小泉元総理は原発ゼロを言いだし、自分の存在を誇示している。テレビニュースによれば、昨日も十分な知識を有しない大衆を相手に、原発ゼロをあたかも安倍政権の政策を批判するような調子で講演している。現政権の政策をまともに理解もしないで、自分の拡声器が大きいことを利用していい加減な発言を繰り返している様に見える。真に日本を原発を廃止してもやって行ける国にしたいのなら、先ず、自分がその道筋を論文にまとめて新聞社か出版社に持ち込んで、公表すべきである。知識を積み、政治家として十分質の高い形で意見を持った上で、一流の専門家を各分野から招いて、“原発ゼロシンポジウム”とでも名付けて議論する場を開いたらどうか。数年前に総理大臣を行なった人間なら、それ位のことをしてから自分の意見を表に出すのが、国民に対する礼儀ではないのか。
以下にその他、小泉氏の姿勢に対する疑問点を挙げる。
第一に、誰も原発全廃に反対などしていない。全廃の時期の問題で議論しているだけである。
原発に頼らないで、この国の経済が回って行くのなら、そして、エネルギー源を自然エネルギーに転換できるのなら、反対するものは殆どいない。太陽光発電を1.0 kWh当り10円(天然ガスによる火力発電)で出来るのなら、全て太陽光発電にすれば良い。風力発電や潮流発電なども同様にコストを下げる方法が研究されているが、未だに35円を切っていない。円安誘導で漸く国際競争力を取り戻しつつ在る国内製造業者は、電力料金の上昇によるコスト増大で再び競争力を失う。日本は貿易で利鞘を重ねなければ生きて行けないことが解らないのか?
第二に、聖域なき行政改革はその後どうなった?まだ政治に関与したいというのなら、自分が言いだしたことをやり遂げてからにしたらどうか。途中で投げ出すくせに、偉そうなことを言うなといいたい。
第三に、原発燃料の廃棄物の処理は、小泉氏が宣伝する程、困難でないかもしれない。また、核燃料廃棄物の問題は、原発全廃してもしなくても存在することを問題視していない。深く地中に保存することは、現在の技術だけでも可能だろう。放射性物質というだけで恐怖を抱くのは非科学的態度である。(注1)また、希釈した燃料廃棄物をガラス状に固めたものを海溝に放棄する方法も大前研一氏が提案している。海溝でプレートとともに地中深く潜ってしまえば、放射能が無くなるまでは少なくとも地表に出てこない。
注釈:
1)100兆ベクレルのガンマ線放射物質でも1メートル程度の厚さのコンクリートで取り囲めば、漏れてこない。アルファ線やβ線はアルミフォイルでとまる。紫外線をたっぷり浴びた顔をしながら、放射線を魑魅魍魎のように恐れるのは滑稽である。
0 件のコメント:
コメントを投稿