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2023年6月22日木曜日

天皇皇后両陛下まで〇〇する米国?:両陛下のインドネシア訪問

天皇皇后両陛下は17日~23日の日程でインドネシアを訪問されている。天皇即位後初めての外国親善訪問である。(補足1)宮内庁の発表ではインドネシア政府からの招請に答える形だということだが、訪問予定の報道は間近まで為されておらず、突然の話に驚いた。

NHKの報道によると、今回の両陛下の外国親善訪問は、6月9日の閣議で正式に決まった。岸田政権になってからは、天皇陛下の親善訪問まで電撃的になったのか?

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230609/k10014094531000.html

 

宮内庁から閣議決定事項として、「かねてより、インドネシア政府から、天皇皇后両陛下に対し同国を御訪問願いたい旨の招請があった。ついては、我が国と同国との友好親善関係に鑑み、両陛下に同国を公式に御訪問願うことといたしたい。」と発表されている。https://www.kunaicho.go.jp/page/gaikoku/show/30

 

この文言は、行政府が今回のインドネシア訪問を天皇に要請したことを示している。しかし、これまでの天皇陛下の外国親善訪問は、皇室の意向が出発点ではなかったのか? 或いは、実際はどうであれ、皇室の意向を前提にして、宮内庁がその手配等を行う形ではなかったのか?

 

あくまで一国民の印象を述べるのだが、行政府が日本国の象徴である天皇陛下を外交官のように使う事態は非常に変であり、天皇を象徴としていただく日本国民をバカにしているように思う。このあたり、知識のある方のコメントがいただけたらありがたい。

 

2)天皇皇后両陛下の初めての外国親善訪問にインドネシアを選んだ理由は?

 

天皇陛下は、これまでのインドネシアと皇室との関係から始まり、日本語学習者数が世界第2位である点、日本への国費留学生の人数は世界第1位である点、多くの看護師や介護福祉士が日本に来て活躍している点などにも言及して、インドネシアとの関係の深さについて語られている。

https://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/62

 

しかし、それでも両陛下の初めての外国親善訪問先としてインドネシアを選ばれたのか、若干不思議である。そして、何故急遽インドネシアだけなのか? 平成の天皇陛下は最初の公式訪問で3か国、インドネシア含めて、タイとマレーシアも訪問された。

 

王室をいただくタイとマレーシアを、インドネシアとともに最初の親善訪問国として選ばれるのなら、両王室との友好関係から自然に思える。しかし、その計画もないまま、インドネシアに絞って訪問されること(補足2)に違和感を感じるのは私だけだろうか。

 

丁度そんなことを考えている時、ちょっと気になるニュースがCGTN(補足3)の報道としてヤフーニュースで流れた。そのニュースに以下のような文言が含まれている:

 

ロシアのプーチン大統領があるフォーラムで、「現在の世界では深刻な転換が起きている。ウクライナ危機の発生前から、ロシアはアジア、アフリカ、ラテンアメリカの市場へのシフトが始まっていた」と述べた。更に、「ロシアは中国、インド、そしてその他の国のいずれとも良好な関係にある。

 

(中国とインド以外の)他の国も速いスピードで発展している。インドネシアは巨大な市場があり、速やかに成長している。ラテンアメリカは現在発展し続けており、将来の伸び代も大きい。アフリカにも大きな発展のチャンスがある」と指摘した。https://news.yahoo.co.jp/articles/8fcd660b81cf41989d084e0eab204e80b8d90eea

 

プーチンの発言が何時なされたのかは別にして、米国が最近非常に警戒しているのは、このグローバルサウス諸国とロシアや中国との連携強化である。米国は、G7側と中露側の境界線上にあると思われる国々を何とか、G7側に引き留めて置きたいだろう。

 

想像だけで話を展開するのは危険だと言われそうだが、このロシアと中国及び米国らG7の勢力争いが、今回の天皇皇后両陛下の”電撃御訪問”となったのではないだろうか。(追補

 

令和時代のマッカーサーであるエマヌエル駐日米国大使が、令和時代の吉田茂である岸田文雄首相に話をすれば、あとは何でも電撃的に決定される。LGBTでも何でも国民が何を考えるかなどは二の次だ。

 

この比喩にご不満の方には、次の動画の中の林千勝氏の(2分20秒)言葉をお聞きいただきたい。

 

 https://www.youtube.com/watch?v=JwMZuDJYE_U

 

 

(15:30 編集と追補の追加;翌朝、最後の行削除)

 

補足:

 

1)天皇即位後の両陛下の外国御訪問としては、昨年9月19日のエリザべス女王葬儀のための英国訪問がある。

 

2)平成3年、当時の天皇皇后両陛下(現在の上皇上皇后両陛下)が3ヶ国を訪問されたときは、9月26日から10月6日までの足掛け11日間の日程だった。

 

3)CGTNとは、中国の公共メディアである中国中央電視台(CCTV)が所有、運営する多言語テレビチャンネルのテレビネットワークである。

 

追補)中国の仲介でイランとサウジアラビアが国交回復し、中東アラブ諸国とBRICSが接近している。世界は、これらの国々と米国などG7を中心とする国々に分断されつつある。そして、後者先進諸国は衰退し、BRICSとグローバルサウスと言われるプーチンが言及した国々が政治的にも経済的にも成長しつつある。先進諸国は何とか、地理的にインド太平洋領域の中心にあるインドネシアを自分たちの勢力圏に含めたいだろう。今回の両陛下の訪問は、この戦略を意識したものだと思う。

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