拉致問題を解決することが真の独立国として日本を再興することに繋がる。その最初にあるべきは、現在の国際社会の理解であり、その更に第一歩は国際法の意味の理解である。
日本国民の多くは、国際法の意味を誤解している。その誤解に乗じて、竹中平蔵氏は「国際法は国内法に優先する」とあるテレビ番組で言っていた。その様な発言をするのは、彼が世界経済フォーラム(WEF)の理事であり、正真正銘のグローバリストだからである。
WEFの関係者は、ウクライナのゼレンスキー大統領を含めて(補足1)、全ての主権国家が潰れて世界帝国になればよいと思っている。新型コロナで始まった世界戦争が本格的となれば、最後には、拉致問題は日本や北朝鮮といった主権国家とともに消失するだろう。(補足2)
現状の主権国家体制の下では、国際法は単に“お付き合いの作法”であり、強制力を伴った「法」ではない。北朝鮮の日本人拉致は、国際法に照らせば犯罪であるが、それを根拠に批判しても被害者の奪還には繋がらない。国際法には、何の効果もない。
本来、その解決には軍隊を用いて戦闘を覚悟して取り戻すか、相手国に返した方が自国の為だと思わせるかの何方かで為される筈であるが、それは被害を大きくする可能性が高い。もっと賢い方法は、朝鮮戦争の終結、日本の北朝鮮承認などを含めた、北朝鮮のソフトランディングである。
北朝鮮を作り温存した責任は米国にある。何故なら、トルーマン政権が朝鮮戦争を終息させないことで、北朝鮮を温存したからである。それは、東アジアにおける米国の存在理由が欲しかったからである。(補足3)
上記賢い方法で拉致問題を解決するには、日本国の実質的な独立が必須だろう。日本が真に独立する知恵と覚悟を修得し、且つ、日本を“実質的友好国”として独立させる米国の決断が肝心である。しかし、米国にネオコン政権(現民主党政権)が続く限り、それは期待できない。
彼らは、現状EUも支配下に置いている。これらの“友好国”は、米国に隷属させられている。米国元国務長官のキッシンジャーはこの情況を皮肉を込めて指摘した。「アメリカの敵になることは危険かもしれないが、友人になることは致命的である」
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/22937
米国をあてにするなら、トランプ流の共和党政権の誕生を待つしかない。一方、歴代の自民党政権は、日本に原爆を投下し破壊しつくした民主党の米国に協力する形で政権を維持してきた。そして、拉致問題を放置して来た。
以上から、拉致問題の解決と日本の真の独立のためには、国際関係の現実と日本の近代史を知り、その上で独立国にふさわしい政権を樹立すること、更に、米国においてトランプ流の共和党政権の誕生に期待し、それが叶った時には伴に主権国家体制の維持のために努力することだと思う。
安倍元首相は、ロシアを利用して日本の実質的独立から拉致問題の解決まで考えて居た可能性が高いが、自民党政権としては例外的だろう。2014年に既にこの問題をとりあげ、本ブログサイトでの文章としている。それをそのまま再掲する。
本セクションの補足:
1)この一月に世界経済フォーラムの会議(ダボス会議)に参加して、戦後復興までのプランを主張するようだ。https://news.yahoo.co.jp/articles/741b4792e1b1746f8203c729b54df1e2fd52c928
https://www.youtube.com/watch?v=0WbZyPHMmmg
2)その過程で、多くの命が失われるとすれば、拉致問題など吹っ飛んでしまう。そうならないことを願うのみである。その願いが叶う前提は、米国にトランプ流の共和党政権が誕生することだろう。先ず、明後日の下院議長の選挙が気になる。共和党一部の反乱で民主党がとれば、終わりかもしれない。
3)北朝鮮は、トルーマンの戦略として東アジアに誕生したと言える。トルーマンは、朝鮮戦争に勝利する直前、マッカーサーに進軍を禁止し連合国軍最高司令官を解任した。トルーマンは、朝鮮戦争を未解決なまま残し、日本が再びこの地域の覇権国とならないよう、そして米国の敵対勢力が東アジアを中心に生まれない様、米軍を駐留させ続けた。
§2. 北朝鮮の崩壊は日本の利益にならない。 (2014/11/3)
拉致問題の解決は、北朝鮮が欧米諸国や日本などを含めた国際社会で承認されるという形でしか解決されないと思う。つまり、日曜朝のテレビ番組で元外務省の田中均氏が「大きな図で考えるべき」と言っていたのが正しいと思う(1)。
日本の評論家は、北朝鮮による拉致を犯罪だと捉えているが、その理解はイスラムのテロリズムを犯罪だと考えるのと同じで、一般人の誤解を産む。北朝鮮と日本の間に国交がない以上、通常の法治国家内での犯罪と捉えるのは間違いで、戦争時の民間人被害に近いと思う。実際に、拉致被害者は韓国へのスパイ養成の為に使われている。
つまり、日本にまともな国防意識がなかった事が、自国民を他国に拉致された原因である。日本政府はその責任に言及しないし、日本のマスコミは正常に機能していないので、そのことを避けて通る。拉致被害者を取り戻すとすれば、戦争再開か平和条約(2)締結による終戦しかないのではないか。平時国内での犯罪行為のように考えて、その対策として拉致被害者奪還を考えるような構図は、本質的におかしい。
国連において北朝鮮の拉致問題などを非難し、北朝鮮を追い込むのは良いが、それに対する逃げ口を用意することも大切である。もし、北朝鮮が崩壊(3)した場合、その前に小型化した原爆が何カ所かに飛ぶかもしれない。また、北朝鮮の再建過程までの、難民流入、日本の治安悪化や経済的負担は相当なものになるだろう。
日本は、北朝鮮をソフトランディングさせることを、拉致問題よりも優先して考えるべきだと思う。それには、米国や中国の力、そして、韓国の同意が必要である。韓国は、まともな国家となりある程度経済発展した北朝鮮と合併して、統一朝鮮という民族の夢を果たす為に、日本や米国と力を合わせるべきだと思う(4)。
補足:
1)確か、11月2日の時事放談だったと記憶している。拉致問題は、核兵器放棄と国際社会への復帰と同時に自動的に解決する。
2)ここでは、日本と北朝鮮との間の基本条約である。この締結には、韓国との基本条約の中の、「韓国を半島唯一の政府とする」という条項を変更しなくてはならない。
3)ここでの崩壊の定義は、クーデターではなく、キム王朝が玉砕的手段で韓国やその他の敵国に攻め込むことをである。北朝鮮も、日本の戦争末期やイスラムのテロリズムから、玉砕的攻撃を学んでいると思う。
4)韓国の一部に、クーデターか何かをきっかけにして統一し、核保持国になろうとする野心があるかもしれない。日本はそれを最も警戒すべきである。その為にも、北朝鮮の核抜きでの承認と経済援助を目指すべきであると思う。
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