注目の投稿

人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2021年10月25日月曜日

韓国で高まる核武装論議

伊藤貫さんは米国在住の国際政治アナリストである。今日彼の“真面目な雑談”を聞いた。それによると、米国のワシントン・ポストが、韓国の核武装を米国は許すべきだという記事を掲載したという。

そのアドレスを示しておく。

 

Should South Korea build its own nuclear bomb?

By Jennifer Lind and Daryl G. Press, October 7, 2021 at 1:45 p.m. EDT

https://www.washingtonpost.com/outlook/should-south-korea-go-nuclear/2021/10/07/a40bb400-2628-11ec-8d53-67cfb452aa60_story.html

 

伊藤貫さんによると、最近北朝鮮は米国に届く水爆を手に入れたという。そして、中国と同様に、もうすぐ極超音速ミサイルを完成するだろう。そうなると、米国は朝鮮半島の軍事衝突に介入できなくなる。北朝鮮から核ミサイル攻撃を受けて、数百万人の自国民の命を犠牲にする可能性が出てくるからである。

 

北朝鮮は、SLBM (潜水艦発射型弾道ミサイル)を手に入れると尚厄介だ。そのような危機に備えて、韓国は既に核軍備の必要性を議論しているし、国民の70%が核武装に賛成しているという。韓国は既にSLBM技術を保持している。そのうち韓国が核武装すれば、数年後には北朝鮮とともに原子力潜水艦を持ち、そこに核搭載のSLBMを備え付けるだろう。そうすれば、周辺国と対等な外交が可能となる。

 

 

韓国もNATO加盟国のドイツと米国のように、核兵器のシェアを行えば良いという意見があるが、核の発射の権限を米国が持つ限り、自国への水爆攻撃も覚悟しなければ、発射の許可が出せない。ミサイル迎撃システムは、実際上役立たない。通常の弾道ミサイルでも高い高度から落とされれば迎撃不可能だし、極超音速ミサイルが実用化されれば、100%役立たない。大金を支払って役立たずを購入するのは馬鹿げている。

 

全く同じ論理が日本にも当てはまる。日本が核武装を2030年ころまでにしなければ、核武装すると決断しても(その時点では米国は軍事的にも中国に追いつかれており)、中国の介入でそれが不可能になる。そして、中国の属国としての運命が決まる。(補足1)

 

韓国政府は、この件を真面目に議論しているようだが、日本はほとんど議論していないと伊藤氏は嘆く。同じ様な核武装論議が2017年ころにも起こったが、今や北朝鮮の核にも、日本は不感症となっている。愚かな国民だ。

 

ついでに、以下の記事も出てきたので引用しておく。

北朝鮮の暴走を止めるには、日本と韓国が核武装すべき

Opinion by Bilahari Kausikan

October 10, 2017

https://www.washingtonpost.com/news/theworldpost/wp/2017/10/10/to-deter-north-korea-japan-and-south-korea-should-go-nuclear/

 

補足:

1)ここで以前書いたように、米国の日本不信が気になる。これは日本不信というより、日本嫌いと言った方が良いだろう。例えば民主党政権に隠然たる影響力を持つキッシンジャーは、大学の同僚に日本について以下のように言っている。

「日本人は論理的でなく、長期的視野もなく、彼らと関係を持つのは難しい。日本人は単調で、頭が鈍く、自分が関心を払うに値する連中ではない」。さらに、彼は中国人と比較して「彼らは世界的視野を持つが、日本人は部族的だ」と。

ユダヤ系の大投資家達も日本が嫌いである。例えばジム・ロジャーズは中国を有望な活躍の舞台と考え既にシンガポールに移住している。そして、何時も日本については非常に辛辣なコメントをする。

 

(4節目の文章を一部変更、10/25/am8時)

 

 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿