2017年6月11日日曜日

「トランプ外交の行方と新世界の秩序」(channel Sakura)のまとめと感想

SAKURASO TVの表題の番組を視聴した。何時も同じ感想を持つのだが、この放送のみが日本の防衛と安全について、まともな材料を提供してくれる。NHKや他の民放はまさにマスゴミである。今回の議論は、トランプ政権の世界戦略に始まり、最後はいつものことだが、日本の極めて不完全な防衛体制についての話になった。まとめと感想をいかに書く。 https://www.youtube.com/watch?v=wr7sf4T5Gr4&t=5971s

1)最初に、トランプ大統領の始めての外遊についての分析があった。トランプ大統領が今回訪問した国家は、サウジアラビア、イスラエル、そしてバチカンであり、その後にイタリアでのG7に参加した。

サウジアラビアに訪問した際、殆どのスンニ派の国のトップも参加して、まるで新しいタイプのアラブ連合と米国の交流会のように映った。それはサウジなどのスンニ派の国家とその他イランなどの国々(シーア派)との間に明確な一線を引くというのが、トランプの姿勢であることを示している。それを見た人の頭には、大統領が屡々言及している「イランとの核合意」を見直すという言葉が浮かんだだろう。

次の訪問国イスラエルでは、米国の現職大統領としては始めて”嘆きの壁”を訪れその前で黙祷した。イスラエルに対する最高の敬意を示した。この二つの国の訪問とそこでの外交は、トランプがイスラエルとサウジアラビアを中心とした国々との新しい協調関係を仲介出来るかもしれないというのが、馬渕睦夫氏と関岡英之氏の意見であった。

そして馬淵氏は、トランプがユダヤ人を二分し、イスラエルのユダヤ人をサポートするために中東和平の実現を目指し、世界に散らばったユダヤ人(Diaspora;ディアスポラ)のグローバリズムに対決するという戦略のモデルを披露した。これはこれまでのトランプのアメリカンファーストと以上二つの訪問国での外交を理解する上で、良くわかるモデルであると思う。(補足1)

ここで気になるのが、最近のカタール(スンニ派)とサウジアラビア等との外交断絶である。カタールはイランとの関係を重視する立場にあるのだが、この激しい対立の意味については出席者たちにも明確な解釈はなかった。カタールには米軍基地があるだけに、気になるところである。

2)日本は自国の防衛を完全に米国との同盟に頼っている。その防衛システムが信頼性を今後維持できるのは、日本の憲法改正などの努力と米国が最後まで極東の安全にコミットする意志(つまりメリット)がある場合のみである。その点についての議論では、「米国にそれだけの核心的な理由はない」が結論であった。(勿論、経済的にはアジアは大きな取引先であるが、それは核心的とは言えないのだろう。)

この米国側が極東の安全にそれほど大きな関心がないという事は、カールビンソンとドナルドレーガンが撤収を始めたことと関係があるかもしれない。そして、何よりも決定的なのはトランプ大統領の政治的な関心は主に中東にあるという事実である。また、就任前に日本も韓国も核武装すれば良いと言ったのは、トランプ外交の中心はアジアではないということである。

前大統領のオバマは、米国は太平洋国家であると言ったが、トランプは「米国はキリスト教国家であり、従って、大西洋国家である」ことを態度で示した。また、トランプは予算配分でも国防省+10%、国務省−30%と言っており、外交を選択的重点的に行うことを明確にしている。確かに、国務長官や国防長官は東アジアを早期訪問したが、それは差し当たりの北朝鮮問題への対処が目的である。問題が困難になれば、撤退する可能性がある。

つまり、トランプのアジア戦略は日本にとっては不安である。最近、安倍総理が一帯一路構想も評価するという発言をしているが、それはトランプのアジア外交の限界を意識してのことだろう。

3)中国の世界戦略と日本との関係: AIIBや一帯一路政策はあまりうまく進展していないが、軍事的には急速に力をつけている。サイバー攻撃や衛星を利用した攻撃能力などの開発に力を入れている。中国の多量の中距離ミサイルでは、日本及び日本近海の米国艦船の脅威となっており、その結果米国の第一列島線防衛を難しくしている。また、2014年から人民日報などで、中国は本来沖縄の宗主国であり、本来中国の覇権の範囲にあると主張している。

それらに日本が独自に対抗するには、毎年15兆円程度の予算が必要であり、それは実質的に困難である。そこで、インドやロシアの力を利用するなどの方向で戦略を立てるべきである。オバマ時代には出来なかったが、これらの地政学的利益が共通する主要国との関係を深めることに、トランプは反対しない筈である。

何れにしても憲法改正は日本防衛の第一歩であり、何とか実現しなければならない。このままでは自衛隊は実際には力を発揮できない。この5月8日のWall Street Journalの論説にも、「憲法9条は同盟国との集団的自衛を邪魔しており、日本にとって危険になっている」とある。そして、「日本が直接攻撃されていない状況下でも同盟国との共同軍事行動に参加するために、攻撃能力を持つ軍を必要としている」と、日本の情況を説明している。

(以上は、同番組を見て素人がまとめたものです。)

補足:
1)馬淵氏により、トランプ氏はこれまでのグローバル化路線を推し進めたオバマやクリントンの外交を一貫して否定しているということが強調された。その中で、馬渕氏はISISをつくったとまでは言わないが、従来のアメリカ(グローバリスト、Wall Streetのユダヤ資本)は利用してきた。また、中国共産党政権は米国が作ったと、自説を紹介している。後者の説については、昨日のブログ補足で紹介した。(America’s retreat from victory)

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