長谷川三千子氏は このサイトにある様に、 NHK経営委員に不適任である。憲法に反する思想の持ち主であるからである。憲法にも改正すべき点はあるだろうが、現憲法の精神を尊重するのは、公務にある人間の義務である。
上記サイトは、朝日新聞社に乗り込み拳銃自殺した右翼の方(野村秋介氏)の追悼の会に寄せられた、長谷川氏による追悼文を問題にしている。(注釈1)朝日新聞社に乗り込んだその方は「俺は朝日と刺し違える。そう公約したのだ」と言って、最後に「すめらみこと、いやさか(天皇陛下万歳のヤマト言葉的表現)」という言葉を繰り返した後、拳銃自殺したとのことである。長谷川氏は、追悼文においてこの拳銃自殺を賞賛し、神(つまり天皇)に命を捧げた尊い行為であるとしている。従って、長谷川氏は明らかに、天皇を神と崇める思想、つまり、象徴天皇制を唱った現憲法の第一章に反する思想の持ち主である。また、この自殺は新聞社への脅迫行為である。更に、その方の自宅は、銃刀法違反で捜索されている。従って、引用されている追悼文の内容は、刑法犯にあたる人を誉めたたえる行為でもある。
明治憲法においては、天皇は第1条「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」と国家元首であることが記され、第11条「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」とあり、内閣総理大臣ではなく天皇が軍を統帥(統率)するとある。この記述が軍の暴走を許し、先の大戦の大きな原因となったのは常識であると思う。天皇は神であるとする長谷川氏の追悼文は、氏が明らかに現憲法を否定し明治憲法を善しとする思想の持ち主であることを示している。憲法9条や96条の改訂に賛成のものでも、第一章を改訂すべきという人は少ないだろう。民主主義国家を日本が名乗り、その民から徴収した金でNHKを運営するのなら、長谷川氏の様な方を経営委員にするのは、国民を無視する行為である。この様な人事を内閣がするのなら、直ちに、内閣がNHKの経営費を負担し、視聴料を無料にすべきである。(もちろん、その為には放送法を改訂してNHKを内閣の広報機関とする必要がある。)
また、この様な時に「私的な意見なので問題はない」という擁護が内閣から出ているが、これは内閣要員が言語を正しく用いず論理を誤摩化しているか、正しく用いる能力がないことを示している。「私的な意見で問題がない」のは、私的な空間にその意見を閉じ込めることが出来る場合に限られる。(注2)NHKという公的”報道機関”の運営委員であるから、委員の思想がその運営に影響するのは当然であり、長谷川氏の思想が公にされた以上内閣の擁護の論理は成立しない。つまり、公的要人の”思想”は私的な領域だけでなく公的空間に広がって存在する。(注3)
この国はおかしい方向に進んでいる。トップの頭がおかしいと舟は蛇行して、氷山にぶつかるだろう。タイタニック号を思い出す。
注釈:
1)正論(1月6日発売)で、長谷川氏は、仕事は男性、育児は女性という「性別役割分担」が合理的との意見を公表したらいしい(読んでないので未確認)。公明党の高木氏はその様な考え方を持つ人は、「首相の考える男女共同参画とは相いれない」と批判した。
2)私的な問題が公的空間に持ち出されて大きな打撃を受けた方に”みのもんた”氏がいる。成人になった息子の犯罪は、みの氏が責任を問われることではない。
3)「ナチスの行為は批判されるべきだが、ヒットラーの思想は私的であり問題ない」という論理は成立しない。何故なら、ナチスの行為はヒットラーの思想がその原因だからである。長谷川氏の思想は、公的報道機関NHKの運営に影響する筈である。
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