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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2025年7月30日水曜日

官僚独裁の日本と参政党に対する期待


1)日本の政治は政権交代があっても変わらない

 

1993年細川連立政権は55年体制が始まってから38年ぶりに自民党から政権を奪った、1994年日本社会党党首の村山富市氏が内閣総理大臣になり、その内閣は1年以上続いた。また、20099月民主党代表が総理大臣となり、それから201212月まで民主党内閣が続いた。

 

それらの連立政権や野党政権下でも日本の政治は特に何も変わらなかった。非常に印象的なのは、社会党は現実に合わせるために安保容認と自衛隊合憲に党の路線を変更するに至った。結局、日本社会党は分裂後消滅し、一部は日本社民党と名前を変えて今に至っている。
 

日本社会党や日本社会党から大勢が合流した民主党が政権をとっても、日本を社会主義の国にすべきという議論は全く出なかった。しかし、「不思議だ」とか、「何をしとるんだ」とか、不平不満や疑問の声はあっただろうが、それ以上の行動などは無く、いつの間にか過去の話となった。

 

繰り返しになるが、日本社会党は安保条約に反対し、非武装中立を党是としていたが、政権についた途端に日米安保容認及び自衛隊合憲へと方針を転換した。歴史認識を明確にしたと細川氏が自慢しても「あれは侵略戦争だった」と安物のラベルに張り替えただけで、歴史に学ぶ政治というレベルからは程遠かった。

 

あの戦争は何故起ったのか、何故負けたのか、何故300万人余が死亡したのかなど、国民が期待する議論は皆無だった。国民の意見が政治に反映されないとして、選挙制度をいじくって小選挙区制を導入したが、政治は変わらなかった。そして政権は再び自民党に戻った。
 

野党政権で政治が変わらなかったのは何故か?その重要な議論はマスコミ報道に乗らなかった。これら野党政権の実現の時の回顧記事がNHKによって書かれているが、本質論からほど遠い内容が延々とつづいている。多分意図的にこのような記事を掲載したのだろう。 https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/101472.html
 

政権交代しても、政治家を入れ替えても日本の政治は本質的に不変である。それは日本国を運営しているのは政治家ではなく、霞が関の官僚組織だということを意味している。そして官僚組織に圧力をかけることが出来るのは、日本の政治家ではなく米国である。

 

岸田政権の時、ウクライナへの1.7兆円を超える支援金(補足1)やLGBT法案制定が国会で殆ど何も議論されずに決定された。テレビや新聞は事実だけで、ウクライナ戦争の本質が米国によるロシア解体の企みであるという事実(補足2)を隠した。LGBT法制定の必要性について日本文化との関連で議論した跡はどこにもなかった。
 

「政権交代しても、政治家を入れ替えても日本の政治は本質的に不変である」という重要な事実、つまり国民が与党の政治に不満を持って野党を政権につけても政治が変わらないことが明らかになっても、一時的に議論になったものの直ぐに何もなかったかのように静かになった。

 

その一つの理由は、日本国民に市民革命の記憶が無いからであり、地理的及び言語的に隔絶されている日本では諸外国の政治の実態を知ることがなかったからである。 もう一つは、国民の不満と怒りは与野党議員やマスコミまでを含む緩衝装置によって吸収されてしまうからである。

 

野党政治家は国民の声を聞き、政治の是正を約束し、且つ与党の政治を批判する。政治評論家はそれをマスコミで喋る。国民は、国政選挙で票を野党に入れて与党にお灸をすえた気になる。国民はそれで一定の満足を得るようだ。この政治システム全体が緩衝装置なのだ。

 

野党が政権をとっても何年経っても何も変わらない。忘れっぽい国民は、テレビのスポーツ番組やバラエティショーを見たり、クイズ番組や災害や事件の報道の中でやがて忘れてしまうのである。

 

日本には民主主義政治の欠片も存在しない。国民の不満や怒り、それに基づく政治への圧力は国会議員選挙までであり、選ばれた政治家も実際の政策決定には、無力且つ無関係なのだ。テレビタレントや明治以来の家業を継ぐ政治屋たちは、安心して選挙運動で賃金上昇や物価安定の約束が出来る。

 

そのような政治文化の中で、日本の国会議員の多くは知識や能力を欠く。永田町で政治を演じる役者に過ぎない。彼らは歌舞伎役者と同様、家業として政治家を代々継承する日本の貴族階級である。これまで国政選挙は、国民に政治に参加したつもりになってもらう為の儀式であった。

 

かれら政治役者たちが既得権益層なら、彼らに国会質疑という演劇用台本を書く霞が関の高級官僚たちも既得権益層である。彼らの官僚退職後の優雅な生活は良く知られている。国会議員の他、財団理事とか、会社相談役とかで多額の給与や退職金を貰うことになっている。政治家が本来の能力を持ち、この体制が破壊されれば困るのである。https://imidas.jp/jijikaitai/c-40-041-09-03-g058

 

日本が経済対策を本気でやるのなら、これら既得権益層をなくすことだ。それは正しい政治改革であるだけでなく非常に大きな経済効果を発揮するだろう。それら財団や会社に与える直接的効果の他に、日本から貴族階級が無くなることで、社会は徐々に実力本位となるだろう。

 

日本社会の古い文化からの脱却は、会社の人間関係も封建的な上下関係から民主的機能体の人間関係になる。機能体の関係では、情報の流れにおいて下流に居る者の身分が下というわけではない。どちらも必要不可欠な部分として機能体を構成するのである。(補足3)

 

その他、労働流動性拡大や大学のレベル向上などが続くだろう。情報伝達が上位下達型から水平型&共有型となりスムーズになる。議論を避ける風潮もやがて無くなるだろう。日本経済の低迷の根本原因は、現在の日本文化にあるのだ。


 

2)米国との比較:
 

日本では、政府の政策やその為の国会での質疑応答と言っても、ほとんどを官僚が立案し作成する。そのため、国会委員会などでの質問は前日までに提出することになっている。そして、国会が始まると答弁書作成のために霞が関の官僚が夜遅くまで仕事をすることになる。
 

政府側委員は官僚が作成した答弁書を読むだけである。そのため議論の往復回数は少ない。自力では質疑を継続できないからである。野党議員の質問には適宜、委員会に参加した官僚が、与党政府委員に代わって答える。

 

首相記者会見なども、短い時間の形式的なもので儀式的に見える。記者たちも、記者クラブをつくり外から一匹オオカミ的に乗り込んでも無視されることが多いようだ。そして、首相が答えるのに困難な質問は避けるようだ。そんな光景を見ても国民は特に不思議には思わないようだ。

 

一方米国では質問を事前通告などしないので、ぶっつけ本番の議論となる。知性や知識がなければ、勤まらない。米国は大統領制であり、行政府高官が議会に出席するのは「証人」としての供述の為であり、日本のような予算員会などで答弁することはない。この場合は、通常供述前に宣誓を行う。
 

そのような言論空間で育つからか、米国の政治家には優秀な人が多い。それでも政治家一人の能力は限られるので、政治家として質を上げるため、連邦議員は少なくとも数人の政策スタッフ(legislative aides)を持っている。その予算は連邦予算から支給される。当然、会計報告は厳格に審査される。(補足4)
 

連邦議員たちは、自分の政治に関する考え方を日々磨き上げているので、そのまま大統領に立候補できるような人物がたくさんいる。彼らの議論は、自分の言葉で進行するので、非常に長くなることもある。大統領記者会見が2時間以上も続くこともしばしばである。(補足5)
 

米国の議論は何かを解決するため、或いは意見の相違を超えるための本音の議論である。従って、日本のように予め言い逃れを工夫する時間的余裕を相手に与えるようなことはしない。日本での議論は、馴れ合い的なものであり、相手を困惑させたりすることはない。

 

その証拠は、長年自民党と反対のことを言ってきた日本社会党の委員長が総理大臣になった途端、公式見解まで変えることになったことである。民主党政権下でも、民主党鳩山党首と重鎮の間に意見の相違があってもそれが議論で解消されていなかったことが、「最低でも県外」発言後の右往左往で分かる。
 

日本の総理記者会見は普通短い時間を割り当てて中途半端に終わる。最後に「スケジュールがありますので、これで終了します」と司会役が言う。総理大臣にも司会役にも、記者の背後に居る筈の1億人あまりの国民など全く目に浮かばないようだ。これ等の光景を不思議に思わないのは、国民が政治に参加したことがなく、「民主主義政治」を見たことがないからである。

 

 

3)参政党に対する期待と危惧

 

参政党は日本で初めての民主主義実現を目指す政党である。党員のかなりの人たちは、政治に参加すべく日常的に関わっているだろう。党首の神谷宗幣氏は、吹田市議時代から国会議員を目指して研鑽を積んだように見えて、日本に本格的な政治改革を訴えている。

 

しかし、党首といえども一人の人間であり、能力は限られる。思想・歴史的問題には熱心だが、マクロ経済、金融、財政、国際通貨制度といった経済的構造への理解が弱い。その為、財政問題については党内の二人に頼ってしまい、安易な積極財政論を採用している。

 

その結果、今回の参議院選では大勝したのだが、大規模財政出動で市場の信認が揺らぐと、国債金利上昇・円安・インフレ誘発のリスクが生じるが、それは参政党崩壊のリスクでもある。テレビの番組でインフレリスクを指摘した橋下徹氏に、神谷氏はM氏とA氏への丸投げを匂わせて逃げるしかなかった。https://www.youtube.com/watch?v=CCxdI522U_Q

 

この二人の積極財政論者は、米国のMMT理論の変形を主張し、お金が降って湧くような話をしている。お金は日々額に汗して稼ぐものだという原点を忘れている。国債を発行しても、それは国民の財産になるのだという類いの一面の真理を全面的真理のように言っている。

 

日本の経済復興は日本の労働文化や経営文化に原因があり、政府の政策が立ち入る予知はあまりない。これは自民党総裁選で河野太郎氏も言っていたことである。なんとか多くの知性を集めて、この初期の壁を乗り越えてもらいたい。
 

その為には、現在の主要スタッフとは反対の意見を持つ人物の参政党への参加を求めるべきである。「日本人ファースト」に難癖を付けない人なら、党員ではなく党友としての参加依頼をしてはどうかと思う。


 

補足:

 

1)令和612月の岩屋外務大臣会見記録による。https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaikenw_000001_00112.html

ロシアのウクライナ侵攻がなぜ起こったのか、日本がウクライナ支援をなぜしなければならないのか、どの程度の支援が必要なのか、その使途はどのようなもので、その成果がどの程度だったかなどについての十分な発表・議論がなされていない。
 

2)ウクライナ戦争の動機はロシアの対NATO防衛であった。このことはロシアのウクライナ進攻の一週間以上前に本ブログに投稿している。

 

 

 

3)例えば人の頭の細胞が肝臓の細胞より偉いわけではない。会社の人事部局が製造部局より偉いわけではない。どちらも機能体のいち部分として重要なのである。

 

4)この政治システムをまねたのか、村山政権時代の大失策である政党助成金制度(1994年に法制定)である。 自民党は無知な村山氏を利用して、政党トップが自由に配分できる政党助成金制度を作った。これは、議員個人が自由に意見を述べることを妨害し、自民党幹部である政治貴族の支配力を強めることに貢献した。益々、議員個人の政治能力が育たなくなったのである。

 

5)この政治文化的・制度的な違いについてAIcopilot)が整理してくれた比較を以下に示します。

 

米国:

- 報道の自由と対話文化が根強く、記者が大統領に直接鋭い質問をぶつけることが許容される。

- 会見は「説明責任の場」であり、国民との対話の延長線として位置づけられる。

- ホワイトハウス記者団は多国籍・多様なメディアで構成され、質問の切り口も幅広い。

- 大統領自身が長時間応じることで、健康状態や政策への自信を示す意図もある。

日本:

- 記者会見は「発表の場」としての性格が強く、一方通行的な情報提供になりがち。

- 質問は記者クラブ所属の記者が中心で、事前に質問内容が調整されることもある。

- 総理の発言は慎重で、失言リスクを避ける傾向が強いため、会見時間も短くなる。

- 会見後の「ぶら下がり取材」などで補完されることもあるが、公式性は低い。

 

(明朝校正)

2025年7月27日日曜日

参政党は政権政党になれるか? 積極財政策には慎重であるべき


参政党は今回の参議院選挙で大きく伸びた。それは国民の戦後80年間の自民党政治に対する不満と、自民党に置き換わる能力を持っていなかった野党既存政党に対する不信、そしてこの停滞する日本で参政党が唯一何か新しい流れを起こして呉れそうなに感じた結果だろう。

 

世界政治の激動と混乱の中で、日本はそれまでの国際的慣行や価値観に縛られ、近い将来消滅する可能性もあると一部で議論されている。そんな昨今、消滅寸前のウクライナやパレスチナなどの国々とその悲劇を見ながら、既存政党はそれらから学ぶ姿勢も知恵も示せそうにない。
 

そんな中で参政党は、ドイツのAFDやイタリアのメローニ政権などと同様に、世界の混乱の本質を探し出し、伝統ある日本を守る方針を明確に打ち出した唯一の国政政党である。日本国を外国人スパイなどから守るとか、外国人の受け入れを慎重に行うなどと共に、歴史に学び近代の国際法体系を重視する保守主義を謳い、明確に反グローバリスト政党としての旗を掲げている。

 

ここでグローバリストとは、国際金融エリートたちとその周辺が、自分たちとその仲間が支配する世界帝国を目指す勢力のことである。このモデルは彼らが支配するマスコミやシンクタンクなどにより「陰謀論」として排除されて来たが、徐々に真実に近いと認められつつある。この問題は複雑なので、補足に少しふれるがこれ以上は立ち入らない。(補足1)


参政党の神谷宗幣氏は、これまでの日本と西欧の近代史を再検証することで、激動・混乱の世界の背後に迫ることが出来ると考えた。そして、国民の多くがそのような努力をして情報を集積し議論で確かな知識とした上で、政治を動かすことが大事だと、気付いたのだろう。https://www.youtube.com/watch?v=jVojeOBgyr8

 

 

近代史を学びなおし、日本の伝統を大切にすることで、日本の進むべき道を探すことを結党の精神とし、それを芯に参政党を立ち上げたと理解する。その結党のコンセプトを揺ぎ無く持ち、党内をまとめる統率力を持つ実力者は今でも神谷党首のみかもしれない。

 

勿論、そうでないという人が党員の中には居るだろうが、その思想が国政政党となった今、現実問題との対峙で徐々に薄れる危険性も考えて、当分神谷氏中心に参政党を育てるべきだと思う。

 

日本政治の現状と参政党の参加

 

これまでの日本の実力のある政治家と見なされる人たちの多くは、明治以来の家業を継承する形で政治に携わる人が多い。そのような人たちが牛耳る政界においては、単に現在の国民の不満解消を政治課題と考える人が多い。彼らには、戦後80年間の対米従属の政治を再考するとか、有史以来の激動の世界で日本国をどう維持するか等の問題に対処する能力など期待出来る筈がない。

 

また、有権者の多くも、政治参加は投票だけという人がほとんどだろう。このような情況では日本の政治は良くならないし、良い芽も育たない。日本の政治の成熟は、国民が政治に直接的に且つ積極的に参加することによってのみ可能となる。

 

欧州では、行政に不満があれば直ぐに一般市民は何らかの行動をとる。それは、西欧民主主義国家は市民革命を経ていることと深く関係していると思う。(補足2)つまり、生死を掛けて政治に参加した結果として現在の政治体制を獲得したという歴史の記憶が、現代に生きているのだろう。(補足3)

 

繰り返しになるが、世界政治の大変革の今、日本でもようやく本物の民主主義が訪れようとしている。有史以来初めて、自分たち一般市民が政治に参加していくのだという考えに基づく参政党が誕生し、今回の参議院選で躍進したのである。

 

参政党への参加者たちが集まった切っ掛けは、グローバリストたちによる望ましくない世界の大変革という陰謀に、世界の一般市民は反対するべきであるというSNSを用いた警告によって、その激動の世界の真実を危機感とともにネットで共有したことである。(補足4)

 

参政党のキャッチフレーズ「日本人ファースト」は、主権国家体制護持を明確にする反グローバリスト政党では当たり前の宣言であるが、それに対して、既存マスメディアの論調の受け売りで、参政党は外国人差別をする極右政権だとか、参政党の党首である神谷氏は独裁であると言った批判が多い。

 

今後、出来るだけ短い時間で参政党が政権政党に成長しなければ、日本はこの世界政治の荒波の中で消滅する可能性があると思う。参政党は神谷党首の指揮下で様々な分野から広い視野を持つ専門家を集め、且つそれを理解する優秀な政治家を育てなければならない。

 

尚、参政党は日本人ファーストを旗頭にする本来の保守政党のトップランナーであるが、それを追いかける政党も今後生まれる可能性がある。上の話は同様の保守政党も対象にする一般的な議論として、受け取ってもらいたい。

 

また、参政党の党勢拡大の中で神谷氏以外の発言力が増せば、経済復興などの短期目標に過剰に拘り、日本人の歴史感を補強し、日本の伝統を取り戻すという長期目標が薄れていく危険性がある。

 

大災害をも生き残る大樹になるには、根は広く深く伸ばし、一本だけの幹をまっすぐ上を目指し、太い枝に育った多数の葉から太陽のエネルギーを得ることが大事である。以下、多少くどくなるがそのことについて記す。

 

2)参政党が孕む自壊の芽
 

もし参政党から自分たちが政治参加するのだという“草根精神”(補足5)が消滅して、従来型の貴族支配適合型の政党に戻れば、日本の将来はないだろう。そのようなことが起こり得る可能性がかなり大きくなったのが、皮肉なことに今回の参議院選挙の結果である。

 

神谷氏による「歴史を学びそこから自分たち一般市民が集合しで政党の育成を目指す」参政党の遺伝子が消失する危険性は、今回の参議院選で神谷氏自身の判断でこれまでの経済政策に不満を持つ広範な国民の票を積極財政論を採用して集め大勝利したことにある。

 

今回の勝利により、積極財政論を提唱した者たちの発言権が増加し、彼らが党の結党の遺伝子を忘れ無視して、最終的に従来型の貴族型政党に堕するする可能性が大きくなったことである。単純な積極財政論はフェンタニルのようなもので、短期間は経済的に困窮した層の苦痛を取り除くかもしれないが、根本的問題解決には役立たないばかりか有害である。

 

日本人の多くは戦後から20世紀に成し遂げた豊かな経済は、日本人の能力と勤勉さが築いたのであり、そこからの経済低迷の30年は米国の圧力と自民党の緊縮財政が原因だと考える人が多い。しかしそれは真実ではなく、積極財政論で乗り越えようとすれば、日本経済は途上国タイプに戻る。

 

日本が奇跡の経済発展を遂げたのは、日本人の資質もあるが、グローバル化経済の流れと米国などの市場開放の恩恵を受けたからであることを熟知すべきである。つまり、20年ほど遅れて発展した中国の経済と同じように、これまでの発展は途上国型の発展である。そして低迷の30年を経て、今ようやく必死の努力で優良企業も生まれてきた。
 

ライバルとなった中国には、共産党支配とそれによる政治腐敗などによる弱点を持つが、末端の企業には途上国型から先進国型に発展する能力が存在する。それは人事における能力主義が定着しており、大学など教育機関のレベルも日本よりも高いからだと思う。
 

日本は、既存の機械など製品の信頼性を高くしつつ安価に製造するというモデルだけに頼っていては、今や有史以来持つデメリットである狭い国土と限られた資源という条件の壁を克服できない。従って、先進国型の経済発展モデルを獲得するためには、新規産業創生と既存産業の労働生産性を高める競争においても先進国以上の力を育てる必要がある。

 

現在諸政党が提言している積極財政策では、弱者を救い上げるのには有効であっても、強者をもっと強くすべきであるという国際競争での戦いにはプラスにならない。日本らしく弱者救済は続けるのは良いのだが、強者が国際的に勝利する企業とならなければ日本は低迷から抜け出せない。

 

それには経済活動における諸問題、労働の流動性を高めること、能力本位の人事が当たり前の企業文化の成立、高校の大学予備校化の廃止、大学では学生に実戦力となるレベルの教育をする、大学教員の資質向上、無駄な無償化などは廃止するなど、労働と教育における文化を改める。

 

日本の政治と教育は、未だに中国隋の時代に始まった科挙制度とそれための大学教育のように見える。その結果、日本の大学で必要なのは官僚を輩出する東京大学のみであり、そこに向けて高校までの教育がなされているように見える。脳力をすり減らした秀才のみでは、日本の経済は発展しない。

 

このような改革を行うには、過去の歴史を詳細に再評価し、そこに学ぶ姿勢、それを教育するシステムの改良が不可欠である。そのような日本の姿勢を作り上げる遺伝子は参政党の幹部では、神谷氏以外にはないだろう。
 

 

3)松田プランの愚
 

筆者は参政党員ではなく、単に参政党を党外から応援する一人である。そこで遠慮なく参政党を外から眺めて参政党の弱点を指摘できると思う。参政党を潰す勢力のプロパガンダ的発言の中で有力なのは、神谷党首の独裁であり、みんなで作る政党という看板に偽りがあるのではないかという批判である。それについては、補足に一つの反論を示す(補足6)。

 

私が危惧するのは、このような議論が参政党の内紛に発展することである。最初の内紛は、結党当初の5人のメンバーのうち3人が参政党を離党したときの内紛である。例えば、武田邦彦氏の離党までのケースが分かりやすい。上記のような参政党の精神を理解しない武田氏が、減税日本や日本保守党との共闘に動き、神谷氏と対立してしまったのである。 

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12829991577.html

 

彼らは新しく伸びる参政党に魅力を感じて参加し、そして参政党のためと考えて様々な提案をしたものの、神谷氏だけが持つ参政党の中心概念(その遺伝子)について十分理解していなかったために、深刻な対立に発展したのである。ほとんどの日本人は議論が非常に下手である。議論はすぐに口論に発展するのは、日本人の文化的弱点である。

 

そのような困難が今後も考えられる。例えば、石破氏が首相を退陣し、高市早苗氏が次期首相となったとき、積極財政論の高市氏が元自民党の安藤裕氏や同じく元自民党の松田学氏に協力を求めたとすると、元自民党の二人はその方向で動くかもしれない。その場合、参政党は積極財政を掲げて参議院選を勝利した以上、神谷氏も拒否できない可能性がある。
 

参政党の党内での実権も徐々に松田学氏に移行していく可能性がある。そこで松田氏は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行する松田プランを斬新なアイデアであり、低迷する日本経済を救うと彼らの積極財政論を宣伝するだろう。

 

しかし、松田プランの本質は、既存のMMT理論とほとんど変わらず、単にCBDCの発行を同時に行うことを売り物にしているだけである。松田氏の言うとおりに財政拡大策を実行すれば、日本経済は通貨安とインフレでつぶれるだろう。
 

私は金融の素人なので、この考え方は間違っているかどうかをチャットGPTとの議論で確認した。途中にCBDCに関する解説もチャットGPTに依頼したので、その分長くなっているが参照されたい。以下に、その議論が掲載されているアドレスを示す。この件も批判いただきたい。

https://chatgpt.com/share/68829c59-9a28-8010-9591-ee1d961f558e

 

 

補足:

 

1)グローバリストと呼ばれる人たちは、世界の金融エリートのユダヤ系資本と彼らに育てられた人たちであり、米国を中心に世界の政治と経済に深く係わる複数の系統を持つ勢力だろう。これにイスラエルロビーと呼ばれる団体が、米国の政治に強力に干渉する。これらも金融エリートたちと深く関係するので複雑である。ただ、日本と異なり表舞台の政治も民衆の力を背景にして相当の力をもっている。今回のトランプ政権は「ディープステートとの闘い」としてこれらの圧力を跳ねのけると期待されたが、イスラエルに従属してイランを爆撃したり、ウクライナに兵器を送り続け、看板に偽りがある様に見える。

 

2)日本では市民革命の歴史がなく、それゆえ日本の政治は基本的に大日本帝国の延長上にある。ドイツとは違って、第二次大戦後も明治政府の体制下で憲法を改正して現在に至っている。それ故、日本は唯一、国連の敵国条項の対象となっているのである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12652435193.html

 

3)生死を掛けた政治参加の体験又はその継承に由来する、国民の政治における自信と自覚が民主主義政治には必要だと思う。昔のyoutube動画で西部邁氏が「敗戦の時、あと100万人死んでいれば、日本人もしっかりしていただろうに」と発言していたのを思い出す。西部さんもこのような意味で発言されたのだろう。このように知性ある人で思ったことをストレートに発言できる著名人は日本に少ない。それは日本人の殆どがその種の厳しい意見を忌避するからであり、それが日本政治の弱点であると思う。

 

4)米国等の一流のジャーナリストや学者などによるSNSを用いた解説で、グローバリストたちの陰に隠れた企みも徐々に明らかにされつつある。米国の元フォックスニュースのタッカーカールソン氏、コロンビア大教授のジェフリー・サックス教授、シカゴ大のミアシャイマー教授などにより、分析結果が衆知されている。それらの分析が可能となったのは、命を賭して不正行為を暴いた元CIA職員のエドワード・スノーデン氏や、プロジェクト・ベリタスを運営するジェームズ・オキーフ氏らの貢献は大きい。

 

5)草根と似た言葉に草莽(そうもう)があるが、意味が異なる。草莽は民間にあって地位を求めず、国家的危機の際に国家への忠誠心に基づく行動に出る人(草莽之臣)を指す。予め国家の存在を前提として草莽の臣に期待するのではなく、草の根運動で国家を作り上げるという本格的な民主主義を党是にしていると思う。そうでなければグローバリストには勝てないだろう。

 

6)神谷宗幣氏は独裁なのではないかという題で小崎壮平という在米の方のyoutube動画があったので、それを視聴しコメントを残した。https://www.youtube.com/watch?v=FmA_W2ryhvY&lc=UgwGtMv3LAOXl-mXODx4AaABAg この小崎氏の議論を聞いてもらいたい。そしてそこに書いたコメントは以下の通りである。

 

民主主義は、国民が国会議員などを選ぶ投票の段階であり、政党運営まで民主主義という訳にはいかない。政党も組織なので会社と同様トップのリーダーシップが重要。ゴレンジャーと言っても参政党の遺伝子と発芽までは神谷氏のものであり、参政党が成長し次の世代になるまで神谷氏がトップであるべき。その意味で、4名は神谷氏に同調し支援するための存在だった筈。武田氏は自己主張が特別に強く、政治家には向かない。

もう一つコメントします。「科学と政治は矛盾する」とおっしゃっていますが、それは間違いだと思います。政治は自分たち(例えば政治家が国民の代表なら国民一般)のトータルな幸せを目的に立法と行政に関わることですので、優秀な政治家はこの目的を最優先しつつ環境などの他条件を想定したうえでその方法を科学的(つまり論理的)に追及します。ただ人間ですので、自分たちや国民一般よりも自分が一番大事なのは誰も同じですので、客観的な視点で最良を選択できないことも多いと思います。従って、自分の利益や名誉にこだわる人物は、優秀な政治家になれませんし、優秀な科学者にもなり得ません。

(以上)

2025年7月22日火曜日

参政党は勝って兜の緒を締めよ! インタビューには慎重に答えるべき

7月20日の参議院選挙で参政党は大きく伸びた。それは、気ままな大衆の人気の波が参政党に押し寄せた結果であり、それをそのまま自党の評価と思って喜んではならない。出来るだけ早期に各専門に能力のある者を割りあて、責任政党としての体裁を整える必要がある。

 

今後、新聞の取材やテレビの討論番組への招待が増えるだろうが、政権政党レベルの政策を組み上げるまでは、揚げ足を取られないように慎重に参加すべきである。現在の憲法草案や景気対策などを理論武装なしに話せば、参政党潰しの材料にされる危険性があると思う。

 

例えば、昨日の関西テレビでの「旬感LIVEとれたてっ!」で、神谷氏が橋下徹氏との議論の中で経済政策について“その場しのぎ”的に話したのは、良くなかったと思う。海千山千の策略家と話をするのだから、そして練り上げる前の政策についての話だから、もっと慎重に答えるべきだったと思う。

 

 https://www.youtube.com/watch?v=CCxdI522U_Q


上の動画の概説欄にはその内容について以下のように解説がなされている:

 

参院選で注目された「日本人ファースト」を巡り、橋下氏が日本の人口維持のためには外国人を受け入れることも必要だと指摘すると、神谷代表は「少子化止まらない前提で、外国人で穴埋めしようと言う構成はおかしいんじゃないかと言っている」と話しました。

また大規模な財政出動を中心とした経済政策を提案している参政党は、国債の発行を案として挙げていますが、橋下氏が金利上昇などリスクがあることを指摘しました。

 

上記二段目の文章は、0~15歳までの子供に月額10万円を支給するとか、一次産業に従事する人に所得補償をするとかの政策に対する指摘である。橋下氏は、それをそのまま実行すれば、物価上昇と金利上昇で大変な事態となるだろうと思うというもの。その点は橋下氏の指摘が正しいと思う。

 

本ブログの筆者は、以前から参政党に注目をしてきた一人である。神谷氏が主宰する参政党こそ日本を救う政党になる可能性があると考えてきた。私が疑問に思ったのは、自民党から参政党に加わった安藤裕氏の積極財政論を、何故無批判に取り入れたのかということだった。橋下氏の上記後半の質問も、その積極財政に関係するものであった。

 

昨年10月7日の本ブログサイトで、安藤氏らの積極財政論に対する批判をアップロードしているので、是非お読みいただきたい。自民党には高市早苗氏など積極財政を主張する政治家が多いので、橋下徹氏ら評論家はその弱点或いは突っ込みどころを探し当てていた可能性が高い。

 

 

私は、その時以来、安藤氏は参政党を混乱させるために参政党に派遣されたのか、税理士の資格があるものの経済については無知なのかどちらかだろうと思っていた。

 

上の動画には、以下のようなコメントを書いた。

 

自民党から参政党に入った安藤裕氏や元財務官僚の松田学氏が間違った経済的知識を神谷氏に吹き込んだ可能性が高い。それに最近三橋貴明氏らも加わって、MMT(補足1)的なインチキ経済策を吹き込んでいるようだ。それらの策を公約にするのは間違いで、そのまま実行すればインフレと超円安で日本経済がつぶれる可能性が高い。橋下は、そのような掘り下げた質問をして参政党潰しに走るのは卑怯だ。

 

なお、日本経済低迷の30年間の原因は日本文化にある。労働の流動性、評価と賃金、実力と人事など、日本社会の文化の改善なくして景気復活は無い。経済浮揚には、日本が高い労働生産性と豊富なオリジナリティー創出を実現するしかない。積極財政は間違いである。

 

 

おわりに:

 

経済政策そのほかの危うさが非常に多い参政党だが、知識ある人の参加で是非日本の政治を本当の意味で担当するレベルの政党に成長してもらいたい。現在の日本の政治は、議員を家業とする政治屋たちが、政治を演じている状況にある。

 

神谷氏には、各界から人材を吸収して、真に政権を担当する政党になるように参政党を育ててもらいたい。神谷氏は、日本再生には歴史に学ぶ姿勢と教育を重点策とする等の政策が必須だと見抜く慧眼の持ち主であるので、その方向で参政党を育ててもらいたいと思う。

 

参政党の現状の政策提案力は、未だ中学生レベルであると思う。一人前の大卒からph.D保持者レベルの政党になれば、米国からの真の独立も可能となると思う。その為には何よりも優秀な人材確保が必要であると思う。現在の人材では、橋下氏の突っ込みに答えるのは難しいと思う。

 

補足:

 

1)MMTとはmodern monetary theory(近代貨幣理論 )の短縮形で、自国通貨建て国債であればいくらでも発行可能であるという理論。中央銀行が政府支配下になければ、この考え方は成立しない。ただ、通貨発行量の増加から為替レート(円/ドル比)が円安になり、輸入物価の上昇から物価全体も上昇するだろう。つまり、国債発行分だけ通貨の価値が希薄化される。20世紀後半から21世紀初めのように、途上国の経済発展により通貨の需要が高まる情況下では、基軸通貨発行国(米国)の国債発行量が増加しても物価上昇は起こりにくい。

       (以上)

 

 

 

 

2025年7月21日月曜日

日本の政治家はなぜ経済を立て直せないのか──景気浮揚策が「浮揚」にならない根本原因

 

ここ30年、日本経済は「失われた◯十年」と呼ばれ続けている。低成長、デフレ的傾向、実質賃金の停滞。そして、その間に政権与党が掲げてきた数々の「経済対策」は、なぜ本質的な経済浮揚につながらなかったのか。

 

多くの識者がその原因を「消費税増税」や「政府の緊縮財政」に求め、政治家がそれらを元に参議院選挙の公約として消費税の軽減や積極財政を主張している。

 https://www.youtube.com/watch?v=ndZTc0g6Nl4

 

 

しかし、問題の本質はより深いところにある。もし今のままで消費税を廃止したり積極財政をとれば、日本は円安地獄に陥る可能性が高い。

 

「金の分け方」以前に、「金の稼ぎ方」を改善すべき

経済低迷の30年の間、日本では新しい稼ぎ方=新産業が生まれていない。IT革命、AI、バイオテック、プラットフォーム経済、EV、自動運転……世界が産業構造を次々と塗り替えていく中で、日本はその後を追いかけるなどの「過去の成功モデル」にすがり続けてきた。

 

高度経済成長期を支えた製造業とそれら製品の輸出で稼ぐモデルは、限界を迎えつつある。それなのに、政治家が主張する対策はもっぱら「景気刺激」「所得移転」といった、“金の分け方”の話ばかりだ。本当に問うべきは、「どうやって新しい価値を創り、世界で稼いでいくのか」である。

 

更に、労働生産性の向上も停滞したままで、OECD加盟国の中でも常に下位グループにとどまっている。その理由は明白である。

長時間労働と非効率な会議;デジタル化の遅れ;サービス業での過剰な「おもてなし精神」;年功序列と終身雇用による人材の硬直化など。こうした構造的課題にはメスが入らない。政治家も官僚も、制度改革ではなく「小手先の景気対策」で対応しようとする。これでは経済の地力が付くはずがない。

 

文化の壁:議論できない社会では生産性が上がらない

この問題のさらに奥には、日本社会の文化的な壁がある。たとえば、企業の中で上司が方針を出すとき、日本ではそれに対する「議論」が起きにくい。カルロス・ゴーン(元日産CEO)は、「フランスでは社長が何か言えば議論が始まるが、日本では議論が消える」と語っていた。この一言に、日本社会の構造的問題が凝縮されている。

 

日本の組織は、空気を読む文化上下関係重視の言語構造(敬語・忖度)和を乱さないことが美徳といった背景から、オープンな議論が成立しにくい。つまり、誤った戦略や非効率な体制が、修正されないまま温存される傾向が強いのである。

 

制度を変えても、文化が変わらなければ期待した程の効果が現れないだろう。多くの経済政策論者は、「制度を変えれば経済がよくなる」と言うが、現実はもっと複雑だ。例えば成果主義制度を導入しても、運用する人が「年功的評価」をすれば形骸化する。

会議で意見を出す仕組みを作っても、発言すれば「空気を読まない」と評価されれば、誰も口を開かない。制度は「入れ物」に過ぎない。その中に入る「文化」や「言葉」が変わらなければ、制度は機能しない。

 

日本経済の浮揚には、単なる財政政策や税制変更ではなく、「稼ぐ力」を再構築する文化変革が求められている。

 

終わりに:本当の経済政策とは

本質的な経済政策は、「金の配り方」ではなく、「価値の生み方」そのものを問い直すことから始めるべきである。


そして、価値を生み出す会社等組織とその中での人々の活動は、その国や地方の言葉と文化の束縛下にある。言葉と文化を変えずに、活動の様式を法令等を整える制度改革のみでは期待できない。そのような深いところからの社会変革なしに、日本経済の本当の意味での再浮揚は難しいだろう。

 

唯一、幼少期からの教育改革がその改革の近道だろう。それには時間がかかるがそれを短縮させるために調教風に行ってはならない。自由に思考させること、そして物事を原点から考える習慣をつけさせることが大事である。そうすれば卒業後も教育の成果は人物全体に残るだろう。

 

(以上は私のこれまでの主張にそったものですが、今回はチャットGPTとの対話を元に下書きを作ってもらい、筆者が加筆及び最終校正して作り上げました。)

2025年7月18日金曜日

液状化する世界政治とその中で消えるかも知れない日本国

 

1)日本は米国の仮想敵国なのか?

 

戦後80年間、日本は米国の下で部分的に独立国としての体裁を保ってきた。しかし、在米の政治評論家である伊藤貫氏は、日本は今でも実質的に米国の完全な属国であると語る。https://www.youtube.com/watch?v=qs41Z4SVOlQ

 

 

独立国家だった日本を属国として扱うということは、米国は日本を仮想敵国と見做していたということである。その言葉から誰もが、キッシンジャーがニクソン訪中の際に周恩来に語ったという「瓶の蓋論」を思い出すだろう。(補足1)

 

伊藤氏によると、「日本は米国の仮想敵国と見做す」という文言は、1992年の米国の秘密文書に明確に記載されていたという。1991年にソ連が崩壊して、米国は全世界を一極支配することになり、19922月に機密文書:defense planning guidance(防衛計画ガイド、つまり世界統治プラン)を作成したが、その中にあったという。

 

その機密文書が、3月早々にニューヨークタイムズとワシントンポストによって暴露され(或いはリークされ)、伊藤氏はそれを読んだというのである。ただ、機密性が失われたからか、その後アーカイブでも世界統治プランの記述はマイルドなものに書き換えられている。(補足2)

 

その新聞記事に於いて、ロシア、中国、ドイツ、そして日本が米国の仮想敵国として名指しされ、更に地域覇権さえも許さないという方針が記述されていたという。(日露平和条約に米国が反対したのは、仮想敵国は分断して対処するという基本戦略に沿ったものだろう。 ・・・ これは私見です。)

 

仮想敵国に対する米国の冷淡な姿勢は、最大国ロシアに対して酷かった。ソ連崩壊後には、自由主義国としての再建に協力する振りをしながら、ロシア資産の略奪を行ったのである。

 

クリントン政権のジェイムズ・ウルジーCIA長官は1999年の下院で対ロ経済協力は略奪だったと下院で証言した。CIAのロシア担当最高責任者だったフリッツ・エアマ-も、米国が行ったことは、ロシアの経済改革に協力する振りをしたロシアの資産略奪だったと告白した。

 

伊藤氏は更に、ロシア関係で稼いだ2千億ドルから5千憶ドルの金は、イスラエルやスイスでマネーロンダリングされたあと米国に流れ、米国の金融業者、不動産業者、民主共和両党の政治家、マスコミなどを潤したと語っている。このような金の流れが、米国の世界戦略を進める上で政治家やマスコミを動かすために利用されたのである。ここまで伊藤氏の話を多少モディファイして記した。

 

世界一の経済大国である米国と、それを支える膨大な金融資産と負債、更に世界一強力な米軍とその頻繁な軍事行動が、世界の政治を動的平衡状態に置いた。日本もドイツも、他の二つの仮想敵国に比べて弱小だったので、ロシアとは反対の対処方法がとられたのだろう。(補足3)

 

つまり、日独は属国として飼いならす方針をとった。その結果、両国は安定な政治的位置と比較的豊かな経済を維持することが出来た。ドイツはそのやり方と自国と米国との関係を承知しているようだが、日本は無知のようだ。マッカーサーの「日本は未だ12歳」という議会証言を思い出す。

 

最近、米国の地位の相対的低下と地球的問題の顕在化などにより、この世界の準安定状態が崩れてきた。それにより、仮想敵国は急に不安定な政治的位置に戻る可能性がある。それが表題の意味するところである。

 

一方、覇権国家の米国では、米国を中心に回った世界の近現代史を反エリートとして体験したトランプが、孤立主義に急旋回をするMAGAなる素人的な政策を提唱し、良いスタートを切った。しかし、エプスタインか何かの罠に陥ったのか、昨年までのネオコン政治に戻り、今や支離滅裂状態である。

 

この液状化する世界の中では、「米国は日本の同盟国」という従来の長期構造的な関係を前提にするのは危険である。今後、各国は自国最優先の方針で防衛や外交を考える筈である。日本もリアルタイムで、自国の安全保障を考えるべきだ。正しく対応できない場合、消滅の危険性が高くなる。


 

2)液状化する世界の政治構造

 

戦後からここ数年前まで、国際法や国際条約を中心とする国際秩序が概ね維持されてきたように見えるのは、第二次世界大戦後に米国による一極覇権の世界がほぼ完成したからである。共産圏は帝国主義に堕しており、ケネディ政権後は特に、第二世界と第三世界に大差はなかった。米国は自由と民主主義を旗頭に世界の経済と政治を支配し、多くの国は米国を中心におく世界秩序に安住した。

 

経済においては、新しい技術の創生と世界経済の拡大、そして世界から貧困を少なくする国際協力のモデルが世界の人々に歓迎された。米国は巨大消費市場を世界に開放し、兌換紙幣を謳うことで基軸通貨となった米ドルとその変形である米国債などの債務証券を世界に配給した。その中心に金融に詳しいユダヤ系学者や業者が居た。
 

20世紀第四四半期から21世紀には、中国や日本そしてヨーロッパ諸国など米国以外の経済規模が圧倒的に大きくなり、且つ世界に蓄積された米国の債務が巨大化した結果、経済における米国の相対的地位は低下した。この経済拡大モデルに限界を感じる人たち(所謂グローバリスト)は、新世界秩序を作り上げるべきと考え出した。

 

これを言い出した人たちと、これまで世界の経済を拡大させて利益を得てきた人たちが、同じか非常に近いことに疑問を感じる人も増加した。彼ら反グローバリストは、世界の非エリートたちであり、新世界秩序で大きな被害を被ると感じる人たちである。

 

世界中で各国の既得権益層がグローバリスト側に立ち、それ以外の中の知識人層が反グローバリストとなって対立し、国際政治は今後混とん化する恐れが出てきた。国家間の関係もこれまでの準安定(或いは動的平衡)状態が崩れて不安定化する可能性が出てきた。以上が世界政治が液状化するまでの別角度からの記述である。

 

その状態では、単一覇権の準安定な時代に作り上げられた国際法は過去の遺物となり、世界は野生の世界、あるいは弱肉強食の時代に戻る。新世界秩序を作り上げるべきと考えるグローバルエリートたちは、これまでの国際法を無視し、“非人道的”な軍事行動に出る。

 

その世界の動きを予知した言葉が米国の元大統領補佐官だったブレジンスキーの著書「The Choice、Global Domination or Global Leadership」に残されている。「この100年間に、人類史上初めて、大衆が政治的に目覚めた。これまでの時代では百万の人々をコントロールする事は簡単だったのです。しかし今日では、百万人をコントロールするよりも百万人を殺す方が限りなく簡単なのです。」

 

非エリートの代表のような顔をした米国のトランプ大統領は、米国の反グローバリストを率いたように年初には見えた。そのトランプに、別ルート(ユダヤルート)から強い干渉が入って政権が乗っ取られた様な状態に見える。現在のトランプは一部の有識者には認知症に見えるようだ。https://www.youtube.com/watch?v=Lhxu_DMds00 (安富歩東大名誉教授)

 

私は、ずっと前から新世界秩序(世界統一政府?)とネタニヤフ政権のシオニズム(大イスラエル構想)に境界があるのかについて疑いを持っていた。何故なら、両方ともユダヤ系知識人が出所であり、それを金融経済の面から支える人たちも同類だからである。

 

近年、ネット社会にはいり、非グローバリストたちにも世界の裏まで見る人が大勢現れた。グローバリストたちは、それは裏を見ているのではなく、単なる陰謀論だと攻撃しネットに制限を掛ける工夫をしてきた。ただ、インターネットの時代は元には戻らない。液状化という言葉は感覚的過ぎるかもしれないが、その本質はその前段階を少し含めた戦争である。


 

3)先制核攻撃もありうる世界

 

液状化した世界にあっては、国際法は過去の遺物である。そして今、科学は否定され、言葉が乱れ乱される時代となった。イスラエルはガザ地区住民を収容する「人道都市」をガザ南部ラファに作っているが、実質的には強制収容施設である。人道とは虐待と虐殺を意味する言葉なのだろう。

 

 

 

この数年間、米国と中国によるウイルス兵器の開発と漏洩、イスラエルのガザ地区における民族浄化、米国とイスラエルによるイラン騙し討ちなど、重大な国際条約違反と言えるが、それらへの批判は小さい声でなされたのみであった。

 

そして今、核兵器による先制攻撃もあり得る時代になった可能性が高い。そう指摘するのがyoutubeチャンネル「タカオカ目線」の高岡達之氏である。これまで英国は戦術核など200発あまりの核兵器を保持しているが、国家が最後の時を迎えた時にのみ報復として使用するためとしてきた。

 

その為、核兵器の搭載と移動の手段として用意されたのは原子力潜水艦にのみであったという。

https://www.youtube.com/watch?v=rvFd9-N-Gks

 

 

 

ところが、最近英国はフランスと核抑止協定を締結し、且つ核兵器による攻撃用にF35A爆撃機を米国に発注したようだ。世界は先制攻撃、それも先制核攻撃もあり得る時代に入ったと高岡氏は警告している。

 

液状化した世界において、硬直した慣習に縛られた人たちがリーダーの国は消え去るのみだろう。独裁国家は、素早く国家の方向を変えることが可能であるが、所謂民主国家にはそれが出来ない。数年に一度の国政選挙の国では、原点から前提を置かずに思考するリーダーを選ぶことのみでしか時代遅れの法や慣習を乗り越えられない。

 

日本にとっても今度の選挙が最後のチャンスかもしれない。これまでの既得権益層である売国与党から出馬した議員をすべて落選させ、自分で政治を考えて、自分が何らかの形で政治に参加する党員から成る政党を選ぶべきである。


 

最後に:

 

「国家の独立とは軍の(同盟国の軍から)の独立である」との原則から、日本も武器を国産化すべきだと田母神敏雄元航空幕僚長が参政党の神谷党首に語っている。その話の内容を私流の解釈を混ぜて少し紹介し、このブログを終わる。https://www.youtube.com/watch?v=L1EkSGKtWCQ

 

 

 

日本は、1954年に米国の支援もあって自衛隊を創設した。その翌年、共産主義と対決する体制として保守系政党が合併し自由民主党が出来た。朝鮮戦争のときである。それ以来、自民党は日本を米国に従属させる方向で政権を保持してきた。日本の自衛隊はその時以来米軍の指揮下に置かれてきた。

 

その結果、例えば自衛隊の戦闘機は全て米国製であり、米軍と同じ電子システムを使っていて、米国は都合によってはそれらを全く動かなくすることが可能となる。操縦システムを暗号化していれば、当然のことである。(補足4)

 

田母神氏は、この状況では日本の防衛に役立つとは限らないとの考えて、独自の戦闘機開発を提案した。しかし、米国レーガン政権と日本の中曽根政権に無視された(或いは潰された)と語る。中曽根康弘氏は、日本国民にとって最悪の総理大臣だったのではないだろうか。

 

彼にはそれ故か、米国に従属する日本の政府から優秀な総理大臣という捏造された印象と特別の栄誉が授与された。広島と長崎への原爆投下のリーダーだったカーチス・ルメイ氏や世界にバラまかれた新型コロナウイルスの開発を指揮したアンソニー・ファウチ氏への日本政府からの勲章も釈然としない。(補足5)

 

田母神氏によると、自民党政権は経済や技術の面でも日本つぶしを米国のために行ってきたと話す。日本製のTRONはウィンドウズよりも優れたソフトだという人も多いが、日本政府はウインドウズを推奨した。我々にとっては懐かしいワープロソフトである「一太郎」も、孤立無援となりワードに負けた。

 

彼らは日本の歴史問題について語っているが、ここでは引用のみにしておく。ただ、日本の近代史を総括してそれを教育に用いることが日本の復活には大事だと、神谷氏は語っている。そのような正鵠を得た議論は他党には全くない。

 

 

 

補足:

 

1)1972年のニクソン大統領の訪中の際、国務長官ヘンリー・キッシンジャーは、中国・周恩来首相との秘密会談において「日本は、経済大国である以上、政治・安全保障両面でも大国として台頭しようとする欲求を持つだろう」との見方を示し、在日米軍の駐留は、日本の「軍国主義」を抑えるために必要な存在であり、もし日米の同盟関係を解消すれば日本は手に負えない行動をとり始めるだろうという所謂「瓶の蓋」論を展開した。ただ、キッシンジャーは、本音では中国に睨みを利かせるためにも在日米軍は必要だと考えただろうし、「瓶の蓋論」に素直に納得する周恩来でもないだろう。


2)米国にはキッチリと文書を保存する慣習があるが、それも機密文書を除いての話だろう。アーカイブが書き換えられている場合、この伊藤氏の話を裏付けるものはない。ただどのような文書にも厳格に真実を期待するのは間違いである。それらは自分の思想と態度を決定するための材料と考えるべきである。他との思想の違いは議論で止揚すべきという思想は、愚者向けのレトリックであるとする人たちが世界の政治経済のトップ層を成していることを忘れてはならない。伊藤寛さんのユダヤ人観測記(4月に紹介:https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12892388183.html によれば、「彼らは議論によって真実に迫ろうというのではなく、議論には勝てば良いと思っている」という。

 

3)敵は分断して対処するのは兵法だろう。片方は取り込み、もう一方は潰す。最終決戦の前に敵にそのような構造を埋め込むのは諜報機関の仕事である。英国のMI6、米国のCIA、イスラエルのMossadなどは冷酷に実行したのだろう。それを教えてくれるのがエプスタイン事件である。最近のタッカーカールソン(7/14に少し書いた)やナポリターノ判事とミアシャイマー教授のyoutube動画は(https://www.youtube.com/watch?v=SibRpRo5-lA&t=292s)、これらの事実を教えてくれる。

 

4)電子機器を用いるようになってその種の危険が蔓延していると言えなくもない。例えば、パソコンの通信には暗号化技術が用いられているので、所謂ビットロッカーの暗号化キーを操作されたらそのパソコンが永久に使えなくなる。一般に、秘密のカギを多く持つことは非常に危険である。

 

5)カーチス・ルメイ将軍への勲章授与には今でも反対が多い。

 

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/8a3622e6b3ead6a2e994491db234cf61b8e506fa

 

アンソニー・ファウチ(https://www.us.emb-japan.go.jp/files/100498327.pdf)は新型コロナのパンデミックにおいてその伝搬阻止に功績があったとして旭日章の対象とされたが、現在トランプ政権で攻撃の対象となっているのは、新型コロナウイルスの開発を始めたのもファウチ博士だからである。米国で開発しづらくなったので、その予算を武漢の石正麗博士らに送って完成させたのである。

 

(翌早朝加筆編集し、最終稿とする、7/19,5:20)

2025年7月14日月曜日

トランプはエプスタイン事件をイスラエルと自分自身の為に隠蔽したのか?

エプスタイン事件とは、ある元数学教師が金融界で成功して大金持ちとなり、買い取った孤島に性施設を作り、招待した国内外の要人に多数の拉致した少女を性奴隷として提供したという事件である。エプスタインは、その要人名簿などの情報を確保していたと一部で言われている。

 

エプスタインはこの件で摘発され収監され、獄内で自殺したことになっている。この名簿(エプスタインファイル)に記された要人の名前、彼の謎の死などの疑惑がトランプ政権で明らかになると期待されたが、毎日新聞によれば、米司法省と連邦捜査局(FBI)が7月上旬、エプスタインが著名人らの「顧客リスト」を保有していた証拠はないとする調査結果を公表し、MAGA派は落胆している。 

https://mainichi.jp/articles/20250710/k00/00m/030/077000c

 

最近急激に伸びている高校や大学のキャンパスで保守政治を広める活動をしている非営利団体であるTurning Point USA (TRUSA)の集会でスピーチしたタッカーカールソンは、エプスタインはイスラエルのモサドの活動員だったという疑惑について語り、間接的にトランプ政権の決定に抗議している。

 

その中の中心部分が以下のyoutube動画として提供されている。https://www.youtube.com/watch?v=HXzejeBP4AY

 

 

尚フルバージョンはhttps://www.youtube.com/watch?v=gAJvmOjkTz8 などの動画で視聴できる。日本語の吹き替えバージョンでは、 https://www.youtube.com/watch?v=jRena7_DDPA がお勧めです。

 

 

時間の節約と原語でのチェックが容易に出来るという点から最初の動画を書き下しと翻訳のために用いました。

 

もしタッカーカールソンの推理通りなら、名簿はイスラエルのモサドが様々な映像とともに持っているだろう。その目的は言うまでもない。ジェフリー・サックス教授が言うように、ここ30年ほどの米国の中東での戦争は全てイスラエルの為の戦争だったのなら、その戦争に踏み込むように米国要人を説得するのにエプスタインは大いに貢献した可能性がある。

 

最近のトランプのイスラエルのための諸政策、今回のエプスタイン事件のもみ消しなども、イーロンマスクがトランプを攻撃するときに用いたセリフ「名簿の中にトランプの名前がある」が整合性をもって想起される。

 

以下に日本語、英語の順に上の動画の翻訳と書き下し文を掲載します。

=========

 

そして本当の答えは、ジェフリー・エプスタインはおそらくアメリカ人ではなく、インテル・サービスのために働いていた(補足2)ということだと思います。
 

そして私たちには、彼は誰のために働いていたのかと問う権利があります。70年代後半、大学の学位もないのにダルトン・スクールの数学教師だった男が、どのようにして複数の飛行機、プライベートアイランド、そしてマンハッタン最大の住宅を所有するようになったのでしょうか?

 

そのお金はどこから来たのでしょうか?誰もその真相を解明しようとしなかったため、誰も解明していません。さらに、この男が外国政府と直接的なつながりを持っていたことは、誰が見ても極めて明白です。

 

今、その外国政府がイスラエルだと言うことは誰にも許されていません。なぜなら、私たちはどういうわけか、それが悪いことだと脅迫されてきたからです。そう言うことは何も悪いことではありません。そう言うことに憎しみはありません。そう言うことに反ユダヤ主義はありません。そう言うことに反イスラエル主義もありません。

 

私は人生のほとんどをワシントンで過ごしました。私は、CIAで働いていた非常に親しい人を含め、多くの人と知り合い、愛していました。しかし、だからといって、CIAは恐ろしいことをした、大勢の人を殺した、現職のアメリカ大統領の暗殺にも加担した、と私が言うことを妨げられたことはありません。

 

CIAには数々の犯罪歴があります。だからといって、私は不忠なアメリカ人ではありませんし、いかなる意味でも反米主義者でもありません。私はここで生まれました。私の家族は何百年もここに住んでいます。私はこの国が大好きです。だからこそ、私はここに住んでいるのです。

 

ですから、政府機関の行動を批判することは、あなたを憎む人にするのではなく、あなたを自由な人間にするのです。あなたは市民なのです。あなたは奴隷ではなく、市民であるからこそ、そうすることが許されているのです。

 

そして、あなたには、政府があなたの利益に反する行動を取らないことを期待する権利があります。そして、あなたには、外国政府があなたの利益に反する行動を取らないよう要求する権利があります。それは不気味なことではありません。禁じられるべきことではありません。

 

それでも、私たちはみんな、そういうことを言ってはいけない、それはあまりにも下品で禁じられている、と自らを訓練してきたのです。そして、それを禁じたことで、多くの憤りが生み出されてきました。

 

はっきり言いますが、ネット上の憎悪は、人々が「一体これは何なんだ? 元イスラエル首相が家に住んでいる。外国政府とこれだけの接触がある。モサドのために働いていたのか? 外国政府のために脅迫工作をしていたのか?」と、簡単には言えないような状況を作り出しています。

 

ちなみに、ワシントンD.C.の人は皆そう思っています。そう思っていない人に会ったことがありません。イスラエルを憎んでいる人を知りませんが、誰もそんなことを言ってはいけないと思っています。なぜでしょう?

 

それに付き合えば付き合うほど、会話はより陰湿で、不気味で、憎しみに満ちたものになると思います。だから、はっきり声に出して言った方がいいと思います。「こんなことがあったの?」もちろん、この質問はイスラエル政府にも投げかけられており、彼らの答えは「教えない」です。

 

私たちの答えは「ノー、ノー、ノー」であるべきだと思います。私たちがあなたに送金している限り、もしあなたが我が国で犯罪を犯しているなら、私たちには「あなたがそれをしたのか、していないのか」を知る絶対的な権利があります。

 

しかし、誰もが洗脳され、それが憎悪や偏見の表現だと思い込まされていますが、実際はそうではありません。これはすべてのアメリカ国民が持つ基本的な質問です。「一体これは何だったのか?」という答えを求める権利です。

 

[原語]

 

And I think the real answer is Jeffrey Epstein was working on behalf of Intel Services, probably not American.

 

And we have every right to ask, on whose behalf was he working? How does a guy go from being a math teacher at the Dalton School in the late 70s with no college degree, to having multiple airplanes, a private island, and the largest residential house in Manhattan?

 

Where did all the money come from? And no one has ever gotten to the bottom of that, because no one has ever tried. And, moreover, it's extremely obvious to anyone who watches that this guy had direct connections to a foreign government.

 

Now, no one's allowed to say that that foreign government is Israel. Because we have been somehow cowed into thinking that that's naughty. There is nothing wrong with saying that. There is nothing hateful about saying that. There's nothing anti-semitic about saying that. There's nothing even anti-Israel about saying that.

 

I've spent my entire life pretty much in Washington. Where I knew and loved a number of people, including one very close person who worked at CIA. That has never prohibited me from saying, I think the C.I.A. has done some horrible things, murdered a bunch of people, participated in the murder of a sitting U.S. president.

 

It's got a whole trail of crimes. That doesn't make me a disloyal American. It doesn't make me anti-American in any sense. I was born here. My family's been here for hundreds of years. I love this country. That's why I live here.

 

So criticizing the behavior of a government agency does not make you a hater, it makes you a free person. It makes you a citizen. You're allowed to do that because you're not a slave, you're a citizen.

 

And you have a right to expect that your government will not act against your interests. And you have a right to demand that foreign governments not be allowed to act against your interests. That's not creepy. It shouldn't be forbidden.

 

And yet all of us have trained ourselves to believe that you can't say that somehow, that that's like, too naughty and forbidden. And the effect of making that off limits has been to create a lot of resentment.

 

And I'll say it, hate online, where people feel like they can't just say, like, what the hell is this? You have the former Israeli prime minister living in your house. You have all this contact with the foreign government. Were you working on behalf of Mossad? Were you running a blackmail operation on behalf of foreign government?

 

By the way, every single person in Washington, D.C. Thinks that. I've never met anyone who doesn't think that. I don't know any of them that hate Israel, but no one feels they can say that. Why?

 

And I think the longer that we play along with it, the more subterranean and creepy and hateful the conversation actually becomes. So I think it's better just to say it right out loud. Did this happen? And, of course, that question has been asked to the government of Israel, and their answer is, we're not going to tell you.

 

And I think our answer should be, no, no, no. As long as we're sending you money, if you are committing crimes on our soil, we have an absolute right to know, did you do this or not?

 

And yet everybody has been so brainwashed into thinking that's somehow an expression of hate or bigotry, when it's not. It's a baseline question that every U.S. Citizen has a right to. To an answer on What the hell was this?

 

補足:

 

1)ターニングポイントUSATPUSA)は、高校、大学、大学のキャンパスで保守的な政治を主張するアメリカの非営利団体です。2012年にチャーリー・カークとビル・モンゴメリーによって設立されました。TPUSAの関連団体には、ターニングポイント・エンダウメント、ターニングポイント・アクション、TPUSAフェイスなどがあります。 TPUSAは、アメリカで最も急速に成長しているキャンパス支部組織と言われており、高等教育クロニクルによると、キャンパスの保守主義の支配的な勢力です。(ウィキペディアより抜粋)

 

2)インテルと訳されているが、インテリジェンス(諜報)の意味で短く言ったのを書き下しのソフトがintelとだけ出力したのだろう。 上に引用の吹き替えバージョンの動画ではそのように翻訳されている。

 

 

2025年7月12日土曜日

悲報!:ネオコンの支配下となっても尚自分を天才だと思い込むトランプ大統領

米国で人気のyoutuber であるナポリターノ判事が、今や日本でも有名なシカゴ大のネオリアリズム派(補足1)の政治学者であるミアシャイマー教授にインタビューした非常に重要な動画がyoutubeにアップされている。それを視聴して、今後世界はたいへんなことになると思った。

 

トランプは日本では今年の初めまで反グローバリズムの騎手のように思われ期待されてきた。それゆえ、何故ネオコンたちを閣内に入れたのかは疑問だった。しかし、この動画を視聴してそんな疑問は雲散霧消した。彼はグローバリストや反グローバリストなどと云う言葉自体も十分には分かっていない可能性大だからである。

 

トランプは、ウクライナ戦争を何時もバイデンの戦争であり、自分(トランプ)の戦争ではないという。自分が米国大統領になった瞬間から、米国が関与する戦争は自分の戦争であることすら分かっていないのだ。(補足2)動画の日本語への吹き替え版を下に引用する。オリジナルは、https://www.youtube.com/watch?v=SibRpRo5-lAにある。

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=RHEfXp20Xho

 

トランプ政権を知るには最高の動画なので、是非繰り返し視聴してもらいたい。話題はウクライナ戦争やイスラエル・イラン戦争から相互関税等に亘り広範であり、すべてを短時間にまとめることは不可能なので、ここでは最重要なトランプという人物についての評価を紹介し本記事を終わる。

 

ミアシャイマー教授によれば、トランプは自分を天才だと思っている。そしてルールつまり法令すら、自分には不要だと思っている。彼は何か重要事項を決定するときでも、その分野の優れた専門家に話を聞いてから決定するべきだとは考えない。天才の自分には、自分の直感がベストなのだ。そして、そのように、例えば相互関税の税率などが決定されたという。

 

更に、この動画の最後にミアシャイマー教授は次のように語った。

 

ここに無法な大統領がいます。これは国全体にとって恐ろしいことです。外交政策の問題そのもの、テロリストそのもののことなどはさておき、ホワイトハウスに嘘をついてもいい、法律など気にしない、事実を捏造してもいいなどと考えている人物がいるということは、本当にひどいことです。そして、私たちはその代償を払っているのです。

 

最後に一言:

 

最近米国はブラジルに50%の関税を課すと発表した。その理由はなんと彼と仲良しだった前大統領を起訴したからだという。また、ナポリターノ判事は今回の関税の根拠は国際緊急経済権限法(IEEPA)と大統領の緊急事態宣言に基づいているが、貿易赤字はこの30年間づっと続いていることなのだと指摘している。

 

 

何もかも滅茶苦茶である。そう考えれば、原口一博氏や石田和靖氏がボロクソに言う石破政権のトランプ関税に関する交渉も簡単にゼロ評価すべきではないのかもしれない。

 

補足:

 

1)国際政治におけるネオリアリズム学派とは、国家と国家の関係は本来野生の関係であるとして国際政治を分析する学派である。この考え方では、国際法でもなんでも、条約は強国による弱小国の支配の道具ということになるだろう。

 

2)ナポリターノ判事はこの動画収録時に、現在ウクライナ戦争は誰の戦争かと問うアンケートをとった(21 分あたり)。80%以上は、ウクライナ戦争は現在トランプの戦争であると答えた。視聴者は米国でもやはり高い見識をもっている。

 

 

 

2025年7月11日金曜日

貴族階級が統治する日本国: 明日からそんな政治を許すな!

2年前に「貴族階級が統治する日本国とそれに従順な国民」というブログ記事を書いた。それは「これまで日本の政治は、一般国民にとってはお上(おかみ)の仕事であり非常に遠い存在だった」と昨日の記事に書いた政治状況の別表現である。

 

参政党は、有権者が集まって日本の政治をみんなで作り上げようというDIYdo it yourself)政治を目指す政党だと理解する。つまり、現在の日本の政治の実態と参政党の目標とする政治は対極にある。明治から続いたこの悪しき伝統を打ち砕くことを目標とする参政党に期待する。参政党は安易に保守の看板を掲げるべきではない。

 

そこでもう一度2023年の720日投稿のこの記事を再録する。

 

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日本が英国等西欧の強力な関与により“近代国家”になった時(補足1)、政権を取った人たちは自分たちに都合の良い西欧の貴族制度も導入した。古代から続く天皇がその頂点に置かれたが、天皇は貴族らが担ぐ神輿の上にあり、かれらが神輿ごと投げ出すことも可能であった。(追補1)

 

それが敗戦で幕を閉じたと言われる大日本帝国の姿だろう。ただし、現在の政府は法的にはこの延長上にあり、決して大日本帝国の政治が批判されて終わったわけではない。従って、日本が唯一の国連敵国条項の対象となる国である。日本だけが何故世界の敵なのか? 国連憲章敵国条項 | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

天皇は戦前の御前会議でも発言は殆ど無く、憲法にある輔弼がまともに行われたのかは疑問である。また、敗戦で天皇は囚われの身と思われる立場に置かれた(補足2)ことも考えると、上の比喩はほぼ正しいだろう。

 

これら全く理解に苦しむ日本の政治の原因は、日本の「近代国家」は単に西欧の模倣品であり、日本人がその本質を理解していないからである。その証拠に、現代の西欧民主国家は、近代国家の延長上にあるので、日本とは違って国民は主権を保ち、国家の防衛も国民が担う。

 

日本は未だに近代の国家(帝国主義の国家)であり、民主主義の国だと信じている人が多いかもしれないが、国民一般は国民の中でいくら頑張っても、国会議員にはなれない。いびつな選挙制度によって、明治の貴族の末裔は特権を維持しているのだ。反論するむきには下のグラフ(非常に高い日本の供託金)をプレゼントしたい。https://honkawa2.sakura.ne.jp/5230h.html

smartenkyo.comから借用しました。もし、著作権上困るとおっしゃるなら、コメント欄でご連絡ください。削除します。)

 

繰り返す:日本だけ非常に高い供託金は、明治以降の貴族以外は、そして彼らに従う芸能界やスポーツ界出身の新貴族以外は、国会議員の席から除外するためである。https://blog.smartsenkyo.com/1508/

世界と日本の供託金ランキング‐供託金とはわかりやすく解説‐ スマート選挙ブログ (smartsenkyo.com)

 

男女同権を日本人は良く口にするが、その先進国である民主主義の国のスウェーデンには、18歳になった段階で、男子だけでなく女子にも兵役の義務が発生する。国民主権だとか、男女同権なんて叫ぶおばさんたち(e.g., youko tajima元議員)には、兵士になる覚悟を持ってからにしてほしいものだ。https://www.afpbb.com/articles/-/3119940

 

国民に主権がない事の証拠はたくさんある。たとえば、戦争末期の大空襲や原爆投下の指揮をとった米国のカーチス・ルメイに勲一等を授与することは、国民の反対を無視して行われた。その決断をした佐藤栄作は、長州下級武士の末裔である。

 

ごく最近では、あのコロナウイルスの開発研究は、武漢の研究所の石正麗研究員らが米国の支援で行った。その研究支援をした米国のアンソニー・ファウチ博士に旭日章を授与したことなど、知らない国民の方が多いだろう。https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/fuji-kazuhiko/274.html 「武漢ウイルス研究所流出説、海外で再び広がる…ファウチ所長のメール公開、風向き変わる」

 

LGBT法なんて、国民の意思など何処で聞いたのか? 自民党部会では反対多数だった筈だが、委員長が強権発動して党内の委員会を通した。それを指示した岸田自民党総裁は、神谷宗幣議員が国会質問した時には、内閣総理大臣の顔になって、私は首相であり議員立法にはコメントする立場にないとして逃げるのである。https://twitter.com/KadotaRyusho/status/1666811247088771074

 

因みに、参政党は日本で初めての民主主義に根差した政党だが、それを潰す動きがあるようだ。その一つが、あの「永遠の0を書いた右翼小説家による新しい保守政党結党の宣言である。彼の新党の設立理念は、恐らく桜井よしこさんなども賛成する、戦前の貴族政治を礼賛するものだろう。

 

西欧文明である“民主主義政治”の形式を真似して取り入れながら、その実態は寒々としている。文明と文化の関係も考えたことも区別する気もなく、日本の伝統文化に拘泥しながら、政治システムの方は猿真似を継続するのである。御目出度い限りだ。

 

日本の国民は、その西欧の国民の姿を猿真似するのだが、意味がよくわからないので、国民主権を信奉しながらそれが犯されても別に何の行動もしない。ただ、「国民主権」或いは「民主主義」などのお経を唱え続けるのだろう。

 

そして、選挙という戦前から続く大日本帝国の儀式(補足3)で、うやうやしく元の永田町に巣食う貴族階級をそのまま承認する役割を演じている。民主主義下の選挙とは矛盾する一票の大きな格差と馬鹿高い供託金には何も感じないのである。

 

マスコミの姿勢:

 

政治の実体は隠せばよい。放送局には総務省がにらみを利かせば、何とでもなる。新聞社も真実を書いてトラブルになるのは、現在の枠の中に安住する人たちには耐えられない。政府がうまく隠してくれれば、報道しなくて済むので嬉しいのだ。

 

芸能ゴシップやスポーツ記事、殺しや災害だけで十分のニュースとなる。夏の暑さだって、気象庁が“命の危険がある暑さ”だとか何とか言ってくれるので、命だけを特別に考える家畜的な人たち(補足4)への配信にはA級記事となる。

 

明治の元老や元勲とかいうのは貴族であることは言うまでもない。庶民は食うや食わずで暮らし、戦争に駆り出されて殺されても、何も言えない身分だが、明治の貴族たちは妾を何十人ともって、悠々と暮らしてきた。

 

例えば、渋沢栄一は50人の妾を持っていたという人(元スタンフォード大、フーバー研究所元教授の西鋭夫氏)もいるが、その人が次回1万円札の顔となる。目出度い限りだ。そんな歴史の国なので、官房副長官が自宅と愛人宅の二重生活をしていて、殺人罪の捜査を妨害した疑いがあるとか言っても首にはならないのは、貴族の身分だからよくあることだと永田町では納得しているだろう。

 

それに、政府から去ることになっても、貴族は食うには困らない。一私人になっても、家で首相に今後の行政を指導してくれれば、官房機密費で給与は渡せる。

 

終わりに:

 

今回は今や年寄りとなってしまったベビーブーマーの愚痴で終わります。多くの同世代の人は同意してくれるだろうと思いますが、ご不満の方はぜひコメントをお願いします。

 

 

補足:

 

1)明治のクーデターは、長州のはぐれ者たちが徒党を組み、英国からの資金で近代兵器を供給してもらい成功した。徳川慶喜は知的に優れていて、背後の巨大な存在を知ってか、戦う意欲を無くしてしまったのも一つの原因だろう。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12594710571.html

明治維新と銃の性能:尊王攘夷派の背後に外国(英国?)の影(再録) | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

2)天皇が何か趣味の物を購入することなどは出来るが、そのお金は国家予算の一部から支出される。つまり、皇室は昔莫大な財産を保有していたが、現在は自由にできる財産はない。それが全てを語っている。https://bunshun.jp/articles/-/44957?page=2 昭和天皇「生誕120年」新資料発見 総額4400億円…GHQが奪った天皇家の財産リスト

 

佳子さまが“お母さんは結婚するときに納得した上で皇室に入ったのでしょう。でも、私とお姉ちゃんは違う。生まれた時からここしか知らないのよ”と強い口調で仰ったこともあったという。https://www.dailyshincho.jp/article/2021/09151206/?all=1

「私たちは籠の鳥」佳子さまが放った肉声 紀子さまとの激しい口論の中身とは デイリー新潮 (dailyshincho.jp)

 

3)政治家が公共の電波を利用して、この国の将来などについて前提なくとことん議論して、国民に提供したことがあるか? 皆無である。更に、総理記者会見などで、まともな質問と答弁が、自由になされた光景があったか? 短時間で限られて数人が形式的に質問し、形式的に答弁して終わるのが日本の記者会見である。

尚、国民の広い範囲から政治に参加するには、それを防止している現在の選挙制度を改正する必要がある。それらは、例えば、立候補の壁となっている供託金の低額化、一票の格差の完全解消である。

 

4)梅雨明けの豪雨くらいで、「土砂崩れの危険のあるところでは、命を守る行動をとってください」とか、テレビで言っている。命を守ることは自分でやればよい。テレビでお願いするのは異常で、家畜に対する申しつけなのかと一瞬思った。

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以下は今回新たに書き足した追補である。

 

追補:

 

1)そんな馬鹿なと思われる方には、以下の記事を推薦する。

 

 

2025年7月10日木曜日

参政党の本質:参政党つぶしに躍起になる対米従属の保守政党

今度の参議院選挙では参政党の躍進が予想されている。そして他党には、それを警戒する人たちの厳しい言論も多くなっている。参政党には成長初期に遭遇する試練である。(以下断定的に書くことを含めすべて筆者の思考結果であり、必ずしも参政党等の公式見解ではない。)

https://www.youtube.com/watch?v=gdIKDM1CQk8

 

 

参政党は、日本を本物の民主的な独立国にしたいという志のある人たちが集まり、一緒になって作り上げる政党だと私には見えている。政党名は、このDIY(自分たちで作り上げる)政党とでも言うべき特徴に由来するのだろう。

 

これまで日本の政治は、一般国民にとってはお上(おかみ)の仕事であり非常に遠い存在だった。(補足1)参政党は、その政治を自分たち一般民の視野の中にしっかりと捉えて、国内的にも国際的にも、あまりにも弱体化した日本の政治力を回復しようというのである。

 

参政党は、神谷宗幣氏が中心になって2020年に結党されたが、政治家としての神谷氏の経歴は2007年の吹田市議に始まる。結党と同時に多くの仲間を募集して活動を始めたが、当初は上記の目標を必ずしも最優先しない人たちも加わり、内部で少しぎくしゃくした。(補足2)しかし、今となっては参政党の特徴を理解する人たちが多くなり、そのような混乱は生じないだろう。

 

この政治をDIYするのだという感覚とそれを実行する強い意思は、民主国家にとって最も大事なことであるものの、これまでの日本には完全に欠けていた。それらを神谷氏から学んだ多くの逸材が集まり、彼らの思考と政治的活動とにより、この政党は年輪を重ねる毎に大きく成長する可能性がある。

 

個人商店的政党から、上場企業や大企業、更にはグローバル企業的な政党に成長してもらいたい。そのプロセスで大事なのは、優れた人材の参加と組織の最適化、そして政治思想のブラッシュアップである。

 

現在、下にも示したが、類似政党などからの妨害や貶しに遭遇しているが、それらの解決は成長の肥しとなり、参政党の政治的財産となっていく筈である。しっかりと対立と議論をしてもらいたい。

 

日本の政治をリードする段階に至るには、「神谷氏が党首の頃の参政党は軟で壊れそうな弱小政党だったね」と参加者(つまり党員等)が語り合う位の成長が必要である。以下、中心的政治課題についての参政党の姿勢などについて、問題点も含めて簡単に所見を述べる。

 

2)参政党の憲法草案

 

最近発表した憲法草案は、今後の参政党を占う資料として重要である。https://sanseito.jp/new_japanese_constitution/

 

ただ私の意見を述べれば、この草案の目指す部分は分かるが、出来はそれほど良くはない。例えば、第四条(国は、主権を有し、独立して自ら決定する権限を有する)に対し、国民主権を否定するのかという疑問が一般人から出された。その反論には一理ある。もっと専門家を交えて推敲したあと公表すべきだったと思う。

 

参政党に今後多くの人たちが集まり、その中には憲法学者も居るだろう。彼らを加えてこの草案を練り直すべきである。明治時代、大日本帝国憲法が作られたのが明治23年だった。プロイセン憲法を真似た憲法でも、制定までにそれだけの年月を要したことを考えてもらいたい。

 

特に前文から最初の2章の文案作りは、参政党の骨格が出来上がってから着手すべきだと思う。大日本帝国憲法のような国家観で本当に良いのか?(補足3) 参政党が政権に参加すると私が予想する2030年代、日本国は新しい段階に入るだろう。

 

その時以降の日本国も、天皇の赤子(せきし)の集合体と考えて良いのか? 伝統を大切にするとしても、それは将来の為であることを十分に承知してもらいたい。

 

 

3)参政党の安全保障

 

参政党の安全保障に対する考え方は、米国シカゴ大学のミアシャイマー教授の国際政治に対する考え方に学んで立案されていると思われる。その基本は、国家間の関係を野生の関係と捉えることであり、ネオリアリズムと呼ばれる。つまり弱肉強食の国際関係を前提として国家の安全保障を考えるべきだという思想である。

 

その考え方によれば、国際法を金科玉条とする現在の日本の国際関係の理解は全く間違いであり、このままでは多くの国際紛争の真実を見誤ることになる。ウクライナ戦争を単に国際法違反のロシアの侵略と見るだけでは、その背後にあるこの戦争の本質、米国のロシア解体と資源確保の野望(深慮遠謀)を見ることが不可能となる。

 

ロシアによる侵攻直前の本ブログサイトの記事:

 

 

 

国際関係の真実を見誤るようでは、我が国の確かな安全保障など実現できるはずがない。実際、これまでの日本の外交は、完全に米国追従あるいは米国隷属であり、それはバイデン政権までのウクライナと同じである。今日のウクライナの惨状を見れば、その姿勢は致命的な過ちだとわかるだろう。

 

最近、高橋洋一という元財務省職員により、参政党の神谷宗幣氏による安全保障政策に対して幼稚園レベルであるという品も内容も無い悪口がネットで公表され、それを歴史学者の茂木誠氏が批判的に解説している。https://www.youtube.com/watch?v=rsoEPTf7QVs

 

 

 

そのyoutube動画によると、現在の日本の政党による安全保障に対する考え方は3つに分類されるという。一つは国内個人間の善悪判断を国際問題に延長して適用し、日本は悪を為した過去を反省し隣国に謝罪を続け、且つ将来において重武装をしなければ自ずと平和になるという考え方であり、それを茂木氏は①お花畑派と形容している。

 

そして、二番目に高橋洋一氏が応援する日本保守党や自民党の②反共リアリズム派を取り上げ、その政策は日米同盟強化と対中敵視策と要約できるとしている。これは現在までの戦後80年の米国隷属外交を延長すべきと考える人たちの外交姿勢である。

 

そして三番目に➂反グロ・リアリズムと名付けたのが、参政党が採用する「日本ファースト」路線であり、トランプの米国ファーストと類似の路線である。シカゴ大のミアシャイマー教授らのネオ・リアリズム学派的見方で国際関係を分析し、真に独立した主権国家日本の確立を主張する。

 

茂木氏によると、コロンビア大のジェフリー・サックス教授もその学派の中に入るようだ。サックス教授のヨーロッパ議会での講演によれば、直近30年間ほどの米国が平和を守るとして関係した中東における戦争のほとんどはイスラエルと米国が仕組んだ戦争だったという。https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/34317 (補足4)

 

自民党が戦後80年間続けてきた米国追従あるいは米国隷属政治は、今後日本国にとって致命的となる可能性が大きい。従って、日本国が例えば中国の属国となる方向に進む前までに、参政党に政権をとってもらいこれまでとは違う安全保障路線をとってもらいたい。

 

ネオ・リアリズム的考察による日本の外交関係の解説はワシントン在住の伊藤貫氏により以前からなされてきた。外交は相手があることなので、政治家が学者の受け売りでは危険であるが、反対の考え方を持つ人も含め大勢で考えることで正解となる外交に近づくだろう。

 

既に神谷氏は外交政策について伊藤氏とも会談を行っているのでその動画を引用しておく。

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=IpK8qqA96eo

 

そのように専門家を含め世界から多くの人と意見を広く集めて学び、そして政策を決定する政党になってもらいたい。そしてそのような政治的情報をインターネットで世界に発信してもらいたい。小さくまとまってはならないと思う。

 

補足:

 

1)このお上が、江戸時代の幕府や諸大名であり、戦前の貴族階級、そして戦後の家業として政治家を相続している者たちである。一般国民は、牧羊のようにお上に管理される存在に安住する傾向がある。その原因は、日本文化なのだがここでは書くことを慎む。

 

2)その一つである武田邦彦氏とのケースでは、武田氏は党に相談しないで日本保守党との連携を強く主張したことがあった。武田氏は日本保守党と参政党の違いが分からない人なのである。これらについては二年前にシリーズで書いた。最後の記事を下に引用する・

 

 

3)憲法は国家の骨格と基本構造を現し、それは国民への約束でもある。国家主権は国際社会にあって外交上の主張であり、憲法では主権と言えば国民主権制か立憲君主制かの別を述べるべきである。参政党の憲法草案では立憲君主制のようだが、本当にそれで良いのか、明確に国民主権とすべきではないのか良く考えてもらいたい。

 

4)トランプの対イスラエル姿勢を見ると、米国はこれまでイスラエルロビーの支配下にあり、その制限の下でトランプは必死に米国ファーストを取り戻そうとしているように見えなくもない。ただ、トランプもやはり対イスラエルという点では、これまでの政権と同じであるという見方がやはり正しいのかもしれない。

 

(20:40、24:00、翌早朝、拡張及び編集し最終稿とする)