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2023年2月8日水曜日

同性婚不許可は日本国憲法の基本的人権の規定に反しているのか

前回記事に在米の方より、日本国憲法から考えて同性婚は認められるべきであり、その重要な点に関する考察が欠けている等のコメントを頂いた。それに対する返答を、ここで一つの記事として公表したい。以下に私が理解したコメントの主要な点を整理する。
 
①    日本国憲法では、誰にも平等な権利が保障されている。しかし、婚姻に関しては日本国憲法では同性結婚は認められていないのはおかしい。
②    日本では雇用平等法があっても実質的に(LGBTの方たちを対象にした時は特に)おざなりにされている。欧米先進国では、この問題は法的には解決しており、教育、職場、特に公務員では完全施行に努めている。 
③    岸田首相(の秘書官罷免)は、このような先進国の現状を念頭にした前向きの処分だと思える。
④    秘書官の職務が何かよく知らないが、キャリア官僚というのもかなり奇異。日本には本物のディープステートがありますから。しかし行政分野に関連付けた発言は適切ではない。
⑤    もし岸田の側近が、実は、自衛隊は軍国主義につながるから嫌い、とオフレコで発言しても処分は免れないのではないですか?
 

尚、私の理解が間違っている可能性があるかもしれないので、確認は元のコメントでしていただきたい。
 
2)日本国憲法と同性婚の問題:
 
日本国憲法では、基本的人権として幸福追求の権利が公共の福祉に反しない限りという条件で認められている。また同24条には婚姻は両性の合意のみに基づいてなされると謳われている。24条は古い家社会から新しい個人主義の社会に移行したことの一つの現れである。
 
誰と結婚するかは、個人の自由として基本的人権に含まれる。しかし、結婚は個人的な事だけではなく社会的な事でもある。つまり、結婚にともなう法的権利は基本的人権との関係というよりも、社会の基本単位である家庭形成を奨励するという意味で制定されたと考える。


 従って、そのように見なされない”同性婚”について、法的な手続きも法的優遇措置もないのは、基本的人権とは関係ないし、別段憲法に違反する訳でもない。個人的に「だれと仲良くなるか」も当然自由であり、その自由は基本的人権の範疇に入る。同性2人が仲良くなって同居することも自由だが、社会的には何か新しい価値の出現とはみなされないだけである。

 

日本では、男性一人と女性一人が家庭を築くことが健全な社会の維持に欠かせないので、社会に有益と考えられているのである。同棲する同性のカップルが、結婚した二人の男女にみとめられる様々な法的特典が認められないとしても、社会に新しい価値をもたらす訳ではないのだから当然である。
 
具体的に話を進めると: 男女が結婚をして、未来の社会を担う子供たちを育てると期待されるので、結婚に伴う様々な法的権利が授与される。実際に子供が誕生して養育された場合、更に特典や援助が追加される。同性のカップルに子供を養育することが十分可能だと日本社会が認めなければ、そのような特典は与えられず、その二人もそのような権利は主張できない。
 
そのような社会的判断は国民がすることで、それを国家が法制化する。その自由は国家主権の一つである。欧米に見習うべきかどうかは、日本の文化、つまり国民の判断、に照らし合わせて慎重に考えるべきである。

 

現状、独身者や同性のカップルが健全に子供(養子として)の養育ができないと日本人の多くが考えている。 (補足1)

 

3)そのほかのコメントについて簡単に:


②; 日本の雇用形態は、効率的な人材の用い方ではない。給与が実績(能力)で決まれば、雇用の流動性も確保され、正規非正規の問題もなくなるだろう。根っこの部分に、会社が新人を雇用することが、封建時代の主従関係に似た関係であるという日本文化が存在する。そして、恭しく入社式などを催すのである。


それ故、能力や業績以外に、単に長く勤めあげることが表彰の対象になったりするのである。国家公務員でも勤続25年で表彰される。


③;岸田さんは、常にエマヌエル大使から米国民主党のグローバリズムについて学んでいるので、秘書官への批判で目が覚め、それに従っただけだろうと思う。その証拠に、今では同性婚を法的に認める動きになっている。日本の政界はこのレベルであるので、荒井秘書官のような人物が必要なのだ。

 

https://www.youtube.com/embed/IqRhykZgY9I

④;ディープステートとして日本の官僚システムが存在するとの指摘だと思うが、それも米国そっくりである。総理秘書官だが、米国のSES(senior executive service)と呼ばれる人たちに似ている。オバマ政権が大量のSESをディープステートの推薦で入れ替えたことが、その後の世界政治に大きく影響している。


例えばトランプ政権末期、2020年10月30日と2021年1月8日の2回、米軍ミリー統合参謀本部議長が中国軍に対して攻撃の意図はないと電話で伝えていた。米軍の高官だが制服組トップに過ぎないにも関わらず、大統領の頭越しに外交ができるのだ。さすがSESである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12645256562.html


⓹;仮に側近が、自衛隊は軍国主義につながるから嫌いとオフレコで発言した場合、処分されるのは当然です。自民党はそのような人物は嫌いだから、外圧ではなく内部から正常なプロセスで罷免されると思う。

重要な点は、基本的人権といえども公共の福祉に貢献する形でしか主張できないということです。つまり、憲法であれ一般的な法であれ、社会にマイナスになるような形の権利は規定されるべきではない。同性婚や1:3の複数婚のような「家庭」は、公共の福祉に貢献しないと考えるのが、日本の文化だと思う。以上です。
 

補足:

 

1)独身者が単独で子供を養子にして育てることが奨励されない理由は、例えば独身男子と若い女性の養女の”人工家庭”を考えれば容易に想像できる。人間もこの自然界の動物であり、子供の健全な養育は親子の愛情があってこそのことである。

(12時30分に編集、補足1追加)

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