1)一週間ほど前、韓国を旅行中の橋下徹前大阪市長は、「米国が北朝鮮を攻撃しようとするギリギリの局面では、韓国は猛反対するだろう。北朝鮮からの反撃に被害が甚大なので当たり前だ。それをトランプ氏は受け入れるか。ここで決めてになるのは安倍総理の意見。日本の被害も考えて反対すべき。」と書き込んでいる。
その次の日に38度近辺まで行き、そこでも韓国の人たちが普通に暮らしており、戦争の緊張感がないことをツイッターで報告している。「これが理屈じゃない勢力均衡の現実。一部の犠牲があっても仕方がないという思考をするバカは放っておこう。いかに均衡を作るかに集中しよう。日本も核ヘッジング議論から逃げてはいけない。」と書き込んだ。
この意見に賛成である。現在、北朝鮮の核兵器の脅威は存在する。そして、それは来年には、そして再来年には更に大きくなるだろう。日本と北朝鮮が対峙する可能性があり、その核兵器の脅威を日本が感じるのなら、そしてその脅威から守るためには、日本も核兵器を保持することである。そう考えないで、今後の北朝鮮の大きくなる核の脅威を考えて、1発か2発のミサイルを打ち込まれることを覚悟して、米国の北朝鮮攻撃に賛成するのは愚かなことである。
2)国家と国家の場合は、同じ公権力の下にない(補足1)ので、武力をもって互いに抑止力を持つことが、無駄な戦闘を避けるためには必要である。両者が武器を持てば、互いに自分の反撃力を信じることができ、恐怖から先制攻撃やだまし討ちなどをしなくて済むからである。
北朝鮮が危険なのは、敵となりうる国に対して、圧倒的に非力だからである。つまり弱い犬ほどよく吠えるのだ。トランプ氏が選挙期間中に、「日本も韓国も核兵器を持てば良いではないか」と言ったのは本音であり、意見を変えてしまったのはずる賢い連中の考えに譲歩せざるを得なかったからだと思う。
冷戦が終わり、共産主義を採用することが経済的失敗に繋がることが明らかになって久しい。中国が部分的ながら社会主義経済から体制を変更する切っ掛けは、米国との和平であった。それと同じ道を北朝鮮に促する意味で、米国は和平の道をとるべきである。冷戦時代のような共産圏に対する恐怖のない現在、北朝鮮と戦争を始める意味など何もない。
北朝鮮が核兵器を持った場合の脅威は、もし北朝鮮の経済が中国と同じ程度なら(人々の心に余裕が生じたら)、中国の核兵器の脅威よりもはるかに少ない。中国も米国も、北朝鮮、日本、韓国の間の緊張関係を、互いの核武装保持の容認で緩和するという決断をすべきである。自分たちだけが核武装して力の外交を展開しようという、Big Stick Policyの野心があるとしたら、それを諦める時である。
補足:
1)国連が世界の公権力になりえると考えるのは幻想である。朝鮮戦争すら国連は阻止できなかったのだから。更に、ベトナム戦争やイスラム圏での戦争など、国連は全く無力な存在であることを証明している。オバマ氏の核兵器禁止法案は、核保持国がルーズベルト流のBig Stick Policyを、非核保持国を相手に展開する可能性を確保するためのものである。
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