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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2023年4月27日木曜日

ispaceの月面着陸失敗と月の水と信用に欠けるNASA

昨日、米国の宇宙開発会社スペースXのロケットで打ち上げられた日本の宇宙開発会社ispaceの月着陸船が、残念ながら、月着陸に失敗したようだ。https://www.youtube.com/watch?v=4EureBBc7HE

 

 

ispace社は26日、月着陸を目指した同社の月着陸船について、「通信の回復が見込まれず、月面着陸の完了が困難と判断した」と発表した。着陸作業中、降下速度の増加が確認されたことなどから、月面に衝突した可能性が高いという。

https://www.yomiuri.co.jp/science/20230426-OYT1T50065/

 

月周回軌道から逆噴射で減速すると同時に高度を下げ、最終的に着陸するのだが、周回飛行中は秒速約1.7㎞(時速約6100km)という高速で飛んでいるので、そこから逆噴射(噴射口を進行方向に向けて飛行)で減速すると同時に、高度を下げ、月面の方(下方)に姿勢を変更しながら常に進行方向に燃料を噴射して減速しなければならない。

この姿勢制御と減速を一回限りのトライアルで成功させなければならないので、相当難しいだろう。姿勢を徐々に月面に対して垂直方向に向ける為に、着陸船に回転運動を与えなければならないが、回りすぎないようにまるでレールの上を沿うように行うのは至難の業に思える。(補足1)

 

月面からの高度、現在の進行方向、スピードなどをパラメータに用い、姿勢制御と逆噴射の強度を予めの計算通りに調節しながら着陸を行うだろう。担当者の失敗の理由説明に、月面からの高度を正確に観測できなかったという発言があった。これが原因のようだ。

 

ここで気になるのは、逆噴射のスタイルなので月面に近くなった最後の段階で、着陸船は月面から反射した高温ガスを浴びることになる。それが原因で、高度センサーが誤って月面の位置を認識したのではないだろうか? そうなると、姿勢制御の全てがおかしくなってしまう。

 

2019年にはイスラエル政府の月探査船が月面着陸を目指したが、途中でエンジントラブルで失敗し、月に墜落している。

 

姿勢制御において、噴射したガスとの衝突も考慮する必要があるとすれば、地表では実験が出来ないので、その技術習得は大変である。

 

 

2)アポロ計画の捏造との関連は?

 

ここで気になるのが、アポロ月面着陸の話である。これは捏造(以下の記事を補足まで読んでもらえばわかる筈)なので、50年前には月面軟着陸ができ人まで月に送り込んだという前提で、計画そのものがスタートしていると、失敗を重ねる可能性がある。NASAは、自分たちの存在意義を作り出すために嘘の上塗りをしている可能性が高いのだ。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466515479.html

アポロ11号は月に行っていない(まとめ) | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

ispaceCEOが、計画の目標を語るとき、「今後宇宙が大きな経済圏になり、人類が月に住むことになると思う。そこで安価に月への輸送を提供するサービスを目指している」という趣旨の発言があった。https://www.youtube.com/watch?v=YIpNq7Jw65Y (430以降)私は、そんな時代は人類に訪れないと思っている。

 

夢の無いことを言って申し訳ないが、宇宙開発は地上の政治外交を如何に有利にするかという、国家の防衛戦略上の事業であり、純粋な民間の事業ではありえない。勿論、政府からの受注を受ける民間企業は軍隊にも存在するので、存在意義そのものはあるだろうが、宇宙が新しい経済圏となるまでに人類の絶滅の方が心配されるのが現実である。

 

その宇宙が新たな経済圏となるという発言の出発点に、どうやら月に水があるとのNASAの立てた説があるようだ。NHK水野倫之解説委員の解説を、以下に少しコピペさせてもらう。https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/371374.html

 

「これまでの探査機による調査で、月の南極や北極に氷が存在する証拠。氷があれば、飲料水になり食料の現地生産も可能に。さらに電気分解すればロケットの燃料になる水素と酸素も現地で得られ地球から運ばなくても済み、コストを大幅に下げられる。

 

将来的には月面に生活圏を築くことも夢ではなくなり、月と地球の間の輸送などビジネスを行うことができるというわけ。ただまだ実際に土の中に氷や水を直接確認した例はないため、水を最初に見つけて主導権を取ろうと官民が競争を繰り広げている。」https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/371374.html

 

この話の中心にある「月に水或いは氷が存在する」という説は、アポロの月面着陸同様、インチキ説の可能性が高いと私は思う。NASAの発表は信用できない。50年前の月面着陸の嘘に始まり、彼らの発表は専ら彼らの存在意義を作り上げるためのものだと思う。

 

NASAは、宇宙人が居る言い出す機関であることを考え、十分警戒すべきである。昨年8月のニュースによると、軍産共同体とその配下が牛耳る民主党が主力の米国議会は、ナイーブな米国一般大衆を相手に宇宙人とかUFOとかのインチキ情報をバラまいて、NASAに予算を付けようとしている。

 

日刊スポーツ誌によると、「UFO:間違っていると断言もできぬ「宇宙人の乗り物」説;NASAは今秋から本格調査を開始」との表題で、そのような米国の動きを報じている。[202288844] この動きの出発点に、国防総省が発表したUFOを疑わせる動画があるという。NASAの背後に国防総省があることは明白である。

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202208080000172.html

 

 

3.月に水が存在するだろうか?

 

真空の月表面に水や氷が存在するとは思えない。月の南極や北極の非常に狭い所を除いて、太陽の光があたる。太陽の熱で、氷でも蒸発してしまうだろう。太陽があたらない場所でも、氷点下150度の極地でも何億年の時間が流れれば、氷は蒸発して宇宙の果てに放出されるだろう。

 

NASAは、探査の結果、水が存在している可能性があると言っている。勿論、それは確認するまでは真実である可能性を持っている。しかし、我々はNASAと言う機関の性格を考えれば、それを鵜呑みにしてはならないと思う。https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10138_moon

 

月の生成の時に含水鉱物の圧縮により水が発生しただろう。それは地球の水も、そのようなプロセスで生成したという説が有力なので、可能性が大きい。また、実際小惑星のりゅうぐうで、含水鉱物が発見されている。(補足2)

 

その時から有限の時間(月の寿命未満)しか経過していないのだから、絶対に水が無いとは言えない。更に、地中深くに水が貯蔵されている可能性まで、私は否定しない。

 

氷からの水分子の放出(つまり蒸発)は速度論的テーマ(補足3)であり、このような話が出たときには、是非大学の化学熱力学の方はそんなことが考えられるのかどうか発信してほしいものだ。

 

上の図は、水の変化を示した図(相図)である。左下に書き込んだように、零度の氷は0C611パスカル(10万パスカルが約1気圧)の蒸気圧があり、ウィキペディアによれば氷点下50度でも数パスカルの蒸気圧がある。

 

従って、月面では太陽が当たれば、極短い時間に氷は蒸発してなくなるのである。氷は、氷点下150度の極地でも極わずかながら、有限の蒸気圧を持つ。何億年もたてば、流石に蒸発して無くなっているというのが、私の予想である。

 

月面と言えども、この我々が認知し得る世界であり、この地球上で作られた科学の知識が適用できる筈である。現在、科学よりも政治が強い。真実よりも強者のインチキが強い。真実の復権が人類に将来があるかどうかを決めるのである。

 

 

補足:

 

1)宇宙工学の素人故、予備知識なしでいい加減なことを言うのを許してもらうと、姿勢制御は、進行方向とは直角方向に首を振るように着陸船に回転運動を与えることで行うのだろう。ただ、回転を続ければ、とんでもない方向に進んでしまうことと、進行方向を軸にコマのように回転してしまうと姿勢制御できなくなるなどの困難がある。そこで、例えば、前後に4個づつ合計8個の噴射孔からのガス噴射で方向を決めるなど、かなり複雑な制御を行うのではないだろうか。

 

2)小惑星リュウグウに、含水鉱物が存在することが確認されたという。

https://www.townnews.co.jp/0301/2019/03/28/475263.html

地球上の水は、地球が出来るときに含水鉱物の圧縮加熱により出来たという説を聞いたことがある。

http://shochou-kaigi.org/interview/interview_55/

 

3)物質の物理変化を予測するのに大まかに言って二つの論理がある。それは平衡論と速度論である。平衡論は変化の方向を予測し、その成果が二番目の図(相図)である。速度論は、それらの速さ(速度)を予測する。その古典的な式で若干の予測をすると、速度の予測式にExp(-Ea/kT)という因子が含まれる。その因子から、非常に大まかだが、だいたいの温度変化が予測されるだろう。Eaは水分子が残りの氷中の他の水分子と結びついている水素結合のエネルギーであり、 kはボルツマン定数と言われる常数で、Tは絶対温度である。実際の式は、このほかに二つの状態の微視的状態の数の比が存在する。従って、凡そ温度の逆数の指数関数的に、蒸発速度は変化するだろう。平衡論的答えは簡単で、大気のない月面では、氷は平衡論的には(非常に長い時間が経てば)存在し得ない。

 

2023年4月24日月曜日

民主主義という幻想と新民本主義の提案

追補: 以下の文章で用いた総意という単語に誤解がありました。総意は総合的な合意の意味で用いたのですが、全員一致の意思の意味に受け取れるようです。何事においても国民全員一致はあり得ませんから、本筆者の頭の中には、「全員一致」=総意という定義は最初から存在しませんでした。つまり、以下の「総意に基づく決定」とは、「少数意見の切り捨てではなく、議論を尽くし多数決で決定」という意味です。という訳で、以下の文章中の総意=>合意と解釈してください。この点を指摘いただいた読者の方に感謝します。この点を指摘いただいた読者の方に感謝します。

 

1)政府の嘘で成り立つ米国型民主主義

 

日本や欧米は主権在民を謳う国であり、民主主義政治を採用している。なお、主権在民とは国家統治の権威が国民に存在することを意味し、民主主義は国家権力の行使が国民の総意に基づいてなされる政治制度を意味する。

 

しかし、この政治制度で国が長期に平和を維持できると考えるのは幻想であることが現在明らかになってきた。これまで一応安定を保ってきたのは、本当の支配者が別に存在することと、その支配者に国を不安定化させる理由がこれまで無かったからである。

 

この民主主義国の現実を明確に示しているのが、現在不安定化しつつあるアメリカと欧州各国の姿である。例えば、アメリカが国内政治とは全く無関係なウクライナの政治に介入し、ロシアを不倶戴天の敵として作り変えたのは直接米国民の為を考えてのことではない。(ウクライナ戦争については:https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12726626308.html コメントとhttps://ameblo.jp/polymorph86/entry-12727350115.html を参照)

 

この民主主義の特性に関連して、渡辺惣樹さんが「国民を欺く方法:政府戦時に嘘をつく理由」という表題で語っている。(補足1)https://www.youtube.com/watch?v=5OuDZ3hceds

 

 

これらの国々の政治の特徴は、政府が国民に様々な嘘をつき、マスメディアがその手助けを行うことでその本質をごまかすことである。本当の支配者が別に存在し、国民の意思とは別の目的で国家の運営を行うという真実の姿を国民から隠すためである。

 

フランスもドイツもウクライナも、国家機関のトップを選挙で選ぶ民主主義の体制をとっている。しかし、その国民たちが今のような戦争やその拡大の可能性を受容する筈はない。

 

この戦争は歴史の偶然ではなく、ソ連崩壊の時から明確に計画された方針により引き起こされた戦争である。民主主義のリーダーと目されてきた国の関与が明確になっている。それは2014年の政変に於ける現国務副長官の関与やその音声が明確に示している。(詳しくは上に引用の本ブログサイトの記事と以下の遠藤誉さんの記事参照https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220506-00294750 )

 

この地域での内戦や動乱の全てに責任があるとは言えないだろうが、20世紀の後半から彼ら真の支配者が利益のために、それらに大きく介入したことは事実である。東欧やアラブの諸国に民主主義制度が持ち込まれたが、それらの国家の安定のためではなく混乱のためである。

 

日本の民主主義も、更に民主主義そのものにも、本質的な欠陥があると今では考えられている。この件、5年以上前に本ブログでも一度議論している。久しぶりに以下に再考察する。5年前の文章は最下段に引用する。


 

2)国民の総意で国家が運営できるという妄想:

 

人間の能力の分布は分野においても程度においても非常に大きく、この文明社会建設の要所を担った者は極めて少数の知的或いは感覚的に優れた人たちである。一般大衆は現在の高度文明社会の受益者であってもその構造や統治の技術に於いては低いレベルの理解しかない。

 

この無知なる大衆の一票で国家の運営者を選び、この複雑で高度な文明社会の舵取りが出来ると思うのは幻想にすぎない。また、そのような政治家で構成される国家機関が、高度な諜報を駆使する専制国家との競争と協力の中で、正しい選択をする能力があると考えるのは間違いである。

 

上に引用した渡辺惣樹さんの動画によれば、民主主義国家を標榜する欧米や日本では、見えない所で知的で組織された支配者が、彼らの利益の為にそれらの国々の政府を動かしている。そして、夫々の政府は国民を嘘でだまし、その事実を胡麻化しているのである。

 

その支配者の本拠地となった国は、外国の脅威を事件の捏造とプロパガンダで誇張して国民に伝え、国民の税金と国の若者の命を消費することで利益を得てきた。日本のような衛星国も、益々不安定化する今後の世界にあって、国民の命が危険に晒される危険性が高い。

 

中国や全世界の経済危機も作られたもの、或いは未必の故意によるものである可能性が大きく、その結果として台湾危機の可能性が高くなっている。(補足2)真の支配者の意向のままに動く現日本政府は、愚かにも、積極的にそれに参加する様に見える。その構図では、ウクライナ戦争でのゼレンスキー氏と台湾危機の岸田氏が相似形となる。

 

しかも、それが国家の防衛の名で進められようとしていることを、国民は自分たちの命がかかっているのだから、知的にある程度優れた者は義務として、真剣に知恵を絞って考えるべきである。そしてその結果を、周知する努力をすべきである。

 

そこから逃れる方法は、現段階では理想論かもしれないが、その真の支配者から政治権力を取り戻すことである。そのうえで、世界の現状を正しく認識して、我々国民の利益のために国政及び外交を再考する。そして、他国の利益のために命を差し出すようなことは避けるべきである。

 

勿論、真の支配者は、隷属者を手放そうとはしない。しかし、遷移状態の今、真の支配者も弱点を晒すようになっている。何よりも必要な条件は、目覚めた人たちが多数になることである。

 

民主主義国家で非核三原則という檻の中で、捕らわれの猫のような状況にある限り、先の展望はない。先ずは、吉田茂から佐藤栄作までの卑怯な連中を歴史のなかで否定することが急務だろう。伊藤貫氏は、その枠から出るように日本在住日本人を嗾けている。


3)新民本主義の提案:

 

国は、国民の福祉向上のために諸問題を解決する機能体であると同時に、国民すべてが独自の私空間を持ちながら協力して生きる共同体でもある。共同体の原則は、構成員全ての権利と意思の尊重である。しかし、国民の協力なくしては国が崩壊するし、国が崩壊しては国民の生活も不可能となるので、国民には公共の福祉を優先するという義務が課される。


多くの国がこの地球上で、争いと協力の渦巻く中で、“生きている”。知的に優れた極一部の人達が、この文明社会の各種機関の運営を善意に基づいて行わなければ、その国は停滞し独裁国家などとの競争に負けて滅亡する危険性が高い。

 

つまり、国を平和裏に安定に運営する必須条件は、上記知的に非常に優れた人たちが、高貴なる責任(noblesse oblige)を心得てこの社会を統治することである。

 

これらの条件を満たす国(社会)の在り方を以下少し考える。以前、「人間社会の動物モデル」(補足3)と題したブログ記事にも書いたが、国家機関は全ての細胞を統制する権力を持つ脳に相当する。政府官僚(脳細胞)は手足や内臓(会社や各種団体等)の働き無くしては生きていけないということを自覚している。つまり、頭脳が指令を出す権威は、動物全体の細胞全てが持つ。

 

この統治の権威と権力の(正しい)分離が、全ての国民のための国の生き残りの必須条件である。国家運営の権威は国民すべてに存在するが、権力行使はそのうちの一部委員に譲り渡し、その委員が受け持ち部分の意見を吸い上げて政府機関を作り上げるのである。この形を民本主義というのなら、民本主義には将来性がある。それは吉野作造が作った言葉(補足4)だが、これはその現代版である。

 

具体例を言えば、日本国籍を取得後日本在住三世代目以降の人で、一定の資格試験を経て人口の0.1%程度を政治委員として選定する。それらの人々に政治の全てを委任するのである。国会議員への立候補者も、彼らの中から選ぶ。その政治委員に一般市民から意見を吸い上げる義務を与え、一般市民のリコールが成立すれば解任されることとする。

 

中国の政治制度(補足5)との違いは、政治委員が国民から一代限りの代表として選ばれる点、そして国民のリコールで解任される点であるが、最も大きな違いはこれまでの文化の違いだろう。つまり、「公」という価値観を持つ日本なら、仮にリコールがなくても、中国のようには腐敗はすすまないだろう。

 

全国を1万区程度に分割し、一つの区を10人程度の政治委員で担当する。彼らの中から出た立候補者から、選挙で下院議員を100名程度選ぶが、誰に投票するかは区の政治委員の投票で決める。上院議員は別途、会社の創業者や学術の分野で顕著な実績を挙げた人物を、例えば下院の選挙で選ぶ。

 

これに対して、別の方法を元ウクライナ大使の馬渕睦夫氏が提唱している。それは、古来からの天皇制を君民共治の政治と解釈して、江戸以前の天皇制へ戻ることである。しかし、それは時代錯誤というものだろう。https://www.youtube.com/watch?v=y3R5z6yk7c8 

 

 

補足:

 

1)渡辺惣樹さんは、主権者の国民をごまかさなければ、統治者が好きなように政治、特に戦争できないと言っている。

 

2)多くの戦争の背後に不況がある。第二次大戦もその背後に世界大不況(1929年から)があった。今後、世界はこれまでの大規模な金融緩和の結果、山のような大量の不良債権を発生し、信用収縮とインフレの苦を味わうことになると考えられている。

 

3)国には、様々な分野で半ば独立した機能体が存在する。会社や教育機関、その他の団体である。国はそれらを束ねて、その上に政府組織を持つ。政府組織が脳なら、各分野は動物の器官に譬えられる。そのように考えて作ったのが、国家の動物モデルである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12588475327.htmlhttps://ameblo.jp/polymorph86/entry-12588961158.html

 

4)吉野作造は、本当は民主主義を推奨したかったのだと思う。しかし、天皇を君主として国家が出来上がっている以上、民本主義としか言えなかったのだろう。ここでは、その揚げ足をとって、天皇を君主に戻さずに、民主主義を大きく変更する際の看板に使っただけである。素人の議論なので、批判をいただきたい。

 

5)中国のような専制国家では、知的に優秀な人材が支配層をなし、その中で競争と選択により最も優秀な統治能力を示したものが執行部を形成する。これが中世的独裁にならなければ、国際競争においては民主主義国よりも有利である。中国では国家の幹部が世襲制で維持されておらず、支配層(共産党と呼ぶが共産主義組織とは必ずしも言えない)は一般からも選ばれる。現在の中国は、中世的独裁国に変貌する可能性があり、それは中国共産党政権の崩壊の始まりとなるだろう。

 

以下に、20179月に書いた記事を再録する。政治を大衆に任せて良いのか? | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

(15:45、補足4を追加;翌朝、語句修正;4/26/7:00 冒頭に追補)



2023年4月21日金曜日

岸田首相襲撃事件から学ぶべきこと:現行選挙制度は改正すべき

4月15日、和歌山市の雑賀崎漁港に設営された応援演説会場に岸田文雄首相が入った直後、首相の近くに爆発物が投げ込まれた。この事件で、木村隆二容疑者(24)が威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された。警察による聴取が進んでいるが、黙秘を続けており動機は明らかではない。

 

そんななか、木村容疑者に関する様々な情報が報道されている。彼は現在の国政に関していろいろ不満をもっていたようだ。一つは選挙の立候補資格と供託金制度についてで、もう一つは暗殺された安倍元総理の国葬についてである。

 

後者に関しては私も意見がある。それは事実の解明が第一であるにもかかわらず、議論を封じるかのように、事件直後に国葬を決定したのは大きな疑問点である。以下の記事にそのあたりの議論を記しているので、ご覧いただきたい。

安倍氏暗殺容疑者になった山上氏の拘束は一生涯続くだろう | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

前者の問題も非常に重要である。昨年6月、現行選挙制度の下、木村容疑者が参院選に立候補できなかったのは憲法違反にあたるなどとして、神戸地裁に国家賠償請求訴訟を起こしている。第一審で訴えが退けられると控訴し、今年5月に判決が言い渡される予定になっている。

 

木村容疑者によって指摘されたこの民主主義の根幹に位置する重要な問題点については、国民や国会議員はもっと真面目に考えるべきである。そして報道機関も、事件を深刻な顔をして(面白可笑しく)報じるだけでなく、もっと真面目に議論の対象とすべきである。

 

私は、この裁判に注目を集めるのが今回の襲撃事件の動機の一つだと思っている。

 

2)公職選挙法の問題点:

 

訴えの詳細が、AERA.dotにより報道されている。訴えた理由は、以下の二点に集約されると思う。

 

1)30歳未満の成年が、30歳以上の成年と同じ『大人』であるにもかかわらず、参院選の被選挙権がないのは、社会経験に基づく思慮が十分ではないことなどを理由とした差別である。

 

2)供託金の制度は、立候補の自由を保障し、候補者資格の『財産又は収入』による差別を禁じる憲法に違反する。

 

これらの理由で選挙に立候補できなかったことによって受けた精神的損害への慰謝料として10万円を求めたのが、本訴えの趣旨である。

政治家を目指していた?襲撃事件の木村隆二容疑者24歳 「岸田首相批判」と慰謝料10万円国賠訴訟 (msn.com)

 

私は、1)と2)の論点は、本来とっくに国会で議論され、現行制度の一部は改正されているべきだったと思う。現行制度が正しいとするのなら、国は詳細にその理由を説明すべきである。特に高額の供託金で立候補者を社会の片隅(補足1)からだけに限る現行制度は、改めるべきだと思う。

 

勿論、訴状及び判決文の詳細を見なければ十分にはわからないが、一審で門前払いされたのは不思議である。この問題は過去議論の対象になっているだろうが、納得のいく答えが広報等に用意されていなかったのは、国政の怠慢(或いは犯罪)だと私は思う。(補足2)

 

現在、首相をはじめ国会議員の多くが二世三世で占められ、国会議員の職がまるで家業のようになっている。国会では、官僚たちが作った作文を読み上げられるのみであり、議論らしい場面など全くない。総理記者会見も数人だけの質問者に時間を限り、無知がバレないように済ましている。兎に角、日本の政治と政治家は非常にレベルが低い。

 

我々国民が、すくなくとも自分の担当については何時間でも議論できるという能力の政治家を選出するには、この選挙制度の改革が必須である。(補足3)勿論、一選挙区で数百人が立候補するようなことになれば大変だが、現行制度の強い制限は異常である。

 

公職選挙法の目的は、政治屋の権益を守ることではない。従って、男女差や年齢で立候補枠を狭めるのは愚かであり、成人に広く立候補のチャンスを広げる様、制度を改めるべきである。経験や知識の有無は、有権者が判断することであり、選挙制度で予め決定できることではない。

 

具体例:

 

参議院選での立候補には、選挙区は300万円(比例代表は600万円)を供託金として差し出す必要がある。その全額が、有効投票総数を議員定数で割った数の8分の1以上を獲得しなければ没収される。まるで立候補は犯罪で、300万あるいは600万円は罰金のようである。

 

2019年の前回選挙で、東京選挙区に立候補した20人のうち、10人が没収されたという。売名目的の候補者乱立を防ぐのが狙いだというが、この制度では知名度はないが優れた知識と判断力のある政治家候補は完全に除外される。繰り返しになるが、これは民主国家の選挙規定ではない。

 

現行選挙制度は国会議員という家業を持つ既得権益者のためにあると思わざるを得ない。そのグループ以外では、300万円をゴミ箱にてられる人のみが立候補資格があるということになる。

 

もちろん、平和時であれば、テロ行為が罰せられるべきなのは言うまでもない。そして木村容疑者が、人生を賭して我々に選挙制度の不備を訴えたと受け取るのは、或いは極端な事件の解釈かもしれない。しかし、日本の政治の現状を考えると、貧困なる国会に対する警鐘と受け取る視野の広さを国民は持つべきだろう。

 

マスコミはこの選挙制度の不平等をもっと報道すべきである。裁判所は、行政におもねることなく、まじめに議論し判決を出すべきである。統治行為論(補足4)などという学説で身を護るのなら、裁判官などになるなと言いたい。

 

 

補足:

 

1)社会の片隅とは政治家の家族やスポーツ及び芸能界の意味。著名な芸能人やスポーツ競技者が夫々の分野で得た知名度を頼りにして立候補するか、政治家等の子供で親の七光りで立候補するのでなければ、立候補は供託金をゴミ箱にすてるようなものである。

 

2)ネット検索をすると、公明党立川市議会議員の大沢純一という方の議論が出てくる。ただ、様々なところで細々と議論されているのみであり、国政の場でまじめに議論されてこなかったと思う。

供託金制度は廃止すべき | 公明党立川市議会議員 大沢純一 公式サイト (j-osawa.com)

 

3)米国のトランプ大統領の記者会見は数時間に及ぶことが多かった。もちろん、すべての疑問が解消するわけではないが、記者が抱く疑問点にはすべて答えるという姿勢だった。そのような姿勢で記者会見の望むことのできる大臣は、日本には一人もいないだろう。

 

4)統治行為論とは、“国家統治の基本に関する高度な政治性”を有する国家の行為については、法律上の争訟として裁判所による法律判断が可能であっても、司法審査の対象から除外すべきとする理論

 

4)統治行為論とは、“国家統治の基本に関する高度な政治性”を有する国家の行為については、法律上の争訟として裁判所による法律判断が可能であっても、司法審査の対象から除外すべきとする理論

2023年4月19日水曜日

UH60ブラックホークの安全性:宮古島事故のヘリコプター

自衛隊機の宮古での事故で10人が死亡した件で、中国の仕業の可能性を含めて様々な憶測が飛んでいる。それらの疑惑が出るのは、事故機が非常に安全性の高いヘリコプターで、入念に整備されテスト飛行を行った後の事故であったと報道されたこと、そして、日本政府の隠ぺい体質やそれに従属したマスコミの報道の在り方が大きな原因である。https://www.youtube.com/watch?v=66JCmasnrAA

 

 


この河添恵子さんのyoutube動画にあるように、3月29日にも米軍のUH60ブラックホークが空中衝突して9人が亡くなっている。これらの連続した事故は(a)「事故機が非常に安全性が高い」か、(b)「誰かの企みの可能性など存在しない」のどちらかを否定すると考えてもよいだろう。

 

河添恵子さんは、どちらかというと(b)を否定するニュアンスでこの事故に言及している。私の前回記事でも、不思議なケースとしてこの事故に触れたが、中国の関与を想像しながら記したのは事実である。

ところが、ネットで調べてみると、このヘリコプター(ブラックホーク)は使用頻度が高いからだろうか、米国では度々事故を起こしており、否定すべきは上記(a)であることを示唆する。(補足1)この型のヘリコプターは上記3月の事故の約1か月前にも、アラバマ州で墜落している。https://abcnews.go.com/US/survivors-after-black-hawk-helicopter-crashes-alabama-highway/story?id=97237264

宮古島での事故の原因だが、最初にパイロットが機体の方向などを見失うことが、頻繁におこる事故原因として可能性の一つとして言及された。しかし、当日の天候からそれは考えにくいとされた。救難信号の何もない突然の事故だったことから、次の可能性として、元自衛隊の将軍は主ローターの故障に言及している。ただ、それも今回の任務に向けて入念な点検やテスト飛行が行われており、考えにくい。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230412/k10014036321000.html

これら日本の専門家の議論を聞く限り、ほかに原因を探したくなるのは素人としては当然であり、その一つとして、米中対立が激しくなっていることとの関連で上記第三国の関与説がネットに浮上した。陸自ヘリ不明「中国に撃墜された」は根拠不明 防衛省幹部も否定【ファクトチェック】 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス (okinawatimes.co.jp)

日本では、事故原因究明という視点で、米国での3月29日の空中衝突事故を取り上げた例はほとんどない。当日の天候は悪くなく、浮揚と言う点では問題なかったのだから、今回の事故原因と共通している可能性がある。フライトレコーダー二つは回収されており、現在調査中の筈であるので、暫くすれば原因が公表されるだろう。

 

この空中衝突事故では、少なくとも一方のヘリコプターに方向や位置の制御装置に何らかの故障があっただろう。そのように考えて検索を続けると、過去のブラックホークの事故に位置制御装置の不良による事故があった。

例えば、2020年11月のシナイ半島での“平和維持活動”中、7人の活動家の命が失われた墜落事故だが、ホバリングして荷物を目的地に降ろした後の帰還フライトで突然墜落したのである。ヘリコプターのstabilator(尾翼などの安定化装置)が度々異常を起こし、事故の前に手動に変更されていたという。今回も事故なら、尾翼のstabilator異常があったのだろ。(補足2)

終わりに:

今回のケースで非常に不満に思ったことは、マスコミや自衛隊関係の人たちは、事件の詳細が明らかになる前に、この件の原因調査の枠から中国軍の関与を強く否定し、除外したことである。事件の詳細が明らかになっていないのなら、あらゆる角度から仮説を立てて、その原因を調査すべきである。

 

それも言い訳のための調査ではなく、真実を明らかにすることを最優先すべきである。軍事事故であり政治的な配慮の必要性はわかる。しかし、それは事実を明らかにした後のことである。日本は、対外配慮をして結果的に国民を犠牲にする傾向があると、国民の一人として憂慮する。

安倍元総理の暗殺事件では、政府は捜索から外国機関などの関与を除外し、事件の真相をもみ消している。銃弾は山上の方向からは考えられない方向から入り、心臓に穴をあけていたにも関わらず、安倍元総理の救命に当たった奈良県立医大の教授の記者会見の内容を完全無視し、全く考えられない山上単独犯行説で事件を処理した。

重ねて言うが、真実の追及を最優先すべきである。マスコミや政府は、碌に調査もしないのなら、少なくともフライトレコーダーなどの引き上げ調査の結果が出るまでは、ネットでの素人の意見を封じたり、バカにするような報道や発表をすべきではない。事実解明を最優先するなら、事故の当事者だけに調査させるべきではない。
(11:10編集あり)

補足:

1)過去 10 年間で、陸軍のブラック ホーク ヘリコプターは 40 件のいわゆるクラス A の事故に巻き込まれ、44 人の職員が死亡した。Probe of Deadly Black Hawk Crash Begins as Army IDs Victims | Time

 

2)The Black Hawk’s horizontal stabilator failed multiple times during a two-hour flight and was being controlled manually when the accident occurred, according to the investigation’s field report, which was compiled by the U.S. Army Combat Readiness Center, out of Fort Rucker, Alabama.
アラバマ州フォートラッカーの外にある米陸軍戦闘準備センターによって編集された調査のフィールド レポートによると、ブラック ホークの水平尾翼は 2 時間の飛行中に複数回故障し、事故が発生したときは手動で制御されていた。

Black Hawk’s stabilizing device failed before deadly crash in the Sinai (armytimes.com)

 

2023年4月15日土曜日

アポロ宇宙船飛行士の記者会見:重苦しい表情の三人

 

1969916日、帰還した三人の飛行士に対するフランスのテレビ局のインタビューの様子がtwitter で公開されているという。その様子が下の動画の2分半から映されている。(多分、しばらくして削除されるだろう)

 https://www.youtube.com/watch?v=4bX17paELUA

 

 

宇宙飛行士三人は、最初に大きな拍手でもって迎えられ、インタビューの席につく。しかし、直ぐに会場は重苦しい雰囲気に包まれることになる。まるで重大事故の当事者に対する記者会見のような場面が映し出されている。

 

アポロ計画における月面着陸の意味について問われても、即答できず時間が経過する。そしてやっとこの計画は新しい時代の始まりであると答えるのだが、全く表情がさえない。

 

そして「空を見上げた時、実際に星を見ることができましたか」という質問には、”We were never able to see stars from the lunar surface or on the day light side of the moon by eye without looking from the optics”と答えているように聞こえる。

 

日本語では、「我々は月面から或いは月の明るい部分から、(光学装置を用いないで)星を見ることが出来なかった」となる。

 

装置を用いずには星は見えなかったという答は、宇宙服に包まれた環境下では星は見えないのかも知れないという誤解に期待したのかもしれない。しかし、宇宙服のガラス越しでも、星は鮮明に見える筈である。それは月の明るい半球からでも暗い半球からでも同じである。

 

テレビのフランス語字幕は、”Nous n'avons jamais a voir les etoiles depuis la surface lumaire, ou depuis la partie illuminee de la Lune a l’ceil, sans regarder avec les instruments”となっている。グーグル翻訳によれば、”We never have to see the stars from the luminous surface, or from the illuminated part of the Moon to the eye, without looking with instruments”である。

 

フランスのテレビ局は、宇宙飛行士の回答の「月を見ることが出来なかった」の部分を、「月を見る必要がなかった」と変更している。何故このようにわざと誤訳をしたのかはわからない。状況を察して、テレビ局の方で変更したのかもしれない。

 

なお、この月面着陸捏造問題については、過去のブログに議論しているのだが、その幾つかの問題点を簡単に再録する。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12548626547.html 

 

1)真空状態の月面の砂地には水がないので、飛行士が足を踏み込んだ時に一旦靴跡が出来ても、足を挙げた途端に崩れ、NASAが発表したような鮮明な靴跡は出来ない。

 

2)歩行は二重の振子運動の様に行われる(歩行の二重振子モデル)ので、夫々の振子の長さと重力の大きさで歩行の周期が決まる。重力が地表の6分の1になる月面では、歩行周期が約2.45(√6)倍になる。この地球上の歩行パラメータが脳内に記憶されているので、最初しばらくはうまく歩けない。そのような様子は彼ら宇宙飛行士の歩行に全く見られなかった。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12741405393.html

 

3)月面への逆噴射着陸の技術を持たなかった。それは地球表面への逆噴射着陸の技術もなかったのだから、当然である。それに、エネルギー的に月着陸船と母船の両方(約50トン)を月の周回軌道に乗せる技術などある筈がない。そこまで50トンの荷物を運ぶことはエネルギー的に当時のサターン型ロケットでは無理。これらの点は、英国からアポロ計画に携わった技術者が流した月面着陸捏造説の中心的ポイントだった。

 

この記者会見の様子がツイッターやユーチュブで流れることは、偉大な米国の終わりを示している。

(以上)

 

追補:(4月17日早朝追加)

 

アポロ11号の着陸地点は、月の静かの海の近くである。着陸時は昼間であり、写真には星条旗とその影が撮影されている。場面が昼間であったので、飛行士は星は見えなかったと言ったのだろう。

 

 


尚、月では、昼の長さが約半月で一日の長さが約一か月である。地球に向ける面は常に同じで、地球と月に固定された座標系では、月は月の地軸の周りに回転していない。太陽と地球を結ぶ線を横軸とした場合、月の自転と公転(地球廻り)の周期は等しく、約一か月である。

月の表面には大気がなく、従って宙を舞う微粒子もないので、太陽の方向以外の空には宇宙服のガラス越しでも明るく輝いている星が見えた筈である。本文の言葉は、月面に立った体験のない宇宙飛行士が咄嗟に地上の昼を思い出し口に出したのだろう。

NASAが事前に想定問答集をつくり、記者会見に臨む飛行士にレクチャーしていなかったことが不思議である。たぶん、宇宙飛行士たちも疲れ切っていたのだろう。このような会談をセットしたNASAに怒りを覚えていたとしても不思議はないだろう。

世界中を欺く仕事での精神的な重圧は、この記者会見の様子を見ればわかるように、想像を絶すると想像される。


(以上はchukaのブログさんのコメントを参考に追加しました。17日夜修正)



2023年4月13日木曜日

沈没するG7船からの脱出を狙うマクロン & BRICSとアラブの連携

一年以上続いたウクライナ戦争は、ゼレンスキー大統領と米国のバイデン政権が米国以外のG7諸国を巻き込んで、一緒に世界の表舞台から落ちるという自死戦略の一環かもしれない。

フランスのマクロン大統領やEUのフォン・デア・ライエン委員長は、このことに感づいて中国を訪問し、米国のG7連合から抜ける準備をしているのかもしれない。マクロンが中国から帰る飛行機の中で「欧州が台湾問題に速度を出すことに利益があるのか? ない」と自問自答したのはそれを意味している。https://news.yahoo.co.jp/articles/1ad2cd5d0efdcac3716f65e17f1d656b98ce7f2c

因みに上の引用は朝鮮日報を元にしたヤフーニュースの記事であり、“台湾問題に速度を出す”は台湾問題を加速するという韓国語の文章の誤訳だろう。(補足1)マクロンは、米国の手下となって、下らない戦争に参加することの意味を問うているのである。

そして、このまま中国を刺激して台湾進攻に誘い込み、米国の手下となって台湾戦争を戦う羽目に陥るまえに、そこから抜け出す道を考えているのだろう。ドイツ人のEU委員長も同じ考えであり、その考え方は左派のドイツの国会議員にも共有されているようだ。

セヴィム・ダグデレンというドイツ連邦議会議員(左翼)は、「米国の外交政策は、国際法の違反とクーデターへの支援に象徴される。同盟国ではなく、家来が必要なのだ」と発言したという。正鵠を得た発言である。

島倉大輔という方のyoutube動画は、このあたりをまとめている。これらの世界史的動きを、「トランプ同盟がディープステートとの戦い勝利したと捉えるモデル」で説明することにはあまり同意できないが、島倉氏のポイントを押さえた世界史の方向に関する記述に賛成する。https://www.youtube.com/watch?v=IZI_MU7GK90

 


島倉さんは、上記動画で更に重要なことを言っている。BRICS諸国のGDP合計がG7諸国のGDP合計を超えている。インドと中国の和解をロシアが仲介することになれば、G7のグローバリストは完全敗退するだろうという指摘である。

イスラエルのネタニヤフに対し、諜報機関のモサドが反旗を翻していることも非常に興味深い。(補足2)イランとサウジアラビアの和解とともにネタニヤフ失脚となれば、アラブは平和になるだろう。そして、世界の資源とエネルギーを押さえるアラブとBRICS諸国が団結すれば、G7には勝ち目がないし、悲惨な運命に没落するだろう。


ここで、敗北するのは米国の一部と米国以外のG7諸国だろうが、米国の残り一部(ロスチャイルド系)は勝ち残るのかもしれない。ひょっとして、これはロックフェラー(補足3)のディープステートの敗北という形で総括できるのではないだろうか。

世界経済フォーラムは欧州のロスチャイルド系であり、そこが提唱するグレートリセットは、この米国以外のG7をゴミ箱に捨てる戦略なのかもしれない。世界政治は複雑怪奇である。出来ればよく理解されている専門の方が日本におられたらご教授願いたい。

 

日本はどうするのだろうか?

 

補足: 

 

1)韓国の報道機関はまともに世界を見ているようだ。日本のマスコミとは大違いである。韓国は、米国の手下の身分から脱却を狙うだろう。

 

2)モサドがネタニヤフの司法改革に反対しているというのは、米国CIAの情報のようだ。しかしモサドが公的にはそれを否定するのは当然である。以下の記事にそのあたりが書かれている。

 

 

3)ロックフェラーの番頭といわれるキッシンジャー元国務長官は、ウクライナは緩衝国であることを受け入れ、ドネツク地方とクリミヤを放棄して戦争終結に同意すべきと言ったことがあった。(8:30 ;9:10編集; 21:00最終)

2023年4月8日土曜日

自衛隊ヘリ墜落の怪

6日午後3時56分ごろ、宮古島周辺の地形を偵察するために、坂本師団長など陸上自衛隊第8方面師団幹部が搭乗したヘリコプターが、宮古空港の北西約18キロの洋上を飛行中航空自衛隊のレーダーから突然消えた。

 

搭乗員10名と機体は現在捜索中であるが、台湾周辺の事態が想定される今、不自然な墜落の状況が気になる。不自然とは、十分に準備された安全なヘリコプターであること、レーダーから機影が消える2分前には近くの下地島と交信していたこと、自動的に発信される救難信号が自衛隊により受信されていなかったこと、当時晴天で視界もよかったこと、などにも拘わらず墜落した点である。

 

また、7日の衆院安全保障委員会で、玄葉光一郎氏(立民)が、36日に沖縄本島と宮古島の間を通過して南下した中国海軍の情報収集艦1隻との関連性に関し、「関連性は絶対にないということでいいか」と質問した。関連性とは、ドローン攻撃などがその情報収集艦から為されなかったかという意味だろう。


 

答弁に立った浜田靖一防衛相が「そういったことは今のところ入っていない。確たるものをお話しすることは差し控えたい」と述べたと報じられている。この言葉はかなり「確たること」を持っていての返答なのか、また、国会内で午前8時半ころ行われた記者会見での浜田防衛大臣の涙声の理由は何なのか?https://www.youtube.com/watch?v=G2-y-GtsQho

 

 

事故機は第8師団(熊本県・高遊原分屯地)に所属。このヘリコプターにはエンジンが二つあり、片方のエンジンが不調でも、飛行可能である。更に、エンジンが停止しても、オートローテーションという操作をすれば、そのままの態勢で着水出来るという。

https://www.sankei.com/article/20230407-CPQFEHWIKFOXZFNKCYWPKMPPPI/

 

墜落機は、50時間飛行するたびに陸自が実施する「特別点検」を3月下旬に受けていた。その後、約1時間の確認飛行を実施している。更に今回の任務(注:師団長と幹部による視察)のため、熊本から那覇を経由、宮古島までの計4時間程度の飛行を行ったが異常は確認されなかったという。

 

更に、機体が強い衝撃を受けたり海水に浸かったりした場合に自動的に救難信号(ELT)を発するが、その信号を自衛隊は一切受信していないという。https://www.youtube.com/watch?v=rheLVoi0amQ

 

これらのことから、瞬間的に機体が破壊された可能性が大きい。そのようなことが、ミサイルやドローン攻撃など以外で考えられるのだろうか? 少なくとも、その疑問が生じるのは自然である。今後機体を海底等で発見することを最優先すべきである。そして、国家の重大な判断の前には、国民に十分な説明をすべきである。


 

2)隠蔽体質の日本政府の危険性

 

今回の自衛隊ヘリコプターの墜落には、事故にしては不自然な点が多いのだが、真実は今のところ不明である。フライトレコーダーの発見と分析、機体と行方不明者の捜索結果等を待たないで、軽々しく発言することはさけるべきだが、上記サブタイトルに記したことが気になる。

 

デイリーWillで浅香豊氏とホストの山根さんとの議論の中で、台湾有事との関連を少し議論している。台湾と中国の緊張の中で、中国も対応を観察しているだろうという山根氏の発言には、浅香氏も同意するものの、明確な発言は何もなかった。

 

 

尚、中国が台湾進攻する場合、台湾東岸から攻撃する可能性が大きく、その場合、沖縄の米軍基地を攻撃すると同時に、日本の与那国島などを占領して基地化する可能性がある。つまり、第8方面師団長らの幹部の視察は、台湾に近いこれらの島々の地形等を見る為だったことは容易に想像できる。

 

そこで煮え切らない議論に対して、コメントを投げた。それを以下にに再録して、今回の文章を閉じる。

 

もし中国のドローン攻撃だった場合、それが分かった場合、日本政府はそれを発表するだろうか? 発表しないと思う。何故なら、安倍元総理が暗殺されたとき、不自然なほど早く国葬実施を表明し、その事実を完全に隠蔽してしまったからである。(補足1)あの事件には、米国と中国のどちらかが深く関与している筈。

 

今回の件が、例えば、中国のドローン攻撃だったと分かったとしよう。その場合、それをもし公表した場合、日本は相応の対応をとる必要がある。そして、最終的には国交断絶&開戦までも想定する必要がある。そのような場合、岸田政権なら安倍総理の件と同様に内外に隠蔽するだろう。(補足2)


今後の重要人材(注:台湾進攻時における敵対勢力の)を排除するという直接的効果のほかに、日本政府のこの弱気で卑怯な性格の確認も、中国がドローン攻撃する動機となるだろう。その結果は、「今後例えば台湾進攻のための基地を尖閣に建設するために占領したとき、岸田政権はどのような態度をとるか」をシミュレートする上で重要な情報となる。

 

補足:

 

1)安倍元首相の暗殺は山上の犯罪ではない。彼は誤魔化しのために使われただけである。銃弾は安倍さんの右頸部から入り心臓を直撃していることは、救急救命にあたった奈良県立医大教授の記者会見で明らかにされた。その銃弾の走った方向は山上から安倍さんの方向ではない。この件は、「安倍元首相暗殺事件:中国報道官が予告していた」という拙記事とその中の引用文献を見てほしい。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12764790032.html

 

2)事件に関する事実を内外に隠蔽すれば、当面は被害はその局所だけに限られ、全体は平穏を保つ。しかし、それは次のより大きな被害を引き起こす可能性をより大きく容易にする。そのように重大事の原因究明を放棄し、事件そのものを内外に隠蔽する体質は、命を張ってこの国を守るという必要不可欠な資質を、現在の日本政府を担う政治家たちは持っていないことを示している。外国の例を挙げると、例えば米国の場合、トランプなどは明らかに命を張っている。(12時30分、補足2追加、16;30 編集)

2023年4月7日金曜日

欧米社会に乏しい公(おおやけ)という感覚

 

松下幸之助は、「企業は社会の公器である」と言った。その言葉は、「企業は、社会が求める仕事を担い、次の時代に相応しい社会そのものをつくっていく役割があり、そのためにはトップのみならず、あらゆる職階において、本来の「経営」が機能しなければならない」と、松下が作ったPHP研究所のシンクタンクにより説明されている。

https://thinktank.php.co.jp/policy/4976/

 

この言葉が企業創業者の口から語られることは、日本文化の中でしかないだろう。公器を辞書を用いて英訳するとpublic institutionであり、パナソニックのような会社を意味するprivate companyとは全くことなる。(補足1)

 

松下幸之助の言葉を英語にした場合に発生するこの言葉上の矛盾は、日本と欧米との文化の違いによる。

 

私企業でありながら、公共に寄与すべきという創業者による発言は、「公」と「私」が峻別される社会ではあり得ない。日本では「公」と「私」は対立する概念でありながら、「公」は「私」を包含する関係にある。

 

「公」は大きな家である。多くの「私」(個人、民)が、その大きな家に棲み、且つ、それを構成する。その大きな家とは日本社会である。全ての民がこの社会のあり方を当然のこととして信じている。自分たちが棲む社会をを豊かに清潔になり棲みやすくするという民族の中での合意が、個人だけでなく日本の企業にも、存在するのである。(補足2)

 

為政者が民衆に向かって、そのように説教すること、或いは法を制定して強制することは西欧でもあるだろう。しかし、その法律はそのような思想を多くは持たないことを前提にして制定されている。それは、単に行政コストの削減のため、民衆に対する強制に過ぎない。

 

この大きな家に棲むという意識が日本社会の特徴であり、それは誰もが心得る道徳である。道徳の中心に宗教があるとすれば、日本人はその宗教「日本教」の信者であるとも言える。これは山本七平氏の説く日本教とは相当異なる。(補足3)

 

山本氏の日本教は、日本教の西欧的文化へのシニカルな投影である。日本教は日本神道と深く関係しているか、それに等しいと思う。多くの日本人は自分は無宗教だと信じているようだが、殆どはその信者と言ってよいと思う。
 

全ての「私」が、「公」の意識を衣のようにまとって共同体を形成し、その機能と繁栄を担う。この公私の関係は、日本が均質な国民によって構成されること、構成されていると信じることによって可能となる。従って、日本は公私混合社会である。(補足4)

もう一つの表現では、「公」という感覚が「私」という自覚とともに日本人の原点に存在する。昔の人はよく「御天道さんが見ておられる」という言葉で、「公」を意識する習慣を子供や若者に教えた。恥とは、「公」に貢献出来ない「私」の自覚だろう。

 

最近ネットで明らかになった回転すし屋での若者の不埒な行動は、この「おおやけ」という概念の衰退が一つの原因である。日本社会から公を除いたら、失礼だが、中国社会のようになってしまうだろう。(補足5)

 

 

2)「公」の感覚が全くない米国社会


日本人の多くが持つ「公」という感覚は、世界一安全な街と道徳を弁えた道行く人々を作り上げている。西欧でも、その「公」という感覚がまだら模様のように存在はするかもしれないが、全て異なった政治色に強く染まっていて、本来の「公」感覚ではない。

 

多分、キリスト教などの権威が強く存在した昔には、純で統一的な「公」感覚が西欧にもあっただろう。しかし、それがキリスト教の衰退或いは変質により、欧米、特に米国では失われている。(補足6)

 

「法」が「公」的感覚の喪失を埋め合わせるべく導入されても、社会から「公」の感覚が跡形も無く消え去った場合、悪用されるだろう。つまり、どのような法も恣意的に適用され、混乱の時代や暗黒の時代に導く原因となるだろう。


その状況が前回記事で書いたスターリンのソ連の状況だった。その100年後の再現が、現在進行中の米国での左翼民主党が中心になって行ったトランプの逮捕・起訴劇である。

 

それは今回だけのことではなく、この数年間の米国全体の傾向である。同様の左翼検事の暴走は以前も書いた。サンフランシスコでリコールされたChesa Boudin地区検事である。トランプ逮捕を考えるとき、以下の動画を見てその原因を考えるべきである。

 

彼は、昨年の6月リコールされるまでの2年間の在任中に、極端な検察改革を行った。例えば、”生活の質が低いことが原因の犯罪”は起訴しないことなどである。強奪や強盗でも950ドル以下のものは罰せられなかった。https://www.youtube.com/watch?v=2n10KfB1zPs

 

 

自分と自分に近い人たちの損得を優先する姿には、国家全体や国民全体を見る視点が全く欠けている。その結果、行政も司法も、常に敵と味方の戦場であり、言葉尻にでも引っ掛かれば如何様にも法を適用し、公平さなど視野にない。

 

公平に見れば、民主党の歴代大統領などはとっくに懲役刑を食らっている筈。バイデンのウクライナや中国での収賄、ヒラリーの国務省での私的メールアドレスの流用、ペロシと夫とのインサイダー取引疑惑など全て重罪である。

 

因みに、トランプ逮捕の起訴状には、弁護士マイケル・コーエンがトランプと一度関係を持った元ストリップ嬢のストーミー・ダニエルズに、大統領選挙中にスキャンダルを流さないように要求に対して支払った口止め料の会計処理の不備が書かれているという。ヒラリーやバイデンのケースに比べれば微罪である。

 

しかも、その関係とはトランプが過去ホスト役だったテレビ番組に出たいので行った枕営業だったという。この件、ダニエルズの処罰だけで終わってしかるべきはなしである。元トランプの弁護士マイケル・コーエンの暴露本にあるそうだ。https://ameblo.jp/chuka123/entry-12794674827.html

 

緊急避難的なその口止め料に関する記帳不備という軽い犯罪で、元国家元首を逮捕起訴し、それを片方の政党は批難し、もう片方の政党は支持し喜んでいる。そこには、米国という大きな家(おおやけ)の幻さえも存在していない。

 

その背後にある病根を一掃しようと戦っているトランプは、起訴に応じて召喚されたのち、「私の間違いは、この狂った米国を救おうとしたことだけだ」と言ったという。https://www.youtube.com/watch?v=h8cMUdSgdII

 

補足:


1)public institutionは公的機関であり、日本語では公社に近い。一方、会社(company)は通常私的な人の集まりである。

 

2)大リーグ中継の中で大谷翔平選手がグラウンドのゴミを拾う光景が屡々みられる。ワールドカップサッカーの試合のときに日本のサポーター(応援者たち)が観客席のゴミを拾う姿もあった。これらも全て、日本人の上記思想或いは信仰による。

 

3)日本人は集団全体として共同体をなすと言える。日常的にはその存在感は希薄だが、非常時には存在感を増す。「公」の意識は、この共同体意識に等しい。この共同体メンバーを集めて機能体組織を組むことが難いのが、日本の衰退の原因の一つである。それが、私とあなたの対立を嫌い、主語の明確でない日本語となり、非論理的な日本文化の原因だろう。その状況を幾分シニカルに形容したのが山本七平の「日本教について」である。これについては既に議論している。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12498442798.html

 

4)一般に言う公私混同とは全く異なる。公私混同は公の財布から金品を盗み取る行為である。公私混合とは、「私」の利益と「公」の利益の両方を、すべての個人が考えるという意味。

 

5)中国社会の凄まじさは、以前ブログ「中国人群衆の自殺見物と「早く飛び降りろ」の合唱について」に書いた。中国社会では、同じ社会のメンバーに対する思いやりがない。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466516516.html

 

6)イエスの言葉に「汝の敵を愛せ」「敵のために祈れ」などがある。これは当面の敵対関係にある相手も、同じ社会同じ神の下に棲むことを忘れるなということだろう。これと関連して、伊藤貫とジェイソンモーガン両氏による「米国のモラル崩壊とその原因」についての議論を3月14日の記事で紹介した。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12793627762.html

 

<終わり>

2023年4月5日水曜日

米国は本性を現したのか?

トランプ元米大統領が、マンハッタン地区検察により逮捕起訴された。在カナダの日本人ユーチューバーによると、起訴状の内容には以前から言われている口止め料の会計処理に若干の不正があったという類の罪以外は明確には書かれていないようである。 https://www.youtube.com/watch?v=J8LZcXas7fY

 

今後、手続き上大きな間違いがあったなどの理由で、裁判所が起訴を却下するなどの措置が取られなければ、そして当事者であるアルビン・ブラッグ検事が全く無事なら、米国は今後内戦か、ソ連や中共のような一党独裁の全体主義国家のどちらかになる筈である。

 

勿論、これまで民主主義を装っていただけであるという意見もある。そしてその本質に関する議論は、メジャーなマスコミにより陰謀論(或いは都市伝説)として葬られてきただけなのかもしれない。ただし、これからはその本質を隠さない米国となるだろう。
 

NewYorkサバイバルというハンドル名で動画配信している元日本のジャーナリストが、あるソ連高官のセリフを紹介している。

https://www.youtube.com/watch?v=owE4SJ-7qSM

 

 

それは、スターリンに向けて発した内務省高官の言葉である: Show me the man and I will find you the crime.


 

 

意訳すれば、「私に男の名を知らせてくれれば、刑務所に放り込むための罪を用意します」となる。今回、一地方検事のアルビン・ブラッグが、ソ連の秘密警察がやるようなことをやったのである。

 

今回の米国のケースが誰かの要請によるとしたら、その誰かは、現在の民主主義国の大統領の様に見える人物を遥かに越えた権力者だろう。つまり、バイデンを大統領に据えた人物、真の独裁者の指金があった筈である。
 

1941年から13年間最高裁判事だったロバートジャクソンという人の言葉を日系米国人ユーチューバーのHaranoTimesさんが紹介している。「検察官のもっとも危険な権力は、起訴したい人を選べることである。比較的簡単に、誰でも何らかの犯罪を犯したことを証明することができる。(要約)」 https://www.youtube.com/watch?v=0aBPq3VM1Ug

 

しかし、現在は、そのような議論をしても無駄である。検察官が危険な存在になる可能性を云々する時は既に終わっている。何故なら、元大統領がどこにでも転がっているレベルの罪で、既に逮捕起訴されたからである。

2023年4月1日土曜日

トランプが起訴された:米国の終わりの始まりか

トランプ元大統領が予想通り逮捕された。歴史上初めての元大統領の起訴であり、米国は今異常な事態になっている。この起訴の目的はトランプを次期大統領にさせないことだろう。しかし、それは単にトランプの評判を下げることで達成するのではなく、もっと激しい手法を念頭に置いている筈である。(補足1)

 

何故なら、トランプを起訴収監しようという動きが出る度に、トランプの支持率が上昇しているからである。実際、FOXテレビの世論調査では、今回の起訴騒動によりトランプの共和党内での支持率が55%程と相当上昇したようだ。

 

単にトランプの評判を落とすために司法の政治利用という禁断の手を使ったのなら、それは逆効果だろう。この件について、及川幸久氏が動画を配信して、分かりやすく解説している。https://www.youtube.com/watch?v=lIvEWyw_aOA

 

 

及川幸久氏はその動画の中で、次期大統領選の期間が裁判と重なり、トランプは出馬できないことになると言っている。しかし、裁判中でも有罪が確定しなければ立候補資格があるので、トランプなら立候補するだろう。

 

トランプを起訴したのは、ニューヨーク州マンハッタン地区検事局のアルビン・ブラッグ検事である。彼は大富豪ジョージソロスの支援で選挙に勝った(補足2)ので、ソロスの考えの通りに動いている筈である。

 

これまでジョージソロスと米国国務省は協力して米国の“戦争外交”に関与してきたので(補足3)、この件もブラッグ検事の思いつきや私情によるのではなく、その政治勢力の良く練られたシナリオに沿っていると思う。

 

もし重罪でトランプを有罪にできるのなら、既にその罪状は明らかになっている筈である。今回、そうでなくてもトランプを起訴する決断をしたのは、おそらく正常に次回大統領選挙が行われないことを想定している筈。例えば、トランプ支持派が大暴動を起こすこと等を想定しているだろう。

 

彼ら左翼は、もしその様になったら我々の勝ちだと思っているだろう。その暴動鎮圧の中で、トランプ支援者もトランプ本人もまとめて面倒を見てやると思って、この最後の手段に出たのだろう。内乱状態になれば、大物は命を失うのではないかと想像する。

 

従って、トランプ支持派が勝利を得たいのなら、できるだけ静かにすることである。トランプの手錠をかけられた姿を見ても、犯罪者として写真をとられそれが新聞に掲載されても、静かに見守ることである。内乱になっては正規軍を持つ政権側に弾圧されて終わりだろう。

 

及川氏の動画の後半に現れる政界の大物たちのコメントが面白い。中でも、元下院議長のナンシーペロシが、トランプに「無罪の証明」をするように求めるコメントを出したという。及川氏はペロシが「推定無罪の原則」が分かっていないことが分かったと言っているが、そうではないだろう。
 

ペロシがそれをを知らない訳がない。彼女は「無罪の証明」ができないトランプは悪人であるという論理が大衆一般には通じると思ってインチキを言っているのである。民主党左翼はウソとインチキを武器にこれまでやってきたのだが、それは大衆を馬鹿にすることで成り立つのである。


 

補足:

 

1)先月のブログで、そのあたりのことについて少し書いた。トランプが拘束されたら何が起こるかわからない | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

2)米国では検事は選挙で選ばれるそうだ。この選挙が政治的な性格を帯びる場合、検事が政治的な意図を持つに至ることは必然である。今回のケースは、英国コモンローシステム(陪審員制度を含む)が伝統の浅い多民族国家に持ち込まれた時のデメリットと、検事を選挙で選び、それに民間から多額の選挙資金が流れ込み得るという米国の歪な検察制度のデメリットが重なった結果だろう。

 

3)ジョージソロスは、2014年のウクライナでの政変の裏でテロ支援に資金提供したことが知られている。また、その後のウクライナの大統領を誰にするかを米国の国務省の担当官(ビクトリアヌーランド)が電話で誰かと相談している場面が録音され、公開されたことがある。この一連の作戦で、ウクライナから親露派大統領ヤヌコビッチが追い出された。