1)戦争ができる国家への変質
自民党を中心に構成される日本政府は、憲法無視の実質的改憲を繰り返した結果、日本を戦争のできる国家に改造した。予想される戦争は主体的なものではなく、米国との軍事同盟により、米国の戦略に基づいての戦争である。そして現在恐れられているのは、中国が何らかの軍事行動に出る可能性である。
安倍政権は憲法の解釈を変えたのち、集団的自衛権行使を可能とした安保関連二法案を制定(2015年)した。その後岸田政権は、国家安全保障戦略(2013、安倍政権)において敵基地攻撃能力を保有すると明記する改定(2022年12月)を行い、自衛隊が完全な軍隊として機能する体制に整えた。
岸田政権は更に、2023年度から5年間の防衛費を1.5倍以上(43兆円)に増額するなどの国家防衛戦略や防衛力整備計画を決定した。これら一連の法整備に対する国内の関心はそれほど大きくなく、マスコミも関心を反らすように報道内容を工夫したように思える。
森友問題と加計問題、安倍元総理が暗殺されると、その事件の詳細よりも統一教会問題などの報道を熱心に行い、国民に法改正や解釈改憲の意味を考えさせる報道は避けた。(補足1)
この戦争ができる国家への改造は、韓国系のネット記事に分かりやすく纏められている。https://japan.hani.co.kr/arti/international/50465.html
そのハンギョレ新聞の記事は朝日新聞の報道を引用して、「日本は主体性を失い、あるいは失ったふりをして米国の外圧を利用し、『戦後安保のタブー』(元外務省幹部)破りを進めてきた感が否めない」と指摘している。
その記事は、ことの経緯はわかりやすく書いているが、この国家の主体性に関する記述(国家改造の力の源泉についての解釈)は間違っている。戦争が出来る国への改造の最後の段階は、エマヌエル大使(2021/12/22~現在)が日本に乗り込んで岸田首相を操り強引に仕上げたのだから、失う主体性など元々日本国には無かったというべきだろう。(補足2)
憲法に反し自衛隊を軍隊へ格上げした目的は、米国の世界戦略の中で米軍の下請けで戦う日本軍を作り上げることだろう。既に、戦時においては自衛隊の指揮権は米国が持つという密約があり、集団的自衛権行使という言葉すら相応しくないだろう。集団的自衛権というのは、複数の独立国に想定されているからである。
自衛隊という名の世界屈指の軍隊は、米軍の戦争に日本が参加するための軍として創り上げられ、改造された。
尚、日本が独立国でない証拠に、横田空域の存在がある。そこは、日本国内とされているが、日本の飛行機が自由に飛べない広い空域である。(補足3)これを見れば、日本が独立国でないことは明らかである。米兵が私人として町で犯罪を犯しても、日本に裁判権が実質的にないなど、他にも例が多い。
上の図で六本木ヘリポートとあるのは赤坂プレスセンターとも呼ばれ、横田空域の東端に存在する在日米軍基地である。米国人は、必要があればヘリコプターをこのヘリポートに着陸させ、入出国管理なしに街に出ることが可能である。米国と日本の国境を跨ぐトンネルの日本側出口である。
2)有事の際には米軍が自衛隊を指揮するという密約
上記の日米密約に関する日米会談は、米国の公文書に記述されているようだ。それは、吉田茂が口頭で交わした約束であり、限られた官僚により継承されてきた。この日本国民にとって非常に腹立たしい密約締結について以下の記事から要約で示す。https://gendai.media/articles/-/118982?imp=0
この密約はマーク・クラーク大将と吉田茂首相との間で口頭によりなされた。クラーク大将が、本国の統合参謀本部へ送った機密報告書には、「自宅に駐日大使、吉田茂と外務大臣(岡崎勝男)を呼んで夕食を摂った後、有事の際の軍隊の指揮権統一については、日本政府の明確な了解が必要であると説明し、同意を求めた」と書かれている。
吉田首相はすぐに、有事の際に単一の司令官は不可欠であり、現状ではその司令官は合衆国によって任命されるべきであるということに同意した。そして、この合意が日本国民に与える政治的衝撃を考えると、当分のあいだ秘密にされるべきであるとの考えを示した。
これが密約締結の場面に関する記述である。米軍の大将が、日本の首相と外務大臣を呼びつけて自宅で夕食をとったあと、日本の首相に申し渡したのである。同じようなことが、例えば駐日大使と官房副長官の間で、最近までなされていただろうと想像する。日米関係はこの75年間変わっていない。
こんな口約束なんて無視したら良いという考えを持つ人が多いかもしれない。ただ、片方が明確に記憶或いは記録している約束は、破棄したときに反作用が発生するという意味において有効である。つまり、条約でも密約でも破棄することは、その反作用を覚悟の上なら可能である。
3.参政党に頑張ってもらいたい
この歴史の流れを纏めると、敗戦とその後の米国統治により日本国はその全てを失った様に見える。北海道、本州、四国、九州とその周辺の小島は残されたが、日本は歴史も伝統もその記憶を含めて米国に消された様に見える。しかし、国の歴史や伝統とはその程度のものだろうか?つまり、マッカーサーが日本のすべてを変更したというのは本当だろうか?
ここで大事な点は、米国は戦後の日本統治を再教育した大日本帝国の残党を用いたことである。その方が今後日本を利用しやすくなると考えたからだろう。その代表的なのが、土佐藩士の庶子でジャーディン・マセソン商会横浜支店長(吉田健三)の継嗣である吉田茂と満州に詳しい長州出身の岸信介等だろう。
上述のように、その吉田茂が有事の際には自衛隊を米軍が指揮するという密約を結んだのである。そして岸信介が日米関係の根幹をなす日米安保条約の改定を行った。そうしなければ、10年の期限を満了して自然消滅するからである。彼らは、諸外国の命をかけて国を守る姿勢のトップと比較して、あまりにも日本国民のことを軽視してきたように見える。
繰り返して疑問点を書く。極東軍事裁判で報復的に戦争に関与した主要なる人物を処刑し、米国占領軍が日本を約6年半統治したが、それでこれほどまでに日本は主体性を無くすだろうか?
米国をはじめ連合国は、日本の本来の姿を軍国主義国家と考え、その骨抜きに完璧を期し、その結果100%成功した。そしてその計画通り、日本は完全に主体性を無くしたというのは本当だろうか?
これらの答えは何れも「否」だろう。日本は敗戦と米軍統治により大きく傷ついた。しかし、日本国と国民の本体が目覚めたときにはこの戦争の為に改質された大日本帝国の日本でなく、元々の日本、つまり天皇と将軍が居た江戸時代の日本だったのだろう。(補足4を是非お読みください)
大日本帝国の生き残りがこの元々の日本を、封印されていた80年間に進んだ世界の中のあるべき日本へ上手く接続できないのは当然と言えるだろう。また、江戸時代の日本が目覚めたとしても何を何からやるべきかわからない茫然とした状態だろう。つまり、日本は明治で乗っ取られ、昭和で破壊されたのだ。
「戦後安保のタブー」と元外務省幹部が語ったというのは「平和憲法」だが、近代日本の最大のタブーは「日本は独力で明治維新で近代国家を建設した」という誤った歴史解釈である。英国などとの強い干渉で薩長土佐がクーデターで日本の権力を奪いとったというのが事実である。
元々の日本が変質したのは、明治維新においてである。侍が頭の髪を切り、大名たちが領地を返還し、士農工商の別が消し去られ、その後富国強兵の下で大陸へ進出した。そんな政治体制の変革が10年ほどで出来ることではない。勿論偉大な成果と言えるだろうが、それを日本民族独自の視点で再評価しなければ誰にとって偉大なのかは分からない。
日本の支配層が完全に入れ替わったのは明治であり、昭和の敗戦時ではない。内閣の大部分は平和に対する罪で処刑されたが、その後日本を率いたのは、同じ体制下にいた処刑を免れた人物であったし、その後現在までの国家の首脳もほとんど同じ地方の似た家系のものたちである。天皇も、そのままであった。
従って、日本国を再度完全な独立国として再興する場合、江戸末期に戻ってそこから現在の日本への道を引き直す必要がある。つまり、日本再興には江戸以前に始まる日本の歴史の総括をやり直す必要がある。それを言明しているのは参政党のみである。自由民主党は、日本を米国の下で役立てるための政党だったことを忘れてはならない。
終わりに:
このままでは実質的改憲により世界第三位の軍事力となった日本は、米国民主党政権或いは米国ネオコン政権が計画する世界戦争に参加するだろう。自衛隊の指揮権がない日本は、米国の指揮で戦う羽目になるのである。何か変だと思っても、自民党政権は嘘と捏造で誤魔化すことになるだろう。
現在の自民党政府は、古くはベトナム戦争でのゴ・ジン・ジェム政権、最近では、ウクライナのゼレンスキー政権とよく似ている。こんな自民党政権を未だに日本国民は支持するのか?
世界中が戦争に揺れている現在、国の方向を決定する選挙が日米で行われようとしている。日本人はこの自民党の本質を知って投票すべきである。米国の現政権はグローバリスト政権、つまり変形されたシオニスト政権である。彼らは世界統一独裁国家を築くべく各地で戦争を展開しているのだ。
補足
1)安倍元総理が山上という人物の単独犯だというのは、山上の位置と直後に手当にあたった奈良県立医大教授の方の記者会見の内容(入射痕と致命傷)からあり得ない。
2)「日本は主体性を失い、あるいは失ったふりをして米国の外圧を利用し」の部分、特に後半の “振りをして” 以下は、日本を警戒する気持ちから来ている。それが元々国内(朝日新聞)から出た言葉であることは、国民も政府を信用していないことを意味している。
3)横田空域の存在により、羽田空港へは海側から離着陸するなど制約が多い。もし横田空域が日本に返還されていたら、日航機123便の事故も無かった可能性がある。この事故も、米国隷属下の日本を示す一事例だろう。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12836247903.html
4)ここで言いたいことは、日本国民の殆どが奴隷のように戦争に送り込まれたが、敗戦の後も自分たちの意思で戦争遂行者を日本の政治から排除することが許されなかった。米国は、自国の都合で戦争遂行者の一部を利用し日本統治させることで、意のままに日本を操ることが出来る体制を作り上げたということである。そのようにすれば、日本の政治担当者は自分たちの立場を守るために、米国に逆らえないからである。
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