1)米国のトランプ大統領は、北朝鮮の金正恩労働党委員長と適当な条件下であれば会談する用意があると発言した。その前日には金正恩氏を称賛する発言をしており、また、北朝鮮も情勢は峠を超えたと発表しているので、着地は近いと思われる。http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/01/trump-north-korea_n_16373048.html http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM01H4M_R00C17A5EA2000/
日本には拉致被害者救出という解決すべき問題がある。その解決には米朝関係の好転が必須であることを、小泉総理の時代に学んだ筈である。この絶好の機会に米朝の間に入って講和の話をすすめ、それと同時進行的に拉致問題の解決に進まなかったのは、大きな損失だろうと思う。
忘れてはならないのは、日本は朝鮮半島の歴史に深く関与した国であるということである。その朝鮮半島の最終的な和平への寄与が全く無ければ、日本は今後の東アジアでの立場を非常に弱くする筈である。(勿論、未だ最終的に北朝鮮が軟着陸するかどうか分からない。)
今月9日の韓国大統領選挙で文在寅候補が当選すると、韓国は北朝鮮への融和姿勢をとり、北朝鮮との統一の話も出てくるだろう。勿論、完全な形での統一は容易ではないので、差し当たり緩やかな同盟関係という形をとると思う。そして、その段階までに日本が北朝鮮の今後に何の関与も無かったとすれば、本来困難な融和&統一のプロセスは、韓国が北朝鮮において「反日」を大きく育て上げ、それをエネルギーにして進めることになると想像する。
「反日」は、韓国初代大統領の李承晩が作り上げたものというのが通説である。北朝鮮と韓国が揃って対日歴史の捏造と反日を国是にする可能性大である。日本にとって、憂鬱な時代が来るだろう。
2)小泉内閣のとき、拉致問題解決に向けて話が進んだ。日朝平和条約まで進む予定だったのだろうが、米国に何も相談せずにしかも北朝鮮側は非正規のチャンネルを通して行うという変則的な交渉だった。失敗は当然だろう。この件、手島龍一さんのコラムに書かれている。http://www.ryuichiteshima.com/archives/2007/a0300.php
他国民を拉致をして諜報活動に用いたという犯罪行為がテーブルに載る話なので、正規のルートで話を進めるのは難しいだろう。また、ブッシュ政権が北朝鮮の体制転覆を狙っているのではないかという金正日の猜疑心が、米国に秘密にした一つの理由だろう。しかし、それでは最終的にうまくいく筈がない。
今回のトランプ大統領はこれまでの大統領とは一味違う。安倍総理も拉致問題の解決には熱心であると言われていた。今回こそ、拉致問題の解決と日米と北朝鮮の関係改善の絶好の機会であるにも拘らず、総理は何のアクションもせず、北朝鮮がミサイルを発射するたびに「我が国に対する重大な脅威であり、断じて容認できない」と非難するだけであった。
総理は本当に拉致問題の解決をするつもりがあったのだろうか?
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