1)ダウ平均株価が大幅に値下がりして、日経平均も値下がりするだろう。買いムードだった雰囲気も急に悪くなり、市場は曇りがちになるのでは。そんな雰囲気の中で、ほくそ笑む勢力が居る。米国の大投資家達である。何故か、彼らは株価を支配して稼いでいるからである。
株でもなんでも、相場での勝ち負けの行方は決まっている。相場を動かす者が勝ち、それに追随する者が負けるのである。ニューヨークの巨大な投資家は勝ち、日本などの個人投資家は負けるのである。その勝ち負けの行方を隠すのは、多くの出版物であり、その題名は「一年で資産を10倍にした伝説の投資家」などである。
英国ロスチャイルド家が巨万の富を得て、英国での貨幣発行権を得たのは、ナポレオンの負けをいち早く察知して、巨万の富を得たからだと言われている。その方法は、公債を空売りで一旦値下がりさせて、その後底値で買い漁ったことだと言われている。それを可能にしたのは、元々の資産力と情報力(ロスチャイルド家の団結力による)だろう。
株価操作は商法違反である。その捜査をかい潜って株価を操作して、儲ける悪者が現在でも居る。少なくともそう疑える中小株の売買傾向と値動きはかなり存在する。しかし大投資家は、そのような手を使う必要がない。自分の資金力だけで、合法的に株価を動かすことが出来るからである。(補足1)
重要な注釈:本当のところ、筆者はゴールドマン・サックスやシティバンク、そして、ウォーレンバフェットやジム・ロジャーズなどの投資家がどれだけの資金力があり、どれだけ株価を動かせるのか、知らない。しかし、それら大投資家には情報力や資金力があり、以下のモデルが多少とも適用できるように思う。それくらいの曖昧な話であることを承知して、以下お読みください。
2)原理的説明:
ある株の値段は、買いが続けば値上がりするだろう。それに尤もらしい理由が付けば、尚更その値動きはしっかりしたものになるだろう。しかし、その株の「適正だと判断される値段」は、誰も知らない。その前提で以下単純なモデルを立てて考える。
ある大きな投資家が売り買いを周期的に行うとする。その周期は前もっては、本人以外は誰も知らない。一定量づつ売り、その後買って全体の持ち株に変化がなくなる1周期を考えると、最も単純な値動きは下の図のようになるだろう。茶色の線は売り買いのタイミングを示すコサイン関数であり、黄土色の線はそれに多数の投資家が追随して出来る実際の価格である。
茶赤色が底になった時、その大投資家は売りから買いに変化すると、それより少し遅れて底値が生じる。多くの中小投資家が、値動きを察知するからである。実際の相場は、全体の売り買いで決まるので、黄土色の曲線が実際の株価である。その大投資家は、図の売り領域で一定量つづ売り、買い領域で一定量つづ買うとする。(補足2)
大投資家の売り買いで値動きが決まるが、一定の位相差(実際の値動きにズレ)が生じると考えた場合、図の空色曲線の端の部分だけの利益が生じる。この図の紫色と空色の曲線は、どちらも平均価格より上で売った時のその差額、或いは平均価格より下で買った場合のその差額をプラスの利益と考えて積算した結果を表している。
青色の積算曲線は大投資家の売り買いのタイミングで生じる利益曲線、紫色は実際の値動きで売り買いをスイッチした場合の利益曲線である。何れも底値から買い始めて、最高値になるまで買い続け、そこから売り初めて底値まで売ることを仮定して計算した場合である。
つまり、大投資家が売りを決断してから暫くして最高価格になり、買いを決断して暫くして底値になる。その位相のズレが、大投資家に利益をもたらすのである。(補足3) その利益は、当然、個人投資家などから渡されることになる。個人や小さい投資家は、大投資家の利益と証券会社の利益を、自分の損失で支払っていることになる。(補足4)
3)適正価格が不明な点が、相場が大きく動く理由である。適正値についての一般的な視点を少し書く。①将来性の有無、②利益対株価の比(PER)、③会社の純資産と株価の比(PBR)、④配当利回り、⑤優待の魅力などがある。
将来性とは、②〜⑤の将来予想である。②は現在の株価が、一年間の純益(配当金はその一部)の何倍かという数字。純益の10倍程度以下なら割安株と言われるかもしれない。③は、決算報告での純資産(資本金や剰余金の総額)の何倍が、株価総額になるかという数字。普通の感覚では、1.0以下なら割安株と言われる可能性が高い。何れにしても、その数字の評価には、決算報告書を細かく読む力が必要である。配当利回りは、株価の何%の配当金がもらえるかという数字である。
PERの大きい代表的企業が、ファーストリテイリング(ユニクロ)であり、昨日の株価で44.93である。小さい企業としては例えば、トヨタ自動車の9.05が参考になる。投資家は、トヨタ自動車の将来を若干暗く、逆にユニクロの将来をかなり明るく見ている事がわかる。
個人投資家が損をするのが普通なのだが、何故、それでも株式市場に向かうのか? その理由は、勿論巨万の富を得る夢を見ることもあるだろうが、通常は現在の金融資産では将来が不安だからである。冷静な人でも、インフレや通貨安(これもインフレの原因の一つ)による貨幣価値の低下は、株式市場などの投資に向かう理由となり得る。
しかし、上の単純解析でも分かるように、売り買いを頻繁に行う取引では、個人投資家は大損をする可能性が高いだろう。結論としては、将来性のあると信じられる企業の株を長期保有するのが賢明であり、多少の含み損は、無視することだろう。お金持ちは、分散投資が肝心だとか、ルールを決めて取引を行うことが大事だとか言うだろう。肝心なのは、自分でよく考えること、金融で儲けることなど、ユダヤ金融に勝つ知恵を持つ人以外は、あまり考えないことだろう。
以上、全くの素人なのだが、予備知識無しに簡単なモデルを立てて、株式投資の損益を考えた。間違いの指摘、サジェスチョンなど歓迎します。
補足:
1)実際の売り買いで株価が動くのは当然である。ただ、株価操作を目的に申し合わせて、或いは情報を流して取引することを商法は禁止している。https://www.jpx.co.jp/regulation/preventing/manipulation/index.html
2)一定量を売るのではなく、価格曲線の勾配を利用した売り買いなど、モデルの修正はいくらでも可能である。その様なモデル修正のためのパラメータとしては、株式市場に参加している全体の資金量と自分の投資資金量の割合、政治的情況など多く考えられる。この種のモデル計算は、すでに多く為されている筈である。
3)この位相のズレと変化の周期との関係が同じなら、複数の大投資家が参加した一般的な値動きでも大投資家は必ず利益を生むことが出来るだろう。また、適当な規模の会社を選び、その売買に参加する大投資家が自分だけであると考えられる情況を創れば、利益は短時間で確実になるだろう。
4)この方法を用いれば、法に触れないで儲けることができるかもしれない。それは、投資顧問会社をつくり、そこが投資する仲間を募集する。そして、顧問が有望な銘柄を取り上げる。その情報により暗黙の了解で、組織的に売り買いをするのである。このような違法スレスレの取引が行われている可能性がある。
投資について考え直すいい機会になりました。
返信削除ありがとうございます。