(本稿は、OpenAI ChatGPT(GPT-5)の協力により作成されたものです)
はじめに
私は、反グローバリズムを掲げる参政党の理念を高く評価し、これまで一貫して支持してきた。しかし、最近の国会における参政党議員の質疑内容は、財政と経済成長の根本を理解しているとは到底思えない。日本の低迷する30年は、財務省や日銀のせいではない。その真相に向き合わず、責任を財務官僚や中央銀行に転嫁してきた政治の怠慢こそ、日本経済を劣化させてきた最大の要因である。
例えば最近も、参政党の塩入清香議員・安藤裕議員は、「国債を出せば国民の黒字が増える」「国債は経済の栄養剤」という“点滴財政”型の議論を展開している。それらは日本の根本問題から国民の目をそらす危険がある。この文章は、参政党支持者の警鐘である。党を守るためにそして発展させるためには、誤った財政理論の拡散を止めなければならない。
1.日本の低迷30年は何が原因だったのか
——財務省悪者論では説明できない現実——
戦後の日本は、低賃金で質の高い労働力を背景に“世界の工場”として成長し、個人所得も西欧先進国に並ぶ水準に達した。しかし1980年代後半以降、世界の工場の役割は中国・東南アジアに移り、日本には“先進国にあるべき経済構造を再設計できるか”という試練が訪れた。
その後、その日本経済の隆盛は、本来の実力の結果ではなかったと示すことになった。停滞の30年である。これには二つの特徴がある。
- 実質賃金の低迷(1995年比で約10%下落)
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民間貯蓄残高の増加(2020〜22年に約100兆円増)
この組み合わせは、日本国民が「低賃金に苦しみながら将来不安のために貯蓄せざるを得ない国」
へ転落したことを示す。本来政治家が向き合うべきだったのは、
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なぜ賃金が上がらないのか
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なぜ日本人が将来不安を感じ続けるのか
であるはずだ。だが与党政治家はその分析を怠り、財務省や日銀を“悪役”に仕立てることで、政治の責任を国民から隠してしまった。これが、安全保障体制の不備とともに戦後の日本政治最大の怠慢である。
2.参政党議員のピンぼけ国会質問
① 塩入清香議員の「国債=国民の黒字」論の危険性
https://www.youtube.com/watch?v=ZHcM57IK_fk
塩入議員の質疑(令和7年11月20日参院財政金融委員会)の中心は、
「政府が国債を発行すれば国民の黒字が増える」
「だから積極財政こそ正しい」
という、MMTのごく一部を切り取った議論に依拠している。
しかしこれは、「国債=点滴」型の放漫財政を正当化する危険なロジックである。なぜなら、国債発行で増えるのは「お金」であって「供給力」ではないからだ。お金をいくらふりまいても、設備投資も技術革新も生まれない社会では、成長どころか疲弊が加速する。
塩入議員が見るべきだったのは、国民資産の数字ではなく、企業がなぜ賃金を上げられず、投資が進まなかったのかという現実である。
② 安藤裕議員の“国債=経済の栄養剤”という誤解
安藤議員は、国会で次のように主張した。
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「国債発行により国民の預金が増える」
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「財政赤字は民間黒字だから善だ」
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「国債発行を躊躇すべきでない」
これらは、国債を“常時投与して経済を延命させる栄養剤”のように扱う議論であり、世間では「国債=点滴」型の議論と言われている。しかし、点滴を打ち続けても患者は元気にならない。必要なのは病気を治し体を鍛えることである。
日本経済の病を治療し「体」を鍛える議論が欠落したまま、国債を打ち続けろと言うのは、思想として危険である。
3.参政党が本来取り組むべき「供給力」の議論
安藤・塩入両議員に決定的に欠けている視点がこれである。このことは既に本ブログサイトで明確にしめしている。
日本の供給力を削ってきた3つの構造問題
① 終身雇用による人材の固定化
労働の流動性を阻害し、
企業には能力主義の導入を妨げ、
労働者には賃上げ交渉力を奪った。
② 過剰規制による投資採算性の低下
設備投資インセンティブが失われ、
結果として労働生産性の停滞を招いた。
③ 家族制度・地域社会の崩壊に対する無配慮
急激な戦後発展が社会の連続性を破壊し、
国民に慢性的な将来不安を植え付け、
出生率低下と人口構造の劣化をもたらした。
供給力とは「人間の力」である
お金を増やしても、人材・技術・企業能力が弱れば経済は衰退する。だから「真の制約はお金ではなく供給力」という言葉が重要になる。参政党が本来取り組むべきは、“国債発行は国民の黒字だ”とか”国債発行で国民資産が増える”といった数字遊びではなく、この3つの供給力低下の本質的問題だったはずだ。
4.高市政権の“危ない財政ポピュリズム”の尻拭い役にされる危険
2025年11月に本ブログサイトに掲載した以下の記事:
が警告した通り、高市政権は外国の証券会社に所属する会田卓司氏を経済顧問に抱え、「積極財政」の名の下に点滴経済政策を始めている。それは海外資本にとっては、ソ連崩壊後のロシアで発生したような格安での「日本買い」には都合よいだろうが、日本国民には悲劇である。
その愚かな政策は失敗する運命にある。その尻拭いに参政党が利用され、諸外国のハゲタカには都合よく参政党崩壊となる危険性が高い。
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「国債は国民黒字」
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「国債を出せば経済は良くなる」
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「国債は心配ない」
こうした安藤・塩入両議員の議論は、政権の愚かな財政運営を完全に追認する形となり、国民や支援者は参政党の独自性を信じられなくなる。参政党は今重大な危機の中にある。
おわりに
私は参政党を見限るためにこの批判を書いているのではない。むしろ逆である。参政党には、既存政党が見ようとしない社会構造の弱点、家族制度の崩壊、地域社会の劣化、教育の混迷など、本質的な問題に切り込める可能性がある。
しかしいま、党の国会議員が「国債=点滴」依存型の放漫財政論に飛びつき、安易なポピュリズムに流されるなら、党の未来はない。参政党を支援してきた者として、いまこそ声をあげたい。
ーー(おわり)--


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