キリスト教牧師の高原剛一郎氏が彼のyoutubeサイトにおいて、今回のハマスによるイスラエルのテロ攻撃を含め、これまでのパレスチナ紛争の責任を一方的にアラブ側に帰し、そしてその根拠を歪めた歴史と不十分な論理に基づいて語っている。
勿論、視聴者がその誤りに気づいているのなら問題は無いのだが、その誤りの一部を指摘しても、視聴者の高原氏の説明を褒め称える者(コメント)が殆どであった。
高原氏のパレスチナ紛争についての考え方は:元々パレスチナ人とユダヤ人がパレスチナの地に住んでいたのだが、争いが絶えなかったので、歴史上何度も二つの地域に分けて棲むというパレスチナ分割案が示された。しかし、それをパレスチナ側が受け入れなかった。それがパレスチナ紛争の原因であり、その責任はパレスチナ側にあるというもの。
そこで私は、それまで誰もコメントしていなかったコメント欄(公開後25分ほど)に、以下の様に書き込んだ。
貴方の説明には決定的な欠落があります。それは1917年のバルフォア宣言で、イギリスはロスチャイルドに第一次大戦後にパレスチナをユダヤのホームにするという約束をした。1922年英国の委任統治が始まった時、パレスチナの土地にはアラブ人の人口が約61万人、ユダヤ人が6万人足らずだった。そこにライフルでアラブ人を追い払う形で大量にユダヤ人の入植を始めた。父祖の地を負われたのはアラブ人です。勝手にユダヤ人に肥沃な土地を分配する分割案が飲めるわけがない。国連が分割案が出した1947年までの25年間に、アラブ人の人口は倍にもなっていないが、ユダヤ人の人口は10倍以上になっている。つまり、大量のユダヤ人がアラブ人の土地を奪う形で入植したのです。あなたは、一方的にユダヤ人の味方をしています。
ショックなのは、このコメントがそれ以降の視聴者によるコメントに殆ど反映していないこと。更に、ある人のコメントに、オスマントルコ支配下の時代、ユダヤ人がパレスチナ人から土地を買い取って住んだというものがあったので、以下のコメントを追加した。
イスラエル建国以来、イスラエルに入植した人にはアラブに分布したユダヤ人もかなりいたでしょうが、ほとんどはヨーロッパのナチなどから迫害されて逃げてきた人たちだといわれています。 入植地は、イギリスがユダヤ人入植者に引き渡すためにパレスチナ人から(土地を)没収した。詳しくは:小池とみ子、お茶の水地理、第43巻、pp47-60(2002)を見てください。
youtubeは公開の場であり、キリスト教の人たちだけが仲良くやり取りする場ではないので、敢えてコメントした。ただ、日本人には、このようなコメント投稿は大人げないと言う人も多いだろう。私は、その議論を嫌う日本文化が日本を悪くしていると思っている。
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