一昨日、バイデン政権に盲従する岸田政権が続けば、ウクライナのように日本が米国から代理戦争を請け合うことになる可能性が高いと書いた。
バイデンは「台湾を中国から守る」と何度も発言したが、その都度ホワイトハウス高官は「米政府の方針(一つの中国政策)に変更なし」とコメントした。この件、例えば9月19日のBBCの記事にも言及がある。https://web.fisco.jp/platform/market-news/0010840020220526001
大統領とホワイトハウス高官が、互いに異なる発言をすることは異常である。米国政府は、台湾防衛に関する曖昧な姿勢をむしろ強調している様に感じる。そして、行政側にいない下院議長ナンシー・ペロシや前国務長官マイク・ポンぺオの台湾訪問と発言が、米国政府の考えを代弁していると外側からは見える。
つまり中国は、(トランプ或いは彼に近い共和党政権以外の)米国はバイデン大統領の言葉の通りの対中戦略を採る可能性が高いと思っているだろう。
一昨日の文章で紹介したのは、この対中戦略を米国ネオコン系が目指す「グレートリセット」の一環と見る考え方である。そして、バイデン政権は、ロシア・プーチン政権を弱体化するウクライナ戦争の次に、中国・習近平政権を弱体化する台湾戦争を目論んでいる可能性が高いと思う。
彼らは、最終的にマルクス・レーニン・トロツキー以来の、世界統一政権(世界帝国)の樹立を目指しているのだろう。米国はものすごく大きな枠組みで戦略を展開していると思う。この理解が日本政府に殆どないのが心配である。
将来台湾戦争が起こるとすれば、そのシナリオは、既に対ロシア戦略として実行されているものと似ているだろう。つまり、不可分と認識していた国との間に楔を打ち込み、徐々に敵対する国に育て上げ、様々な敵対行為を実行させる。そしてその巨大な敵国を巧妙にその隣接する国との戦争に引きずり込むのである。
ウクライナの場合は、正統性のあるヤヌコビッチ大統領をクーデターで追い出し、傀儡政権と思われる政権を樹立させ、嫌がらせをロシア人の多い東部地域等で大規模に展開させた。その上で、米国はウクライナの軍備増強に最大限協力した。
その戦争の結果、大量のウクライナ国民の命とインフラが失われた。インフラは再建できても、命は元にもどらない。
数年の間に、今回のウクライナ戦争と似たシナリオで、台湾戦争が起こる可能性が高い。(補足1)その場合、ウクライナ戦争のシナリオにおいて、ロシアを中国に、クリミヤやドンパス地方を台湾に、そしてキエフ等ウクライナ西部を日本と韓国に替えた形のシナリオで戦争が始まる可能性が高いと思う。
米国は、台湾侵攻の切っ掛けとして、習近平政権に対して経済破綻と民衆の反乱を誘発するつもりだろう。今行われている対中制裁も、そのような見方で観測すべきだろうと思う。実際、あの「白紙革命」の背後に米国の影があると見る人もいる。(補足2)
前回の記事で警告的に書いたのは、現在自民党政府が進めている敵基地攻撃能力の獲得と軍事費の倍増計画は、その時(中国の台湾侵攻)のための準備だと考えられることである。つまり、何かにつけ実行力に欠ける岸田首相が、国家防衛戦略改定と大幅防衛費増を決定する背後に米国の指示があるのは確実である。
2)更に検討:
以上のシナリオは、中国に詳しい評論家の遠藤誉氏の考察を紹介した記事「キッシンジャーがバイデン発言を批判「台湾を米中交渉のカードにするな」」にも解説されている。
https://web.fisco.jp/platform/market-news/0010840020220526001
つまり、世界の大混乱を避け、平和を維持する気があるのなら、台湾と中国の関係を現状のままにしておく筈であり、米国は殊更その間を割くような行動をすべきではない。同じ関係はロシアとウクライナの関係においても成り立つ。
米国元国務長官のキッシンジャーは、その様な考えに基づき現実的なウクライナ戦争の和平案をダボス会議で公表した。つまり、「ウクライナは、ロシア侵攻の日以前に支配下に無かった領域をロシアに割譲すべきだ」と言ったのである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12745583759.html
このように、ロシアによるウクライナ侵攻も、将来おこるであろう中国による台湾侵攻も、ともに米国の民主党政権(或いはネオコン政権)の長年の世界戦略(上記の大きな枠組みでの戦略)と密接に絡んでいると考えるべきである。
米国は、バイデンが大統領になって以来、ペロシ下院議長の台湾訪問などを含め、中国を台湾侵攻に向かわせる様に挑発し続けている。そして挑発の本命は、中国を経済的困難に陥らせることである。様々な制裁と新型コロナによる混乱(誘発?)は、中国に台湾侵攻を決断させる方向に働くだろう。
因みに、新型コロナウイルスの開発は、武漢P4研究所の石正麗博士らの研究を、米国NIH傘下の研究所所長のアンソニー・ファウチ博士(米国ネオコン)が支援する形でなされた。元々この研究所の安全性が疑われていたことも合わせ考えると、ウイルスの漏えいに関する未必の故意的責任が米国にもある。(補足3)https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/fuji-kazuhiko/296.html
兎に角、中国は今後不動産不況とゼロコロナ策の失敗とにより、政治的混乱が生じる危険性が高い。その政治情況下での日本の形振り構わない形での軍事費増額と安保戦略変更は、中国を刺激する。それは、2014年から去年までの戦争前のウクライナとロシアの情況に似ている。
補足;
1)ロバートエルドリッチ元在沖縄海兵隊高官は、クリスマス休暇から正月休暇にも起こり得ると発言している。https://www.youtube.com/watch?v=MoUdNaipqY8
2)中国での白紙革命、つまり最近のゼロコロナ政策に反対するデモの背後に、米国の工作があったらしいという話がyoutubeで紹介されていた。確認する方法がないので、本文ではなく補足で引用する。
https://www.youtube.com/watch?v=bNJhB5BMH4E
この動画には、ジョージソロスの名前も出てくる。組織としては、national endowmento for democracy (NED)と言う香港の民主デモに関係していると思われる団体の名が引用されている。https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20221130-00326323
3)P4研究所の建設に協力したフランスは、その危険性に気付いていたといわれている。https://www.iza.ne.jp/article/20200428-WXK5GQ43FFKHDEUDDQPVHCKDQ4/ 尚、ファウチが蝙蝠起源のウイルスに人間感染性を持たせる実験を支援したことやその理由に関し、議論が殆どなされていないのは不思議である。米国の民主党を応援するメディアやyoutubeなどSNSは、その問題に触れた動画は削除するなど非常に神経質に対応している。彼らの世界戦略と密接に絡んでいるように感じるので、ここにエピソードを追加した。
(18:20 編集あり)
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