ウクライナ戦争が新しいステージに入っている。東南部4州のロシアへの併合が今日にも実行されるだろう。そして、それはロシアのプーチンの命を懸けた戦いの始まりとなる。この世界史の新しい展開を強く印象付けたのが、ノルドストリーム(ロシアとドイツを結ぶガスパイプライン:以下、NR1と NR2)の破壊である。
海底に埋設されたこれらのパイプラインの破壊は、国家レベルの破壊活動と考えられる。国際政治に関する動画配信を続ける米国のユーチューバーHaranoTimesは、容疑国として、ポーランド、米国、ウクライナ、ロシアの4つの国をあげ、簡単に考察している。
ポーランドは、国内にガスパイプラインを持ち、 NR1とNR2の破壊はその経済価値の相対的高まりという利益がある。そして、NR1とNR2の破壊を知った元外務長官のRadek Sikorskiがツイッターで、Thank you USAとツイートしたことをその写真とともに引用している。
ただ、そのように軽く引用できることは、逆にポーランドはそこまでしないだろうと思わせるだろうし、実際その通りだろう。
Sikorskiが感謝した米国には、十分な容疑が存在する。その一つは、米国も有数の天然ガス資源国であり、これらの破壊によりヨーロッパは米国からの天然ガスに頼らざるをえなくなる。実際、トランプがノルドストリーム2の建設に反対していたことは記憶に新しい。https://jp.reuters.com/article/gazprom-nordstream-usa-idJPKCN1TD2B3
ウクライナの容疑だが、HaranoTimesはその可能性が低いと分析している。その理由は、もしバレた時の危険が非常に大きいことである。つまり、NR1とNR2は、ロシアと伴にドイツなどEU諸国も受益国なので、ウクライナはEUからの支援を失い、逆に非難される可能性大である。
最後にロシアだが、NR1とNR2はヨーロッパとの関係を維持する大事な道具なので、それを破壊することは余程の理由がない限りあり得ない。ただ、現在ガスは止められており、それに戦争後にそれらの修復をすることは不可能ではない。
更に、戦争が終わった後、ヨーロッパは別のガス供給元を探して、何かと厄介なロシアには頼らない可能性もある。それらを放棄する代わりに、欧米へ警告と、ロシア国内での欧米への敵対心を高めるためには効果が高いと考えられる。
ANNニュースは、元CIA長官のブレナンの言葉を紹介している:「パイプラインは海底60mのところにあり、ロシアなら簡単に爆発物を仕掛けられる。それは、ウクライナの先(ヨーロッパ諸国)も狙えるというシグナルである」と。https://www.youtube.com/watch?v=gB9DzdFOBCk
もしそうなら、この事件はベトナム戦争におけるトンキン湾事件、満州事変における柳条湖事件(ウイキペディア参照)などの自作自演の事件と同じ位置に置かれる。近代史にはこの種の事件は多く存在し、それぞれ戦争のモードが大きく変わる時の一里塚として存在する。
それでも今回の事件はロシアの犯行とは決められない。このウクライナ戦争が単にウクライナとロシアの戦争なら、そのような見方が有力である。しかし、これが第三次世界大戦から、所謂グレートリセット(補足1)の入口となる戦争なら、むしろ米国が疑われるだろう。
米国のバイデンは今年2月、HaranoTimesの上記動画も引用しているように、ロシアがウクライナとの国境を超えて侵攻した場合、NR1と2を破壊する可能性に言及している。そして、記者の質問に「我々にはNR1と2を破壊する能力に自信がある」と言い切った。(補足2)
ロシアが米国の下に位置する国なら、ロシアへの懲罰としてNR1とNR2を破壊すると警告できる。しかし、ロシアとの現在の関係では、ロシアへの対欧米戦争への挑発としかなり得ない。つまり、この戦争を中止させない為に、これらガスパイプラインを破壊したという見方が成り立つ。
それは、これらの破壊が「あなたの国は、今後我々の経済圏から今後完全に締め出されるのです」というメッセージとなり、欧米への敵対心高揚の効果とともにロシアから後顧の憂い、つまり今後のロシア欧州間の経済交流に関する心配を取り除く効果もある。
現在ロシアには、通常兵器でこの戦争に勝てる見込みはほとんど無くなった。それは、如何に予備役を集めたとしても、戦争を決めるのは兵器の質と量であり、両方とも米国側つまりウクライナ側とは大差があるからである。
以前から、米国ネオコンらは世界経済フォーラムと協力して、世界の共産革命(21世紀型であり、マルクスレーニン型とはかなりことなるだろう)を目指している。(補足1)
その実現は、現代までの世界史のリセット(グレートリセット)としてのみ可能であり、第三次世界大戦的な混乱が必要である。その一定時間内の決着は核兵器を抜きにして考えられない。その第一段階として、ロシアに21世紀での核兵器使用の口火を切ってもらおうというシナリオである。
ロシアは、今、核兵器を封印したままでは、戦争を継続できない情況にある。それが前ロシア大統領のメドベージェフをして、核兵器使用に言及させた理由である。
https://jp.reuters.com/article/medvedev-comment-idJPKBN2QS0H5
米国バイデンは、グレートリセットの片棒を担いでいるという深い理解が無い可能性がたかい。単に、ヨーロッパとロシアの分断だけを考えている可能性の方が高い。
ヨーロッパ諸国は、ロシアと本格的戦争に入らざるを得ないという情況を自覚するだろう。彼らには、背後からのウクライナ応援と声だけのロシア非難では済まされなくなった。同じことが、日本にもあてはまる可能性もある。
これは世界の他の国にとって大きな迷惑というか、悪魔によって仕掛けられた悲劇である。たいへんなことになりつつある。
補足:
1)世界経済フォーラムが提唱しているグレート・リセットは、利害関係者のための資本主義(stakeholder capitalism) への移行として説明される。 ブッシュ・ネオコン政権で情報技術関連の諮問委員会の共同議長を務め、世界経済フォーラムの理事会のメンバーでもあるマーク・ベニオフという人物(ユダヤ人)は、以下のように説明する。
企業目的と運営を株主だけが決めるのではなく、すべての利害関係者(customers, employees, partners, communities, the planet, and society ;顧客、従業員、パートナー、コミュニティ、地球、社会)の意志に基づく経済システム。つまり、資本家から企業を取り上げて、関係者全員で共同管理する新しいタイプの共産主義社会を目指す。
利害関係者に地球が含まれていることが注目される。簡単には、環境問題を重視すると言う意味だが、人間と同等に並べられていることから、人口を減少させても地球環境を納得出来る様に保つと言う意味だろう。ただ、最後の社会が謎である。コミュニティが既に挙げられているので、宇宙とそれを司る神と言う意味かもしれない。つまり、かれらの仲間だけが知り得る社会なのだろう。
2)youtuberのNewYorkサバイバルが、このバイデンの今年2月7日の記者会見を引用している。(ただ動画では、この記者会見の時期を間違い、バイデンが今回の爆破を自白したという風に言っておられる。説明欄に訂正されている。)
0 件のコメント:
コメントを投稿