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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2024年5月30日木曜日

世界覇権国のコバンザメとして成長した日本

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コバンザメはサメなど大型の魚に身を寄せて外敵から自身を守り、そのおこぼれを貰って生きる魚である。日本は、意図してではなかっただろうが、江戸時代末期からそのような形で経済成長してきた国である。その歴史を十分承知した上で、日本の将来を考えることは非常に重要である。

 

日本は2600年の歴史のある国であると意気軒高な人は、頭を冷やしてその対極にあるこの考え方も知るべきである。両方の見方のどこかに真実があり、皇国史観だけでは日本は滅びる。

 

1)英国の東アジア戦略の中で生まれた大日本帝国

 

これについては何度も書いて来たと思うが、原田伊織著の「明治維新という過ち」などを参考にしてたどり着いた日本の近代史に関する私の理解である。最近では米国スタンフォード大フーバー研究所の元研究員である西鋭夫氏のyoutube動画などでも殆ど同じ内容が話されている。

 

18世紀ころから英国の東インド会社(1600年ころ設立)は、インドで生産したアヘンを中国で売るという貿易で利益を得ていた。この商売が民間にも許された19世紀中ごろ(江戸時代末期)、英国は中国進出の後部基地として日本を利用しようと考えたのだろう。

 

この活動の中心に英国ロスチャイルド系のジャーディン・マセソン商会があり、その中に日本ではおなじみのトーマス・グラバーがいる。英国王室とこの商社の背後に存在する英国ロスチャイルド家との関係は深く、(補足1)1875年の英国のスエズ運河買収とその資金調達などへの協力など、英国帝国主義の中心にあった。https://www.japanjournals.com/culture/gudaguda/16886-gudaguda-117.html

 

そして薩長が彼らとの深い関係の中で成し遂げたのが、明治維新というクーデターであった。その後の明治政府の発展と戦争の背後には英国、つまりユダヤ系資本家のロスチャイルド家が存在した。英国の資本は米国に流れ、ロスチャイルド系の人たちは米国をも支配することになる。

 

その時期に日露戦争がある。高橋是清は、米国のユダヤ系資本家であるシフから借金に成功し、日本は対露戦争に踏み込めた。そして、米国大統領セオドア・ルーズベルトの世話で、勝利の形でロシアと講和をする。彼らは、満州の支配を考えて、日本を利用しようとしたのだろう。

 

その目論みが外れたのは、満鉄の経営権共有の為に締結した桂=ハリマン協定に、ポーツマス条約締結後に帰国した小村寿太郎が反対し、日本側から破棄したからである。その時から日本が米国の敵国となったのである。ユダヤ系資本と米国の関係は、その時既に英国同様に濃かったのだろう。

 

日本が21世紀も世界の中心的国家としてあり続ける為には、国民がこの歴史から日本の近代史を理解することが必須だろう。同じ道を現在の中国は進んでいるように見える。この満州事変から太平洋戦争の間の歴史で、日本=>中国、満州=>ロシア の様に置き換えれば、相似形を為す。

 

つまり、ロシアの豊かな資源と国土を手に入れたい世界の金融資本家(ユダヤ系が中心の米国)が、中国を経済発展させて手下にし、ロシアを支配下に入れる企みである。その障害がプーチン政権である。ウクライナ戦争もその一環と見るのが正しい筈である。

 

その戦略に、中国習近平政権は抵抗する気配が濃厚である。その結果、日本敵視政策のオレンジ計画に代わり、中国敵視計画が作成されている可能性が高い。その地政学的変化が、今後の日本経済の復活の背景にあるという人が多い。以前紹介したトルコから来たユルマズ氏もその一人である。

 

 

2)日本はユダヤ系資本のコバンザメとして成長した

 

日本の投資ストラテジストの武者 陵司氏はyoutube動画で、米国が東アジア戦略の中で日本を必要としたとき日本経済は成長し、必要としなくなった時に停滞すると語っている。そして、中国敵視政策が始まった現在、米国は再び日本を必要とし、日本は再び成長の時を迎えるだろうと。

https://www.youtube.com/watch?v=-OQjMpCZE8I&t=296s

 

 

明治維新後の経済発展も考えれば、日本の経済はユダヤ系資本との関係で好不調を繰り返したとも言える。彼らが押さえたのは、英国及び米国の貨幣発行権であり、恐らく日本政府以外では日本銀行の最大の株主だろう。彼らの戦略は、秘密、捏造、宣伝のセットである。(補足1の下線部と補足2)

 

日本は現在、戦後の冷戦が始まった時(つまり朝鮮戦争開始時)と同じ地政学的情況にある。1950年から1990年までの戦後日本の大復興の時の情況と、これからの期間の情況が地政学的に相似だというのである。そしてエミン・ユルマズ氏は、日経平均は2050年までには30万円になると言う。勿論、大インフレ込みのパーセンテージだが。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12849312370.html
 

このモデルによれば、中国のこれからの不況は日本の失われた30年(1990年=2020)ではなく、1930年ー1950年の大破局(つまり敗戦)ということになる。

 

このような地政学的な考察を中心にした近未来の経済予測には一定の説得力があるのは当然である。しかし、歴史は繰り返すが、全く同じ繰り返しではない。核兵器が広く存在し、世界経済での米国の地位低下が進んでいる現在と、1945年の情況は全く異なるので、注意が必要である。

 

 

3)ドル経済圏が崩壊してBRICSが世界の政治経済のリーダーとなるのか?

 

米国が世界経済の発展の中心であり得たのは、米国だけが巨額の赤字を出し続けることが出来たということにある。(補足3)つまり、米国の世界における軍事的覇権の背景に、米ドルの世界における決済通貨としての地位がある。これは常識だろう。

 

その米ドルの地位を築いたのは、やはり英国及び欧州から米国に移動したロスチャイルドなどのユダヤ系資本だろう。米国中央銀行であるFRBを押さえているのは彼らである。その功績は偉大であり、警戒され憎まれる前に、今日の世界経済繁栄の基礎を築いた功績は正当に評価されるべきである。

 

この米ドルの権威が失墜する可能性があるのは、BRICS経済圏が米ドル経済圏から独立を果たす可能性が出て来たからである。彼らは世界の資源の多くを持ち、彼らの間の貿易だけで先端技術などを含め全てを賄うことが出来る。その結果、米ドルを全く必要としなくなる。

 

グローバルサウスはBRICSの圏内に入り、ユダヤ系資本を含め現在のG7らの国々は精彩をなくし、50年も経てばニューヨークも東京もギリシャの遺跡のようになるだろう。そうなる前に、どうにかする必要がある。その様に考えたのが、新世界秩序であり、グレートリセットなのだろう。

 

補足:

 

1)もう少し詳細にこのころの歴史を学んだので紹介しておく。

 

江戸末期、1853年に米国からペリーが浦賀に来て以来諸外国の船が来航して、必須物質の調達などが可能なように通商を迫った。1858年の日米修好通商条約締結以来、日本の近代が始まった。その年、フランスや英国とも修好通商条約を締結した。
 

その後、米国は南北戦争で東アジアとの関係が一旦途切れたが、積極的に日本と関係を持ったのは英国とフランスだった。英国のユダヤ系商社は、長州の下級武士を近代戦士として育て、軍資金や武器の貸与・供与などして、長州と薩摩の倒幕戦争に加担した。
 

フランス二代目公使のレオン・ロッシュは、英国公使のハリー・パークス(初代は、ラザフォード・オールコック)と対抗する形で、内政不干渉を建前とする英国とは異なり、積極的に幕府側に様々な支援を与えた。

 

1868年の鳥羽伏見の戦いで破れた徳川慶喜に、ロッシュは再起を促したが慶喜は拒絶した。日本の江戸幕府は、アヘン戦争とその後の中国の惨状に学び慎重に対外政策を練っていたのである。この慶喜の判断が日本を救った可能性が高い。薩長と幕府が英国とフランスの代理戦争を始めれば、日本は現在のウクライナのように崩壊し、今の日本は存在しなかっただろう。その辺りの歴史研究が日本に無いのは、現在の政府が長州政府の延長上にあるからである。

 

2)ロスチャイルド家などディアスポラの民の特徴は言うまでもなく、彼ら自身の国を持たないということである。その為、彼らは彼らのコミュニティを作り、陰に隠れて自分たちのために滞在国への影響力を行使する。西欧が築いた政治文化である主権国家体制や国際法システムは、彼らのために存在するわけではない。その重要な真実は、例えば、新疆ウイグル人自治区のウイグル人たちにとって、「主権国家に対する外国の干渉は国際法違反である」という近代政治文化の中心的ルールはどのように感じられるかを考えれば解るだろう。

 

3)基軸通貨発行国の赤字は、それ以外の国々の黒字となる。経済活動を国々の生命活動と見る場合、通貨は血液である。米国の赤字は、その血液を潤沢に供給することになり、世界経済の発展を維持する上で重要である。国内経済だけを考える場合、日本政府が発行する国債(赤字)は、民間人の黒字(財産)となるという話と一緒である。しかし、日本は基軸通貨発行国ではなく、食糧とエネルギーを外国との貿易に頼るひ弱な国である。この比喩を用いて、財政で経済を立て直そうと言うリフレ派の人々の多くは、日本経済が貿易に頼っていることが分かっていないのである。

==17:10 言語的編集あり==

2024年5月27日月曜日

日本民族は米国の家畜なのか

1)法に縛られる日本人

 

法は、支配者が被支配者の統治の為に用いる道具であり、人々の自由に一定の歯止めをかける為に存在する。この法と個人との関係において、日本はかなり特殊である。現在の日本人は、被支配者としての身分を受け入れ、支配者が設けた法に非常に従順に見える。

 

支配者が被支配者である国民によって造られた場合、法は国民が円滑に社会生活を送れる様に通常合理的につくられている。その場合、法への従順な姿勢は外国の人たちからも「日本人は秩序を重んじる人たちである」と評価されることになり、めでたしめでたしである。

 

その法に従順な日本の伝統は、多分1500年或いはそれ以上遡るだろう。日本人の気持ちの中に、お上(統治者或いはその代理人)は人々のために支配者の役割を担って呉れているという信仰のようなものがある。(補足1)その為、日本人は支配者に対して、更にその支配の末端に位置する警察や司法に対して、一般に親和的であり、嫌な感情を持っていない様に思う。

 

しかしながら、社会の変化が激しい昨今では、必ずしも良い傾向とは言えない。何故なら、社会の変革は既得権益層に属する支配者側への反抗、場合によっては反乱を経て成立するからである。従って平時においても、支配者やその制定した法システムと一般国民との間には一定の緊張関係があって然るべきである。

 

この法に従順な日本の伝統を、ある出来事が切っ掛けとなり思い出すことになった。それは、クマに襲われ殺された男性の遺体収容にあたった二名の警察官が、クマに襲われてその男性の遺体を見捨て退散したという秋田県警の話である。彼らは拳銃を持ちながら、その使用をためらったのだろう。(補足2) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240519/k10014453951000.html

 

秋田の警察官は、ケガをさせられても、法に縛られ銃を発射しなかった。秋田の田舎町で、人間が熊との闘いに負けたのである。この場合、警察官は法の執行人というよりも、法に縛られる一般国民側に位置する。

 

北海道でも熊が増加して、例えば牧場の子牛が襲われるなど、困っているようだ。猟友会はあるものの、農作物を荒らす鹿は射殺できても、害獣指定されていないので熊に銃を使えないのである。住民も熊を恐れ、毎日怯えながら暮らしているという。https://www.youtube.com/watch?v=daGTgdAPVxo

 

 

そこで、その動画に以下のようなコメントをアップした:

 

人間を食物としか見ない危険な熊が現れたら、猟銃で撃てばよいのです。動物愛護団体が告発すれば、受けて立てばよいのです。法は人のためにあり、熊のためにあるのではない。国家と法以前に自分が居る。それらが自分と敵対するのなら、戦うべきです。しかも、町の民意は明らかだと思う。団結して戦うのが自然であり、法に従うあまりクマに人が殺されたり、生業を破壊されたりする姿は異常です。

 

2)日本人のこの情けない姿について:

 

第二次大戦敗戦の直前に、米国は二発の原爆を投下し、数十万人の市民を虐殺した。その事実を知りながら、日本人はその米国の最高司令官であるマッカーサーを支配者として受け入れた。そんな日本人を当時の米国大統領トルーマンは、米国の家畜と言った。

 

その一方、日本人たち多くは日本民族を、全てを失い民族の原点に戻ったと云う風に見ただろう。その一人が坂口安吾であり、彼は「堕落論」を書いた。 その状態を、「日本は戦争に負け武士道は滅びたが、堕落という真実の母体によって始めて人間が誕生したのだ」と書いた。

 

それに続く「生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有り得るだろうか」などの彼の言葉は、そんな日本人同胞に対する励ましなのだろう。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12725504080.html

 

あの時から既に75年過ぎた。現在の日本人を見て、坂口安吾ならどう言うだろうか? 堕落つまり生き残って原点に立った日本民族は、75年を経ても尚再生を果たしていないのである。日本民族を何と評価するだろうか? 堕落と言ったが、当時はどん底までは落ちてなかったのかもと言うかもしれない。

 

明治維新はそれなりに美しかった。仮に、天皇が異国の操り人形と化した長州によって造り上げられた存在であったとしても、それをトップに頂き、欧米列強と戦う姿はある意味(造花のように)美しかった。しかし、そのシステムには無理があった。天皇は神では無かった。

 

今、日本人は民族の再生を希望においてもう一度どん底まで”堕落”すべきである。法も規則も馬鹿馬鹿しいと言って、反抗しそれらを破壊すべきである。1970年ころ、長い角棒を振り回し大学を封鎖した同年配の全国の大学生たちを、彼らは民族の原点を生きていたのかと今思い出している。

 

 

おわりに:

 

国際政治評論で頭角を現わした川添恵子さんにより紹介されたトルーマンの言葉が思い出される。日本の復興と発展は、家畜を育て太らせるようなものだと言うのである。そのyoutube動画は、その後削除されている。これが彼らのやり方なのだ。https://www.youtube.com/watch?v=vlwHfzTmfcc

 

あの誇り高い日本民族が米国の家畜になったのなら、日本民族の”堕落”は原点では止まらなく、どん底を破って家畜にまで落ちてしまったということになる。

 

ユダヤ系大資本を中心とした米国の支配層は、ロシア潰しのにおけるウクライナの役割を日本に期待しているのである。相手はロシアではなく中国である。その時に備えて、岸田政権は憲法改正をするように言い渡されているのだろう。そうなるかもしれない。

 

 

補足:

 

1)水戸黄門の話などはその典型だろう。お上が善人である平民一般の味方をして、悪人を裁くのである。また、「仁徳天皇が高台に登ってみると、人家の「かまど」から炊煙が立ち上っていなかった。そこで租税を免除し、民の生活が豊かになるまでは、お食事も着るものも倹約された」などという話も、日本の政治文化の特徴を表している。https://www.rinen-mg.co.jp/trinity/management/entry-4403.html

 

2)日本は銃規制において厳しい。警察官も何かで発砲した場合、その発砲が適切だったかどうかを問われる。多少とも不適切だということになれば、警察上層が責任を問われることになるので、現場の警察官に銃使用に関して過剰に慎重さを求めるのだろう。

 

(13:30小編集とともに補足2を追加)

 

2024年5月25日土曜日

岸田首相の売国密約:米国の610億ドルウクライナ支援金を日本が肩代わり!?

表題のびっくりする内容の話を、評論家の山口敬之氏がyoutube松田チャンネルでしている。前回記事で言及した米国による610憶ドルのウクライナへの軍資金支援は、ウクライナへの貸付金であり、その債務保証を日本が行うという話である。

 

そんな話何時決まったのかと不思議に思うのだが、それが訪米した岸田首相とバイデンとの密約であったというのである。ビックリし、そして次第に腹が立ってくる話である。兎に角、すべての国民は以下の動画を視聴すべきである。信じる必要はないが、何れ思い当たる時もくるだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=unYJhQeWyA8  

 

 

トランプ前大統領と共和党議員たちが反対して殆ど廃案となっていた筈の米国による巨額のウクライナ支援が、何故か急に共和党多数の下院で通過したことが不思議だった。

 

前回ブログで書いた、ジョンソン下院議長のフロリダトランプ邸での話合いは、岸田―バイデン密約の説明だったというのである。この話は、 TBSワシントン支局長時代の知人で共和党の幹部クラスの女性の人から問い合わせを受け、その後両方で調査をした上での結論だという。

 

実はこの話、シェリルさんのブログ記事で初めて知った。文字おこしもされており、頭に刻み込むにはこちらの記事も利用価値が高い。https://ameblo.jp/sherryl-824/

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2024年5月21日火曜日

トランプが次期大統領になっても米国と世界は現在の延長上を進む 

もしトランプが次期米国大統領になったら、米国はどうなるか、日本は、そして世界はどうなるかという分析は、恐らく方々で行なわれているだろう。

 

トランプは、時代の周り角にあって市民一般の広範な支持を背景に政治の方向を大きく変える可能性のある政治家である。これまでの米国の政治の根幹的部分に変化を加える可能性があり、当然ながらこれまでのエリート層からは様々な妨害を受けて来た。

 

ポピュリズム政治の危険性と革新的政治に対する期待を伴って、このような政治家が現れたということは、これまでの政治が市民一般の要求を長い間無視してきた証拠である。所謂Deep Stateが本当の支配者だったのか、マスコミとそこに出る評論家などが全く無能か欺瞞的だったかのどちらかか或いは両方である。

 

このトランプの理解(モデル)として標準的なのは、米国金融資本家などグローバリストたちの利益優先ではなく、各国に出来るだけ干渉しないで米国民の利益を第一に考える政治家(モデル①)である。(補足1)ただその姿勢の背景に、グローバリストに対抗して主権国家体制を維持すべきであるという国際政治にける思想が存在するのかどうかは、明確ではない。

 

つまり、地球規模で発達した経済システムと密接な国際政治の時代、つまり狭くなった地球上での社会変革について、所謂グローバリストたちの方向に対して、対立軸を提供出来るのかどうかは不明だと思う。(補足2)従ってトランプのモデルのその部分は様々だろう(②)。

 

1)グローバリズムVS反グローバリズムの対立とトランプ

 

冷戦終結後の米国の戦争に対する公式説明は、法と正義及び民主主義の下で自由主義経済圏を拡大し、リーダーである米国を中心にしたグローバルな政治・経済体制を維持発展させるための戦いというものだった。ただ、2017年からのトランプ政権下、米国は一度も戦争することが無かった。

 

そしてこの4年間に、米国民そして世界中の人々と米国グローバル資本家たちとの間の対立関係が大きくなったと思う。米国と同盟国の自由と民主主義の体制を守るためというこれ迄の戦争の論理には、細部に多くの疑問点が残されていても、相応の説得力があったかもしれない。しかし、この4年間だけ何故その体制に対する脅威が無かったのかという疑問には、答えようが無い。

 

遠い土地での戦争で亡くなった若い米国民の死を、自由と民主主義を守る為に命を捧げたとして説明する話は、これまでの米国の支配層による嘘ではなかったのか? 彼らは、世界の政治と経済を米国のグローバルな覇権で統一し、その中で彼らの資本を巨大化し、その利益を得るために我々(若い兵士を出した米国の家庭)を利用してきたのではないのか?(補足3)

 

そのグローバルな政治・経済の恩恵を、多くの米国と同盟関係にある国々や中国などその周辺国は受けたとした場合、彼らは相応の負担をして来たのか? 現在においても、その義務を果たしているのか? トランプ周辺から周囲に向けて、このような疑問が発信されたのではないだろうか。これが序論のトランプモデル①の主張である。

 

20世紀後半から、そのグローバル経済に矛盾が発生し始めた。その一つは金融資本の巨大化と人々の間に発生した貧富の差の拡大、そして伝統的な人々の生活様式つまり文化の破壊が進んだことだろう。ここでそのようなことが発生する理由について少し考えてみる。

 

自由主義経済とは、各資本が人間社会を競技場にして勝敗を競うゲームのようなものだろう。様々な技が発明され、資本は活動の自由度拡大の本能のままに、いつの間にかその競技場そのものまで拡大し変質させるのである。(補足4)競技と競技場がペアとなって変化することはどのスポーツの歴史にもある事だろう。

 

人間の為に奉仕する筈だった資本が自由主義経済のフィールドで、いつの間にか人間社会を支配下に置く暴君のような資本に巨大化し変質する。伝統的な社会の様々な要素を、それらの自由主義の障害であるとして排除するように要求する。その競技での負けは、その資本周辺の人間の生活を破壊することになるから、それらは本当は要求ではなく命令的である。

 

その様にして、社会の家族をはじめとする人間関係、そしてそれらで創られた地域共同体は既に破壊されている。(補足)現在、それら巨大資本は西欧の近代政治文化が作り上げた主権国家体制まで破壊しようとしている。それは自然の成り行きなのかもしれないが、ある時点からは意図的にその方向に政治活動が始まった。

 

そのグローバル経済の主役である国際金融資本家たちが、結託して行っている世界の政治運動をグローバリズム、それを支持して活動する勢力をグローバリストと呼ぶようになった。現在グローバリズムのプロパガンダの中心は、クラウス・シュワブが主催する世界経済フォーラム(WEF)であり、シュワブが主唱する世界の大変革の開始が、グレートリセットである。

 

グローバリストにエネルギーを供与するのは、巨大資本を動かす金融資本家達である。主権国家体制と国際法などを遵守すべきだという反グローバリズムの主張をする者たちは、当然ながらその他多数だが、そのリーダーと見做されている人たちは国際金融資本の力により撲滅されつつある。彼らは時として民族主義者と呼ばれるが、それは不適切な呼称であり、単に保守主義者と呼ぶべきだろう。

 

最近反グローバリスト活動をしている及川幸久氏が、グローバリズムと世界経済フォーラムの関係について解説しているので、その動画を引用させてもらう。

 

 

 

冷戦終結以降、米国グローバル資本家(殆どがグローバリスト)たちの利益と米国民一般の利益とが、互いに対立するのではないかという疑問が広がった。更に、上述のトランプとトランプ政権の4年間は、反グローバリズムの反撃とでも言うべき政治であり、そのグローバリズムVS反グローバリズムの戦い(第三次世界大戦と言う人も居る)が始まったのだという考え方が、米国だけでなく世界に広く伝搬した。

 

栄光の米国を取り戻すと言う風にトランプは言っているが、それは上のような思想をその背後にしている訳ではないかもしれない。つまり、トランプを主権国家体制を衛る人物と考える人たちがおおいが、それは買いかぶりかもしれない。これが序論の②で示したトランプに対する各人各様の理解である。

 

 

2)対ウクライナ政策におけるトランプの妥協とハマス・イスラエル戦争

 

トランプは嘗て、「自分が大統領になったなら24時間以内にウクライナ戦争を終わらせる」とか、「ウクライナ支援に金を一銭も出さない」と言っていた。

 

しかし、その姿勢にも大きな変化が出て来た。例えば、419日のガーディアン紙の記事には、最近トランプはウクライナの存続は米国にとって重要だと言い始めたと書かれている。その記事掲載の数日後、米国下院でウクライナ支援を含む予算案が通った。https://www.theguardian.com/world/2024/apr/19/ukraine-war-briefing-donald-trump-says-survival-of-ukraine-important-to-the-us

 

提出された法案には、ウクライナ支援の610億ドル、イスラエル支援の260億ドル、台湾支援の80億ドルが組み込まれ、合計950億ドルのパッケージとなっており、現在既に成立している。トランプのウクライナを守るべきという最近の変節発言で、共和党の多くもグローバリストたちに迎合するようにウクライナ支援法案に賛成した。(補足6)

 

この変節の理由はどこにあるのだろうか? ハマス・イスラエル戦争と関係あるのだろうか? 私は素人ながら、米国のネオコン・グローバリストたちは、トランプの固いユダヤとイスラエルを支持する姿勢をトランプ崩しの取っ掛かりとして利用したのだと思う。

 

つまり、ハマス・イスラエル戦争が始まった後(或いは始めた後)、トランプは「あなたのイスラエルとユダヤを支持する気持ちは、本物ですか」と問われることになった。つまり、イスラエルとウクライナを支援する人たちに、ロシアがイスラエルの潜在的敵国(補足7)であるのに、ロシアと戦っているウクライナを支援しないトランプの姿勢は何か変だと指摘されたのだろう。

 

その“問い質し”が、今年411日の記事に書いた3月下旬のイスラエルのネタニヤフ首相に近い新聞ハヨムによるトランプへのインタビュー(動画を引用)だったのだろう。その記事の中で、まるでイスラエルによるトランプの面接試験のようだと書いた。そのインタビューに臨んだ人たちは、イスラエル政府や米国のユダヤロビー(補足8)とも関係が深いと思う。

 

この他、トランプが共和党からの大統領候補に決まってから、ユダヤロビーやイスラエル政権の周辺人物達とトランプの間で、密な接触があったと思われる。日経新聞によると、上記法案の審議に際して、下院議長ジョンソンは方々からレクチャーを受け、4月にそれを持ってフロリダのトランプ邸を何度か訪問したという。

 

その結果、トランプはグローバリスト勢力との闘いを断念か、或いは彼らと妥協した可能性が高い。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN234YV0T20C24A4000000/

 

その情況下では、トランプと雖も先ずは生き残り、大統領選挙に勝利する必要がある。それが最近のトランプとその周辺の柔軟?な対応に関係しているのだろう。トランプはイスラエルを強く支持して来た。イスラエル支持は、グローバリスト達の心の最底部にある重要ファクターであり、それはバイデンよりも明確であると思う。

 

もし、トランプが次の4年間の任期中に妥協してくれるなら、彼らにとってバイデンよりも好ましい大統領かもしれない。民主党からの大統領候補のバイデンは、焦っているかもしれない。イスラエルへの弾薬輸送を止めたのは、その結果かもしれない。

 

このようにトランプを落とし込む米国グローバリストたちの戦略が成功したのだろう。ただ、大統領選挙でトランプを応援する筈だった一部の人たちは、反トランプになる可能性がある。米国は混沌としている。ロバートケネディJr.に今後スポットライトが当たることになるかもしれない。そうなれば、彼の命が危くなるような気がする。

 

 

終わりに

 

日本からトランプを支持している人たちの多くは、彼の言葉の背後にプーチンなどと同じ民族主義者トランプを見ていた筈である。そして、ウクライナ戦争に関しては、ゼレンスキーが戦争を継続できなくなって、戦争に不利な情況下でも和平に動くことをトランプは想定していただろう。

 

この姿勢は、ロシアを潰してしまいたい米国ネオコングローバリストたちの考えとは本質的に相容れない。ただ、トランプは現実主義的な政治家であり、民族主義者としてグローバリストたちと理念で対立し潰されては元も子もないので、姿勢を修正したのだろう。

 

ハマス・イスラム戦争が始まった以上、イスラエルの支援を明確にしなければ次期大統領の椅子には座れない。トランプは、イスラエル支援のためにはウクライナ支援も同時並行的に必要ならと、これまでの言動との矛盾を最小限に抑えつつウクライナ支援の方向に舵を切ったのだろう。

 

これまでトランプを支援してきた人は、最近トランプ支持者が書いた次期トランプ政権(仮)のウクライナ政策などに関する記述や、その要旨のツイート(補足9)などを見てがっかりするかもしれない。これらは次期トランプ政権(仮)の実現を睨んでの妥協が反映されていると思う。兎に角、大統領にならなければトランプは何も出来ないのだから。

 

大統領選挙が近づくにつれて、米国のあらゆる面で混乱が発生している。大学生によるパレスチナ支援のデモなども、大学生以外が大勢参加しているようだ。場合によっては軍事攻撃を伴う内戦に突入する危険性すら存在する。

 

米国では、今後34ヶ月、内戦と暗殺事件が勃発する可能性がある。米国には是非この国難を乗り切ってほしい。米国の国難は、日本にもその余波が及び、たいへんな事態になる可能性がある。トランプ大統領候補とその周辺の変化も、崩壊に向けた遷移状態にある米国を反映していると思う。

 

 

補足:

 

1)このようなトランプのモデルで国際情勢を分析している日本人youtuberとして、馬淵睦夫氏、渡辺惣樹氏、及川幸久氏などを私は思い出す。勘違いだと思われる方がおられましたら、コメントにて御指摘ください。

 

2)トランプは過去の第一期の政権において、北朝鮮の金正恩、中国の習近平、そしてロシアのプーチンの3人とも高く評価していた様に思う。ただ、世界のリーダーである米国の大統領として、彼らに市民一般にも解るような明確なメッセージを送ったという話は聞かない。彼らが米国と同盟国にとって味方なのか敵なのか、その根拠とともに明確にしなければ、世界のリーダーとしての米国の大統領に相応しいとは言えないだろう。ポピュリスト的政治家が成功するには、エリート層の冠である従来型に比較して極めて優れた能力と、実行力を示さなければならない。トランプ嫌いの多くの人は、その点が不安だから嫌うのだろう。

 

3)グローバリストの世界覇権の獲得の背景(目的)にシオニズムを考える人も多いだろう。シオニズムは、聖書にあるイスラエル王国の再建の話を、神に代わって人間つまりユダヤ人が行うべきだという思想である。聖書にあるのは大イスラエルだが、人間が行うのならそれが世界全体となるのなら、それは彼らにとってベストだろう。

 

4)不換紙幣でもドル基軸通貨体制を護る工夫、資本の移動の自由などWTO体制の構築、IMFなどによる国際金融システムの維持など。

 

5)日本では、巨大資本が集まる都会の周辺にニュータウンと呼ばれる地域が数多く造成され、全国から集まった人々はただ棲息の為の街を造った。子供は大学教育の後に、親元を離れて遠くの企業に就職し、長子相続などの伝統や家族共住の慣習も無くなり、昔の地域共同体は形は現在存在しない。形だけの祭りをその地域で継続する街の姿は、空蝉のように見えなくもない。

 

6)トランプの”変節”については、日経新聞も書いている。それによれば、この法案では支援金を単なる贈与ではなく、貸与と言う形にして、免除する場合は議会の議決を経るという形でトランプの意見を取り入れているようだ。トランプの姿勢の急変の背景に、大統領選へ向けた票固めと見るのは、ある意味当然だろう。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN234YV0T20C24A4000000/

 

7)旧約聖書のエゼキエル書38章に書かれている世界の最終戦争において、イスラエルを攻める国(民)としてゴグとかマゴグという名称が出てくる。新約聖書のヨハネの黙示録にも似た記述がある。それは現在ではロシアと考える人が多いようだ。因みに、現在の政治情況でも、ロシアはイランの味方であり、イスラエルの潜在敵である。グローバリストたちがロシアを潰したいと思う心の大元に、これら聖書の記述があると考える人が多いだろう。

 

8)イスラエルのユダヤ人も様々な考え方の人がおり、ユダヤ教正統派からあまり宗教を感じない人までいるだろう。正統派は、シオニズムにすら反対しており、将に神の御心のままに生きることを100%実行していると言える。一方、現実主義の人たちは、シオニズムを世界帝国建設に読み替えて、グローバリズムを実行しているのだろう。ネタニヤフ首相、米国のユダヤロビー、そして米国政界の大部分は、殆ど一体だと考えられる。

 

9)トランプ支持のグループが書いたトランプが次期政権に就いた時の政策とについて書いた本https://apnews.com/article/america-first-trump-biden-russia-ukraine-policy-54080728c6e549c8312c4d71150480ba とそこに書かれたウクライナ戦争終結のプランに関しては、https://ameblo.jp/sherryl-824/entry-12852302264.html を見てもらいたい。これらは妥協の産物であり、それでトランプを捨て去るのは“もったいない”と思う。

 (18:30 編集あり)