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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2025年7月5日土曜日

トランプ対策と日本経済改革案

 

現在世界の経済は複雑にリンクされ、先進国にあっては最早鎖国主義に戻ることは不可能である。このことが分かっていないのが世界一の大国であるアメリカのトランプ大統領である。トランプのMAGA策をトランプの思惑通りにやれば、米国だけでなく世界経済を困難に陥れるだろう。

 

具体例を経済学者の野口悠紀雄が挙げて解説している。トランプがiPhoneは米国で製造すべきだと主張するが、それでは米国自身を亡ぼすと指摘する。https://diamond.jp/articles/-/367800

 

ここでは議論を少し独自にディファイしてみる。(補足1)現在世界の経済の中心的役割を果たす半導体だが、それは設計と製造を行う別々の企業が別々の国から協力する形で作られる。更に、製造装置を提供する企業、製造原料を供給する企業なども別々の国に所属している。

 

iPhone の場合、そのように製造された半導体を中心において米国資本のアップルが設計し、中国深圳で箇体に組み上げ、どこかの国で作り上げたソフトを載せて完成する。しかも重要なのは、それを買う人たちが全世界にばら撒かれているということである。

 

トランプ大統領は、このような先進国における経済の実態を全く無視して、iPhone製造を米国に戻すべきだとか、中国からの輸入には数十パーセントの関税を掛けるというのである。全世界に衝撃を与えたのがこのMAGA政策とその為の相互関税である。確かに米国も関税自主権(補足2)は存在するので、米国の勝手のように見えるが、それは自殺する自由という類の自由である。

 

そして世界が二度目の衝撃を受けたのは、相互関税の算定基準を聴いた時だろう。反グローバリストのヒーローとしてトランプに期待していた人は私を含め日本でも多かった。それらのトランプファンの目が覚めた瞬間である。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12909469863.html

 

その関税収入をあてにして作られたのが昨日上院を通過した「大きくて美しい法案」であり、それには大規模な減税案が含まれると言う。https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/07/012ddfd96a28994b.html

 

米国追従で全てOKという家訓があるかどうかは知らないが、家業である政治家を演じてきた日本の自民党政治家たちは、相互関税は対中国封じ込め策だと無理に解釈を歪め、愚かにもまともな対策を立てなかった。そのため、現在日本は苦境にある。

 

この対策は、実は簡単で、日本の政治の効率化と消費税大幅減税そしてカリフォルニア米の輸入である。このピンチをチャンスに変える策について多くの人が断片的に語っている言っているだろうが、以下に独自の議論を示す。

 

 

2) 日本はトランプ嵐を利用して日本を効率化すべきである

 

日本は、資源の無い狭い国土に1億2千万人が生きる国である。経済のグローバル化を前提にしなければ、現在の性格水準を維持しえない国である。国民全てが適所を探して自分の能力を発揮する努力をしなければ、グローバルな環境では成長を維持できない。

 

経済の運営と効率化は、上述の半導体製造のように多くの会社や個人が分散処理的に行うのが原則であり、対局にある集中化つまり国が中心になって社会主義的に行えば国は破綻する。この人類が大きな負担をして得た歴史的大実験(補足3)の成果を、日本の政治家はどうも分かっていない。

 

日本の行政は共産党的な経済によるメタボリック症候群を抱えている。たまたま視聴した経済評論家の朝倉慶氏の動画で、そのことを朝倉氏が語っている。勿論、まともな経済評論家は同じように考えているはずである。

 

朝倉氏は、日本市場をもっと自由主義にして経済主体が切磋琢磨する国にしなければダメだといっている。この動画の4分~7分のところをじっくり聞いてもらいたい。https://www.youtube.com/watch?v=UJS-LPF5m-Y 

 

 

株式の話には、経済と政治に対する理解が必須であり、イデオロギーに毒された人物には不可能である。朝倉氏は、日経平均が現在の10倍くらいになってから、そして日本人の相当数が非常に痛い目にあってから、日本のばら撒き政策つまり社会主義政策が改まるだろうと言っている。(補足4)

 

下の図は日本の一般会計予算の経年変化である。新型コロナによる大幅予算増がコロナ収束後も元に戻らないようだ。

 

経済停滞の時期に入って消費税を導入し税率をあげることで政府予算だけは順調に成長してきたのである。図の赤いバーが毎年の赤字国債の額を示しており、このままでは国債残高がGDP200%を超えて300%に向かう勢いである。

 

ここで積極財政に転じて、無事に終わる訳がない。日本は円安から貧富の差に苦しむ途上国経済に戻る可能性すらあるだろう。貧富の差を示す係数であるジニー係数は、ユダヤ資本系の英米イスラエルを除けば、先進国最高である。

 

 

円建てで国債を発行している段階では政府財政に破綻はない。それはアベノミクスで日銀黒田総裁が行ったように、中央銀行に国債を買い受けさせれば円安地獄になっても破綻には至らない。しかし、そのポイントはすぐに通過し、食糧とエネルギーを海外に頼っているので、貧困層は高金利と輸入物価高に苦しみ、夏の暑さと冬の寒さ、そして高い食料価格に苦しむことになる。

 

その時点では、日本の優秀企業の株は外国人が所有し、日本の富裕層は資金を海外に移し、中間で辛うじて並みの生活ができるのは政府職員と外国人が経営する一流日本企業の幹部職員のみとなる。ジニー係数は50%を超えて、他国なら既に暴動になってもおかしくない状況下で、必死に耐える日本の貧困層の姿が目に見えるようだ。

 

そのような困難から脱却するチャンスをトランプは呉れた。それは日本社会の効率化と旧態依然たる日本文化の呪縛からの脱却である。極論だが、人事をAIに任せて情実人事から脱却すべきである。議論をして日々現場で改善の雰囲気を作り出し、給与は能力給にして年功序列の風習を捨て去るべき。

 

労働の流動化は言うまでもない。差し当たり消費税に頼る税制から脱却し、政府は税収内で政治を行うこと、そのために米国からDOGE(政府効率化部門)を輸入すべきである。

 

下図は一般会計税収と消費税の関連を示している。消費税を1989年に3%で導入し、1997年から5%にあげたが、それから12年後には税収が最低を記録している。税収は国家の経済の活動度を示している。日本国は、経済の低迷を放置しながら税収の確保のために消費税を創設し、その税率を上げていったのである。

 

日銀総裁が黒田氏になって以来、異次元の金融緩和という円安政策で景気回復とともに税収も増加に転じるが、その翌年に消費税を8%にあげてその景気浮揚のモーメンタムを抑えている。

 

これらのことから、消費税は経済を低迷に導く特効薬のように見える。更に、円高に苦しむ企業によって、つまり輸出業で実績をあげる企業によって日本経済が支えられていることが分かる。今政府に求められるのは、これら輸出企業が経営効率化と創造化を増加させるための環境を作ることである。

 

トランプ対策の答えは、消費税の廃止或いは5%への低減である。これにより、国民が財布の紐を緩めるだけでなく、トランプが目の敵にする輸出還付金がなくなるか低減される。(補足5)そしてすべての労働者が頑張れば良い待遇を手に入れることができる社会にすべく、古い慣習や労働の流動性を下げている原因などを突き止めて政治がそれらの改革のための法整備を立案するのである。

 

それに米国からのコメ輸入の拡大、コメ関税率の大幅引き下げ、それにより経営が困難になる農業従事者への配慮を一定期間行う制度を定める。農業の大規模化と株式会社化を進めることで農業の生産性を高めるべきである。はっきり言って、棚田が観光資源として役立たないのなら、支援は無用である。

 

食料安全保障は大事かもしれないが、そこにばかリ拘って他にもたくさんの安全保障があることを忘れてはならない。自動車関税が3040%になれば、経済の面で安全保障が敗れて日本の農家を含めて全家庭が食うに困るようになるだろう。

 

 

補足:

 

1)消費税は西欧の付加価値税(VAT)をモデルにしている。国内で消費された製品に価値が生み出される毎に課税される仕組みである。例えば、原料を採掘して材料であるアルミを生産し販売したときに、その業者にその販売額全体に課税される。iPhoneの場合米国等で設計されて中国で製造されるが、その設計の段階には価値の算定が難しいからか、課税対象とはならない。従って、中国で製造されて米国以外に販売される場合、米国にはこの設計段階のVATが入らない。この現行のVAT制度の欠陥を指摘するのが野口悠紀雄氏の記である。ここではそのような複雑な話はスキップする。

 

2)関税自主権は、幕末の日本においては大きな国際問題だった。その時代、日本でも同じ機械が作られるが、関税自主権を持たなければより安価な海外製品に支配されてしまう。井伊直弼もそんなことは理解していたが、米国の軍事力には叶わず、日米和親条約(1954)に続いて締結された日米修好通商条約(1858)では関税自主権も裁判権も無かった。関税自主権を獲得したのは1911年というから、日露戦争後に英米に準一等国(?)に認められてからであった。

 

3)ソ連の崩壊のことである。経済は低迷し、最後のロシア大統領は国営企業を英米国際機関の勧めで私企業化したが、その多くはイスラエル系の人たちに安く買収されオルガルヒを大量に生んだ。その一方、国民は飢えるほどの困難に陥った。ウクライナ戦争の根底にあるのは、この英米を中心とする悪辣な政治である。下に引用したのは、ロシアによるウクライナ進攻10日程前に書いた記事である。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12726626308.html

 

4)この方は経済と政治のエッセンスを理解している。その感性まともであり、東大卒の元財務相の官僚の政治家なんかよりも優れている。日本人がひどい目にあったのち、まともな経済政策が日本でも始まるだろうと語っているが、「ひどい目」とは途上国のような貧富の差の拡大である。

 

5)通常、消費税或いは西欧の付加価値税の対象は、国内消費製品の付加価値に限られるので、海外への輸出分については還付される。その代わり、輸入品には同率で課税され、輸入関税と同じ役割をする。

(7月6日早朝、編集改題後最終稿とする)

2025年6月29日日曜日

削除される前に宇山さんと石田さんのこの動画を見てください

宇山さんと石田さんのおっしゃる通り、世界の混乱の根源は一つ、イスラエルです。そして、彼らの金融資本に操られる米国です。更に、それに従うNATO主要国です。このことはジェフリーサックス教授の意見と同じだと思う。 よくぞ言ってくれました。削除まで一日持たないかもしれないが。。。

 https://www.youtube.com/watch?v=yRYNvo3i-eA

 

 

 前回記事もこのことを言っています。マスコミの支配が完全であること、ハリウッドなどの娯楽の支配、更に極めつけは、金融経済を支配するかれらの金がスーパーPAC導入によって事実上無限に政治に流れることで、その支配力を無限にしてしまったのです。

 

それを悪く思っているのはトランプ政権主要の中でバンス副大統領だけかもしれない。

<以上>

 

2025年6月23日月曜日

イスラエルとアメリカはテロ国家である: 歴史がそれを示している

国際法を基準とする限り、今回イランを攻撃した二つの国に対する評価は表題のようになる。それを明確にしているのが、Glenn Diesen氏のチャンネルに出演したスイスのジャックポー大佐である。https://www.youtube.com/watch?v=juVWnBQV6wQ

 

 

日本のyoutuberの及川幸久氏は、イランをテロ支援国家とする米国やイスラエルの評価を前提にして、今回の爆撃に対して賛否両論があるとしている。しかし私は何を今さらと思う。https://www.youtube.com/watch?v=qCtoEvWAaUE

 

 

 

そこで以下の様なコメントをアップした。

 

ウラン濃縮は原子力発電には必要で、それは独立国固有の権利です。それを無視して、米国はイランの民間会社の施設を爆撃した。イランは核拡散防止条約に加盟しているが、イスラエルは加盟していません。イスラエルと米国はテロ国家です。勿論、リアリズム外交は国際法を基準にはしませんが、それでも国際政治の基礎的ポイントを押さえた上で議論するべきです。

 

コメント欄でも賛否両論があるが、このようなときには歴史に学ぶべきである。そのように考えてか、歴史家の渡辺惣樹氏が世界大戦後の米国によるイランへの残酷な対応について教えてくれている。https://www.youtube.com/watch?v=Ti0jcMcMdMY

 

 

2)英米とイランの現代史

 

渡辺氏が引用するのは、「“America and Iran: a History, 1720 to the present” by John Ghazvinian 」という書物である。

 

渡辺氏の解説によると、第二次世界大戦直後、イランのモハンマド・モサデグ政権は民主国家を目指していた。モサデグ政権は、イラクの近代化の予算確保のため、Anglo-Iranian oil company という英国との石油合弁事業の利益配分改善を要求したが、英国に拒絶された。そこで、行き詰ったモサデク首相は、この会社の国有化を宣言した。

 

英国チャーチル首相は、国際司法裁判所(ICJ)に提訴したが、ICJは提訴を受理しなかった。そこでチャーチルは諜報機関MI6を用いて、イランでプロパガンダとテロとデモによる政権転覆を画策したのである。それに協力したのが米国政府とCIAのダレス兄弟だった。
 

その結果、クーデターが発生し親英米のパーレビ国王率いる専制国家の誕生に繋がった。親英米と親イスラエルの政権がイランに誕生したのである。その経緯は、2014年のウクライナでのマイダン革命と酷似している。

 

国王パーレビの主な関心事は、自分の地位安定であり、国民の生活向上ではなかった。石油利権で得た多額の資金をインフラ投資に充てず、米国から戦闘機などの武器購入や諜報機関の設立(CIAやMI6そしてモサドが協力)などに充て、イラン経済は低迷したままであった。

 

1979年、不満のイラン国民はパーレビ政権を転覆させ、宗教国家イランを誕生させたのである。イスラム国家がユダヤ国家のイスラエルと仲良く出来る筈はない。しかし、イランにおける民主国家の誕生を妨害し、イスラム原理主義国家の誕生を助けたのはユダヤ資本の下の英国と米国だったのである。

 

そのイランの初代指導者がホメイニであり、現在は二代目のハメネイである。英国ユダヤ資本により建国され、政権右派・シオニストたちが率いるイスラエルと以上のような歴史を持つイスラム原理主義国家イランが戦争(第5次中東戦争?)になるのは時間の問題だったと思う。

 

 

終わりに:

 

元米国政府顧問のダグラス・マクレガー大佐は、イスラエルのネタニヤフ首相はトランプよりも大きな影響力を米国下院に持っていると発言している。中東の小さな国の首相がそのような影響力を持つことは本来不可能で、AIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)などのロビー活動で得たものと思われる。

 

その活動を支えたのが、政治献金の制限を撤廃したスーパーパックという制度と、金融経済を実質経済よりも遥かに大きくした米国の経済政策である。その米国政治の中心にユダヤ系を含む金融資本家群が存在すると思う。ごく少数の世界の金融エリートたちのエゴイズムがこの世界を危機に陥れている。

(12:00編集)

 

2025年6月20日金曜日

トランプは馬脚を現したのか(II) イスラエルの対イラン要求の本質

国際政治を解説するyoutuberの及川幸久氏が、トランプがイスラエルの対イラン戦争に米国を参加させるかどうについて米国で行われている議論を紹介している。

 

https://www.youtube.com/watch?v=gMx7929oud4

 

タッカーカールソンがトランプ大統領にストレートに反対意見を贈ったこと、スティーブ・バノン元首席戦略官(第一次トランプ政権)も反対していることなどが示すように、イラン攻撃への加担はこれまでのMAGA(アメリカ第一主義)政策と明らかに矛盾している。

 

及川氏は、トランプは「イランへの米軍の攻撃を承認したが、その開始についての最終命令を保留している」というところをもう少し考えるべきだと考えているようだ。そして、Gilbert Doctorowというロシア史で博士号を取得した人物の意見を参考のため紹介している。

 

ドクトロー氏は、トランプは良い意味での日和見主義者(opportunist)で、イランとの取引のためにこのような際どい方法をとっているのだと話したという。

 

私は、このドクトロー氏という人物をまるで一流の国際政治学者のように仕立ててトランプの戦術を語ることに大きな違和感を感じた。ドクトロー氏は、ロシア関連のビジネスマンとして25年間働いた人物で、単にロシアと未だ問題を起こしていないトランプを応援するために無理な理屈をこねているように見える。彼の国際政治評論も有名なのはロシア関係に限られるように思う。

https://fable.co/author/gilbert-doctorow 

 

そこで、改めてイスラエルの対イラン要求について考えてみる。

 

2)イスラエルそして米国のイランに対する要求とは何だろうか?

 

イスラエルのイランに対する要求とは、イランの核兵器開発の放棄であると言われている。しかし、今年3月の議会証言において、国家情報長官はは現在核兵器を持っていないし、核兵器の開発も行っていないと証言しているので、イランはこの要求に従って久しいことになる。従って、それは国際社会に向けたプロパガンダの一部である。

 

つまり、それが本当の要求なら、そして国家情報長官の証言を信じる限り、イランは既にその要求に応じている。今更、他に何を約束せよというのか? しかし、トランプは国家情報長官のいうこと等気にしないという。これは暴力団が警察や裁判所の言うことなど気にしないという類のセリフであり、これ以上議論することは不可能である。

 

ここでもう少しイスラエルの対イラン要求を深読みすると、それは、今後軍事的不安を全く感じないようなイランになることかもしれない。周りを異教徒に囲まれたユダヤ教の国なら、心情としては分からない訳ではない。しかし、それは近代国際社会にあっては理不尽な要求である。

 

つまり、全く毛色の違う人物に対して「俺が全く不安を抱かないようにしろ」ということは、「お前はこの世界から消えろ」ということに他ならない。

 

主権国家体制(ウェストファリア条約の体制)は、相手国の主権を尊重することで互いの存立を確保する体制であり、中世までの強い国が生き残るという体制下で悲劇を繰り返してきた人類の知恵である。その主権には自国の防衛力確保も含まれ、それは隣接国には幾何かの脅威になるのは当然である。

 

しかもイスラエルは既に核保有国である(6/17の記事参照)。仮にイランが核兵器を手に入れたとしても、核の抑止力で互いが共存可能である。原子力発電所の建設などの核の平和利用も含めて今後の核開発を永久に放棄しろというのは、あまりにも理不尽である。(補足1)

 

従って、イスラエルの要求は、イランが独立国家としての主権までも放棄するということだろう。それは「(この世から)消えろ!」という暴力団の要求である。

 

それでも尚、アメリカ人の大半が反対するイラン参戦に傾くとしたら、トランプは日和見主義であるなら、ネタニヤフのご機嫌を見ているのだろう。これが結局本稿の結論である。この動画について、以下のコメントを書いた。

 

コメント1: トランプの真意は、自分の命を失いたくないということです。トランプは、大統領自身の命の問題は一般軍人と同様プライベートな問題だということを知っているのだろうか?思い出すべきはネタニヤフがトランプに贈ったポケベルの置物です。(イスラエルはヒズボラの戦闘員を彼らのポケベルの中に爆弾を仕組むことで殺害したと言われている。イスラエルも否定していない。)

コメント2:オポチュニストはギルバート・ドクトル博士の方ですよ。ディールは共通の基盤の上で成り立つが、ポケベル(爆発物入り?)の置物を送ってくる人物と共通の基盤は持てない。私は、ジェフリーサックス教授の方が正しいと思う。

 

コメント3:Gilbert Doctorowという人物は国際政治学の方では有名でなく、ロシアの歴史で博士号をとったのち25年間ロシア関係のビジネスマンだったとネットには書かれています。英語版wikipedia にもそんな人物の紹介はありません。

 

補足:

 

1)イランが核施設を建設し、ウラン258の濃縮を行っているのは事実である。ただ、原子力発電のためにもウラン濃縮が必要であることを忘れてはならない。つまり、現在イランが行っているウラン濃縮は原子力発電のためと言える。勿論、原子力発電を行えば、その燃料滓からプルトニウム239を分離することが可能で、それは長崎型原爆の材料となり得る。

 

(15:30 補足1を追加、編集あり)