり)
 

補足
 

古代、民族を束ねるために一神教があった。その後、皇帝や王様が国を治めるようになったが、その正統性を示すために、統治権が神により授けられたと考える(或いは宣伝する)時期が続いた。この民族の統一のシンボルとしての宗教の役割を軽視するのは、農耕社会の日本の伝統である。明治以降の国家神道は、その西欧の伝統を日本も採用した結果である。

 

2)現行の政治が極めて劣悪であり、もう少しまともな政治を実現しないと民族が滅びる可能性があるなどの危機感から政治活動を始める宗教団体も例外的にあるかもしれない。しかし、それは法の支配下の民主政治の原則に反する。つまり、憲法20条に違反する。勿論、違法覚悟で革命政権を目指す場合は、言うべきことは何もない。ただ、歴史の審判を待つのみである。

 

3)宗教の教義は様々だが、それらは大きく二つに分けられる。一つは、最初からこの生の苦しみの問題を対象にしたと思われる宗教である。例えば仏教がその一つだろう。この場合、信徒たちは、正しい知恵の獲得により、解脱を目指す。 解脱とは、釈尊の教えを深く学ぶ(信じる)ことで、その根源的苦しみから解放されることである。つまり、「一切皆空」(現世の存在は全て空しい)を心に焼き付けるのである。仏教の宗教活動は、内向的であり個人の範囲内に留まる場合が多い。それでも、極めて政治的な僧兵という集団が、歴史上にあった。
他方、歴史的に民族の生き残りのプロセスに関係した一神教では、神を信じたものは神の意志として生き、永遠の命を得るのである。従って、異教徒などの邪魔者は倒されるべきだと考え、信徒はそれを信じるのだろう。キリスト教の場合は、人の間に神の愛を伝道し満たすことで、この世界の困難と人々の不幸は克服されると説くのかもしれない。しかしキリスト教も、その神の愛を受け入れないものは、異教徒として排除されるべきであるとその一線は固い。一神教は政治的宗教である。

2022年7月22日金曜日

宗教と政治の問題: 安倍元首相銃撃事件から日本は何を学ぶのか(2)

現代の日本における宗教と政治の密接な関係が、安倍元首相爆殺事件とともに世界中に配信された。安倍元首相だけでなく、下村博文元文部大臣など自民党議員のかなりが、統一教会(旧称)と関係があったと言われている。

 

これは日本の恥と言える。 何故なら、政教分離は近代国家の必須要件だからである。今回の事件を契機にして、日本が政教分離を未だ達成していない未開文明の国家であることが、大々的に世界に向けて暴露されたのである。

 

 自民党政府は、その被害者である安倍元総理の国葬を行うとして、問題をごまかそうとしている。それは国際的な恥の上塗りになりはしないか? 兎に角、国葬を行う場合は、法的根拠を明確にしてもらいたい。 

 

WeBlioというネット辞書によれば、1975年開祖文鮮明から日本統一教会に送金命令が下り、毎月約20億円、1985年までの10年間に合計約2000億円が文鮮明に送金されたという。そして、2001年までの25年間で被害相談額が1100億円を超えたようだ。

 

つまり日本統一教会(旧称)は、自民党の有力議員の世耕弘成氏が自ら起こした裁判で言及したように、反社会的な活動を行って来た宗教団体なのである。それに対して、日本政府は宗教法人格を与え保護してきたことを、この際徹底的に洗いなおすべきである。

 

 

安倍元首相の祖父である岸信介元首相は、北朝鮮などの共産主義と対峙するためにこの教団の創始者が作った勝共連合と、深い関係にあったようだ。更に、この参議院選で当選した自民党議員の中には、統一教会(旧称)の推薦で当選した方もがいたようである。 自民党と統一教会の関係はそれほど深く、以下のサイトにも詳しく書かれている。また、その記事中に元公安調査庁の菅沼光弘氏による現場報告的な解説動画も引用されている。

 https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashikosuke/20220721-00306495 

 

戦後の一時期に諜報活動として、統一教会を用いることがあったかもしれない。それは好ましいことではないが、やむを得ない部分もあっただろう。それでも、表の政治の舞台では、厳に慎むべきことである。それにも関わらず、21世紀の現代日本から堂々と国際的な場にその関連団体の集会に参加し、祝辞的なメッセージを送ったのだから、今回の事件の責任の一部は安倍元首相にも存在する。(補足1)

 

ここで、宗教と政治の問題の基本的部分から少し考えてみる。

 

 2)宗教の社会的意味の歴史的変遷について: 

 

古代、人が野生動物から社会的な人間になり、そして国家を形成するまでのプロセスにおいて、宗教は重要な役割を果たした。

 

我々の祖先は、独自の言語を作り出し部族を形成し、他の部族と生き残りを懸けて戦った歴史を持つ。その際に、偉大なるリーダーが神となり部族の団結の中心となった。それが人格神を崇拝する一神教の始まりである。例えば、旧約聖書には、そのような物語が書かれている。(補足2)

 

 その後、多くの民族或いは部族を起源とする人たちが一つの国家の下に束ねられて、中世から現代に至る。(補足3)そして、国家の支配力は、上記一神教の神ではなく皇帝に移り、現代では国家:つまり法とその執行機関等で構成される国家システムに移行した。法治国家の体裁が採られれば、その支配はより公明であり、その結果、国家の機能全体がより効率的になる。

 

中世以降の西欧の歴史は、政治や文化から一神教的な要素の排除の歴史でもあると言えると思う。(補足4)例えば、ルネッサンスは、キリスト教からの人間の解放という意味を持つ。

 

日本も、その西欧の政治文化にならって、19世紀後半に近代国家を建設した筈だったが、国家神道に頼る時代が続いた。それが国家の暴走に繋がったと言える。(補足5)

 

勿論、個人の心の中には、ある意味重要な要素として宗教心が存在する。そして、宗教は道徳の源泉として法とともに存在する。しかし公の政治空間では、宗教は名残以上には存在しないのが近代国家の原則である。 

 

このように考えると、宗教には二つのタイプがあると言える。一つは民族の歴史のなかで重要な役割を果たした(古代からの)宗教及びその連続上にある宗教と、所謂新興宗教である。新興宗教に対しては、あくまでも個人を対象に宗教活動をすること、社会システムに対する活動はしないという確信が得られなければ法人格を与えないことが大事である。

 

日本が自由と平等、人権、法の支配などを尊重する近代国家を標榜するなら、政治活動に手を染める宗教団体は、解散させるべきである。それは、別団体に政治活動を委ねる場合も同じことである。また、刑事事件の疑いがあれば、徹底的に捜査すべきである。

 

繰り返しになるが、政治活動を行う宗教団体は、近代国家においては、革命勢力と見做されて然るべきである。同様に、宗教上の人間関係を利用した政治運動は、厳に慎むべきである。

 

日本国憲法20条に、日本における信教の自由と宗教と政治の関係が記述されている。 

 

第二十条:信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。 

③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。 

 

公明党の政治活動とこの憲法に規定された政教分離の原則に関して、民社党(当時)の春日一幸議員により国会に質問状が出されている。その「宗教団体の政治的中立性の確保等に関する再質問主意書」には、宗教団体と政治の関係についての重要な問題提起がされている。

 

そして提起された問題は、未だに現代日本の政治の未成熟な部分として存在すると言える。(補足6)

 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumona.nsf/html/shitsumon/a063003.htm 

 

補足: 

 

1)責任の一端があるというのは、山上容疑者の裁判において情状酌量の根拠の一項目として、安倍元首相と統一教会(旧称)との深い関係があったことがなり得るということを意味する。それ以外の意味はない。

 

2)日本書紀や古事記に書かれている物語もよく似ていると思う。ただ、あまり読んでいないことと、古事記には後の時代の創作であるとの説もあり、客観的な視点では引用できない。

 

3)日本は6-7の民族が統合されて、ヤマト民族となったと言われている。その統合の歴史が民話として残っているのが、出雲の国譲り伝説などである。魏志倭人伝などにも多くの国(民族)があったと言う記述がある。

 

4)この表現で良いかどうか専門に近い方にコメントいただければ幸いです。

 

5)天皇支配下の大日本帝国の政治システムでは、軍隊は皇帝である天皇の直属であった。各大臣は天皇に助言を与えるが任務であった。このような脆い国家には、外国の諜報機関が入る隙が多かった。第二次大戦は、外国機関からのスパイが大きな役割を果たした。

 

6)この質問に対する答弁は、「宗教団体が公職の候補者を推薦し、もしくは支持すること、またはこの結果、これらの者が公職に就任して国政を担当することを、この原則が禁止しているものとは、考えられない」というもの。春日一幸氏の質問とこの答弁の議論は、今後の予定書く予定。

 

 

(16:20編集あり、7/23早朝全面的に編集)