世界は混乱の中にある。しかしよく見ると二つの勢力が中心に戦っているように見える。その戦いの理由と今後の人類に残された道を、人類史を俯瞰する方法で考えてみる。(2026・2・15)
生存競争の果てにある「袋小路」
人類史という視点で歴史を振り返ることは、人種差別、宗教差別、さらには民族の発祥地による差別などを乗り越えて、人類共同体を達成するという思想の出発点である。それはまた、生存競争を勝ち抜き世界を統治するという「支配の思想」を、それぞれの民族が放棄することを要求するものでもある。
20世紀までの人類史は、食料と住空間のベースとなる領土を奪い合う生存競争が、社会を大家族から民族、そして国家(以下「民族」)へと育て上げ、技術の発展に伴い戦争を大規模化させてきた物語であった。つまり、いかに自らの生存を確保するかという視点から「民族」を中心に政治経済を運営することが、正統な思考であった。
しかし、核兵器の出現やミサイル技術の向上によって、その思考の延長線上には、終末戦争的な全人類の悲劇しかないことが明白となったのである。
20世紀の人類史:技術的解決と「世界政府」の罠
20世紀後半、先進諸国は既に、生存競争の根底にある「食料と住空間」という物理的課題を、互いの協力と技術革新によってほぼ解決していた。ハーバー・ボッシュ法による窒素固定や農業技術の発展、高層建築や地下街を可能にした土木技術、そしてそれらを機能させる金融経済体制の整備である。
欧州を中心に、国境を固定化し、悲惨な生存競争の歴史に終止符を打とうとする理性的潮流が生まれた一方で、別の一群が現れた。「人類は生存競争の罠から逃れられない」という本心、あるいは信仰に近い確信を持つ世界の指導層である。彼らは、自らが生存競争の頂点として君臨する「世界政府」を作り上げる道を選んだ。
これが金融資本家や欧州王族を中心とした世界のエリート層であり、彼らの「支配の思想」と、理性的・平和的な「共生の思想」が深層で対立を始めたのが21世紀である。ウクライナやガザでの戦争は、まさにこの対立が表面化したものに他ならない。
現代のまやかし:グローバリズムの二重構造
グローバリズムによる世界統治は、国際協調を謳う「まやかしの国際機関」の設立から始まる。彼らは世界経済と軍事力を独占し、表の開放空間では「法と倫理」を説きながら、地下の閉鎖世界ではエプスタイン事件に象徴されるような「要所の不法管理」を併用する。かつての共産主義革命と同様、彼らはこの二重構造を用いて世界制覇を目論んでいるのだ。
彼らの強引な手法、そしてSNSによる大衆の目覚めにより、現在は国家主権を重んじるナショナリズムの側が緩やかな巻き返しを図っている。この「焦り」に基づいた管理社会化の延長には、一部のエリートだけが享受する天国(エリュシオン)と、その他大勢が置かれる地獄という分断しかない。
ここで、支配の企みが潰えた先にあるべき「人類史の四段階モデル」を提言したい。
人類史の四段階説
第一章:生存と市民革命 大家族から絶対王政に至る専制支配の時代を経て、経済発展と大衆の力により共和制国家が誕生するまでの、物理的生存権を確立した時代。
第二章:金融界と王室のコンプレックス 英米を中心とした現代までの世界。伝統的権威(王室)と巨大資本が、タックスヘイブンや外交特権という「聖域」を通じて、不透明な世界管理を行ってきた時代。
第三章:宗教からの解放と並列デジタル管理 生存競争としての戦争から解放されたとき、他者を「悪」と断罪する一神教の教義は色あせる。並列的なデジタル技術が資金洗浄や聖域の管理を不可能にし、特権階級の団結を弱体化させる。日本的な汎神論の視点によって一神教が中和され、支配の道具としての宗教から人類が解放される時代。
第四章:自然との調和 資源の独占を必要としない、定常的で純粋な「生命活動」の時代。人は死を恐れる限り、自然と創造主を畏敬する。万物に神を見出す汎神論的人類として完成するこの章は、既に日本人の中にその萌芽がある。
結び:アイデンティティは「対話の形式」へ
「生存のための闘争」が終わった後、かつての王室や巨大資本、そして国家もまた、一つの「独立共同体」として並列存在することになるだろう。そして世界を構成する共同体は、ゆっくりとこれらから職能社会を中心としたものに変化していくだろう。
AIやロボット技術の発展により、職能は「何を作るか」から「どのように自然と対話するか」へと変化する。ある者は数学的に、ある者は哲学的に、またある者は医学的に。探検や、スポーツもある意味で自然との対話である。夫々が自然という巨大な摂理の一端を担い語り継ぐ集団となる。
支配と独占の物語を終えた先に、誰もが自らの専門領域で自然と対話できる「第四章」の歴史が始まる。その対話は、ある時は情熱的な攻撃性をもって、またある時は深い静寂の中で、連綿と続いていくのである。
(本記事の構成にあたっては、GoogleのAI・Geminiとの対話を通じて論点を整理しました。)


