注目の投稿

人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2021年3月31日水曜日

日本には言論の自由がないのか?:森元総理の発言は性差別発言ではない

今年2月3日、森喜朗氏が女性差別的発言をしたとして非難され、それが森氏の五輪組織委員会会長からの辞任につながった。この問題となったケースは、日本文化と日本政治の問題であり、森氏の発言は非難されるべきではないと、記事に書いた。 https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12655371695.html
その時の森氏の発言は、「女性理事を4割というのは文科省がうるさくいうんですね。だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。これもうちの恥を言いますが、ラグビー協会は今までの倍時間がかかる」であった。

彼がトップのラグビー協会では、「女性理事が増加した結果、理事会の時間がかかるようになった」という感想と、協会に女性理事を増加させるように行政指導したのは、文科省であるという事実について発言したのである。素直に感想を述べることを非難し、役職の辞任に追い込むのは、言論の自由の封殺である。

森喜朗氏(83)が3月26日、再び“女性差別的発言”を行ったとしてネットで大炎上しているという。読売新聞によると、森氏は河村建夫氏の政治資金パーティーに参加し、そこで「(河村事務所に)①大変なおばちゃんがいる。女性というには、あまりにも、お年ですが」と述べたというのだ。

この“おばちゃん”とは、河村議員の女性秘書のようだ。森氏は、河村氏よりも昔から議員会館で働いていた方だと紹介し、「私が河村さんの所を通ると、その女性が外を見ていて『森さん、ちょっといらっしゃい』と呼ばれて、ああだこうだといろいろご注意を頂いた」とも言っている。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/94020

この中で特に発言①が、女性差別だと批判されている。上記発言の主旨は、森元総理など政界の実力者を相手に注意するほどの発言力のある方という意味のようだ。この「女性というには、あまりにも、お年ですが」が女性差別にあたるということらしい。これは、「男性が性的魅力を感じる年齢を超えている」という意味で発言しているのだろう。

男性であれ女性であれ、年をとれば性的魅力が減少するのは、哺乳動物としての人の宿命である。「森さん、そのお年で女性があなたを男性として魅力を感じると思って居られるのですか?」と聞いてみたい気がするが、上記森氏発言が女性差別発言だとは思えない。勿論、公的な場では、個人の性的魅力に言及する理由はないので、その公的場での発言であったのなら、その意味で批判の対象になるだろう。

マスコミが、政界の重鎮の発言を取り上げて、女性差別主義者だという風に弄ぶのは、衆目を他にそらす目論見があるのかと疑う。何故なら、現在日本が置かれている国際政治的情況は極めて危ういものだからである。

日本の現在の女性差別撤廃運動は、米国のポリティカル・コレクトネス重視の一環で生じた。女性差別の解消を逆差別の方向で強要する日本政府は、国際的に自己主張できない日本の国家としての脆弱さに起因する。

2)一般論:

男女の別は、旧約聖書にも書かれている。最初の女性であるエバが、アダムの肋骨から作られたという記述に始まり、そのエバが人類最初の悪を為したことも、男女の差として記述されている。男女差別を厳しくいう欧米の方々の神が、このように男女の差に言及されていることを、欧米人はどのように理解しているのだろうか?非常に不思議である。

それは兎も角として、人間社会は「分業と協力」で成り立っている。当然、女性と男性も分業している。例えば、女性兵士や女性警官の数は、男性のそれらの数より少ない。組織のリーダーとしての指導能力も、個人差の方が大きいかもしれないが、平均すれば男性の方が高い。

その結果、一流企業のCEOは、圧倒的に男性が多い。それは差別でも何でも無い。機会均等であっても、男性が相応しいポジションに男性が多いのは自然である。「4割は女性にすべきだ」という類の強制をすれば、企業であっても公的組織であっても、運営の能率は低下する。

「女性理事4割を強要すること」は、逆差別で国際社会(米国のポリコレ)の圧力を躱そうとする日本政府の安易な姿勢、国民を馬鹿にした姿勢が作り出した男性差別である。森氏発言が問題になった時、このことこそ大きく問題として議論すべきことだった。

本来行うべき運動は、性差別撤廃ではなく、機会均等の実現を目標としなくてはならない。つまり、能力のあるものを、能力に従って、協会理事などの重職に採用することである。もし、候補者の女性に能力がなければ、採用しないのは当然である。

(8:45文章数カ所修正)

2021年3月27日土曜日

中国の孤立暴走に警戒すべき

1)中国での民間主導の外国製品不買運動:

 

中国共産党政権は、現在かなり追い詰められた情況にあるようだ。アラスカでの米中会談の冒頭で、中国の外交責任者の楊潔篪が2分程の予定を10分以上超過して、米国批判を行ったことが、それを象徴している。大方の見方は、専ら国内向けのパーフォーマンスだということである。

 

 

更に、EUとの関係だが、昨年貿易協定に合意したものの、その後ウイグルでの人権問題などで深刻な対立情況にある。(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-12-30/QM5NPTT1UM0W01

 

そこで、中国共産党政権(以下CCP;補足1)はスウェーデンのH&Mの製品のボイコットを指示した様だが、それがユニクロ、ナイキやアディダスなどのブランドの不買運動にまでが拡がってしまったようだ。

 

Harano Timesyoutubeによると、H&M以外の製品の不買運動は、CCPの指示ではなく、芸能人がそれらのブランドが行うコマーシャルから、自発的に撤退したことなどを切っ掛けに、国民全体に拡がったという。(補足2)

 

 

EUとの貿易協定は、米国との本格的対立が避けられないとすると、CCPにとって大事なことである。敵を大きくしないことは戦略的に大事であるということに加えて、現在不振の中国経済にとって大きなプラスになるからである。

 

CCPは、自分たちが“正義を実現する強い政権”であると、中国国民に対して強調(洗脳)して来たため、EU、米国それに日本などに対する反撃を、“悪を懲罰する”という姿勢で行う必要がある。それがEUとの対立を本格化してしまった原因だろう。

 

2)CCP当局のジレンマと、それを解決する別のシナリオ:

 

中国国民への上記洗脳が溶解消失しないようにするには、国際的な批判に対しては、それを打ち消す位に「強力に正義を実現するCCP」を演出する必要がある。その為のH&M社製品不買運動だったのだが、中国を人権問題で批判しているのはスウェーデンだけではなく、米国や他のEU諸国も同じである。

 

従って、国民が不買運動がナイキやアディダスなどに発展すると予想するのは自然である。そこで芸能人らは、国の指示の前にそれらのブランドの宣伝から撤退することで、国からの評価を上げようと考えたのだろう。

 

トランプ政権下での米国の対中国戦略は、中国国民の殆どがCCPの被害者であるというモデルに基づくものであった。(補足3)それは本質論としては正しい筈だが、ナショナリズムに染まった中国国民は、”欧米成敗”の最前線に出て来る可能性が高くなる。(補足4)

 

そうなれば、CCP当局はパーフォーマンスだけでも欧米との対立を強調する必要がある。つまり、EU等への制裁強化は、経済にとってのマイナスであるが、しなければ「正義を力強く実行するCCP」の信用が失墜するというジレンマに陥ってしまう。

 

このような事態になった背景には、中国における大きな貧富の差(補足3)がある。それが、中国国民の間に大きな政治的不満(エネルギー)となって蓄積されている。その不満が燃え上がってCCPに向かわないように、CCPは自分たちが正義を実現する側であり、欧米がそれを阻害する側であると国民に宣伝し続けなければならない。

 

結果として、CCPは国民の不満と諸外国の非難との間に挟まれ、内向的政治に向かっているようだ。排外運動へスパイラルに転落する危険性が大きくなっているとHaranoTimesはいう。

 

それを解決するために、CCPは新たな手を準備している可能性がある。それは、①ウイグルでの悪事の現場を諸外国に公開して、何もなかったということを示すこと;②そのために証拠隠滅を行う;③どうしても隠蔽できない部分は、ローカルな犯罪として処罰する、の三点セットである。

 

中国の公安部長らが、最近ウイグルを視察にでかけたというのである。その準備のためだろうというのが、上記HaranoTimesの分析だろう。

 

 

補足:

 

1) 中国を中国共産党(CCP)と呼ぶことには若干躊躇う。しかし、国際社会が相手にするのは中国共産党である。例えば外交のトップは共産党の外交トップ(楊潔篪)であり、中国政府の外交部長(いわゆる外相)である王毅ではない。軍は共産党の軍であり、中国政府の軍ではない。

 

2)中国のオンラインショッピングでは、H&Mの製品は画面から消されているが、他のナイキやユニクロなどは購入可能であるという。H&M社が、新疆ウイグル自治区での人権侵害を批判して、中国の製糸業者との関係を断つと発表したのは、昨年の9月中旬である。 https://www.afpbb.com/articles/-/3304839 今頃になって、HM社製品の不買運動を実施したのは、CCPの国内向け宣伝だろう。

 

3)米国ポンペオ前国務長官は、ニクソン記念館での演説において、中国人民と中国共産党政府を別に考えるべきだと言った。本質論としてはこれは正しい考え方であるが、国民がCCPに洗脳されてしまえば、この考え方での対応にも限界がある。

 

4)HaranoTimes によれば、2012年現在、中国での所得のジニ係数は0.7を超えているという。俄には信じがたい数字である。日本経済新聞の2012年の記事では、中国の西南財経大学(四川省)の調査結果として、0.61という値を紹介している。所得の再分配が中国では殆どないので、この数値は再分配を考えてもあまり低下しないようだ。https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM10079_Q2A211C1FF1000/?unlock=1

ジニ係数については、5年前の記事(2016/9/29)で解説している。個人の富の格差という点では所得ではなく、資産或いは金融資産のジニ係数を判断基準とすべきである。この場合、日本でも現在では0.7以上だろう。https://www.dir.co.jp/report/research/introduction/economics/disparity/20161121_011423.pdf

 

2021年3月23日火曜日

メーガン妃は米国大統領選に出馬するだろうか?

1)英国ヘンリー王子とメーガン妃の米国移住までの経緯

 

ヘンリー王子(米国では通常Prince Harryと呼ぶ)とメーガン妃が結婚したのが、20185月、英国の王室から離れる件について報道されたのは、20201月だった。その頃には、あまり興味が無かったのだが、今後の世界政治に大きな影響を及ぼす可能性について最近報道されているので、すこし追跡してみた。

 

メーガン妃は、元米国の女優である。メーガン妃が人種差別を英国王室で受けた(補足1)として、ヘンリー王子とともに王室と英国を離れて、カナダに移住した。それから2ヶ月程して、メーガン妃(旧名:Rachel Meghan Markle)の生まれ故郷のロスアンゼルスに移住した。

 

しばらくして、ロスアンジェルス郊外のサンタバーバラに19億円(ウィキペディアでは1800万ドル)で豪邸を購入したと報道されたのが、昨年8月である。実際に引っ越したのは、7月だったようだ。そして、夫妻は米国でビジネスを始めた。米国Netflix社と160億円という多額の契約をしたというのである。豪邸の購入もビジネスを始めたことも、計画どおりだろう。

 

確かに、英国王室の王様になる可能性が低い位置で、慈善活動が主の活動では、幾分退屈かもしれない。幼少期からウイリアム王子とは仲が悪く、自分の能力と身体を持て余す様子が想像できる。また、メーガン妃も自分の描く夢を満たす半生ではなかったかもしれない。

 

“公爵夫人からセレブに返り咲いた、メーガン妃の半生”として振り返る写真集が公表され、その副題は“売れないモデル→C級女優→公爵夫人→セレブ→?”となっている。https://www.harpersbazaar.com/jp/celebrity/celebrity-buzz/g29497411/meghanmarkle-biography-200804-hns/

 

優雅だが退屈な二人に、米国での華やかで躍動感に満ちた将来が見えたことが、王室を離れる本当の理由だろう。英米に詳しいTVプロデューサーのデーブ・スペクター氏は、夫妻が人種差別を米移住に結び付けたことに疑問を投げかけ、以下のように発言した。

 

「差別があったから米国に帰るなんて笑い話で、米国の方が目に見える差別が多い。信ぴょう性がないと思う」、「王族に入るときにセレブ感にあふれると思っていたけれど、周りは愛国心が強く、奉仕精神がとても大事なので、ちょっと違うんじゃないかとだんだん、(王室から)離れていった」

https://news.yahoo.co.jp/articles/136bebed0f2db02449e387ba8efbdf804295c20d

(補足2)

 

カナダ在住は2ヶ月あまりで、国民の反対もあり、カナダ政府は警備費を負担しないと言明した。今後の生活費も英国王室を離れては成立しない。英国王室を離れると言明した時には、この種の問題はクリアされていた筈である。つまり、カナダは、河を渡る際の飛び石だった可能性が大きいと思う。この件、大きな支援グループが、ヘンリー王子夫妻の決断までに出来上がっていたのだろう。

 

大きな話題になったのは、CBSニュースの記事にあるように、米国メディアの大物であるOprah Winfreyによるインタビューからである。英国では、本来なら口にしない微妙な王室のプライベートな問題を、米国のメディアに漏らしたことに対する公爵と公爵夫人への批判が強い。

https://www.nbcnews.com/news/world/meghan-harry-s-oprah-interview-revealed-cultural-divide-between-u-n1261275

 

2)メーガン妃は大統領選を視野にいれているのだろうか;

 

夫妻の思惑には、かなり差があったのでは無いだろうか。米国をよく知るメーガン妃の計画に乗ったものの、これほどの大騒動になったことの責任をヘンリー王子は感じているだろう。人種差別発言は、両刃の剣である。英国では私的な道徳の範囲の言葉だろうが、米国では、現在もっとも政治的な言葉である。

 

メーガン妃は、子供の頃から政治に関心が高かった。11歳の時にヒラリー・クリントんに宛てて、性差別を告発する手紙を出したという話がある。201911月のVogueというファション雑誌の日本語版記事によると、メーガン妃が英国ウィンザーにあるフロッグモア・コテージの自宅で、夫ヘンリー王子、生後6カ月の長男とともにヒラリー・クリントンと対面した時に、この話が出たと書いている。(補足3)https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/2019-11-18-meghan-markle-meets-hillary-clinton-at-frogmore-cottage

 

このことは、「差別と戦う」という政治姿勢は、メーガン妃のライフスタイルであることを示している。「女性差別や人種差別との戦い」は、米国民主党と米国の背後に存在する影の政府(Deep State)の政治戦術の基礎となる部分である。繰り返しになるが、この件、背後に大きな存在を感じる。

 

その背後の存在が考え出したのか、それとも、元からあった話なのか、メーガン妃が2024年の大統領選に民主党から出馬すると噂されたことは、この件の更なる大きな展開であった。その噂が報じられたのは、英国の“British Sunday”という新聞誌上が最初のようで、メーガン妃は立候補のために、民主党首脳陣に人脈を広げていると書かれている。

 

319日のNewsweekの記事では、早くも賭屋(bookmaker)が掛率を出しているというから、驚きである。この記事は英国側からの話を非現実的に大きくしている可能性もあるだろう。(補足2)https://www.newsweek.com/meghan-markle-president-chances-odds-bookmakers-1577336

 

トランプもメーガンが出るのなら、俺が出ることになるだろうと言っている。ヘンリー王子との結婚前から、女優メーガンを敵対勢力と把握していたトランプは、米国に移住した直後に、警備費を米国は出さないと明言している。https://news.yahoo.co.jp/articles/4909aa00e4f61a6693b93039c12729a9b405010b

 

この激しいメーガン妃の人生における加速度には、強い意志が働いている筈である。つまり、最初から米国で脚光を浴びることを考えて、ある時点から最も有効な計画が出来上がり、それに沿って英国を去ったと思う。その私的な意志は、当然証明不可能である。しかし、その計画は、ヘンリー王子とは共有していなかったようである。

 

メーガン・マークル妃の義姉のサマンサ・マークルさんは、先日のヘンリー王子夫妻インタビュー番組の証言内容を受けて、夫妻は離婚に向かっているはずと爆弾発言した。英米のゴシップ記事には、この手の記事が多く掲載されているようだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3df8e2af8a7aaac04404c5f09e8b5b81541e1333

 

メーガン妃に対する素朴な疑問は、「もし、米国で政治活動をしたいのなら、どうして英国王室に入ったのか?」である。上記のように答えは容易に想像できる。一人の強烈な個性が、英国の王室に打撃を与え、同時に米国の政治まで揺るがせている。しかし、メーガン妃は政治への参加を止めないと明言しているようだ。https://news.yahoo.co.jp/articles/2ddcac56c045151cef27bd257956f79f259f34df

 

この件、及川さんのyoutube動画で簡潔に紹介されている。https://www.youtube.com/watch?v=mfXu2FZ8DaU

 

3)エピローグ:

 

嘘は資産の裏付けのない借金に似ている。そのような安易な借金は、利子の支払いのために借金を繰り返し、莫大な額になって借金の主は破産することになる。嘘も、広く注目されると、発言者の人生を破壊するまでになり得る。その嘘を合理化するための嘘が必要になり、身動きがとれないように論理のロープに何重にも縛られることになる。

(17時05分、文章中の表現を少し改めました。)

 

補足:

 

1)メーガン妃は、Oprah Winfreyによるインタビューで、イギリス王室のメンバーから、生まれる前に長男アーチーちゃんの肌の色についての「会話」や「懸念」があったと告白した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7ae2767093bcbd2930b1146cd54c66919a57517a

 

2)これに似た、これよりもかなり小さな騒動が、日本でも起こる可能性があり、当然興味のある人も多いだろう。勿論、このメーガン妃の騒動は小室氏が皇女と結婚する場合の逆風となる可能性大である。しかし、最終的には結婚することになるだろう。

 

3)それによると、今のところ2%から0.5%程度の当選率だというから、大統領当選の可能性はないだろう。7日のOprah Winfreyによるインタビューは、あまり好ましくない印象を公爵夫人に対して与えたということだろう。

2021年3月21日日曜日

五輪開会式の演出家の辞任と現代の笑いの文化の関係について

今朝のテレビ報道でも話題になっていたが、東京オリンピックとパラリンピックで開閉会式の演出を統括する筈の佐々木宏氏が、女性タレントの容姿を侮辱するような提案をしたとして批判され、18日辞任した。人気コメディアンの渡辺直美(Naomi Watanabe)さんにブタの耳をつけ、「オリンピッグ」として登場させることを提案したことが、容姿を笑いものにする演出であり、不適切だったという理由である。

https://www.afpbb.com/articles/-/3337392

 

 

 

ヤフーニュースによると、渡辺直美さんは米国や台湾でも人気があり、4月から活動の拠点を米国に移すという話である。「渡辺さんはインスタグラムで、米のエージェント会社2社と契約し、マネージメントは吉本興業と継続する。日本のレギュラーテレビ番組は、「3月いっぱいで卒業します」と明かした。」

https://news.yahoo.co.jp/articles/7e87755d6c7524c19dc5ff37fc53424634e86391

 

この件、佐々木宏氏の一方的な失策のように報道されているが、私にはそのようには思えない。

 

日本のタレントの中には、純粋な話術や動作表情だけではなく、特殊な容姿や趣味の悪い演技や特技などで、大衆の人気を獲ようとする人が非常に多く、佐々木氏はその線上でオリンピック開会式の演出を考えてしまったと考えられる。その現在の一部タレントの人気取りの姿勢に、限界を超えて同調してしまったのであり、その責任はタレントたちだけでなく、日本の笑いの文化そのものにあると思う。

 

振り返れば、容姿の特殊さや知性の無さを表に出して笑いを作る手法は、テレビ放送の普及と伴に大阪の松竹新喜劇と吉本新喜劇が作り出した。それは、現代の日本の”笑いの文化”の趣味の悪い一面である。漸く全世帯にテレビが普及し始めた時、私が子供の頃の話だが、「番頭はんと丁稚どん」などの放送を観るのが、一つの楽しみだった。上方の漫才などで、頻繁に頭を手で叩くなどの品の悪い場面が一般的になり、その後日本の漫才やコミックの中で多く見られる趣味の悪い芸となった。

 

現在の笑いの芸は、その姿勢から進歩はしている。しかし、依然としてその古いタイプの方法を取り入れて、相乗効果を狙うコメディアンやタレントが多い。(補足1)品の悪い芸だけでは日本で人気を得ることさえ困難なのだが、それを過剰に利用する人も多くテレビで見かけるように思う。勿論、渡辺さんには、それ以上の優れた才能があることで、国際的なコメディアンになったのは事実だと思うが、全く自分の容姿を利用しなかった訳ではないだろう。

 

笑いにも、人と人の間に潤滑油を注ぐ類の笑いもあれば、一部の人を犠牲にして、或いはイジメられる側を演じて創る「イジメ的笑い」がある。テレビなどの視聴者は、後者を嫌う感覚を持ち、喜劇を育てるのは視聴者であることを今回の件で学ぶべきだと思う。

 

(番頭はんと丁稚どんは、吉本新喜劇ではなく、松竹新喜劇でした。どちらも大阪の新喜劇です。;この点の修正及び題目の変更12:00;youtube 引用12:10;17時文章の編集あり)

 

補足:

 

1)具体的に名前をあげて失礼だが、「おおきなイチモツを下さい」の“どぶろく”、大食いで人気を得た“ギャル曽根”などの大食いタレントたちもその例である。どぶろくには音楽を用いる才能、ギャル曽根には料理の方向に進む知恵があるなど、その他の部分が大きいから、ここで名前をあげた。彼ら以外のもっと酷い例が、頭の中に浮かんでいるが、なまえを出すことをためらった。

 

 

 

2021年3月18日木曜日

同性婚禁止は違憲という地裁の判断:文明の崩壊(II)

昨日、「人類に奇跡的に生じた文明のマトリックス(母体)が、現在崩壊しつつあると書いた。(

補足1)文明のマトリックスの最も基礎的な部分に「人類は、共通の言語と共通の価値観を持つ」という信頼がある。

 

文明のマトリックスを支える3つ基本的概念(座標軸)として、人権、経済、政治がある。科学の発展とそれを背景にした技術の発展、更に、それに適合する政治経済のシステムを成長させた文明の力が、その枠を外に広げたのである。傲慢になった人たちは、これらの軸の意味を勝手に歪め、そのマトリックスを破壊する方向に進みだしたようだ。

 

“バベルの塔”の話は、現代において現実化してきたと思う。世界中の人々は、殆ど同じ概念を持ち、翻訳さえすれば話が通じると思ってきた。しかし、基本的概念から異なる言語を話す人が、現れてきたようだ。言葉の乱れは、乱世の始まりである。


1) 同性間の婚姻届を受理しないのは、憲法違反であるという病的な判決(補足2)

昨日、札幌地裁において、同性の二人が結婚を届け出ても役所が受理しないのは、憲法違反であるという判決が出た。訴状などによると、原告側は「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」すると定める憲法24条について、「婚姻の自由を定めた条文で、同性婚を禁じてはいない」と主張しているようだ。ヤフーニュース

この裁判の原告側は、どのような論理で、この“同性婚(同性間の婚姻)”を法的に主張をしたのか理解不能である。また、札幌地裁の裁判官はいったい何故、この病的な論理を受け入れて、このような判決を出したか。裁判においては、法律解釈を伝統的言葉を用いて行うべきである。

原告が、彼らが考えるように、同性婚を主張するのなら、憲法改正を主張すべきである。それなら、まだわかりやすい。

言うまでもないが、両性とは、異なる二つの性の意味である。婚姻は、男女が生活を共にすることの契約であり、多くの割合で子供を産み育てることになる。婚姻届は、例えば婚姻の事実に基づいて権利を要求するために行い、行政側はその権利を付与するための基礎的データとして、それを受理するのである。以下、すこしその点を確認する。

2)婚姻の意味から考えてみる

同じ伝統や習俗を持ち、一定の地域に棲む人達が団結して、民族を形成した。その民族の構成員が共同で、政治と経済とその基盤を護る為に作ったのが、国家という組織である。民族という共同体に、国家という機能体の骨格を形成(これを建国と云う場合が多い)し、それらを合わせて、例えば“日本国”と呼ぶことになる。(追補)

婚姻とその結果として子供を産み育てることは、この“日本国”を世代を超えて維持するために必須である。次世代を育て、「世代間協力」の環を継続する意味で、婚姻には一定の権利付与が国家により実施される。例えば、税制においては、配偶者控除や扶養控除などが設けられている。そして婚姻届は、そのような行政上の権利を主張するために行うことである。

従って、同性婚は個人的に公表するのは自由だが、同性婚に上記のような権利を得る論理的根拠が無いのだから、婚姻届を提出する意味は無い。同じ理由で、行政にもそれを受理する意味はない。因みに、権利の主張をしないのなら、男女二人が生活を共にすると私的に契約しても、それを届ける必要はない。同性婚に関する上記の記述も同様に考えれば良い。

「行政上の権利の主張をする為ではなく、同性の二人で、社会を構成する”世帯”を共有することの主張を公にしたいのだ」という意見があるかもしれない。しかし、それは異常な主張である。国家行政は、個人や世帯の宣伝の為の組織ではない。

独身で暮らす自由を謳歌するが、婚姻で受ける権利はほしいという我儘を受け入れる機能は、行政には無い。

追補: この国家形成のプロセスは歴史的なものではなく、国家の概念からモデル化したものである。「国家の三要素は、領土・人民・主権である」というだけの国家の定義では、人民が奴隷状態の国家と、市民革命を経た国家に区別はない。上記は、民族が主役の国家の形成モデルである。
(19日早朝、追補を加えた)

補足:

1)このシリーズ(I)を昨日の記事とします。

 

 

 

2)この判決を出した裁判官は、弾劾に値する。正常に日本語を用いる能力を失っていると思うからである。憲法15条の1に、国民の権利として、公務員の選定や罷免の権利があると書かれている。憲法78条には、「心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない」とあるが、この裁判官の心身は故障していて、職務を執ることが不能なように見える。

 

2021年3月17日水曜日

文明崩壊のプロセス:政治経済相関図を作って考えた

1)政治経済相関図:

 

3月11日にリバタリアンの系譜という題で記事をかいた。そして、米国でリバタリアン党を立ち上げたデイビッド・ノーランが作ったノーランチャートを引用した。そこでは、座標軸として、個人的自由と経済的自由をとり、原点の反対側の位置をリバタリアンの位置とした。

https://en.wikipedia.org/wiki/Nolan_Chart

 

リバタリアンはリバタリアニズム(自由主義を最重要と考える立場)を主張する人であり、リバタリアニズムは、日本では自由至上主義、完全自由主義、自由人主義等と訳されているようだ。(ウィキペディア参照)ここでは単に自由主義とする。それらの訳語も今ひとつ理解しにくいからである。

 

その拡張版を作ってみたらどうなるだろうかと考えたのが、今日の最初のテーマである。素人ながら思い付いたのが、下の図である。座標軸は、その社会が重視する項目を感覚的に表示しただけであり、基より定量性はない。原点付近に、中世的な独裁政治を置いてみた。

 

ここで、3つの軸(角を丸めた四角)を説明する。人権は個人の自由と同じで、経済は経済活動の自由度を示す。これらは、ノーランチャートと殆ど同じで、新たに政府の相対的大きさを意味する政治軸を加えた。

 

面の意味は、角張った四角の中に書いた。政府の大きさが最大な面は、社会主義の国を表す。政治の拡大をめざさない面を、保守主義に割り当てた。保守は歴史に学ぶので、その範囲の進歩は当然のものとして、同じ面に置くことにした。人権に配慮をしない社会は、底面の独裁政治であり、最大配慮の社会を大衆迎合社会とした。

 

中国共産党支配の体制は、経済活動を共産党員という貴族階級が担い、人民一般に自由がないので、人民の立場から図の位置に置いた。経済最優先の面をグローバリズムとしたのは、ニューヨーク・ウォール街の金融資本家の目指す方向に対する筆者の理解である。

 

つまり、グローバリズムの人達、特にGAFAなどビッグテック人達は、国境を無くすという政治思想に隠れて、実際は経済至上主義者だと考える。彼らにリバタリアン(リバタリアニズムの信奉者)という名称を与えるのは、適当でないように思う。

 

彼らは、表向きには自由主義を世界に拡散させると云うが、本音は単に金儲け至上主義だろう。従って、中国共産主義とも融和的になり得るのだと思う。

 

原点から最も遠い位置を、将来の理想社会である高度AI社会とした。AIが何もかも熟す時代には、人は結果的に自由だろう。論語の中にある、「心の欲するところに従えども矩を踰えず」という意味の自由だが、現実的ではない。政治が全てを決めても、その役割は小さいだろう。

 

2)文明の崩壊:

 

ここで、この立方体で表した文明のマトリックスは、本来風船のようなもので、人類が数千年という“しばらくの間”経験する「文明バブル」かもしれない。つまり、この座標軸の枠組を大きく保つには、文明の力が必要である。人々がこれらの3つの軸を支える能力を失えば、つまり人類が文明の力を喪失すれば、このマトリックスは原点に萎縮すると思う。

 

文明の力は、真理に対する畏敬の念を背景にした「科学」という集団思考(補足2)が生み出したものだと思う。真理は、自然と神の掌中にあり、人間が持てるものではない。真理や善悪を、軽々しく人間が決定する行為は、神の領域を侵犯することである。嘘の話を前回書いたが、嘘は控えめに恥を偲んでつくものである。

 

つまり、人は文明社会において傲慢になった。ある人達が政治の道具として考え出したポリティカルコレクトネスなる一連の価値の勝手な創造は、彼らの神の掟に背く行為の筈である。そして、人類は何が善で何が悪かを失い、やがて人類に文明の崩壊が訪れると思う。(補足1)

 

今日、札幌地裁において、同性婚禁止は憲法違反であるという決定がなされた。これは、自然の摂理を無視した判決であり、現在世界政治の中心に座っている上記マイノリティの人達に洗脳された結果である。

 

文明崩壊は、3つの軸が同時に同じ程度に萎縮するのではなく、国により民族により、萎縮の軸が異なるだろう。例えば、共産党支配の中国は、現代の独裁に向かい、そこから原点(中世独裁)に向かう”収縮”を経験すると思う。自由主義の米国も、現代の独裁から同じルートを取ると思う。

 

日本は現在、自由主義と衆愚政治の間にあると思う。衆愚政治から原点に経済の収縮が起こる可能性がある。

 

「高度AI社会」に到達する前に、人類は環境汚染、資源不足、天候不順、人口過多などに何れ苦しむことになる。その前に、文明の収縮という形で、上記バブルの崩壊の準備として、現在のグローバリズムが始まったのだろう。

 

(2021年3月18日早朝、編集後最終版とする)

 

補足:

 

1)世界に分散したある人達が、政治を支配するための道具として考え出したのが、マイノリティの権利拡大という方法論である。それを体系化したのがソーシャルコレクトネスなる一連の価値基準である。しかしそれは、善悪を自分勝手に決める行為であり、神の教えに背いている。彼らは棄教の民なのかもしれない。かれらが政治と経済を支配したのち、人類は何が善で何が悪かの基準を失い、文明の崩壊が訪れるだろう。今日(3月17日)、札幌地裁において、同性婚禁止は憲法違反であるという決定がなされた。これは、自然の摂理を無視した判決であり、上記のマイノリティの人達に洗脳されていることを示している。

 

 

2)科学は、学会というオープンな組織でのフラットな議論の中で維持され、発展した。それが政治や経済の枠組みでは、不可能だろう。膨張する文明マトリックスの中でのみ、準安定な政治経済枠が維持されるのだろう。因みに、マトリックスとはそれらシステム全体を産み育てる容器のようなものである。

2021年3月15日月曜日

嘘の本質と機能

1)嘘つきは泥棒の始まりなのか?

 

「嘘つきは泥棒の始まり」という言葉がある。嘘をつくことにより、泥棒までの距離が近くなり、遂には泥棒をするようになるという意味である。そして、泥棒という悪の道に一旦迷い込めば、その人は悪の螺旋を落ちることになる。

 

しかし、親鸞は「善人なほもて往生す、いかにいはんや悪人をや」と悪人正機説を唱えた。この辺りで、善悪、嘘と真実などの関係が危うくなる人が多いだろう。そのような動機から、嘘の意味を考えて来た。今回、その疑問に対する一応の答えを記す。

 

嘘は真実の対語のように考える人が大半だろうが、そうではない。「真実」が点だとすれば、「嘘」はその点以外の空間に広がりを持つ。それらが、現実の「言葉」の成分となっている。その言葉の一部である「嘘」の人間社会における作用や意味を考える。

 

嘘は、犯罪の一部を形成することもあるが、その一方で人と人の間の潤滑油的役割もある。つまり、考え方によれば、人間社会は思いやりのある嘘で成立していると思う。

 

「嘘のない世界には住めない」という考え方を基に、ネット検索したところ、ある短編SF小説を見つけた。嘘の監視を目的に巡回するロボットに、多くの人が射殺される光景を描いている。

 

ある家族が、その恐ろしい国から隣国に逃れる計画をして、沈黙を誓って出発する。言葉を発すれば、嘘が混じる可能性があるからである。隣国にたどり着き、その入国審査のところで、夫が嘘により殺され、妻ひとりが隣国にたどり着く。つまり、隣国も同様の国だったようだ。

 

恐ろしい光景が描かれているのだが、嘘に関する理解を助ける為に書かれたのかもしれない。或いは、ジェノサイドのC国の姿を、比喩的に描いているのかもしれないとも思った。巡回ロボットを街中の監視カメラや顔認証システム、スマホに組み込まれているかもしれないシステムに置き換えれば、殆ど実話に近いと思えなくもないからである。https://kakuyomu.jp/works/1177354054885498520/episodes/1177354054885498527

 

2)ヒトは言葉を纏って人間になる:

 

話を原点に戻す。先ず、「真実」の話からしたい。日本人なら真実は一つと簡単に思い込む。例えば、命題A:「地球は平面ではなく球状であり、宇宙の中に浮かんでいる」ということを、日本人の殆ど全ては「真実」として、納得しているだろう。

 

同様に、命題B:「人の体は蛋白質や水と油、それにカルシウムやリンなどの物質で出来ている。死ねば、骨のカルシウム分が灰として残るが、それ以外は完全に消滅する」を真実だと思っているだろう。

 

しかし、その真意をしつこく確認すると、命題Bには言葉を濁す人は多くなるだろう。自分の墓の購入に数百万円を支払う人に、そのようなタイプが多いだろう。真実だと思って来たことも、命題によっては、その信念は思いのほか軽いことが暴かれる。

 

ここで書いておきたいことは、これら2つの命題は、人類が得た科学的知識だということである。現代人は科学を真実だと思っているだろうが、科学は集積した真実とその体系化ではない。単に、人類の自然に対する理解を仮説(仮定)として整理したものに過ぎないのである。(補足1)

 

真実は、英語で「truth」と訳される。ここで、真実「truth」の意味を英語の語源辞書で調べると、 "faith, faithfulness, fidelity, loyalty; veracity, quality of being true; pledge, covenant"などの意味が記されている。https://www.etymonline.com/search?q=truth

 

そして、faithの意味は、信用、信仰、キリスト教の信仰などである。要するに、「真実(truth)」とは「信仰」である。我々「ヒト」には、真実を定義する能力などない。それは神の領域であるということを、英単語「truth」は教えている。(補足2)

 

つまり、上記2つの命題も、真実かどうかは人の信仰に依存する。従って、信仰の非常に固いひとと、信仰が全く無い人は、上記2つの命題に重みの差を感じないだろう。

 

後者の人たちは、「他人の身体は単に”蛋白、リン、カルシウム、水それに油の集合”に過ぎない」と思うだろう。それ故、その国の文化に信仰がない国は、恐ろしい。生きたままに、他人から移植用の臓器取り出すことに、さほどの抵抗を感じない人が多いからである。

 

神の前でヒトは、真実の姿、つまり裸になるしかない。ヒトは社会を作って生きる際に、纏うのが(その社会の)言葉である。(補足3)七色に変化する言葉を纏ったヒトの姿が、人間として社会に生きるヒトの現実の姿だと思う。良く聞く言葉であるが、「ヒトは社会に生きて人間となる」と思う。

 

つまり、現実の言葉は、真実を核にもつだろうが、その周囲に広く様々な嘘を含んだ空間を形成している。そして、嘘の付き方は、その言葉を話す民族の文化である。以上は、言葉と宗教と社会は、3本螺旋のように進化したという私の仮設を基礎に考えた「嘘の由来」である。(20196月に投稿した言葉の進化論1〜3;解説)

 

3)嘘の分類

 

嘘は、敵に対する嘘、味方に対する嘘、自分に対する嘘に、大きく分類される。(補足4)人は、社会の中でしか生きられないので、味方に対する嘘を多用して生活を可能にしている。その事実に気づかないで、嘘を厳格に禁止すれば、冒頭に引用した短編SFの世界となるだろう。家族関係を含め、全ての人間関係は破壊される。

 

敵に対する嘘は、例えば韓国や中国が捏造した対日歴史である。それを利用して、彼らの社会の大きな枠組みである国家の安定と繁栄の基礎としている。この対日関係の嘘の多用は、特に前者に著しい。それに対して「真実ではない」という形の反論を対策と考えるのは、戦略的ではない。何故なら、それが彼らの真実であり信仰だからである。日本人にとって真実かどうかには彼らの関心事ではないからである。(補足5)

 

嘘も言葉の中の重要な要素である。言葉で書かれた歴史も同様である。

 

我々は言葉と意志と力で生きている。言葉の核心に真実という信仰があり、その周りの多次元空間に嘘の空間が広がっている。人は言葉のみにて生きるに非ず、意志と力を必要とするのである。

 

日本の戦前には、それは常識だったかもしれない。しかし戦後、言葉があれば意志や力は本質的でないという新しい宗教、左翼思想(或いは理想論)が力を持つようになった。意志や力は、嘘が交じる(真実を曲げる)という左翼には、国家という現実的装置を運営する能力はない。

 

言葉の核にある真実は、信仰がなければ虚しさに等しい。自分に対する嘘は、自己の崩壊であり、生きる意志の喪失となり得る。それは人間にとって信仰が非常に大事であることを示している。

 

追補: 重要なことを書き忘れていた。社会の中の公的な空間では、嘘は厳禁となる。法と論理が支配すべき空間では、それは当然のことである。本稿は、主として私的な空間についての話である。因みに政治は、例えば国を構成する民の私的な世界を、公的に規制誘導することだと思う。遅くまで編集が続き、申し訳ありませんでした。

(追補は15日22時追加、16日早朝編集あり;17日早朝表題のみ変更)

 

補足:

 

1)大学の理系学部の初年度辺りで学ぶのが、この“真実”である。ニュートンの力学が現れたときに、全てがそれにより説明出来ると考え、Am Anfang war Mechanik (はじめに力学があった)という聖書のヨハネによる福音書の最初のことばを捩った言葉を信じる人もあった。しかし、20世紀の量子論の出現により、ニュートン力学は「古典力学」と呼ばれるようになり,物理学の基礎としてだけでなく、「仮説の集合である科学」を教える教材ともなった。

 

2)何故言葉の意味を理解するのに英語の語源辞書に頼るのか? そう思われる方が多いだろう。(単に西部邁氏を真似ている訳ではない。)その理由だが、日本語は、基本的概念の多くを中国語(つまり漢字)に依存し、社会や科学など文明に関する言葉は西欧語に依存する言語であり、日本語だけで論理的思考が十分できないと思うからである。日本語で、信仰と侵攻(更に、進行、新興、親交)が発音上区別できないことが、上記日本語の性格を端的に示している。

更に、真実は「reality」だろうという人も居るかも知れない。しかし、Realityは真実よりも現実或いは実在に近く、人によっては幻覚と区別出来ない事が多い。Realityは、Truthより曖昧であり、本来主観的なものであると思う。

 

3)ヨハネによる福音書の最初の言葉、「始めに言葉があった」は、キリスト教の信者にはキリストを指す。キリスト教の信者以外にとっては、言語の核、或いは背骨を形成する、本質的な部分を示していると解釈できる。キリスト教が「絶対」ではないとしても、そこから学ぶべきことは多いと、私は思う。

 

4)味方と敵の区別も、問題に依存し、且つ、現実には灰色部分を含め峻別は困難である。従って、この分類は非常にあらい。

 

5)「人類にとっての真実」という視点が現れれば、この種の日韓問題を真実論争で解決することは可能になる。或いは、日韓が非常に親密な関係になった場合も同様である。日韓が親密な関係になる為に、その障害物を、人類にとっての真実論争で取り除こうとするのは、愚かである。

2021年3月13日土曜日

国連 中国内部告発者「大量虐殺に加担」?

大紀元の情報によると、国連の人権問題当局者らが、中国の反体制派や人権活動家の情報を「慣行として」りークしていることが明らかになったという。

 

 

 

この国連による情報リークで、中国の女性人権活動家が中国当局により拘束され、死亡したという。在ジュネーブ国際機関中国政府代表部の外交官は、201297日に送った電子メールで、「添付ファイルにある二人が、第21回人権理事会に出席するか確認してほしい」と、国連職員に要求した。国連職員は返信メイルで、「二人の出席は認められた」と送った。

 

この内の一人は、世界ウイグル会議総裁のドルクン・エイサ氏(中国以外に住む)であり、エイサ氏は大紀元の取材に応じて、中国在住の家族の何人もが、死亡したり行方不明になったと明かした。これ以降の話は、実際に動画を見て確認してほしい。

 

この情報の信憑性を確かめる為に検索をしたところ、比較的容易にトルコ最大の通信社Anadol Agencyが同じニュースを流していることがわかった。そのサイトを以下に示す。

https://www.aa.com.tr/en/europe/leaked-emails-confirm-un-passed-info-to-china-in-name-sharing-scandal/2114163

 

 

 

記事の表題は以下のように翻訳される。 暴露された電子メイルにより国連が中国に情報を送っていたことが判明:(人権活動家の)氏名共有スキャンダル

 

表題からこの件は、既に関係者間ではスキャンダルとして騒がれているようだ。内容は、上と同様だが、以下のような文章が見える。

 

Emma Reilly, a staffer at the Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights (OHCHR) and a human rights lawyer, has repeatedly alleged that the office shared the names of dissidents with the Chinese government.

翻訳: 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の職員であり、人権弁護士であるエマ・ライリー氏は、国連オフィスと中国政府が、中国反政府主義者の名前を共有していると繰り返し主張している。

 

In an e-mail on Sept.7, 2012, a diplomat from the Cinese mission to the UN office in Geneva asked - - as a “usual practice” - - an NGO liaison officer at the OHCHR whether anybody from the list the diplomat had sent to the 21 st session of the Human Rights Council requested accreditation.

The officer passed on two names, Dolkun Isa and He Geng, to the Chinese diplomat in a responding email.

 

翻訳: 201297日の電子メールで、中国の使節団からジュネーブの国連事務所への外交官は、「通常の慣行」として、OHCHRNGO連絡官に、外交官が人権理事会の第21回会合に送ったリストに載っている人の誰かが、参加認定を要請したかどうかを尋ねた。

その国連の連絡官は2名の名前、Dolkun Isa氏とHe Geng氏、を返信メイルで送った。

 

あとがき: WHOだけでなく、現在の国際機関の多くは、中国に取り込まれている。その証拠の一つとして、上記は重要な報道だと思う。IOCも同様に中国に取り込まれていることが疑われる。

バッハIOC会長は、パンデミックが終息しそうにない現状でも、東京と北京でのオリンピック開催に向けて強い意志を示している。そして、中国の新型コロナ用ワクチンの提供を評価するコメントを発表した。

 

2021年3月11日木曜日

リバタリアンの系譜について

3月9日の記事で、米国の政治を支配する大金持ちには二種類存在すると書いた。そこでは、「意志を持ったお金」と「ナイーブなお金」という表現を用いた。前者が米国を牛耳るDeep Stateの人達であり、後者がビックテック(GAFAM)の人達である。

 

現在、大きな話題になっているのがGAFAMらであり、その無法ぶりは現職大統領が政治的メッセージを出す為に用いたアカウントを消去したフェイスブックやツイッターの姿勢で判る。その傲慢さは、幼稚さであり、昨日はナイーブという形容詞を用いて表現した。

 

GAFAMの経営者全てがそのような幼稚さを持っているとは言えないだろう。しかし、そのようなビッグテックの横暴を予言をした書物が、茂木誠さんのyoutube 動画で紹介されていた。この茂木氏の動画は、社会と個人の関係に関する思想史を分かりやすく総括している。ここでは、その最後の部分を紹介したい。https://www.youtube.com/watch?v=aP1q_i4YXYk

 

 

それによると、GAFAを産み育てたのは、リバタリアニズムの考え方であり、その遺伝子は、①権威ではなく個人が夫々の目標と幸福を定義する「個人主義思想」、②少数の天才が社会を前進させる原動力になるという「英雄礼賛主義」、③最小限の国家の介入を理想とする「自由市場理論」、の特徴を持つ。(補足1)
 

リバタリアニズム(英: libertarianism)は、個人的な自由、経済的な自由の双方を重視する政治思想である。それは、上記遺伝子の3つの特徴と整合性がある。経済においては、上記③の立場は、市場原理主義の主張と同じだろう。


 

2)ノーランチャート

 

1971年に米国で、リバタリアン党という政党がデイビッド・ノーランという人により設立された。ノーランにより作られたチャート(ノーランチャート;補足2)が、リバタリアンの思想を知る助けになると思うので、下にそれを元に描いた図を掲載する。


縦軸は、個人の自由の尊重を主張する程度を表し、横軸は、経済的自由を主張する程度である。縦軸は、個人の人権尊重の主張を表すと考えるとわかりやすい。具体的には女性差別や人種差別などに反対する尺度だろう。

 

一方、横軸は経済活動に対する規制撤廃を主張する程度を表す。経済活動を行う主体には、個人と法人があるが、規制の対象となるのは専ら法人(或いは資本)であるので、横軸は法人(資本)の経済的自由度の尺度と考えるとわかりやすいだろう。ただ、法人を経営するのは、殆どの場合数人の個人である点に注意が必要である。

 

チャートの中の左翼と右翼、リバタリアンとポピュリズム(全体主義)であるが、直感的に解るような気がする。しかし、少し考えれば、様々な矛盾点があるように思える。この図が意味を持つのは、リバタリアンの考えを直感的に知る場合に限られるだろう。
 

上に述べたように、経済的自由は主に法人が主張し、その法人を少数の個人が所有運営するとすれば、リバタリアニズムとは、巨大化する”経済新貴族”を育てる社会を良しとする政治思想に他ならない。貴族以外は比較的裕福な農奴的平民ということになる。ここで一般の支持を得るために考えだされたのがトリクルダウン理論である。(補足3)

 

北欧の社会主義政策もトランプの個人の経済的地位を重視する立場も、この図には載せることは不可能である。そして何よりも、ポピュリズムと全体主義が同じ場所にしか、置くことが出来ないのはこの図の限界を明示している。


 

3)リバタリアニズムは米国金融資本家の創造した愚物

 

結論としては、上記表題の通り「リバタリアニズムは米国金融資本家の創造による愚物、愚劣な制度」である。少数の貴族とその他の比較的裕福な奴隷的存在を許す思想の発生は、科学と技術が発展した現代における、原始への回帰現象である。

 

経済力がそのまま政治力に転嫁されるように、長年の米国改造がリバタリアンを産みだしたと思う。改造された米国とは、馬渕睦夫氏が主張するディープステートの勢力が作り上げた米国であり、GAFA或いはGAFAMは、そこに誕生した私生児的巨大企業群である。

 

つまり、米国には二つの巨大な経済主体が存在し、一つは伝統的なディープステートの主人である思想的な巨大資本であり、もう一つはそこから突然変異的に生まれた経済至上主義の巨大だがナイーブな資本である。この二つに付いては、最初に述べたように一昨日の記事の主題である。

 

 

補足:

 

1)GAFAを産み育てた遺伝子は、2017年10月に米国で出版された本「the four GAFA-四騎士が創り変えた世界(訳書題名)」の翻訳者、脇坂あゆみ氏により示されている。上記本の著者Scott Gallowayは、ニューヨーク大学ビジネススクール教授。https://toyokeizai.net/articles/-/234258

2)英語版のウィキペディアには少し異なった図の表示がなされている。こちらの方がより原意に近いだろう。 https://en.wikipedia.org/wiki/Nolan_Chart

3)様々な経済的規制は、個人の権利を横暴化する経済的法人から護る為に制定されてきた。独占禁止法や様々なライセンスの制定などである。外国などとの取り決めなどもこの枠のなかに押し込めば、資本の国際間異動の自由を主張することは、経済的自由の主張の一つとなる。それは、国際政治問題と深く関わる。


 

2021年3月9日火曜日

世界を救う方法と問題点:金が支配する政治からの脱却

資本主義の発展型としての新自由主義経済下で、現在、資産の拡大と集中が起こっている。21世紀創業のテスラ社のイーロン・マスク氏は、直近の統計で世界1の資産家となった。(補足1) 金額にすると19兆円を超えるという。異常である。https://www.afpbb.com/articles/-/3325134
 

資産はお金に替わり、特定の人物の意志を得て、他人を使役したり、物品を与えたり出来る。考え方によれば、19兆円の資産は、19万人の人間より大きな働きをする。傭兵に変化すれば、一国を破壊する可能性もあるし、場合によっては、世界の政治を変え得る。
 

意志を持ったお金」が政治の世界に乗り込めば、厳格なルールと厳しい監視をもすり抜けて、民主政治や法治の原則を、形だけのものとするだろう。民主的に選ばれた大統領の移民流入制限の政策に真っ向から挑戦するかのように、中南米から大量の移民希望者を送り込んだのは、意志を持ったお金(=誰か政治的人物の意志が乗り移ったお金)の働きがあった筈である。

http://www.world-economic-review.jp/impact/article1197.html

 

大量の資産が個人に流入する仕組みを造ったのは、19世紀から20世紀に懸けて米国で勢力を増した、一部の人達である。それは、馬渕睦夫氏が云うDeep State (DS) の核となる人達だろう。彼らは、ウイルソン大統領を擁立し、FRBの設立に誘導して紙幣発行権を手に入れた。

 

資産の集中を容易にするように米国を作り替えた人々は、その権力を影で握る手法として、マイノリティの権利拡大という慈善活動を模した活動を用いた。それは、ブレジンスキー元大統領補佐官が自身の回顧録に書いたことである。 https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12602183456.html
 

その道具を、ポリティカル・コレクトネス(PC'ness)として、世界の政治を牛耳る道具として成長させた。この弱者と強者の立場を逆転させる手法を用いる人達は、カーボンニュートラルなど環境問題を政治に抱き込み、今や世界の主流になろうとしている。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12651775965.html

 

ただ、その政治経済システムの恩恵を一番受けたビッグテックGAFAM(補足2)などは、おそらく新しい存在であり、上記DSの主人公ではないように思う。「意志を持ったお金」が作り上げた世界で、GAFAMなどの巨大な企業群を動かす“お金”は、差し当たり従来の権威(DS)に従うが、火星旅行を考えるような、或いは、人造肉を食べることを推奨したりする、「ナイーブなお金」なのだろう。

 

「ナイーブなお金」は、誰か他の政治意志により、新しく別種の「意志を持ったお金」に変身する可能性がある。共産党一党独裁の国の手に落ちる可能性もあるだろう。DSの手法であるPC'nessは、左派の思想であり、その理想主義の理解には複雑な頭脳は不要だからである。

 

金融資産の洪水か津波のような現象を抑えるには、恐らく、金融の空間を何かの権威で大きく縮小させる必要があるのではないだろうか。つまり、巨大な金融市場と、そこでの様々なリスクヘッジ商品、例えばクレジットデフォルトスワップ(CDS)や、複雑なデリバティブ商品などの制限、更には不安定な人心を利用する「空売り」などの信用取引の制限など、現在の経済体制を大きく変更する必要があると思う。

 

それらのことは、恐らく、世界のお偉方がダボス会議で考えているだろう。WEF(ダボス会議を主催する世界経済フォーラム)などの人達は、米国の強い「意志を持ったお金」、「ナイーブなお金」、更にCCPの「無法に暴れるお金」などとは独立なのだろうか? 恐らく、「意志を持ったお金」の一員なのだろう。

 

ダボス会議の推奨するステークホルダー資本主義とは、将にその社会主義的手法の一つの表現だろう。しかし、それは世界を大不況にするだろう。このジレンマをどうするのか? 
 

私は、国境を無くすると主張する上記お金持ちとは逆に、主権国家体制を維持して、個々に社会主義政策を導入するしかないように思う。そして、政治と金の間に大きく距離を置く政策を進めるべきだろう。米国は率先して、巨額の政治献金を禁止する法整備を行うべきである。ただ、その障害となるのが、中国共産党政権の台頭である。米国の弱体化は、世界を中華思想の国が制覇することに繋がるからである。 (10:30 編集あり;出来れば、今後この延長上で議論を続けたいと思う。)


 

補足:

 

1) 様々な統計があるが、2020年のForbesによる世界のトップ5の合計資産は、50兆円だそうである。https://memorva.jp/ranking/forbes/forbes_world_billionaires.php
2016
224日の週刊現代には、「たったの62人」の大富豪が、全世界の資産の無い方から数え上げった半分の人達の富を持つ、あまりにも異常な世界の現実」という記事が掲載された。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/47989 

膨大な換金性の高い資産(金融資産)の偏在は、それを支配する少数の人達が人類の未来を偏った方向に誘導する可能性があり危険である。現行の資本主義の政治経済のシステムでは、過去の人類が生み出した知的産物や歴史的産物を、現在生きている個人に帰属し、自由に用いることを許している。それを自覚し、社会のために役立てようとするのが、巨大資産を持つ者の道義的責任である。

 

2)GAFAMは、google, amazon, facebook, apple, microsoftの頭文字をとった企業群である。

 

2021年3月7日日曜日

中国による尖閣侵攻があったとき、自衛隊は交戦するのか?

1)そこまで言って委員会:

 

「尖閣は日本の領土であり、中国が侵攻してきたら日本は防衛すべきか?」という議論が、今日のテレビ番組「そこまで言って委員会」でなされていた。中国の侵攻にたいして自衛隊が防衛出動する場合、先ず、その根拠と必要性とについて、国民の理解を得なければならない。ここで重要なのは、日本の領有権の根拠について国際的な同意を得ることである。この点について、内閣関係者の宮家氏を含めて、言及するコメンテータ−はいなかった。

 

おそらく、そのような本質的な部分で誤った(失言した)場合、この手の番組に評論家として出られないと思ったのかもしれない。それでも、外交評論家の看板をあげている以上、視聴者に考える材料を与える意味でも、問題点の存在位は言及すべきだったと思う。


最近、米国国防総省報道官が、日本に領有権があると一度言及したのち、その後取り消したという。ただ、速記録には日本の領有権を認める発言も残しており、近いうちに米国が日本に尖閣諸島の領有権があるという発言をするのではないかと、その記事は書いている。

 

 

米国は、当然この件で中国と戦いたくはない。そのためには、中国の尖閣侵攻を諦めさせるべきであり、その際効果があるのは、中国に対して、その決断の壁を高くすることである。米国と戦争を始める覚悟が必要となれば、尖閣侵攻は非常に重い決断となるからである。

 

日本政府が、自衛隊が命をかけて尖閣防衛のために戦うには、予め国民の理解を得るべきである。その基礎条件は、尖閣が日本の領土であり、国際的にも認めらていると言えることだろう。単に「尖閣は日本固有の領土」というだけでは説得力がない。日本政府の基盤は、それほど弱いことを自覚すべきだと思う。(補足1)

 

日本のテレビ番組も、日本政府の言葉をオーム返しするだけでは、十分ではない。日中国交回復の際、鄧小平の「尖閣の領有権については、未来の知恵に任せよう」という意味の言葉を国民の殆どは覚えている。「固有の領土」だけでは、国民を十分説得できない。

 

5年ほど前に、この問題を議論した。この領有権の原点は、敗戦とサンフランシスコ講和条約、そして、日米間の沖縄返還協定である。その時に何らかの付随した交渉があれば、それらも含む。ここに参考のために再録する.  https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466515270.html

 

2)尖閣諸島の領有権についての議論再録:(2016/8/11の投稿;一部編集あり) 

 

昨日に続いて、表題の問題につき整理します。前回の疑問点:サンフランシスコ平和条約第3条を根拠に米国の施政権の下におかれた沖縄が、日米間の沖縄返還協定で日本に返還されたのだが、その二つの条約が整合的かどうかという点が気になる。

 

ちなみにサンフランシスコ講和条約の第3条は以下のような文章である。

 

日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。

 

このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。

 

ここで、米国による国連への提案はなされなかったので、その下の“合衆国は領水を含むこれら諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする”が沖縄返還協定まで有効だった。

 

領有権に関しては、サンフランシスコ平和会議での米国のダレス国務長官の演説、及びケネス・ヤンガー英国全権の演説、それを引用した吉田茂総理の演説により、日本の潜在的権利が確認されるとのことである。http://blog.goo.ne.jp/jiritsukokka/c/b76a28892b58e4049e4208c73f299ada

 

従って、領有権は潜在的に日本が持ち、沖縄返還協定で施政権が日本に帰ったのだから、沖縄は日本に復帰した。しかし、平和条約3条に規定されている「琉球諸島などを信託統治制度の下におく」という部分が実現していないのだから、沖縄の領有権については未定であると考える立場もあり得る。

 

それは、平和条約が想定した沖縄への日本の施政権回復のルートは、「米国の施政権下=>米国を施政権者とする信託統治領=>日本へ復帰」であるという考えである。

 

つまり、“米国の施政権下”という状態から、日米間の協定のみで日本に施政権を返還することは、平和条約第3条に想定されていないのではないかという考えである。尖閣問題は、内閣官房のHPに記述がある。しかし、この点については何もかかれていない。http://www.cas.go.jp/jp/ryodo/senkaku/senkaku.html

 

3)結論:

 

この問題も、米国が日本以外の東アジア各国と日本との間に米国が置いた楔である。その米国のやり方については、竹島問題を論じたときにも言及した。現在まで、これらの問題が解決できなかったのは、日本首脳及び外交官らの無能力と米国国務省の日本に対する不信感の両方に原因があるだろう。

 

ただ、時代は流動的である。仮に米国による日本の領有権支持の言葉があっても、尖閣防衛はあくまで自衛隊が主体的に行わなければならない。その時、日本国民が、尖閣を祖国の一部であり防衛するのだという明確な意思と気概がなければ、徒に自衛官の犠牲者を出すだけになるだろう。

 

日本国とその防衛軍を、日本国民が全力で支えるという明確な意思を持てば、周辺諸国との戦争防止に役立ち、悲劇的衝突を避けることになると思う。そのために日本政府は、日本国民及び諸外国に対して、はっきりとした意思を、明確な言葉で伝達しなければならないと思う。

 

尖閣は「固有の領土」なら、どうして中国や台湾は領有権を主張するのか? その中国や台湾の立場からの領有権主張の論理を精一杯考えて見るべきである。そのうえで、やはり日本の領土であると諸外国にも説得できる論理を構築すべきである。それらを国民の前に、明示できて始めて、国民の理解が得られると思う。

 

諸外国には、何を考えているのか解らないという印象を日本政府は与えがちだろう。明瞭な言葉を用い、国際的な標準的論理に基づいて、原点から議論及び説得をしなければならないと思う。(日本の言語文化を高める努力を初等教育の段階から、最高のプライオリティで強化すべきである。)

 

補足:

 

1)尖閣が「固有の領土」であるとの根拠を、日本の近代における尖閣の利用実態だけでなく、第二次大戦とサンフランシスコ講和条約及び沖縄返還協定、日中平和条約などから考察して、「尖閣は日本固有の領土である」との結論を導出しなければならない。その努力をしないで、「尖閣は日本固有の領土」とだけ国民に繰り返すのでは、説得力に欠ける。

日本政府の国民に対して基盤が弱いのは、80年前に無理な戦争を始めてしまい、300万人余の死者を出したが、日本国民に対してその責任を明らかにしていないことが原因である。その無責任な姿勢は何度も議論した。

 

(午後9時、全面的に編集しました。)

2021年3月4日木曜日

米国のキャンセルカルチャーは、世界崩壊の前奏曲なのか?

1)米国でのキャンセルカルチャーの動き:

 

米国では、建国の精神が消されようとしているようだ。その状況が、先日紹介したチャンネル桜のyoutube討論番組の冒頭で、加瀬英明氏によりキャンセル・カルチャー(補足1)という単語で紹介されていた。

 

 

この用語の原意(補足1)に従えば、これまでの米国という国家を、国際社会の中心から追放する運動が、米国で進行していることになる。具体例として、ワシントンやジェファーソンなどを、数百人の奴隷を持っていた非人道的人物として、更にリンカーンを人種差別主義者として、夫々米国の偉大な大統領としての名誉を剥奪する運動がある。(補足2)

 

その運動は、米国の主座から、英国からメイフラワー号で移住した白人の子孫を退去させ、代わりにネイティブインディアンや黒人など有色人種を主座に着ける企みである。しかし、それは左翼の人々を巧みに誘導している人達の最終目的ではないだろう。何故なら、そのようにスンナリ事が進む筈がないからである。

 

つまり、彼ら影の勢力の目的は、米国の解体だろう。トランプに脅威を感じた国際金融資本は、最後の決戦とばかりに、民主主義と法の支配をも放棄して、米国からトランプを排除した。それも、彼ら巨大な国際金融資本のゴールである筈はない。

 

本当の目的は、現在の世界の枠組みを根底から破壊することだろう。つまり、グローバリゼーションの完成としての、国際共産主義革命である。おそらく、WEFの「グレート・リセット」の動きも、同じプログラムの中にあると思う。

 

因みに、このキャンセルカルチャーの手法は、既に日本に対して用いられている。韓国などは、従軍慰安婦や徴用工などの歴史書き換えを行い、日本を国際社会から追放する運動を行ってきた。

 

特に、慰安婦に関する国連でのクマラスワミ報告は、韓国だけの画策ではない筈である。日本政府は、その取消をクマラスワミに要求したが、失敗に終わっている。https://www.sankei.com/politics/news/141016/plt1410160012-n1.html

 

更に最近、ヤマト民族は日本の主人公のような顔をしているが、本当の主人公はアイヌであるべきだという類の運動が、北海道で静かに進行している。その動きの影に居る人達は、明らかに中国共産党政権であるが、中国だけではない筈である。中国だけの要求なら、日本政府はあのような法改正は行わないだろう。(補足3)

 

もとに戻る。

歴史とは勝者が書く物語であり、勝者は決まっている。現在も、同じ勢力により、歴史書き換えが、無知な大衆を扇動して行われている。ただ恐ろしいのは、今回の対象は米国と全世界であるということである。

 

 

2)分解する米国

 

昨年の大統領選挙は、米国を建国の精神を核にこれまで通り維持しようと考える人達と、現在の米国は、人種差別、性差別、環境破壊の中心にある国であると攻撃し、ウォール街の巨大金融資本の後押しで、米国を無国籍的国家(加瀬氏の話)に導こうとする人達との間の戦いだったのだろう。

 

トランプに人種差別主義者のレッテルを無理やり貼り付け、何が何でも大統領の座から引きずり降ろすことに成功したBLM運動などは、今や米国の左派の端にある小さなグループではなく、米国の主流をなすと言うことだろう。(補足4)

 

上記動画でケント氏は、共和党の分裂よりも、民主党の分裂の方が大きいと言っている。つまり、バイデンなどの中道派は、左派のサンダース、カマラハリス、オカシオコルテスらに引っ張られているようだ。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66082220R11C20A1FF8000/

 

そんな中で、保守政治活動協議会(CPACThe Conservative Political Action Conference)が、225日から28日までフロリダ州オーランドで開催された。最終日のトランプの90分に及ぶ演説に、会場は熱狂していたようだ。https://www.youtube.com/watch?v=IgEKx2aSt_Q

 

このトランプ氏の勢いに圧されたのか、今ではあのマコーネル上院議員もトランプが2024年の大統領選に出るのなら支持するというまでになった。つまり、民主党はより左に、共和党は伝統的米国維持のトランプ側に移動している。両極端で電圧をあげ、エネルギーを高めた後は、大規模な放電と混乱が起こるのではないだろうか。

 

あの選挙直後に、選挙結果に大きく影響するような不正があったのなら、フリン将軍らの考えを採用して戒厳令を布いてでも、真実を明らかにすべきだったと思う。それをしなかったのだから、本来なら、米国政界から退去すべきである。

 

そのトランプが再び共和党の核となれば、白人アングロサクソンプロテスタント(WASP)の労働者階級が益々熱狂的なトランプファンになる。それと対立する民主党は、先鋭的にキャンセルカルチャーに精を出す目覚めた人達(Wokeというようだ)が中心になる。

 

アメリカは、新型コロナ肺炎パンデミックの中で、自由民主主義圏の中心から、混乱の中心になる可能性が高いと思う。それは、世界の大混乱から、WEFの人達が目指す展開になるだろう。この世界を混乱から救うためにも、トランプは田舎に引っ込むべきである。共和党はポンペオかペンスに任せる方が、将来の米国や世界にとって好ましいと思う。

 

補足:

 

1)ウィキペディアでキャンセルカルチャー(Cancel Culture)を見ると、加瀬氏の用法とは少しことなり、現代版の“陶片追放”であると書かれている。正統性の無い人物が実力をつけて舞台の中央に登場するのを防ぐために、過去の悪事の公的に晒したり、メディアを利用して言葉狩りをするなどして、所属する社会から追放することと書かれている。

 

2)その人達は、コロンブスに対して、米大陸の侵略者の最初の人物として負の評価をする。我々が米国の建国の精神、米国の精神的支柱を作り上げたと考える米国の歴史を完全否定する動きである。具体的行動となったケースとして、2017年夏、南北戦争時の南軍側の将軍の銅像撤去が話題になった。https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-40971464

 

3)2年前に書いた記事「アイヌ新法に中国、韓国、ロシアの陰?」参照:

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466516768.html 当時、その背後に中国と韓国を考えていたが、それだけではアイヌ新法を日本の議会は制定しない。明らかに米国の支配層からの指示があった筈である。

 

4)上記動画で、カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏は、1月の大統領選挙は、各州の議会の承認と16日の連邦議会で承認を得ており、憲法違反の批判は不当だと主張した。その彼でも、現在の米国では白人であることが罪にあたるような言論の誘導がなされていると言っている。(動画1:01)

 

2021年3月2日火曜日

ベーシックインカム制を言い出す怪しげな人+いつもの悲観論

日曜日のテレビ番組「そこまで言って委員会」で辛坊治郎氏が、ベーシックインカム制(以下BI制)を将来採用せざるを得ないだろうと言っていた。BI制とは、国民全員一律に、一定額の生活費を配る制度である。

 

辛抱氏がその理由としてあげたのは、デジタル化やAI化などで、仕事が減少してしまうことである。ロボットとAIの活躍で最終的に仕事がなくなれば、国民の生活維持には、国が一定額をばら撒くしかない(つまりBI制度)ということになる。BI制の利点として、生活保護制度、国民年金制度などの行政コストの大幅カットが可能である。(補足1)

 

確かにデジタルカルテとAIが行き渡れば、生身の医師の診断よりも、ロボット医師の診断の方が、頼りになるだろう。精神科は、AI化が遅れるかもしれないが、例外ではないだろう。薬剤師の仕事なども同様である。

 

国防もロボットに任せれば、貴重な人命を浪費しないで済む。スーパーにはレジ担当の人は全く不要となる。介護もロボットがやるだろうし、ロボットは老人を暴行したりしないだろう。タクシーの運転手は失業し、自動運転の車が、家の前まで来るだろう。

 

このBI制を言い出し辛抱氏を洗脳したのは、あの秀才竹中平蔵氏である。https://news.yahoo.co.jp/articles/80599408f6513ed907e41b4711fa624d433a1de6

 

しかし、これらのシナリオは、労働賃金がそれらの仕事をロボットやAIで達成する時のコストよりも高い場合のものである。「仕事が無くなるから」という前提は、労働賃金が殆どゼロ近くことに等しいことである。AI化にコストが掛かることを考えれば、「仕事が無くなるからBIが必要だ」という論理は、自由経済体制を前提にすれば、最初から成立しないのである。

 

辛抱次郎もBIを言い出した竹中平蔵も、全く解っちゃいないのか、プロパガンダを流しているかのどちらかなのだ。おそらく前者が解っていなくて、後者がWEF(補足2)の構成員としてプロパガンダを流しているのだろう。

 

WEFは、グレート・リセットという言葉で、世界の共産主義革命を考えていると私は思っている。つまり、BIを言い出したのは、WEFの意向を汲んで、社会主義革命の宣伝をしているのだろう。

 

 

スーパーのレジでは未だ主婦が小銭を探して支払っている。中国のスマホペイで決済を済ませている姿と対照的である。行政などの書類から、印鑑(殆どが盲判)を無くそうなんて、今頃言っている国が、このままの延長上で没落を免れて、晴れてデジタル化とAI化の末の富の再分配を考える時が来るとは思えない。

 

山の向こうよりも、足元を見た発言をしてもらいたいと、私は思った。あと数年で、国民の全てが銀行口座と連携したマイナンバーを持つ様になるだろうから、必要性があれば直ぐに実施可能であり、議論する程のことではない。今、そのような議論をするのは、別の政治的意図が隠れていると考えるべきだ。

 

 

2)今考えるべきこと

 

今考えるべきは、日本国が新型コロナ後の世界においても、政治においては独立を、経済においては国際競争力を維持することである。ダボス会議のグレート・リセット構想に隠された世界の大混乱と社会主義化から共産化への誘導などを特に警戒すべきである。(補足3)

 

革新(米国の民主党)と呼ばれる方々は、BI制、地球環境、ポリティカル・コレクトネスなどの理想論で、頭が飽和する人たちであり、何か得体のしれない人たちの謀略に協力している。日本は、米国で言えばトランプの共和党と協力することでしか、生き残れないだろう。

 

日本は叡智を集めて、生き残りの方策を考えることが大事である。しかし、叡智を集めることに日本は不得意である。明治維新以来、西欧に学ぶという姿勢で近代化に勤しみ、“万機公論に決すべし”と言いながら、その意味を理解し、近代日本文化の中に取り入れることが出来なかった。

 

行政組織を始め、国の様々な機関において、機能体としての人事と運営が出来なかった。つまり、一握りの秀才が、個人の知恵の限界で、組織を動かしたのだと思う。そして暴走したのが、あの無謀な戦争であり、その総括が今だに出来ないのは、その責任者の仲間や子孫が日本を継続して運営しているからである。偉大な皇室から出た言葉、「和を以て尊しとなす」と、「万機公論に決すべし」が、同じ空間では両立しないことが認められないのである。

 

人的関係(コネ)で殆どの人事が決定される結果、明治維新以降時代が下るに従って、全ての組織を無能な者たちが支配する様になった。立法府や行政府だけでなく、大学(補足4)やおそらく財界など法人の人事まで、能力ではなく人的関係で決定されているだろう。(倉山満、「エリートほどバカである」残念な国家の末路、https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59851?imp=0 )

 

日露戦争の頃より遥かに脆弱な骨組みの国家組織を持つ現代日本が、今後10年で大きく変わる地球世界の光景の中にあって、自由で一定の富を維持出来るかどうかが大問題であり、ベーシックインカムを考えるのは、その後のことであると辛抱さんに言いたい。(補足5)

 

つまり、BI制が可能な時代が来るように、経済的にも政治的にも安定で効率的な日本を如何にして作るかが喫緊の課題である。新型コロナのパンデミックで苦しむ中で、支援金は一律分配である。飲食業の支援も、小さい店と大きい店の区別もしないで、一律6万円/日の支援である。そのような後進国的状況で、BIなんか可能な筈がない。

 

現在の菅政権は、欧米金融支配層(WEFなど)の策略を持っている人たちの手先を抱えている。日本の産業は大丈夫か? 豊田章男社長は悲鳴に似たコメントを出していたが、それを聞いてどう思うのか?https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78943

 

3)通貨の価値を護る事ができるのか?再び悲観論

 

日本の輸出及び輸入額の対GDP比は、夫々15~16%程度であり、それほど大きくはない。その数値だけからは確かに日本は内需依存の国だと言えるかもしれない。しかし、輸入に対する依存度は、通貨の力が減少すれば、直ぐに大きくなる。

 

円安の時代になれば、製造業の復活が世界の工場的な中進国に逆戻りをするという形では成立する。先端工業部門以外で輸出を増加させて食料やエネルギーを確保することは、発展途上国へ逆戻になり、日本の競争相手は韓国や台湾でななく、ベトナムやタイになる。

 

日本の教育、日本の人事、その他の日本の文化に変化がない限り、最先端の技術で世界の一角を占めたことは過去の話となり、日清戦争や日露戦争に勝利したという類の物語と同じく、懐かしい昔話となるだろう。今の段階でも、半導体で台湾に負け、スマホでは韓国に負け、ワクチンでは英米に頼る以外にない。

 

外国と無能な芸能人に支配されたマスコミ。霞が関の下っ端官僚にまでバカにされる政治家。「戦争は外交の一形態」という戦争論など、驚天動地の物語としか聴こえない日本国民の平和ボケ。中国の自治州になって、臓器提供の対象にされても、目が覚めない可能性が高い。

 

補足:

 

1)月額7万円だとしても、1億人に配れば年間84兆円である。就労人口(5660万人)分だけでも、47.5兆円で、日本の予算の半分になる。しかも、それで最低限食っていくとしても、日本の円が現在の対ドルレートを維持しなければならない。そのためには、日本の基幹産業には頑張って稼ぐ環境を政治が用意しなければならない。

 

2)世界経済フォーラム(World Economic Forum; WEF)については、最近のブログで言及している。あのグレート・リセットという如何わしい話を喧伝している(多分ユダヤ系)の組織である。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12656621190.html

 

3)巨大金融資本を握る人たちが、世界支配と世界の貧困化による人口問題の解決を策謀している可能性がある。第二次大戦後の世界の共産主義革命を画策したのと同じ層が、神の裁きの形で実現することを考えているのかも知れない。

 

4)藤井厳喜さんの千葉大教授になれなかった恨み節は、大学の理系学部でも現実である。大学の教授は前任教授に尽くした助教授から、その助教授は前任の研究助手として尽くした助手がなる。それでは、まともな教育など出来ないだろう。https://www.youtube.com/watch?v=Uu2dbyBt-hQ

 

5)司会者として素晴らしい能力を持つ人でも、一人の人間の能力はこの程度である。幼少期から天才と言われた人を大勢集め、チームで考える欧米の持ち出す考えとは比較にならない。これまでの平時に於いては、平均して真面目で優秀な労働力を持つ国として、総合戦力で先頭群の中に入れたかも知れないが、今後予想される乱世では、国家全体が機能体として組織化されなければ、東南アジア諸国の後塵を拝することになる可能性が高いと思う。