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2025年5月9日金曜日

「信教の自由」が基本的人権として成立した経緯

1995年のオーム真理教による地下鉄サリン事件から30年経過した。あれだけの事件を引き起こした教団だが、姿を変えてはいるものの未だに活動している。その事実は、憲法に信教の自由が基本的人権として明記されていることと、哲学の伝統を持たない日本国民がそれを教条主義的に信じていることと深く関係しているだろう。そこで、この信教の自由の問題を少し考えてみる。

 

「宗教」には二つのタイプがある。一つは個人が生と死と人生を考える中で磨き上げた知恵に関する、例えば仏教のような個人的宗教と、民族や集団が生存と繁栄のために団結する旗頭として生まれた社会的な宗教である。

 

 

社会を分断に導き、教義の延長上で社会的活動に繋がる可能性のある後者の宗教に関しては、国家は無批判に「信教の自由」を保障するべきではない。

 

ここでは、この信教の自由が基本的人権として成立する歴史を考え、そのような考察をする方々への材料としたい。以下は、本ブログ筆者の仮説を出発点とした議論を、チャットGPTが整理しまとめたものである。筆者の本記事を書く意図と、以下の文章のニアンスが若干異なるのは、チャットGPTは現在の主流の考え方を踏襲しているからである。

 

兎に角、一素人の考えとしてお読みいただきたい。

 

信教の自由はなぜ「基本的人権」なのか──少数者が作った普遍の理念


※本記事は筆者の宗教観に基づいた仮説を出発点に、OpenAIのChatGPTによる構成整理・歴史的補足を加えて再構成したものです。筆者が提示した宗教の二類型や歴史的仮説をもとに、ChatGPTが資料の整理・文体調整・論理補強を行っています。
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◆ 序章:信教の自由は誰のためのものか?


「信教の自由は基本的人権である」──この言葉は、多くの国の憲法や国際人権規約に明記されています。しかし、冷静に考えてみると、宗教がしばしば戦争や対立の原因になってきたことを思えば、なぜこれが「自由」や「人権」として特別に守られているのか、不思議に感じる方もいるかもしれません。

この記事では、宗教というものの性質を改めて見直しながら、信教の自由がどのように「国際的常識」になったのか、そしてその背景にあった少数者たちの歴史的な努力について考察していきます。

◆ 宗教には「個人的」と「社会的」の二種類がある
 

筆者の考えでは、宗教は大きく次の二種類に分けることができます。

個人的な宗教:死や苦しみと向き合いながら「どう生きるか」を考える内面的な宗教。仏教などが代表です。


社会的な宗教:集団や種族の結束、統治のために発展した宗教。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教などの一神教が代表です。

後者は「神」を中心に据えることで集団の統一を図るため、政治・民族との結びつきが強くなります。そのため、「信教の自由」を主張することは、時に社会秩序への挑戦として受け止められ、争いの火種になることもあります。

◆ 歴史の中で育まれた「信仰の自由」


現代における信教の自由の理念は、長い歴史の中で少しずつ形作られてきました。以下、簡単にその流れを見ていきます。

◇ 宗教改革と宗教戦争


16世紀、ヨーロッパで宗教改革が始まり、個人が自分の信仰を選ぶという考え方が生まれました。しかし、実際にはカトリックとプロテスタントの激しい争いが続き、三十年戦争のような大規模な宗教戦争を引き起こしました。

この時期の「信仰の自由」とは、どちらか一方に従うのではなく、血を流さずに共存するための政治的妥協だったのです。

◇ 啓蒙思想とユダヤ人の知的貢献


17〜18世紀、啓蒙思想のもとで「信教の自由」は理性に基づく権利として理論化されていきます。ここで注目すべきは、長年差別されてきたユダヤ人というマイノリティの存在です。

ユダヤ人たちは知性・教育・経済的な力を武器に、理論的にも実務的にも社会に大きな貢献を果たしていきます。特に、モーゼス・メンデルスゾーンのようなユダヤ系思想家は、信仰と理性の共存を主張し、多様な社会の礎を築く重要な役割を果たしました。

◇ アメリカ建国と制度としての自由


アメリカ合衆国の建国者たちの多くは、宗教的少数派でした。彼らは、異なる宗教を持つ人々が共存するために「政教分離」と「信教の自由」を憲法に明記しました(憲法修正第1条)。これは、単なる理想ではなく、多様性の中で社会を維持するための現実的な戦略でもありました。

◇ ホロコーストと国際化された人権


第二次世界大戦では、ユダヤ人をはじめとする宗教的・民族的マイノリティがナチスによって徹底的に迫害されました。この悲劇の後、国際社会は「信教の自由は人類共通の基本権である」と強く意識するようになります。

1948年に採択された世界人権宣言第18条には、信教の自由が明記されました。この動きには、ユダヤ系の法学者や国際機関の専門家たちが深く関わっており、彼らの知性と経験が国際的価値観を形成する原動力となったのです。

◆ 結びに:少数派が作った「普遍の原則」


信教の自由は、もともと「多数派のための自由」ではありませんでした。むしろそれは、歴史の中で抑圧され続けた少数派が、生き延び、尊厳を守るために闘い抜いて手にした理念です。

それゆえ、この自由は単なる理想主義ではなく、現実の痛みと知恵から生まれた普遍的価値なのです。私たちが今日、信教の自由を当然のように享受しているのは、過去のマイノリティの苦闘と貢献の上に立っていることを忘れてはならないでしょう。

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【筆者の視点】
筆者の宗教観に基づいた「宗教の二分類」および、宗教的マイノリティの役割に関する仮説が、本記事の出発点となっています。

【AI支援について】
記事の構成、歴史的背景の整理、文章の調整等にはOpenAIのChatGPTの協力を得ています。

 

(以上)

2025年5月6日火曜日

YOUTUBE等SNSでインフルエンサーとなった人たちによる偽情報のばら撒き

youtube等のSNSでは、その分野の専門家でなくてもインフルエンサーとなって様々な言論を映像に乗せて公表することが出来る。それは知識を広めたいという善意でなされたとしても、受け手が一人の素人の観察・知識・意見であるとの了解を持たなければ、善意の目的に反してむしろ危険である。

また権威ある専門家でも、一般公衆に知識を広めると言うこと以外の動機、例えば政治的動機のもとになされれば、歪んだ情報は真実の外装を伴って広く伝搬される危険性がある。インターネットを手にした人類は、非常に高い情報伝達効率を実現したが、それに翻弄されない為には、受信者はより慎重な姿勢と情報浄化能力を持たねばならない。

 

受信側がSNSへの対応能力を持たなければ、そこでのやり取りから一般市民の意見が沸騰し、社会を混乱に導く可能性がある。本ブログ記事は、その危険性への警戒の必要性を示すためである。

一つの例をあげる。youtubeで主に政治分野のインフルエンサーとなった茂木誠氏とジェイソンモーガン氏の著作「西洋哲学入門」が別のあるyoutuberによって紹介されていた。その紹介動画によると、たいへん興味ある題材に関する本なのだが、誤解を招く部分も非常に多いと思った。(補足1https://www.youtube.com/watch?v=xfh18CPrlnk

 

 

この本は、二人のyoutuberの対談本であり、SNSの延長上にある本と考えられる。その紹介された内容から、二人の哲学や宗教に関するyoutubeでの会話(補足2)に、「西洋哲学入門」という表題を付けて出版し売り出したように思われ、そのような題名を付ける傲慢さにあきれる。

 

勿論その責任の大きな部分は出版社にもあるのだろうが、やはり最終責任は著者が負うべきである。youtubeでの配信の感覚で出版されたのだろうが、ここで紹介された本を哲学入門書と思って買った人はとんだ思い違いをしていることになる。

二つだけコメントをアップしたので再掲する。この動画の17分頃のジェイソン・モーガン氏の科学と科学者についての誤解に対して、そしてもう一つは4分半頃からの哲学と宗教を混同した議論に対して、それぞれコメントした。(コメントの当否は動画を視聴して判断してもらいたい)

コメント1: (17分から)

「科学とは何か」と言うことを科学者自身が忘れているようです。今日では科学は宗教的になりました。」なんて、無茶苦茶な議論です。確かに科学を誤解している人もいるだろう。しかし、それは科学の責任でも科学者一般の責任でもない。馬鹿な科学者もいるだろうが、そんな安易な一般化は有害無益である。

 

二人は、政治の混乱を文明の問題としてしまっているのである。政治的に動く科学的知識を持った人物の行動や運動を科学の責任とすることにより、その政治運動に正しく対応すべく行動している者たちを邪魔することになると思う。

コメント2:(4分30秒から)

ここでの紹介どおりなら、お二人の著者は哲学を理解していない。哲学は宗教と違って真理を前提としないし求めもしない。そして知識においてパーフェクトを目指すとしても、その時点での知識をパーフェクトだとは考えない。改善が可能だと考える。特定の神を否定するとしても、神という概念を否定しない。仮説をたてるが、それは真実とはしない。

イオニア学派の延長上にあるニュートンの自然哲学を例にとると、万有引力の法則は真理ではなく単なる仮説である。真理を前提としない自然哲学、つまり科学は、その姿勢故に量子力学を生み出し、近現代の科学技術の基礎となった。その恩恵を受けていながら、それを病の元だというのは全くおかしい。

 

尚、これまでお二人の政治活動家としての意見をyoutubeで聴き、日本の為に良い活動をされていると思っている。それだけに、このような内容の文章を書くのは残念である。兎に角、反対意見を聴き、それについて議論することが、真実を目指す唯一の方法である。傲慢であってはならないと思う。

補足:

1)このyoutube動画に対して、原著者と思われる方からのお礼のメッセージとそれへの返答がコメント欄にあり、紹介内容が原著者の期待通りだったように思われる。

 

2)この本は二人の複数のyoutube動画での会話をまとめて整理したものだと思う。それらの一つは:https://www.youtube.com/watch?v=jTIuBNVHtis 

 

==== 13:00編集 ====

 

 

 

2025年5月2日金曜日

トランプを失敗に導く閣内ネオCたち

トランプ政権からイーロン・マス氏が去ることで、政権内部の戦争屋ネオC(neo-conservative)勢力のシェアが高くなる。その結果、トランプ政治が経済政策でも国際政治でも当初の発言とは異なる方向に進む確率が高くなってきた。

 

 

経済では、トランプの相互関税の考え方は、現在の高度な技術で成り立つ産業とそれが能率よく働く環境である現在の世界経済体制(WTO体制)とは矛盾し、トランプが強権的にこの方向を進めば、世界経済を破綻に導く可能性が高い。(46日の記事)https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12892765634.html

 

このトランプ関税に関する最初の記事以降においては、基軸通貨としてのドルの防衛や安全保障のための製造業再興などというこの政策の意味を考えたが、それらに対する深い戦略はトランプには無かった可能性が大きい。トランプは単なるポピュリストなのだろう。
 

そのように思うようになったのは、トランプ政権がウクライナとのレアアース資源の共同開発に同意し、今後ウクライナの軍事支援に向かう可能性が出てきたことである。https://www.yomiuri.co.jp/world/20250501-OYT1T50160/

 

採算が取れるかどうか分からないようなウクライナの鉱物資源の開発に、ゼレンスキーの目論見通りに米国が真面に取り組む姿勢は、ロシアとの戦争に本格的に関わることを意味している。

 

この時点までゼレンスキーを正規の大統領として認めるトランプの資源外交は、二重に愚かである。一つは、採算面の考察が十分なされていない可能性が高いこと;二つ目には、ゼレンスキーが大統領のままでは、東部四州にあるレアアース開発などでプーチン・ロシアと衝突する可能性が高いことである。

 

その延長上に、第三次世界大戦に進む可能性も再び浮上してきたと思う。そうなれば、トランプは一緒にロシア潰しを再開するべく、もう一度NATOを強化するのだろうか?
 

2)エマニュエル・トッドとジム・ロジャーズが語るトランプ関税政策

 

エマニュエル・トッド氏は、池上彰氏との対談で「日本は今後核武装をした上で何もしないことを勧める」という言った。これは、米国との同盟関係を薄くしていくことを勧めるという意味だろう。(補足1)

 

米国が今後、世界の政治経済を破壊する渦の中心となっていくなら、それが最も重要な採るべき戦略だろう。しかし、残念ながら日本人には核兵器を持つ決断など出来そうにないし、日本の政治家に米国べったりの外交を止めさせるのは無理だろう。

 

トッド氏は、トランプの関税政策が失敗する理由をわかりやすく解説している。世界の基軸通貨発行国という立場で発展した米国の金融業は、製造業を荒廃させることに繋がったというのである。そして今や米国は、金融家の住処であり、技術者がそれと同等に評価される国にはなり得ない。

 

その製造業を再興すべきだというトランプの直観は正しいとしても、諸外国に対し暴力的姿勢で高関税政策を用いることでは目的は達成されないと話す。トランプの保護主義は、知性もそれに基づく慎重さもなく、おそらく失敗するだろうと話している。https://www.youtube.com/watch?v=POBnU-knw_E

 

 

更に、トッド氏は今後米国はウクライナにおいても、米国の政治と産業の敗北という意味を持つと話す。


これまで、ベトナムやアフガニスタンなどで米国は敗北をしてきたが、米国にとっては民族内外の争いへの介入失敗として片づけられる敗北だった。しかし今回のウクライナ戦争は、ウクライナを雇って戦った米国とロシアとの本格的戦争であり、それに失敗することは歴史上初めての米国の敗戦ということになる。

 

その大きな原因の一つは米国の製造業の衰退であると話す。つまり、武器の開発競争でもロシアの後塵を拝することになったと考えるべきだと言うのである。

 

更に、世界の三大投資家の一人として名高いジム・ロジャーズ氏も、今後数年内に世界経済は困難に陥るだろうと話す。トランプの米国製造業の復興を目指しての関税政策は、世界経済を停滞させ、それが米国にも波及すると話す。https://www.youtube.com/watch?v=fDemZJp6v5k

 

 

 

3)米国ネオCが根を張りつつあるトランプ政権

 

上に引用の話の中で、ジム・ロジャーズは、教え子とも言えるイエール大学の後輩のスコット・ベッセント氏(財務長官)について、彼は優秀な人物だったと話している。イエール大学といえば、スカル&ボーズの会員(補足2)を含め米国のネオCの方々が多く卒業している。

 

ベッセント財務長官はその経歴からもネオCであると思われる。ジョージ・ソロスの配下として金融界で活躍したベッセント氏は、何もかも承知の上でトランプの関税政策に協力している可能性が高い。無能なイエスマンである筈はないだろう。

 

今回のウクライナ戦争で、トランプ政権を停戦の方向から戦争継続の方向に軌道修正させるべく働いているマルコ・ルビオ国務長官も、本質はネオCだろう。

 

 

彼らの力が徐々にトランプ政権下の米国を戦争から米国自壊へと導くグローバリストの既定路線に導いているように見える。
 

以上は、元理系研究者という素人による観測ですので、文系を専門とする方のコメントを頂ければ幸いです。

 

 

補足

 

1)キッシンジャーの発言を味わうべきである。彼はベトナム戦争のあとで、「アメリカの敵になることは危険かもしれないが、友人になることは致命的である」と語った。この言葉を今深く味わっているのはウクライナの人たちだろう。そして、そのあと同じ言葉を深く味わうのは日本人かもしれない。

 

 

2)スカル&ボーンズ(髑髏と骨)はイエール大学の秘密クラブで、ブッシュ大統領やその一族もその出身である。歴代CIA長官も、その秘密結社の出身者(ボーンズマン)が就任しているという。

(翌早朝2、3の修正の後最終稿)