国際問題評論家の田中宇氏がブログで、朝鮮半島の軟着陸のシナリオを考察している。それによると、中国とロシアは、北朝鮮が核開発を現状凍結することを条件に軟着陸させる可能性を議論している様だ。http://tanakanews.com/180107korea.htm 韓国の文在寅政権はそれを最初から望んでおり、今日その第一歩である南北対談が行われる。会談の内容が注目される。
田中氏は、韓国は北朝鮮に気をつかって話をオリンピックに限定し、核軍備などについての話はしないだろうと予測している。日本政府は、北朝鮮が核廃棄に向けた政策に変更しなければ、南北会談は意味がないと声明を出しているが、そんな話になる訳がない。トランプ大統領も平和に向けた会談を歓迎すると表明しているが、これは正直な言葉だろう。米国は戦争などやりたくはないのだから。
北朝鮮の南北対話継続の条件は米韓軍事演習を止めることであり、差し当たり直近の演習は延期された。米国は、演習延期はオリンピックを平穏に行うためだとしているが、今回の話し合いの結果次第で、韓国は永遠に延期するだろう。最終的に南北の同盟関係に発展すると思われる。
米国は、4月に演習を行うと表明しているが、それは日本で核武装を考える層に対するフェイントかも知れない。最終的には、米国の核の傘と日米安保は万全だという米国政府の声明と、日本のそれに対する盲従的発言で、米国は一件落着とするだろう。それが、先週末に書いた私のブログの内容である。
最近、米国の世界での存在感が、GDPのシェア低下も示す様に明らかに低下している。その結果、米国一極の世界は終わり、世界は多極化の方向に進んでいる。そんな中米国は、東アジアでの覇権をそう遠くない将来、放棄するだろう。その際、後に核武装した日本を残したく無いのである。 。https://www.wsj.com/articles/does-trump-want-a-nuclear-japan-1504549899
この一年間、東アジアで米国が時間を取って行ってきたことについて、北朝鮮との対立の図式でしか考えない日本人は愚かである。米国が慎重に検討してきたことは、北朝鮮の核戦力を現状で承認した場合、日本が核武装に踏み出すかどうかを見極めることだったと私は思う。そして、米国が期待するのは、通常兵器やミサイル迎撃システムを米国から沢山買い込み、米国との軍事的協調関係を深めれば、北朝鮮の核と対峙できると盲信する日本である。
その日本を極東の孤児(本人が気付かない形で)として残せば、日米安保条約が「金のなる木」として極東に残り米国にとって万々歳である。実際、そのようになりつつあると思う。
韓国の文在寅政権と違って、日本は最後まで米国から自立出来ないだろう。それは、日本の核アレルギーを醸成することに協力的な池上彰氏など評論家諸氏を含めて日本のマスコミの米国への協力と(昨日のブログ参照)、日本の政治家の事なかれ主義の結果である。
以上のように考えるのだが、一つだけ疑問が残る。それは「ロシアはそのシナリオで満足なのだろうか?」というものである。中露の友好は、米国一極時代の遺物となる筈だが。。。。東アジアの覇権は中国が握る。時間が経てば、朝鮮半島への影響力をロシアは失うだろう。ロシアの経済は、停滞を続けシベリアでの人口分布は、中露国境において急勾配を為す。千島や樺太は、ロシアの最果ての地で終わるだろう。
それなら、プーチンといっても大した政治家ではない!!!??? (語句編集あり、18時)
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