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2023年1月9日月曜日

米国下院議長選出のプロセスで感じたこと

米国下院議長が15回目の投票で漸く決まった。Kevin McCarthyは名前だけ共和党員(RINO: Republican in name only)の一人と言われているが、ウクライナに白紙小切手は出さないと過去に発言しているので、今後バイデン政権のウクライナ戦争への無制限支援の姿勢が制限される可能性が高い。

 

この共和党への下院議長交代が、2025年の新大統領就任までの繋ぎの役割を果たすと思う。このあたりについて、そして予想される具体的な期待については、中国から日本に帰化された張陽さんの解説に詳しい。本当に素晴らしい解説です。https://www.youtube.com/watch?v=gtnzxNKuL9w
 

議長選出から交代までのプロセスが以下のyoutubeにリアルタイム動画としてアップされている。そこには日本の議会とは全く異なる政治光景があったので、それについて少し覚書を残したい。英語の能力は残念ながらあまり無いが、その概略と雰囲気を知ることはできる。

 

 

書記官が第15回目の投票結果を発表し、選挙を担当した方々の紹介の後、登壇した民主党からのHakeem Jeffries候補 と共和党から立候補したKevin McCarthy候補が登壇して、引継ぎのスピーチを行った。

 

ハキーム・ジェフリーズは、前議長のナンシー・ペロシを褒め称え、彼女及び下院民主党リーダーのSteny Hoyerと副リーダーのJim Clyburnのリーダーシップの下で戦ったことを名誉に思うとの言葉に続き、この二年間のバイデン大統領府と議会の成果について語った。

 

彼は、長引いた選挙を振り返り「聖書はガラテオ人への手紙でこう言っています。 良いことをすることに疲れないようにしましょう。あきらめなければ、適切な時期に収穫を得ることができます」と語った。聖書は欧米の知恵の中に生きている。(補足1)

 

そして、今後二年間もより良いこの国の政治の実現にむかって戦おうと発言。少数党になった今、あらためて米国について信じる所を語る。その語りの中で印象的なのは、世界中からの人々によるモザイク状を為し、その中で平和裏に政権の移譲が為されるという“広がり(diversity)の文化”の国だという下りである。(補足2)

 

その信じる米国の姿を述べたあと、人民の槌(議事進行のために打つ槌)をケビン・マッカーシーに手渡す。(補足3)議会の体制が整ったその瞬間に第118議会が始まり、マッカーシー議長が就任の所見を述べた。

 

その光景とその中での言葉を実際に聞いて感じたのは、米国の民主主義は正常に機能していることである。これは後の方で、マッカーシー自身の口からも語られている。(彼の言葉:Democracy will thrive in this country.)

 

議長は議員の投票で決まる事実が、15回繰り返された投票を見る国民の目前に示される。議長の選出までを仕切るのは、下院の書記官つまり選挙で選ばれない公務員である。議長選出直後から新議長が仕切る。この当たり前のことに妙に民主主義を感じた。

 

日本では新議長選出はニュースになるが、議長たちが何を信じて政治に拘わっているか全くわからない。それは議長だけでなく、内閣総理大臣や各省大臣についても同じである。彼らは何を信じ、何を目指して政治に関わっているのか、論理的且つ具体的に述べる光景をみたことがない。

 

マッカーシーは、民主党のハキーム・ジェフリーズに、意見の対立があろうとも熱意ある議論を行うとの約束を行い、自分の責任は自分や自分の党に対してではなく、我が国に対して存在すると言う。党利党略を優先する気持ちなど無いと宣言した。

 

我々が今仕事をしなければならないのは、強い経済の実現であり、それは我々の燃料タンクを満たし、我々の家庭に食べ物を運ぶことである。そして、人民の為の仕事であり、人民の安全と地域の保安の確保、法が正しく執行され、犯罪者が告発されることである。


つまり、理想論は語られるが、具体的で人民の生活を守る政治がいままで蔑ろにされていたと言いたいのだろう。

 

この動画で米国の政治文化を覗き見ることができる。上記に加え、米国文化で日本文化と異なる点もう一つに言及したい。それは両候補とも、自分と相手の生まれについて言及しており、個人主義の国でも系図を重んじることである。(再度、補足3)

 

以上、中途半端な文章だが敢えてアップロードします。今回の米国下院議長選出の意味については、張陽さんの解説の他にもカナダ人ニュース、HaranoTimes、及川幸久THE WISDOM CHANNEL等で詳しく語られているので、それらを推薦させていただきます。

https://www.youtube.com/watch?v=F2OzT0TA2SQ

https://www.youtube.com/watch?v=GuXx_8o5G-0

https://www.youtube.com/watch?v=qqFNrwtF7-E


 

補足:

 

1)いつも憎まれ口を聞いて恐縮だが、日本には辛うじて儒教など中国由来の名言があるのみで、それは血の通った人の言葉という実感がない。そしてそれらは、体系的でなく断片的である。

 

2)これは民主党の理想論であるグローバリズムであり、その模型が米国の政治であることが分かります。この語りの中で印象的な部分をとりあげます。このスピーチを聞いて、日本の政治とその担当者たちの能力を考えてほしいと思います。

We believe in a country with the peaceful transfer of power. We believe that our diversity is a strength.  It’s not a weakness. An economic strength, a competitive strength, a cultural strength. We are a gorgeous mosaic of people from throughout the world. As John Lewis would sometimes remind us on this floor. We may have come over on different ships, but we are all in the same bout. We are native american, we are christian, We are native american, we are christian, we are Jeuish, we are muslim, we are hindu, we are religious, we are secular, we are gay, we are straight, we are young, we are older,…. That’s what makes America a great country.  No matter what kind of haters are trying to divide us, we are not going to let anyone take that away from us, not now, not ever.  This is the United States of America, the land of opportunity. 

 

私たちは、権力の移譲が平和的に行われる国を信じています。 私たちは多様性が私たちの強みであると信じています。 それは弱点ではありません。 経済力、競争力、文化力。 私たちは世界中の人々の豪華なモザイクです。ジョン・ルイスがこのフロアで時々私たちに思い出させたように。私たちは別の船でやってきたかもしれませんが、私たちは皆同じ戦いに参加しています。 私たちはネイティブであり、キリスト教徒であり、ユダヤ教徒であり、イスラム教徒であり、ヒンズー教徒であり、宗教的であり、世俗的であり、同性愛者であり、ストレートであり、若く、年をとっています.... それがアメリカを偉大な国にしているのです。 どんな種類の嫌悪者が私たちを分断しようとしても、私たちは誰にもそれを奪わせません.今もこれからも. ここはチャンスの国、アメリカ合衆国です。

 

3)この槌は人民の槌であると、ハキーム・ジェフリーズが引継ぎの時にかたっている。そのあたりの彼のことばを引用する。ここでもう一つ注目すべきなのは、マッカーシーの出自について紹介している点である。

It is now my solemn resposibility to hand over the people's gavel to teh son of bakerfield, a former small business owner.  A proud product of a firefighter's household. The gentleman from the great state of California and the next speaker of the 118'th congress.

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