2018年9月24日月曜日

文明と科学の二人三脚は終わった。岩手へのリニア加速器誘致は金の無駄使いだ

科学の発展と伴に、人類は高度な文明を築いた。その歴史を簡単に振り返り、その二人三脚はもう終わった事を示す。そして、次世代の大型加速器「国際リニアコライダーILC」の日本での建設は(補足1)、貧乏国になりつつある国の金(かね)の無駄遣いであると思う。ILCは、日本が岩手県に誘致することを検討している。(追補:「科学=物理と化学の理論」と科学を狭く定義して議論しています。9/25 早朝)

1)文明の本格的な発展は、農業の始まりと伴にスタートした。(ジレッド・ダイヤモンド著の「銃、病原菌、鉄」参照)農業は、鉄を入手することで本格的に発展した。鉄鉱石は一般に鉄をプラス二価又は三価のイオンで含んでおり、そこから鉄を取り出すには炭などの還元剤とかなりの高温で熱する必要がある。(補足2)その技術開発は、科学の一分野である化学の誕生とも言える。

機械文明の発展は、蒸気機関の開発が契機になったと思う。それは熱を機械的運動に換える装置であり、物理学の熱力学も同時に発展した。装置には鉄が主に用いられた。ここまでは、科学は技術の後を追っていたのかもしれない。在る特定の技術は、それまで発展した文明の上に経験的に得られた可能性が大きいからである。ただ、発芽した技術が大きく発展するためには、科学的考察を必要としたから、二人三脚と考えるのは正しいと思う。(補足3)

現代の高度な電子技術文明は、それまでの真空技術などの技術の総体と量子力学とそれを応用した物性物理の発達の結果である。量子論は、物質の性質を電子のエネルギー状態と微視的な運動で記述することに成功した。その物性物理学進展の結果、半導体を高度な接合技術で組み合わせて、論理回路をつくりあげるなど(補足4)、人工頭脳的な装置を作り上げたることまで可能になった。この段階では、科学が技術を引っ張る役割を果たしたと思う。

未来の技術として期待されたのが、原子力技術である。これはアインシュタインの相対性理論と核化学(補足5)を組み合わせた技術である。この段階では、完全に科学的成果が新しい技術を生むことに繋がった。それは原子力発電(特に増殖炉)という、人類からエネルギー問題の払拭を可能にする技術を産んだ様に見えたが、核爆弾による悲劇を産み、人類絶滅の危険性も同時に産み出した。

ここまでの科学と技術の二人三脚を振り返ると、人間が両手で実験し、経験可能な現象を対象にした科学は、人類に繁栄をもたらす文明の基礎となり得た。それは、例え悪用され個人の範囲で悲劇を生むことはあっても、人類の絶滅の恐れなど招かない。

しかし、現在の素粒子物理の領域は、少数の特別の才能を持った科学者のみが踏み込む通常経験不可能な領域であり、その研究の結果がどのような危険性を招くか分からない(補足6)し、そもそも個人の生活を個人のレベルで豊かにするような文明に貢献することなどない。

2)例えば、スーパーカミオカンデの建設と維持には、これまで1000億円を超える金が使われたが、この中で発見されたニュートリノの質量についての話は、人類の文明に寄与することはないだろう。(補足7)先端的な分野の研究者を納得させ、ノーベル賞がプレゼントされたが、それは日本を豊かにすることも人類を豊かにすることもないだろう。

それは、人間の経験を遥かに超えるところでの現象に関する研究であり、従って、人間の生活に寄与する筈がない。あり得るとすれば、日本の国際的印象を多少良くする位であり、その寄与は質は違うが、(国民という大きな視点では)大谷翔平さんや大坂なおみさんのと同列に語られるものだと思う。

今回のリニア加速器で、「宇宙誕生の謎を明らかにする」という(補足1に引用した三橋貴明氏の動画で三橋氏により語られている言葉)のは、単に無知な大衆に向けたキャッチフレーズであり、人類に宇宙誕生の謎など分かる筈がない。

科学者たちは、一般大衆に一つのごまかしを用いて、説得を試みている。それは、「科学は真実の集積である」という嘘である。正しくは、「科学は仮説の集積である」。仮説とは、そう考えればこれまでの現象が説明できるという「仮定」である。宇宙の誕生の場面を、やっぱりそうだったと将来人類が経験出来ない以上、「宇宙誕生の謎を明らかにする」ことは論理的に不可能なのだ。

重要なポイントなので繰り返す。仮説であっても、次の体験の予測と体験後の説明に使える仮説と、そうでない仮説がある。宇宙の誕生に関する仮説から、人類のどの体験を予測し、それを説明するのか。後者の人類の体験とは無関係な分野での仮説を得るのに、国家のレベルで支援するのは間違いである。

文明と科学の二人三脚は、相対性理論という科学の分野で終わりになった。それ以降の先端物理は文科省科研費なども含めて一定のパトロンの支援の元で行うべきであり、国民全てが支援する形の国家プロジェクトとして推進することは、国民の財産の無駄遣いである。

補足:

1)このILCの件、三橋貴明氏が9月21日公開のyoutube動画(マット安川のズバリ勝負)で、その誘致を主張していることで知った。https://www.youtube.com/watch?v=Bt6XKTHh_EU 建設費用として、日本が5000億円負担しなければならないが、そのGDPを押し上げる経済効果は、4-5兆円にもなると、三橋氏が主張している。この件、調べてみると日経でも報道されている。https://www.sankei.com/region/news/170629/rgn1706290069-n1.html 三橋氏の大きな経済効果は、私には法螺に聞こえる。何故なら、そんなに経済効果があるのなら、引き受けてが多く競争になって然るべきである。しかし、そうは成っておらず、CERNと日本側研究者は計画の縮小を検討しているという。

2)酸化とは、原子がプラスイオンの形になることである。それが電荷を帯びない状態になることを還元という。

3)よく聞く話、「手違いがありそれが大発明に繋がった」というのがその証拠である。しかし、その発見後、科学的考察が「その手違いが偶然に行われた最善の実験であった」ことを説明し、次の科学と文明の発展の基礎としたのである。経験だけでは、この文明は築けなかったのである。

4)それ以前に真空管による同調、増幅、検波などの電気回路を組み上げることに成功し、電信技術や放送技術となって結実している。トランジスタは真空管である三極管を半導体で再現したものである。何方でも、論理回路を組み上げることが出来るが、トランジスタの発明は装置の小型化と省エネを可能にした。

5)例えば、ウラン235に低速で中性子をぶつけ反応させると、イットリウムとヨウ素に分裂する。また、ウラン238が中性子と反応して、プルトニウム239になる。核化学とは、そのような原子核の反応や崩壊を研究する学問。

6)例えば、ホーキング博士がヒッグス粒子の研究が地球の終焉を招くと心配をしていたという話がある。http://karapaia.com/archives/52174036.html &  https://www.excite.co.jp/News/odd/Tocana_201510_post_7680.html

7)勿論科学技術という文化のいち側面に大きく寄与しただろう。文化と文明の違いに注意してほしい。

2018年9月22日土曜日

スペースX社の有人月周回旅行に前澤友作ZOZOタウン経営社社長の搭乗する話について

スペースX社の月周回旅行に日本の前澤ZoZoタウン(スタートツデイ社、東証3092)の経営者前澤友作氏が予約第一号として搭乗するという計画発表が米国でなされ、日本でも話題になっている。この話が今朝のウエイクで放映された。

そこで、宇宙飛行士の山崎さんが、「5年後だと開発を加速度的に行えば成功する可能性はある」というコメントをしていた。このコメントは不思議である。何故なら、45年以上前に、NASAは有人月着陸旅行を成功させている筈である。その技術をそのまま用いれば、開発費も不要であり、簡単にできる筈である。

何故なら、月着陸を行う旅行よりも月周回旅行の方がはるかに簡単である。月周回旅行には、月着陸船14.7トン(ウイキペディア参照)が不要なことを考えただけで、どれだけ月着陸旅行に比べて簡単かがわかるだろう。

それでも、山崎さんは5年間の開発は、今のペースでは間に合わないと言っているのだ。何故か? 以前のブログに、アポロ計画で有人月着陸旅行したという話は嘘であるとの結論を書いた。 http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2016/12/11.html

アポロ計画の月着陸捏造説については、ロシアのロケットで国際宇宙ステーションに搭乗する日本人宇宙飛行士は皆、ロシアでの訓練の時に知らされているという話をどこかで読んだ。山崎さんの上記の解説は、その話と整合性がある。昨年のブログにも、ロケットの性能からアポロ計画のサターンVでは、有人月着陸旅行は無理ではないかと書いた。 https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43489384.html

高度なAI技術をもってしても、弾道軌道(と少しの姿勢制御等)で月を周回し、地球に帰還することは非常に困難だろう。

スペースX社(米国)は、火星移住計画構想を発表して話題になった(https://matome.naver.jp/odai/2135409072033199001)。 また同社は、2018年中に月周回旅行に2名を送る計画だという話だった(http://www.bbc.com/japanese/39111989 )。これらの話にケリをつけてから、新しい話をしてもらいたいものだ。

BBCはこの件どう報じているか、ネットで見てみたが、一切無視している。ロシアのスプートニクも同様に何も報じていない。ZOZOタウンの前澤さんの彼女の事務所も至って冷静に、月には行かないと言っている。

兎に角、馬鹿馬鹿しい、人騒がせな話である。

2018年9月21日金曜日

プーチン提案に基づく日露平和条約締結に対する大前研一氏の賛成意見

日露平和条約をプーチン提案の通り、つまり北方領土問題の解決に努力するという条文を入れて、その他前提条件なしに平和条約を締結するという提案通りに、話を進めるべきであるとの意見を、先日ブログ記事として書いた。

しかし、日本の報道機関から出て来るほとんど全てが、このプーチン提案をとんでもないとして、退けている。政治評論家の宮家邦彦氏なども同様である。非常に不思議である。おまけに?自民党総裁に立候補した石破茂氏も同様の発言をしている。

最近地上波のテレビにほとんど出ない大前研一氏が、今日9月21日配信のメルマガで、安倍総理にはどんなに悪者にされても、ここはプーチン提案の通りに平和条約を締結してほしいと書いている。この考えは、9月16日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋編集して、メルマガ予約者に提供したという。

以下にそのまた要約を掲載する。

「北方4島は第二次大戦の結果、ソ連に与えられたもの」であり、日本は敗戦国としてその条件を受け入れた。ラブロフ外相もプーチン大統領も、このような見解を示している。そして、このロシア側の主張が「真実」である。

終戦時にソ連と米国の間で交わされた電報のやり取りが残っている。ソ連のスターリンが北海道の北半分を求めたのに対して、米国側は反発。代わりに北方4島などをソ連が領有することを認めた。

この詳細は大前研一著「ロシア・ショック」の中に紹介されている。また、長谷川毅氏の「暗闘」という本に書かれている。米国の図書館などにある精密な情報を研究した本で、先ほどの電報などをもとに当時の真実を見事に浮かび上がらせている。
(未確認、今後大前研一氏の本は購入の予定)

また、日本が「北方4島の返還を前提」に固執するようになったのも、米国に原因がある。1956年鳩山内閣の頃、重光外相がダレス国務長官と会合した際、日本はソ連に対して「2島の返還を前提」に友好条約を締結したいと告げました。 

しかし、ソ連に対して4島の返還を求めない限り、沖縄を返還しないとダレス国務長官が受け入れなかった。つまり、米国は沖縄の返還を条件にしつつ、日本とソ連を仲違いさせようとしたのだろう。

戦後10年間においては「4島の返還」を絶対条件とする論調はなかったが、この1956年以降、日本では「北方4島の返還」がロシア(ソ連)との平和条約の締結前提になった。

因みに、沖縄返還といっても、米国の領土に一旦なり、その後返還されたわけではない。沖縄や小笠原は、国連の米国を施政権者とする信託統治領になる予定であった。北方4島返還の話とは全く条件が異なる。 (9月23日早朝最後の節の一部修正)

追補:沖縄領有権問題は、昨年2月に既にこのブログ上でかなり詳しく考察している。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2017/02/blog-post_15.html  

南北朝鮮統一のプロセスについて:

以下は政治に関しては全くの素人の文章です。その点を承知の上で読み飛ばしてください。

1)表面に現れた話と深層や真相とが、大きくかけ離れているのは外交の世界の常かもしれない。従って、真相を探るには表に現れた部分は単なる手がかりであり、両国の大きな戦略を想定し、そこから判断した損得勘定を考えなければならないと思う。

更に特定の外交案件に関して、大統領など直接当事者の個人的性向(好みや判断の方向や能力)が、正しく損得勘定に沿った行動を妨げる可能性もある。ミスが大きな動きの原因になったりするからである。そのように考えると、米朝韓中の4国関係の真相を知ることは非常に難しいと思う。

6月の米朝首脳会談の直前に、米側が北朝鮮の核廃棄に時間がかかると言い出したことから、実は米朝は敵対関係から協力関係に静かにシフトし始めたのではないかと、評論家の藤井厳喜さんが、一つの思いつきとして披露した。それについて、ブログ記事にしたものを引用する。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43676167.html

実際、米朝首脳会談の後三ヶ月経過した現在、全く北朝鮮の核廃絶の道が見えていない。ほぼ同時に米中貿易戦争が起こり、米国にとっては北朝鮮の核保持による中朝分断が、利益につながるようになったのかもしれない。北朝鮮の核兵器は、米国にとってよりも中国にとってより大きな脅威だからである。

この件、今週の文在寅と金正恩の会談に多少期待が持たれた。しかし、会談後に発表された共同宣言は以下の通りで、あまり本質的で重要な話はなかったように思う。

共同宣言の骨子:金正恩の早い時期のソウル訪問、米国の対応次第で寧辺の核施設を廃棄する用意がある、東倉里のミサイル開発施設を永久廃棄、軍事共同委員会を発足させ、南北朝鮮で武力衝突防止の為の協議を行う、2032年のオリンピック共同開催に向け協力、以上5項目である。(20日、中日新聞一面より)

その中で、軍事衝突を防ぐために軍事共同委員会を設置するという話は、統一国家を目指す二つの兄弟国家というのが事実なら、随分後ろ向きの話に見える。つまり、実態は未だに軍事衝突を心配する情況であり、統一国家というのは遥か彼方の話だということだろう。

また、二人の首脳の親密な光景の割には、平和裡に統一国家を作るというプロセスのグランドデザインについては、その片鱗も見えていないのも不思議である。

2)今回の朝鮮南北会談などを含めて南北の統一に関する話し合いの解釈について、一つのモデルをチャネル桜の水島社長が述べている。https://www.youtube.com/watch?v=hrXwHHs5XFc 

それは、米国を利用して中国の影響下から脱却したいと思っている金正恩を、文在寅が中国の意を汲んで中国側に引き込もうと画策していると言うのである。おそらく藤井厳喜氏らとの話し合った結果、作り上げたモデルだろう(上記ブログ記事参照)。

もし、そのモデルが正しいのなら、金正恩は米国の影の支援で中距離核まではこっそりと保有したまま、独立独裁国家を目指していることなる。その上で、朝鮮戦争の完全終結のために、平和条約を米朝(中)間で締結したい。それを察知した中国が、文在寅を利用して中国側に引き戻すために、努力しているということになる。文在寅は、表では朝鮮統一への努力を演出しながら、北朝鮮と中国の仲を修復し緊密化するよう努力しているというのである。

金正恩の反中国の姿勢はつとに有名だが、その背景にあるのが張成沢事件だろう。金正恩は北朝鮮のトップになった2011年12月から1年あまりしか立たない2013年、中国により自分が排除される可能性があった。そのことは、強く心に刷り込まれている筈である。

中国と関係の深かった叔父の張成沢に、中国の助けを借りて金正男にトップをすり替える陰謀があり、それを金正恩が中国の周永康の密告により知った。激怒した金正恩が、張成沢と親中派を一掃した事件である。中国でも、周永康が秘密漏洩の罪で失脚した。 https://www.sankei.com/world/news/150224/wor1502240038-n2.html

文在寅は、中国との関係がそれほど長く深かった訳ではないだろう。中国の奥深くの闇を知る金正恩を説得するのは、それほど簡単ではないだろう。

3)文在寅の統一朝鮮を目指した外交は本心から来ると以下考えて、少し議論する。この文在寅の試みは、成功しないと思う。どうしてそのような難題を設定して努力するのかわからない。

民族の統一という錦の御旗は、国内問題なら効力抜群だろう。しかし、今回は米中二つの大国を巻き込んだ外交案件であり、表では統一の御旗は派手に見えても、深層では役立たないのではないかと思う。無理やり米中朝の間に入り込むのは、さしあたり今後20年程度の韓国国民の安全と福祉を考えた場合、プラスにはならないだろう。

勿論、統一の話し合いをしている限り、米国による北朝鮮攻撃は無いだろうと期待し、本来無理な統一の話し合いを続けているという考えはある。それにしても一定の論理的道筋がなければ、その意味もなくなるだろう。そこで以下に、文在寅がこのようにして統一朝鮮をつくるプロセスを考えているのだろうと、想像して書いた。そのようなことが書けるのは素人の特権だろうと思う。

先ず、民主国家としての統一朝鮮を目標として設定することは無理だろう。何故なら、その体制は金正恩の体制を最初から否定するからである。(補足1)従って、南北統一する場合、自由経済と共産党一党支配の中国型統一国家をゴールとして設定することになると思う。経済は韓国、政治は北朝鮮という非対称だが平等な統一である。しかしそれを拙速に行えば韓国経済はガタガタになるだろう。

そのため差し当たり、一国二制度の連邦制国家を当面の目標とするだろう。その準備として、北朝鮮の経済発展を中国型の経済構造と韓国の資本投下で行う(後述の日本の役割参照)。そして、完全統一までのプロセスを唱う、南北朝鮮統一条約を締結して、統一準備委員会をつくり、そのトップを統一朝鮮大統領と呼ぶ。この大統領には、最初北朝鮮の金正恩次に韓国の文在寅というふうに両国から交互に出す。軍事演習もロシアと中国がやったように形だけでも共同でやる。(補足2)

これら一連の動きは、国際社会の応援を得て、米国もあまり手出しはできないだろう。

最終的に北朝鮮の核兵器を温存した形で、親中国の顔をした統一朝鮮の足がかりをつくり、米軍の韓半島からの撤収を願い出る。南北朝鮮の統一という美談と時間の経過で、国際世論において北朝鮮の核軍備への心理的抵抗が薄くなるのを待つのである。

つまり、北朝鮮の核武装が韓国の経済力と対等の価値を持つ形での南北統一である。これなら、経済的な相当な困難にも韓国の世論は耐えることができるだろう。米国の支配下でなく、親中国と言っても中国の支配下ではない統一朝鮮ができることは、朝鮮民族の勝利だからである。世界の多極化を考えている米国にとっても悪い話ではないだろう。

このプロセスの中で、日本は重要な役割を二つ果たすだろう。北朝鮮との基本条約締結と戦後賠償金の代わりをする経済協力金である。その際、拉致被害者全員を日本に返したとしても、それは北朝鮮にとって何の負担にもならない。北朝鮮への経済協力金は本来日本に支払う義務はないと思うのだが、人質を取られた日本は当然のように勘違いをして支払うだろう。(補足3)

因みに、三選を果たした安倍総理は、平壌に出かけて行き、直接話し合って拉致問題を解決すると、先ほどの(20日夕刻)記者会見でも言っている。それは非常に愚かな考えだと思う。拉致問題を北朝鮮と交渉するのは、泥棒と会って盗んだ品物の変換交渉をするようなものである。経済協力金を支払って3年ほど経過すれば、(何年後になるか分からないが)統一朝鮮は反日国家の本性を表し、その核兵器は日本の最大の脅威となるだろう。反日は統一朝鮮の向心力となるのは今も昔も同じだろう。(補足4)それが二つ目の日本の寄与である。

補足:

1)つまり、米国の要求を受け入れて核廃絶したのち南北朝鮮が統一されたとすると、経済力の圧倒的な差から、文在寅の韓国による併合しかあり得ない。それは、金正恩の地位と北朝鮮軍の韓国軍に対する優位性を放棄することになる。それは受け入れられる筈がない。

2)大統領にはいろんなタイプがある。ドイツやEUにも大統領が存在するが、あまり表に現れない。この共同軍事演習だが、仮想敵国は明かさないだろうが当然日米ということになると思う。

3)日韓基本条約では、韓国を朝鮮半島唯一の政府として承認し、戦前からの諸関係の清算として経済協力金を支払った。突然別の国が半島内に現れて、そこにも経済金を支払うというのは、日韓基本条約の考え方に矛盾する。韓国は半島唯一の国家として経済協力金を受け取ったからには、半島の一部に別勢力に出現して独立国となった場合には、必要な資金は韓国が本来負担すべきである。
また、国交の無い国により拉致された被害者を奪回するのに、経済協力金という形で解決するのは、非常に愚かなことである。本来は、宣戦布告をして取り返すのが筋であり、それができないのなら、国家としての不備の責任を被害者家族に詫び、国家賠償として保障すべきである。

4)日本は1945年までの宗主国である。中国の王朝交代の時でも、より小規模だが韓国の大統領交代のときでも、先代を事実や根拠など無視して批判し貶すのが、これらの国の伝統である。国際法や”科学的”という言葉を信仰する日本は愚かだが、これらの歴史改竄の伝統も汚い。

(2018/9/21)

2018年9月18日火曜日

人類が民族の淘汰を経験する可能性

朝方、非常に不愉快な夢というか考えが頭に浮かんだので、それをそのまま書きます。整理をする忍耐も最近はありませんので、雑然としたまま、ブログ記事とします。素人ゆえ、間違いも多いかも知れませんが、指摘があれば遠慮なく行なってください。

1)非核宣言をした日本の傀儡政権:

人類の未来には重要な二つの真理がある。その一つは、「核兵器は拡散する」という真理である。(補足1)現在の核保有国は、米国、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの9カ国である。その他、旧ソ連のウクライナやカザフスタンなどは核保有の可能性が皆無とは言えない。南アフリカは核兵器を廃棄したと考えられている。

核兵器でも科学技術でも、強力に封じる力が無ければ確実に拡散する。南アフリカの核兵器放棄は、将来の黒人政権の誕生を考えて、米国などからの圧力があったというブログ記事がある。https://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/4539642.html もし南アフリカが国家としての体をなしていると仮定すれば、圧力がなければ放棄しなかっただろう。

イスラエルは核兵器を持つと考えられている。恐らく米国から導入されたのだろう。米国上層部を牛耳る勢力がユダヤ資本家だとすれば、簡単に理解できる。アラブの国々に囲まれて独立を守るのは大変だろうから、当然の対応だと言える。

インドは一貫してNPT(核拡散防止条約)やCTBTに反対したようだ。その理由は明快である。核保有国による、将来にわたる核兵器の独占を可能にする片務的内容だからである。

日本が非核三原則を国策として掲げ、NPTにも反対の世論など皆無の状態で加盟したのは、一貫して売国奴的人間が国家の中枢に座り込み、その体制を維持してきたからである。その与党体制維持の方法は、社会主義政党を反対勢力として育成することであった。日本の戦略ではなく、米国の優秀な戦略家の立案であることは明白だろう。日本は、国家としての体をなしていないのである。

2)地球上可住人口の減少について:

人類に予想されるもう一つの重要な出来事は、気候の大変化による食料不足と居住可能地域の減少、資源の枯渇などによる、地球上可住人口の減少である。それは人類に、中世の民族的エゴイズムを復活させて、国際的騒乱となるだろう。それは人類の宿命だろう。

今後世界の人口は増え続けるだろう。多少の少子化は、先進国に共通しているとしても、人類全体としては、その減少分を遥かに上回る人口増加が起こるだろう。また、原理的には全ての物質的資源は再利用し、全てのエネルギーを太陽光に頼ることは、将来的には可能であるが、それは遠い将来のことだろう。(補足2)

兎に角、不足する食料とエネルギーや資源は、人類に人の数を減らすことを強制するだろう。その際、民族間の淘汰が起こる可能性が高いと思う。その民族的間引きの対象となるのは、人種差別と自衛力の乏しさで選ばれる民族である。

それは、邪悪な民族に対する善良なる民族連合の防衛という形をとるだろう。そのプロパガンダの準備は既に始まって居るかもしれない。自衛力には、核兵器と通常兵器の両方が関係するが、圧倒的に核ミサイル技術が意味をもつだろう。ただし、高度な攻撃能力を持った核ミサイルはほとんど使われないかもしれない。ただ、国家の順位を決定するだけのもの、生存するための権利を担保する意味だけを持つ可能性が高いと思う。 実際に使われる可能性が高いのは、経済封鎖と内戦の誘発である。核攻撃と異なり、勝ち残る国家の人間は、その惨劇を直接観たり実感したりすることがなく、悪を為しているという実感を持たなくて済むだろう。大多数が殺された民族の国には、多少の売国奴的人物が残るだろうが、数十年後にはその他の地域から移り住んだ人間の中で存在感が無くなるだろう。歴史の中には、邪悪な一派は掃討されたと記載されるだけだろう。

善と悪は便利な概念である。(追補1)人は個人のレベルでも、善と悪を勝手に定義してもそれに気がつかない。ましてや、国家に於いてはプロの戦略家が善と悪を創造して、敵国に如何様にも適用できるだろう。それは、韓国や中国の対日プロパガンダを見るだけでも明らかであるし、中国の最古の歴史書以来の正史を見れば、明らかである。諸外国はそれを経験し、且つ、熟知している。

日本は2000年の単一王朝の国(補足3)であり、日本書紀を破棄して歴史書を書き換えた経験がない。それを自慢げに言う人が右の方に多いが、本当は日本の大きな弱点である。

「慰安婦の日本政府による強制連行」のような明らかに捏造した歴史が、世界で事実のように扱われているのは良い教訓の筈だが、日本政府が先頭にたって歴史捏造に加担している状況では、まともにその悪業に説得力のある異論が出せるのは、外国人ジャーナリストのみである。(e.g., ヘンリー・S・ストークス著、「連合国戦勝史観の虚妄」)

追補1:善悪の勝手な峻別はキリスト教圏など(一神教の国々)が得意とするところである。それ以外の国では、善悪は峻別されない。日本でも「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人おや」という親鸞の言葉が示すとおりである。(18:00追加)

3)「北朝鮮の非核化」は「日本の非核化」である。

昨日の記事で、日本の政治担当者は、日本国民の為に働いていないのではないかと書いた。United Nationsを国連と翻訳したのは、米国(国連の中心)の指示で日本を利用し易くする為だろう。その与党を攻撃するのは、中国やソ連などの支配下にあった人物である。つまり、戦後日本の政治は、米国の為に働く与党議員たちと東アジアの外国の為に働く野党の人たちが、日本の政界で何やら演じて居るだけに見える。(補足4)

北朝鮮は多くの困難を克服して、核武装に成功した。それは、北朝鮮国家の視点に経てば立派なことである。朝鮮半島の歴史を少しでも知ればわかる様に、朝鮮は中国の衛星国としてその支配に苦しんで来た(補足5)。もちろん、一部の国家支配層(両班)は隣国の力を借りて、難なくその地位を保持できただろう。

朝鮮の一般民は、多段階に設けられた社会的階層に封じ込められ、その境遇からの脱却を諦めるために儒教を押し付けられていたのである。一方、一般民が政治的力を次第に得るのは時代の趨勢であり、北朝鮮が真の独立国を目指すのも当然である。国家が苦しい国際環境から脱却し独立国としての体裁を整えるには、そして米国の支配下にある韓国に対して優位に立つためにも、核武装は必須であると考えたのだろう。

そのプロセスは、米国の銃社会を考えればわかることである。左右に銃で武装した集団が居る中で、安全と自由を得るには銃を保持するしかない。ましてや隣から銃口を向けられている環境下では、銃以外に頼る手段などない。国家としての北朝鮮の安全保障環境は、このような環境に置かれた個人のものと同様である。一旦もった核兵器を放棄するには、周囲が核放棄をすることが条件なのは当然である。或いは、放棄しない限り確実に殺される(キム王朝が潰される)と確信したとき以外にはあり得ない。

現在の北朝鮮の視野には、国際法も国連も雲散霧消した野生の世界が露呈しているだろう。しかし、それは北朝鮮に限らず、幻を見なければ、本質的に全ての国家に共通したものである。そのような光景が再び我が国の前に露呈する時が必ず来るだろう。それは既に上に書いた通りである。その時、どこの国が友邦として自衛のための核兵器を呉れるだろうか? そんな国は野生の環境には存在しない。

核兵器は、防衛に役立つ限り世界に拡散するが廃絶はされない。日本にとっては、北朝鮮の核武装は、否、それ以前の中国が核実験に成功したときには、日本も核武装する時だと考えるべきだった。(補足6) 少なくとも、中国や北朝鮮が核武装するのなら、我が国も核武装を考えないのは、自滅への道であると、堂々と国際社会に向けて発信すべきだった。

NPTやCTBTへ率先して、加盟し批准するというのは、もし日本政府が本当に日本国民のために存在すると仮定したなら、本当に愚かな政策である。日本がまともな国になるには、現在の政治家全てが入れ替わる必要がある。それには道州選挙区で一票の格差完全撤廃が、唯一の合法的手段である。この方法にトライしたのが橋下徹であるが、彼は失敗している。(補足7)非合法の手段も考えるべきだと、三島由紀夫は命を張って訴えたが、それは自衛隊員にすら真夏のセミの声程度にしか聞こえなかった。(補足8)列に並ぶのが得意な日本人は、ホロコーストの列であってもその列を乱すことができない愚かな民族なのだろう。何が原因?それは何時か慎重に議論してみたいと思う。

NPT: Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons (核兵器の非増殖に関する条約:核武装国の非増殖に関する条約:通称は、核(兵器)拡散防止条約)
CTBT:Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty 包括的核実験禁止条約 (現在未発効;発効要件国のうち未署名及び非批准国として、インド、パキスタン、北朝鮮、中国、米国、エジプト、イラン、イスラエルなどがある。)

補足:

1)核兵器拡散の防止や核兵器の廃絶は、世界政府が樹立されれば実現可能である。しかし、異なった人種間の文化的ばらつき、文明進展の程度におけるばらつきなどを考えると、その可能性は非常に小さい。もしそれが遠い将来実現し、人類がその恩恵を受けるとしても、それは必死に自国の生き残りを模索し続けた民族だけのものだろう。

2)離島に太陽光発電、風力発電、潮力発電などで電気を発生させ、それを人の住む地域に電気あるいは水素で送る。イワタニとトヨタは、それを標準的な未来のエネルギー調達法として考えて居るのだろう。それは賢明に思えるが、技術で遅れをとるのが覇権国などの大国であれば、それは標準とはならない。

3)単一王朝が維持できたのは、宗教を支配したからである。つまり、天皇家が(不完全ではあるが)人格神として天照大神を創造し、それを神道の創始者のように仕立てたからである。本来の神道はアニミズムであり、大きな山や川などあらゆる自然の存在が神体である。

4)北朝鮮の日本人拉致の問題を、堂々と「そのようなことはあり得ない」と言ったのは、戦後一貫して野党筆頭であった日本社会党から名称変更した社民党である。(社民党機関誌『月刊社会民主』1997年7月号:私は、読んでいないので、“裏をとった”わけではない。)

5)両班(ヤンバン又はリャンバン)から白丁(ペクチョン)まで多段階の社会的階層があった。白丁は、皮革製品を作る職人や芸能人など最下層の賎民である。(資料はウィキペディアなど多くあるが、以下を推薦する。https://www.y-history.net/appendix/wh0802-046.html

6)田中宇氏の解説を引用する。http://tanakanews.com/g1024japan.htm ひねくれた見方と思われるかもしれないが、この田中氏の考えが正しいのなら、自民党政権は当に米国の傀儡政権である。外国の傀儡政権ならそのうち正体がばれるから、退治されるだろう。しかし、日本の傀儡政権は厄介だ。なぜなら、日本人は言葉を聞いただけで、その霊に怯える民族である。核や放射線とは、恐ろしい悪魔の言葉なのだ。昔(60年ほど前の話)、ある大学の教授が放射線化学関連の予算要求する際、その霊を払拭するのに苦労したという記事を読んだことがある。

7)彼の失敗は、優秀な人材が十分得られなかったからである。本来、優秀な人材を得て、2-3度脱皮を繰り返さないと、この種の組織は成虫にはなれない。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2015/04/blog-post_4.html

8)ここに麻原彰晃を入れるのは、完全な間違いなのだろう。

2018年9月16日日曜日

United Nationsを国連と訳する意図について

チャンネル桜のいつもの長時間番組を30分ほど見た。「国連の本当の姿」という題目で議論しているようだ。そんなことに3時間もかかるのか? 少しコメントを書いて、途中で視聴をやめた。https://www.youtube.com/watch?v=mPH7psUXDEI&t=1505s

この話は、最初の加瀬英明氏の5分の話で全て終わりである。それ以上は題名の観点から派生した話の筈である。つまり、united nations を国際連合と呼ぶことを誰かが決めた。その翻訳には意図が含まれて居る。正しく翻訳すれば、それに参加することには、国民も政治家も、ある気持ちの悪さを感じるだろう。

多分、ドイツ国民はそれを感じて居るだろう。日本と同じ枢軸国だったのだから。その感覚を持って、国連で活動することでのみ、正しい国連との付き合いが可能となる。しかし、日本は国際連合と訳した。名は体を表すという言葉と国際連合という名称を、そのまま日本人は頭の中で連結させるだろう。

それでは、国民の大多数があの憲法前文や9条を変える気になるのに、100年かかっても不思議はない。(補足1) United Nations を国連と訳したのは、それを狙っての確信犯的行為だろう。以下に、投稿したコメントをイタリックで書く。

日本の政治担当者は、日本国民の為に働いていない。United Nationsを国連と呼ぶと決めたのは誰なのか?要するに日本の政治は、米国の為に働く与党と政府役人たち、中国など東アジアの外国の為に働く野党の人たちが、日本の政界で何やら演じて居るだけではないのか。

25分のところで、慰安婦問題で謝るべきでないとか何とか言って居るが、そんなこと当たり前である。そんなこと知らない筈がない。あなた方の方が賢くて、政治をやって居る人たちが知らないからミスをするとでも思って居るのか?河野なのか宮沢なのか村山なのか知らないが、皆外国のために働いて居た筈である。その様な指摘は、意味がなくつまらない。


補足:
1)一時期日本の政治を支配すると思われて小沢一郎氏が、国連中心主義を看板にしたことが記憶に残っている。

2018年9月15日土曜日

プーチン提案についての日本側マスコミの反応(II)

1)元外務省の評論家の宮家邦彦氏が、下に引用のyoutube動画で、東方経済フォーラム全体会合での日露平和条約締結に関するプーチン提案に言及している。そこの発言が、非常に奇異なので、短いコメントを投稿しておいた。 https://www.youtube.com/watch?v=o6b9FZMGyHM

上記動画の中で宮家氏が、「そんなもの(=「条約の中に争点解決すると書けば良い」というプーチン提案)何の保証にもならないでしょう。平和条約結んだら切り札を切ってしまう訳でしょう。その時我々が取るべきものを取らないで、あとでやればいい? 何時やるのですか? 何にも書いてなければ、とても飲めるものではない」(6分45秒)」と発言している。

今朝のテレビ番組「ウエーク」でも、この問題を議論していた。そこで、読売新聞の橋下五郎氏が、「平和条約締結の条件は4島の帰属決定であり、それは絶対譲れない一線」だと言っていた。私には、日本人の多くが、日露平和条約交渉をまるで、日露北方領土返還交渉のように考えているとしか思えない。

テレビで活躍中の両者に聞いてみたい。「平和条約が切り札だとか、4島帰属(半分以上を日本への)決定は絶対譲れない一線だとおっしゃるが、敗戦はどちら側ですか?」と。(補足1) 二人の方は、日本国がアメリカの影の中に居ることで、無意識に強くでていることがわかっていない。平和条約を結ぶ意志がないのなら、その次にあるのは「じゃ、一旦終わった戦争を再開しますか」という質問ではないだろうか。これは単に平和条約に関する論理の話である。

2)ここで、私の思い当たるこれまでの日露平和条約締結交渉についての基本的な疑問点をあげる。それは、「何故、具体的な経済協力と平和条約交渉をリンクするのか?」である。

私が理解する平和条約は、戦争終結(日ソ共同宣言において行なっている)に続いて、領土を含む互いの財産のふさわしい帰属国への引き渡し、債務や債権の決済、戦争に至った両国に残存する戦争に向かうポテンシャル(つまりトラブルの種)を除去し、そのほか全ての両国間の棘を取り除いて、以後未来志向の独立国どうしであると確認・宣言する協定である。

つまり、平和条約は互いに未来志向の独立国どうしとなる為に、その障害を取り除くための条約である。そこで一般論として、これから経済協力していきましょうと未来に言及するのは、わかる。しかし、現在進行している経済協力は非常に具体的且つ大規模であり、本来平和条約を結んでから行うべきことである。経済協力が条件なら、それは賠償金あるいはそれに相当するものとして、算定して行うべきであり、平和条約の時点で支払いの交渉は終わるべきだろう。

日ソ共同宣言ではソ連は日本への賠償金請求権を放棄しているが、平和条約締結に際して、何か賠償金相当の経済協力をする義務がその後生じたのか? もし、そうでないのなら、互いに過去の歴史からの自由を確認したのちの独立国同士が、大きな経済協力の話を喧嘩の最終決着と同時に行う趣旨は何なのか、私には理解できない。

以上は、ソ連との外交的遺産は全てロシアが引き継ぐものと考えて議論した。

補足:

1)ソ連の参戦にまで遡って、論点を拡大する気なのか? ポツダム宣言受諾を表明した8月14日以降、休戦協定の9月2日までに、ソ連軍が千島に侵攻したことは、私も日本人として道義上許しがたい。更に、数十万人もの日本人をシベリア抑留し、5万人もの日本人がシベリアで死亡している。それはハーグ陸戦条約に違反しており、許しがたい暴挙である。それも含めてソ連の歴史をロシアが引き継ぐのなら、かなりの譲歩はすべきだと考える。

しかし、それが戦争というものである。戦争は国家と国家が、野生の原理の下で殲滅戦を行うのであり、そのような結末に至ったのは、第一に日本国の責任である。それを棚にあげて、敗戦国が領土を返還しろというのは、逆の立場になった時以外に考えられない。巨大な核戦力を含め圧倒的な軍事力を持った国に、もう一つの巨大軍事力を持った国の腰巾着であるとしても、腑抜けの国が何をいっているのか。

しかし、プーチン大統領はそうは言っていない。係争中の問題はその後話し合うと条約中に明記すると言っている。平和条約の段階で、それ以上望むのは本来おかしいのではないか。