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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2023年3月30日木曜日

ドル基軸体制の解体とグレートリセット:世界戦争のシナリオ

今年3月10日、サウジアラビアとイランが中国の仲介により国交回復に同意した旨を、北京から三か国の共同声明という形で発表した。この出来事は新しい時代の到来を告げているように見え、従って非常に大きなニュースである。 

 

3月20日、習近平はロシアを訪問し、経済や軍事などあらゆる分野での協力を推進する旨の文書に署名し、翌日に共同声明が発表された。この間、非公式4時間半、正式に3時間の合計7時間半の対面対談があったようだ。https://www.youtube.com/watch?v=Fo65q-MLKtM

 

上のyoutube動画では、二人の会談の目的をウクライナ戦争に関する協力関係確認のためとしているが、それだけであれば、矮小化した報道と言わざるを得ない。そのような協力だけなら、習近平にとっては自らモスクワ訪問するほど面白い話ではない。

 

ウクライナ侵略の動機(プーチンロシアの)は、ソ連崩壊後に軍事同盟のNATOがその領域を広げ、同祖のウクライナまでもその勢力範囲に入れるように工作を続けてきたことへの反発と、そのNATO軍からロシアを防衛するためである。(補足1)

 

プーチンのウクライナ侵攻は、単なる領土欲或いは同じ民族の救出だけではなく、米国グローバリズム勢力から主権国家としての体制を防衛する為とも言える。習近平がわざわざモスクワに出かけたのは、中国も基本的にその考えを共有し、その方向で協力できるからと見るべきである。そうでなければ、7時間半も対面で議論などする筈がない。

 

日本では、中露の専制国家グループとウクライナを含む西側民主主義諸国の対立という枠組みで見る人が多いかもしれない。枠組の地理的設定は今のところ正しいが、 その勧善懲悪ドラマ的な見方は時代遅れであり、正しくないだろう。

 

米国中心のグローバル化勢力による世界支配に反対し、中露が主権国家体制を維持する勢力としての団結を確認したというべきだろう。トランプが「私が米国大統領なら、この戦争も中露の接近もなかった」と言うのは、彼も米国民主党のグローバリズムと対決しているからである。

 

もしトランプが米国大統領だったら中国とロシアは接近する理由がなく、むしろネオコンDS(ディープステート)の戦争ビジネスから卒業し、米国はロシアと「法と人権」を理由に接近していた可能性が高いと思う。(補足2)

 

ウクライナ東部でのロシア人の人権問題なども、ミンスク合意の完全実施という形で一応解決していただろう。そしてゼレンスキーは大統領職から離れていたと思う。

 

2)世界を二分する戦いとドル基軸体制の崩壊

 

今、世界は激変期にあり、政治経済において世界を二分する枠組みが作られようとしている。ウクライナ戦争はその境界線上での争いという性格がいよいよ明確になって来ている。同様の現場として、中東と東アジアがある。日本人としてはそれが非常に心配である。

 

今回の中露首脳会談は、ロシアと中国が新しい政治経済の枠組みを造り、既存の米ドル基軸体制から離れ、新たに例えば「元決済圏」を樹立する方向に合意したとみるべきだろう。https://www.sankei.com/article/20230322-Y7D7GN755RLYREDRRXOBSCYLSI/

 

サウジアラビアとイランの国交回復も、アラブが米ドル基軸体制からの離脱を考えてのことだろう。実際、習近平は昨年12月に中東を歴訪し、石油の元決済を提案している。北京での国交回復の合意は、このような意味があるだろう。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB00006_W2A310C2000000/

 

 この先米国の政策に変化がなければ、つまりトランプ派が次期大統領の座を得なければ、中露が主権国家体制維持の勢力、つまりナショナリスト勢力の中心となるだろう。その後、最終的にはインドやブラジルなどBRICS諸国が参加を表明する可能性がある。

 

そして、これら諸国が今後ドル基軸体制から離れて、元を決済通貨にする可能性がある。その結果、膨大な米国債を保有するFRBは崩壊し、米国は新たな通貨体制に移行する。FRBの崩壊は「未必の故意」によるものかもしれない。

 

元が国際決済通貨になれば、中国の債務問題は一旦解決する。世界の半分が元を決済通貨にすれば、元の供給量は大量になる。それは、中国経済の立て直しの方法を探る習近平にとっては夢のような話である。

 

逆に、日本などドル基軸体制にどっぷりつかって、ドル建て債権を将来に備えてため込んだ国々には地獄である。FRBのドルは紙くずとなってしまうからである。日本も超円安地獄に落ち、日本の途上国化は一層進むだろう。(補足3)

 

 

3)第三次世界大戦: 

 

上記二つの勢力の境界、つまり中東と東アジアに位置する国々は、今後ウクライナのような状況に陥る危険性が大きいだろう。つまり、それは後の時代に第三次世界大戦と呼ばれるかもしれない。

 

ウクライナに関しては、最終的に昨年春にキッシンジャーが言ったような図式、つまりウクライナ東部二州の自治州とし、クリミヤをロシア領とする和平案で停戦になる可能性が高いと思う。

 

ゼレンスキー大統領が中国の習近平の訪問を要請したというニュースが流れているのは、その方向での合意を探るためだろう。ゼレンスキーは、中国の強い指導を受け入れざるを得なかったという言い訳を得た上で、ウクライナ戦争を終結させようという考えだろう。

 

 

ウクライナ戦争とは独立して、中東と東アジアの二か所で、両陣営の境界線引きのための戦争になる可能性が高いと思う。米国のネオコン政権が力を発揮すればするほど、戦争は激しくなるだろう。

 

早い時期に台湾は中国に吸収され、朝鮮半島は主権国家の統一朝鮮となれば、戦争は収まる可能性が高い。その場合、台湾は馬英九などの国民党が政権をとり、日本は中国の属国となるだろう。

 

日本と朝鮮半島にとっては、その方が傷が少なくて済むのだが、米国はそれでは済まない可能性が高い。共和党の下院議長が訪米した蔡英文をどのように遇するかで、それが見えてくるかもしれない。 これらドル基軸体制を潰すことと世界の二極支配にデジタル通貨の導入が、グレートリセットのさし当りの中身のように思う。

 

終わりに:

 

世界戦争のドサクサに紛れて、米国も新しい通貨体制に移行するだろう。その際、米ドルを外貨準備やドル建て債券として多額を保持するうるさい国々は、その大渦の中に消えればよいと思っているだろう。

 

民主党グローバリストらは、邪魔者が居なくなり、地球人口も少なくなり、新しい二極体制の涼しい地球を取り戻すことになると思っているだろう。RINO(名前だけ共和党)の人たちも同じだろう。デサンティスもマッカーシーもそのような人なのかもしれない。

 

兎に角、少なくともトランプだけは、そのようなシナリオの邪魔者なのだろう。以下のシマクラさんの解説における世界動乱のシナリオには概ね賛成である。しかし、それがトランプ元大統領による戦いであると言っておられるが、その考え方には私は反対である。また、9:20以降の内容は確認していないので、本記事の引用からは除外する。

 

 

 

 

(3/30/8:30;10:30;16:20 編集)

 

補足:

 

1)上に引用の動画の後半部分で中国関係の専門家である遠藤誉氏は、プーチンによるウクライナ侵略の動機を単に大ロシアの再興のためと解釈しているようだ。そして、それは許されるべきではないと日本の公式見解のようなことを言っておられる。それは、あまりにも動機を矮小化している。

国家主権の尊重などの国際法の遵守は、近代西欧の政治文化として大切だが、それを地球規模で侵害しようとしているのが欧米のグローバリスト勢力である。

人権問題も非常に重要だが、地球環境問題やパンデミックなどで個人の自由を取り上げる動きがグローバリスト勢力により試みられている。 

 

2)冷戦時代の産物であるNATOを今も維持するのは、米国の軍産共同体がそれを利用して戦争ビジネスを行うのためであるという見方が有力である。トランプは、戦争ビジネスをやめるなら米国に不要だとして、NATOからの離脱を考えていたことは良くしられている。https://www.cnn.co.jp/usa/35131494.html

また、ロシアが人権無視の強権政治を行っているとして、ナワリヌイ氏の暗殺未遂事件を取り上げる人が多いが、ナワリヌイ氏は現在も存命である。この件やサウジアラビアのジャーナリストのカショギの暗殺事件など、米国ネオコンの発表をそのまま鵜呑みにするのは危険である。なお、ネオコンをバックに米国オバマ大統領は、2千人もの外国人を宣戦布告の通知もなく無人機で殺害する命令を出したことも記憶しておくべきである。https://president.jp/articles/-/21210

https://note.com/iloveflying0306/n/n78b401c87c06

 

3)日本は世界一の債権国であり、その多くを米ドルで持っている。ドル基軸体制の崩壊は、この75年間に蓄積したドル建て資産が紙くずになることを意味している。

 

https://note.com/iloveflying0306/n/n78b401c87c06

 

3)日本は世界一の債権国であり、その多くを米ドルで持っている。ドル基軸体制の崩壊は、この75年間に蓄積したドル建て資産が紙くずになることを意味している。

 

2023年3月26日日曜日

日露戦争とは日本が米国の代理でロシアと戦った戦争なのか?:日本に真実を見る文化が欠けている

 

ウクライナ戦争が、ウクライナを米国の代理とする米露戦争であることを、日本国民一般はあまり知らない。それは、地上波TVが領土拡大欲に駆られたプーチンロシアがウクライナを侵略したという図式で一貫して報道してきたからである。


そして、この戦争に関する日本の外交は、そのモデルに基づき米国の指示でなされているように見える。ゼレンスキー大統領が、ウクライナの復興には日本のリーダーシップが大事だと言ったことにも、地上波テレビの出演者は何の違和感も感じなかったようだ。(補足1)


一方、サウジアラビアとイランが中国の仲介により国交を回復した。イスラエルのネタニヤフ首相は、アラブ諸国が対イスラエル包囲網を作るのではないかと危機感を抱き、中東が一気に不安定化の度合いを高めている。


もし、イランの核施設をイスラエルが攻撃したなら中東は大戦争の舞台となり、米国はそこに介入するだろう。その状況は、習近平中国が台湾進攻を開始するチャンスで、日本も戦争に巻き込まれる危険性があり、東アジアも一挙に緊張が高まるだろう。


米国は日本と韓国に対して、台湾応援を指示するだろう。そのような情況では、韓国は日和見を決め込む可能性があるが、米国の飼い犬的な日本にはその賢明さがない。それに加えてホルムズ海峡封鎖の結果、日本は深刻なエネルギー危機に陥ると考えられる。


もし、日本がウクライナ戦争に対して戦略的対応ができていれば、日本企業も出資をしている関係もあり、サハリンからの天然ガスでエネルギー不足をある程度緩和できる筈である。
 

日本は上記米露代理戦争でも、インドのように非協力的な立場をとるべきだったと思う。ウクライナ支援の先頭に立つような言動と行動は、中国と北朝鮮の核兵器に加え、ロシアの核兵器まで日本に照準を合わさせることになるからである。

 

元々、ロシアと中国は地政学的理由で仮想敵国関係にある。従ってロシアは、日本の対中防衛に関し利用価値の高い国だった。このような愚かな選択を日本政府がしたことの背景に、20世紀の初めから英米の日本とロシアに対する戦略があったと思う。

 

その戦略に乗せられた日本の岸田政権は、深慮遠謀もなく、ロシアを日本の仮想敵国にした。

 

 

2)日本のロシア嫌い

 

日本のロシア嫌いの背景に、日露戦争と第二次大戦があるだろう。それらは単に隣国との摩擦から始まった戦争と言うだけではなく、米国や英国の世界戦略に日本が利用された結果である可能性が大きい。これらの戦争のときには、日本も英米を利用した側面もあっただろう。

 

つまり米国は日本を、日本は米国のユダヤ資本を利用しようとしたのである。その英米との関係史の最初に位置するのが、明治維新である。それについては既にブログにしている。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12745118632.html

 

日本の武士の文化は成熟していたので、英国のユダヤ資本は日本を東アジアでの同盟国にしようと考えたのだろう。ただそのままでは、したたかな江戸幕府を意のままに扱うことが困難なので、英国は薩長というマイノリティを利用して、日本を利用可能な国に仕上げたのだろう。(補足2)

 

近代史を通して、英米は日本と近隣諸国との間にクサビ(補足3)を打ち込もうとしてきたのだが、日露間もその例外ではなかったと思う。そして日本の満州への展開や日露戦争も、米国や英国のユダヤ系資本の戦略的な働きかけの要素が大きかっただろう。(補足4)

 

その計画の最大の項目である日露戦争は、従って、日本を米国の代理とした米露戦争という側面があっただろう。(補足5)米国は、日本も米国の意思を正しく理解してくれると期待していたのだが、日本は自力でロシアを破ったと誤解した。

 

具体的には、英国と米国のユダヤ資本は、日本に戦争資金を貸し付けた。更に、ヨーロッパ側でレーニンやトロツキーというユダヤ人たちが、ロシア国内でテロを引き起こしてロシアが日露戦争に集中できないようにした。更に、米国のS・ルーズベルト大統領は終戦の仲介までしたのである。

 

このルーズベルトの働きを、親日的という言葉で形容するのはナイーブを通り越して愚かだろう。ルーズベルトは、ユダヤ資本のために働いたのだ。それは、タフト大統領を強引に落としてウイルソンを大統領にする時に証明されたと思う。

 

ルーズベルトは自分が所属していた共和党を割り、自身も立候補することで共和党のタフト候補の票を減らしたのである。その結果、ウイルソンは辛勝を果たし、大統領就任後ユダヤ資本の悲願であったFRB創設を行ったのである。

 

もし、日本が日露戦争の本当の意味を理解していたなら、大衆の反乱を抑えてでも、桂ハリマン協定を実行し、第二次大戦において米国の餌食にならなかっただろう。強いものには巻かれる振りをしながら、それを利用するのが本来の外交の筈である。

 

3)真実よりも和を大切にする日本文化:

 

本来の外交がない理由は、日本は真実を重要視しない文化の国だからである。そして身勝手な歴史の解釈を正史として記述することで、現在を最大限に重視し未来を軽視するのである。天武天皇による日本書紀も、漢の武帝が司馬遷に書かせた史記を模倣した、その様な文化の産物である。(補足6)
 

現在、日本は真実よりも、当面の和と幸せを大事にする文化に支配されている。例えば、会社経営では、不採算部門の整理は苦しむ従業員のことを考えて行わず、会社全体が滅びて皆が苦しむ道を選択する。

 

カルロスゴーンが日産の復活を不採算部門の切り捨てにより成功させ、見事に日本の弱点を描いて見せた。しかし、その絵が描く真実は日本人には見えず、「日本がデフレに苦しむのは財務省の緊縮財政に原因である」と今でも言っている。

 

 

【経済討論】積極財政論の何が問題か?[桜R5/2/24] - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=BMbM9T7Nz98

 

終わりに:

 

今回のWBCでの日本の優勝も、その原因の一つに米国各球団が開幕投手の参加を嫌がったことがあるようだ。それについては、日本のほとんどの人は知らない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/08a039de0cc14ba3b91a54e0f080404034f8cf9a

 

何故、米国はWBCを重視しないのかについては、例えば米国のWBC中継の視聴率を見ればわかる。数千万人が視聴するアメリカンフットボールのチャンピオンを決定する試合より遥かに少なく、せいぜい500万人くらいしか視聴しなかったようだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/239536

 

人々の和は現在の幸せには非常に大事だが、真実を深く追求する文化は将来の幸せを考えた場合に必須である。

 

 

補足:

 

1)岸田首相がウクライナの首都キエフを電撃訪問したときの首脳会談における言葉である。ゼレンスキーが日本にこの戦争を和平に導くリーダーシップを期待するとは言わなかった。つまり、日本に期待するのは復興のためのお金だと言ったのである。

 

2)ある程度成熟した政治の国で主導権を握るには、マイノリティを手名付けてクーデターを起こさせる方法が採られる。それはブレジンスキー元米国大統領補佐官が言った言葉でもある。よく考えてみれば、それは当たり前のことである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12674960725.html

 

3)分かりやすい例は、第二次大戦後に残った竹島、尖閣諸島、北方4島などを対象とした領土問題である。米国は、日本を周辺諸国から孤立させるためにワザと残した。

 

4)おそらく、満州を共同で開発して、ユダヤ人の住処としたかったのだと思う。そのアイデアに乗った日本軍部は、ユダヤ資本を利用して利益を得ようとしたのが所謂「フグ計画」である。米国は日本を、日本は米国のユダヤ資本を利用しようとしたのである。

ユダヤ人の反日感情の原因か? 満州でのユダヤ人移住者への対応 | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

5)このモデルは、現在のグローバリズムがトロツキーの共産思想の延長上にあるという理解が常識になったためと、ウクライナ戦争の意味から、私個人が思いついたものである。

 

6)正史を都合よく書くのには、その後の政権の安定を考えると当時では必須だったのだろう。それをこのように形容するのはいささか傲慢であるが、敢えて話の筋を優先した。

 

(16:20、編集)

 

2023年3月21日火曜日

トランプが拘束されたら何が起こるかわからない

 

トランプ元大統領が捏造された罪で逮捕される可能性が高い。ニューヨーク地区検事のアルビン・ブラックがバイデン政権からの依頼を受けて、以前に重罪での起訴は無理と結論がでていた件を蒸し返すようだ。

2023.3.20【米国】トランプは本当に起訴されるのか?【及川幸久−BREAKING−】※多言語字幕ありMulti-verbal subtitles※ - YouTube

 

今回この件について記載するが、ここで一言述べておきたい。今回の文章は素人による妄想の類なので、興味の無い方は読まないでほしい。ただし、私は数年間米国の政治をネットなどで見ながら、民主党政権が何が何でもトランプを逮捕するだろうと予言している。それは現在米国は内戦状態だと思うからである。

 

昨年8月には、検察はフロリダのトランプ邸での機密書類持ち出し疑惑に関して家宅捜索を行った。何とか逮捕しようと踏み込んだものの、それほど重要な書類は出てこなかった。また、その後歴代大統領の類似の持ち出しが明らかにされ、結局逮捕はあきらめた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12758875475.html

 

今回も、一度起訴をあきらめた件の蒸し返しであり、前回同様のプロセスで全て進むのなら、逮捕は無いだろう。しかし、数日前に中国から亡命している富豪の郭文貴がニューヨーク州連邦検察に逮捕されたので、ニューヨーク地区検事は新たに何かの筋書きを考える可能性もある。

 

 

 

これらの二人の逮捕の件をまとめて紹介しているHaranotimesの動画によれば、郭文貴は信用できない人物だという。私は、その意見を聞いて、郭文貴に司法取引とかで何か重要な証言をさせ、それをトランプ逮捕に利用する可能性を考えた。郭文貴は、トランプに近い人物だからである。たとえば:https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12633556474.html

 

 

2)トランプの身の上が心配である:

 

今回予想されている軽い犯罪(有罪でも一年以下の刑)でトランプ逮捕があれば、それはあからさまな検察の政治利用であり、批難されるべきである。そして、現在の検察があのゲシュタポに近くなっていることをほとんど全ての米国有権者に印象付けるだろう。

 

そこでイーロン・マスクは、トランプが逮捕されて手錠を掛けられた姿が全米に配信された場合、次回大統領選挙でトランプは地滑的大勝利を収めるだろうとツイートしたようだ。

 

イーロン・マスクがそのように言うのは恐らく正しい。彼は、トランプ逮捕をすれば期待とは逆の結果になると、極左検事のアルビン・ブラックに教え、トランプ逮捕を思いとどまらせることを目的に言ったのかもしれない。

 

しかし、ごく普通の知性の持ち主なら、イーロン・マスクと同じように考える筈である。現代版トロツキー革命を目指す”左翼”連中は、別のシナリオを考えている可能性が高いと素人ながら考えてしまう。それは、トランプが極左の一人に拘置所内で射殺される筋書きである。

 

つまり、オズワルドが拘置所内で暗殺された事件の再現である。オズワルド暗殺で、ケネディ暗殺の全計画が完了したのである。

【写真】リー・オズワルドの暗殺【ピューリッツァー賞】 | ネット美術館「アートまとめん」 (artmatome.com)

 

アルビン・ブラックはあのジョージソロスが地区検事の選挙のときに多額の費用を掛けて応援し当選した検事なので、この件の背後にジョージソロスなどのとんでもないユダヤ系勢力が控えている筈である。

 

彼らが、イーロンマスクが考えるようなことで、逆の効果しか生まないトランプ逮捕などする筈がない。

 

この件、トランプ側の弁護人として有力な人が現れたという話が、昨夜の及川幸久氏の動画で公表された。しかし、それはマイナーな情報にしか、私には思えない。https://www.youtube.com/watch?v=y0hXI5dudqw

 

 

 

追補:(21/17/10)

トランプが逮捕される可能性があるとする情報は、2021年1月6日に起こった議会襲撃事件のよう騒動を、トランプ支持者に引き起こさせ、今度こそトランプを暴動を扇動した罪で逮捕するという計画の可能性があると、HaranoTimesさんが発表しています。

 

この推理は非常に面白いので、追補として紹介します。

 

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2023年3月19日日曜日

グローバリストらの世界政治経済リセットについて(雑談)

3月10日、米国のシリコンバレー銀行が破綻し、その後、スイス第二のクレディスイス銀行も危機に近づいていると報じられた。これらは、世界の金融が緩和から引き締めに移行するプロセスの中で起きたことから、金融危機の心配は至極もっともな感覚である。

 

米国では、パンデミックのとき、中央銀行(FRB)は金利を底ギリギリの0.25%に下げる一方、バイデン政権は一般市民の80%に向けて多額のバラマキを行い、債務上限を引き上げて国債等でその資金を調達した。

 

ウクライナを米国代理とする米露戦争では、バイデン政権は多額の支出をすることで、米国の債務額は更に増加した。それらは必然的に市中銀行やFRBの貸借対照表を大きく膨らませる。国中の金融機関や法人等が国債を買う場合、その資金は銀行の信用創造やFRBの米ドル発行の両方から出るからである。

 

社会にお金がバラまかれ、それと同時にロックダウンや労働者の自宅待機などにより供給能力低下すると、必然的にインフレとなる。更に、ウクライナ戦争での対露経済制裁で、ロシアの石油天然ガスが西側諸国に供給されなくなり、エネルギー供給が減少しその価格も上昇した。

 

今後、ロシアも参加するオペックプラスは石油を減産することになるので、この状況は簡単には解消しない。供給不足による物価上昇にFRBは急激な利上げで対応してきたが、それは何か変だ。供給力を増加させる方向の努力をしなければ、それは大不況への道である。FRBは世界の大不況を計画しているのだろうか。

 

米国は金融引き締めによる需要抑制と為替の力で輸入物価を低下させれば、ある程度国内物価を抑えられるが、それは米国以外を非常に深刻にするだろう。ある程度経済力のある他の先進諸国は、為替レートを対米ドルで安定させるために利上げを行うのは自然である。

 

その結果、発展途上国はかなり悲惨なことになる可能性が高いだろう。後の方で説明する食料減産の影響も重なり、今後餓死者が相当出て人口減少するほど深刻になるだろう。むしろ、それを米国支配層は狙っている可能性がある。

 

私がその考え方に捕らわれるのは、この状況にあっても、ユダヤ資本を中心とした世界経済フォーラム(WEF)とその影響下にある勢力が、窒素肥料使用による環境汚染をでっちあげ、世界の食料生産を減少させる企みを始めているからである。

 

例えば、世界第二の農産物輸出国であるオランダでは、WEFの主宰者に次世代を担う若者と褒められた人が首相になり、合成肥料の使用量削減を法制化する作業をはじめた。農家は現在大規模な反対デモを行っている。CO2による地球温暖化も彼らグローバリストの吹聴するインチキである可能性が濃厚である。(小生の自己紹介に引用のブログ参照)

 

これまで化学肥料と開墾、低負荷の農薬使用などで食糧増産し、その結果世界人口は増加してきた。上記の世界規模の強引な運動展開は、一部の人たちがゆったり暮らせる世界帝国を他民族の人口削減によって成し遂げることを目的にしているように見える。(補足1)

 

地球環境問題と絡めて化石燃料や窒素肥料の使用削減を強要すること、ウクライナ戦争などの世界的な政治の混乱、世界の基軸通貨である米ドルの金利の操作による世界経済の混乱の3つは、今後途上国経済に大打撃を与えることになるだろう。それにより、多くの“地球市民”に健康被害を引き起こし、地球人口は減少することになるだろう。

 

 

2)パンデミックの件とトランプ逮捕

 

米国国立アレルギー・感染症研究所の所長ファウチ博士らが、中国武漢にあるP4研究所の石正麗博士らにコロナウイルスの高機能化(感染力や毒性の増強)研究を奨励した。パンデミックは彼女らが開発したウイルスが実験室から何らかの理由で漏れ出たことが原因だと疑われている。この件も、彼らグローバリストの上記シナリオの一部(4つ目)であることが疑われている。

 

先日のCPAC-2023の最後で演説したトランプ氏は、かれらグローバリスト(ディープ・ステートと言っているかもしれない)を米国から追い出すと正面からの戦いを宣言した。トランプは、ネオコングローバリストにとっては国内最大の敵である。

 

彼を含めて、グローバリストの敵として彼らが排除したい3人は、トランプの他、ロシアのプーチンと中国の習近平である。トランプがもし2024年の大統領選挙で(選挙のインチキさえも克服して)勝てば、かれはファウチ博士の新型コロナに関する悪行など様々な彼らの悪行を告発するだろう。(補足2)

 

そうなっては適わないと考えているネオコングローバリスト政権は、トランプを訳の分からない犯罪をでっち上げて、21日(日本時間は22日早朝)逮捕する予定だという。現在SES(senior executive service)の多くを輩出していることもあり、やりたい放題である。

 

この件は、ニューヨークサバイバルさんの動画でご覧いただきたい。この件、イーロンマスク氏は、もしトランプが逮捕されたら、2024年の選挙でトランプは大統領に当選するだろうと言ったという。しかし私は、オズワルドのように拘置所で射殺される筋書きを心配する。

 

 

 

3)世界でBRICSとアラブ諸国を中心に米国離れが起こっている

 

米国ネオコン勢力とそれに協力して暴利を得ようとした人たち、そして背後で支えるユダヤ系資本やロックフェラー系資本のチーム、いわゆる軍産共同体は、世界の内戦やテロなどを利用して米国の世界支配と自分たちへの利益誘導、および軍隊の訓練と武器とブラッシュアップを行ってきた。

 

その欧州での現場が、ソ連崩壊の時から現在までの東欧であり、現在はウクライナ周辺である。この米国の横暴は、米ドルが国際決済通貨の地位を持つことで可能となっていた。打ち出の小槌を米国ユダヤ人エスタブ(FRB)が持っているのである。

 

必然的に米国はダントツ世界一の対外債務の国となった。ただこの債務は米ドル建てである。多額の対外債権を持っていると喜んでいても、米国の金融覇権が終われば、それらは全て紙くずとなる。

 

このドル基軸体制の維持に協力してきたのがサウジアラビアである。つまり、米ドル基軸体制は、これまで世界の経済を支えてきたエネルギー特に石油の決済通貨としての地位を保持してきたから維持できたのである。

 

イラク戦争の原因が、決済通貨をユーロにしようとしたことに対し、その計画をつぶすためになされた。それは広く受け入れられた説である。(ウィキペディア参照)

 

世界一の石油輸出国のサウジアラビアは、自国の安全保障も考えて米国に協力してきたのだが、それも終わりに近付きつつある。バイデン大統領が。米国の情報員も務めたこともあるカショギ氏の殺害の犯人として、サウジアラビアのトップであるムハンマド皇太子を攻撃したことが切っ掛けである。(補足3)

 

最近、サウジアラビアは中国の仲介でイスラエルが敵視するイランとの国交を回復した。これで、中東のイスラム諸国は争いをあまりしなくなり、その結果イスラエルは周囲のイスラム諸国に囲まれ封じ込まれることになるだろう。それは、新中東戦争の勃発にまで至る可能性があり、中東は新しい緊張の時代に入るだろう。https://www.youtube.com/watch?v=5L58yD0lr1I

 

 

更に、石油産油国としてOPEC+のメンバーであるロシアとの関係も深め、それらの国々は新しい米ドルに依存しない貿易決済システムの構築準備をしつつあるようだ。新しい通貨が出来るとした場合、何らかのデジタル通貨が作られる可能性があると思う。このシナリオ全体は読めないが、世界の「グレートリセット」の具体的な形なのかもしれない。

 

これまでの米国の横暴に嫌気がさし、BRICSとOPECプラス、アフリカ諸国など広範な政治的連携が発生する可能性がある。米国、NATO諸国、日本韓国などの“自由主義”先進国陣営と、この「BRICSプラス」との新二極構造の時代に入る可能性が高い。世界の重心は「BRICSプラス」の方向に傾くだろう。

 

 

4)最終戦争の前哨戦

 

上記世界の二極構造が完成するかどうかは今年2023年に決まる可能性が高いように思う。米国民主党ネオコン政権のこれまでの悪だくみが完全に明らかになった場合、その政権は壊滅的打撃を被る可能性が高いので、そうなる前に大々的に米国共和党のMAGA勢力壊滅の戦いが始まるだろう。

 

その戦いは既に始まっているのかも。上に紹介したように、トランプが3月21日に逮捕されると言っている。罪状は2020年の大統領選挙のときに、トランプの力をそぐ目的なのかあるポルノ女優がトランプと浮気したと言い出したので、トランプ側弁護士が彼女に口止め料を支払った件である。その資金がトランプ側から不法な方法で流れたことにして逮捕するようだ。

 

そのような微罪は、時効の可能性が高いのだが、法廷も陪審員もチームで抑え込めば何とかなると考えているのだろう。そして、ヨーロッパではプーチンロシア大統領を、国際刑事機構に起訴させた。その茶番劇は、最近の及川幸久氏のyoutube動画で明らかにされている。ウクライナ戦争を長引かせるという意図があると及川氏が分析している。https://www.youtube.com/watch?v=52uYmo1qOgI

 

 

どんなことでもして世界帝国創設(グローバリゼーション、あるいはトロツキーの共産革命)を目指す彼らの最後の戦いなのだろう。彼らグローバリストネオコン軍産共同体の連中は、民主主義の衣装を着た中国共産党型の独裁を目指す人たちである。その独裁政権は、選挙は不正で簡単に勝利し、法律は自分たちにはやさしく、敵対勢力にきわめて厳しく適用する。

 

デジタル技術を用いて、世界帝国を完成し、世界中の人たちを監視する計画なのだろう。そのシステムつくりの実験が始まっているようだ。それは、WHOを中心にしたパンデミック条約の締結である。この件、我那覇氏が字幕を入れた動画をつかって警鐘を鳴らしている。要するに、主権国家体制を乗り越える練習を始めたのである。https://www.youtube.com/watch?v=jv71bR1BuE

 

(17時編集;19時編集補足2追加、補足番号変更)

 

補足:

 

1)嘗て存在した米国にジョージアに存在した石碑の碑文は、その彼らにとっての理想を書き記していた。それは熱狂的な彼らの一味か、逆にその企みを暴く目的で反対勢力が建立したのだろう。2年程前に何者かに破棄され、その目的は完全に陰に隠れてしまっている。

 

2)最近のケースでは、新型コロナに関する疑惑の他、2021年1月6日の米国議会襲撃事件は、実は下院議長のナンシー・ペロシらの工作であったことなどが明らかにされるだろう。20世紀後半から、彼らの不正により実行されている出来事は無限に近いだろう。米国は将に、崩壊の危機にある。

 

3)この件、承知の上でのムハンマド皇太子攻撃だった可能性もある。バイデンがそんな“へま”を自分の意志としてすると考えるのは甘いような気がする。メキシコ国境からの不法移民の件など、米国と米ドルを崩壊させる方向で、世紀の愚かな大統領を演出していると考えられないだろうか。

2023年3月14日火曜日

米国のモラル崩壊とその原因

伊藤貫氏と在日米国人のジェイソン・モーガン氏が、「何故、アメリカ文明からアングロサクソンとキリスト教的な価値観が消えたのか?」というテーマで議論した。https://www.youtube.com/watch?v=MWXKT9qq1gI

 

 

米国において伝統的価値観が消失し、社会の崩壊が進み、利己主義を最優先する風潮が国家の中心にまで見られる。米国社会のこの変化は、グローバル化が進む世界の政治経済における倫理・道徳の崩壊に繫がるので、人類文明の危機とも言える。二人は、その原因の分析に関し議論している。
 

最初に伊藤貫氏により道徳が崩壊した米国の現状について、過去60年間に支配層(マジョリティ)がWASP(白人アングロサクソンプロテスタント)からそれ以外に移行したことで、アングロサクソン的政治文化とキリスト教的価値観が破壊されたことが原因であるとの概観が説明された。
 

それに対しジェーソン・モーガン氏は米国の現状に同意する一方、その経緯については異論を出した。カトリック信者であるモーガン氏は、英国から移住したピューリタンの人たちはキリスト教徒とは言い難く、従って米国は建国時からキリスト教の精神に乏しいと言うのである。(補足1)
 

詳細な議論は専門外の私には追跡不可能なのだが、要するに、ヨーロッパの啓蒙思想がキリスト教的道徳から人々を「解放」し、個人主義と自由主義から利己的な成功を目指す風潮が強くなった。その結果、自己犠牲や自己抑制の社会における大切さを強調する宗教的価値観が消失したのである。

 

その風潮に迎合する考え方も発生する。アメリカの心理学者アブラハム・マズロー(Abraham Maslow)が提唱する「欲求5段階説」と呼ばれる自己実現理論が紹介されている。そして米国では、自己の尊厳を持つこと、自己主張すること、それらを通して自己実現するのが人生のあるべきパターンだという考え方が幅を利かせることになったようだ。

 

覇権国米国の考え方は当然衛星国に及ぶ。伊藤氏は、日本でも受け売りで同じ主張する人たちの一人として、先日襲撃された都立大教授の宮台真司氏の名前を出している。「自己実現を目指す前に、習得すべき道徳があるだろう」というのが二人の考えだろう。

 

伊藤氏は、キリスト教的道徳を回復しようという人も1960年代の米国には居たが、現在の大学などにも居なくなった。マスメディアも独善的になり、先日ワシントンポストに同誌の前編集長とCBSの人が書いた評論では、マスメディアに客観性など不要であると書いているという。そしてその理由は、何と!世界に客観的事実など無いからだというのである。(動画の40分頃から)

 

このような思想が、現在の米国の政治・外交とそれを報道するマスコミに信頼性が全く存在しなくなった原因である。そして二人は、客観性を失った米国に残るのは、ナチスドイツとソ連共産党の全体主義であると結論する。

 

実際、近代西欧が作り上げた主権国家体制と国際法とによって平和を目指す政治文化も、現在ではほぼ破綻し、国際社会は半野生の世界となっている。つまり、軍事的に強い国が、弱い国を支配下に置き、パワーゲームの駒に使うのである。

 

世界を啓蒙するという思い上がりと、能力のあるものが世界の富を独占するのは当然のことだという独善(補足2)が、モーガン氏に「ワシントンは全人類の敵」と言わしめるほどの政権を作り上げたということになる。https://www.youtube.com/watch?v=E7WLTY5zNbc

 

因みに上記米国を象徴する現象として、伊藤氏は、現在のアイデンティティーポリティックス(以下IDPLと略記)が生まれたと話す。古典的宗教が教えてきた人間の本来あるべき姿をゴミ箱に捨て、自分の病的異常性や未熟性までもアイデンティティだとして社会に向け主張するのである。

 

それは、家族や民族という既存構造を破壊し、人々をバラバラにするための道具となっている。LGBTQの権利確保の運動、BLM運動、クリティカルレース理論(補足3)などがIDPLに含まれる。

 

この米国の状況から本来の姿を取り戻すには、宗教を含めて古典を学ぶことが重要性だと二人は指摘している。私には、それは「時計の針を戻せば解決するだろう」という考えの様に聞こえる。つまり、今となってはそれでは問題解決にはならないだろう。

 

前回記事で書いたように、上記ワシントンの体制をつぶす動きが、そんな米国でも生まれ成長しており、それを援護する方がより有望だと思う。その点に言及されない点が最初に引用した動画における二人の討論が不完全だと思う理由である。


 

2)伊藤氏とモーガン氏が何かを見落としている?

 

上記討論の最後の方で、伊藤氏は米国の大学が1960年代から古典を教えないようになり、米国の価値観が現実主義と功利主義に染まったといっている。(補足4)それがモーガン氏の言う様に、ピューリタン的思想からの発展としてのみ解釈可能なのだろうか?

 

二人は肝心な要素に言及しない。つまり、二人は米国におけるユダヤ資本とそれに育てられた米国資本による産業の発展と、道徳心を欠いた米国の社会風潮との関連への言及を避けているように見える。伊藤氏は、米国の社会を混乱に導くIDPLを、ピューリタンの個人主義の延長線上にあると議論しているが、それは培地であってもIDPLの種ではないと思う。

 

ユダヤの資本家たちが米国支配のために発明したマイノリティの権利拡大という道具(補足5)の延長上にIDPLが生まれたと思う。アングロサクソンの政治文化の崩壊も、かれらの工作によると思われる。それはウィルソンが大統領になった際の経緯(補足6)、そしてウイルソンがそれに報いるためか、FRB(連邦準備銀行、米国中央銀行)を創設したことで分かる。

 

米国社会における道徳・倫理の崩壊は、彼らの支配下で生まれ加速された。マイノリティの彼らにとって、国家とその秩序は、彼らを弾圧する仕掛けと環境であり、最初から敵視の対象である。彼らが頼りにするのは、同族の団結のみである。

 

彼らとその仲間が勧めるグローバリズムは、全ての民族国家に対する敵意を動機の一つとしている筈である。例えば、日本に対しても彼らは敵意に満ちている。モーガン氏は米国の日本に対する憎しみの根源に、日本の神道が存在すると言う。(補足7)

 

神道によって作り上げられた日本の整然とした姿が利己主義で生きてきた現在の米国指導層にとっては脅威なのだ。例えば、12年前の東日本大震災の際にも、東北地方の被災者は苦難にありながら整然と耐えた。それを褒める人たちもいるが、それは陰では警戒と敵意の対象だろう。(補足8)

 

ユダヤ教の聖典であるタルムードには、「いいウソと悪いウソがある」(補足9)と教えている。その知恵に代表されるご都合主義と上記の国家秩序に対する嫌悪が、米国の今日を作り上げる上で大きな働きをした筈である。

 

今、そんな戦争と内乱さえも利用して大きくなった米国中心のグローバル政治・経済の後遺症が、世界全体で現れるようになったと思う。そんな米国中心の倫理崩壊の現状から逃れようとする国や人々が現れている。

 

BRICSを中心とした独自経済圏が構築されるのなら、そこに参加したいと考える国が増加しているようである。日本も、米国の指導と企みによって作られた近隣(ロシア、韓国、中国))敵視の外交をもう一度評価しなおすべき時期だろう。

 

例えば、以下の動画には賛成しかねる部分も多いが、このような意見が出てきたことは現在の世界を考えると興味深い。「日本はBRICs側に付くべき?インフレ、食糧、エネルギーなどから分析してみました - YouTube」: https://www.youtube.com/watch?v=giUf-QaEfB8

 

そのような現状に気づいた米国の右派たちは、古典への回帰も考えている筈である。トランプやデサンテス(フロリダ州知事)ら、そしてイーロンマスクなどに期待したい。世界は激動の時代に入っている。今その入口だが、新しい秩序の時代まで日本が存続できるかはわからない。


 

補足:

 

1)ジェイソンモーガン氏は、そのような道徳の崩壊が何故米国に起こったのかについての答えとして、米国はピューリタンが造ったという答えを用意したのである。 ピューリタンは当時の英国でカルト宗教と受け取られていたという。その影響下で成長した過激な米国の個人主義が、米国独自の“文化”として存在するという話である。それは或る意味単純な結論だと思うので、セクション2に私の考えを記した。

 

2)世界トップの経済力と軍事力で、民主主義と自由主義(個人主義)こそが社会の標準であるとの思想を世界に押し付けるようになった。そして、教えることと奪い取ることの区別さえ出来ないのが現在の米国だろう。彼らは、発展途上の主権国家に民主主義と自由主義を押し付けるビジネスモデルを発明した。途上国にテロや内乱を誘発して、自分たちが富を独占できる様な資本構造の国に転換するのである。民主主義と自由主義は毒を売る薬屋の看板に過ぎない。そのような仕事に従事する米国の若い人たちは悲惨である。自由主義個人主義の果てとして出来上がった大きな貧富の分布のなかで、大学に学ぶときの借金を兵役につくことで返すという人生モデルも、彼らの創造である。ここに彼らとは、ヨーロッパから移民として米国民となったマイノリティである金融資本家たちである。

 

3)クリティカルレース理論(Critical Race Theory)では、白人は黒人等を奴隷として支配したので、それに直接かかわらなかった白人もその責任を生まれながらに負うという考え方である。日本人を対象に、韓国や中国が用いる可能性が高いので、今後注意が必要だろう。


4)大学の社会的役割は単に高等教育機関であるだけでなく、社会に健全な価値観とそれに基づく文化を維持することである。日本ではこの大学の文化がない。それが日本の全ての大学が就職予備校となっている原因である。

 

5)これは何度も紹介してきた。「マイノリティの権利拡大はユダヤ人が米国で勢力を増す為に用いた」というのは、元大統領補佐官のブレジンスキーが言った言葉である。それは、マイノリティーであった黒人やヒスパニックを味方につけるためである。メキシコとの国境から不法移民の流入を助けて米国を混乱に導く米国の左翼政党、不法移民を南米から送り込む財団(オープンソサエティ財団)の主等には、米国の国益などどうでもよく、彼らは米国における彼らの勢力拡大から世界を支配することを目指している。それをグローバリズムという言葉でゴマ化しているのである。
 

6)第二期を目指すタフト大統領が再選される見込みが大きかった。どうしてもウイルソンを大統領にしたい彼らは、共和党を二つに割って異なる名称の党を立ち上げ、元大統領のセオドア・ルーズベルトを立候補させたのである。その結果僅差でウイルソンが当選したことになった。ウイルソンはFRBを創設するなど彼らのために働いた。

 

7)これまで伊藤氏は屡々、ワシントンの例えば国務省官僚たちは本当に傲慢な人たちだと言っている。その具体例として、周辺の国々が次々と核武装をしても、彼らは日本にだけは核武装を許さないと言う場面が最初の動画の後半にあった。この米国の対日姿勢に対するモーガン氏の分析である。

 

) 【衝撃】世界中のメディアが日本の凄さを痛感した光景「日本は尊厳と誇りの国だった。」

https://www.youtube.com/watch?v=70Bbg7caZRU

 

)ラビ・マービン・ケイヤ―著加瀬英明訳「ユダヤ5000年の知恵」(実業之日本社20088ページ)「タルムードでは二つの場合において、嘘をつきなさいといっている。もう既に誰かが買ってしまったものについて意見を求められたとき、たとえそれが悪くても、素晴らしいと嘘をつきなさい。次に、友が結婚したときは、必ずたいへんな美人です、幸福に暮らしなさいとうそをつきなさい。」

2023年3月7日火曜日

世界政治は今後望ましい方向に展開するかも

最近の米国の様子から、ウクライナ戦争だけでなく、これまで世界を戦争に巻き込んできたネオコンの支配体制も、終結に向かう可能性が高まった様に見える。その一つの切欠は昨年の中間選挙で共和党が多数を占めたことであり、そしてもう一つは政策の不満に人々は黙らなくなったことである。

 

この背景として、インターネットに親しむ人が増加したことで、世界の政治経済の支配を企むマイノリティの存在が一般大衆にも明らかになってきたことがある。そして、ウクライナ戦争のからくりから、米国の世界支配の方法に気づき目覚めた人が増加したのである。

 

この最近のネオコン勢力の企みについて、チャネル桜の討論番組で山口敬之氏が要領よく語っている。その部分を切り取った動画を拡散させることが、本ブログ記事の目的の一つである。https://www.youtube.com/watch?v=81lFrPLkAQQ 

 

 

この解説の中でマイノリティである米国のネオコンの手法が紹介・例示されている。それらはウクライナ戦争において地方都市ブチャで捏造された虐殺事件(補足1)とクリントンの外交政策を変更させたモニカルインスキー事件(補足2)である。 

 

個別的には、卑怯で悍ましい事件の捏造に加え、日本のヤクザも中国共産党政権も利用する古典的な方法:色仕掛け(ピンクトラップ)、金仕掛け(マネートラップ)、そして脅しであり、更に大衆全体のコントロール法としては、マスコミの占有とそれを用いた虚偽の宣伝とプロパガンダである。 

 

それらの仕掛けでも彼らの真意がバレるのは、インターネットによる情報拡散という対抗手段が生まれたからである。日本でもインターネットに限定すれば、これら米国ネオコン勢力の企みが明らかにされるようになってきた。米国では更に多くのスキャンダラスな出来事が最近明確になりつつある。 

 

例えば、ファイザー社が新型コロナウイルスの変異種とそのためのワクチンをセットで開発していたという話が、プロジェクトベリタスにより暴露された。これは、ネットを中心に権力者による様々な捏造を暴露する小さな組織である。

 

その後、ファイザー社から機密を持ち出す際に協力した女性は何者かにより脅され命の危険に晒されることになり、その創始者ジェームズ・オキーフがプロジェクトベリタスから追い出されることになった。それらの出来事も当局によって事件化はされていないが、ネット空間で伝搬されている。 

 

ファイザーからの機密持ち出しに協力した女性とジェームズオキーフが、最近開催されたCPAC(補足3)の年次総会にともに出席して、感動的なスピーチを行ったことが及川幸久氏の動画で報告されている。その紹介が本ブログ記事の二番目の目的である。https://www.youtube.com/watch?v=lRpLuGDMPAo 

 

 

このようなネット上のニュースから、世界の政治は激動期を迎えたことが分かる。

第二次世界大戦後、世界中で戦争を引き起こして自分たちの軍需産業を育て武器を開発し、そして世界の一極支配を続けた米国の終焉かもしれない。

 

今後は二極の世界に移るのか、多極支配の世界に変わるのか、混乱と人類絶滅の時代を迎えるのかは明らかではない。あらゆる可能性が考えられるが、何れのシナリオでも日本の将来は暗いことが非常に悲しい。 日本では、政界など表舞台に目覚めた人がほとんど居ないからである。

 

以上の「世界が迎えつつある時代の周り角」を語る馬渕睦夫氏の動画を紹介したい。そこでは特に、最近のバイデン米大統領のウクライナ訪問の目的を読むことで、ウクライナ戦争が終戦に近いとの解説が為されている。https://www.youtube.com/watch?v=ZT3SuQcA9d4&t=10s

 

 

馬渕氏は、これから米国バイデン政権は停戦交渉に動くだろうと予想する。この読みは多分正しいと思うが、馬渕氏がいうほど確実ではないと思う。それは、バイデンが何故列車で訪問することになったかという馬渕氏の論理に今一つ説得力がないからである。

 

 私は、この点で馬渕氏の最終解釈(つまり停戦が近い)に沿う形で以下のようなコメントを書いた。それを再録:

 

いつも有益な話を伺っています。バイデンが列車で行ったのは、ロシアにたいして表から戦争を仕掛けるつもりは毛頭ないことを示すためだったと思います。ウクライナ上空の制空権をロシアが持っているので、飛行機でキエフにいくことは、ロシアに対して「撃つなら打ってみろ、全面戦争は望むところだ」という挑発と受け取られる可能性を恐れたのだと思います。バイデンの弾劾の準備として、さまざまなスキャンダルが既に出されています。米国もロシアも当然全面戦争はしたくないので、万が一の誤解を避けたかったのだとおもいます。

 

このコメントの根拠は以下の通りである。中東でのイランとイスラエルの間で戦闘になる可能性が日ごと増してきたことを考慮すると、今後中国の台湾進攻が勃発した場合、それを懲らしめる作戦で米国は3方面で戦う羽目になる可能性が高い。

https://www.youtube.com/watch?v=GzDrDzubDCE 

 

三面作戦を戦う力はたとえ日本と韓国を巻き込んでも、米国にはないので、計画を変更した可能性が高いと思うのである。

(15:30 編集)

 

 補足: 

 

1)この事件は、ブッチャでの民間人虐殺はウクライナによる自作自演なのか?で、紹介している。上記動画では同種の事件として、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中にボスニア・ヘルツェゴビナのスレブレニツァで1995年7月に発生した大量虐殺事件を取り上げている。 

 

2)クリントン大統領がネオコン勢力の筋書から外れそうになった時、軌道修正させるために用いたのがモニカルインスキーとの不倫騒動であった。ここで私はジェフリー・エプスタインの事件を思い出した。多数の少女を人身売買で手に入れ、自分の所有する孤島で政界の大物を招待してよからぬパーティを開いたという話である。この解説記事には、クリントンは自家用機で若い女性とともに何度もエプスタインの別荘に出入りしているとか、アリ・ベン=メナシェによれば、エプスタインはイスラエル諜報特務庁の工作員だったと主張しているとかの記述がある。(ウイキペディア参照) 

 

3)CPACはConservative Political Action Coalition (保守的政治行動の為の同盟)の短縮形。毎年最後にトランプ元大統領がスピーチを行うと及川氏により紹介されている。

2023年3月5日日曜日

ウクライナ戦争が米国民主党政権による企みであるとの国連安保理での暴露

“伝説のジャーナリスト”シーモア・ハーシュにより、ノルドストリームの爆破が米国とノルウェーによってなされたという暴露が2月8日~9日になされ、それが全世界を駆け廻った。今朝、ウクライナ戦争に関するもう一つの重要な情報が、及川幸久さんによりもたらされた。

 

https://www.youtube.com/watch?v=urMM1_Pc3oE 

 

それは、Raymond McGovernという元CIAの方による国連安保理事会での証言である。米国オバマ政権がクリミヤに中距離ミサイルを配備する計画を具体化する直前に、それを知ったプーチンはそれを阻止するためにクリミヤ併合を行ったという話である。

 

つまり、米国とロシアのウクライナを間に挟んだこの軍事的衝突は、2014年、オバマ大統領によるクリミヤへのミサイル配備の試みでスタートしたのである。あのキューバ危機の時の米国と同じ事態にロシアが追い込まれたことになる。

 

キューバ危機の時にはソ連はミサイルを積んだ艦隊をUターンさせたが、2014年の”クリミヤ危機”の時にはオバマは引きさがらなかった。警告を無視されたプーチンが、力による阻止に踏み切ったというのである。

 

この出来事の前に、米国を背後にしたウクライナ国内でのテロ行為により、投票で選ばれたヤヌコビッチ大統領がウクライナを追い出されている。”クリミヤ危機”は、米国ネオコンとウクライナ”ネオナチ”が引き起こしたこの”マイダン革命”の連続線上で考えられなければならない。

 

クリミヤ併合により、ロシアは欧米や日本などの先進国から経済制裁を受け、G8から追い出されることになった。

 

及川さんのyoutube動画では、このオリジナルな情報の在りかが示されていなかったので探してみたところ、以下の動画が見つかった。これには、2月22日の国連安保理事会でのマクガバン氏の証言の様子が映し出されている。

 

https://www.youtube.com/watch?v=Xfiv-kaA24U

 

今から50年ほど前、元CIAでソ連外交部門のトップだったマクガバンは、ソ連が武器開発競争を制限することに興味を持っていたことを知り、ニクソン大統領とキッシンジャー補佐官に告げた。それがABM制限条約の締結につながったと、最初の方で話している。

 

そして、2002年になって、何の理由もなく息子ブッシュがその条約から脱退した。それが今日の軍拡競争につながったことは疑いない。更に、ブッシュは大量殺りく兵器の保持製造などやっていないとのフセインの証言にもかかわらず、イラクに戦争を吹っかけたことなどにも言及している。

 

尚、マクガバン氏は、ロシアによるクリミヤ併合等については以下の動画でも話している。

https://www.youtube.com/watch?v=Wgfrk48Gv1A

以上、速報を今日のブログ記事とします。

(おわり)

 

2023年3月1日水曜日

百田尚樹氏の故西山太吉記者に対する強烈な批判に対する違和感

有名な作家である百田尚樹氏(補足1)は、226日のyoutube動画「百田尚樹チャンネル」において、24日に死亡した毎日新聞の西山太吉元記者に対し「こいつは人間の屑」などの感情的な批判を行った。この批判に私は大きな違和感を感じた。

 

西山太吉氏は日米間の沖縄返還交渉における密約を不正な手段で手に入れ、それを野党に渡すことで国会での政争に火をつけた。その後、この件で有罪判決を受け、記者をやめて退職し毎日新聞社を退社した。この事件は西山事件として世に知られている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B1%B1%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 

百田氏による故西山記者に対する「味噌くそ批判」の動画を以下に引用する。

https://www.youtube.com/watch?v=QLjasx224aM (第一弾)

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=whB0Zo8FK5U (第二弾)

 

当時の政府は、この密約を全面否定した。しかし、2000年代にアメリカで公開された公文書に密約を裏付ける書類が存在した。当時の日米交渉の日本側責任者だった外務省元アメリカ局長の吉野文六も、その密約があったことを証言している。(ウイキペディア)

 

百田氏は、西山記者が①機密情報を男女の関係を利用して入手した、及び②その機密を野党にわたすことで国を裏切った、として夫々批判しているように見える。しかし、その批判は幾つもの点で正しくない。
 

この件は、国家の機密情報を国家公務員は漏らしてはならないという国家公務員法上の犯罪である。西山記者に機密文書を渡した女性事務官は処罰されて当然である。しかし、西山記者はその犯罪を教唆したに過ぎない。

 

教唆は、国民の知る権利の延長上にあり、正しい動機に基づいており、犯罪として成立しないと思う。
 

日本国憲法において国会は国権の最高機関であると定められ、国会において議論もせず秘密裏に外交を行うことは、本来許されない。従って西山記者の教唆は、正しい行為の範疇に入ると思う。
 

勿論、日本国が一つの共同体として「野生の世界」である国際社会に存在し、その中で有利な状況を探して時空を進んでいる以上、全てを理路整然と行える筈はない。従って、結果がよければ後は歴史学の仕事であると言えないことはないだろう。

 

しかし、この沖縄返還が単に施政権の返還であり、領土の返還を含んでいるとは言い難い。従って、結果が良かったのかどうかの議論もなされる余地が十分にある。そしてより重要なのは、この沖縄返還交渉が、日本を米国の強固な属国とするプロセスの重要なマイルストンだったと思う。

 

日本国が世界の中で名誉ある国家として21世紀を越えて存在するためには、この米国への属国化のくびきから解放されなければならない。それを考える上での重要な出来事を、単に男女の問題として批判する愚かな行為が、この動画だろうと私は思うのである。
 

男女の関係を結んだ云々については、民事裁判の対象となっても刑事罰の対象ではない。更に、それは私空間の出来事であり、論理的議論の対象でないし、真実解明は無意味且つ不可能である。山崎豊子さんの小説「運命の人」に描かれているかもしれない。


 

2)西山事件について:

 

この件はウィキペディアに長文の解説が為されている。最近かなり加筆修正が為されたようで、私の引用は最新のバージョンからではないだろう。例えば、沖縄返還交渉で米国に支払ったのは合計3000万ドルであり、ここで記す400万ドルはその一部である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B1%B1%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 

そのウイキペディアの記載内容を短くまとめると以下のようになる。

 

1971年の沖縄返還協定に際し、地権者に対する土地原状回復費400万米ドルをアメリカ合衆国連邦政府が支払うとの公式発表があった。ただ、その裏で日本国政府は、同額をアメリカ合衆国に返金するとの密約をしていたのである。

 

この外交交渉を取材していた毎日新聞社政治部記者の西山太吉は、外務省の女性事務官から複数の秘密電文を入手し、「アメリカ政府が払ったように見せかけて、実は日本政府が肩代わりする」などの合意文があることを把握した。

 

自分及び電文を持ち出した外務省事務官の身を守るためか、その情報を新聞に報じないで、日本社会党議員に提供した。日本社会党の横路孝弘議員による国会での質問に対して、政府は密約を否定する一方、東京地検特捜部は情報源の事務官を国家公務員法(機密漏洩の罪)、西山を国家公務員法(教唆の罪)で逮捕した。
 

政府が否定した密約だが、それを裏付ける書類が2000年代にアメリカ合衆国で公表された。当時の日米交渉の日本側責任者だった外務省元アメリカ局長の吉野文六も密約があったと証言している。(ウイキペディアから要約した事件の概要は以上である)

 

西山の罪は、機密情報漏洩教唆の罪であり、法的には重罪とは言い難い。また、結果として日本政府が機密漏洩を防止する十分な体制を持たないことを明らかにし、その後、特定秘密の保護に関する法律(と平成251213日法律第108号)制定にも繫がった。
 

一方、日本政府担当者は、国民の代表からなる国会に真実を告げず、不正な手段で合意を形成させ、沖縄の施政権を米国から受け取った。(補足2)

 

百田尚樹氏は、西山記者が外務省職員の女性と男女の関係を結び利用して秘密情報を持ち出したことを男として卑怯だと特に拘り、それを強調する。また、野党日本社会党の横路孝弘氏に渡したことと合わせて、まるで反逆罪のような感覚を視聴者に呼び起す調子で、西山記者の人格批判(人間の屑)をしている。

 

しかし、日本社会党の横路議員は、当時日本国民から選挙で選ばれた国会議員であり、国会議員は日本政府の行政について議論するのが仕事である。そこへ資料を持ち込むことも一般に、批難されるべきことではない。

 

また、百田氏は、当時その件で毎日新聞の不買運動が起こり、毎日新聞社の経営にまで影響したとして、当時の国民の国家意識の高さを評価すると同時に、昨今の若者などにおける国家意識の低さを憂いている。

 

ただ、この不買運動も密約の存在を前提としていない。単に沖縄の施政権返還にケチをつけるために西山記者が行った汚い行為という観点からのものだろう。私は、この不買運動も間違っていると思う。(補足3)

 

真実を知るための新聞なら、その取材努力を高く評価すべきである。最近の米国プロジェクトベリタスの似たようなタイプの取材とその事実の公表は、世界で高く評価されている。(補足4)

 

時として、密約があることも、外交にはあるだろう。しかし、行政権が返還されたとしても、領有権の返還には隣国からクレームが付く形であり、到底完全返還とは言い難い。それを考えた場合、国会でもっと議論されるべきだった。(補足5)


 

3)沖縄返還の意味を考え、動画にコメントを書きこんだ。

 

上記動画の第2弾に佐藤内閣が行った沖縄返還の意味を考えて、百田氏の西山記者に対する批判が適当でないとするコメントを書き込んだ。それらは以下の通り。
 

コメント1)

沖縄返還が世界史に例をみない快挙のように仰っているが、その評価には同意しかねる。日本と沖縄全体として、一段と米国への属国度を深め、二度と独立国日本を取り戻せなくなったのなら、単に沖縄返還という餌で、釣り上げられただけではないのか? 
 

百田さんはきっとウクライナ戦争に於いて、もっと日本はウクライナを支援すべきと考えておられるのだろう。何故なら、米国という巨大悪が見えて居ない様だからである。

 

コメント2)

沖縄を400万ドルで買ったというのも嘘でしょう。何故なら、沖縄や小笠原は国連の信託統治領になるという筋書きがサンフランシスコ講和条約に書かれているからだ。それが中国が領有権を主張する根拠である。そのサンフランシスコ講和条約の記述を超える法的根拠、例えば国連決議などをするまで、米国が面倒を見なければ、本当の意味で返還したことにならない。従って、その400万ドルが米国の国庫に入っていないのではないのか? そこまで考えて、話すべきだ。高山さんも、百田さんも。

 

尚、中国が沖縄の領有権を主張する根拠などについて、以下のブログを参照してほしい。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12751773056.html

 

更に、関連項目として、北方4島の領有権問題についても過去記事をアップしているので、これもご覧いただきたい。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466516752.html


これらから明確になるのは、これら米国の戦後の対日政策は日本がまともな独立国として独り立ちすることを妨害する意図があって、強引に受け入れさせたものである。沖縄返還も、日本属国化のための米国の狡猾な政策である。

 

 

補足:

 

1)百田尚樹氏は有名な作家である。百田氏の最初の小説「永遠の0」は日本人として読むべき本であると思う。6年以上前にこれを読み、非常に勉強になったので、子供たちにも読むことを勧めた。感想文も本ブログサイトにアップしている。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466515223.html

 

2)当時の首相である佐藤栄作は、その後ノーベル平和賞を受賞した。百田さんが最初の動画で言っているように、戦争で奪われた領土を平和裏に返還させたという、歴史上稀な出来事に対し、平和に対する功績として評価されたようである。ただ、本文に書いたように、領土の返還が完全に出来てはいないという見方が法理論的には存在する。

 

3)週刊新潮などが、西山記者が男女の関係を利用して機密文書を持ち出したことに注目して、三文記事を発表し、国民の関心もこの男女の関係という点に集中したように思う。この下劣な関心の所為で、本来の沖縄返還の詳細(つまり領土返還は十分な形で為されていない)と、この密約という卑怯な手法とについて、議論にならなかったようだ。

 

4)これについては、以下の動画及び及川幸久氏の解説動画をご覧いただきたい。

https://www.youtube.com/watch?v=u5n7RRKgDog

 


https://www.youtube.com/embed/rSwWzF0aig0

 

5)沖縄の領有権が国際的に問題提起された場合、当然領有権は米国から施政権返還と同時に返還されたと主張するべきなのは当たり前である。これまでのあらゆる国際会議で、日本の領有権に疑問が呈されたことはなく、歴史的に決着がついているとでも主張すればよいと思う。本記事では、沖縄県の領有権問題が日本に無いと言っているのではなく、いちゃもんが付くような形はなるべく無いようにすべきだと言っているのである。

 

(終わり;13:00補足5を追加)