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2017年6月26日月曜日

憲法改正を困難にしてきた自民党世襲議員たち

日本国民の政治的知識は極めて貧弱である。それは明治維新以来、薩長の下級武士出身者が政治を独占したことと関係が深いと思う。知識のない国民に憲法改正を叫んでも、その声は届かない。その件について、以下考える。

1)明治維新の初代は、改革の時代を生き抜いた者たちであったが、それ以降政治を担当した世襲の政治貴族の質は、低下するのが必然である。そして、欠点を多く持つ明治憲法を聖書のように受け取ってしまったのが、昭和の敗戦に繋がったのだと思う。(補足1)

ダイナミックな世界の姿に接した明治政府の初代の構成員が次第に消え、緊張感に欠け能力にも劣る2代目以降が政治貴族と化し、政治情報を独占するのが伝統化したのが日本政治の姿である。独占が必要なのは、公開してしまえば、自分たちの無能がバレて、政治貴族の地位を失うからである。

昭和憲法のケースも同様である。マッカーサー憲法が制定され、長州の吉田茂とその手下(吉田学校卒業生)という官僚的人間が政治を独占したために、昭和憲法が聖書化された。パージされた党人政治家たちが早期に復帰して、日本の政治を立て直しておれば、あるいは防げたかもしれない。それを邪魔した吉田茂らの罪は深い。(補足2)それを戦後の名宰相と考える政治評論家も、超保守的な日本の悲劇を演出する一派である。(補足3)

2)安倍総理は、流石に憲法改正の必要性を感じて、「臨時国会が終わる前に、衆参両院の憲法審査会に自民党案を提出したい」と述べ、秋から年内までを想定する臨時国会の会期中に、党改憲案を提出する方針を示した。https://mainichi.jp/articles/20170625/k00/00m/010/040000c

しかし、その必要性について国民に知らせる努力を政府はこれまで、実質的な意味でほとんどしてこなかった。つまり、国民は憲法改正の必要性を実感していないのである。北朝鮮問題は確かに大きな問題である。しかし本当の巨大な脅威は中国であり、現在の38度線の緊張が、いわゆる第一列島線に移動し中国の勢力下に入った統一朝鮮と対峙する時代がそこまで来ているのである。

北朝鮮のノドンミサイルは日本のほぼ全域を射程にいれているが、そこに核兵器を搭載するまでには至っていないだろう。しかし、中国の東風21という核ミサイルは既に24基、北朝鮮の近くに配備されて日本列島の主なポイントに照準を合わせている。(補足4)

中国は、核兵器を保持していない日本に照準を合わせ、核ミサイルを24基も配備している

のである。あのロシアでさえ、エリティン大統領の時代に、日本を核ミサイルの照準から外したと表明しているのである。

その事実をどれだけの日本人が知っているのか、また、日本国政府は知らせているのか? それらの事実を早い時期に知らされて、危機感を国民が持っていれば、憲法改正の必要性を自覚していただろう。喉元に包丁を突きつけられていることを知れば、日本人も生き物なら自衛手段が必要だと感じる筈だ。

自民党政権幹部や自民党議員たちは、国家のことよりも自分たちの子供や孫の仕事を考えて、簡単で楽な国会議員という職業をまるで貴族の地位のように世襲してきた。KGBのスパイとして働いて来た野党議員(何名かは判明している)たちも売国奴だが、彼らも同様に売国奴ではないのか。

補足:
1)天皇に陸海軍の統帥権を置いたのは、「明治政府は、薩長の田舎侍と下級貴族たちではなく、天皇が直接治める」という形を作りたかったからだろう。30年ほど経って、薩長の下級武士たちも立派な明治の元勲に見えて来た時に、憲法を改正して議会と内閣が政治の実権を持つ形に改憲すべきだったと思う。それは、明治天皇と明治の元勲たちの力関係が反転する前にやらなくては永久にできない。
2)朝鮮戦争の時には日本からも義勇兵が出ているし、国際的な緊張感があったと思う。それがなくなる前に憲法改正すべきだったと思う。李承晩の反日政策の時には、憲法改正の話はでなかったのだろうか?
3)6/25放送の「そこまで言って委員会NP」で橋本五郎とかいう読売系の政治評論家が、吉田茂や中曽根康弘らの歴代総理の業績を評価していた。第一位が中曽根康弘で第二位が吉田茂だった。吉田茂は、マッカーサーの言いなりになって、鳩山一郎や石橋湛山のパージに協力し、更にその復帰を遅らせ、その間に官僚たちを政治家にして自分の力を拡大しようとした(吉田学校)、とんでもない政治家だ。彼が一位にあげた中曽根康弘の自伝”自省録”の中に正にその様な吉田茂の評価が書かれている。読んでないのか?
4)DRC中国研究会、「日本が中国になる日」、光人社(2008)参照。

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