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2023年10月15日日曜日

日本の将来は今日のパレスチナかもしれない

1)絶え間なく縮小しゼロに向かうパレスチナ人の領地:

 

第一次世界大戦が終わり、パレスチナ地域(現在のヨルダンとヨルダン川西岸地域)は英国の委任統治領となった。その後、英国はユダヤ人入植を進めるのだが、アラブ人へ配慮してヨルダン川東岸を入植地から外すべく、片方をトランスヨルダン、他方のヨルダン川西岸をパレスチナと呼び、後者をユダヤ人のホームランドと勝手に決めた。

 

ユダヤ人の入植は、人口の90%以上を占めるアラブ人を父祖の地から排除する暴力的な形で行なわれた。その結果、抵抗運動の連続となり多数の犠牲者を出した。第二次世界大戦後、国連は“紛争”を少なくする為、パレスチナの地をアラブ人側とユダヤ人側で二分した。

    

 

 左上図の濃い色の部分がアラブ人(以下パレスチナ人)に残された土地で、薄い色の土地がユダヤ人入植地に其々割り当てられた。(図はDiamond Onlineの記事からの借用)

 

 

 

同時に、ユダヤ人たちはイスラエル国の建国宣言を行なったが、不満のアラブ側(エジプト、ヨルダン、シリア、レバノン、イラク)はイスラエルに戦争(第一次中東戦争)を仕掛けた。結果は、近代的なイスラエル軍の勝利となる。そして、パレスチナ人の土地が更に小さくなった。

 

第 三次中東戦争(19676月;補足1)でも大敗したアラブ側は、国連から割り当てられた領地を含め全てのヨルダン川西岸を占領された。ただ、この占領は国連安保理決議(1967年と1980年)により無効とされている。

 

イスラエルの占領地は右上図の濃い色の部分であり、パレスチナ人の領域とされた東エルサレムを含むヨルダン川西岸はかなり縮小している。このうち、シナイ半島は第四次中東戦争を経て、1979年のエジプト・イスラエル平和条約の時にエジプトに返還された。

 

現在の、イスラエル支配域の地図が下図である。ガザ地区及び斑点のように存在する小さい地域がイスラエル及び欧米がパレスチナ自治区と呼ぶ地域で、自治の程度によってA地区(濃い茶色)とB地区(薄い茶色)にわかれる。下図の白色部分のC地区は、イスラエルの完全支配下にある地域である。尚、図は以下のサイトから借用した:https://seichi-no-kodomo.org/2017/02/21/blog-170221/

     

国連はA, B, C地区およびガザ地区のイスラエルによる占領は認めていない。国連はパレスチナを国家承認し、これら黄色に塗られた領地(イスラエル)以外のすべてがパレスチナ国の領地であると認めている。

 

パレスチナを国家として認めている国は138ヶ国であり、認めていない国は全世界のうちG7と英米の影響下にある国々を中心に55ヶ国である。(ウィキペディアのパレスチナ国の項)

 

 

2)パレスチナの情況は将来の日本の情況かも

 

この100年間のパレスチナ紛争とは、民族(国家)間の強者による弱者の“国際的虐め”である。強者とはイスラエルとそれを背後から応援する英米及びNATOとG7の主力であり、弱者とはパレスチナとそれを応援するアラブ諸国である。ただ、大国の中国やロシアは現在後者に入る。

 

国際的な闘争において、強者は法治の原則を守るか少なくとも法を守る振りをし、弱者はそれとつり合いをとる必要上狂暴になる。弱者の運命は、狂暴になるか消滅するかである。そして、多くの国は現実主義として、強い方の味方をして損をしないようにする。これが国際”社会”という冷酷な野生の世界の現実である。

 

その結果、パレスチナの地に住むアラブ人は、父祖の土地を追われて10分の1程度の狭い土地に押し込められることになった。(補足3)その上、現在でもイスラエルは国連がパレスチナ人に割り当てた土地に暴力的にユダヤ人の入植を続けている。

 

それに反対するアラブの国々は、広範囲に及ぶが統一のとれたものでは無いので、背後に世界の金融を支配するユダヤ資本の力と、それとともに成長した巨大コングロマリットの英米の“戦争屋”を持つイスラエルに勝つことは所詮不可能である。

 

このパレスチナへの入植には、2016年、国連は形だけの非難決議を出している。https://www.bbc.com/japanese/38425927 

 

今回のハマスの攻撃で、大量の死者がイスラエルに出ている。日本のマスコミには、ハマスをテロリストとして一方的に非難する報道や解説が多い。しかし、それは一方的すぎると作家として著名な宇山卓栄氏がyoutube動画で語っている。https://www.youtube.com/watch?v=-57SPkYIYq0

 

宇山氏は、今年7月にジェニン難民キャンプでのイスラエル治安部隊による軍事作戦では、パレスチナ人200人以上が虐殺されたと語っている。西側の記事では僅か死亡者12人と出ている。欧米の記事は都合の悪い場合はこのように過少化する。https://www.unrwa.org/japan70th/updateofjenin/

 

このパレスチナ人の悲しい現実は、今後の日本人の将来の姿ではないのかと想像する。本記事の主目的は、その考え方を一日本人として発信するためである。

 

現在、世界の覇権構造は大きく変化する時期となっている。米国一極支配の時代が終わり、世界は幾つかの大国の覇権域に分割される。紆余曲折があっても、結局日本は非常に大きな確率で中国の覇権領域に入ると考えられている。

 

中国の一部でその期待とともに話題になっている筈である。中国は、沖縄は元々中国の覇権域だと公報紙である人民日報に堂々と書くなど、日本の分断統治を目指す姿勢は明白だろう。http://www.iinan-net.jp/~karasuda117/000/191215.htm 

 

その日本列島の予想される姿が、既に中国側は持っているようである。それが下の地図である。この中の日本自治区という文字を味わってもらいたい。

 

      

 

尖閣諸島に対する中国の姿勢とそれに対する日本の情けない外交について、2020年の11月に記事として本ブログにアップしている。日本政府はパレスチナ解放戦線などと比較にならない程、軟弱で頼りない。それに取り替われる野党は、準備されていない。(補足4)

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12640754195.html

 

中国には一般人でも、日本を属国化することを待ち望んでいる人は多いだろう。厳しい大陸の生存競争を生き抜いた人たちが持つ冷酷さが、独裁国の中ではより研ぎ澄まされていると思う。その冷酷さは特殊ではなく、西欧人が既にパレスチナの現実として証明している様に標準である。中国人はもっと強烈な形で、ウイグルなどの自治州の統治で示している。

 

日本の将来が心配である。

 

追補:

以下の動画を見てもらいたい。このイスラエルのやり方は、米国の政治でも見られる。 https://www.youtube.com/watch?v=Sb-Bxh-AnIo

 

補足:

 

1)この戦力の圧倒的な差で、6日間でイスラエルの勝利に終わった戦争は、イスラエル側では6日戦争と呼ばれ、アラブ側では大敗北 an-Naksahと呼ばれる。この戦争では、イスラエル空軍の殆どが先ずエジプト、シリア、ヨルダン、イラクの領空を侵犯し、各国の空軍基地を爆撃し制空権を得たのち、地上軍を展開し、ヨルダン側西岸(トランスヨルダン)、ガザ地区、ゴラン高原、シナイ半島を占領した。このイスラエルの奇襲作戦は国際的に不評であり、これらの占領は国連安保理決議(1967, 1980)で無効とされている。(以上、ウイキペディアから抜粋)

 

2)国連は、パレスチナへのユダヤ人の入植は違法であるとして、非難決議を出している。ただ、米国はこの決議に棄権している。  https://www.bbc.com/japanese/38425927

 

3)パレスチナ紛争の議論で、イスラエルの立場に配慮して2000年の問題として時間軸を不自然に拡大する人がいる。たしかに2000年前にはセム族のユダヤ教を信じる人たちが住んでいたのだが、その後ユダヤ人にはアシュケナージ系と言われる白人系の人たちが加わり、世界の金融を支配した。従って、1948年のイスラエルの建国が2000前の父祖の地を奪還したとは言えるかどうかは疑問である。(ウィキペディアのアシュケナジムの項を参照)

 

4)現実的路線を模索する能力のある政党は、参政党のみだろう。今後の成長に期待するのだが、四方八方から参政党虐めが続くだろう。日本保守党は、参政党潰しのために新たに設立されたと私は考えている。

 

 

 

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