米国ロイターの1月7日付の記事(在北京の特派員Benjamin Kang LimとBen Blanchardの取材)には、北朝鮮は中国を仲介として、米国との朝鮮戦争終結するための平和条約を締結することを望んでいる。それが叶わないのなら、もっと核実験を行うと主張しているという。http://www.reuters.com/article/northkorea-nuclear-usa-idUSKBN0UM12S20160108
これは、平壌にコンタクトのある人で2006年の最初の核実験を正確に予言した人からのものである。このニュース源によると、「1950-53年の間戦われた朝鮮戦争は、米国軍、北朝鮮軍、中国軍、の署名で休戦に入ったのだが、北朝鮮はこの三国に韓国を加えた署名での平和条約締結を望んでいる。今回の実験は、米国に戦争を終結して朝鮮半島に永久平和を実現させるこの四カ国間交渉に入るよう説得するのが目的である。」
「北朝鮮が核兵器を捨てるならば、アメリカ合衆国と中国両方は、制裁を中止して最終的には平和条約の可能性があるという提案を見せびらかしてきた。しかし(これまで)、北朝鮮が核兵器によって軍事力の強さを示すことができたとしても、アメリカ合衆国が交渉に応じるだけだろうと考えている。北朝鮮の条約締結の要求は無視され、核兵器を開発し続けるという手詰まり状態が続いているのだ。」(補足1)
日本のマスコミでは、北朝鮮の核兵器開発の問題を朝鮮戦争の終結との関連においてほとんど論じていない。単に金正恩がまるで正気を逸しているというような表現ばかりであり、日本国民の目を事実から遠ざけようとしているかのような印象をうける。北朝鮮は独裁国家だが、独裁国家は世界に沢山ある。すでに、およそ140カ国が北朝鮮を承認しており、国連に加盟している国だということを日本は忘れているのだろうか。
上記記事の内容を考えれば、核兵器を保持する前に、米国は核兵器開発を諦めることを条件に、朝鮮戦争を終結する決断をすれば、北朝鮮は安定化したと思う。そして、日本も米国とともに北朝鮮を承認すれば、生存する拉致被害者は帰国ができただろう。つまり、北朝鮮に核兵器を持たせたのは米国なのだ。
つまり、北朝鮮が独自国家として安定化することを嫌ってきたのは米国である。北朝鮮を東アジアの厄介者として残すことが目的だったのだろう。なぜそのことが、テレビなどの政治番組でまともに放送されないのだ。今日のそこまで言って委員会でも、朝の報道番組でもこのような議論はない。
このロイターの記事は田中宇さんの本日のメイル配信で知ったこと、付け加えておきます。また、この趣旨のことはすでに木曜日のブログで述べておりますのでご覧ください。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42618325.html
補足:
1)原文をあげておきます。The United States and China have both dangled the prospect of better ties, including the lifting of sanctions and eventually a likely peace treaty, if North Korea gives up its nuclear weapons. But North Korea believes the United States will only negotiate if Pyongyang can demonstrate its strength through its weapons. With its demand for a treaty ignored, North Korea has continued to develop its nuclear weapons and a stalemate has ensued.
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