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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2017年7月28日金曜日

嘘とインチキの支配する世界にどう生きるか

1)人間が言葉を用い始めた時、言葉は真実を他人に告げる道具として作られた筈である。その時、同時に嘘も生じた筈である。人類は嘘とどのように対峙してきたのだろうか?どのようにそれを最小限にするのか、知恵を絞っただろうか?その知恵は子孫に受け継がれただろうか?

「ペンは剣よりも強し」という言葉がある。その言葉の中では、ペンで書くのは真実であり嘘ではないと思う。しかし、ペンなんて何の力も持たないことの方が遥かに多いのが現実だと思う。何故、このような言葉がある種の精彩を放つように存在するのだろうか。それは単に人の持つ共通の希望なのだろう。この気持ちは、近現代の歴史書などを読むうちに強くなった。

そして得た結論は、「言葉(真実を語る言葉)は、信頼する者たちや利益を共有する者たちの間だけで、そして限られた話題においてのみ正しく機能する対話の道具である」ということである。信頼が無い社会において、或いは利害が対立する関係においては、“真実を語る言葉”は有害(補足1)か、意味がないか、のどちらかである。

現在、世界は政治的にも経済的にも不均質である。言葉はその様な世界を通る時、意味は曲解され、まともには伝達されない。それは丁度、粉々に割れた氷の空間に光が入射した場合に、光は屈折し反射され、偽の光を放つのと同じである。

場合によっては、雑音的な言葉が、反射と屈折を繰り返して、増幅され大きな声となって歴史を動かすこともあるかもしれない。(補足2)また、そのような空間に、ある意図を持って嘘が投げ入れられた場合、伝搬増幅された結果、思わぬ被害を受ける者と計画通りの大きな利益を得る者が現れるかもしれない。

昔の嘘は、単に当事者間のものであり、社会全体に伝搬する類のものはほとんどなかっただろう。社会の90%以上は政治に関与しないのだから、当然のことである。近現代になって特に、言葉が空間の中で反射伝搬されるうちに増幅され或いは変質して、大きな結果の引き金になる場合が多い。その様な世界が何故できたのか。それは現代人が、最高の政治形態とされる大衆が参加する民主政治(補足3)と高度広範な情報伝達機能をもったからではないかと思う。(補足4)

民主主義政治は、大衆が声をあげる政治形態である。発言権を裏付けるものは、単に社会のメンバーであるというだけであり、専門的知識に欠けるかどうかは問題にされない。言葉が正しく伝達される空間として、自分と同じ社会に属するとか、自分と利益を共有するとかの境界が存在するが、それは大衆には見えない境界である。それは、言葉とその意味の理解を妨げる。

以下に、その具体例を2-3挙げる。

2)民衆による政治が世界に広まってから、真実であろうが嘘であろうが、大衆の作る社会を大量の言葉がその真偽の検証もされずに右左に伝搬し、その言葉がどのような力学の結果かは不明だが、政治を左右することは事実である。それをいち早く知り積極的に利用したのが、英米など民主主義先進国だろう。

例えば、イラクがクウェートに侵攻した際に、クウェート市民の団体の手配で、クウェート人の娘ナイラがクウェートの病院で起こった幼児虐殺の場面について証言をした。https://www.youtube.com/watch?v=LmfVs3WaE9Y

証言の一部はABCのナイトラインとNBCナイトリー・ニュースに放映され、7人の上院議員はナイラの証言を力の使用を裏付けるスピーチで引用した。ブッシュ大統領は、次の数週間で少なくとも10回この話を繰り返し用いた。そしてイラク戦争に参戦した。あとで、証言した娘が在米クウェート大使の娘であること、クウェートには行っていない事が判明した。

ここで注目すべきは、クウェート人の娘と言いながら流暢な英語を話す。その当たり前の疑問さえ、その政治的プロパガンダの伝搬の妨げにならなかったことである。

3)1941年の対日戦争でも、米国の参戦には日本側の第一撃を必要とした。何故なら、前年の11月の大統領選で三選を目指したフランクリン・ルーズベルトは、「今私の話を聞いている父や母の皆さんに、もう一度はっきり申し上げる。私はこれまでも述べてきたように、今後も何度でも繰り返すが、あなた方の子供たちが外国の地での戦争に送りこまれることは決してない。」と心にもないことを言わざるを得なかったからである。

くず鉄と石油など軍需物資が日本に入らない様に経済制裁をし、大統領、国務長官、陸軍長官は日本の攻撃を待った。その年の夏まで、グルー駐日大使の戦争を避けるための努力、日米諒解案を作成して戦争を避ける努力をした近衛総理と野村駐米大使、それを期待して日本にやってきた米国神父2名の期待は虚しいものになった。

そして日本の奇襲が行われるや、「RememberPearl Harbor」というセリフが、フランクリン・ルーズベルト大統領の思惑通り米国人を団結させた。この手法はルーズベルト大統領の考案ではない。何故なら、スペイン領キューバをめぐって行われた米西戦争で、“真相は現在でも明らかではないが”、米国軍艦のメイン号がハバナ湾で爆発沈没した。

この爆発はスペインが仕掛けたものだとメディアに火がつき、国民の反スペイン感情を刺激して「Remember the Maine」がスローガンとして唱えられた。1898年のことである。https://www.loc.gov/collections/spanish-american-war-in-motion-pictures/articles-and-essays/the-motion-picture-camera-goes-to-war/remember-the-main-the-beginnings-of-war/

4)この「不均質な社会では言葉が通じない」ということをつくづく感じたのは、隣国との慰安婦問題である。最初からこのような問題は生じる筈もない話だった。例えば、下のコピーは公開された1945年当時の米軍の秘密資料である。

米軍が、日本軍に所属した何百人もの韓国人捕虜に慰安婦について、尋問した結果をまとめたものである。

英語を訳せば次の様になる。「捕虜が太平洋地域で見た韓国のすべての売春婦は、ボランティアであったか、両親から売られて売春婦となった。朝鮮風の考え方からは正当なものだろう。もしそうでなく、日本人が女性を慰安婦としての直接徴用すれば、年齢に関係なく男性は怒りで後の影響を考えずに日本人を殺してしまうだろう」と書かれている。

しかし、韓国系有志が韓国国内だけでなく米国などに設置しているモニュメントには、日本軍による韓国人少女(!)の性奴隷として強制連行したとする日本攻撃の文章が書かれている。

国連人権委員会が特別報告官にスリランカのクマラスワミを任命したが、その報告書には、ほぼ上記韓国系有志の主張に沿った内容と日本政府への要求事項が書かれている。 つまり、真実よりも明らかな嘘が、不均質な世界を走り抜ける能力を持つことがあるのだ。その理由は、その嘘がエネルギーの高いX線のような嘘なのか、或いは伝搬する空間に心地よく反響する嘘か、どちらかなのだろう。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%9F%E5%A0%B1%E5%91%8A

従って、この問題を日本政府が解決したいのなら、真実を訴えるという努力よりも、その言葉が伝搬する空間をどのように変えるかという視点で、対策を練らなくてはならない。そもそもこのようなプロパガンダは、「民主主義社会での嘘のつき方と効用」を熟知した組織のものととして理解すべきなのである。

5)洗練された態度と説得力ある言葉で語った嘘は、みすぼらしい紳士の真実よりも遥かに世界に早く広範に伝搬し定着するだろう。ましてやその空間の人間が聞いて喜ぶ嘘なら尚更である。一定期間過ぎれば、歴史の中で正当なる地位を得て、その詳細は全て忘れ去られることでその嘘は真実として定着するだろう。

米国がほとんど真実をアナウンスしているように新聞が書くのは、米国に国家としての実力があるからである。実力としては軍事力という見世物も大事であるが、国家の全体として実力である経済力がしっかりして居なければならないと思う。

ロシアの嘘が真実の様に報道されないのは、ロシア経済が米国とは比較にならないからだろう。総合的な力を失うと、日本も世界のなかでいじめの対象になるだろう。デモクラシーが大手を振って歩く国際社会では、中学校のイジメ同様の現象が起こっているのだ。つまり、その程度の社会なのだろう。

世界は嘘で満ちている。しかし、人間は言葉でコミュニケーションするしかない。明確な目的をもって、巧妙な筋書きの中の鍵となる箇所に嘘を配置する悪知恵は、歴史の中に多いだろう。我々はそれを知って、新しく何か大事件が起こった時に思い出すべきである。

補足:

1)本当のことを言うと、喧嘩になることはよくあることである。しかし、それをこのように再確認することはあまりなかったと思う。

2)オイルショックの時に、どういうわけかトイレットペーパーがなくなるという話が日本中を駆け巡った。そこで主婦はトイレットペーパーを買いあさり、実際にトイレットペーパーがスーパーから消えた。1973年のことである。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E9%A8%92%E5%8B%95

3)チャーチルの、「民主主義は最悪の政治形態である。ただし、これまで行われてきた政治形態を除いては」言葉がよく引用される。It has been said that democracy is the worst form of Government except for all those other forms that have been tried from time to time.

4)ラジオを最初に有効利用したのは、フランクリン・ルーズベルトだろう。炉辺談話や真珠湾攻撃翌日の演説などが有名。後者の演説は、日本軍によって攻撃された地域の名前を羅列する時、民衆の中に反日感情が誘起される時定数を心得てなされている。https://www.youtube.com/watch?v=lK8gYGg0dkE

2017年7月25日火曜日

北朝鮮問題解決は、50年ほど前に米国と北朝鮮との講和で出来た筈

”北朝鮮がICBMを完成させても米国が「忍耐」を続ける理由」”と題してIZAニュースが記事を書いているが、詳細な解説の割に本質を捕まえていない。http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/170725/wor17072515550009-n1.html

そもそも米国が北朝鮮の核兵器にそれほど神経質になる必要がどこにあるのか?何もない。朝鮮戦争を終結して、講和条約を結べば北朝鮮が米国や韓国を攻撃する理由などない。一体なにをこまごまと議論しているのか、XXとしか言いようがない。

これまで毎年一度、北朝鮮攻撃をシミュレートした米韓合同演習などで脅してきたのは米国であり、圧倒的に有利な軍事力を誇示してきたのが米韓合同軍であることなど常識ではないのか。

米国が北朝鮮を本気で攻撃すれば、全土が灰燼に帰す。それを恐れて、北朝鮮が求めてきたのは朝鮮戦争の当事国である米国との講和である。この講和の求めを無視して来たのに、今更北朝鮮の脅威だとか言うのはおかしい。茶番でしかない。この筆者はそんなことも判っていないのか?

日本と韓国には北朝鮮の核の脅威は大きい。それは既に何年も前に中距離ミサイルとそれに搭載できる核兵器保持が噂された段階からのものであり、その時なぜ大騒ぎせずに今騒いでいるのか?その脅威も、此方側がNPTを脱退して核を持つなり、米国の核兵器の日本国内持ち込みをすれば、消える。

北朝鮮が米軍基地以外の日本の国土も攻撃する可能性を示唆したのだから、大手を振ってNPTから脱退できる。そして、核開発をすれば良いのだ。インドから買う方法もある。もちろん米国や中国はゆるさないだろう。米国、中国、ロシアは、日本がそのようにまともな対策を考え出したと言う時から、まともにこの問題を考え出すだろう。

日本は拉致問題を抱えているが、それは本質的に大事な問題だが、一億人のうちの数百万人が犠牲になる可能性のある核攻撃を考えれば小さい問題である。それに、拉致問題はこちらも武器をもち、力の平衡を達成したのち北朝鮮を国家承認をした上で基本条約を結べば解決する。そんなことは、小泉内閣のときに出来た筈だ。なぜ出来なかったのか明らかにすべきだ。おそらく、米国の圧力だろう。

それが基本的な拉致問題の解決方法であり、それ以外にはない。何を馬鹿な事ばかり政府も言ってきたのか?基本的に全ての北朝鮮問題は、米国との交渉の問題であり、北朝鮮に対する日本の独自制裁など逆作用でしかない。この簡単な理屈もわからんのか、わからないふりをしているのか。

政府はわからないふりをして、米国をひたすら恐れているのだろう。まともに対応を考えて行動を開始するのは韓国のほうである。四面楚歌なのは北朝鮮ではなく日本である。

何度も同じことを言うのは恥ずかしいが、なんの反論も応答もないし、テレビなどマスコミは馬鹿げた事ばかり議論をしているので、書かざるを得ない。しかし、今回でこの問題の議論は終わりとする。二度と書かない。

三橋貴明氏による国内政治におけるプロパガンダの実態と分類

「【三橋貴明】嘘ばかりの政府を信用するな!奴らの国民誘導の劣悪手口を徹底解説!について」と題する動画がアップロードされた。 https://www.youtube.com/watch?v=YB-edaxzQbg  その動画(チャネル桜?)で、三橋貴明氏は国内でのプロパガンダを俎上にあげて議論している。若干コメントがしたくなり、以下のコメントを二つの欄に書き込んだ。

最初に、動画の4分付近で竹中平蔵さんとのテレビ討論のなかで、竹中氏が「正規社員が最後の既得権益です」と言ったという。それを大衆のルサンチマンを利用するプロパガンダの一つとして、取り上げている。しかし、竹中氏のこの台詞は、別の意図を含んでいるのではないだろうか。

三橋さんの攻撃は恐らく不公平なものかもしれないので、竹中氏の言葉の別の解釈を想像で書いてみる。竹中氏の上記台詞は、同一労働・同一賃金の達成が大事だという趣旨ではないだろうか。つまり、同一労働・同一賃金なら、正規も非正規もコストは変らないので、全ての雇用者に社会保険などで差別を無くせば、正規雇用や非正規雇用という言葉が無くなるだろう。

そこで、日本の労働市場の閉鎖性や非流動性が解消される。年齢差別や性差による差別、中途採用のデメリットなどが無くなり、代わりに適材適所が達成される。(補足1)そうすると会社全体でも国家全体でも、労働生産性が同じ賃金で上昇する。それは賃金上昇の動機にもなるだろう。

この問題は、雇用に関する文化の問題だから、一朝一夕には変化しないが、その方向が日本を救うと思う。以下のサイトで、日本の労働流動性の低さと過労死或いは過労による自殺の関係を論じた。(https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43352392.html &そこに引用したブログ記事参照)

恐怖を利用したプロパガンダの一つとして、小池都知事が行った豊洲の地下水問題を上げている。この件、三橋氏のおっしゃる通りである。如何に下らないことを都知事やっているかについて、何度も議論した。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42994605.html

「木を見て森を観ず」「用語の変更」などを利用したプロパガンダだが、これも三橋氏の説明通りだと思う。一般論になってしまうが、これらは全て知性及び感性の問題であり、国民がそのようなプロパガンダに引っかからないように、そして、優れた政治家国家を選ぶように、もっと努力する必要があると思う。国家により良いサービスを受けるためには、国民側も努力しなければならないと言うことだと思う。

三橋氏は、政府の借金を国の借金と言い換えて多額の国債発行に対する恐怖を煽り、増税を企んでいると財務省のアナウンスを批判している。つまり、「用語変更&恐怖プロパガンダ」というのだろう。その中で、日銀の国債買取りは、国債の貨幣化になるという話はわかる。それをあまり批判せず、消費税を廃止するくらいの対策がデフレ脱却には必要だという三橋氏の持論が背景にあるようだ。

多額の国債(現在は400兆円という莫大な国債買取りを行っている)を日銀が引き受けているが、国債がその分消えたことになるという三橋氏の説明は誤解を生じると思う。貨幣に利子は本来無いが、その発行残高は国家(日銀をふくめた)の貸借対照表の負債の部に入るので、消えるのは国債の利子の支払いだけだと思う。(補足2)

最終的には金融安定化の責任を日銀が放棄して、政府が持つことになると思う。全部国債を買い取れば、それは政府による貨幣発行、つまり、日銀の併合に等しい。それは、政府がより良いサービスを提供するということと、金融を安定化させるという二つの互いに矛盾しそうな仕事を一人で行うことを、政府に要求することになると思う。

その場合、国家の純資産が相応にあるかどうかが、国債の暴落(=円の暴落)を防ぐ上で常に問われる。(補足2)財務省は政府の貸借対照表を発表している。
http://www.mof.go.jp/budget/report/public_finance_fact_sheet/fy2013/20150130gaiyou01.html その中で資産・負債差額としてマイナス490兆円(H25)を計上して、左右のバランスをとっている。

しかし、このような大きな債務超過の会社ならとっくに潰れている。貸借対照表に意味を持たせるためには、年間40兆円程度の収税能力があることを、資産の中に繁栄しないといけないと思うのだが、如何だろうか。資産がお金に換算すれば、現在計上している他に少なくとも490兆円あり、それが収税能力年間40兆円の裏付けとなっているということだと思う。政府の貸借対照表にどれだけの意味があるのか分からない。従って、どれだけの国債を発行できるかの目安もそこにはないと思う。

三橋氏は適度な物価上昇が始まるまで、国債発行が可能であると言っている。しかし、物価の上昇が始まってしまえば、事は重大になる可能性が相当高いと思うのだがどうだろうか。三橋氏の話は、熱が出るまで病気ではないので、遊んでも大丈夫という議論のように聞こえる。

(筆者は政治経済の素人なので、どなたか経済に詳しい方のコメントを期待します。)

補足: 1)会社にとって、トータルの賃金支払いが変わらなくても、適材が外部に居るのなら内部の人と交代してもらうことが簡単になる。交代した人は、他の場所の方が恐らく能力を発揮できるだろう。転職に際する差別がないので、一定の技量があればそれは難しいことではない。
2)日銀を併合した場合の貸借対照表を考えれば分かりやすいと思う。国債を買い取って対価としてお金を支払えば、買い上げた分の国債が消える一方、それに対応する分だけ貨幣発行残高が負債(利払いはない)の部に計上される。つまり、負債が減少することにはならない。

2017年7月24日月曜日

張本勲さんの「白鵬も同じ民族なのだから」に賛成

デイリースポーツオンライン(ヤフーニュース)が、白鵬の新記録達成に関する張本勲氏(元プロ野球選手でスポーツ評論家)のコメントについて以下のように報じた。

21日に元大関魁皇を抜いて通算勝利数1048勝の単独1位となった白鵬について、一面で取り上げたスポーツ新聞が1紙だけだったことを批判しながら、「白鵬はもっと重要視してあげないと。国籍が違うから?国内でこれだけ頑張っているんだから。国籍は紙切れ一枚で変えることができるのよ。民族は変えることができないの。海外でやる人もいるけどね、日本の国内で頑張っている人を重要視してくれないと」と吠えた。

  さらに主張は勢いを増し、口角泡を飛ばしながら「同じ民族だからね。日本列島ね、魚が人間になった訳じゃないんだから。モンゴルからずっと来たんだから。兄弟が右や左に別れたようなもんですから」と訴えた。 白鵬は日本国籍取得の意向を持っているとも報道されているが、張本氏は「恐らく国民栄誉賞をもらうと思いますよ。値打ちあります」とも話していた。


張本さんの仰る通りである。国民栄誉賞も当然ではあるが、それは通算勝ち星よりも、優勝回数と連勝記録に対して授与すべきかと思う。日本の国民栄誉賞は国籍を問わないので、モンゴル国籍を持つ間に授与するのが良い。モンゴルと日本の友好のためになるだろう。

モンゴル人も日本人も「同じ民族なんだから」という考えにも賛成である。同じモンゴリアンであり、一寸見たところでは区別がつかないだろう。そして、必然的に朝鮮人も中国人も、モンゴル人や日本人と同じ民族なのだ。歴史の悪戯でギクシャクする関係になることも多かったが、時代が進んだのだから、そろそろ同じ民族或いは兄弟民族であることを再確認すべき時であると思う。

そこで、是非その考えを韓国に持ち帰って言ってもらいたい。日韓の対立は反日活動家の李承晩を初代韓国大統領にして、日韓の間に楔を打ち込むという米国の人の思惑どおりに進んだ。更に、親日の朴正煕が大統領になった時に、腹心である筈の大統領側近に背後から命じて暗殺させることで、その企みを継続した。

それらのことも、米国の一般の人たちにはほとんど関係のない出来事である。また、外交的にも最早過去の出来事として、日本も韓国もこれまで米国とは良い関係を築いて来た。それなら、韓国と日本の慰安婦問題なども、両国の政治に悪影響をもたらすことは避けるべきである。現在、外交問題としては存在しないはずであり、これについては既に書いた通りである。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2017/07/comfort-women-of-empire.html 

最後に、日本のプロ野球界では金田正一さんや張本さんの活躍は、非常に素晴らしかった。金田、王、張本の三人は日本のプロ野球の三傑であり、それは野球観戦に親しんだ日本国民(60歳以上?)全てが良く知っていることである。元気でマスコミで活躍中の張本さんには、是非日本と朝鮮半島の架け橋になってもらいたいと思う。「同じ民族なのだから」そう半島に行って、講演してもらいたい。(石が飛んできても、避けるのは往年の技があるので大丈夫でしょう。)

2017年7月23日日曜日

【討論】朝鮮有事と朝鮮総連-トランプ米政府はどう動くか?[桜H29/7/22]について

【討論】朝鮮有事と朝鮮総連-トランプ米政府はどう動くか?
https://www.youtube.com/watch?v=0tFwqjJdF9o
を見た。正確には53分27秒まで観た。それ以上見る前にコメントを出した。それは以下のようなものである。

北朝鮮の核兵器がミサイルに搭載された場合、それが最も大きな脅威となる国は日本である。米国でも韓国でもない。何故なら、米国には北朝鮮を完全破壊するだけの核能力があり、韓国には半島統一のシナリオがあるからである。

米国は北朝鮮の核兵器保持を許してはならないとして、韓国へのTHAAD配備など言い出したのは、中国やロシアのミサイル防衛網構築のためであると、習近平・プーチン会談の後、彼らは発表している。それは、米国の北朝鮮攻撃を抑止する効果を持つ。

日本人が考えるべきことは、米国は日本を潜在敵国と考えている可能性である。つまり、中ロと米国は対立しているように見えて、実は北朝鮮の核装備を完成させ、日本の脅威となることを共通のシナリオとして持っていて、それまでは対立する役を演じているのではないかということである。

本当は、そんな紛らわしいことを考える必要はない。完全にこれらの国の演劇のシナリオを破壊する方法があり、それは日本の核武装に向けた計画の発表である。それにむけたNPT脱退宣言だけでも効果があるだろう。それ以外の議論は山ほどやっても無駄だ。

皆さん、中心を避けて、周りをひたすらグルグル廻って居られる。いくら議論しても、何にもならない。米国がやるべきことは、朝鮮戦争の終結と北朝鮮との講和である。

それでも核兵器開発を続けるのなら、日本がやるべきことは核兵器開発である。答えは見えている。それが見えないのは、無能だということだ。

2017年7月22日土曜日

「誰が第二次世界大戦を起こしたのか:フーバー大統領『裏切られた自由』を読み解く」を読んだ(II)

1)今回は二回目で、日本の真珠湾攻撃までの経緯に関するメモである。

米国のフランクリン・ルーズベルトが英国やフランスに対して、ヨーロッパへの参戦の意向を秘密裏に伝達したものの、米国国民の同意をどう得るかが問題だった。民意は、関係の薄い外国の戦いに参加することに反対だったからである。そこでドイツの脅威を宣伝するキャンペーンを行なった。例えば、1940年8月18日のブリット駐仏大使のスピーチを、ニューヨークタイムズが報道している。

「我が国は丁度一年前のフランスの置かれた状況にある(補足1)。今決断し行動を起こさなければ手遅れになる。現在英国艦隊が枢軸国を閉じ込めているが、いつ大西洋に進出し我が国を脅かすか、誰も予測できない。」

一方、1940年1月に米国は、日本との通商修好航海条約を破棄し、5月には米国主力艦隊を大西洋からハワイへ移駐して、日本との対決姿勢を明確に示すようになる。日独伊三国同盟が成立したのは、1940年9月である。その時点で日米の対立は一層明確になった。(補足2)

1940年11月5日の大統領選において、ルーズベルトはアメリカ史上初の三選を目指すのだが、そのために大きな嘘をつく。それは上記のような自国民への脅しは成功しなかったからである。10月30日のボストンでの演説で次のように述べた。

「今私の話を聞いている父や母の皆さんに、もう一度はっきり申し上げる。私はこれまでも述べてきたように、今後も何度でも繰り返すが、あなた方の子供たちが外国の地での戦争に送りこまれることは決してない。」

当選後の年末に再びヒトラーに対する恐怖を煽る「炉辺談話」をラジオ放送した。しかし、アメリカ国民はルーズベルトのおとぎ話のような脅しを信じなかった。ラジオ及びテレビの発明により、今後多くの“民主主義国”において政府が国民向けに嘘をつく場面が出て来るだろうが、これがその原点であると思う。

2)英国の制空権獲得のための航空戦(1940/7〜1941/5)に失敗したドイツは、目標を独ソ戦に切り替えた。ドイツに駐在武官として派遣されていた米軍のスミス大佐は、1940年12月に米国に帰国し、ドイツ軍のロシア国境付近への集結と英国攻撃の可能性がなくなったことを報告している。

独ソ戦は、その1941年6月に始まった。米国民の多くは、ヒトラーとスターリンの対戦は高みの見物で十分と考えていたのだが、ルーズベルトは何故かそうではなかった。直ちに「ソ連へできるだけの援助を行う」との談話を発表した。

一方、フーバーは”民主主義と自由の米国”とは本来親和性のない共産主義が、世界に蔓延する可能性があるとの演説を行なって、ルーズベルトのソ連支援を批判した。そして国民世論はそれに賛同した。

ルーズベルトは、既に米国のヨーロッパの戦争からは中立の立場を取るという方針を捨て、武器貸与法(1941/3)を成立させており、英国やソ連に事実上無制限の武器等の援助を可能にした。最終的にソ連への巨額の支援がなされることになったが、それを民主主義の国である米国はどう説明するのだろうか?(補足3)

英国は、独ソ戦の開始で危機は去りホッとしたはずだが、反共主義者のイメージが濃いチャーチルも、この時ルーズベルトに完全同調する。何故なのか。(補足4) 3)ルーズベルトは国民世論を参戦指示に向けるために、ドイツと日本を刺激する作戦を始める。ドイツに対する策は限られているので(補足5)、ターゲットを日本に向けた。

この本には無いが、1940年11月に日米間の開戦を望まない米国の神父2名が日本を訪れて和平を勧め、そこから和平への話し合いが始まった。神父二人と日本の代表(野村大使、来栖大使ら)はワシントンでハル国務長官と話し合った。しかし、独ソ開戦により米国は和平の敷居を上げていった。https://www.jacar.go.jp/nichibei/reference/index13.html (補足6)

1941年11月26日の野村、来栖、ハルの会談で、日本の最終打開案の拒否と所謂ハル・ノートが手渡される。ハル・ノート第二部には、中国及びインドシナからの軍の撤退を要求しているが、中国の中に満州が含まれるのかどうかは分からない。最後の段階で、“中国(但し満州を除く)”が単に“中国”とだけになったことを考えると、わざとわかりにくくして受け入れがたくしたのだろう。

真珠湾攻撃の翌日に反日だったスチムソン陸軍長官の日記が引用されている。そこには「日本がわが国を攻撃したとの報を受けた時、私の最初の感慨は、これでようやく我が国がどっち付かずの立場から解放されたというものだった。国民がようやく一致団結できる」とかかれていた。(148ページ)

補足:

1)1940年6月14日、ドイツ軍はフランスパリに無血入城(軍隊は英国軍とともに英国本土に撤退していた)し、6月22日、ドイツとフランスは休戦協定に調印した。
2)1936年に11月に日本とドイツ間で防共協定が結ばれ、1937にはイタリアが加わり、日独伊防共協定となる。その同じ年の7月に盧溝橋事件で日中戦争が始まった。ルーズベルトの隔離演説はこの年の10月であり、その頃すでに対日戦略が練られていた筈である。
3)最終的な支援額は、英国が310億ドル、ソビエトが110億ドル、フランスが30億ドル、中国が15億ドルである。このソビエトへの多額の支援額は、ルーズベルト政権が何を狙って参戦したかを証明している。http://www.historycentral.com/ww2/events/lendlease.html
4)チャーチルは次のように演説した。「(ソビエトが犯した)過去の罪、愚かな行為とそれが生み出した悲劇、こんなものは全て水に流す。今ロシアの兵士が太古の昔から祖先が耕してきた大地を必死に守っている。いかなる国家いかなる人間も、ヒトラーと手を携える限り我が国の敵である。」
5)1941年7月、ドイツ潜水艦の攻撃をルーズベルトは出していた。

2017年7月20日木曜日

日本は、ウエットな労使関係を止めて、開放的な社会をめざすべき

新国立競技場の工事の関係者で過労自殺があった。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170720-00010005-bfj-soci 亡くなったのは23歳の新卒男性であり、自殺直前の1カ月で徹夜が3回もあり、夜22時以前に仕事が終わったのは5日だけだったという。若干不思議に思うのは、「何故そんな会社からさっさと退職しなかったのか?(補足1)」ということである。

以前にも広告代理店電通の東大卒新入社員が過労自殺したことが報じられた。http://ironna.jp/article/4218その際も同じ感想をもった。極端な過重労働を強いられた場合、誰でも退職すべきだと考えるのだが、それでも退職できない事情があった筈である。仕事に特別の責任感を要求する日本の道徳観が背後にあるのかもしれないが、やはり、次の職場が見つけにくいのだろう。

このような事件は日本に独特の現象だろう。恐らく労働者と雇用者或いは上司との人間関係が、非常にウエットであることと関連しているのだろう。最近の記事だが、日本では労働者と雇用者の関係は封建領主と領民の関係であり、労働と賃金の関係ではないとブログに書いた。そのウエットな、労使関係や同僚間の人間関係が有るがゆえに、就業後の飲み会などの付き合いや、仕事を離れた場面でも仕事場の上下関係がついて回る現実がある。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43274988.html

仕事場を労働と賃金というドライな関係の場(空間)にすれば、新卒の一斉採用や、中途採用や転職を目指す人間への差別待遇などが無くなる筈である。更に、年齢差別や男女差別の他、正規雇用者と臨時採用の職員との給与差別もなくなるだろう。セクハラ騒動も減少する筈である。

会社側にも、年功で高給取りになった役にたたない人間の解雇が容易になる一方、気がつけば定年という幸福なのか不幸なのか分からない情況から、労働者を追い出す(或いは解放する)だろう。(補足2)この仕事に於ける一定の厳しさは、日本を人間関係よりも仕事の能力において上昇志向を持つ労働者の社会にするだろう。

その結果、年功序列ではなくスキルを向上させることで高い給与を目指す人が増加するので、被雇用者全体の労働の質の向上に繋がる。それは、日本国全体の生産性向上をもたらす。全体的に労働者の給与は上昇する一方、会社は高い給与を避ける意味での設備投資を余儀なくされる。人不足はすぐに解消するだろう。移民や外国人労働者を入れようという風潮は消え、将来の治安の悪化は防げるだろう。 

現在、毎年剰余金を積み立てて、配当にも出さず設備投資もしない会社が多い。また、デフレ経済の一因に実質賃金の減少がある。それは労働の質が低いからであり、人脈と年功序列で出世する日本社会の伝統が関係している。

同じ会社で人間関係を駆使して出世し年取った無能な経営者を抱えて、倒産の危機にある会社は多いだろう。東芝やすでに倒産したシャープ、身売りののちに外人社長で業績を回復した日産自動車など、一流の企業にもその日本独特の遺伝子病であるが多い。日本の労働市場の改善は緊急の課題であることは明白である。

この病気が重病且つ万年流行しているのが、霞ヶ関や永田町だろう。各省庁の上級公務員は、くだらない公務員試験を受けて採用される。その狭いなかから、次官レースが始まるのである。どう考えても優秀な事務次官が生まれるとは思えない。その官僚たちの中から、戦後の与党政治家が供給されてきた。日本のなさけない現在の姿は、東芝やシャープの姿と同じ遺伝子病患者の姿である。

この理屈が分からない人が、この国に多い。古い労使関係を日本の守るべき伝統と勘違いしている向きが多いのは非常に残念である。オープンな社会の実現は、この労使関係の改革が第一歩だろう。過労自殺の解説記事の殆どは、一方的に会社を攻めるものであり、解析のレベルが全ての報道機関で極めて低い。

以前にも似た事件を異る角度から議論をしたことがある。内容は書いた本人も忘れてしまっているので、引用だけしておきます。
https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43009756.html
https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43005301.html

補足:
1)最初、退社ということばを使ったのだが、退社は普通夕方仕事を終わって家に帰る事を言うので、退職に代えた。会社が労働者を”クビ”にする場合には解雇という言葉があるが、労働者が会社を”クビ”にする場合、退職以外に言葉がない。違う会社で同じ職に着くという言葉が、日本語の中にはないのだ。
2)筆者は、一般会社の厳しい労働環境を知らない。一方的な見方である可能性もある。従って、批判や議論等特に歓迎します。
=== 編集あり(7月21日午前6時)====

「誰が第二次世界大戦を起こしたのか:フーバー大統領『裏切られた自由』を読み解く」を読んだ

1)第31代アメリカ大統領ハーバート・フーバー(Herbert Hoover;任期1929~1933)の大著“裏切られた自由”を翻訳した渡辺惣樹氏が、主に同書から引用して日本人向けに紹介したのが表題の本である。この本の内容にそって、第二次大戦の原因について考えてみた。

現在の第二次大戦の歴史解釈は、ウインストン・チャーチルやフランクリン・ルーズベルトらの政治を絶対善として解釈したものであり、フーバーは真実とは程遠いと指摘する。この本の中ではその現在標準的に受け入れられている歴史観を釈明歴史観という名称で呼んでいる。一方、フーバーが調査研究し、“裏切られた自由”の中に書いた歴史を、修正主義歴史観と呼んだ。

この本の中で一貫しているのは、つまり、フーバーの“裏切られた自由”の中で一貫していると思われるのは、フランクリン・ルーズベルトは、周囲の意見を聞かずに独断専行的に動いたこと、更に、ソ連を挟む仮想敵国のドイツと日本(それにイタリア)に対して非常に厳しい見方をとっていたことである。

それを示したのが1937年10月5日にシカゴで行った、日独伊を国際社会から隔離すべきだという内容の演説である。(「隔離演説」と呼ばれる)シカゴ市政100年記念式典という全く関係のない場所で、今後国際社会で敵対すべき国々を上げて批判している。ここでソ連に全く言及がないのは、ルーズベルトは隠れ共産主義者だからである。或いは、共産党の世界革命を至上命題と考える一派の、雇われ者かもしれない。(補足1)

第一次大戦の教訓として、米国の第28代大統領のウィッドロー・ウィルソン大統領が出した14条の平和原則の提案とそれによる国際連盟の設立が挙げられる(補足2)。西欧諸国が多大の犠牲を払って得た、平和原則を紙屑同然に扱ったのは、第二次大戦時の米国大統領フランクリン・ルーズベルトと英国のチャーチル、そしてソ連のスターリンである。その事実はまた、一般市民特に兵士など実際に戦争に参加する人たちの命の重みなど、彼らの心の中には全く無かったということである。(補足3)

ウイルソンの14条の平和原則の最初の条文は、「秘密外交の廃止と、外交における公開原則」であるが、これら世界のリーダー達のエゴと秘密外交が、第二次大戦を防止でき無かっただけではなく、人類が経験したこともない程の巨大な戦争にまで大きくした原因だったと思われる。

2)第一次大戦とその後のベルサイユ条約で課された重い制裁により、疲弊したドイツ国家を、国家社会主義という独裁体制を採用して急速に立て直したのがヒトラーである。議会を無視する体制ではあるが、その成果から国民の高い評価を得た。世界大恐慌(1929年)の時でも、成長が止まることが無かった。

ヒットラーが最初にベルサイユ体制へ挑戦したのはオーストリアとチェコスロバキアのズデーテンランドの併合だった。オーストリアの併合では、ヒトラーの優れた経済政策もあり、住民にも歓迎された。(81頁の写真参照)また、ズデーテン地方の併合は恫喝外交的だったが、仲介者である英国チェンバレン首相との会談(ミュンヘン会談)などで同意を得、その後チェコスロバキア(第二共和国)のハーハ大統領との条約によって合法的に進められた。(86頁)

ヒトラーが次に目標にしたのは第一次世界大戦で奪われたダンツィヒ(グダニスク)とソ連侵攻へのルートであるポーランド回廊と呼ばれる部分であった。ダンツィヒまでの奪回は、チェンバレン内閣のハリファックス卿も認めていた。しかし、ポーランド回廊と呼ばれる部分の交渉で、思わぬ事態になった。それは、チェンバレン首相がポーランドの独立を保証したからである。気を強くしたポーランドはドイツとの二国間交渉を決裂させた。そしてヒトラーはポーランドに侵攻し、第二次大戦が始まったのである。

このチェンバレンの愚策の背景に、ルーズベルトの対ドイツ戦略への秘密の約束があったのではないかとフーバーは考えた。その後、当時の米国駐英大使のジョセフ・P・ケネディはフーバーに彼の考えの通りであると打ち明けた。フーバーはその事実を、当時の海軍次官であるジェイムズ・フォレスタルの日記で補強した。(補足4)

ヒトラーは東のソ連と対決する姿勢であったことは誰の目にも明らかであり、そこでその通路にあるポーランドとの交渉において、ポーランドに現実的判断が出来ず戦争となった場合、チェンバレンのポーランドの独立保障宣言は英国を戦争に巻き込むことになる。また、当時の英国やフランスの軍事力は明らかにドイツのそれに劣っていたというのなら、その背後に何かあると考えるのは当たり前である。それがジョセフ・P・ケネディの証言した事実の情況証拠でもある。

一方、ルーズベルトの工作の背景にあったのが米国経済の低迷である。経済政策の失敗の責任を問われたくないフランクリン・ルーズベルトは、第一次大戦で米国が軍需産業の潤いで経済が大きく成長した記憶があったので、チェンバレンの背中を押したのだろうとフーバーは解釈している。正史において、ニューディール政策が成功して米国経済が復活したという風に書かれているが、客観的データがニューディール政策は完全に失敗だったことを示している。(107頁)

以上が表題の本の内容の前半部分を元に、第二次大戦の原因をまとめてみた文章である。私は素人なので、非常に勉強になった。次回は後半部分、日米戦争に関するルーズベルトの策略に関する記述をまとめるつもりである。

3) 尚、全体的な印象を一言追加する。それは、戦争が政治(外交)の延長上にあるという認識(クラウゼビッツの戦争論など)は、現在正しい認識ではないということである。つまり、第一次大戦とその後のベルサイユ条約が、敗戦国ドイツに異常に厳しかったことや、第二次大戦での「無条件降伏」というフランクリン・ルーズベルトの野蛮な提案は、国家と国家の関係を完全に野生の原理に貶めたと思う。

それが、日本の自殺攻撃(真珠湾攻撃)を生み、そして現在の北朝鮮の瀬戸際外交の根拠をつくったのではないだろうか。つまり、戦争は外交の延長ではなく、民族と民族の殺し合いだということになる。「外交の延長としての戦争」という戦争の文化はもはや人類は持たない。ルトワックの「戦争にもチャンスを」の最初の命題「戦争が平和に繋がり、平和が戦争に繋がる」は第二次大戦後はあやまりではないのか。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43331789.html

補足:
1)ソビエト成立後4人の米国大統領はソ連を承認しなかった。しかし、ルーズベルトは就任後直ちにソ連を承認した。また、ルーズベルトの近くに何時も控えていた補佐官アルジャー・ヒスは共産主義者であった。政府内部への浸透は酷く、1949年には政府職員の内3,000人が共産党員であった。内2000名が解雇された。機密保持計画のもと、1953年から2年間に政府職員20000名余が解雇された。(赤狩り或いはマッカーシズム参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E7%8B%A9%E3%82%8A )
世界での共産主義革命を目指す動きは、現在のグローバリストとその根の部分で共通するという意見もある。
2)第二次大戦の原因の主なるものとして、第一次大戦でのドイツに対する非常に厳しい制裁を含む体制(ベルサイユ体制)がある。この本ではベルサイユ条約の不正義と書いている。(76頁)これに、フランクリン・ルーズベルトは全く関心を示さず、第一次大戦で得た筈の教訓を持っていなかった。
3)この人命軽視の考え方は、砂漠で生まれた一神教の文化の中で生きた人間に固有だと思う。その中でも特に、そして温かい社会環境から遠ざかった人たち、更にその宗教すら幻に過ぎないと気付いた知性ある者は、恐ろしいほどに冷酷なのだろう。
4)この重要な日記を確認したければ、“裏切られた自由”という本を買うしかない。「歴史は細部に宿る」とは正にこのようなことだろう。
(語句等内容以外の編集あり:7/21/12:00)

2017年7月16日日曜日

プロパガンダとしての慰安婦問題

1)昨日翻訳したブログ記事についての感想を書く。資料など一部は朴裕河氏のものを利用していると思われるが、内容は基本的な点を含めて朴裕河氏の意見とは違う。朴裕河氏の考えと「帝国の慰安婦」の内容は、大分前になるが本をざっと読んだ時の記憶と日本記者クラブでの朴裕河さんの話で新たに大凡の理解をした。 https://www.youtube.com/watch?v=llipwYlkbIY

朴裕河氏の本では、挺身隊と慰安婦の違いを正しく指摘し、日本軍による組織としての拉致などが無かったことなどを客観的に記述している。しかし、慰安所経営&運営する業者と軍とは緊密な関係であったと記述している。さらに、慰安婦が単なる売春婦ではなく、兵士の疑似家族的な役割すら果たしたと書かれている。つまり、兵士と伴に戦う存在であった様である。

朴氏は「帝国の慰安婦」の序文で、現在の認識として「支援者たちが要求してきた日本の法的責任や国家賠償とは異なりますが、植民地支配にかんしての謝罪の気持ちがあるとすれば、それを慰安婦問題に込めて、日本が主体的に示してほしいとする考えです」(11頁)と書いている。つまり、朴氏は慰安婦の支援者筆頭の挺対協の姿勢とは一線を画している。朴氏の考えを過激に言い換えれば、挺対協は慰安婦問題を乗っ取ったと言える。以下に挺対協と慰安婦問題について前・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏が分析したサイトを紹介する。http://ironna.jp/article/2582

昨日のブログ記事には、挺対協の主要メンバーが何人も北朝鮮スパイとして逮捕されているという記述があり、従って、北朝鮮のオルグ機関とみなせると思う。現在の韓国の情況を見れば、挺対協は慰安婦問題だけでなく韓国そのものを乗っ取る尖兵となったと解釈できる。

そして、その運動の目的は韓国と日本の間に楔を打ち込むことであり、それに慰安婦問題を大きく育てて用いたと書かれている。この指摘の少なくとも出発点は、朴氏の理解と共通であると思う。

2)朴氏の慰安婦問題に対する考えは、日本による朝鮮の植民地支配の一環として朝鮮人慰安婦は理解されるべきというものだろう。韓国の反日活動家たちが、その考えに基いて問題を世界に主張し日本を貶すことは非常に困難である。何故なら、当時は帝国主義の時代であり、時代を遡って植民地支配を(現在の政治活動の中で)批判することは、歴史修正主義者のすることだからである。

そこで、インドネシアやフィリピンで日本軍下級兵士が、そこに住む女性を強制連行して慰安所に連れ込んだ犯罪を、朝鮮人慰安婦全体に一般化する虚偽の話に作り、慰安婦の日本軍による強制連行説として世界中に宣伝したのである。

つまり、韓国人の不満の原点に朴氏の指摘する植民地支配があり、それに挺対協などの反日過激派組織と(慰安婦問題において挺対協に殆ど乗っ取られた)韓国政府が、虚偽の慰安婦物語を作り反日感情を大きく育て上げたのが、韓国に存在する慰安婦問題だと思う。しかし、核芯に植民地支配への民族的怨念がある限り、その問題は日本が韓国に植民地支配されない限り解消しない。

従って、韓国がその怨念を晴らすべく日本を対象として取る行動は、本心と建前に大きなズレがある。つまり表向きには、20世紀終わり頃から国際的に高まったフェミニズムや人権の考えを利用して、慰安婦問題を国際的にして日本を侮辱する方法である。つまり、本心には植民地支配にたいする怨念が不滅の核として存在するので、大きな反日を女性の人権という薄い衣(幻の衣)を付けて揚げたのが、あの少女像である。

従って、日本側からの史実と法的根拠を論理に基づいて説明する類のアプローチでは、門題は解決する筈がない。一言で言えば、朴氏の指摘した慰安婦問題は、日本が持てる手段を使い切った以上、今後は韓国自身が克服すべき問題だろう。朴槿恵大統領の様に、今後の多分全ての大統領が、「日本と韓国の加害者と被害者という歴史的立場は、1000年の歴史が流れても変わることはない」と言うだろうが、これは外交というよりも日本への宣戦布告というべき言葉である。韓国の遺伝病のとばっちりを、日本が受ける類の戦争である。

3)その観点に立ち、慰安婦問題を理路整然と整理したのが、昨日のブログ記事だろう。非常に分かり易く論理明快である。慰安婦問題を創造したのは、北朝鮮系の反日活動家とその中心にある挺対協であり、それをオルグしたのは北朝鮮など日韓の間に楔を打ち込みたい国の政治組織だという話である。

説得力があるのは、ストーリーに対応する資料がしっかりと揃っているからである。一方、慰安婦問題を作った人たちが虚偽の慰安婦問題の立証に用いたのは、朝日新聞の全くの捏造記事や、必ずしも信頼性の高くない慰安婦の方々の証言だけであった。

つまり、日本軍による組織としての強制や、一般的に虐待と看做される性サービスを強要されたということは、挺対協の用意する元慰安婦の方々の証言以外の証拠は無い。(一般的ではなく)特別な例として、虐待に近いケースは在っただろうが、それは個別補償の対象となっても慰安婦(全体の)問題とはならない。

慰安婦制度の中で犯罪的なケースがあれば、その個別補償は日韓基本条約締結時に日本政府も考えただろう。それを韓国は拒否して一括としての経済協力金という名称の補償金を手にした。従って、韓国がこの件で日本攻撃が出来るのは、改めて確認した慰安婦制度の一般的違法性でなくてはならないのである。

ただ、日本人は汚い言葉で、慰安婦の方々や正当に主張する代理人の言葉を罵るのは止めるべきである。朝鮮は嘗て日本の一部であり、未だ存命中で日本と朝鮮の過去の関係を知る人々を窮地に陥れるからである。(補足1)また、朝鮮人慰安婦の方々も元兵士の方々も日本国の一員として伴に戦ったことを忘れてはならないと思う。その意味でアジア女性基金は、一定の役割を持ったと思う。

また、韓国の方々は近代史を勉強し直し、李氏朝鮮の末期の停滞した国家の姿を知り(補足2)、そこからの近代化の一環の中で、(腹立たしいことでもあるだろうが)日本への併合時代が果たした一定の役割を学べば、「千年の恨み」などという後ろ向きの姿勢は消えるだろうと思う。しかし、朴裕河氏の慰安婦への考え方には、植民地時代への強い拘りがある。失礼だが、例えば、両班と下層民という身分制度の下で、李氏朝鮮時代の社会の暗い雰囲気と荒んだ人々の心に対する十分な理解がなされていないのではと思う。(私もあまり知らないので、このような台詞を言う資格があるとは思えないのだが、敢えて言う。)

補足:
1)韓国で、95歳の韓国人男性が日本統治時代を「肯定」する発言をしたところ、居合わせた男の怒りを買い、殴られて死亡するという事件が起こった。「愛国心ゆえ」の犯行だと男は供述、韓国ネットユーザーなどからも擁護の声が上がる。https://www.j-cast.com/2013/09/13183859.html?p=all この事件で犯人を擁護する意見がでるところが、韓国の病気を証明している。同様に、併合時代の韓国を評価する意見は、その時代を知る層に多い様である。http://scholarsinenglish.blogspot.jp/2014/10/i-am-91-years-old-and-i-want-to-tell.html

2)中学校か高校の歴史教科書にでている漫画である。韓国の方は何故、一方的に日本を敵対視するのか、もう一度考えてもらいたい。

2017年7月15日土曜日

朴裕河教授の「帝国の慰安婦」を紹介するブログ記事の日本語訳(全)

(帝国の慰安婦)の著者である韓国Sejong大学の朴裕河氏のブログと思われる記事(2016年4月)が掲載されているサイトを見つけた。英語で書かれていること、そして著作権の留保の意思が特別に表明されていないので、ここに和訳をして掲載する。なお、Korea及びKoreanの訳は全て朝鮮及び朝鮮人、South Koreaの訳は韓国とします。感想及びコメントは、翻訳が終わった後に記載します。表題を朴裕河さんのブログとしましたが、それは元の記事が「"Comfort Women of the Empire" by Professor Park Yuha」だからです。朴裕河さんの本の内容よりは相当日本の保守系の意見に近いと思います。ブログの主のハンドルネームはKorean institute of historyです。)以後()内に理解を助けるための訳者の注釈文が入る場合があります。

http://scholarsinenglish.blogspot.jp/2014/10/summary-of-professor-park-yuhas-book.html

ーーーーーーーーーーーーーーーーー "Comfort Women of the Empire" by Professor Park Yuha "Comfort Women of the Empire" (帝国の慰安婦)は韓国Sejong大学の朴裕河教授 によって書かれた。どうかこの本のニューヨークタイムズの書評を合わせてお読みください.: http://goo.gl/tKcbxg (前書き)日本留学の終わり近くの1991年に、私は初めて慰安婦問題を知った。当時ボランティアとして、私はNHKの依頼で韓国の元慰安婦の証言を翻訳していた。私が韓国に帰国したとき、韓国のナショナリズムは制御不能な状態でした。そして、韓国共産主義者により、反日活動家グループ「軍事性奴隷制として徴用された女性のための韓国委員会」(挺対協)が結成された。その指導者は、公然と、今後200年間日本を卑しめることに決めたと述べた。

そのプロパガンダは私のこの問題への関心を失わせ、何年もこの問題から離れることになった。2000年代初頭、挺対協が生き残った元慰安婦女性をナヌムの家という養護施設に閉じ込めていると聞き、私は再びこの問題に関心を持ち出した。これらの女性が外部と話すことが許された唯一の時期は、挺対協が国連特別審査官または米国の政治家への彼女らの証言を必要としたときだった。

しかしある理由で、私は2003年のある日、彼女らと話すことが許可された。私は、彼女らがこの場所に閉じ込められいることが、幸せではないと感じることが出来た。女性の一人(ペ・チョンヒ;Bae Chun-hee)は、彼女が日本の兵士とのロマンスの思い出を語ってくれた。そして、彼女は彼女を売った父親が憎いと言った。

彼女はまた、そこにいる女性たちが、挺対協が虚偽の証言をするように指導することを評価できるとは思えなかったが、挺対協の命令に従わなければならないと言った。1995年に日本がアジア女性基金を通じて補償金の支払いを申し入れた時、61人の元韓国の慰安婦が挺対協の命令に反して補償を受けた。

その結果、彼女ら61人は裏切り者として罵倒された。彼女らは売春婦として、彼女らの名前と住所とともに新聞に掲載され、残りの人生を不名誉の烙印を押されて暮らさなければならなかった。そのため、残りの女性たちは挺対協を恐れ、再び彼らの意思をあえて無視するつもりはない。

挺対協(何人かは北朝鮮のスパイとして逮捕された)は、慰安婦問題を日米韓の安全保障関係に楔を打ち込むために、政治利用してきたのである。 §慰安所

戦争時時として兵士たちは罪のない女性を強姦する。このようなことの無いように、日本軍は1930年代初期の満州において既存の売春宿を慰安所として用いた。その方針が中国本土や東南アジアに広がるに伴い、より多くの慰安所が必要になった。

そこで売春を事業とする男たちは、増加する需要に対応するために女性を募集し、慰安所を運営した。日本の業者は日本で女性を募集した。彼らは日本女性を雇い慰安所を所有し運営した。同様に、朝鮮の業者は朝鮮で女性を募集雇用して、慰安所を所有運営した。(注釈3,4参照)

§二つのタイプの慰安婦

慰安婦にも二通りあった。一つは日本及び朝鮮の婦人(両方共日本国市民)で全体の95%以上を占めており、慰安所経営者らにより募集された人たちであり、日本軍により強制されたわけではない。もう一つのタイプは、戦場で日本兵により強制的に慰安婦とされた婦人たち(例えばインドネシアでのオランダ人女性、フィリピンでのフィリピン女性など)であり、5%に満たない。これらに関与した日本兵士は、裁判(軍事裁判及び東京裁判:訳者注)により裁かれ何人かの兵士はその罪により処刑された。

これら二つのタイプ慰安婦は峻別されるべきだった。しかし、慰安婦が問題化した1990年代初頭には、両者は混同され、そのことが大きな混乱を引き起こした。

§朝鮮人女性らが日本軍により強制的に慰安婦にされたという作話

1990年代の始めに慰安婦であったと主張した婦人たちは戦争中に挺身隊に属していた。挺身隊は日本軍により徴用された婦人たちであり、軍需工場で軍用装置や軍用服などの製造に従事した。彼女は徴用されたので、慰安婦も同様に徴用されただろうと考えた。彼女がその話を作ったというよりも、無知による勘違いであった。

朝鮮人慰安婦たちの殆どは、彼女らの父親により朝鮮人慰安所運営者に売られた。いくらかの朝鮮人婦人たちは、慰安所運営者のエージェントらに騙された。そしてその他の朝鮮人元慰安婦は世界最古の職業を生業とする人たちであり、良い稼ぎを求めて自ら応募した。

§20万人に上る慰安婦がいたという作り話

20万人という数字は、徴用工として工場で働かされた人の数である。この内、15 万人は日本人、5万人は朝鮮人であった。西欧諸国一般に広まった「20万人の慰安婦がいた」という誤解は、朝日新聞が慰安婦と工場での徴用工である挺身隊とを取り違え、1991年8月11日の記事にそのように書いたのが始まりである。慰安婦の人数として見積もられた数は、5000人から20000人であり、見積もった歴史家により異る。

§日本兵と朝鮮人慰安婦との関係

朝鮮人慰安婦の典型的な稼ぎはひと月あたり750円にチップを加えた額であった。因みに朝鮮で当時家1軒の建築費は1000円であった。寛大に呉れるチップを目的にパーティーで歌ったりする人もいた。女性たちは兵や司令官らと一緒に、スポーツの催し、ピクニック、社交ディナーなどに参加した。町へのショッピングも許されていた。朝鮮人慰安婦と日本兵とのロマンスは普通のことであり、結婚の申し込みも多くあり、実際に結婚に至ったケースもあった。

§1965年の日本—韓国間条約(日韓基本条約と日韓請求権並びに経済協力協定)

日韓基本条約の交渉中、日本政府は被害者補償の確認をしたいので、韓国政府に個人補償の特定と基本条約からの分離を要求したが、韓国政府はそれを断り、完全な補償として8億ドル(現在の100億ドル以上)を市民に代わって受け取り、全てをインフラ整備に使った。従って、韓国政府が追加の補償を日本に要求し続ける根拠はない。(注:韓国被害者らは最近韓国政府を800万ドルは彼らのためであると訴訟をおこなった。)

§1993年発表の河野談話     

河野談話はいくらかの朝鮮慰安婦は強制されたことを認めた。しかし、それは日本軍による強制だとは認めていない。ある人たちはもし朝鮮人慰安婦が朝鮮人業者により強制されたのなら、何故日本政府が河野談話という形で謝らなければならないのかと疑問を呈するだろう。そうだ、日本軍の中国と東南アジアに対する侵略が慰安婦を必要としたのだ。だから、日本軍が朝鮮人婦人に慰安婦を強制しなくても、慰安所を運営しなくても、婦人たちの苦しみに対して部分的な責任を負うのだ。

§アジア女性基金       

アジア女性基金は1995年に日本政府により設立された。補償金は日本首相の個人的お詫びの手紙とともに手渡された。朝鮮(この場合は韓国)婦人の立場からは、日韓基本条約により個人の請求権が(国内のものとして)解決された後にも、日本政府が韓国の元慰安婦の方々に好意的な姿勢としてアジア基金を用意したのである。

皮肉なことに韓国以外の国々は、アジア女性基金からの補償金を受取り、和解した。(注:韓国政府と韓国慰安婦はアジア女性基金の補償金を受け取ることに賛成であったが、反日過激派の挺対協はこの件を反日プロパガンダに使い続けるために、韓国慰安婦を受けないように脅した。そのような事情で殆どの韓国人慰安婦は日本の謝罪と補償を受けることができなかった。)

§何故韓国との間だけ、慰安婦問題の解決がそれほど難しいのか?

挺対協は謝罪と補償が法的なものではないという根拠で、アジア女性基金に反対した。しかし、1965年の日韓基本条約等で個人補償は全て法的に解決済であることを考えると、アジア女性基金は日本政府が出来るベストなことであった。挺対協は北朝鮮と大変近い関係を持っている。リーダーの夫を含め何人かのメンバーが北朝鮮のスパイとして逮捕された。

挺対協がアジア女性基金に反対するのは、慰安婦の件を日本と韓国の和解をブロックに使うためであった。挺対協は1992年以来、毎週ソールの日本大使館前で「水曜抗議」を開催している。

反日活動家“挺対協”(軍の性奴隷として徴用された婦人のための韓国委員会)と北朝鮮の関係:

Yun Mi-Hyang(Chairwoman)は2013年に北朝鮮のために働いているとして調査された。
Kim Sam-Suk (YunMi-Hyangの夫) 1993年に北朝鮮のスパイとして逮捕
Kim Eun-Ju (KimSam-Sukの姉妹)1993年に北朝鮮のスパイとして逮捕
Choi Gi-Yong (Kim Eun-Juの夫) 2006年に北朝鮮スパイとして逮捕
Lee Seok-Gi (挺対協メンバー) 2013年に北朝鮮スパイとして逮捕

§世界はどう見ているのか     

日本の謝罪と補償を受け入れて和解する代わりに、挺対協と米国の関係者は元朝鮮人慰安婦(現在90代)を世界各国を連れ回って見せつけることで訴えた。そして、クマラスワミ報告などの国連の報告や米国下院121号議決などは、北朝鮮と緊密に連携した反日活動家の提供した資料に基いて出された。(挺対協の指導による嘘の証言など)

西側諸国のメディアや学者は反日活動家のプロパガンダに陥落して、”20万人の朝鮮人婦人が日本軍により強制的に拉致された”と信じている。明らかにこの世界の見方は事実に基づいていない。確かに日本兵はオランダ人とフィリピン人をインドネシアとフィリピンの戦場で脅して連れ去った。しかし、朝鮮の婦人は日本軍に強制的に慰安婦にされたわけではない。何故なら、朝鮮半島は戦場ではなく、日本兵はわずかであり大多数の警察官は朝鮮人であったからである。

日本は謝罪し償いをおこなった。そしてオランダとインドネシア、そしてフィリピンは日本の謝罪を受け入れ日本と和解した。したがって、これらの国々と日本の間に慰安婦問題は存在しない。

慰安婦問題は韓国との間だけ残っている。それは挺対協が日本との和解を拒否し、嘘の主張——20万人婦人が日本軍によって慰安婦に強制されたーを世界中で続けているからである。

挺対協は韓国における非常に強力な活動グループであり、それに逆らえば韓国の政治家は殺すと脅されている。韓国政府はこの問題が解決されるためには、とにかく挺対協と距離をとらなければならない。結局、挺対協は元朝鮮人慰安婦の福祉などには関心がないのである。その目的は日本の信用を落とすことであり、日本と韓国の和解を邪魔することである。

§帝国と慰安婦        

ヨーロッパの強国や日本により過去に帝国が作られたように、米国は世界中に軍事基地を置いている。そして、米軍基地がおかれているところはどこであれ、米国軍関係者に性を提供する女性たちがいる。ベトナムやイラクなどへの米国軍の介入は、現地の人々特に女性を苦しめることに疑いはない。米国が日本批判決議を出し続け、慰安婦像が米国で建ち続けるのは、むしろ皮肉的である。

日本は帝国主義(中国や東南アジアへの侵略)が慰安婦の需要を作ったため部分的に有罪である。しかし、韓国の物語(日本軍が戸口に来て若い朝鮮人女性を誘拐した)のようなことは起こらなかった。朝鮮人ビジネスマン(慰安所所有者)がその需要を目標に投資し、朝鮮人婦人を募集し、慰安所を運営して、たくさんのお金をもうけた。日本は自分の部分については謝罪した。韓国はその共謀をみとめ、日本から更に多くの謝罪を求めるべきではない。

脚注:

朴裕河教授の著書「帝国の慰安婦」は韓国での出版を禁止された。また朴教授は反日活動家により名誉毀損で訴えられると同時に頻繁に殺害するという脅しを受けている。韓国では、政府が都合の悪い真実を語るものを捕獲するために市民グループを時々使う。現在朴教授が韓国で迫害をうけることなく何かを出版することは非常に困難な情況である。彼女の本は他のアジア諸国では購入可能である。

注釈:        

1)以下のサイトは元慰安婦のムンオクチュ(Mun Oku-chu)さんの回想録です。慰安婦であることとはどのようなことかが分かります。 http://scholarsinenglish.blogspot.jp/2014/10/former-korean-comfort-woman-mun-oku.html

(翻訳者の注釈:上記は表題回想録として書かれた本からの抜粋のようである。以下から入手可能なようである。ただし朝鮮語。http://www.kyobobook.co.kr/product/detailViewKor.laf?ejkGb=KOR&mallGb=KOR&barcode=9788991066106&orderClick=LAA)

2)米軍は、日本軍に所属した何百人もの韓国捕虜を尋問した。 彼らは慰安所を頻繁に訪れた経験があり、韓国の慰安婦について以下のように述べた。



(上記秘密の記録は、以下のように読める。) 「捕虜が太平洋地域で見た韓国のすべての売春婦は、ボランティアであったか、両親から売られて売春婦となった。朝鮮風の考え方からは正当なものだろう。もしそうでなく、日本人が女性を慰安婦としての直接徴用すれば、年齢に関係なく男性は怒りで後の影響を考えずに日本人を殺してしまうだろう」

アメリカのジャーナリスト、マイケル・ヨンは、「第二次世界大戦中の韓国人の臆病者だったのか?」という記事を書いている。 https://www.facebook.com/MichaelYonFanPage/posts/10152528332430665:0 (訳者注:つまり、強制連行を示すものは何もでなかったということ。後ほど紹介する予定。)

下のサイトにあるのは、1944年10月1日の米国軍リポートである。http://ww2db.com/doc.php?q=130
このリポートは「日本人エージェントが女性を募集し、日本人家主が慰安所を運営した」を除いて正しい。これは「朝鮮族エージェントが女性を募集し、朝鮮族家主が慰安所を運営した」と書くべきであった。米国軍の尋問官が彼らが日本姓をもつので、日本人と考えたのである。実際、当時は朝鮮民族の人たちは日本国民だったので、Japanese agent (日本人エージェント)Japanese housemasters(日本人家主)と言及したのだろう。

3)2013年ソール国立大学のアン・ビョン-ジク教授は朝鮮の慰安所管理者の日記を発見した。その日記にはその慰安所運営による巨額の利益金の電信送金記録の詳細が記載されている。日記には「その慰安所が、更に大勢の慰安婦を必要とするなら、何時でもその朝鮮の経営者は彼らのエージェント女性を募集させた」と書かれている。アン・ビョン-ジク教授は、朝鮮人慰安婦の募集は日本軍ではなく朝鮮人慰安所経営者により為されたことを確認している。

http://archive.today/1jcC4 http://mainichi.jp/english/english/newsselect/news/20130807p2a00m0na020000c.html この朝鮮人慰安所管理者の日記は下記サイトで購入できる。http://book.daum.net/detail/book.do?bookid=KOR9788994228761

下に示されたのは、日記に記載された慰安所のリストである。ここでの慰安所の所有者は日本の姓を名乗っているが全て朝鮮人である。



また、下に示したのは朝鮮人慰安婦が働く上海の慰安所のリストである。ここの所有者も全て朝鮮人である。



4)(慰安婦募集の広告) 下の写真は、1944年10月27日の朝鮮で発行されていた新聞に掲載された、朝鮮人慰安所経営者が出した募集広告のものである。この種の広告は他にも複数見つかっている。



5)朝鮮人慰安婦がどの程度のお金を稼いだかを示す例



左側の注釈:Moon Ok-juさんは、ビルマで2年3ヶ月(1943/6~1945/9)働いた。そして、合計26145円の貯蓄を軍の郵便局に残した。(日本の郵便局は銀行の役割を果たす)利息を入れると、彼女は慰安婦という仕事で50000円稼いだことになる。1940年代の東京では、一軒の家を買うには5000円で十分だった。

6)(朝鮮人悪徳業者跋扈の報道)

下の写真は1939年8月31日の東亜日報(朝鮮の新聞)の記事コピーである。そこには“100人の朝鮮人女性が朝鮮人慰安所経営者のエージェントによりらちされたが、日本警察により救助された”と記載している。この種の報告は何十とある。類似記事のコピーは以下のサイト参照:http://scholarsinenglish.blogspot.jp/2014/10/korean-newspaper-articles-from-1930s.html



7)(日本軍による慰安所に対する命令書)


上の写真は日本軍から慰安所運営者に送付された命令書のコピーである。そこには、“意思に反して婦女子を集めてはならない。自分の意思を確認して募集せよ。”と書かれている。吉見義明教授(かれはよく知られた共産主義者で、北朝鮮と緊密な関係がある)は日本軍が強制的に慰安婦を集めた証拠として、間違って説明した。

吉見氏は他の学者の指摘により、日本のメディアに自分が間違っていると認めたが、西洋のメディアには決してそれをしなかった。 2007年の記事のニューヨークタイムズは、日本軍が韓国の女性を強制したという証拠として、彼の最初の説明を用いた。 多くの学者がNYTに記事の取り下げを要求しているが、NYTはこれを拒否している。

8)(朝鮮人業者による朝鮮人慰安婦の輸送)   

下の写真は朝鮮の新聞、京郷新聞1977年6/6号の記事である。そこには、第二次大戦中に朝鮮人慰安所オーナーが何十人という朝鮮人慰安婦をパプアニューギニアのラバウルに日本兵へ性サービス提供のために輸送した。韓国の慰安所オーナーが韓国の女性を募集し、慰安所を運営していたのは1970年代まで韓国ではよく知られていたが、韓国人はその考えに異議を唱えていない。

その後1980年代になって、日本の朝日新聞が日本軍が朝鮮人女性を拉致して慰安婦にしたと非難する偽記事を掲載した。北朝鮮と緊密な関係を築いている韓国の共産主義者は、これが日本の名誉を汚し、日韓の和解を阻止する絶好の機会だと思った。 そこで、彼らは1990年に反日ロビーの挺対協を結成し、世界中に慰安婦の嘘を広めるようになった。

彼らの戦略は、低いランクの日本兵の犯罪である、少数のオランダ人女性とフィリピン人女性に慰安婦を強制した例を使用して、同じことが数万人の韓国人女性に起こったように見せることだった。 彼らは証拠がなかったので、韓国の元慰安婦に偽証させた。



9)(北朝鮮と反日活動家組織挺対協の関係)  

(反日活動家グループの挺対協(軍性奴隷として徴用された女性のための韓国委員会)と北朝鮮の関係は既に本文に記載があるので省略)

10)(韓国政府が設立した慰安所システム)

韓国政府は1960 年代のベトナム戦争に参加した兵士のため、及び1960年代及び1970年代に韓国駐留の米軍のために、慰安婦システムを設立した。 http://ameblo.jp/workingkent/entry-12032249233.html
http://archive.is/MWO4N

韓国の活動家による頑強なロビー活動の結果、米国で多くの慰安婦像が建てられた。 活動家らは、戦争中に権利が侵害された全ての女性のためのものであり、反日志向を意味しないと主張している。しかし、この彫像は日本軍を非難するだけで、韓国軍の女性に対する残虐行為には言及していない。

2017年7月13日木曜日

朴裕河教授の「帝国の慰安婦」と題するブログ記事に書かれた慰安婦問題の本質

(7月15日の記事の、このシリーズの全体をアップしましたので、2、3日中にこの記事は削除します)



「帝国の慰安婦」の著者である韓国Sejong大学の朴裕河氏のブログと思われる記事(2016年4月)が掲載されているサイトを見つけた。英語で書かれていること、そして著作権の留保の意思が特別に表明されていないので、ここに和訳をして掲載する。長文なので、何回かに分けるが、以下は最も大切な導入部である。http://scholarsinenglish.blogspot.jp/2014/10/summary-of-professor-park-yuhas-book.html

日本留学の終わり近くの1991年に、私は初めて慰安婦問題を知った。当時ボランティアとして、私はNHKの依頼で韓国の元慰安婦の証言を翻訳していた。私が韓国に帰国したとき、韓国のナショナリズムは制御不能な状態でした。そして、韓国共産主義者により、反日活動家グループ「軍事性奴隷制として徴用された女性のための韓国委員会」(挺対協)が結成された。その指導者は、公然と、今後200年間日本を卑しめることに決めたと述べた。

そのプロパガンダは私のこの問題への関心を失わせ、何年もこの問題から離れることになった。2000年代初頭、挺対協が生き残った元慰安婦女性をナヌムの家という養護施設に閉じ込めていると聞き、私は再びこの問題に関心を持ち出した。これらの女性が外部と話すことが許された唯一の時期は、挺対協が国連特別審査官または米国の政治家への彼女らの証言を必要としたときだった。

しかしある理由で、私は2003年のある日、彼女らと話すことが許可された。私は、彼女らがこの場所に閉じ込められいることが、幸せではないと感じることが出来た。女性の一人(ペ・チョンヒ;Bae Chun-hee)は、彼女が日本の兵士とのロマンスの思い出を語ってくれた。そして、彼女は彼女を売った父親が憎いと言った。

彼女はまた、そこにいる女性たちが、挺対協が虚偽の証言をするように指導することを評価できるとは思えなかったが、挺対協の命令に従わなければならないと言った。1995年に日本がアジア女性基金を通じて補償金の支払いを申し入れた時、61人の元韓国の慰安婦が挺対協の命令に反して補償を受けた。

その結果、彼女ら61人は裏切り者として罵倒された。彼女らは売春婦として、彼女らの名前と住所とともに新聞に掲載され、残りの人生を不名誉の烙印を押されて暮らさなければならなかった。そのため、残りの女性たちは挺対協を恐れ、再び彼らの意思をあえて無視するつもりはない。

挺対協(何人かは北朝鮮のスパイとして逮捕された)は、慰安婦問題を日米韓の安全保障関係に楔を打ち込むために、政治利用してきたのである。 (第一回目はここまで)

追加: 

なお、引用したブログの著者は、必ずニューヨークタイムズの「帝国の慰安婦」に関する記事を読むように進言している。 https://www.nytimes.com/2015/12/19/world/asia/south-korea-comfort-women-park-yu-ha.html?smid=tw-nytimes&smtyp=cur&_r=1

その中に:In the early 20th century, the official history holds, Japan forcibly took innocent girls from Korea and elsewhere to its military-run brothels. There, they were held as sex slaves and defiled by dozens of soldiers a day in the most hateful legacy of Japan’s 35-year colonial rule, which ended with its defeat in World War II.

(20世紀の始め頃、公式の歴史には、日本が罪のない少女を朝鮮やその他から拉致して日本軍が経営する売春宿に置いたとある。そこで彼女らは性奴隷として監禁され、日に数十人の兵士に汚された。この35年間の日本の植民地支配の最も忌むべき遺産であり、第二次世界大戦での敗戦とともに終わった。) という文章がある。

しかし、このような公式の歴史はどこにあるのか。この新聞は韓国の日本に対する慰安婦問題攻撃を援護していることが分かる。つまり、慰安婦問題とは米国( の一部勢力、多分支配層)と韓国及び北朝鮮の合作である可能性が高い。

2017年7月11日火曜日

米韓及び日米空軍の北朝鮮基地を仮想目的とした爆撃訓練について

1)韓国空軍は8日、北朝鮮ICBM発射台に見立てた目標物(韓国内に設置)の戦略爆撃機B1による爆撃訓練を、米韓両軍が合同でおこなったと発表した。朝鮮半島上空での爆撃訓練が公表されたのは初めてだという。米軍戦略爆撃機は、韓国軍との訓練の後に九州周辺空域で、日本の自衛隊戦闘機と共同訓練を行った。http://www.47news.jp/news/2017/07/post_20170708163704.html

この爆撃訓練に関して、参議院議員の青山繁晴氏は出演した虎ノ門ニュース(10日)において、アメリカの独自ルートからの情報として以下のような解釈を披露した。「今回の訓練は韓国に向けた圧力であり、融和政策を採っている文在寅大統領の覚悟を促する意味がある。また、米軍機の一連の訓練の中に日本の戦闘機も加わったことは、覚悟を促されている対象国は韓国だけではなく日本も対象である」と青山氏は語った。https://www.youtube.com/watch?v=uaUT68Mib3s (オリジナルは:https://www.youtube.com/watch?v=ycOrzZO22zI)(補足1)

その番組の中で、マティス国防長官の「ICBMの実験は戦争に近づけるものだとは思わない。今後も外交努力を続けることを表明した」という発言を紹介し、「それは単に戦争をしないという意味ではなく、戦闘になった時には真っ先に犠牲になるのは兵士なのだから、民間人にも犠牲者のでる可能性があることを、空軍を使用する(補足2)際の覚悟として持ってもらうための発言である」との解釈も紹介した。

この番組の中で青山氏は更に、「自衛隊が米軍の敵地攻撃訓練に加わったことは重大であり、野党が閉会中審査などを要求しないのは不思議だ」とまで発言している。つまり、自衛隊が敵地を先制攻撃する演習に加わったのだから、自衛隊という行政機関のパラダイム・シフトを意味しているとの解釈である。

この最後の指摘は誠に正鵠を得ている。この問題の議論を日本や韓国で引き起こすためにマティス国防長官はこの演習を行った可能性がある。平和ボケした日本と韓国への目覚まし時計である。

2)しかし、ことの本質は継続している朝鮮戦争にあり、その当事者は米国と北朝鮮であることを重ねて指摘したい。(補足3)つまり、朝鮮戦争の当事国でない日本が、それに巻き込まれるのは理不尽である(補足4)。休戦協定後に、米国はその終結に努力せず、毎年米韓軍事演習などで北朝鮮を刺激し続けた。

北朝鮮はその危機を回避するべく、米国との直接交渉を提案してきた。しかし米国はその提案を足蹴にして訳のわからない6カ国協議という枠組みを作り、積極的に戦争終結の努力をしなかった。北朝鮮の軍備拡大を牽制するフリをして、実際には軍備拡大を教唆することになったのである。

勿論問題の解決は、国防長官の仕事の中にはなく、大統領の決断すべきことである。トランプ大統領は選挙運動中から、金正恩との直接の話し合いを示唆してきた。そして、もし核戦力の不均衡が日本や韓国の脅威になるのなら、両国が核軍備をすれば良いとまで発言していた。

それをそのまま実行すれば、東アジアは犠牲者を全く出さずに安定を取り戻すことになる。その上に、北朝鮮と米国との講和は必然的に韓国と日本との講和に繋がり、それは北朝鮮への経済協力を伴う。未だに田園部では基本的な生活も儘ならないと言われる北朝鮮国民が、安全な日常生活を取り戻すことになるだろう。我々にとってより重要なことは、日本から拉致された人が無事日本に戻るだろうということである。

そのような道筋で、東アジア全体の安全と安定を確保すべく方針決定することは、米国や中国という大国には容易な筈である。軍需産業の繁盛や育成には役立たないが、現在十分豊かな経済力を持つ両大国はそのような決断をすべきである。中国が懸念する「日本の軍事大国化」は、日本在住の中国人に聞けば最も非現実的な懸念であるとわかる筈である。

アジアの国なら何処の国であっても、その国民一人ひとりは素朴に平和を望んでいる。基本的な生活ができれば、戦争で自分や肉親の命と引き換えるような経済的繁栄など意味がないと思っている筈である。どのような宗教や道徳的教訓でも、もし自分や他人の無垢の命との引き換えが要求される類なら、それは偽物の教訓と疑うべきだと、ほとんど全てのアジア人は思っていると確信する。

それはアジア人だけでなく、殆ど全世界の知的な人々の常識だとも思う。何故、その簡単な解決が出来ないのか。

=== これは素人の考えです。適当に読み飛ばしてください。===

補足:
1)青山氏は何かと不自然な発言が多い。今回もそうだが、米国の中枢からの情報を匂わせて、時々発言をしている。米国が日本側へリークする出口として利用している可能性がある。一年ほど前に、青山氏は「日本なら原爆など一日で作れる」と発言したことがある。その時にも、どこかの国の国益を考えて発言していると疑った。 (https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42752874.html 記事中、青山氏の発言としてリファーしたサイトは削除されている)
2)空軍を使ってある国を爆撃する決定は、大統領が行う。しかし、大統領を選び間接的に動かすのは一般国民である。
3)この事実を無視するか知らない人が多い様に思う。これは、何故かわからない不思議な現象である。
例えば、新しい歴史教科書を作る会の元会長である杉原誠四郎氏は「北朝鮮非核化に向けての新戦略」という文章を発表しているが、上記朝鮮戦争の延長上にあるという現在の北朝鮮危機の原点に言及していない。単に、国連決議に反して、気違い染みた軍拡路線をとっている危険な国家というイメージで北朝鮮とその核兵器開発を理解しているようだ。https://blogs.yahoo.co.jp/hetanonanpin/64694374.html
4)休戦協定とその後の経緯について、以下のサイトに書いた。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43283145.html1)韓国空軍は8日、北朝鮮ICBM発射台に見立てた目標物(韓国内に設置)の戦略爆撃機B1による爆撃訓練を、米韓両軍が合同でおこなったと発表した。朝鮮半島上空での爆撃訓練が公表されたのは初めてだという。米軍戦略爆撃機は、韓国軍との訓練の後に九州周辺空域で、日本の自衛隊戦闘機と共同訓練を行った。http://www.47news.jp/news/2017/07/post_20170708163704.html


2017年7月9日日曜日

G20での首脳会談についての感想

1)日中首脳会談:
今日の読売新聞一面には、中国と習近平主席と安倍総理の会談についての記事が掲載されている。会談内容は、①首脳同士の対話の機会を増やす;②日本は一帯一路構想へ協力すると伝達;③周主席は歴史問題の適切な処理を要求;④北朝鮮問題と東シナ海での問題協議、である。合意事項として明確なのは、最初の対話の機会を増やすことくらいである。

注目されるのは、②と③である。②は一方的に日本が譲歩した感じであり、③はこれまで通り中国の日本攻撃の武器を再確認したものである。日本と中国は既に平和条約を締結しており、未来志向の関係を築いた筈である。それにも関わらず、③を持ち出すのは通常の感覚では難癖である。つまり、日本と中国は③を中国が持ち出す姿勢が残っている限り、本格的な友好関係はありえない。

2)米中首脳会談:
一方、トランプ大統領は習近平主席との会談において、北朝鮮問題における周主席の努力を評価し、長くかかるかもしれないが問題は解決するだろうと発言した。http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000301/20170709-OYT1T50002.html この会談で、周主席は「中国と米国との間の良い大国関係を築きたい」という趣旨の発言をおこなった。これは世界の覇権国として棲み分けをしたいという意味に取れる。この後の方の大事な発言を、読売新聞のネット版等掲載していない新聞記事が多い。

3)日米首脳会談:
日米首脳会談はその開催が危ぶまれた。米側に時間的余裕がないというのがその理由である。会談では、北朝鮮の核の脅威についての確認のほか、トランプ大統領は米国の対日貿易赤字の縮小が必要だとの認識を示した。ただ、日米FTAには触れなかったという。http://www.sankei.com/politics/news/170708/plt1707080041-n1.html また、トランプ大統領は、安倍総理と中国習近平主席との話し合いにふれて、「中国との関係改善は望ましいことだ」とコメントしたという。

4)日米&米中会談の感想:
米国の対日姿勢は、今までの緻密な協力関係(つまり、米国が日本を保護国的に扱うという関係)から、日本は独自に自国の方向を考えるべきだというものへ徐々に変化しているのだろう。また、北朝鮮問題を武力で解決することは、日韓の熱心な要請が無い限り行われないと考えられる。つまり、日韓どちらから見てもあり得ないということになる。

また、従来の発言にあった、トランプ大統領と金正恩とが話し合うという解決の方向、つまり朝鮮戦争を終決して北朝鮮を承認するという方向も、トランプ政権が始まった時はあり得ると思えたが、現在その話は消滅したのだろう。トランプ大統領も従来の米国大統領のように、伝統的なシナリオライターが書いた方向で進むのだろう。私はそのように考える。

その従来の米国の支配層は異なった方向、つまり、中国或いは米国の力で、朝鮮半島の地図を現状のまま固定し、北朝鮮をもっとマイルドな政権にすることを考えている可能性がある。何れにしても、トランプ政権のリーダーシップの範囲ではそれは起こらない様な感じがする。

米国の対日貿易赤字の問題は、FTAの前哨戦なのか、もっと深いところからの発言かはわからない。一般に貿易赤字はその国全体について考えるべきで、二国間の問題にするのはおかしい。もし、後者なら、トランプ氏は大方の評論家のいうように、日本にとってもあまり良い大統領ではないかもしれない。

トランプ大統領については、評論家の馬渕睦夫氏の尻馬にのって、今後の新しい世界の枠組みをつくる大統領として高く買っていたのだが、結局大したこともできない可能性が大きくなってきたと思う。

5)日露首脳会談:
一方、プーチン大統領と安倍首相の会談は、米ロ会談が時間をとったことが原因で遅刻したプーチン氏が、それを安倍総理にわびる場面から始まったという。プーチン氏の遅刻はいつものことだが、詫たのは始めでだという。外務官僚らは驚いていたというが、プーチン氏は日本風の考え方を学んだのかもしれない。兎に角、この事実は前進の可能性があることを示唆している。

千島地域での経済共同活動については、首相とプーチン氏の会談で積極的とはいえない露政府担当者を動かす構図は変わらないと言う。安倍総理も日本の法的立場を害さないことが前提だという話でとどまっている様だ。これでは大きな成果を産む形での進展は無いように思う。

習近平の歴史問題への言及や、トランプ政権の東アジアからの後退姿勢を考えて、日本も対露姿勢をもう少し積極的な方向に変えた方が良いように思う。http://www.sankei.com/politics/news/170708/plt1707080038-n1.html

== 以上は全くの素人のメモです。適当に読み飛ばしてください。==

核兵器禁止条約を採択=国連を利用して核兵器の独占を目論む国連常任理事国

【ニューヨーク時事】国連本部で開かれていた核兵器を法的に禁止する条約制定交渉会議は最終日の7日、核兵器の使用や保有、製造などを幅広く法的に禁止する条約を賛成122票、反対1票、棄権1票で採択した。

条約は前文に被爆者の「受け入れ難い苦痛や損害」に留意すると明記。核抑止力の否定につながる「使用するとの威嚇」も禁止した。ただ、核保有国の参加は絶望的で、実際の軍縮に結び付く可能性は乏しい。

投票では北大西洋条約機構(NATO)加盟国のオランダが反対、シンガポールが棄権した。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170709-00000005-asahik-soci https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170708-00000077-jij-soci

これは米国のオバマのやり方である。ノーベル賞をもらったところで、満足すればよいのに、下らない画策を米国支配層に強力してやっているのだろう。田舎に帰らずにワシントンの近くに未だ残っているという。実に腹立たしい、下らない人物だ。

北朝鮮が核兵器保持が確実になり、ミサイルで多くの国を攻撃する能力をもつようになった。このままでは、核兵器は日本など多くの国に拡散し、国連常任理事国など核兵器保持国の特権的立場が危うくなる。その動きを封じるために、恐らく米国ら国連常任理事国である核兵器を保持している国々がどこか小さい国の政府に議案を出させて、可決すべく活動させたのだろう。

当然、この動議提出を画策した当事者は、反対の意見を述べるだろう。勿論、その動きで自分たちが核兵器を放棄せざるを得ないような圧力など生じようもないことを十分知っている。何度も同じことを書くが、世界政府が出来、その権威を全ての国が認め、核兵器を独占した後にこの種の議案は提出され審議されるべきである。つまり、将来の数十年、そんな時代は来ない。

2)日本では、法令により個人はピストルを持てない。その法令を国民が制定したのは、国家の行政機関である警察の権威と能力をみとめ、警察がピストル保持者の存在を知れば、逮捕してピストルを取り上げると信じているからである。(補足1、2)

警察もなく、或いは、在っても仕事をしない情況下で、一部の人間がピストルを持っているのなら、そして、その法案が通ったとしてもそれらの人からピストルを取り上げられないことが判っていたなら、一体誰がピストル保持禁止の法案を提案し賛成するのか? 

警察が働かない、或いは全ての範囲で十分に働く陣容にない情況下で、法案が提出されたとすれば、それはピストル保持者であるヤクザなどが、自分たちがピストルを使って悪事を働きやすいように、手先となる一般人を使って提案させたと考えるべきだろう。

そのような法案に賛成する人は、ヤクザから利益供与を受けている狡いひとか、ピストルを使って人を殺す事件について、「殺人者を憎むべきかピストルを憎むべきか」と考え込む、知的に問題のある人達だろう。

後者の中には、ピストルは人を殺傷するための道具であるから、その存在が無条件に憎いと原理的に凝り固まっている人もいるかもしれない。原理的思考が得意で、現実的思考が全くできない左翼の変人連中である。

補足:
1)ヤクザがピストルを持っていることは誰もが知っている。しかし、ヤクザは心のなかで一般人との間に一定の垣根を持っている。一般人もそれを知っている。つまり、“ヤクザは日本人の文化”なのだと、元公安調査庁の菅沼光弘氏は言う。菅沼光弘氏の講演を御覧いただきたい。https://www.youtube.com/watch?v=kr1rvu5vR40
2)このたとえ話は普通よりも深く考えて解釈してほしい。 == やはりわかり憎いだろうから、追加しておきます。核保有する常任理事国は、日本のヤクザのようになれるか?と問うているのです。==

2017年7月7日金曜日

日本国が東北アジアで孤立しない為には、彼の大国と本質的な互恵関係を築くべき

1)北朝鮮のミサイル開発はいよいよICBMの段階に入った。射程は7000km程度であり、アラスカまでがやっとなので、ワシントンの住人への脅威にはならない。トランプ大統領にはこの問題を解決する知恵がなく、中国にまかせている。トランプが5年前に大統領だったなら直ちに解決したかもしれないが、自分の意思で動けなかった米国の指導者たちにはそれは不可能だったのだろう。

一方、ロシアと中国の両首脳は会談を行い、北朝鮮の軍事開発を形だけ非難するものの、まともな制裁をやる気配はない上に、米国による軍事力行使、THAADの配備、そして米韓の軍事演習にまで協調して反対している。つまり、北朝鮮の核保持国としての立場を両国とも完全に認めている情況である。中露の完全な協調関係は久しぶりである。

朝鮮戦争の休戦協定は現況では無効化されていると見るべきなので、米国の軍事力に備えて北朝鮮が軍事力強化に努めるのは、それなりに正当性がある。そこで、米国の大統領顧問であるキッシンジャーは、米国は軍事力で北朝鮮の政権転覆をしないと約束し、今回の危機を避けるという方向を進言しているようである。

昨朝のラジオ放送「おはよう寺ちゃん」において、元外交官の孫崎享氏は、「このキッシンジャーの発言をトランプは受け入れて、彼らの軍事開発の意欲を削ぐことが一番の方策だと考える」と発言していた。 https://www.youtube.com/watch?v=wX35-eRWcdg

私はこの発言の後に、「日本はどうすべきか」についての発言があるものと思っていたが何もなかったので、孫崎氏は真剣にこの問題を考えてはいないと思った。或いは考えても、答えが見つからないので、次の問題に移ったのかもしれない。

2)このままでは、北朝鮮はICBMやSLBM搭載型の核兵器を完成して、米国とその同盟国の重大な脅威となることは必至である。両兵器はイザとなれば米国本土の攻撃も可能であるから、米国の核の傘は日本にとって破れ傘になった。北朝鮮を承認していない日本は、核ミサイルの脅威に裸で曝されることになる。勿論、北朝鮮の友邦である中国の核ミサイル(東風21号)の脅威の下にある日本にとって、米国の核の傘は最初からあまり大きな意味がない。

モスクワ在住の北野幸伯氏(補足1)の今朝配信されたメルマガでも、米国が北朝鮮を攻撃するのは今だが、攻撃すれば(これは朝鮮戦争なので)韓国への反撃により100万人の韓国人が殺されることになるため、トランプは北朝鮮を攻撃出来ないと書いている。

韓国の文在寅政権は、北朝鮮と連邦制を組むという”解決策”を考えて既に実行中である。やがて米軍は韓国に駐留する理由がなくなり、米韓同盟は崩壊するだろう。それはトランプ大統領の当初の考えとも合致する。韓国文政権の進む道は、勿論、危険な尾根を渡るような道ではある。北朝鮮ではなく米国の各種工作が恐ろしいのである。しかし、世界史はその方向に進むとして、神はトランプを大統領にしたのかもしれない。

一方、日本はこの北朝鮮問題の当事国ではない筈(補足2)なのだが、最も大きな影響を受ける結果となるだろう。米国の最終的な支援は考えられない上に(補足3)、日本に備えがないこと、北朝鮮との国交がないこと、そして、朝鮮半島や中国は問題が生じるごとに、反日感情を煽ることで、国民の不満を逸らせる方法を取ってきたからである。

ここで、日本が憲法を改正して核武装をすれば、互いに核の脅威を相殺する形で東北アジアに新しい軍事的均衡が出来上がる。しかし、中国もロシアも韓国もアメリカも、それには大反対するだろう(追加1)し、その最初の一声で日本の弱腰政府は核装備を諦めるだろう。大国の反対を押しきる北朝鮮のリーダーのような迫力のある政治家は、日本には居ない。金日成、金正日、そして金正恩の様な姿勢は、独裁国家のリーダーしか取り得ない。中国でも毛沢東の時代(補足4)までだろう。

この道の先には、日本国民は破滅の日の始まり(補足5)をただ静かに待つ情景しかないだろう。事実は知らされないだろうし、前日まで平和だろう。しかし、既に資産家の海外移住が始まっている可能性が高いと思う。日本は、勝谷誠彦氏が書いた小説「ディアスポラ」のような状態になるだろう。つまり、日本人はチベットに住むチベット族のような立場になる可能性が高い(補足6)。

3)この様な情況で日本が取るべきなのは、独立国として体制を整えることが第一だが、それは北朝鮮の刺激を持ってしても出来ないだろう。中国や半島(朝日新聞など&NHK)、それに米国のスパイ(読売新聞系&霞が関アメリカンスクール)が多数日本の議会やマスコミに巣食っているからである。

突然、大きな決断が出来る優れた指導者が出たとして、その指導者が考えることは日本と協力関係を築くことが大きな利益になるような国を創ることだろう。鍵は中国と長い国境線を持つロシアにありそうだ。そして、その指導者は既に日本の舵をとっているのかもしれない。

ロシアのGDPは韓国よりも小さい。長い中国との国境線周辺では、経済的にも人口的にも中国が有利な立場にある。北極海航路の開設も中国は考えているという。もし、ロシアがシベリアをなくせば、ポーランド2個分程度の小国になるという。つまり、ロシアにとって中国の潜在的脅威は決してなくならない。現在の中国とロシアの蜜月関係は、米国向けの見せかけのものである。(日露関係改善が日本を救う可能性が高い:日ソ交渉に対する佐藤優氏の訳のわからない危惧 http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2016/10/blog-post_25.html

つまり、ロシアは日本という国を最も高く評価する可能性のある国だろう。高く評価するという意味は、自国にとって最も利用価値があるという意味である。ロシアにとってシベリア開発は最重要課題だろうし、それには日本のインフラ整備能力を投入出来れば理想的である。シベリア鉄道には新幹線技術が最もふさわしい。それに対して、石油と天然ガスのパイプラインによる長期安定供給の契約は、中東からのシーレーンに不安のある日本にとって非常に有利である。

障害になっている千島列島の領有権問題は、そもそも本来存在しない問題であるが、両国の第2次大戦の時の悲劇をかんがえれば、ロシアが日本にとって信頼出来る国であるとの証に歯舞群島と色丹島は返還すべきである。それが両国にとって、新しい関係を築く鍵と鍵穴である。日本国がロシアの今後の国防と経済発展の鍵を握るほどの重要な相手国になれは、それは日本国の国防そのものである。

一方、米国にとって日本は利用価値がある国というよりも、経済的に競合する国である。また、キッシンジャーやクリントンなどは中国に大きな利権(負い目?)を有している。南北朝鮮が連邦制に移行して、朝鮮戦争が終決したのなら、日本国が米国に基地を供与する意味は大きくない。つまり、中国と米国を二大国と考えれば、勢力圏の境目は第二列島線に後退するだろう。そのような情況下では、米国は日本に今後の大きな利用価値を感じないだろう。

もし、日露間の上記シナリオが進めば、米国の妨害工作は熾烈だろう。しかし、米国にとっての悪夢は、世界の覇権を中国に奪い取られることである。そして、中ソ分断を中国に肩入れすることで図ったニクソン・キッシンジャー型戦略が時代遅れであることに気づく時(補足7)、米国は日本やロシアと再び協力する体制を考えるだろう。

追加:1)米国は上記(3)のロシアと日本の接近を見て、日本に安保条約の一環として核兵器の持ち込みを提案する可能性がある。その場合、日本の首相は大変難しい判断を迫られることになる。(7/7/8:55追加)

=== 以上は素人の夢想を書いたものです。===

補足:
1)北野幸伯氏の本「クレムリンメソッド」世界を動かす11の原理は大変示唆に富む本であった。 http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2015/05/blog-post_23.html http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2015/05/blog-post_43.html
2)日本は朝鮮戦争の当事国ではない。休戦協定に署名した国を見ればわかる。当事国は、中国(義勇軍)、米国(国連軍を代表)、北朝鮮である。韓国もその意味では当事国ではなく、舞台提供者に過ぎない。
3)米国はこの問題を利用して、東アジアでの覇権の足がかりとしてきた。北朝鮮の承認はこれまで何時でも出来たのである。核兵器を開発しないことを講和の条件にすれば、核兵器開発は行わなかっただろう。
4)毛沢東の大躍進運動や文化大革命の時の様子は、中国での発禁本「ワイルドスワンズ」に詳しく書かれている。失われた命はそれぞれ数千万人と言われている。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2013/10/wild-swans.html
5)破滅の日は、北朝鮮ではなく中国の尖閣への漁民漂着で始まると思う。尖閣での漁民漂着後に救助の目的と称して、中国軍が上陸して居座るだろう。そこへの中国の基地建設が始まる時には、韓国は北朝鮮と連邦制をとっているだろうし、沖縄の米軍は居るかどうかは分からないレベルだろう。
6)勝谷誠彦著の小説「ディアスポラ」は原発事故か何かで、多数の日本人が亡くなり、生き残りの人たちも日本に住めなくなって、国連の斡旋により各国に難民として受け入れてもらうという話の筋であった。そのうちのチベットに住み着いた日本人が、チベット人と同様に威圧的な漢人の下で生きていく覚悟を決める話である。
7)これにはもう気付いている可能性大である。中国に二つのトラップで抱き込まれた米国の嘗ての要人たちの工作が、その事実が表立つのを防止している可能性があると思う。

2017年7月5日水曜日

自民党の日本国を棄てる政治の歴史:野中広務氏の憲法に自衛隊を書き込むべきではないという考え

IZAニュースによると、自民党幹事長や官房長官を歴任した野中広務氏は4日夜、同党の安倍晋三総裁(首相)が目指す憲法改正について、東京都内で記者団に「私個人は反対だ」と述べた。

野中氏は、自民党額賀派(平成研究会、旧経世会)の結成30周年の会合にOBとして出席。終了後、記者団の取材に応じ「私みたいに戦争に行き、死なずに帰ってきた人間としては、再び戦争になるような歴史を歩むべきではない。これが信念だ」と強調し、憲法9条に自衛隊の存在を明記するなどの改憲案に反対を唱えた。

http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/170705/plt17070510000002-n1.html?utm_source=browser&utm_medium=push_notification&utm_campaign=PushCrew_notification_1499193629&pushcrew_powered=1

自民党の元幹部のこの発言を聞いて、ただただ悲しくなった。軍隊を持てば戦争になるという考えは、全く幼稚な人の考えか、イザという時に革命を容易に行いたい共産党や社会党の考えかの、どちらかである。こんな人が自民党の幹事長や官房長官をやっていたというのだから、戦後の政治はめちゃくちゃなのは当然だ。 

野中氏の考えは、多分、軍隊を持てば日本国は直ちに戦争を始める可能性が高いということだろう。政府に対する完全な不信を与党の幹部が持っていたということになる。 
それは、日本の政治家には軍隊を適切に運用する政府を造れない、或いは同じことだが、日本人には民主的国民国家を形成する能力がないと考えているのだろう。極論をすれば、日本人は猿か子供だから、国家を持つ資格などないと白状したということになる。

野中広務氏は、政府与党の政治家だったのだから、その期間に受けた給与を国家に返却すべきである。与党幹部でありながら、国家の正常な枠組みを作るために働いていた訳ではないのだから。

吉田茂と吉田学校生徒たちの経済優先と安全保障の米国への丸投げ、そして外交における米国完全追従という安易な政治の付けが、このような形で自民党及び日本国に残っているのだろう。戦後20年ほどは、疲弊しきった日本国の再建が急務であったという言い訳は可能である。勿論、大衆への言い訳が可能なだけで、正当性はない。何故ならそれは、「今夜命を奪いに来るかもしれない外敵に備えるよりも、明日の飯をたくさん得ることが肝心だ」というような理屈だからだ。

しかし、戦後50年を経過したころの官房長官には、そのような言い訳すらあり得ない。 政府与党の「非武装こそ平和への道」という類の考えは、吉田学校の生徒が政治を担当するようになって以来、便宜的な戦術論から本質的な政策になったということになる。つまり、独立国としての日本国建設放棄である。棄民政策&棄国政策を党是とする政党が、戦後70年間日本の政治の中心だったということになる。

そのように考えていると、思い出したことがある。自民党の丸山和也参議院議員(70)が2016年2月17日の参院憲法審査会で、「日本が米国の51番目の州になった場合」を仮定して持論を展開する一幕があったのだ。 丸山議員も日本国だけでは独立した国家とはなり得ないと考えたのだろう。https://www.j-cast.com/2016/02/18258878.html

従って、「軍事力を備えて抑止力とするのが平和への道」と提言すれば、直ちに「隣国を信用しないで軍備をもつことこそ、戦争への道」と、野党だけではなく、与党も心の底から反論するようになったのだろう。海部俊樹、宮沢喜一、河野洋平、細川護煕、などの顔を思い出すと、そのような合唱が聞こえてきそうな気がする。

社民党の福島瑞穂やテレビによく出演する元社民党の田嶋陽子らがそのようなことを言えば、「何をバカなことを言っているのだ、お前らはあほか売国奴か?」と声を張り上げることが出来る。しかし、与党の元幹部が「隣国を信用しないで軍備をもつことこそ、戦争への道」と言えば、ただ黙って涙を流すしかないではないか。

我々日本人は黄色い猿か、10歳の子供レベルの知性までしか得られないことになるのだから。この記事を書いている時に、テレビで放映された北朝鮮の姿が勇ましく見えた。(補足1)

追加:
1)天皇制と軍隊の共存を恐れている方が多い可能性がある。実際、自民党の憲法草案では、第1条で天皇を日本国の元首と位置づけ、第9条の2に国防軍保持を唱っている。私は、天皇を国家元首とすることには反対である。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43194485.html
2)自民党の党則か何かに憲法改正が書かれている。しかし、それは自民党神社のお守りに過ぎない。何かの時に、ここに書いてありますと見せるためのお守りである。

補足:
1)北朝鮮問題の解決の責任は米国と中国にある。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43008331.html

2017年7月4日火曜日

韓国の未来と日本の対応:ロシアとの関係改善と日米同盟の両立しかない

§1:
韓国の新大統領が文在寅になって早や二ヶ月になろうとしている。この二ヶ月間日本は一体何をしてきたのか? 森友問題、加計問題、それに都知事選挙である。これらの内前二つの問題は、たまたまではなく、どこかから日本の目をそらすべく持ち込まれ、それに日本のマスコミが協力したのではないのか。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43332737.html

それは安倍政権を破壊する為の工作であり、それが韓国、北朝鮮、中国の利益になるのである。残念ながら、日本にはまともなメディアがない。(補足1)

YouTubeの邦人ニュースというサイトで、藤井厳喜という人が「いずれ韓国は世界の敵になる!ムン・ジェイン政権の動向に注意!(個人感想)」という解説動画を出している。そこで、ケント・ギルバードなどを相手に、韓国は米軍を追い出すことになるだろうと言う分析を披露している。そして、「韓国には国家として或いは民族としての核がない。核のない国はどうしようもないのだ」と言っている。動画の表題中の「世界の敵」というのは、要するに「米国の敵」という意味である。https://www.youtube.com/watch?v=V1_4Y7s1uSI

この動画について、以下の趣旨のコメントを残した。
①藤井厳喜さんは朝鮮戦争を終結しなかった米国の責任をどう考えるのか?そこが問題の核心だと思う。朝鮮が一国両制度をとってでも、真の意味で独立して米国軍を追い出したいというのは、韓国の立場に立てば理解できる方針である。一方、日本は現在の情況で米国の占領状態から脱すれば、滅びるだろう。その辺りを十分考えて、議論すべきである。

②(朝鮮半島からの撤退は)朝鮮戦争で死んだ米軍兵士の死を無駄にすることになり問題だというが、では何故本気で勝とうとしたマッカーサーをトルーマンは首にしたのか? 「韓国にナショナリズムの核がないから、どうしようもない。そのような国からは米国も去らざるを得ない」と仰るが、日本にはそのような核があるのか? 

日本国に核なんかない。昔は薩長維新政府が育てた(復活させた)天皇家があったし、その下に日本民族が置かれた。しかし戦争に負け、GHQは完全にその構造を破壊した。「天皇陛下のために死ねますか?」という質問は、現代日本ではナンセンスだ。

国民にとって本当に大事なのは”民族”ではなく、国家だ。”日本民族”を日本国の核として再び利用する試みが、自民党憲法草案の第一条:「天皇は日本国の元首」という条文だろう。しかし、そんなアナクロ政策など成功するはずがない。

現在の日本国が核とすべきは、国の領土を保全し国民の命と安全を守る、国民がその三権の代表を直接或いは間接に選出する国家の枠組み”日本国”であるべきである。そのような国家を建設する自信がないから、民族の統合に天皇を持って来たいのだろう。

ケントギルバート氏については、以前も書いたが、日本に極右を育てる為に派遣された米国のスパイである可能性大だと思う。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42680321.html 米国は日本を切り捨てる口実を秘密裏に育てていると考えるべきである。

§2:
藤井厳喜さんの考えに両手を上げて賛成しているもうひとりの人も最近喋っている。それが、次の動画である。https://www.youtube.com/watch?v=_6ij7VNyPAs (補足2)

彼らには日本を救えない。却って日本を破壊してしまうだろう。後者、櫻井よしこさんの動画へコメントした。それを以下に再録する。

第二次大戦後日本と韓国は米国による準占領状態が続きました。朝鮮は国を二分されて、中国と日米のバッファーゾーンとされて来たのですから、そろそろ独立をしたいと思うのは当然だと思います。文在寅氏は、祖父母かだれかが北朝鮮に在住だといいますから、人一倍そのような不幸な状態を実感しているのでしょう。

半島分割は米国の政策であり、それは、マッカーサーが本気で勝とうとしたのを止めさせたことや、朝鮮戦争の終結に着手せずに6カ国協議という訳の分からない組織を作って誤魔化したことで明白です。 韓国が中国と対立する原因は米軍の存在ですから、米軍に出ていって貰いたいと思うのも自然です。

韓国の対中接近、そして、対北朝鮮接近の切り札は、日本敵視策です。日本は至急にこの対策を考えなければなりません。 極右が台頭することは確かですが、日本全体を牛耳ることになれば日本が破滅の道を歩むことになります。何故なら、米国も敵に回しますから。

否、それが米国の本当の政策かもしれません。ハシゴを外された日本は完全孤立して、墜落する飛行機の様になります。日本が考えるべき有効な手段は、プーチンロシアとの関係改善でしょう。インドとの関係改善はそれほどまでには成長しないと思います。つまり、極右路線は絶対に避けるべきですし、日米友好の枠からも絶対にはみだすべきではありません。

日本が戦略の中心とすべきは、日米同盟としたたかなプーチンロシアとの関係改善の両方を成立させることです。(補足3)それには安倍総理の腕に期待するしか、方法はなさそうです。日本国民は、北方領土問題に拘るのは愚かなことだと思います。しかし、歯舞色丹くらいは返してもらうべきです。プーチンは分かっていると思いますが、それは米国との関係を維持する上でも大事です。

  加計問題や東京都豊洲問題などで混ぜ返し、本来重要なこの問題を考えないように工作している団体が日本国内にあると思います。マスコミを支配する反日組織、半島の人脈です。繰り返しますが、現在日本国民は、安倍政権を守るべきです。


補足:
1)日本にはインターネットも含めて、まともな報道メディアがほとんどないのが実情である。BSプライムニュースや若干右よりではあるが、比較的まともなのはSakuraSoTV 位だろう。
2)二番目は、BSフジのプライムニュースだと思うが、櫻井よしこさん発言の部分を取り出して、“やはり、いずれ韓国は世界の敵になる、ムン・ジェイン政権の動向に注意”との題をつけて邦人ニュースが流しているものである。
3)正直に言うと、私も日露関係への姿勢について、重要性と危険性という二つの方向で大きく揺れてきた。その迷いについては、既に述べた。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42804964.html

2017年7月2日日曜日

安倍降ろしは工作である可能性が高い

1)国家の諜報機関の工作は巧妙であり、一般民の目はごまかされる。それは長期の準備期間と幾つもの準備工作の成果をストックし、本工作が必要な時に、蟻のようなマスコミの前に角砂糖として落とすだけである。

以前、孫崎亨氏の「アメリカに潰された政治家たち」という本を読んだ時、何故アメリカが潰さなければと思う高いレベルの政治家が、仕掛けられた罠に簡単に嵌るのかと思った。しかしその後、国家の諜報機関と所詮個人である政治家一人とでは、勝負にならないのだと思うようになった。

政治家は「トラップの仕掛けられたジャングルを歩むのだ」という覚悟が必要だろう。一代で国家トップになったような場合、そのトラップに嵌った時にその箴言を得ることになるのであり、それでは後の祭り、後悔先に立たずである。

孫崎氏の本にあるように、田中角栄のロッキード事件は米国の工作である可能性が高い。米国軍需産業の中核ロッキード・マーチン社が絡んでいることが、象徴的である。マネートラップやピンクトラップは、その時点での工作の目的達成に有効だろうし、その政治家を葬る時にも有効である。両トラップは、諜報機関の処方箋の中の王座を占めるのだろう、一度目は鼻薬として二度目は毒薬として。

そのように考えて、韓国の朴槿恵氏の件を見ると、事件の本質が見えてくる。前者は西岡力氏がチャネル桜で解説したように、長年の北朝鮮からの工作の結果、韓国の保守勢力がほぼ滅ぼされ、浮島のように残った朴槿恵も、予定通りに葬りさられたというのである。表層をみれば友人への利益供与であり、今回の安倍総理の件と酷似しているのも偶然ではないだろう。どちらも親が政権の中枢にいたサラブレッド政治家である点も共通している。

安倍総理の件でも、工作側がトラップに成功しなかったのだろう。決定的な情報を用意できななくても、法など無視してやるのが韓国である。日本は一応法律を重視する姿勢のある国であり、同時に韓国ほど大衆のエネルギーが蓄積していなかった。それだけの違いだろう。

つまり、安倍総理が橋本元総理と違って、その類のトラップに引っかからなかったのは、家系も強く関係しているのだろう。つまり、同じ基礎的能力の保持者なら総理総裁の二世三世が有利なのである。(補足1) それは、政治家としての戒めの教育を幼少時から受けているからだろうし、それは歌舞伎などの伝統芸でも映画俳優などの芸能でも同じだろう。

2)そのように考えてみると、今回の森友問題や加計問題がよくわかるような気がする。安倍総理は日本の脅威となる国、それは中国なのか、米国なのか、韓国なのかわからないが、その国にとって排除すべき日本のリーダーなのだろう。

ブログに行政を歪めた責任を追及する記事を書いたこともあったが、現在日本国は正念場にあることを考え、別の角度から眺めることになった。安倍総理が憲法改正などを行い、日本をまともな国に引き戻すことができる唯一の政治家であることを考えると、上記二つの小さな問題は他国の工作の可能性が高いと考えるようになった。

昨日録画してあったNHKの「戦後70年の特集」の中から、岸信介に関する部分を観た。吉田茂と吉田学校の出身者と対決する姿勢にプラスαの好感を持ったのは、番組がそのように作られているからである。最後の切り札的存在だった中曽根康弘が、憲法改正の必要性を信じながら、そして、岸信介に尻を押されながら、それでも就任直後に「憲法は改正しません」と国会で演説する姿に、日本の病根の深さを改めて知ることになった。

日本国は遺伝子をマッカーサーにより入れ替えられた。そして吉田茂と吉田学校が、その遺伝子より生まれたのだろう。国連軍の占領から米国の占領に置き換えたサンフランシスコ条約と安保条約の同時締結に、笑顔で調印する吉田茂は、日本に栄養を与えて太らせるという米国の政策を日本の総理として遂行した。それは、米国の牧畜業に見えなくもないし、戦後疲弊した日本を復興する正しい政策と見えないこともない。ただこのままでは、日本国は霜降り肉の霜となった米国債100兆円以上とともに、何れ米国人の胃袋に収まるか、どこかに売却される筈である。

勿論現在、米国は日本のもっとも大事な同盟国であることに疑いはない。そして、日本が米国の同盟国になるか、“和牛”に終わるかは、日本自身の能力と決断次第である。現状では安倍総理しかいないだろう。くだらない学者や評論家の軽薄な議論に耳を傾けるのはやめたほうがよい。

以下のサイトに出てくる学者などをよく見ればよい。そして、過去の発言の様子を思い出すべきである。彼らが、単眼しか持たず、しかも、虫眼鏡で見ているのか望遠鏡で見ているのかの意識もないことが、文章をみれば明白だろう。 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/206328/4

== 以上は素人のメモです == 補足: 1)以前政治を世襲貴族から奪い返すべきと書いたが、それは実力の劣ったものが政界に増加するからである。安倍晋三氏は祖父の志を継げる立場になった分、優秀な部類の世襲議員だと思う。

2017年7月1日土曜日

韓国に慰安婦像の建設をやめさせる方法:日韓の友好関係構築のために

ジョージア州のブルックヘブン市に韓国系団体から寄贈を受けた慰安婦像の除幕式が30日あった。日本軍が韓国人少女を拉致して性奴隷にしたという間違った理解を世界にばら撒くという韓国系団体の悪巧みに、米国の人権屋がビジネスを兼ねて協力しているのが慰安婦増設置である。

著書「戦争にもチャンスを与えよ」のなかでエドワード・ルトワックが言及した、人権を売り物にする団体の、ビジネスとしての介入の一つだろう。それは日本と韓国の間に憎しみのエネルギーを蓄積するだけで何のプラスにもならず、そのエネルギーは最終的には戦争で消費するしかないだろう。

この両国間に憎しみの醸成に積極的な役割を果たしたのが、上記韓国系団体の他に、日本の朝日新聞や米国のマイク・ホンダ議員などがいる。誤解を招く表現で談話を発表した日本政府要人もその中に含まれるかもしれない。彼らは全て、歴史の事実よりも自分たちのビジネスを優先する輩である。

日本も対抗措置を考えるべきであるが、それには一つのアイデアがある。それは、ベトナムにおいて韓国軍の慰安婦問題に怒る人や苦しむ人達に協力することである。

韓国はベトナム戦争時、サイゴン(現ホーチミン)市内に韓国兵のための慰安所を設置し、そこでベトナム人女性に売春させていたことは広く知られている。このことが2015年3月29日、米公文書でも明らかになった。http://megalodon.jp/2015-0402-1520-41/www.sankei.com/smp/politics/news/150329/plt1503290011-s.html

また、韓国軍兵士はベトナム人女性を多数強姦し、レイプ後虐殺するケースが多くあったとされる。(「私の村は地獄になった」ニューズウィーク日本版 2000年4月12日号P.24)そして、韓国軍兵士のレイプによって妊娠したベトナム人女性が生んだ、父のいない混血児たちをライダイハン(ベトナム語で「混血雑種」を意味する蔑称)といい、その数は3万人にのぼるともいわれる(https://en.wikipedia.org/wiki/Lai_%C4%90%E1%BA%A1i_H%C3%A0n

ライダンハンの存在はカナダの審査付きの学術誌であるPacific Affairsに掲載された論文にも報告されている。(補足1)更に、韓国軍が制圧した地区で殺害されなかった女性は、ほとんど慰安婦にされたといわれる(名越二荒之助 『日韓共鳴二千年史』明成社、2002年)

それならば、日本のNGOとか民間団体が寄付を募って資金を用意し、ベトナムの人たちによる旧慰安婦たちの救済や、慰安婦像の設置に協力するのである。この民間での協力は、ベトナムと日本の友好関係にプラスになるだろう。更に、韓国に無益な慰安婦像設置に反対する空気を醸成することにもなるだろう。それは日韓友好に真にプラスになるはずである。

補足:
1)Shipper, Apichai W. (2010). Politics ofCitizenship and Transnational Gendered Migration in East and Southeast Asia. In Pacific Affairs. 83(1). Page12. (Retrieved May 23, 2017)「Wikipedia より抜粋」

エドワード・ルトワック著「戦争にチャンスを与えよ」の感想

1)買い物の際に立ち寄った本屋で偶然表題の本を見つけて買った。米国のエドワード・ルトワック氏は、安倍総理が日本に招いて話を聞いたという著名な戦略家である。この本にはルトワック氏の、戦争に対する考え方がわかりやすく書かれている。久しぶりに脳みそが大いに刺激された。

表題の「戦争にチャンスを与えよ」というのは、「戦争が起こっているのなら、無責任な干渉はせずに当事者に任せることも、選択肢として考えるべきである」という意味である。それは、「戦争には平和を実現するという目的がある」からである。勿論、根本原因から除去するような干渉なら望ましいが、それは干渉する側に多大の経費(あるいは犠牲)を強いるので、一般にはありえない。

戦争と平和に関してよく聞く言葉は、「戦争は平和を害する行為であり、避けなければならない」というものである。戦争と平和が単なる選択の問題ならその通りだろうが、そのような戦争はほとんど存在しない。つまり、戦争を絶対悪とするのは、「戦争が起こるのには理由がある」ことを無視した無責任な解釈なのである。その無責任な解釈を根拠に行われがちなのが、(カバーに書かれた)“国連やNGOや他国による中途半端な人道介入”などである。

以上は表題の意味である。あえて繰り返すと:戦争と平和を単純に対立した概念と捉えるのは間違いであり、戦争は平和に至るプロセスであるという考え方をすべきである。戦争に至る原因は、平和の時代に二つの勢力(国家)の間に積み上げられた、不満と憎しみのエネルギーであり、それを燃焼し尽くすのが戦争である。途中で介入して戦争だけを止めても、その憎しみのエネルギーが残ったままでは、何の解決にもならないということである。

2)何故そのような介入をするのか? ルトワック氏は、それをビジネスとする人たちがいるからだと答える。その代表的なのが、国連や戦争難民を支援する非政府組織(NGO)などである。ビジネスだから、当然コスト(人的被害を含む)を最小にし、組織の持続と自分たちの利益を優先する。

そこには、平和を害する原因の根本的解決という視点はない。以下私流にいうと:そのビジネスが平和を享受しているその他多くの国家の国民たちに提供する(売る)のは、残忍な行為の除去と悲惨な状況にある子供達の救助という達成感であり、そのコストは介入する側の人員に対する被害と軍事介入の経費である。国連のように、加入者から労務提供を受ける場合もある。

売上金は加入者からの拠出金であり、利益は組織の継続維持と組織管理者の地位と給与である。しかし、カメラが回っている間だけ、目の前の悲惨な光景を取り除いても、それはカメラが捉えない新たない悲惨な光景の原因を作り出すだけの可能性が高い。この本では、その辺りを例を豊富にあげて解説している。そのように考えると国連という組織、特にそこが行う“人権ビジネス”がよくわかるような気がする。(補足1)

ここで、本書全体を通しての著者の考え方のエッセンスを一つ書くと、「人間でも動物でも、自然淘汰が種の保全をもたらした。そのプロセスに過剰に干渉することは(例えば、人権の無原則重視の文化)、人類にとってマイナスである。」ということである。戦争もそのプロセスの一つである。そして、戦争を完全に無くすることは国家や民族にとって不可能であるから、戦争にはならないように、そして、戦争になれば当然勝つべく、戦争に備えるべきである。

そのためには、国家のリーダーは戦略的に思考し行動しなければならない。(補足2)その為には戦略的思考法を身につける必要があり、それは一般的(つまり個人的)レベルの思考法とは根本的に異なる。私流に追加すれば、戦術的思考法、戦略的思考法など、思考法の多層性を理解しなければならないということになる。個人的な思考法では人命は地球より重い存在であるとしても、戦略的思考では人命を消耗品的に考える必要もある。

時間スケールも空間スケールも個人的思考と戦略的思考では全くことなる。戦略的思考の主体は国家(や民族)であり、一般的(個人的)思考の場合の主体が個人である場合とは異なるのは当然である。例を一般的思考法で表現したのが、「戦略のパラドキシャル・ロジック」(第6章)であり、それは例えば、「勝つことは次の負けに繋がる」などである。個人では一回の負けに巻き込まれれば全てが終わるが、戦略的思考の主体である国家は長期間存在し続けるのである。

3)この本には、日本の読者を意識した章もある。その部分には注意が必要である。何故なら、著者はアメリカ人だからである。

北朝鮮問題:

北朝鮮に対する日本の姿勢が、この本の120頁に以下のように書かれている。北朝鮮へ対応する日本の選択肢として、「降伏、先制攻撃、抑止、防衛」の4つがある。ところが日本はそのどれも選択していない。代わりに選択されているのが、「まあ、大丈夫だろう」という無責任な態度だ。

この記述自体は正しいのだが、重要な前提が書かれていない。つまり、北朝鮮問題の本質は、朝鮮戦争の再開である。そこで責任を持つのは、国連軍、北朝鮮軍、中国義勇軍であり、日本はそこには含まれない。北朝鮮問題を解決する責任を有する主な二つは、北朝鮮と米国である。勿論、米国の責任だといって、米国を攻撃(口撃)するだけでは、戦略的行動とは言えない。米国に先ずは正しい(日本の利益になるような)行動を要求すべきである。そこから、本に書かれた戦略を考えるべきである。

それに、日本政府が(吉田茂などは別にして)一貫して目指すのは、抑止という選択である。しかし、それを妨害する二大勢力として、米国と中国がある。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42722151.html

尖閣問題:

著者は国家公務員(海上保安庁など)の常駐を勧めているが、それは無責任な進言である。それを実行すれば中国軍が直ちに尖閣占領に乗り出す可能性が高いと思う。日本はこの戦いに既に負けている。それは現状日本に何の抑止力もないからである。この問題は既に考察したので、以下のサイトをご覧いただきたい。 https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43296137.html

以上の他に、200頁あまりの新書版であるが、有益な考え方が満載されている。これほど内容の濃い本は読んだことがないと言っても過言ではない。ぜひ読んでもらいたい本である。

補足:
1)国連女子差別撤廃委員会が、日本への勧告案に女系の女子にも「皇位継承が可能となるよう皇室典範を改正すべきだ」と勧告する文言が含まれていたという。一旦は削除されても、今後この種の干渉が続くだろう。 http://ironna.jp/article/3341

2)著者は戦略の専門家であり、日本の戦国武将の戦略も研究している。第7章で、武田信玄、織田信長、徳川家康の戦略について解説している。