1)参議院選で、NHKから国民を守る党(以下N国党)が1議席を獲得した。党名は過激だが、その主張の趣旨は、NHKのスクランブル放送を実現して、NHKとの契約の自由を国民に与えようということであり、真っ当なものである。(補足1)
現在、NHKはテレビを保持する者に、放送法第64条を楯にとって、受信契約を強要している。その根拠となる放送法第64条だが、テレビ受信機を設置したものに受信契約の締結を義務化し、視聴の有無と無関係に受信料金の支払いの義務を負わせている。https://oshiete.goo.ne.jp/qa/613453.html
この条文は、私にとっては非常に不可解なものである。何故なら、「契約の自由」は近代国家では国民の権利だからである。放送法64条の根拠となるのは、放送の公共性(放送法第一条)である。テレビ設置者だけに経費負担を強いる、公共性とは何なのか。
公共性があるから、その特定の受益者がその利用料金を支払わなければならないという論理が、私には理解できないのである。逆に言えば、テレビを観る人だけが得る利益に、公共性など存在するのか? 本来、公共とは全ての国民を対象とするものの筈である。
例えば、道路や水道、電気やガスなどの物品やエネルギー配給のインフラが、公共的建造物として言及される。それらは全て人間の生命維持活動と直結している。従って、国民全てはこれらの恩恵を受けているので、当然公共性がある。
例えば地震警報などの通知には、公共性があるとする。しかし、それはラジオでもパソコンやスマホでも受信されるので、テレビ保持者に対してのみ受信料支払いを要求する根拠にはならない。その種の公共福祉に関する経費は、別途一般的な税でまかなうべきである。
放送インフラの整備にNHKは貢献しているという意見がある。そのインフラ投資金の内、テレビ受信に必要な部分に限って、テレビ保持者は何らかの形で支払うべきだという意見なら、それは理解可能である。テレビを視聴する利益は、民放受信者も共通であるから、その部分は本来税金で賄われるべきだろう。つまり、自動車の購入時に支払う税と同様に(補足)、テレビ税などを創れば良い。
2)この件に関して、内閣官邸にメイルが届けられている。それを紹介し、N国党の主張と比較してみる。
https://quasi-stellar.appspot.com/mails/km-1/kanteiMail_y-829.html
それは、テーマ[号外8971] 放送インフラ整備を国営化しNHKの受信契約義務廃止を求める: と言う表題とともに届けられたメイルである。(補足2参照)この内容は、いくつかの点でN国党の主張と異なる部分があり、その区別化をメイルの主は主張しているが、私の判断では両者の主張内容は、非常に近い。
相違点についての解説を以下に記す。
①メイルの主は、NHK廃止を訴える人とは意見が異なると言っている。それをN国党の主張と照合すると、同党の「NHKをぶっ壊す」という表現が引っかかるる。しかし、N国党はインフラ部分まで廃止するとは言っていない。ぶっ壊すは解体を意味しており、再構成については積極的に言及していないだけである。
②上記官邸に届けられたメイルと異なり、N国党はNHKの放送が偏向しているという主張はあまりしていない。偏向報道だとする批判は、「議員が番組内容について言及するのは検閲となり、違憲となるから行わない」と明言している。(ウィキペディア、「NHKから国民を守る党」参照)
以上から、私は官邸メイルの送付主の意見より、N国党の主張を支持する。私流にNHKの現状を書けば、「そのほんの一部にすぎない公共放送部分をたてにして、非常に有利な条件で経営をおこなっている営利企業である」ということである。放送インフラに対する貢献だが、それは上記官邸に届けられたメイルに書いてある方法が良いと思う。それは、分離国有化である。
以上から、NHKの放送は、スクランブル化して、国民に視聴契約の自由を賦与すべきである。それは公共サービスに支障なく、実現可能な行政改革である。
3)短くもう一つの問題について:
NHKの予算案は、国会での審議および議決の対象になっているので、この問題は日本の政治の問題とも言える。つまり、NHKの視聴契約の強要を支持してきたのは国会である。そこに一石を投じる役割を果たすべく、創られたのがN国党である。
上記、N国党の主張や官邸メイルの主張は、国民のかなりの割合が持つ意見である。私は、それを一顧もしなかった国会議員たちに、出せるものならイエローカードを出したい。その国民の声は、N国党の国会への進出で、益々大きくなるだろう。
家業を継いで国会議員となったもの、親類縁者のコネで国会議員になった人、スポーツや芸能界での人気で国会議員になった人、などに高いレベルの議論など期待できない。日本の国会議員のレベルは、この程度である。
何度も書いているが、一票の格差の完全撤廃と、国会議員から田舎への利益誘導を防止するために、選挙区を道州制にすることが、日本の政治改革の要諦である。
https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2018/12/blog-post_23.html
https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2018/01/blog-post_20.html
補足:
1)N国党のやり方を、シングルイッシューポリティックスといって攻撃する人もいる。しかし、何一つ主張しない政治家よりも頼りになる。N国党は、そのほかのことを議論しないとは言っていないので、その他の問題についても積極的に発言してもらいたい。
2)自動車取得税、重量税、自動車税など、燃料にも揮発油税がある。
3)官邸メイルのコピー:
現在、NHKが国民から支持を得ていないのにも関わらず、強制的に受信料を徴収しています。 中には、これらのことを踏まえて、NHKを解体することを訴える人がいますが、放送インフラ整備等も行っているため、 現実的ではありません。しかし、NHKの番組が視聴できる者に受信契約義務が発生するため、 NHKの番組料として受信料を徴収している契約構造には国民の納得が得られません。 他の民放と同様に政治的な偏向報道ややらせ報道が目立ち、もはや公共放送とは言えません。 また、インターネット配信のためのインフラ投資に受信料を使う検討もされていますが、 Youtubeなどの動画配信サイトがある昨今で、時代錯誤な政策にますます国民の反感を買うばかりです。 ここで、提案があります。 NHKが行っている放送インフラ整備を総務省管轄とし、放送局の電波利用料や税金で賄うことで、NHKの受信契約義務を廃止するよう要望します。(以下略)
参照; https://ironna.jp/article/1240 NHK民営化
注目の投稿
人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか
1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題 日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...
2019年7月31日水曜日
2019年7月30日火曜日
再)ヒストリアイと史記:岡田英弘著「歴史とは何か」から学んだこと
以下は、古い記事から比較的閲覧があったものの再録です。グーグルの検索機能が及ばないので、自分で読み返すためにここに再録します。(2014年2月3日投稿)
(以下に岡田英弘著の「歴史とは何か」の感想を書く。「である」口調で書いた文章は、著書からの理解を書いたものであり、現在正統と看做されている歴史として認識されているものとは限らない。)
歴史は、「“政治的集団”(皇帝や王などに率いられた集団;国民国家など)を形成した人々の活動や様子について、各種資料から “真実”を抽出把握及び解釈して、因果関係と伴に、(世代を超えた)時間と(地図上の広い)空間という座標上に、叙述展開した思想である」と定義できる。(注1)
世界中の出来事に関する記録を集めれば、単に記録の山が出来るだけである。その記録から“真実”と思われる出来事やその意味を取り出すには幅広い知性と訓練された技術が必要である。“真実”と定義したのは、その時の知性を集めて得た出来事とその意味であり、本当の意味での真実は誰にもわからないので“真実”と” “をつけた。
従って、それらの因果関係と時間的地理的関係は、解釈する者やその立場により異なるので、歴史は科学ではなく文学である。(82頁)この文学であるとの理解があれば、他国の歴史に対して、歴史認識が正しいとか間違っているとかの批判は本来あり得ない。何故なら、正しい歴史などこの世にないからである。(注2)
歴史を構築するとき、そして、歴史書を読む時に注意を要するのは、歴史の主人公とでも言うべき人の“政治的集団”が、地方豪族のトップである王、そしてより広い範囲を治めた皇帝、そして、国民国家などと時代と伴に変化し、場合によっては混在していることである。例えば、東アジアにおける唐や高句麗の歴史を考える場合、それらの“国”を適正に解釈しなければ、本質的な誤りを犯すことになる。
近代になって現れた、国民国家という人の“政治的集団”は米国の建国(1789年)やフランス革命をきっかけにして広まった(158頁以降)。その国民国家が現れてまだ、200年程度しかたっていない。中世以前の帝国の歴史を分析しようとするとき、”帝国”を現在の国民国家のような感覚で認識すると、何かと誤解をしてしまう。
中国と周辺諸国との朝貢関係を、宗主国と従属国という国家間の関係と一様に受け取るのは間違いであると著者は指摘する(202頁)。この理解は、「琉球は昔中国へ朝貢していたので、琉球政府が消滅した現在本来中国領だ」という暴論を退けるのに役立つ。(注3)
ところで、歴史書としての起源と看做されるものは、中国の司馬遷が書いた史記とヘロドトスが書いたヒストリアイである。二つの歴史書はその性格が全く異なっており、そして、その後の中国周辺とヨーロッパの歴史書はその影響下に書かれており、二つの歴史書は東西の歴史書の遺伝子の由来としての意味も持っている。
史記は中国における前漢(紀元前2世紀ころの中国)の武帝が天命により皇帝になったことを主張する為の物語である。周辺諸国の歴史書は史記のような帝国の正統性を示すという書き方をしている。
日本の歴史書である日本書紀も、史記の遺伝子を継承し、天皇を頂点にして建国された日本国の正統性を示す為に編纂された。つまり、7世紀後半、百済を滅ぼした唐の圧力の下で統一をいそいだヤマト朝廷が、外国への力の誇示と国内での結束を高める為に編纂した歴史書である。
(史記では)秦の始皇帝より古い時代から始まる歴史を書くので、神話の創造とそれを利用した歴史の創作がおこなわれた。一般的に言えることであるが、歴史書はその動機や特殊性を念頭において読まなければならない。日本書紀の中にある、神武天皇の祖先が高天原から下って地上の王となったという物語を真に受けて高天原探しが始まったのは、この東アジアの歴史観と歴史書の性格を見誤ったことが原因である。(注4)また、天皇家が大陸のどこかから半島経由で日本列島に至ったという説も何の根拠もなく、古事記の歴史書としての性格を間違って評価し解釈したことによる。(96頁)
一方、ヒストリアイは紀元前5世紀ころのペルシャとギリシャの戦いについて調査記述したものである。ヒストリアイの序文に、「複数の政治勢力の対立・抗争により世界は変化する。それらがやがて世の人々から忘れ去られるのを恐れ、それらをかき述べる(要約)」とこの書物の性質が述べられている。そして、ヒストリアイが歴史(英語のhistory)の語源となり、歴史という文化の出発点として受け取られている。
現在の歴史書に関する標準的な理解はこのヒストリアイのものである。ヒストリアイの歴史観は、善(ギリシャ、ヨーロッパ)はやがて悪(ペルシャ、小アジア)に打ち勝つというもので、それはキリスト教的歴史観と一致する為にグローバルスタンダード的な歴史観となった。この歴史観と十字軍の関係についての記述も興味深い。
以上の他に、歴史の定義と関連して重要な記述がある。それは、歴史が把握されなかった文明とその特徴である。例えば、インド文明やイスラム文明で、極最近まで歴史というものが文化の中に把握されていなかった。それは、輪廻転生の考えが支配的な文化の下では、出来事を因果関係とともに時間軸に沿って展開することが不可能だからである。
また、イスラム文明では、未来は神の領域にあるため、文化は(上記の歴史の定義の中にある)時間と空間以外に広がっているためである。更に米国が、歴史のない文明として挙げられている。米国は13州が英国から独立したのが18世紀末で、その後米国に移民として入り、自分の意志で米国民になった一世が今なお存在し、二世三世が多くなったのは20世紀の中頃である。従って、文明に歴史を展開する十分な時間軸がなく、“自国の歴史”という感覚がない。そのため、米国民というアイデンティティーは独立宣言と合衆国憲法前文だけであり、その文面をイデオロギー的に意識する。
現代、キリスト教的歴史観とアメリカ的自由主義がグローバルスタンダードとして君臨する時代である。しかし、近い将来、西欧とアジアの間のトラブルが国際社会の大きな問題となる時代が来るだろう。その際、上記国際標準の由来などを始め、歴史に関する知識と感覚が益々重要になると思う。(2014/2/03;修正:2/04)
追補:岡田英弘氏は東洋史学の専門家。1953年東大史学科卒、その4年後の著作物により日本学士院賞を受賞したとウィキペディアにある。東京外国語大名誉教授、2017年没。配偶者は東洋史学者の宮脇淳子氏である。https://www.youtube.com/watch?v=bjaKGer5Kc4
注釈:
1) 著者の定義、「歴史とは、人間の住む世界を、時間と空間の両方の軸に沿って、それも一個人が直接体験できる範囲を超えた尺度で、把握し、解釈し、理解し、説明し、叙述する営みのことである」(10頁)を私の理解した部分を追加して定義した。
2) 韓国が日本の歴史は面白くないという不満の表明があっても良い。しかし、歴史は文学であるから、歴史認識が間違っているという批判はおかしいと思う。実際に被害があれば、損害賠償を要求すればよい。日韓基本条約締結後であるから、条約違反というクレイムはあり得ても、歴史認識が正しくないというクレイムはあり得ない。
3) 朝貢は、周囲の王が中国の皇帝に会い、貢ぎ物を差し出すことである。中国の皇帝が使者を使わして朝貢を要求し、それを歓迎したのは、自分が正統なる中国の皇帝であることを証明する証拠として利用したかったからである。そのため、多くの場合、貢ぎ物より多くのものを朝貢した王は持ち帰ったのである(別の文献)。形式的にその地方の支配者であることを認める冊(任命書)やその印としての印章は、必ずしも宗主国と属国の関係を示すものではない。
4) 日本の騎馬民族征服王朝説などは、日本書紀などにある神話を、西欧の合理主義的観点で解釈した為に生じた。
(以下に岡田英弘著の「歴史とは何か」の感想を書く。「である」口調で書いた文章は、著書からの理解を書いたものであり、現在正統と看做されている歴史として認識されているものとは限らない。)
歴史は、「“政治的集団”(皇帝や王などに率いられた集団;国民国家など)を形成した人々の活動や様子について、各種資料から “真実”を抽出把握及び解釈して、因果関係と伴に、(世代を超えた)時間と(地図上の広い)空間という座標上に、叙述展開した思想である」と定義できる。(注1)
世界中の出来事に関する記録を集めれば、単に記録の山が出来るだけである。その記録から“真実”と思われる出来事やその意味を取り出すには幅広い知性と訓練された技術が必要である。“真実”と定義したのは、その時の知性を集めて得た出来事とその意味であり、本当の意味での真実は誰にもわからないので“真実”と” “をつけた。
従って、それらの因果関係と時間的地理的関係は、解釈する者やその立場により異なるので、歴史は科学ではなく文学である。(82頁)この文学であるとの理解があれば、他国の歴史に対して、歴史認識が正しいとか間違っているとかの批判は本来あり得ない。何故なら、正しい歴史などこの世にないからである。(注2)
歴史を構築するとき、そして、歴史書を読む時に注意を要するのは、歴史の主人公とでも言うべき人の“政治的集団”が、地方豪族のトップである王、そしてより広い範囲を治めた皇帝、そして、国民国家などと時代と伴に変化し、場合によっては混在していることである。例えば、東アジアにおける唐や高句麗の歴史を考える場合、それらの“国”を適正に解釈しなければ、本質的な誤りを犯すことになる。
近代になって現れた、国民国家という人の“政治的集団”は米国の建国(1789年)やフランス革命をきっかけにして広まった(158頁以降)。その国民国家が現れてまだ、200年程度しかたっていない。中世以前の帝国の歴史を分析しようとするとき、”帝国”を現在の国民国家のような感覚で認識すると、何かと誤解をしてしまう。
中国と周辺諸国との朝貢関係を、宗主国と従属国という国家間の関係と一様に受け取るのは間違いであると著者は指摘する(202頁)。この理解は、「琉球は昔中国へ朝貢していたので、琉球政府が消滅した現在本来中国領だ」という暴論を退けるのに役立つ。(注3)
ところで、歴史書としての起源と看做されるものは、中国の司馬遷が書いた史記とヘロドトスが書いたヒストリアイである。二つの歴史書はその性格が全く異なっており、そして、その後の中国周辺とヨーロッパの歴史書はその影響下に書かれており、二つの歴史書は東西の歴史書の遺伝子の由来としての意味も持っている。
史記は中国における前漢(紀元前2世紀ころの中国)の武帝が天命により皇帝になったことを主張する為の物語である。周辺諸国の歴史書は史記のような帝国の正統性を示すという書き方をしている。
日本の歴史書である日本書紀も、史記の遺伝子を継承し、天皇を頂点にして建国された日本国の正統性を示す為に編纂された。つまり、7世紀後半、百済を滅ぼした唐の圧力の下で統一をいそいだヤマト朝廷が、外国への力の誇示と国内での結束を高める為に編纂した歴史書である。
(史記では)秦の始皇帝より古い時代から始まる歴史を書くので、神話の創造とそれを利用した歴史の創作がおこなわれた。一般的に言えることであるが、歴史書はその動機や特殊性を念頭において読まなければならない。日本書紀の中にある、神武天皇の祖先が高天原から下って地上の王となったという物語を真に受けて高天原探しが始まったのは、この東アジアの歴史観と歴史書の性格を見誤ったことが原因である。(注4)また、天皇家が大陸のどこかから半島経由で日本列島に至ったという説も何の根拠もなく、古事記の歴史書としての性格を間違って評価し解釈したことによる。(96頁)
一方、ヒストリアイは紀元前5世紀ころのペルシャとギリシャの戦いについて調査記述したものである。ヒストリアイの序文に、「複数の政治勢力の対立・抗争により世界は変化する。それらがやがて世の人々から忘れ去られるのを恐れ、それらをかき述べる(要約)」とこの書物の性質が述べられている。そして、ヒストリアイが歴史(英語のhistory)の語源となり、歴史という文化の出発点として受け取られている。
現在の歴史書に関する標準的な理解はこのヒストリアイのものである。ヒストリアイの歴史観は、善(ギリシャ、ヨーロッパ)はやがて悪(ペルシャ、小アジア)に打ち勝つというもので、それはキリスト教的歴史観と一致する為にグローバルスタンダード的な歴史観となった。この歴史観と十字軍の関係についての記述も興味深い。
以上の他に、歴史の定義と関連して重要な記述がある。それは、歴史が把握されなかった文明とその特徴である。例えば、インド文明やイスラム文明で、極最近まで歴史というものが文化の中に把握されていなかった。それは、輪廻転生の考えが支配的な文化の下では、出来事を因果関係とともに時間軸に沿って展開することが不可能だからである。
また、イスラム文明では、未来は神の領域にあるため、文化は(上記の歴史の定義の中にある)時間と空間以外に広がっているためである。更に米国が、歴史のない文明として挙げられている。米国は13州が英国から独立したのが18世紀末で、その後米国に移民として入り、自分の意志で米国民になった一世が今なお存在し、二世三世が多くなったのは20世紀の中頃である。従って、文明に歴史を展開する十分な時間軸がなく、“自国の歴史”という感覚がない。そのため、米国民というアイデンティティーは独立宣言と合衆国憲法前文だけであり、その文面をイデオロギー的に意識する。
現代、キリスト教的歴史観とアメリカ的自由主義がグローバルスタンダードとして君臨する時代である。しかし、近い将来、西欧とアジアの間のトラブルが国際社会の大きな問題となる時代が来るだろう。その際、上記国際標準の由来などを始め、歴史に関する知識と感覚が益々重要になると思う。(2014/2/03;修正:2/04)
追補:岡田英弘氏は東洋史学の専門家。1953年東大史学科卒、その4年後の著作物により日本学士院賞を受賞したとウィキペディアにある。東京外国語大名誉教授、2017年没。配偶者は東洋史学者の宮脇淳子氏である。https://www.youtube.com/watch?v=bjaKGer5Kc4
注釈:
1) 著者の定義、「歴史とは、人間の住む世界を、時間と空間の両方の軸に沿って、それも一個人が直接体験できる範囲を超えた尺度で、把握し、解釈し、理解し、説明し、叙述する営みのことである」(10頁)を私の理解した部分を追加して定義した。
2) 韓国が日本の歴史は面白くないという不満の表明があっても良い。しかし、歴史は文学であるから、歴史認識が間違っているという批判はおかしいと思う。実際に被害があれば、損害賠償を要求すればよい。日韓基本条約締結後であるから、条約違反というクレイムはあり得ても、歴史認識が正しくないというクレイムはあり得ない。
3) 朝貢は、周囲の王が中国の皇帝に会い、貢ぎ物を差し出すことである。中国の皇帝が使者を使わして朝貢を要求し、それを歓迎したのは、自分が正統なる中国の皇帝であることを証明する証拠として利用したかったからである。そのため、多くの場合、貢ぎ物より多くのものを朝貢した王は持ち帰ったのである(別の文献)。形式的にその地方の支配者であることを認める冊(任命書)やその印としての印章は、必ずしも宗主国と属国の関係を示すものではない。
4) 日本の騎馬民族征服王朝説などは、日本書紀などにある神話を、西欧の合理主義的観点で解釈した為に生じた。
2019年7月29日月曜日
吉本興業に投資する卑怯な日本政府
現在政府は、各種の経済政策の全面に出ている。国家戦略特区では、特例を特区内で認めてその地域にふさわしいと考える方向に経済活動を加速しようという考え方である。しかし、地域のことは地域に任せる地方分権が本来の地域活性のあり方である。
安倍政権がそのような方向に向かわず、戦略特区という形をとるのは、そこに関係者の利権が生じるからである。その一つの例として、総理周辺の恣意的判断と日本の忖度文化が、合法的にお友達の支援を行なうことを可能にした。加計学園の愛媛県での獣医学部増設問題もその一つである。問題だろうが、合法的だという結論に至るのは目に見えている。法律は、忖度など想定していないからである。
今回も同様な国家の関与が話題になっている。それは、官民ファンド「クールジャパン機構(正式名称は株式会社海外需要開拓支援機構)」である。このシステムでは、総理のお友達の吉本興業がかかわる事業に多額の出資を繰り返してきたというのである。
安倍総理は、どの筋の関係かわからないが、もともと吉本の芸人と仲良しだった。所属芸人と温泉に入ったりする場面が放映されたこと事も印象に残るできごとだった。更にびっくりしたのは、G20の前だったか、吉本新喜劇の舞台に出演する始末である。https://www.j-cast.com/tv/2014/03/04198222.html?p=all https://laughmaga.yoshimoto.co.jp/archives/11664
官民ファンド「クールジャパン機構」は、日本のアニメや食文化などの魅力を海外に発信するほか、インバウンドの増加を促進することを目的に、2013年に安倍政権の成長戦略の目玉として設立された。吉本興業でもどこの会社でも、その中に入れて、事業を展開する理由付けの作文は、頭と忖度に長けた官僚なら訳なくできるだろう。問題は、それが実際に利益を出すかどうかである。しかし、どうもそのようには行っていないようだ。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66126
吉本興業は、非上場企業である。非上場でも、この国では官民ファンドに参加できるようだ。官民ファンドとは、中国の国営事業のようなものかもしれない。
最近、所属タレントが詐欺集団のフロント企業か何か反社会的集団と付き合ったということで、マスコミ報道の格好の材料となっている。2011年所属大物タレントが暴力団組織との付き合いが明らかになり引退した後も、吉本の体質に変化など無いのだろう。また、その報道の中で、労働契約などを交わさないで、6000人に登る芸能人を雇用しているという、前近代的な企業体質が明らかになった。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d353bb9e4b020cd99457cb6
https://www.zakzak.co.jp/ent/news/190726/enn1907260010-n1.html
更に、若手芸能人を低賃金で酷使しているとの悪評が絶えず、所属タレントの数えきれないほどの不満がテレビで放映された。それでも、官民ファンド「クールジャパン機構との関連で、政府が批判の対象にはならないだろう。森友問題、加計問題、に吉本問題が加わるだけだろう。
いったい、安倍政権にどれだけの実績があって、こんなに長続きしているのだろう。浜田宏一とかの経済ブレインの策を採用し、円安誘導して経済界が一息ついただけではないのか。本質的解決は何もされていない。https://www.asahi.com/topics/word/%E6%B5%9C%E7%94%B0%E5%AE%8F%E4%B8%80.html
安倍政権がそのような方向に向かわず、戦略特区という形をとるのは、そこに関係者の利権が生じるからである。その一つの例として、総理周辺の恣意的判断と日本の忖度文化が、合法的にお友達の支援を行なうことを可能にした。加計学園の愛媛県での獣医学部増設問題もその一つである。問題だろうが、合法的だという結論に至るのは目に見えている。法律は、忖度など想定していないからである。
今回も同様な国家の関与が話題になっている。それは、官民ファンド「クールジャパン機構(正式名称は株式会社海外需要開拓支援機構)」である。このシステムでは、総理のお友達の吉本興業がかかわる事業に多額の出資を繰り返してきたというのである。
安倍総理は、どの筋の関係かわからないが、もともと吉本の芸人と仲良しだった。所属芸人と温泉に入ったりする場面が放映されたこと事も印象に残るできごとだった。更にびっくりしたのは、G20の前だったか、吉本新喜劇の舞台に出演する始末である。https://www.j-cast.com/tv/2014/03/04198222.html?p=all https://laughmaga.yoshimoto.co.jp/archives/11664
官民ファンド「クールジャパン機構」は、日本のアニメや食文化などの魅力を海外に発信するほか、インバウンドの増加を促進することを目的に、2013年に安倍政権の成長戦略の目玉として設立された。吉本興業でもどこの会社でも、その中に入れて、事業を展開する理由付けの作文は、頭と忖度に長けた官僚なら訳なくできるだろう。問題は、それが実際に利益を出すかどうかである。しかし、どうもそのようには行っていないようだ。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66126
吉本興業は、非上場企業である。非上場でも、この国では官民ファンドに参加できるようだ。官民ファンドとは、中国の国営事業のようなものかもしれない。
最近、所属タレントが詐欺集団のフロント企業か何か反社会的集団と付き合ったということで、マスコミ報道の格好の材料となっている。2011年所属大物タレントが暴力団組織との付き合いが明らかになり引退した後も、吉本の体質に変化など無いのだろう。また、その報道の中で、労働契約などを交わさないで、6000人に登る芸能人を雇用しているという、前近代的な企業体質が明らかになった。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d353bb9e4b020cd99457cb6
https://www.zakzak.co.jp/ent/news/190726/enn1907260010-n1.html
更に、若手芸能人を低賃金で酷使しているとの悪評が絶えず、所属タレントの数えきれないほどの不満がテレビで放映された。それでも、官民ファンド「クールジャパン機構との関連で、政府が批判の対象にはならないだろう。森友問題、加計問題、に吉本問題が加わるだけだろう。
いったい、安倍政権にどれだけの実績があって、こんなに長続きしているのだろう。浜田宏一とかの経済ブレインの策を採用し、円安誘導して経済界が一息ついただけではないのか。本質的解決は何もされていない。https://www.asahi.com/topics/word/%E6%B5%9C%E7%94%B0%E5%AE%8F%E4%B8%80.html
2019年7月28日日曜日
Reaction control by spin manipulation
Original title:
Reaction-control by spin manipulation (RCSM) and product-yield-detected ESR (PYESR):(1-5)
Reaction Control by Spin Manipulation" is briefly explained here on the photoreduction of xanthone (XO) in SDS micellar solution. UV-irradiation of the system yields xanthone excited in the lowest excited triplet state, 3XO*, from 1XO* via the intersystem crossing process. Then, 3XO* abstracts a hydrogen atom from a hydrogen donor, xanthene (XH2) in the present case, and the "geminate radical pair" in the triplet state 3(XH• •XOH) is formed in the cage (SDS micelle).
If one of the electron spins of this radical pair is inverted by the ESR (electron spin resonance) method, the coupling reaction of the component radicals is accelerated to yield the "cage product" XH-XOH. Instead, when a high power resonance rf-field is irradiated, the spin state of radical pair is locked to the triplet state, and the recombination reaction is inhibited.(6) When the yield of one of these compounds is plotted as a function of the magnetic field strength, the ESR spectra of both the radicals are traced in the overlapped form.
The spectrum thus obtained has been named product-yield-detected ESR or PYESR in short.(4,5) The first paper was published in Nature in1986.5) Until this publication no reaction yield had been monitored to obtain the ESR spectrum of the intermediate radical pair, so we named the method PYESR as usual. Spin locking of the radical pair is rather difficult, since it needs a microwave field much larger than the internal magnetic interactions, such as hyperfine coupling. Therefore, it has been most clearly demonstrated with the perdeuteriated systems.(6)
Reaction Control by Spin Manipulation
Upper: The process of photoreduction of xanthone(XO) in the presence of xanthene (XH2, a hydrogen donor) can be switched at the stage of intermediate radical pair 3(XOH• •XH) by the spin manipulation technique: spin inversion accelerates the coupling reaction of the two radicals and spin locking decelerates it.2)
Lower: The effect of spin inversion on the HPLC of product solution. The (XH)2 peak decreased to about 1/2 by the "spin inversion".3)
From the quantum mechanical point of view, it is true that similar experiments had been made by several groups, for example, the Nobosibirsk group (ODESR, optical detection of ESR)(7) and also by the Argonne group (FDMR, fluorescence detected magnetic resonance).8) They produced transient ions by ionizing radiation, and detected their ESR spectrum by detecting the fluorescence, which is emitted upon charge neutralization of the two ions upon returning to the original states.
Most of the scientists in the field of "Spin Chemistry" presume that chemical reactions had been successfully controlled by the technique of “spin manipulation” and the technique had been named as the "reaction-yield-detected magnetic resonance".(9,10) However, the authors of these early reports had only observed a process that is not directly related with a chemical reaction or its products.
A few years before the experiments cited above, Frankevich et al. detected the ESR spectrum of a triplet exciton by its annihilation fluorescence in a crystal.11). They named their experiment RYDMR, reaction yield detected magnetic resonance, where "reaction" was used as an analogy for exciton annihilation. This experiment is a modification of the ODMR (optical detected magnetic resonace) method, which had been demonstrated from the 1960's to observe the ESR of exciton occurred in the solid state.9,10,12) Therefore, their naming of RYDMR is misleading.
The important point of our PYESR experiment is that the chemical bond formation is controlled by the spin operations, and this kind of experiment had not been made before ours.12,13,14) In the full article, the application of "pulse-PYESR" is described. This method is very powerful to study the dynamics of the radical pair in micelle as well as the dynamics of micelle itself.
2) M. Okazaki, K. Toriyama, J. Phys. Chem., 99, 489 (1995).
3) M. Okazaki, K. Toriyama, J. Phys. Chem., 100, 9403 (1996).
4) M. OKazaki, R. Konaka, S. Sakata, T. Shiga, J. Chem. Phys., 86, 6792 (1987).
5) M. Okazaki, T. Shiga, Nature, 323, 240(1986).
6) M. Okazaki, K. Toriyama, J. Phys. Chem., 99, 17244 (1995).
7) O.A.Anisimov, V.M. Grigoryants, V.K. Molchanov, Yu.N. Molin, Chem. Phys. Lett., 66, 265(1977).
8) A.D. Trifunac, J.P.Smith, Chem. Phys. Lett., 73, 94(1980).
9) A.L. Buchachenko, E.L. Frankevich, "Chemical Generation and Reception of Radio- and Microwaves", Wiley-VCH, New York, 1994
10) U.E. Steiner, H-J. Wolff, in "Photochemistry and Photophysics" vol.4, eds. J.F. Rabek, CRC Press, Boca Raton, 1991, Chap.1
11) E.L. Frankevich, A.I. Pristupa, V.I. Lesin, Chem. Phys. Lett., 47, 304(1977).
12) Yu. N. Molin, in "Foundation of Modern EPR", eds. G.R. Eaton, S.S, Eaton, K.M. Salikhov, World Scientific, 1998, Chap. H12.
13) H. Hayashi, in "Introduction to Dynamic Spin Chemistry", World Scientific, 2004, chap.14, section 3 (page 222).
14) M. Okazaki, in “Dynamic Spin Chemistry”, eds. S. Nagakura, H. Hayashi, and T. Azumi, 1998, Kodansha & John Wiley & Sons, Chap.8.
Reaction Control by Spin Manipulation" is briefly explained here on the photoreduction of xanthone (XO) in SDS micellar solution. UV-irradiation of the system yields xanthone excited in the lowest excited triplet state, 3XO*, from 1XO* via the intersystem crossing process. Then, 3XO* abstracts a hydrogen atom from a hydrogen donor, xanthene (XH2) in the present case, and the "geminate radical pair" in the triplet state 3(XH• •XOH) is formed in the cage (SDS micelle).
If one of the electron spins of this radical pair is inverted by the ESR (electron spin resonance) method, the coupling reaction of the component radicals is accelerated to yield the "cage product" XH-XOH. Instead, when a high power resonance rf-field is irradiated, the spin state of radical pair is locked to the triplet state, and the recombination reaction is inhibited.(6) When the yield of one of these compounds is plotted as a function of the magnetic field strength, the ESR spectra of both the radicals are traced in the overlapped form.
The spectrum thus obtained has been named product-yield-detected ESR or PYESR in short.(4,5) The first paper was published in Nature in1986.5) Until this publication no reaction yield had been monitored to obtain the ESR spectrum of the intermediate radical pair, so we named the method PYESR as usual. Spin locking of the radical pair is rather difficult, since it needs a microwave field much larger than the internal magnetic interactions, such as hyperfine coupling. Therefore, it has been most clearly demonstrated with the perdeuteriated systems.(6)
Upper: The process of photoreduction of xanthone(XO) in the presence of xanthene (XH2, a hydrogen donor) can be switched at the stage of intermediate radical pair 3(XOH• •XH) by the spin manipulation technique: spin inversion accelerates the coupling reaction of the two radicals and spin locking decelerates it.2)
Lower: The effect of spin inversion on the HPLC of product solution. The (XH)2 peak decreased to about 1/2 by the "spin inversion".3)
From the quantum mechanical point of view, it is true that similar experiments had been made by several groups, for example, the Nobosibirsk group (ODESR, optical detection of ESR)(7) and also by the Argonne group (FDMR, fluorescence detected magnetic resonance).8) They produced transient ions by ionizing radiation, and detected their ESR spectrum by detecting the fluorescence, which is emitted upon charge neutralization of the two ions upon returning to the original states.
Most of the scientists in the field of "Spin Chemistry" presume that chemical reactions had been successfully controlled by the technique of “spin manipulation” and the technique had been named as the "reaction-yield-detected magnetic resonance".(9,10) However, the authors of these early reports had only observed a process that is not directly related with a chemical reaction or its products.
A few years before the experiments cited above, Frankevich et al. detected the ESR spectrum of a triplet exciton by its annihilation fluorescence in a crystal.11). They named their experiment RYDMR, reaction yield detected magnetic resonance, where "reaction" was used as an analogy for exciton annihilation. This experiment is a modification of the ODMR (optical detected magnetic resonace) method, which had been demonstrated from the 1960's to observe the ESR of exciton occurred in the solid state.9,10,12) Therefore, their naming of RYDMR is misleading.
The important point of our PYESR experiment is that the chemical bond formation is controlled by the spin operations, and this kind of experiment had not been made before ours.12,13,14) In the full article, the application of "pulse-PYESR" is described. This method is very powerful to study the dynamics of the radical pair in micelle as well as the dynamics of micelle itself.
Referece
1) M. Okazaki, Y. Konishi, K. Toriyama, Chem. Lett., 737 (1994).2) M. Okazaki, K. Toriyama, J. Phys. Chem., 99, 489 (1995).
3) M. Okazaki, K. Toriyama, J. Phys. Chem., 100, 9403 (1996).
4) M. OKazaki, R. Konaka, S. Sakata, T. Shiga, J. Chem. Phys., 86, 6792 (1987).
5) M. Okazaki, T. Shiga, Nature, 323, 240(1986).
6) M. Okazaki, K. Toriyama, J. Phys. Chem., 99, 17244 (1995).
7) O.A.Anisimov, V.M. Grigoryants, V.K. Molchanov, Yu.N. Molin, Chem. Phys. Lett., 66, 265(1977).
8) A.D. Trifunac, J.P.Smith, Chem. Phys. Lett., 73, 94(1980).
9) A.L. Buchachenko, E.L. Frankevich, "Chemical Generation and Reception of Radio- and Microwaves", Wiley-VCH, New York, 1994
10) U.E. Steiner, H-J. Wolff, in "Photochemistry and Photophysics" vol.4, eds. J.F. Rabek, CRC Press, Boca Raton, 1991, Chap.1
11) E.L. Frankevich, A.I. Pristupa, V.I. Lesin, Chem. Phys. Lett., 47, 304(1977).
12) Yu. N. Molin, in "Foundation of Modern EPR", eds. G.R. Eaton, S.S, Eaton, K.M. Salikhov, World Scientific, 1998, Chap. H12.
13) H. Hayashi, in "Introduction to Dynamic Spin Chemistry", World Scientific, 2004, chap.14, section 3 (page 222).
14) M. Okazaki, in “Dynamic Spin Chemistry”, eds. S. Nagakura, H. Hayashi, and T. Azumi, 1998, Kodansha & John Wiley & Sons, Chap.8.
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